帝塚山大学現代生活学部紀要 第 9号 43 ∼52 (2013)
幼稚園 におけ る運動遊 び環境 が
幼児 の運動有能感 の発達 に与え る影響
The Effects of Environment of Physical Play in Kindergarten on the
Developmental Perceived Physical Competence of in Preschool Children
岡 澤 哲 子 Tetsuko Okazawa
は じ め に
人 は もと もと 環 境 に 働 きか け て 、 よ り よ い 相 互 作 用 が で き るよ う に な り たい と 欲 求 す る存 在 で あ る。 そ の 上 うな 有 能 さ の 感 覚 は 有 能 感 と い わ れ(White, 1959)、 身 体 的 側面 で の有 能 感 が 運 動 有 能 感 で あ る 。 幼 稚 園 に は 人 も物 も含 め て 様 々 な 運 動 遊 び環 境 を 構 成 し 、 幼 児 の あ ふ れ ん ば か り の 運 動 欲 求 を 満 たす こ と が で きる 場 で あ る。 そ の 上う な 場 で 、 教 師 は幼 児 が 意 欲 的 に 運 動 遊 び に 挑 戦 す るよ う に 育 っ て ほし い と 願 って い る。 子 ど も達 の 意 欲 を 引 き 出 寸 た め に は ど の よ うな 保 育 環 境 が よ い の か を 教 師 は実 践 的 に 探 求 し 続 け て い る。 平 成20 年3 月 告示 の 幼 稚 園 教 育 要 領 (2008 ) で は、 領 域 厂健康 ] の中 で 自 己 の 存 在 感 や充 実 感 を 基 盤 に、 心 と 体 の し な や か な 発 達 や 自 ら体 を 動 か そ うと す る意 欲 の 育 ち を 新 た に 内 容 の 取 扱 い に示 し た。 自 己 の 存 在 感 や 充 実 感 と い う の は 、 肯 定 的 な 自 己 概 念 で あ り 、 そ れ は 行 動 傾 向 の 核 心 部 分 を 占 め る と い わ れて い る。 幼 児 期 の 身 体 運 動 的 自 己 概 念 は、 自 分 は∼ が で き ると か ∼ が 楽 し め ると い っ た 運動 有 能 感 が 中 核 と な る( 杉 原 、2000 )。 し か し、 運 動 そ の も の が 機 械 的 に 直 接 自 己 概 念 に 影 響 を 及 ぼ す の で はな い 。 友 達 や 先 生 と と もに 運 動 遊 びに 親 し ん だ り 挑 戦 し たり す る中 で 、 肯 定 的 な 成 功 経 験 や 達 成 感 を 積 みな が ら、 様 々 な 運 動 遊 び遊 びに 内 在 し て い る独 自 の 楽 し さ や 面 白 さ を ます ます 感 じ たい と 思 う内 発 的 動 機 づ け が 満 足 さ れ ると 運 動 有 能 感 は形 成 さ れて い く の で あ る( 杉 原 、2003) 。 森 ら(2010 ) は、2008 年 の 全 国 調 査 か ら み た幼 児 の運 動 能 力 は、 ]。986年 か ら ]。997年 に か け て の低 下 以 後 は、 低 下 し た状 態 の ま まで 推 移 し 、 現 在 に 至 って い ると 述 べ て い る。 幼 稚 園 や 保 育 所 の5歳 児 を対 象 に平 成22 年 度 に 奈良 県 で 実 施 さ れ た 幼 児 の 運 動 能力・ 生 活 習 慣 等 調 査(2011) で は、 十 分 に 活 発 に 多 く の 友 達 と 運 動 遊 びを す る幼 児 の方 が 運 動 好 きの 子 ど も は運 動 能 力 が 高 い と い う 結 果 が 得 ら れ、 幼 稚 園 や 保 育 所 で の 子 ど もの 状 況 と 運 動 能 力 に 有 意 な 関 係 が 認 め ら れて い る。 全 国 的 に は幼 児 の 運 動 能 力 は停 滞 し て い るが 、 幼 稚 園 や 保 育 園 で の 幼 児 の 運 動 遊 び の 経 験 の 違 い に よ って 運 動 能 力 は高 め ら れ るの で あ る。 運 動 能 力 が こ の まま 低 下 す るこ と は避 け な け れ ば い け な い こ と で あ るが 、 運 動 能 力 を 高 め る手 段 と し て の 運 動 遊 びは 幼 児 の 内 発 的 動 機 づ け を 満 足 さ せ な い 。 運 動 能 力 と は運 動 好 きに な り 多 様 な 遊 び経 験 を し た学 習 の 結 果 で あ る こ と か ら、 そ の 過 程 に お け る保 育 環 境 と の 相 互 作 用 か ら生 ま れ る運 動 有 能 感 の 形 成 過 程 が 重 要 で あ る。 幼 児 の 運 動 有 能 感 を 高 め る 運 動 遊 び 指 導 と し て、 杉 原 ら(2000 ) は、 ① 子 ど も が 運 動 し た く な るよ うな 人 的 環 境 、 ② 多 様 な 運 動 を 引 き出 寸 環 境 、 ③ 上 手 下 手 勝 ち 負 け を 強 調 し な い 、 ④ 子 どもの 考 え を 尊 重 す る、 ⑤ 遊 び の モデ ルを 提 供 す る、 こ れ らが 重 要 で あ ると し て い る。 そ し て、 指 導 法 と と も に、 毎 日 の 環 境 構成 だ け で はな い 年 間 を 通 し た長 い スパ ンの 環 境 構 成 が必 要 で あ る。 幼 稚 園 で の 比 較 的 長 い 期 間 の 運 動 遊 び 指 導 法 や 保 育 環 境 に 関 す る 先 行 研 究 と し て、 幼 児 の主 体 性 や 遊 び の 総 合 的 側 面 等 を 運 動 遊 び 指 導 の 基 本 に し た研 究 ( 杉 原 ら、2004) 、 肯 定 的 で 過 程 的 な 教 師 の言 語 活 動 が必 要 で あ る と し た研 究 ( 岡 澤 、2005) か お る。 