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ミツバ チの誘 引剤
ミツバチによる作物の花粉媒介 は,今 日では ミツバチの人類への貢献 の中では最 も重要かつ 経済的価値の高いものであると認識 されるよう になった.少 し前 になるが, アメ リカでは農業 生産における花粉媒介を通 じての ミツ/ヾチの寄 与価値 が- チ ミツと蜂 ろ うの生産高の合計の1
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倍 に達 す る と い う試 算 もあ る(
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これは ミツバチによる花粉媒介がまっ た く行われなか ったと仮定 したときの減産 (減 収)を予測 した もので,花粉媒介で実 った種子 による牧草を餌 とした牛か ら得 られる牛乳 とい った副次的なものが多 く含 まれる嫌 いもある. それで も,い くつかの試算がこれと同様 に,養 蜂生産物の生産高よりも花粉媒介の結果の方が はるかに大 きいとしている.養蜂の実際におい て も,最近の日本の事情 を例にとればわかるよ うに,養蜂家の収入における交配用 ミツバチ群 の賃貸収入の伸 びは,-チ ミツやローヤルゼ リ ー生産高の伸びを上回る勢 いとなっている (松 香(
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は 『ポ リネータ-の利用』で,この 辺の事情を含めて詳 しく花粉媒介について解説 しているので参照いただ きたい). 逆の言い方をすれば,作物 は花粉媒介者 とし ての ミツパテを これほどまでに必要 と してい る.Fr
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993
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は農作物で花粉媒介を必要 と す るもの352種 につ いてその受粉 のメカニズ ムを解説 している. これ らの作物のすべてにつ いて ミツバチによる花粉媒介が可能なわけでは ないが, ミツバチが人間の管理下 にある家畜で あることを考えると,実際に利用 される頻度が 特に高 いことは明 らかである.例えば日本での イチゴの施設栽培など, ミツバチの存在によっ て作物の生産 自体が成立 している例 も少な くな中村
純
いが,露地栽培における果樹や果菜類,子実頬 や野菜の種子の生産などのように,かつて意識 的に花粉媒介者を導入 したことのなか った場合 でも, ミツバチの必要性 は高まってきた. これ は単純に農地化に伴 う自然破壊が野生の昆虫を 減 らしているか らそれを補 うというような, ミ ツバチを使 う理由としては消極的な部類の理由 とは限 らず,果樹 やその他 の作物 の花粉媒介 が,生産者の管理のもとに効率よ く行われるべ きであるという積極的な動機か らで もある.作 物の花期に合わせて花粉媒介者を導入 し,確実 に花粉媒介を集約的に行わせることが,作物の 生産技術 において,適期の設肥,薬剤散布や努 枝,摘果 と同 じように管理の一段階にな りつつ ある.特 に, もともと農地面積が少な く,地力 を低下 させずに単位面積当たりの増収が必要な 日本の農業において,栽培管理技術水準の高度 化 は不可欠,花粉媒介者 の導入 も必然のもので ある.といえる. ところで,果樹園や,菜種の畑で も, ミツバ チを導入す ることで,花粉媒介 の効率 は上 が り,結実数は増加する.様々な研究が多種の作 物についてこれを証明 しているが, この図式 は それほど単純かつ容易な ものではない. レンゲ蜜, アカシア蜜などと花名を冠 した-チ ミツの生産が可能な理由のひとつ としてあげ られ ることが多 いが,定花性 とい う性質 があ る. ミツバチは一度ある花を訪れ始 めると,そ の花の蜜が枯れるか,あるいはその花の蜜より も上質の蜜を分泌する花が見つかるまで,その 花に通い続 ける.また, ミツバチは餌を評価す ることができる.探索蜂が新規の蜜源の情報を 巣 に持 ち帰 り, ダ ンスで仲 間にその場所 を伝え,やがて多 くの ミツバチがそこに通 うように なる.