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語彙総体の構造 : 位相語彙への巨視的接近

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Academic year: 2021

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(1)田 勇 雄 島 (145). ︱︱ 位 相 語 彙 への巨 視 的 接 近 ︱ ︱. 田. 勇. と の相 関 関 係 と いう こと が、生 涯 を通 じ る問 題意 識 であ ったわ け であ る。 池 上 嘉 彦氏 に よ れば 、 イギ リ スの ハリ デ. や バ ンヴ ェ ニスト の持 つ問 題意 識 と私 のそれ と が全 く 等質 のも の であ る と は考 え な いが、 私 にと っても 言 語 と 社 会. 基 底 と両 構 造 を支 配 す る原 理と を 見 いだ し 、両 者 の相 互依 存 関係 を浮 上 さ せ る こと にあ る、 と述 べて いる。 メイ ェ. った と し 、 更 に それ を 可 能 なら し め る手 段 は、言 語 と社 会 と に つい て比 較 可 能 な単 位 を 設 定 し て、両者 に共 通 す る.   ソ ン マー フ ェルト など の 若 干 の試 み にも か かわ らず それ が果 さ れ な か そ の問 題 提 起 に つい て バ ンヴ ェ ニスト は、.  社 会 構 造 の変 化 が いか に 言 語構 造 の変 化 に反 映 す る かを 決 定 し なけ れば な るま い﹂ と 述 べた が 、 そし て 一般 に、. 。 そ れ に よ れば 、 一九 〇 六 年 に メイ ェは 、 ﹁あ る与 えら れ た言 語 構 造 が いか な る社 会 構 造 に呼 応 す る か 、 ︶ 学 の諸問題﹄. ︸ 曇叩 田   バ ンヴ ェ ニスト の挙 げ た諸 問題 の 一つに、 言 語構 造 と社会 構 造 と の相 関 関 係 に関 す る問 題 があ る ﹁ 一般一. 島. 語 彙 総 体 の構 造. ) (―.

(2) (146). 語彙総体 の構造. ィの所 論 に、 環 境 ︵ 一 一曇 四 場 ・様式 ・指向︶と言 語表 現 と の相 関 関 係 に ついて の 接 近 の試 み が あ る よ う であ る 翁一 学 の記. 号論﹂︹ 講座 ・記号論、1∪。 わ が国 語 学 の場 面中 心 の社 会 言 語 学 を 思 わ せ ら れ る。 も っと も 、 本 質 的 には ハリ デ ィの. 機 能 論 的視 座 と 私 の視 座 と では問 題 意 識 に差 異 が あ る が 、 な お 、 用語 の実質 にも 差 異 が あ り う る が、構 造 人 類 学 レ. ヴ ィ ・スト ロー スの ﹁ 私 た ち の仕 事 は 、 真 理 の体 系 の相 互 間 に転 換 の関 係 を 持 た せ る条 件 を探 究 す る こと であ る﹂. ﹁なま のも のと火にかけたも の﹂﹁神話論理し、 マイヶル ・レイ ン ﹁構造主義ヒ︶と いう言 葉 は 私 にと って の 一 つ の 指 針 でも あ る。. 0   菊 沢 氏 に よ る提 案 以来 のわ が 国 で の位 相 論 的 成 果 を 前 田富 膜氏 が 二類 に整 理さ れ た こと があ る 3国五 学研究 四. 事典し。 それ を私 流 に言 えば 、   一は社 会 集 団 と言 語 と の相 関 関 係 を対 象 とす るも の であ り 、  それ は社会 言 語 学 の 一. 種 と 考 え ら れ る。 他 は言 語場 と言 語 と の相 関 関 係 を 対 象 と す るも のであ り 、 それも 南 不 二夫 氏 が社 会 言 語学 の 一種. ﹃ 一 一 一 し。 つま り社 会 言 語 学 的 方 法 に 二種 あ る と いう こと に な る。 も っと も 前 者 にも 、 全体 社会 の言 語 を 曇叩 とされ た ︵. 対 象 と す るも のと 、 私 の如 く部 分 社 会 の言 語 を対 象 にす るも のと の二種 があ り 、 それ ぞ れ 問 題 意 識 も方法 も 異 な る わ け であ る。. 私 の対 象 は部 分 社 会 の言 語 であ り 、 当 然 社 会 言 語 学 の 一種 な のであ る が、 位 相 論 ・位 相 語 を標 榜 す る のは 、提 案. 者 菊 沢 季 生 氏 に対 す る敬 愛 の意 の ほ か に、 主 た る対 象 が中 近 世 の特 殊 な部 分 社 会 であ り 、 そ の社 会 体 制 が 日本 的 特. 性 を 持 ち 、 そ の方 法 論 にお いて文 献 への接 近 が特 別 の配 慮 を 要 す る等 の特 性 を 持 つなど欧 米 的社 会 言 語学 と は全 く. 思味 の構造し によれば 、 欧 米 異 質 な言 語 要 素 を 持 つ学 的 対 象 だ か ら であ る。 たと えば 、 バ ンヴ ェニストや ナ イダ 翁立. にも 放 鷹法 があ り 、 そ の用 語 の研 究 が な さ れ て いる の に、 そ れ の社会 言 語学 的 研 究 部 門 が成 育 し な いのは、 基 調 的. に は そ のた め の社 会 的 地 盤 が欠 落 す る た め であ る。 そ の意 味 で、位相 論 は 日本 的特 性 を 基 底 と す る言 語部 門 であ る と 言 う こと が でき る 。.