し か し、 そ れ ら は 年 間 を 通 し た 長 い スパ ンの 保 育 環 境 が 運 動 有 能 感 の 形 成 に 及 ぼ す 影 響 を 検 討 し て い るが、 運 動 有 能 感 の 高 ま り の 結 果 と し て 見 え て く る行 動 と し て の 運 動 能 力 を も含 め て は 検 討 さ れて い な い。 ま た幼 稚 園 に お け る運 動 遊 び 場 面 に 限 定 し た幼 児 の 運 動 有 能 感 は 匚運 動 の受 容 感 ] と 匚運 動 の 有 能 感 ] の2 因 子 か ら構 成 さ れ て い る の で [ 岡 沢、 ]。996)、 運 動 有 能 感 の 全 体 の 変 化 とし て み る だ け で は な く 、 運 動 有 能 感 の詳 細 な 変 化 を 幼 児 の 姿 と 照 らし 合 わせ、 教 師 が 幼 児 の 育 ち を 見 逃 さ ず 見 取 り 援 助 し て い く 実 践 的 な 検 討 も必 要 で あ る。 そ こで 本 研 究 は、 幼 児 一 人 一 人 の 育 ち を 継 続 的 に 記 録 し た教 師 の保 育 観 察 記 録 を 手 掛 かり に、 内 発 的 動 機 づ け を 高 め る 運 動 遊 び を 取 り 入 れ た 年 間 の 取 り 組 み 内 容 お よ び 運 動 場 面 の 環 境 の 工夫 が、 幼 児 の 運 動 有 能 感 を 高 め、 運 動 能 力 向 上 に もつ な が っ て い っ た の か ど う か を 検 証 す る こ と を 目 的 と す る。 1。 時 期 平 成23 年4 月 ∼ 平 成24 年3 月
方 法
2. 対 象 S幼 稚 園 ( N 県 K 市 立 幼 稚 園) の 年 長 児 ク ラ ス22 名 [男 児 ].4名 ・ 女 児8 名 ) お よ び そ の ク ラ ス の担 任 教 師 ( 職 歴7 年 目) 3。 運 動 有 能 感 測 定 岡 沢(1996) の 匚幼 稚 園 の 運 動 遊 び場 面 に お け る有 能 感 テス ト ] を 用 い 、平 成23 年6 月28 囗(1 回 目 ) と 平 成24 年2 月20 囗(2 回 目 ) の 保育 時 間 中 に 職 員 室 に お い て 実 施 し た。 調 査 者 は こ の 調 査 方 法 に 熟 練 し て い る大 学 研 究 者 ( 筆 者 ) で あ っ た。 こ の テ スト は、 第1 因 子 と し て 教 師 や 友 達 か ら受 け 入 れ ら れ て い る と い う 匚運 動 の 受 容 感 ]、 第2 因 子 と し て 運 動 遊 び が で き る と い う 自 己 評 価 に か か わ る 匚運 動 の有 能感 ] の2 因 子 か ら 成 る 。 本 研 究 で は 便 宜 上 匚運 動 の受 容 感] を 匚受 容 感 ]、 匚運 動 の 有 能 感 ] を 匚有 能 感 ] と 表 記 す る。 テ スト は 、 個 別 面 接 で 行 われ 、 調 査 者 が 示 す 絵 カ ード に 対 す る質 問 に 、 幼 児 が 絵 カ ード へ の 指 差 し に よ っ て 回 答 す る もの で あ る。 4。 運 動 能力 測 定 幼 児 の運 動 能力 全 国 調 査 ( 森 ら、2010 ) で 使 用 し た運 動 能力 検 査 の中 か ら、4 種 目(25m 走 ・ テ ニ ス ボ ー ル投 げ ・ 立 ち幅 跳 び・ 両足 連 続 跳 び 越 し ) を 測 定 し た。 測 定 者 は、N県 主 催 の 測 定 方 法 のDVD 講 習を 受 け た 対 象園 の 教 師 で あ っ た。 5。 保 育 観 察 記 録 保 育 終了 後 、 担 任 教 師 が1 囗5名 の 幼 児 の保 育 観 察 記 録 を と っ た。 書 く 直前 に5 名 の幼 児 の 名 前が わ か る よ う、 主 任 教 師 が 直前 に 用 紙 を 渡 すよ う に し た。 ま た、5 名 の 順 番 は乱 数 表 に よ っ て 決 め ら れ た。 こ れ は、 教 師 が ど の 幼 児 に もし っか り と 目 を 向 け て い く こ と を 目 的 に 計 画 さ れ た。 保 育 観 察 記 録 は「 印 象 に 残 っ たこ と 」「 運 動 遊 び の 様 子 」 の2 点 に対 す る 自由 記 述 で あ っ た。 6。 保 育 実 践 の 内 容 表 1 は、 運 動 遊 び の年 間 の 取 り 組 みの 記 録 を 示 し た も の で あ る。 「 わ く わ く タイ ム」の 時 間 で は、 運 動 を 自 然 な 環 境 の 中 で 取 り 入 れて 行 こ う と教 師 間 で 話 し 合 い 、 毎 日 の好 き な遊 び の時 間 や 毎 日 の 運 動 遊 びが 魅 力 的 に な るよ うな 環 境 を 幼 児 と と もに 園 庭 に 設 定 し た。 