蜜を持 ち帰 る採餌蜂 を巣で待 ち受 ける食 糧貯蔵係の蜂 は, よ りよい蜜,一般 には糖度の 高 い蜜を受 け取 りたがる. そこで,2種類 の蜜 源があ った場合,良質 の蜜源か ら戻 った採餌蜂 は蜜胃中の蜜をす ぐに受 け取 って もらい, ダン スを激 しく踊 って仲間を呼び集め,再 びその花 へ と通 う.逆 にそれに劣 る蜜源か ら戻 った採餌 蜂 は受 け手 を探すのに時間がかか り, ダンスど ころか 自ら再度花 に通 う頻度 も下がる. これに よりコロニーとしてはより良質な蜜源- と採餌 蜂を集中させ, これを最大限に利用で きるよう になる. そこで,ただ作物の近 くに ミツパテを持 ち込 むだけでは花粉媒介 の成果が期待で きないこと もあ り得 る. その成否 はその花が ミツバチにと って最 も魅力的か どうかにかか って くる.たと えばナ シで は花蜜 の糖度 が
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前後 であ るの に対 して,果樹園の下草 と して同時期 に花 を付 けるタンポポで はそれが最大73%に も達 す る という. これでは ミツバチは迷 いな くタンポポ か ら蜜を集 めることになる. これが,果樹園内 の下草刈 りを必要 とす る理 由のひとつで もある 巣箱 に砂糖水の給餌を行 い,花蜜採集蜂を花 粉採集蜂 に振 り分 けることも可能である.花粉 を集めるよ うに仕向けるためには,巣門に花粉 トラップをつけてコロニーが花粉欠乏 になるよ うにす るの も方策である. しか しこれ らは単純 に花粉採集 を励起す るための手段であって,必 ず しも目的の作物 の花粉媒介効率を上 げるため に直接役立っ という保証 はない.花粉 について もミツバチは栄養評価が可能 らしく, その作物 の花粉が魅力的かどうかはやはり問題である. このような事情か ら,特定の作物 に ミツバチ を呼び寄せ る方法がい くつか考案 されて きた. 古 くは, ミツパテの巣箱内に目的の作物の花を 入れてその匂 いにな じませよ うとした り, い く つかの花の匂 い成分 を精液 に混ぜて畑 にスプ レ ーす るといった方法である.最近では, ミツバ チの女王蜂 のフェロモ ンを散布す る研究 も行わ れ, い くつか の商 品 も実 際 に使 用 され るに至 り,特 にアメ リカでは効果 の見 られるケースが 増えている. しか し, アメ リカに比べて果樹園 面積 の小 さい日本で, コス トに見合 う花粉媒介 効率が得 られ るか どうかは明確でない.佐々木 (1994) が述べているように,誘引剤の効果 は ごく短時間で,花期の長 い ものには向かない し (再散布が必要 となる), また花粉媒介が過剰 に 成功す ると果実がな りす ぎて,小型化や中途落 下の起 こるよ うな ものには使えない. 玉川大学では,大塚化学株式会社 の委託 を受 けて2種 類 の誘 引剤BeeLineとBeeScentの ミツバチ誘 引性 の試験 を行 った ことが あ る. BeeLineは シ ョ糖 や他 の栄養成分 を含 む栄養 補助飼料 とで もいうもので ミツパテやそのはか のハナバチを餌 として誘引す る効果 を持つよ う な配合の粉体, 一方, BeeScentは ミツバチの ナサノフ腺か ら分泌 され る集合 フェロモ ンを応 用 した もので,糖液にシ トラールとゲ ラニオー ルの混合物が溶解 してある液状の製品 となって いる. いずれ もある設定の濃度で果樹園などに 撒布 して用 いる. 実際に果樹園や圃場で行 った試験ではないの で, これ らの誘引剤が ミツバチを特定 の作物 に 呼び寄せ,花粉媒介の効率 を上 げるのに役 に立 つかの判定 までは していないが,その結果を踏 まえて ミツバチ誘引剤の是非について考察 して みた. 誘 引 剤 へ の誘 引 試 験 まず, ショ糖液を入れた容器 を誘引剤, また は蒸留水 を しみ こませたガーゼの上 に置 き,読 引剤 の蒸散が, これ らの餌場への ミツバチの誘 引にどの程度効果を示すかを検討 した (図 1). 図 1 餌台に集まったミツバチ図2 4つの餌台をおいての実験 この場合,天候やその他 の条件 によって も異 なるが, うま く誘引されないので外勤蜂を巣箱 の外で トラップ した ものを餌台付近で放 して誘 引を促 した場合 と, まった く手を加 えず誘引を 待 った場合のいずれで も,餌台設置後約3時間 で餌台への飛来が始 ま り,飛来開始か ら30分 程度で,飛来数 の増加がみ られた.ただ し,餌 台間の距離を大 きくとらなか った(10m以内) ためか