(3) 田 勇 雄 島 (147). 0   ま ず 対 象 と し て の社 会 集 団 の日本 的 特 性 であ る。 通 例 社会 言 語学 は全 体 社 会 を対 象 と す る が、私 は部 分 社会. を 対 象 と す る。 全 体 社 会 は き わ め て多 数 の部 分 社 会 によ って構 成 さ れ、 そ の社 会 特 性 は複 雑 多 岐 に亘 る。 それ に対. 比 し て部 分 社 会 は単 層 的 構 造 を持 ち、 そ の社 会 特 性 は単 純 であり 、明快 であ るσ ま た、 そ の 日本 的 社会 集 団 の集 団. 特 性 と し ては、 排 他 的 で凝 集 性 の強 い閉 鎖 的 集 団 性 が挙 げ ら れ るし、 それ が多 く の場 合 擬 家 族 的 タ テ社 会 構 造 を採. る こと が挙 げ ら れ る 。 わ が国 では、 そ のよ う な社 会 制 度 の中 で、技 術 の伝 承 が な さ れ てき た。 そ の部 分 社 会 の 日本. 的 類 型 と し て、 私 は独 自 に単 位 集 団 ︵小集団Y 流 派 集 団 ・個 別位相 語集 団 を 定 立 し 、 それ ぞれ独 立 し た質 的統 一体 。 であ る と 規 定 し た ︵ 位相論 ﹃語彙原論ヒ︶. た と え ば 厨 事 人集 団 の場 合 、 個 々の料 理店 では十 人 ぐ ら い の小 人数 を十 枚 立 と 呼 ん で 一単 位 と考 え、 それ よ り成. る小 集 団 を 好 ま し い形 態 と考 え た。 それも 、各 料 理店 では特 定 の流 派 の技 術 者 のみ に よ って構 成 さ れ て他 流 の者 を. 排 除 し た 。 それ を 基 本 的 条 件 と す るた め、 各 料 理店 では、 同流 の店 では、上 は サ シミ の作 り方 から 下 は野 菜 の洗 い. 、等︶ 。それ は留 意 す べき 現 方 に至 る ま で全 く 同 一技 術 様 式 でなさ れ る と いう ふう であ った ︵ 中沢正氏 ﹃日本料理史考﹄. 象 な の であ る。 人 事 交 流 が閉 鎖 的 に特 定 流 派 に所 属 す る技 術 者 に特 定 さ れ る た め 、技 術 様 式 も ま た特 定 さ れ てし ま. う 。 そ れ は社会 集 団 に よ る技 術 的規制 と いう より も 人事 交 流 の局 限 が要 因 と な って結 果 し たも のと考 え ら れ る。 ま. た そ の社 会 行 動 に伴 う成 員 間 の 交   信 の際 の技 術 用 語 が 特 定 さ れ た であ ろ う こと は 自 然 に考 えら れ る こと であ. る。 厨 事 人 用 語 一般 も 、 それ の同義 語 の多 出 も 、右 の如 き 同 一流 派 を基 調 的 交 信 範 囲 と す る こと の中 で、 ま ず 成 立. し たも のと 思 わ れ る。 日本 では ドイ ツの マイ スタ ー制 度 の如 きも のは ︵阿部謹也氏 ﹃中世を旅する人びとし は成 育 し な. か った し 、 ﹁ 庖 丁 一本 サ ラ シに巻 いて﹂ と 修 業 に出 ても 、 交 流 範 囲 が限 ら れ 、 限 定 さ れ て いた時 代 が永 か った の で あ る。. し た が って流 派 集 団 が万 事 日本 的集 団 の根 幹 と し て考 えら れ る が、技 術 ・用 語 の使 用 や変 容 ・新 造 語 な ど の活 動.