表1 運動遊びに関わる保育実践の内容 日 付 取 り 組 み 内 容 4月 ∼ 毎 朝 ( 雨 天 は な し) わ く わ く タ イ ム ・ 年 長 ・ 年 少 が 固 定 の 仲 良 し ペ ア を 組 み 、 全 体 が2 グ ル ー プ に 分 か れ て 、 体 操 ・ 園 庭 を 走 る な ど ・ 終 わ り の 体 操 に は 必 ず 一 人 リ ー ダ ーが 立 ち 、 自 分 で 考 え た 体 操 を み ん な に 教 え る ・ 鉄 棒 に ぶ ら 下 が る 、 登 り 棒 に 登 る 、 ダ ッ シ ュ 、 巧 技 台 を 渡 る 、 フ ープ の ケ ン パ 跳 び な ど 6月 6 日 設 定 保 育 で の 保 育 の ビ デ オ 撮 影 教 師 の 言 葉 等 を 互 い に 聞 き あ い 、 い い と こ 探 し を す る 6月 7 日 運 動 能 力 測 定 (1 回 目 ) 保 護 者 が 手 伝 い で 参 加 ・ 年 少 も 測 定 す る 6月12 日 日 曜 参 観 「 親 子 で 遊 ぼ う 」 園 外 講 師 ( 筆 者 ) が 親 子 の 運 動 遊 び を 指 導 6月15 日 第 1 回 チ ャ レ ン ジ サ ー キ ッ ト ・ 隣 接 す る 小 学 校 の5 年 生 と 園 児 が 固 定 ペ ア に な り 、 鉄 棒 に ぶ ら 下 が る ・ ダ ッ シ ュ ・ 渡 る ・ 跳 ぶ ・ 投 げ る な ど の 場 に 行 き 、 グ ル ー プ で 行 い 、3 分 間 ご と に 場 を 移 動 す る ・5 年 生 が 園 児 の 今 日 の 目 当 て と 様 子 を 記 録 す る 6月27 日 ∼11 月 8 日 保 育 観 察 記 録 を と る ・1日5 名 の 幼 児 の 観 察 記 録 を と る ・ 一 人 一 人 の 園 児 を 受 容 的 に よ く 見 る よ う に な る 効 果 を ね ら う ( 方 法 の と こ ろ で 詳 細 説 明 ) 6月28 日 運 動 有 能 感 テ ス ト (1 回 目 ) 園 外 講 師 ( 筆 者 ) が 測 定 を 手 伝 う 10 月 1 日 運 動 会 小 学 校 と 合 同 で お こ な う 10 月27 日 第 2 回 チ ャ レ ン ジ サ ー キ ッ ト 第 1 回 と 同 様 10 月28 日 第 3 回 チ ャ レ ン ジ サ ー キ ッ ト 第 1 回 と 同 様 11 月 1 日 園 長 先 生 と 遊 ぼ う タ イ ム 年 少 ( ボ ー ル 遊 び ダ ッ シ ュ で ゴ ー) 11 月 2 日 園 長 先 生 と 遊 ぼ う タ イ ム 年 長 ( ボ ー ル 遊 び ・ 整 列 ・ ダ ッ シ ュ で ゴ ー ) 11 月24 日 第 4 回 チ ャ レ ン ジ サ ー キ ッ ト 第 1 回 と 同 様 12 月 5 日 園 長 先 生 と 遊 ぼ う タ イ ム 年 長 ( ダ ッ シ ュで ゴ ー 、 リ レ ー ) 12 月 5 日 運 動 能 力 測 定 (2 回 目 ) 園 外 講 師 も 加 わ り 測 定 ・ 年 少 も 測 定 2月20 日 園 長 先 生 と 遊 ぼ う タ イ ム 年 長 ・ 年 少 ( 縄 跳 び : 持 ち 方 、 回 し 方 、 跳 び 方 ) 2月20 日 運 動 有 能 感 テ ス ト 園 外 講 師 ( 筆 者 ) が 測 定 3月 9 日 第 5 回 チ ャ レ ン ジ サ ー キ ッ ト 第 1 回 と 同 様 そ の 他 他 園 と の交 流 フ レ ン ド シ ップ 遠 足 ・ 園 対 抗 リ レ ー
結 果
1。 運 動 有 能 感 Harter (1978) は、 幼 児 の 運 動 有 能 感 は加 齢 に と も な って 低 下 す る 傾 向 か あ る と 述 べ て い る。 そ こ で、 月 齢 か ら 予 測 さ れ る得 点 の 回 帰 方 程 式 を 求 め、 そ の 式 か ら 割 り 出 さ れ る 予 測 値 と 測 定 値の 差 を 指 標 と し た。 回 帰 方 程 式 は以 下 の と お り で あ る 。 受 容 感 有 能 感 運 動 有 能 感 y = -0.178991 * Age + 28.148064 y = -0.11425 * Age + 25.937487 y = -0.321491 * Age + 54.085551 表 2 は運 動 有 能 感 の1 回 目 と2 回 目 の平 均 お よ び標 準 偏 差 を 示 し た もの で あ る。 t検 定 の結 果 、 6月 と2 月 の受 容 感 の 平 均 の 差 は有 意 で あ っ た( t (21) =-2.475 、 p <。05)。 し た が っ て、6 月 よ り2 月 の ほ う が高 い と いえ る。 表 2 運動有 能感 の変化 受 容 感 平 均 n S D 有 能 感 平 均 n S D 運 動 有 能 感 平 均 n S D 6月 -2.23 22 1.80 2.43 22 1.41 4.72 22 2.95 2月 -3.30 22 1.61 2.78 22 2.41 6.15 22 3.41 t -2.475* 766 -2.050 2. 運 動 能力 測 定 表3 は測 定 記 録 の1 回 目 と2 回 目 の 平 均 お よ び 標 準 偏 差 を 示 し た もの で あ る。 t 検 定 の 結 果、 6月 と].2月 の25m 走 の 記 録 の平 均 の 差 は有 意 で あ っ た(t (21) =7.769 、 p <.000). ま た、6 月 と].2月 の両 足 連 続 跳 び 越 し の 記 録 の 平 均 は有 意 で あ っ た( t (21) =2.404 、p <.05)o し たが っ て、25m 走 と 両 足 連 続 跳 び 越 し の 記 録 は6 月 よ り].2月 の ほ う が 優 れて い る と いえ る. 表3 運動能力 記録の変化 2 5 m 走 記 録 平 均 n S D テ ニ ス ボ ー ル 投 げ 記 録 平 均 n S D 立 ち 幅 跳 び 記 録 平 均 n S D 両 足 連 続 跳 び 越 し 記 録 平 均 n S D 6月 -6.80 22 616.1 刀 こJ59 刀 一9949 卵 一73 rn り I I I I I 283 14 5 12月 6.14 22 1 C O C N J C N J r n ︶ . り 乙 冖 n り 冖 n り ・ . 6 2 87.18 22 10.52 107 1 り 乙 rn ︶ rn り t 7.769 *** 1.700 -1.224 2。404* 表4 は、 測 定 記 録 を 基 に測 定 時 の月 齢 か ら、 森 ら(2010 ) の 運 動 能力 判定 基 準表 に し た が っ て 算 出し た4 種 目 の 評 定 値 ( 各 種 目1 ∼5 ) と そ れ らの 合 計 で あ る運 動 能 力 評 定 値 (4 ∼20 ) の平 均 と 標 準 偏差 を示 し た もの で あ る。 t 検 定 の 結 果、6 月 と ].2月 の25m 走 の評 定 値 の平 均 の差 は有 意 で あ っ た(t (21) =-4.822 、 p <.000). し た が っ て、6 月 よ り ].2月 の ほ う が25m 走 の評 定 値 は高 く な っ たと い え る.6月 と ].2月 の 立 ち 幅 跳 び の 評 定 値 の平 均 の 差 は 有 意 で あ っ た が( t (21)
