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Evaluation of resorption and biocompatibility of collagen hemostats in the spinal epidural space.

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Academic year: 2021

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論 文 内 容 の 要 旨

論文提出者氏名

水野 健太郎

論 文 題 目

Evaluation of resorption and biocompatibility of collagen hemostats in the spinal

epidural space.

論文内容の要旨 脊椎手術において,コラーゲン止血剤は硬膜外静脈叢からの出血を止める目的で,主に使用 されている.処置後は,コラーゲン止血剤を可及的に除去することが推奨されているが,再出 血により,止血剤を硬膜外腔に留置せざるをえない症例を経験する.これらの性質や形状によ って吸収性や組織親和性が異なり,術後合併症として止血剤の膨化や肉芽形成による神経組織 への圧迫が散見される.硬膜外腔に止血剤を留置した場合,それに起因する炎症や細胞毒性に よって,脊髄神経などの周囲組織へ影響を及ぼす可能性も考えられるが,in vivo で評価した報 告はない.本研究の目的は,日本白色家兎の黄色靭帯切除モデルを作製し,脊椎手術で使用さ れている 2 種類の異なるコラーゲン止血剤の硬膜外腔における吸収性や組織親和性を組織学的 および画像で評価することである. 動物として 13 週齢の日本白色家兎を用いた.牛真皮から採取したコラーゲンを原料に精製 された 2 種類の止血剤を使用した.microfibrillar collagen hemostat(MCH と略)とコラーゲン の主要抗原決定部位であるテロペプチドが除去されたアテロコラーゲンを加工した cotton type collagen hemostat(CCH と略)である.硬膜外腔を露出させるために日本白色家兎の腰仙椎椎 弓間の黄色靭帯を切除したモデルを作製した.MCH を硬膜外腔に留置した MCH 群,CCH を 留置した CCH 群,黄色靭帯切除のみを行った対照群に分類した.硬膜外腔に留置したコラー ゲン止血剤の吸収性やそれに対する炎症反応を評価するために,術後 1,2,4 および 8 週で, ヘマトキシリン・エオジン(H-E)染色を行った.光学顕微鏡を用いて止血剤の吸収状態や, 硬膜外腔における炎症性細胞として好中球やマクロファージの分布,神経組織や硬膜の状態を 組織学的に評価した.硬膜外腔に留置した止血剤に対する免疫学的な反応を確認するために, 術後 1,2,4 および 8 週で,炎症性サイトカイン(tumor necrosis factor(TNF)-α,interleukin (IL)-6),cyclooxygenase(COX)-2,細胞表面マーカーCD68 に対して免疫組織化学的染色を 行った.画像評価として,硬膜外腔の浸出液貯留や局所炎症の程度を同一個体で検討するため に,麻酔薬よる鎮静下に magnetic resonance imaging(MRI)を用いて経時的に撮像した.撮像 は 7.04 T の高磁場で行った.T2*強調軸写像で,硬膜から背側 1mm の範囲に方形の関心領域 を設定し,硬膜外腔の平均信号強度を測定した. H-E 染色では,MCH 群で術後 2 週まで止血剤に好中球優位の炎症性細胞が多数集積してい た.術後 4 週以降で止血剤は消失し,肉芽が形成された.CCH 群では,術後 2 週まで止血剤 への炎症性細胞の浸潤はなく,術後 4 週以降止血剤は消失し,硬膜外腔に炎症はなかった.免 疫組織化学的染色では,MCH 群で術後 1 週まで止血剤や肉芽腫の周囲に TNF-α 陽性細胞を認 め,全ての週数で止血剤周囲の炎症性細胞や多核巨細胞に IL-6,COX-2,CD68 が陽性であっ た.CCH 群では,硬膜外腔や止血剤周囲に TNF-α 陽性細胞はなく,術後 2 週まで止血剤周囲 の硬膜外腔に IL-6 陽性細胞を認めた.COX-2 と CD68 は,術後 2 週以降は陰性であった.MR 画像では,MCH 群と CCH 群ともに,術後 1 週で硬膜外腔の平均信号強度が最も高く,MCH 群では,CCH 群と比較して有意に平均信号強度が高かった. 本研究で使用した 2 種類のコラーゲン止血剤は,共に牛真皮のコラーゲンから精製されてい る.MCH は,天然の線維性架橋を保った状態で精製し開発された止血剤であるが,CCH はア テロコラーゲンを原料としており,その特性は異なっている.コラーゲン止血剤の吸収性に関 して,本研究では術後 4 週までに両群とも止血剤は消失し,明らかな差異は認めなかった.し かし,吸収過程における各々の組織像や MR 画像所見は異なっていた.MCH 群では,全観察 時に止血剤の周囲に炎症性細胞が集積し,残存した止血剤に対して肉芽形成を認めた.また, 止血剤周囲に IL-6, COX-2 や CD68 陽性細胞を認めた.止血剤に対する異物反応が惹起され, 抗原抗体反応によって止血剤がマクロファージに貪食される過程で,残存した止血剤に対して 肉芽腫が形成されたと考えた.画像評価でも,MR 画像の信号強度の上昇は MCH を留置した ことによって生じた炎症による浸出液の貯留を反映した.一方,CCH 群では,異物反応を伴 わない生体の治癒機転によってコラーゲン線維が吸収分解されたと考えた. 本研究では,H-E 染色に加えて免疫組織化学的評価と MR 画像評価を行うことによって,各々 の止血剤に関する組織親和性の違いが明らかになった.止血剤を硬膜外腔に留置した場合,術 後 MR 画像で信号強度が大きい場合は,抗原性を有する止血剤による硬膜外腔の炎症を考慮す る必要がある.止血剤によって引き起こされる局所の炎症反応は,神経根や硬膜などの周囲組 織に影響を及ぼし,症状の出現につながる可能性があり注意を要する.術後の止血効果を目的 に硬膜外腔にコラーゲン止血剤を留置する場合,その特性を把握し,慎重に使用すべきである.

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