(4) (148). 語彙総体の構造. の中 心 的 主 体 は単 位 集 団 にあ る し 、 ま た流 派 内 の特 定 用 語 も 当 初 は流 派 内 に限 定 さ れ る のが常 であ るが. 、 それ が自. 然他 流 にも 及 ん で いき 、 同 種 の個 別 位相 語 集 団 全 般 に使 用 さ れ る に至 る こと が多 い。 そ の こと を サ シミ に ついて述. 古稀記念 ことばの論文集し。 即 ち、 ﹃  右 の集団 の三類 型 の 厨事諸流と 厨事用語との関係に ついての 試論 ︵ べた こと が あ る ︵. それ ぞ れ は 、 そ れ ら自 体 独 立 し た集 団 であ り な がら 、 し かも 長 期 的 展 開 の中 では 一種 の連 帯 関 係 を持 つに至 るも の と考 え ら れ る。 そ のよ う な こと は厨 事 人 集 団 以 外 にも 妥 当 す るも のと考 えら れ る。. 右 のよ う な 日本 的 集 団 特 性 に基 づ いて技 術 伝 授 の伝 書 が作 成 さ れ、伝 授 さ れ てき た。 日本 の位 相 論 の文 献 は そ の. よう な背 景 を 持 って いる の であ る。 たと えば 、 ヨー ロ ッパ でも 早 く から放鷹 が行 な わ れ て いた。 バ ンヴ ェニスト は. 一 学 の諸問題し、 そ の種 の研 究 を多 く挙 げ る書 も あ る。 し かし、欧 米 では わ 曇叩 放 鷹 用 語 の研 究 に触 れ て いる し 島 一巻一. が国 の位 相 論 に相 等 す る言 語 学 部 門 は成 育 し な か った。 そ れ は 、 欧 米 におけ る部 分 社 会 の基 調 が 日本 のそれ と異 な. り 、 そ れ ら の部 分 社 会 の特 殊 技 法 や それ に基 づ く 用 語 の交 流 法 が 日本 のそれ と は 異 なり 、 それ を 背 景 と す る文 献 の. 継 承法 が 日本 のそれ と は異 な って、 日本 のよ う な 展 開 を 遂 げ な か った こと に根 源 す るも のと思 わ れ る。 そ の意味 に. お い て、 位 相 論 ・位 相 語 は 日本 的社 会 特 性 と 、 それ を 基 調 と す る 日本 的文献 特 性 と に根 源 的 に由 来 す るも の であ っ. て、 そ れ こそ 日本 的 言 語 学 特 性 であ ると言 って よ い。 そ の伝 書 を 私 は伝 授物 と命 名 す る が、 そ の文 献 特 性 の持 つ特 。 位相論 の問題 ﹃解釈し、等︶ 異性 が そ れ ら の卓 立 を 必 要 と す るから であ る と 言 え る ︵. 四   私 は対 象 を 社 会 集 団 と言 語 と の相 関 関 係 の究 明 に置 く が 、 それ の必然 的 反 映 と し て、私 の位相 論 の体 系 を 、. 言 語 学 外 的 な社 会 系 列 と言 語 学 内 的 な語 彙 系 列 と に 三分 し 、 社 会 系 列 を し て語彙 系 列 に対 す る支 持 o監視 の機 能 を. 持 た し め 、 両 系 列 を 照応 関 係 に置 く と いう 方 法 を 採 る こと にし た。 ただ両系 列 の照 応 過 程 では、 バ ンヴ ェニスト が. 相 互 に比較 可 能 な単 位 を 定 義 し て﹂ と いう点 に ついて留 意 せ ねば なら ぬと考 え て いる。 も 留 意 事 項 と し て挙 げ た ﹁. っと も そ の社 会 系 列 は、 日本 の社 会 学 界 の動 向 と は無 関 係 に設 定 し た我 流 の系 列 であ る。 そ のよう な方 法 を採 った.

(5) 田 勇 雄 島 (149). 基 本 的 理由 は 、 日本 社 会 学 界 では 歴史 社会 学 の展 開 不 十 分 のた め、中 近 世 の社会 史 的 動 向 が明 ら か にさ れ て いな い. こと にあ る。 と にか く 、 こ の両 系 列 の照応 に よ る 語 彙 の諸 性 格 の模 索 によ って語彙 論 の探 索 を意 図 し て いるわ け で. あ る。 こ の場 合 の系 列 と は 、 語 彙 は階 層構 造 を 構 成 し な がら そ の体 系 を構 成 し て いるわ け であ る が、 そ のよ う な全. 体 を系 列 と 言 う こと にす る。 社 会 系 列も言 語 系 列 も と も に同様 の階 層構 造 を し て いる わ け であ り 、 それ ら の階 層中. の同位 の位 層 を 水 準 と言 う こと にした い。 つま り 、 社 会 系 列 の特 定 の位層 と 語彙 系 列 の同 位 の位 層 と が ほ ぼ対 応 す. る関 係 に あ る場 合 それ を 照応 関 係 にあ ると考 え 、 そ れ ら の相 互 の対 照 を実 施 し な が ら 、支 持 ・監 視 と言 う ことを試. み よう と考 え た 。 それ は、 鷹 詞資 料 の調査 の際 、 秘 事 ・口伝 と いう項 目 があ り な が ら 対 応 す る語彙 項 目を欠 く と い. 。 以下語彙系列は意味的な準拠枠としての意味系列を含むも のとする︶ う こと の発 見 か ら着 想 し たも の であ る。 ︵. それ は結 果 的 に は バ ンヴ ェ ニスト の留 意 と 符 合 す る こと にな った の であ る が、 両 系 列 の設 定 に は それ なり の必 然. 性 があり 、 長 所 が あ る。 第 一に私 の位相 論 の対 象 を 社 会 集 団 と言 語 と の相 関 関 係 の模 索 に置 いた こと や、第 二 に実. 際 上 の調 査 の対 象 と な る文 献 が社 会集団 の社 会 行 動 を 対 象 と す るも の であ る こと か ら 、 そ の必 然 性 が考 えら れ る。.  これ は両 系 列 の結 節 点 と し て の 交   信 に関 す る こと であ 更 に第 二 に そ の用 語 の 成 立 経 緯 に関 す る こと があ る。. る。ま ず 社 会 集 団 の成 立 を 見 、 ついで集 団 成 員 に よ る集 団 機 能 と し て の社 会 行 動 の実 現 の過 程 で交 信 が な さ れ る。. 、但し森氏は ﹁通路網∪、 〓学的分析﹄ こ の交 信 構 造 のう ち の交 信 網 は社 会系 列 の問 題 であ る が ︵ 社︿ 森博氏 ﹃  交 信 に伴 う. 言 語関 係 は言 語 系 列 の問 題 であ る。 そ の語彙 系 列 を な す 問 題 と し て各 種 の社 会 系 列 の水 準 に照応 す る技 術 用 語 の水. 準 があ る。 そ れ も 技 術 の難 易 等 に照応 し て用 語 成 立 の難 易 ・遅速 ・変 遷等 が実 現 す る。 第 四 に、純 言 語学 的方 法 で. は接 近 困 難 か と 思 わ れ る巨 視 的 接 近 や語彙 の階 層 構 造 の各 位 層 の 一貫 的把 握 を容 易 にし 、 誤 認 や脱 漏 等 への監 視 の 機 能 が期 待 でき る長 所 も 考 え ら れ る。. 固  私 の位 相 論 の語彙 系 列 への接近法 の体 系 は 、 文 献 学 的 接 近 、巨 視 的 接 近 ・微 視 的 接 近 、文 化 的 接 近 の三種 四.