= 2.409、 p <.000) 、6 月 よ り].2月 の ほ う が立 ち 幅 跳 び の評 定 値 は 低 く な っ た と いえ る. 表 4 運動 能力評定 値の変化 運 動 能 力 評 定 値 平 均 n S D 2 5 m 走 評 定 値 平 均 n S D テ ニ ス ボ ー ル 投 げ 評 定 値 平 均 n S D 立 ち 幅 跳 び 評 定 値 平 均 n S D 両 足 連 続 跳 び 越 し 平 均 n S D 6月 -10.91 22 2.51 82902882552nM ︶ 628029128027 り 乙 Q り り 乙 Q り 12月 9.86 22 3.87 5265217233 り 乙 4295207257 り 乙 n j り 乙 1 1 り 乙 1.08 -1.750 -4.822 *** 1.689 2。409* 1.233 3。 運 動 有 能 感 の 個 々 の 変 化 個 人 別 運 動 有 能 感 の 記 録 と2 月 の数 値 か ら6 月 の数 値 を 引 い た変 化 量 を 表5 に示 し た。 表5 運動有能感の個人別変化 受 容 感 有 能 感 運動有能感 ( 合計) 受 容 感 変 化 量 有 能 感 変 化 量 運 動 有 能 感 変 化 量 6月 2月 6月 2月 6月 2月 A児 1.244 3.312 1.151 3.003 2.459 6.385 2.068 1.852 3.926 B 児 3.778 4.846 3.577 4.429 7.422 9.348 1.068 0.852 1.926 C 児 -1.4 2.668 -1.565 -3.713 -2.899 -0.973 4.068 -2.148 1.926 D児 0.49 1.558 2.145 -1.003 2.706 0.632 1.068 -3.148 -2.074 E 児 2.846 4.914 2.429 5.281 5.348 10.274 2.068 2.852 4.926 F 児 4.312 2.38 4.003 4.855 8.385 7.311 -1.932 0.852 -1.074 G児 3.778 -0.154 3.577 1.429 7.422 1.348 -3.932 -2.148 -6.074 H児 3.956 5.024 0.719 3.571 4.743 8.669 1.068 2.852 3.926 │児 1.6 4.668 2.435 4.287 4.101 9.027 3.068 1.852 4.926 J児 1.956 0.024 0.719 1.571 2.743 1.669 -1.932 0.852 -1.074 K 児 -0.578 4.49 2.293 4.145 1.78 8.706 5.068 1.852 6.926 L児 3.422 4.49 3.293 4.145 6.78 8.706 1.068 0.852 1.926 M児 0.312 1.38 2.003 1.855 2.385 3.311 1.068 -0.148 0.926 N児 3.066 4.134 3.009 -2.139 6.138 2.064 1.068 -5.148 -4.074 ○児 3.778 4.846 3.577 4.429 7.422 9.348 1.068 0.852 1.926 P児 3.956 3.024 3.719 4.571 7.743 7.669 -0.932 0.852 -0.074 Q児 3.6 3.668 3.435 2.287 7.101 6.027 0.068 -1.148 -1.074 R 児 4.134 5.202 3.861 4.713 8.064 9.99 1.068 0.852 1.926 S児 1.066 4.134 1.009 3.861 2.138 8.064 3.068 2.852 5.926 丁児 3.6 3.668 3.435 4.287 7.101 8.027 0.068 0.852 0.926 U児 0.6 2.668 3.435 1.287 4.101 4.027 2.068 -2.148 -0.074 V児 -0.51 1.558 1.145 3.997 0.706 5.632 2.068 2.852 4.926