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区でやや飛来 が早 く多 い傾 向がみ られた (飛来数 につ いて,p(0.05,WiトC
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ほかは,餌台間での飛来状況の明 確 な差 はなか った. 次 いで, ショ糖液だけで誘引剤を用 いない餌 台を4つ設置 し,これに ミツバチを通わせ るよ うに した (図2).先 の実験 と同様 に ミツバチを 近 くで放 して飛来を促 した場合には,最初か ら 4つの餌台の うち2つで飛来数 が多 くなった. これは餌台の配置の問題 と考え られ る.その状 況で, ショ糖液の入 った容器 の下のガーゼに誘 引剤 を しみ こませて蒸散 させたところ, 4つの 餌台への飛来数 は同等 とな り, 1時間後 には対 照区に比べて誘引剤区のいずれで も飛来数が多 図3 セイタカアワダチソウの群落に区画を設ける くな った. したが って,誘 引剤 の効果 は先 の実 験 よ りも短 い時間で現れた ことになる. ミツバチを自然 に餌台に通わせるよ うに した 場合には,餌台を学習 させている問,つまり誘 引剤を使用す る前では, 3つの餌台への ミツバ チの飛来数 には差がみ られなか った.誘引剤を セ ッ トす ると3つ の餌 台 いず れ も飛来数 が増 加 した. 実験中に餌台上のシ ョ糖液がな くなると,比 較的短時間に飛来数が減少 して しま うことが観 察 されたので,餌の補充 は重要 であった. この ことは一方で,花数が少な く,花蜜の分泌量 も 少 ないよ うな作物の場合 には,誘引剤 の効果 は あまり長 くは持続 しない ことを意味 している. つまり,開花後 の柱頭活性 を調べて,受粉 しや すい時間帯 に ミツバチを誘引す るような誘引剤 散布計画を立て る必要が生 じるか も知れない. この実験で,Be
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区では, 誘引剤の吸 蜜行動への影響 と思われ るが, ミツパテが興奮 状態 とな り,餌台上での吸蜜時間 も短 く,落 ち 着 きがな くなった. もっとも,花粉媒介のため には,短時間に多 くの花 を訪れて くれた方がよ いわけで,吸蜜時間の短縮,複数 の花への飛来 の増加が実際の果樹園などでみ られ るのであれ ば,意味のある効果 といえるか も知れない. セイタカアワダチソウへの誘引試験 セイタカアワダチ ソウは帰化植物なが らミツ バチの秋 の蜜源植物 としては日本で は重要 な位 置づ けにある. この試験ではすでに ミツバチが 吸蜜 しているセイタカアワダチ ソウの群落で, 2種の誘引剤 を散布 した場合 に, ミツバチの飛 図4 -ンドスプレーで誘引剤を散布0 0 2 飛 来 働 き 蜂 教 セイヨウミツハチ
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BeeLlne区 -20 0 20 40 60 80分 二ホンミツパテ 0 0 0 2 飛 来 働 き 蜂 数 -●- BeeLlne区 -■- BeeScent区 一一一▲一一一対照区2
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0 20 40 散布後 時間 60 80分 図 5 誘引剤の散布とセイタカアワダチソウの群落 への2種 ミツ′ヾチの飛来状況の変化 乗数が増加す るかどうかを確認 した. まず,群落内 に 2m X2mの区画 を風 向 きに 対 して並列 になるようにそれぞれ距離 をおいて 設定 し,各区にハ ン ドスプ レーを用 いてそれぞ れの誘引剤の使用法 に基 づいた分量 を散布 した (図3,4).散布前 と,散布後,時間経過 に合わ せて実際に飛来 した花上 のセイヨウ ミツバチと こホ ンミツパテをそれぞれカウントした. この 実験 は,農学部昆虫学研究室 の学生 を大々的に 動員 して, まさに人海戦術で行われた. その結果 を図5