(6) 類 に分 かれ 、 本 稿 は 巨 視 的 接 近 の 二類 の 一と し て の語 彙 総 体 への接 近 の試論 であ る。 語 彙 系 列 に文 化 的 接 近を加 え. た のは語彙 のよ り 動 態 的 な接 近 を 意 図 し た から であ る。 バ ンヴ ェ ニストも 一般 言 語 学 の諸 問 題 の 一つに文 化 を挙 げ. て いる。も っと も 提 案 意 図 には差 異 が あ ると は考 え ら れ る。 バ ンヴ ェ ニストは価値 体 系 と いう概 念 を 導 入 し て いる. が 、 私 は必 要 性 の生 じ た と き に は 、 それ を文 化 的 接 近 に含 め る こと にし て、今 は考 え な い こと にす る。中 世 にお け. 美 物 ﹂ 意 識 は、文 化 の如 き概 念 を 導 入 す る と解 釈 が容 易 であ る。 語 る厨 事技法 や技 法 用 語 の変 遷 の要 因 と し て の ﹁. U。 位相論の問題国︱文化と語彙 ﹃解釈﹄ 彙 の巨視 的 接 近 を は か る には こ の種 の概 念 の導 入 を 好 都 合 と す る。 ︵. 以上 を要 す る に、 位 相 論 の終 局 的 意 図 は明晰 であ る。 要 す る に、 人 が集 って いて、 そ れ が集 団 の成 立 意 図 に沿 っ. た社 会 行動 を す る。 そ の間 に交 信 に伴 って必 要 な 語 彙 が生 産 さ れ る。 そ の語彙 は総 体 的 にど んな言 語 的 図 柄 を構 成. す る のかと いう こと であ る。 基 底 と し て の社会 的 位 相 と そ の言 語 的 位 相 とがど のよ う な相 関 関 係 を 示 す のか、 と い う こと であ り 、 二 つの位 相 の相 関 関 係 いか んと いう こと な の であ ると 考 えら れ る。. 象 への接 近 のた め の方 法 が全 く 欠 落 し て いるわ け で は な い。 理数 学 か ら社会 科学 o人文 科 学 等 の学 界 で広 く行 なわ. 対 象 に鈴 を 付 け よ う 。 そ のよ う な 巨 大 語彙 への接 近 は 、方 法 論 的 にも 至 難 と は考 え ら れ る。 し かし 、 そ のよう な対. と じ こも ら ず 、 突 破 口を 開 か ね ば な ら ぬと考 え ら れ る し 、 それ への道 を 拓く こと は可 能 と考 え て いる。 ま ず 巨大 な. 論 が提 示 さ れ て いる。 それ は当 然 の こと と言 って よ い。 そう いう こと がまず あ る。 し か し 、 そ のよう な 不 可 知 論 に. ら 、 コセリ ウ が 語 彙 量 の広 大 さ に よ る処 理 の困 難 さ か ら 、 そ の他 にも 類 似 の論 拠 か ら 、 接 近 の可 能 性 に対 す る否 定. への接 近 は 、   理論 的 にも 方 法 論 的 にも 困 難 が 予 想 さ れ る。 た と えば 、  理論 的 には 国 広 哲 弥 氏 が 言 語 範 疇 の性 格 か. 田   語彙 の巨 視 的 接 近 は、   一応 語 彙 総体 の水 準 の接 近 と 語彙 分 野 の水 準 の接 近 の二類 に下 位 分 類 す る。 語彙 総体. (二 ). (150). 語彙総体の構造.