4。 保 育 観 察 記 録 と 運 動 有 能 感 保 育 観 察 記 録 の 結 果 は、 表 5の 運 動 有 能 感 の 変 化 量 か ら見 て 変 化 に 特 徴 の あ る 幼 児 の み の 記 録 を 記 載 し た。 図 1 お よ び 図 2 で は、 表 6で 取 り 上 げ た 幼 児 の 運 動 有 能 感 の 変 化 を 示 し た。 表6 受容感の変化に特徴のあ る幼児の保育観察記録 変 化 量 に 特 徴 の あ る 幼 児 月日 曜日 天 候 印象 に残 ったこと・ 運動 遊び の 様子 受 容 感 の 変 化 量 が プ − フ ス 方 向 に 最 も 大 さ かっ た 幼 児 K 児 6・27 月 晴 れ 給 食当 番 の 時に「 ○ ○ち ゃんが いな い 冂 といって、職 員 室まで 迎え にいって あ げる面 倒 見 のい い子 たと思った。 6・28 火 晴 れ 朝 から暑さ のためか 折り紙で 遊ぶ。「 先 生あげる 冂 といって作ったものを 持っ てさてくれ る。 「 先生 私も前 でトントコをたたさ たかった! 運 動 掃除の 後 一 輪車 で 遊ぶ。「少し 手 を離 せるようになった 冂 といって 喜 ぶ。 何 度も 繰り返して 遊ぶ。 7・7 木 雨 お 母さんが 園 に来 ると離 れるとさ になくこ とが 続いてい たので、 今日もなくの で はない かと 思って いた が、不 安 になることも なく、 いつもと同じ ように活 動 でさ 離れら れ た。 9・1 木 曇り ○ ○・○○ ○・○ ○・ ○○・○ ○と一 緒 に粘土 でお母さんごっこ をする。 9・7 水 晴 れ 給 食の 時、進 んで机を 準備し、 机を拭 いてくれた。 9・8 木 晴 れ 運 動 しっ ぽとりをして遊 ぶ。 気 温 が 高 いた め新しい ル ール( 休 憩場 所 ) をつくり、 休 みな がら 楽し む。 9・28 水 晴 れ あ まり 練習 で きなか った代 表( 運 動 会 ) の言 葉も ○○ ○ 君と一 緒 に大きな 声で 言えて いたように 思う。 10 ・11 火 詈り 朝 登 園してきた 時に表 情 が詈 っで いた。 家で おなか が痛 いって言っだの に‥ ・ とつ ぷやいて いた。 園 では すぐ に元気 にもどり、 リレ ーや縄 跳 び をして遊 ぶ。 縄 跳び は走 って入 れるようなったことを 喜び、づ で やってみた がる。 運 動 好 さな遊 び のとき にリレ ーに参 加 する。 また給 食 後 の○ ○ ○組 が 先 にはじ め てい るのを 見て「 リレ ーにはいってこよう」 と参加 する。 10・13 木 曇り 1・2年 生と一 緒 にい ったあさ 探しで は、お おぜい の子 が虫を 見つける中 、草 花・ 紅 葉した 葉を 見つけ て 帰ってくる。 ○ ○○ ちゃんと一 緒 にカ ップ にアレン ジし てい れる。 10 ・18 火 晴 れ 友 だち が 耳 のそ ばで 大 きな 声をだし たといって 教 師に伝 え に来る。 そ の友 だ ち が謝 叫 こいくと耳 をふさ いで 聞こうとしな かった。 話し 合いを すると、自 分 がしてしまったことを振り返りことがで きたようす。 運 動 わくわくタイムで鉄 棒 にぶら下 がる ときに、 足首 がうまく引っか けら れな かっ た様子。 でも15秒 間 に何 度も 挑戦していた。「 おさるなら ぶら下 がれ る」 10 ・19 水 晴 れ 給 食を 全品 減らして ほしいとい って もってくる。 体調 が 悪い のか と様 子を 見て い たが全 部食 べら れたことを喜び 元気 な 様子で 午後 からも 外で 遊 ぶ。 わくわくタイムのとき○ ○ ○ 幼稚 園 の友 だ ちをしっかり誘 ってあげ な がら太 鼓 橋 に20秒ぶ らさ がる。 昨日 はブタ の丸 焼き は鉄 棒 で 挑 戦してい な か ったが、 今 日は挑 戦。 11・8 火 晴 れ 無 記入 受 容 感 の 変 化 量 が マ イ ナ ス 方 向 に 最 も 大 さ かっ た 幼 児 G 児 7・7 木 雨 わくわくパーティーがある ので、 好さな 遊び をする 時間 が短 かったが、 手 紙を 書 いてあ そぷ。 そ の手 紙を 私 にプレ ゼントしてくれた。 マル モ のおきての ダン スを 大変 気 に入ったようで、 給 食 後も「音 楽 かけ てほしい 冂 とい って友 達 と 踊りを 楽し む。 7・12 火 晴 れ 「 ごIめんって いって いるやろ 冂「もう いい わ」 といって ○ ○ち ゃん ○ ○ち ゃん と3人で 隅 に 座る。 話 を聞く と○ ○ ○ち ゃんと 遊 ば ない と言 ってし まっだ の で、 おや まっだようであ るが、 言 い方 がさ つい といって ○○ ○ち ゃん が 怒る。 2年 生 が 遊び に来 てい たので「 どうする? こ ん な 時? 」 とみん な で話し 合う。 ○ ○○ ちゃん もあや まる だけで なくその前 の段 階でどう すればよ かったのか を 一 緒 に考 えて仲 直りすることがで きた。 9・1 木 曇り 夏 休み に「 渦 潮を 見 に行ってき た 冂 と進 んで話 をし に 来てくれる。 好 さな 遊 び の時 間 に粘土を 使って団 子づくりを する。「 つま楊 枝 ほしい 冂 と刺して遊 ぶ。 9・20 火 詈り のち雨 「 か ばん をいすの下 に置きや』「 タオル忘れてるで」 と帰りの用 意 のときにたく さん の友 だちに声 をかけ てくれてい た。 9・3 金 詈り のち雨 ○ ○○ ちゃん へのお 誕 生日メダルをつくってくれる。 また 渡すの をたのし みに して「い つわたすの? 」 と聞いてくる。 10・13 木 曇り 世 界中 の子ども 達が の 歌詞をよく覚えていてい る。声も 大さく出している ので、 ○ ○○ ちゃん のこえ がとてもよく聞こえてくる。 運 動 朝 の用 意を終えて すぐ、「先生! おおな わまわしたい 冂 といって誘 ってくる。「 先 生 が来てくれるまでづ で 跳 んでる わ」 とづ の 縄跳 び に挑戦( 前とび)。 10・27 木 晴 れ 昨日 の遊び、 ぼん ばりつくりを する。「教 えて ほしい」という友 達 にも「こう やっ て まくねん」 とやってみ せてあげ ていた。
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㎜ ■ ㎜ | | 6月 I Z月 − 一 一 6月 1 2月 -よ-ムレCfや 6月 I Z月 ヽ−−・← 一 一 ヌ;t お ぶ '月 月 匕 , a冫 14°jl刀'HFI匕冫ほぷ ( 合 計) 図I K 児 の 運 動有 能感 の変 化 Q ︶ 7 ″ a 3 1 1 3 一 一 -5㎜