に示 した.散布の直後 に両種 の ミツバチの訪花が低下 したのは,花序が薬剤 で濡れたこと, あるいは散布 に伴 って人間がか な り花 に接近 して作業 したために,吸蜜を妨害 したためであろ う.何 も散布 しなか った対照区 ではこの時点での減少 は認め られなか った.敬 布5
分後 にはBe
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で,散布1
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で も散布前 の訪花数 に戻 り,その後対 照区よ りも訪花数が増加 している. これは明 ら かな誘引効果であろう. ここで注 目すべ きなのは,セイ ヨウ ミツバチ の訪花数 の増加 は一方でニホ ンミツバチの訪花 数 を抑 えて いるよ うに見受 け られ ることで あ る.逆 に言 えば,薬剤の散布 はニホ ンミツバチ の訪花 にはま った く誘 引効果 を及 ぼ していな い.女王蜂のフェロモ ンは両種で多少の差があ り, これは種間差 として重要 な要素 にな ってい る. 二ホ ンミツバチでは散布作業 その ものの負 の影響だけが一時的に現れ,セイヨウ ミツバチ ではその後散布の正 の効果が現れているように 見て取れ るところが興味深 い. もっともその通 りな らこの効果 はフェロモ ンを模倣 したBe
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にだけ現れ るべ きで はある. また夕方 になって気温 の低下 に伴 ってか, セ イ ヨウ ミツバチの訪花が低下 して くると再 びニ ホ ンミツバチの訪花が増えている. これは,セ イ ヨウ ミツバチでの訪花 を増加 させ ることに成 功 しただけでな く, ニホ ンミツバチの訪花をそ の後 に継続 させ,植物 と して長 い時間の訪花時 間を稼 いだ ことにな らないだろうか. これはセ イ ヨウ ミツバチが誘引されたことで閉め出され た格好 になっていたニホ ンミツバチが,セイ ヨ ウ ミツバチよ りも低温ややや暗いところで も活 動 で きるために起 こった ことで はないだ ろ う か.ただ し,植物 の柱頭活性がどの程度の時間 継続す るかで花粉媒介の効率その ものに影響が あるかどうかは決 まるので,訪花時間の延長 だ けで花粉媒介率の増加 と判断す るのは難 しい. 誘引剤の利用価値 以上 の結果か ら,誘引剤が比較的短時間の う ちに, ミツバチを目的の作物 に誘引可能なこと が示 された. それ も餌台が末学習であって も, つまりすでに他 の花を蜜源 として学習 していた 場合 に も誘 引で きていた. これ は本来Be
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の効果 と して期待 され るもので,Be
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で同様の結果 とな ったのは,両誘引剤 を同時 に 併用 した実験上の誤差であるか も知れない.作 用機作 か ら考 えて,Be
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は未学習の作物 への訪花を誘導す るのに向いていそ うだ し,そ の点では作物 自体 に魅力があれば,一度向かわ せ ることに成功 さえすればよい.Be
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の方は, ミツバチをその作物 に繰 り返 し通わせ るだ けの魅力を持たせ る採餌刺激物質であるか ら, ミツバチが偶然で も通 いだせば,花粉媒介の効 率を上 げるのには向いているだろ う.実際の場 面で両誘引剤を併用す ることはないか も知れな いが,今回の実験では, それな りの魅力のある 餌台 や流蜜 のよいセイ タカア ワダチ ソウに, BeeScentによ って遠隔的 に誘導 され,遭遇 し たBeeLineあ るいは高濃度 の糖液 で再飛来 が 誘発 されたと考え られる. もう少 し餌台を離 し ておけば個 々の誘引剤の効果をみ ることがで き たであろう. その点で申 し分 のない実験設定で, スイカの 花粉交配 につ いて2種 の誘 引剤 の効果 を比較 した ノースカ ロライナ州立大学 のSchultheis etal(1994)は,訪花 に も,結実率 に も,果実 の品質 にも特 に効果 はみ られなか ったとしてい る.