(7) 田 勇 雄 島 (151). れ て いる構 造 主 義 的 方 法 が それ であ る。 それ のあ る種 の始 祖 とも 言 う べき レヴ ィ=スト ロー スは ソ ッシ ュー ルの言. 語 学 か ら 直 接 的 示 唆 を 得 た こと を 反復 し て述 べて いる。 言 わ ば 言 語 学 が そ の本 家 と いう べき と ころ であ る が、初期. の言 語 学 におけ る対 象 は音 素 の如 き微視 的対 象 であ り 、 そ れ に ついて の方 法 を レヴ ィ=スト ロー ス は そ のよ う な方. 法 にす る と とも に巨 視 的 対 象 にも 可能 な方 法 に展 開 さ せ た も のと考 え ら れ る。 そし て諸 学 では後 者 のよう な対 象 に. 対 す る方 法 と し て多 く 適 用 さ れ て いる ︵マイケル ・レイ ン編 ﹃構造主義し。 人類 学者 ルイ ・デ ュモ ンは全 体 か ら部 分 に ﹃ 社︿ 〓人類学 2 ら の理論し。 下 降 す る方 法 だ と解 し て いる ︵. ②   語 彙 総体 への接 近 の可 能 性 に対 す る否 定論 と し ては 、 国 広 氏 に 理論 的観 点 から の、 コセリ ウ に経験 論 的 観 点 。 一 学﹄1︶ 曇四 か ら の それ があ る。 ペ ローも 国 広 氏 と 同論 ︵マ生アィネ編 ﹃近岱 一. m 語彙は音韻や語法と異な って開 いた範疇 であるから全語彙を体系化するのは確かに不可能に近 い ︵国広氏 ﹁構造的意味論し 開 いた類﹂全部を ﹁ 閉じた類﹂にまで還元し 最小﹂機能要素を設定し、 語彙 の ﹁ 0 仮に、   一つの言語全体 に属する語彙内容 の ﹁. 、 。   試 か 的 そ の よ う な は 確 に 絶 望 なも のであろう。 ︵ 略︶ み ようとするならば ︵ イ エルムスレウはそう望んでいるようであるが︶  いずれ、より複雑な体系 ︵ あるいは上位段階にある体 ある程度単純な部分体系 の設定から始めて、 その設定済みの部分体系を、 系︶内に位置付けると いう可能性を残しておくことができるのではな いかと考える ︵コセリウ ﹃構造的意味論し。. 開 いた類﹂ と の細 部 的相 互 関 係 は私 には明 ら か でな い。 国 広 氏 の論 は、 語 開 いた範 疇 ﹂ と コセリ ウ の ﹁ 国広氏 の ﹁. 彙 は 必 要 性 の増 減 や社 会 構 造 の重 層性 等 のため増 減常 な し の性 格 を持 つも のな の で、全 語 彙 の体 系 化 は至 難 であ る. 口 〓 一曇叩 学と記号論﹂雪 一 学から記号論 と ∪ も それ に近 い。 五 四 開体 系 ﹂ も 翁一一 に違 いな いと言 う の であ ろ う 。 池 上嘉 彦 氏 の ﹁. コセリ ウ の論 も 、 類 似 の観 点 に立 地 し な がら 、 な おも 可 能 性 を残 し てお こう とす るも の であ ろ う 。. D   国 広 氏 の論 も コセリ ウ の論 も 、論 旨 は正鵠 を 射 たも のと考 えら れ る。 それ は当 然 こ の問 題 に ついて の不 可知. 論 を 導 入 す る であ ろ う 。 そ れ は や っと始 ま ったば かり の語 彙 論 に対 し 、 行 き 手 に絶 壁 の厳 存 す る こと を 予 告 す る こ. と に な る であ ろ う 。 と す れば そ の不可知 論 に歯 止 めを かま せ 、 鈴 を付 け る方 法 はな いも の であ ろ う か、 と 考 え、 そ.

(8) (152). 語彙総体の構造. れ は あ る はず だ と考 え る の であ る。 と いう のは、諸 氏 の論 が 広 域 社 会 におけ る全 体 社会 の語 彙 の全 体 を 念 頭 にお い. て所 論 さ れ て いる点 に留 意 す る と 、 それ は、全 体 社会 の全 語 彙 に ついて、 それ が開 かれ た語 彙 であ って、増 減 常 な. し と いう実 態 であ る こと を 前 提 にし た上 で の所 論 であ り 、 そ のよ う な前 提 に立 地 す れば 、 そ のよ う な帰 結 を 生 じ る. のは 当 然 と考 え ら れ る。 し かし 、 同 じ く 全 語 彙 と いう こと であ っても 、 そ の前 提 を異 にす れ ば 、 そ の帰 結 にも 差 異 を 生 じ る であ ろう と 考 え ら れ る の であ る。. 全 体 社 会 は各 種 自 治 体 等 の広 域 社 会 の別 側 面 を言 う 。 そ れ は部 分 社 会 の多 層 的集 合 より構 成 さ れ 、 そ の社 会 構 成. は複 雑 多 岐 にわ た る。 そ のた め 、 そ れ では 、 メイ ェの 一 言 つ社 会 構 造 と言 語構 造 と の相 関 関 係 を 把 握 す る のは 困 難 で. あ る。 言 語 の各 種 系 列 ・水 準 。構 造 等 に ついて の複雑 さ 、 多 岐 さ、多 層 性 等 を概観 す るた め には恰 好 な場 を 提 供 す. る に違 いな いが、 それ と 対 比 的 に そ れ ら の諸 要 素 に つい て の明 確 な法 則 性 、少 な く とも 志 向 性 等 に ついて の帰 結 を. 得 る に は好 ま し い場 では な く な る。 後 者 の如 き言 語的 解 明 を 得 る に適 す る社 会 構 造 と し ては 、 局 限 さ れ た条 件 にお. け る部 分 社 会 こそが そ の任 に ふさ わ し いと 考 え る のであ る。 それ に ふさ わ し い条 件 を備 え た部 分 社 会 を得 る こと が. でき れ ば 、  それ は社 会 構 造 と言 語構 造 と の 相 関 関 係 に つい て の 各 種 の言 語的 果実 を も たら す であ ろ う と期 待 さ れ. る。 そ れ に よ って語 彙 論 に ついて言 え ば 、多 面 的成 果 が得 ら れ 、 それ に基 づ く 語彙 論 の多 面 的 モデ ルが得 ら れ 、 そ. れ を 媒 介 と す る全 体 社 会 の語彙 の多 側 面 に ついて の知 的 探 索 を 可 能 と す る こと にな る であ ろ う 。. ま ず 、 対 象 を 全 体 社 会 か ら部 分 社 会 に転 換 す る。 そ の部 分 社 会 は 日本 的社 会 特 性 と し て、 日本 の社会 集 団 に特 有. の閉 鎖 性 と擬 家 族 制 を 固 有 す る。 そ れ を 背 景 と す る文 献 は 日本 的文 献 特 性 を 固有 す る。 それ で、 ま ず そ のよ う な社. 会 特 性 の結 果 と し て、 そ の社 会 集 団 では 人 的 交 流 が限 定 さ れ 、 それ に伴 い技 術 交 流 が限定 さ れ 、 そ れ に伴 いそ の間. に お け る交 信 網 が限 定 さ れ 、 そ のた め そ の技 術 用語 の交 流 圏 は限 定 さ れ る。 それ ら に基 づ いて特 定 の共 時 態 にお け. る文 献 が 作 成 さ れ る わ け で、 当 該 社 会 集 団 の 日本 的文 献 特 性 を表 わ し て いる。 そ のよう な文 献 に対 し 、 し か る べき.