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6月 1 2月 − 一 一i・ 6月 1 2月 4. 厶k四恰 6 月 1 2 月 >■$!=£+,-fc-4≫kl=tr ヱ t i ` , i ! 7 ゛月 F I匕 , i S 〃 両刀'冖冖匕16g ( 合 計) 図 2 G児 の 運 動 有 能 感 の 変 化 図 3お よ び図 4で は、 表 7で 取 り 上 げ た幼 児 の 運 動 有 能 感 の 変 化 を 示 し た。 表 7 有能感の変化に特徴のあ る幼児の保育観察記録 変 化量 に特 徴 の あ る 幼 児 月日 曜 日 天 候 印 象に 残っ たこ と・ 運動 遊び の様 子 大 有 吉 能 か 感 つの だ 変 幼 化 児 量 が プ − フ ス 方 向 に 最 も V 児 6・30 木 晴 れ ○ ○ ち やん と ふた りで・、 ラ ンチ タ イム の 後 に片 付け を せ ず に食 べて い る友 達 に声を か け たり 、走 っ たり う ろう ろ し て いた が、 机 を みつ け て ふたり で・ 運 んでく れたい た。 7・6 水 晴 れ 七 夕 飾り の お 願い ご と のう ら に好 さな 絵 を 描い て い たが、 細 かく 描さ、 給 食 の後 にも 「ま だ 描く 冂 といっ て 仕上げ る。 運 動 マ ルモ のお きて の音 楽 に合 わ廿な んど も○ ○ち ゃん と一 緒 に楽し む。 9・29 木 晴 れ 入 場行 進 の練習 の とき間 をし っかり 取 ろう と する姿 があ った。ま た○○ ち や ん にもこ え をか えで あげ てい た。 運 動 一 輪車 に朝 から 乗る。 10 ・11 火 曇り 和太鼓 が す さな の か、 自 信 かお る 表情 で た たく。 また手 の振り 方 も 正し く たたけ てい た。 運 動 好 さな 遊び のと き にリレ ー に参加 する。 な んど も繰り 返 して 遊 ぶ。 最 有 も 能 大 感 さ の か 変 つ化 だ が 幼 マ 児 ィ ナ ス 方 向 に N 児 7・4 月 晴 れ 和太鼓 の時、 2つ の グル ープ につ られ 座 らな い 席 に座 っ てし ま っ たり、 見 て おく とさ にも た たい で し まっ たり し て い た。 少し 周り の様 子や 雰 囲 気が わか っ たの か、 ○ ○○ ○ ○ 君や ○ ○○ ○ 君 に「 座り や」 と声 をか け る 場面 も あっ た。 運 動 牛 ッ ズ サッ カ ーで は話 を 聞 け ず、 行動 に 移 廿な い ので、 ル ールを 守れ す に お にご っこ をす る。(足 で けって と いわ れて いるが 手 でも って 運ぶ) 7・5 火 晴 れ 昨日 は 和 太鼓 の 時 に話 を 聞け ず、 グ ル ープ と 違う こ とを し てし ま っ てい たが、 今日 は周り の子を 見 たりし なが ら動 けて いた。 9・8 木 晴 れ し っ かり と 目を 見 て話 を 聞こ う と する 姿 が 見ら れ た。ブ ロ ッ クを 出 し てさ て ○○ ○君 と遊 ぶ。 9・27 火 晴 れ 運 動 行 進練 習で 大さく 手 を振 って あるく よ う になっ た。 9・28 水 晴 れ 人 に見ら れ たり す る と照 れ てい た ○○ 君 が、 最 後 まで がん ば つで 予 行 練習 を して い た。 ○ ○ ○○ ○ ○○ 君 と一 緒 に バラ ン ス積 み 木 で遊 ぶ。 写 真 に載 つで い る 積 み 木の積 み方 をま ねて 遊ぶ。 10・6 木 晴 れ 運 動 み んな でリ レ ーをす る( クラ スの 活動 )。 9 7 ″ ` り Q り 1 1 ︲ 3 J 。 「¬口
「 ̄¬ ■ ㎜ ㎜ 6月 1 2月 − 一 一t・ 6月 1 2月 ← 厶k− 6月 1 2月 ヽ− 心 ←4*k i=& ス t l ` , S ? I F I匕 , i S -j 弓刀'冖 月匕iJ ( 合 計) 図 3 V 児 の 運 動 有 能 感 の 変 化 Q ︶ 7 in c o 1 1 3 て り 一 一■
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| | 6月 1 2月 − 一 一4・ 6月 | 日 ← 厶kp咾t 6月 1 2月 ヽ− 心 ←!=ft 又 e ` ,6 ヽ ? I F I匕 , i ! 7 〃 罵刀'冖月匕161 ( 合 計) 図 4 N 児 の 運 動 有 能 感 の 変 化表 8 は表 6お よ び表 7で 取 り 上 げ た幼 児 の 運 動 能 力 測 定 記 録 を 示 し た。 表8 運動能力測定記録の変化 保 育 観 察記 録 で 取 り 上げ た 幼 児 の 運 動 有 能 感 の 変 化 の 特 徴 25m 走 ( 秒) テニ スボ ール 投げ( m) 立ち 幅 跳 び ( m) 両 足 連 続 跳 び越 し(秒) 6月 12月 6月 12月 6月 12月 6月 12月 受 容 感 の 変 化 量 が プ ラ ス 方 向 に 最 も 大 き か っ た 幼 児 K 児 6.4 5.7 5 4.5 92 93 6.6 4.9 受 容 感 の 変 化 量 が マ イ ナ ス 方 向 に 最 も 大 き か っ た 幼 児 G児 7.2 6.7 6 4 98 105 5.0 4.4 有 能 感 の 変 化 量 が プ ラ ス 方 向 に 最 も 大 き か っ た 幼 児 V児 7.0 6 4 6 96 82 5.9 4.8 有 能 感 の 変 化 量 が マ イ ナ ス 方 向 に 最 も 大 き か っ た 幼 児 N児 6.6 6 8 7 106 92 5.2 4.6
考 察