同様 の結果 はい くつかあるようで, このあ た りが, こうした誘引剤 の評価が分かれるとこ ろで もある.実際問題 と して,栽培条件 に関わ る要素が多々ある中で誘 引剤だけの評価 は困難 であろう. ミツバチが巣箱の内外の状況に応 じ て採餌行動を調整す る能力の方が誘引剤の能力 を上回 ってお り,試験の条件 に応 じて結果が異 なるものと考え られ る.周囲の蜜源,蜂群の大 きさや必要 とす る餌の状況,風向 き,時間帯, 気温などの条件を整えた試験で効果を評価す る ばよいのではあるが,それでは実地で効果が期 待で きる範囲が限定 され る.つまり誘引剤 の能 力が ミツバチの採餌行動 の調節能を完全 に上回 るのでなければ絶対的な効果 は期待で きないと い うことになろう. 今回の試験で誘引性 について一応効果 あ りと 判定 は したが,問題点 が なか ったわ けで もな い.特 に効果の持続性 の点では両誘引剤 ともま だ改良の余地がある. 期待で きる効果 と して,散布 した比較的狭 い 空間に ミツパテを集中させ うる点 は作物の種類 や栽培方法か らみて重要 な利点 に違 いない.特 に今 日はここ,明 日はあち らとい うような ミツ バチを必要 とす る作物が小面積で,かつ接近 し ている場合に, ミツバチの採餌域 を切 り替 える ことが可能 となれば, ミツパテの利用効率 自体 が上がる. これには両誘引剤 とも効果が期待で きそ うであるし, ナシの場合など, 2種の併用 とい う形で効果を増加 させ ることも可能か も知 れない. 果樹や畑作物の花粉媒介 は今後 とも農業上不 可欠 な要素で,その中での ミツパテの位置づけ はますます重要な もの となる. その ミツバチの 利用効率を向上 させ るための資材の需要 は将来 的 に も高 ま る こ とにな る.BeeScentや Bee-Lineの はかに も数種 の誘 引剤 が市場 に出回 っ ているが, さらなる改良が加え られ ることを願 ってやまない. 謝辞 試験結果の一部の公表に同意いただいた大塚化学 (秩)農薬肥料部企画室の鈴村一郎氏に感謝申し上げ る. (〒194 町田市玉川学園6-ト1 玉川大学 ミツバチ科学研究施設) 引用文献
Free,∫.ち.1993.1msectPollinationofCrops. AcademicPress,London.250pp. Levin,M.D.1984.Am.BeeJ.124(3):184-186. 松香光夫.ポリネ一夕の利用.サイエンス-ウス,東 京.153pp. 佐々木正己 1996.養蜂の科学.サイエンス-ウス, 東京.159pp.
Schultheis,J.R.etal.1994,Hortscience29(3): 155-158.
NAKAMURA,JuN.Beeattractantsforpollination. HoneybeeScience(1997)18(2):81-85.Honeybee ScienceResearchCenter,TamagawaUnlVerSity,
Machida,Tokyo,194Japan.
Twobeeattractants,BeeLineandBeeScent attracted honeybeestofeeding slteSand wild honey plant.Thetypeofthoseattractantsis differetin their function.BeeLine is a food attractantandBeeScentisapheromonemimic. Insteadofthedlfferencetheireffectweresimi -larly and appeared rapidly(10min)on nectar plants.Use ofbee attractants in smalトscale cultivation such asin Japanesehasbeen less invetigated butitis probably effectivesince honeybees can be attracted to smallspotted areaifattractantsaresprayed.