(9) , 文 献 学 的方 法 を 吟味 す れ ば 、 そ のよう な条 件 下 にお け る語彙 総 体 に接 近 す る こと が可 能 であ ると 考 え ら れ る。 それ が位 相 語 の語 彙 総体 に つい て の基 調 的 座 標 軸 であ る。. 、 。 四   コセリ ウが全 語 彙 と言 ったも のを 、私 は語彙 総体 と 呼 ぶ こと にす る。 語 彙 全体 と言 っても よ い ただ 全 体. 、 第 一に統 一的 意 図 のも と にとり ま と. 、 と規 定 し た い。. 、 ィ 。 ィ 接 近 が対 象 と な る段階 で は モデ ルを媒 介 と す る接 近 が必 ず 考 慮 さ れ ねば なら な く な る ロト マンは ズ ノブ ェ 、 フら の ﹁な んら か の理由 で原 物 の研 究 が困 難 で実 際 上 不 可 能 であ る複 雑 な課 題 解 決 の目的 のた め に こ そ 作 り だ さ. は な か った 。 語彙 論 に つい て言 えば 、 それ への微視 的接 近 が主 た る対 象 と な って いると き は それ でよ いが. 同   そ の語彙 総体 に つい て作 成 さ れ る モデ ルに ついて の論 な ど は従来 ほと んど 国 語学 的 関 係 の対 象 と さ れ る こと 、巨視 的. 用 語彙 と し て、 そ の部 分 社 会 の社会 系 列 を 準 拠 枠 とす る語彙 を 統 一体 にとり ま と め た総体 であ る 。 こ の場 合 の語彙 総体 と は そ の よ う な操 作 的 規 定 の条 件 下 にお け る 語彙 の全体 概 念 であ る. も の であ る。 語彙 総体 と は そ のよう な限 定 を持 つも のであ る. 、 め ら れ た 語 彙 の総体 であ る。 第 二に そ の統 一性 の基 準 は特 定 の部 分 社会 の社 会 系 列 に照応 し そ れ を 準 拠 枠 と す る 。 即 ち 、位 相 語 の語彙 総体 と は、特 定 の部 分 社 会 の使. ま り が な い。 単 に数 量 的 寄 せ 集 め に過 ぎ な い。 それ に対 比 し て、 語 彙 総 体 は. 、 、 たも の であ る。 それ に は 行 動 意 図 と し て の統 一は認 め が た い。 同 様 に集 合 体 と し て の語彙 には 統 一が な く ま と. 。 る。 それ は統 一的行動 目標 のも と に集 合 し た人 的 集 合 では な い 種 々の行 動 目標 を持 った人 び と が算 術 的 に加 算 し. と は そ のよ う な閉 ざ さ れ た全 体 を指 示 す るも の であ る。単 な る 語 彙 的集 合 体 は.   一定 の条件 のも と に統 一さ れ てあ る こと は 閉 ざ さ れ てあ ると言 え る こと であ り 、 語彙 総 体 う。 それ に対 比 す ると 、 、 人的 集合 で言 え ば 、 群 集 に相 等 す.  そう いう 状 態 を さ し て 国 広 氏 は開 かれ た範 疇 と言 う の であ ろ  そ の集 合 体 には統 一が な く 、 ま と ま り がな い。 ち、.   一般 に そう であ る よ う に総 体 の語 の使 用を 選 ん だ の であ る。 学 に は 日常 語 臭 が感 得 さ れ る の で、学 術 語 と し ては、 。 術 語 と し て の総 体 と か全 体 に は 、単 な る算 術 的 加 算 によ る集 合 体 と は異 な る 理念 が託 さ れ てあ る と考 え ら れ る 即. 田 勇 雄 島 (153).