1。 運 動 有 能 感 の 変 化 と 運 動 能力 の 変 化 運 動 有 能 感 の 変 化 に つ い て は、 月 齢 か ら予 測 さ れる 運 動 有 能 感 得 点 の 予 測 値 と 測 定 値 の 差 を 指 標 に し た場 合 、6 月 よ り も2月 の 方 の受 容 感 が高 ま って い る こ と が 明 ら か と な っ た。S 幼 稚 園 年 長 組 は1 ク ラ スし か な く 、22 名 で 構 成 さ れて い る。 年 少 組 も1ク ラ スで 園 全 体 が 家 庭 的 な 雰 囲 気 の 中 で 、 だ れ も が 自 分 を 知 って いて 受 け 入 れ て く れ る雰 囲 気 づ く り を し て い る。 表 1 の]。行 目 の わ く わ く タ イ ムや 朝 の 体 操 な どで は、1 年 間 継 続 し て 年 長 と 年 少 の固 定 し た ペ アを 組 んで 運 動 遊 び に 取 り 組 んで い る。 こ の ペ ア は、 運 動 遊 び に限 定 さ れ て い な い 。 こ れ ら の 継 続 的 な 保 育 環 境 が、 幼 児 の 有 能 感 を 高 め たひ と つ の 要 因 と 考 え ら れ る。 運 動 能 力 測 定 の 変 化 に つ い て は、4 種 目 の う ち25m 走 の記 録 と両 足 連 続 跳 び 越 し の 記 録 が6月 よ り も]。2月 の 方 が 高 く な って い る こ と が 明 確 と な っ た。 運 動 能 力 評 定 値 は、25m 走 の み が6 月 よ り]。2月 の方 が 高 く な って い る こ と が 明 確 にな っ た。 25m 走 は 走 る 速 度 を 測 定 す る の で あ る が、 で き る だ け速 く 大 き く手 足 を 動 か し て、1 本 の ラ イ ン纈 を ま っ す ぐ に 走 る運 動 コ ント ロ ール 能 力 が 必 要 で あ る。 こ の 種 目 の 伸 び が 見 ら れ た こ と は、「 走 る こ と」 と い う 運 動 遊 びで 最 も 出 現 し や す い 運 動 に お い て 多 く の 経 験を 積 ん だ こ と に よ る もの で あ ると 推 測 さ れ る。 年 少 児 も年 長 児 を 見 学 し 応 援 し た後、 測 定 し た。 そ し て 保 護 者 の お 手 伝 い もあ り、 測 定 時 に は年 長 児 の 挑 戦 し よ う と す る気 持 ち も高 ま っ たと 考 え ら れ る。2。 運動に関わる保育実践での工夫と内発的動機づけ
先述し たとおり、杉原 ら(2000) が挙げてい る次 の5点 の内発的動機づ けを高 める運動指導の
方法を ポイ ントに考察を進め る。
① 子ど もが運動し たくな るような人的環境
② 多 様な運動を引き出寸環境
③ 上手下手勝ち負けを強調しない
④ 子ど もの考えを尊重す る
⑤ 遊びの モデ ルを提供す る
表 1の 保 育 実 践 の 記 録 か ら、S 幼 稚 園 の 保 育 実 践 を ①∼ ⑤ の 視点 か ら みて 、 内 発 的動 機 づ け が 高 まり 運 動 有 能 感 が 高 ま っ た要 因 で あ るか を 考 察 す る。 ①の 視 点 で は、 教 師 が 自 分 の 保 育 の ビ デ オ を 見 て 言 葉 が けの い い と こ ろ を 探 そ うと し て 他 の教 師 とと も に取 り 組 ん で い るこ と が 大 きく 上 げ ら れ るで あ ろ う。 ま た、 園 長 の 専 門 が 体 育 で あ っ たこ とか ら 匚園 長 先 生 と 遊 ぼ う タ イ ム] と ネ ー ミ ン グし て 運 動 遊 びを 実 施 し た。 日頃 の 先 生 と は違 う先 生 に 教 え て も ら うこ と で 運 動 し たく な る よ うな 魅力 の あ る時 間 で あ っ た と 考 え ら れ る。 ま た、 隣 接 す る小 学 校 の5 年 生 と のペ ア で の 遊 び は年 間5 回 行 われ た 。子 ど も に と って 小 学 生 は憧 れで あ り 、い つ も同 じ お に い ち ゃ んや お ねえ ち ゃ ん と運 動 遊 び がで き る こと は安 心 し て 遊 べ る楽 し い 時 間 で あ っ たと 思 う。 園 外 か ら の講 師 を 招 い て の親 子 の運 動 遊 び も運 動 がし た くな るよ うな 人 的 環 境 構 成 で あ る。 ②の 視 点 で は、 毎 日 の わ く わ く タ イ ムに お け る園 庭 で の 運 動 遊 び環 境 づ く り を 継 続 し た こ と が あ げ ら れ る。 ま た、 チ ャレ ン ジ サ ー キ ット の 後 に 、5 年 生 が 幼 児 の様 子 を 記 録 す るこ と で 、 次 の 運 動 遊 びを ど の よ う に 構 成 す れば い い の か とい う めあ て や そ の 幼 児 の 育 ち を 見 据 え た取 り 組 みで あ っ た と考 え ら れ る。 ③ の 視 点 で は、 特 に 上 手 下 手 や 勝 ち負 け 協 調 す るプ ロ グ ラ ム はな か っ た。 ④の 視 点 で は、 わく わく サ ー キ ット の終 わり の 体 操 の 時 の リ ー ダ ー役 に毎 日 誰 か が 立 つ こ とが 象 徴 的 な 取 り 組 みと し て 挙 げ ら れ る。 大 きな 輪 の 中 心 で 、 自 分 で 考 え た体 操 を みん な が真 似 し て く れ ると い う経 験 は、 幼 児 の 自 信 と し て 積 み上 げ ら れて い く豊 か な 経 験で あ る と考 え ら れ る。 ⑤ の 視 点、で は、 ① で 述 べ た人 的 環 境 が 遊 びの モ デ ルと し て 挙 げ ら れ る。 担 任 教 師 、園 長 先 生 、小 学 校5 年 生 の お 姉 ち ゃん や お 兄 ち ゃ ん、 保 護 者 、 園 外 講 師 で あ る。 