(10) れ た の であ る﹂ と いう言 表 を 引 用 し て いるが G文学理論と構造主義し、   一般 語彙 総 体 論 は そ のよ う な対 象 であ ると言. って よ い。 構 造 人類 学者 レヴ ィ=スト ロー ス が集 団 相 互 の婚 姻 の機 構 を交 信 モデ ルを 応 用 し て効 率 的 に解 明 さ せ た. こと は広 く 知 ら れ て、 よ く 使 用 さ れ る例 であ る が、彼 は それ の有 効 性 に自 信 を 得 て、更 に それ を言 語 の起 源 と いう. 命 題 の解 明 への 手 掛 り に でき る と 述 べて いる ︵ 一 一 〓 口 ﹁ 謳 こ ﹁構造人類学﹄ U。   ロト マンは 科 学 的 モデ ル ば かり でな mと社︿. く 、 芸 術 的 モデ ルの有 効 性 に つい ても 述 べ、 モデ ルの効率 的 作 成 条 件 をも 述 べて いる。. モデ ルに つい ては、 それ を ど のよ う な 手 続 き に よ って作成 す る か 、 それを ど のよ う な構 造 内 容 と す る か、 それを. ど のよ う に機 能 さ せ るか 、 な ど の こと が あ る。 目 下 の所 、私 は それ ら の全 て の諸 作 業 のた め の先 行 作 業 と し て、今. は次 のよ う な 大 雑 把 な作 業 を 考 え て いるわ け であ る。 まず 第 一に、 特 定 の部 分 社 会 に ついてそ の語 彙 総 体 を分 析 し て、 そ の構 造 体 系 を作成 し 、 そ れ から 一つの モデ ルを試 作 す る こと 、次 に部 分 社 会 の類 型 を可 能 な 限 り 求 め て、 そ. れ から 右 の体 系 や モデ ルに つい て の可能 な 限 り の変 異体 を求 め る 、 と いう作 業 であ る。 そ の モデ ルの共 通 特 性 の抽. 出 は比 較 的 に容 易 であ る が 、 弁 別 特 性 はも し細 微 的 特 性 をも 考 慮 す ると、 そ の実 現 の容 易 でな い こと は容 易 に考 え. ら れ る。 それ は位 相 論 の対 象 と し て の社 会 集 団 の類 型 を 、集 団 特 性 の類 型 に基 づ いて学 芸 o武芸 ・諸 芸 ・遊芸 ・諸. 職 o諸 礼 に大 分 類 し た こと が あ る が 、 そ れ ら のお のお のに所 属 す る集 団 の多 さ と そ の集団 特 性 の多 様 性 と だけ から し ても 、 そ れ が な みな み な ら ぬも の であ る こと に想 到 され る か ら であ る。. そ のよ う に し て作成 さ れ た モデ ルの本 質 と モデ ルによ る接 近 の意 義 と に ついて、 ロト マンは次 のよ う に述 べて い. る 。 ﹁モデ ルは常 に対 象 全 体 を 再 現 す る の では な く て、 そ の 一定 側 面 、 機 能 、 状 態 を 再 現 す る の であ り 、  そ の際 、. 選 択 行 為 自 体 が 認 識 の本 質 的 一環 と な る﹂。 ま た、完 全 な、 全 面 的 な 再 現 は モデ ルではな く、 認 識 の手 段 と は なり. え な い、 と も 述 べる。 つま り 、 全 面 的 な再 現 がな さ れ ると いう こと は、認識 のた め に不可 欠 な抽 象 、 も し く は典 型. 化 がな さ れ な いと いう こと だ か ら であ る。 モデ ルと し てあ る要 素 を 抽 象 す ると いう こと は、 それ を 当 面 の要請 に応. (154). 語彙総体の構造.

(11) 田 勇 雄 島 (155). じ る ため の対 象 の本 質 的 要 素 と し て抽 象 主 体 が認 識 す ると いう こと であ る が 、 そ の モデ ル化 の具体 的内 容 は それ の. 使 用意 図 に よ って差 異 が生 じ る こと にな る。 たと えば 、各 部 分 社会 の語彙 体 系 を表 示 す る語彙 の階 層構 造 の モデ ル. と か、各 種 部 分 社 会 ご と の語彙 体 系 の変 異体 を表 示 す る モデ ルと か、各 種 部 分 社 会 ご と の社 会 系 列 と言 語 系 列 と の 、 照 応 関 係 を表 示 す る モデ ルと か と いう ふう に であ る。 それ らも 汎時 態 的 体 系 の モデ ル、 通時 態 的 展 開 の モデ ル 各. 種 共 時 態 的体 系 の モデ ルと 、種 々 の形 態 のも のが考 え ら れ る。 モデ ルは それ ら の要請 に応 じ て抽 象 化 さ れ るわ け で. 、 あ り 、 そ こに抽 象 主 体 の認 識 が機 能 す るわ け であ る。 し た が って、 同 じ く言 語学 的 モデ ルであ っても 語法 論 のた め の モデ ルと 語彙 論 のため の モデ ルと では差 異 が生 じ るはず であ る。. く の現象 にお いて社 会 と の相 関 関 係 が究 明 さ れ る べき であ ると考 え ら れ る. 、 私 の着 想 は新 興 の語 彙 論 と. 一ノ九U が、 学﹄ 一  な お多 叩 解釈文法 の原理 ﹁日本電 ず 、 個 人 と の相 互 関 係 の中 で 考 え る べきも のも 多 いと考 えら れ る ︵ 。. か 等多 く の具 体 的 問 題 が着 想 さ れ る。言 語 にお け る 諸 現象 の全 てが 社 会 と の関 係 だ け で 解 決 でき ると は 考 え ら れ. 、 お け る通時 的 展 開 は 個 別社 会 文 化 のど のよう な展 開 を 反 映 す るも のか と か それ ら の モデ ル化 はど う あ る べき か と. 類型︶は社 会 構 造 にお け るど のよ う な変 異体 に照 応 す るも のかと か た め、 そ の言 語構 造 に見 ら れ る変 異体 ︵. 彙︶の解 明 の道 を 選 択 し た 展 開中 の歴 史 社 会 学 と の接合 に由 来 す るも の であ る。 ただ方 法 論 的 に部 分 社 会 の言 語 釜叩 、言 語 に. 興 社 会 科 学 と し て の社 会 学 と の相 関 関係 に ついて の着 想 に由 来 す るも のと 思 わ れ る が. 、 相 関 関 係 の探 究 に置 く点 であ る。 言 語 と社 会 と の相 関 関 係 と いう こと では メイ ェの提 起 し た言 語構 造 と社 会 構 造 、 と の呼 応 の解 明 に類 似 し て いる が 、 メイ ェの問 題 提 起 は歴史 主義 時 代 の余 波 とも いう べきも の で 歴史 的 文 法 と新. 田 同  私 の位相 論 の設定 には 、 特 異点 と す るも のが 二点 あ る。 そ の第 一は 、 位相 論 の設 定 目的 を言 語 と社 会 と の. (三 ).