幼 児 の 遊 び は まず 真 似 か ら始 まり 、 遊 び込 んで い くに し たが って 創 造 性 が引 き出 さ れて い く もの で あ る。 そ うい っ た意 味 で は モ デル と な る 様 々 な 人 的 環 境 と の か か わり を も っ た 保 育 で あ っ た と 考 え ら れ る。 ま た、 保 育 者 が 、 個 々 の 記 録 を と って い く こ と で 、 ど の 子 に も目 を 向 け るこ と へ の 意 識 が 強 く な り 、 記 録 の 仕 方 を 学 ぶ こ と だ け で な く 教 師 自 身 の 子 ど もへ の か か わり 方・ 見 方・ 声 か け な ど の 学 びに もな っ たの で はな い か 。そ の 上う な 教 師 の 努力 が 、 日 々 の 生 活 の 中 で 、 運 動 に 興 味 関 心 が な く 自 分 自 身 に 自 信 の な い 子 の 運 動 意 欲 を 引 き出 し、 子 ど も達 の 運 動 有 能 感 や 運 動 能 力 が 高 ま った と 考 え ら れる 。 3。 保 育 記 録 と 運 動 有 能 感、 運 動 能力 から 見 た 幼 児 の 姿 1) 受 容 感 の変 化 か ら (1 )K児 につ い て 保 育 記 録 で は 、 い ろ い ろ な 運 動 遊 びに 匚何 度 も繰 り 返 し て ] 匚一人 で や っ て みた が る] 匚何 度 も挑 戦 ] 匚今 日 は挑 戦 ] と い う記 録 か お り 、K児 の チ ャレ ン ジす る気 持 ち を 教 師 が 読 み 耿 っ て い るこ と が わか る。 し っか り と 教 師 に 見 守 られ て い る こ と を 感 じ て い たこ と が 受 容 感 の 向 上 に つ な が った と 考 え ら れる 。 また 、 何 度 で も挑 戦 し た こ と が 、 実 際 の 運 動 能 力 の 伸 び に も 表 れて い る。 (2 ) G兒 につ い て 保 育 記 録 に 運 動 遊 びに 関 す る記 述 が 少 な く 、 ど ち らか と い え ば 好 き な 遊 び の 時 に 運 動 遊 び を す る機 会 が 少 な い 幼 児 で はな い か と 推 測 さ れる 。 運 動 遊 びの 機 会 が 少 な け れば 、 運 動 場 面 で の 受 容 感 は高 まり に く い で あ ろ う。 運 動 能 力 は 伸 びて い るの で あ る か ら、 好 きな 遊 びの 時 に 運 動 遊 びを 進 ん で 選 べ るよ うに な れば 運 動 有 能 感 も高 まり 、 さ らに 運 動 能 力 も高 ま る可 能 性 か お る。
2) 有 能 感 の変 化 か ら (1 )V児 に つ い て 保 育 記 録 に は運 動 遊 びに 匚な ん ど も… 楽 し む ] 匚朝 か ら乗 る] 匚好 き な 遊 び の 時 に … 何 度 も 繰 り 返 し て 遊 ぶ ] と い う記 述 か お る。 挑 戦 し たこ と が う まく い っ た達 成 感 に つ い て も教 師 が 気 づ い て お り 、 運 動 能 力 も高 まり 運 動 が 好 きに な って い っ たV兒 の姿 か お る。 (2 )N 児 に つ い て 保 育 記 録 か ら、N 児 は人 の 話 を 理 解 す る こ と に 困 難 さ が み ら れ る幼 児 で あ ると 思 わ れ る。 そ の ため 運 動 遊 びで も集 団 で す るこ と に 対 し て は 有 能 感 を 感 じ るこ と が で き な か っ たの で は な い か と 考 え ら れ る。 し か し 、 運 動 能 力 は 低 く な く む し ろ 高 い 幼 児 で あ るの で 、 友 達 や 先 生 と の 受 容 的 な 関 わり が 今 後 必 要 で あ る。
ま と め
本 研 究 で は、 幼 児一人一人 の 育 ち を 継 続 的 に 記 録 し た教 師 の 保 育 観 察 記 録 を 手 掛 か り に、 内 発 的 動 機 づ けを 高 め る運 動 遊 びを 取 り 入 れ た年 間 の 取 り 組 み 内 容 お よ び 運 動 場 面 の環 境 の 工夫 が、 幼 児 の 運 動 有 能 感 を 高 め、 運 動 能 力 向 上 に もつ な が っ て い っ たの か ど う か 検 証 を 試 み た。 そ の 結 果 、 運 動 有 能 感 と 運 動 能 力 の 向 上 が 見 ら れた こ と か ら、 運 動 遊 び の 人 的・ 物 的 環 境 構 成、 年 間 計 画 の取 り 組 み内 容 が、 内 発 的 動 機 づ け を 高 め る こ と に 有 効 で あ っ た こ と が 明 確 と な っ た。 ま た、 保 育 観 察 記 録 か らみ た4 名 の 幼 児 の 姿 と運 動 有 能 感 や 運 動 能 力 の 変 化 の 関 係 は、 子 ど もの 心 の 中 の 見 え な い 自 己 認 知 を 教 師 が い か に 見 取 って い く か が 重 要 で あ る こ と を 示 唆 し て い る。 本 研 究 はS 幼 稚 園 の 実 践 内 容 を 客 観 的 に 分 析 し た も ので あ る た め、 教 師 の 毎 日 の生 活 の中 の 具 体 的 な 援 助 を 基 礎 的 な デ ー タに し て い な い。 今 後 は、 そ の よ う な デ ー タを 含 め た さ ら に多 く の 幼 稚 園 の 実 践 を 継 続 し て い き な が ら、 ど の よ う な 環 境 構 成 が 幼 児 の 運 動 有 能 感 の 発 達 に 寄 与 す る か を 検 討 す る こ と が 課 題 で あ る。文 献
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