(12) (156). 語彙総体の構造. そ の第 一を 位 相 論 の設 定 の目的 と す る な ら 、 第 二 は そ の目的 を 達 成 す るた め の方 法 論 であ る。 それ には言 語 学 外. 的 な 社 会 系 列 と言 語 学 内 的 な 語彙 系 列 と を 、 照 応 関 係 にあ るも のと し て設定 し 、前 者 に対 し後 者 に対 す る支 持 ・監. 視 の機 能 を 託 す と いう方 法 であ る。 こ の場 合 の系 列 と は 、 言 わば 縦 構 造 にお け る レベ ルで、横 構 造 にお け る レベ ル. ︵ 水準︶に対 す るも の であ る。水 準 は 同 位 の単 位 のた め の位 層 であ り 、系 列 は異 位 の単 位 の構 成 す る階 層構 造 が形 成. す る 一体 系 の全 体 であ る。 第 二 の方 法 論 の設定 は位 相 語 の成 立 に対 す る解 釈 に依 拠 す る。 社 会 集団 の肝 要 は複 数 の. 成 員 に よ る 集 団 の構 成 と そ の 成 員 に よ る社 会 行 為 と にあ る。 社 会 科 学 では前 者 を 地 位 と 呼 び 、 後 者 を役 割 と 呼 ん で、 それ ら を 中 心 に社 会 集 団 の構 造 が解 説 さ れ る。 そ の地 位 ︵ 構成︶と役 割 ︵ 機能︶と は言 わば 一枚 の紙 の表 裏 の如 く. 不 可 分 の構 造 関 係 にあ る。 即 ち、   一定 の地 位 に は 一定 の役 割 が不 可 分 に結合 し て いると いう 関係 にあ る。 そう いう. 構 造 関 係 の中 で各 社 会 集 団 ご と の社 会 行 動 がな さ れ る が 、   そ の社 会 行 動 の実 現 の過程 で 成 員相 互 の 交   信 が な. さ れ 、 そ の過 程 で位 相 語 が成 立 し 堆 積 す る。 要 す れば 、 そ れ を 背 景 と す る文 献 が作 成 さ れ る。 以上 のよう な解 釈 に. 立 って、社 会 集 団 の構 造 に対 応 す る社 会 系 列 を 設 定 し 、 そ れ と の照 応 で語彙 系 列 を 設定 す ると いう方法 を 採 用 す る こと にし た わ け であ る。. な お 、右 の如 き方 法 に よ って、 ま ず 特 定 の部 分 社 会 の語 彙 体 系 を求 め 、 それを 逐次多 く の部 分 社会 の語 彙 体 系 に. 及 ぼ し 、 それ ら の堆 積 を 全 体 社会 の語 彙 体 系 の解 明 の契 機 と す る、 と いう のが私 の位相 語 語 彙 論 の目的 であ る。. 田 m   社 会 行 動 に語 彙 系 列 に対 す る支 持 ・監視 の機 能 を と いう こと に ついてはま ず 社 会 系 列 の設 定 の目的 を そ の. よ う な基 礎 的 事 項 に と ど め 、 それ 以 上 の越 権 行 為 は排 除 す ると いう こと でも あ る。 それ では社会 集 団 の構 造 上 の基. 底 的 要 素 と し て の地 位 と役 割 とを 採 り 、 ま た役 割 行 為 の客 体 を採 り 、 以 後 の同系 列 の下 位 階 層 への接 近 は それ ら の. 下 位 分 類 のみ に よ って 一貫 す る。 そ れ と の照 応 で語彙 系 列 の各 種 階 層 を 設定 し分 析 す る。 そ のよう な照 応 関 係 の成. 立 を 支 持 と規 定 す る。 ま た社会 系 列 で特 定 項 目 が実 在 し な がら それ と 照 応 関 係 にあ る語彙 系 列 に該 当項 目 の不在 も.

(13) し く は 不 整 備 と いう こと が あ る。放 鷹 にお け る ﹁三十 六 の 回伝 ﹂ が照応 す る語 彙 系 列 の項 目を 欠 く と か、厨 事 人 集.  そ のよ う な場 彙論 ﹃日本語学し︶な ど が それ で、 私の五 叩 団 にお け る調 理技 法 用 語 の語 野 におけ る コミ ソの成 立 遅 延 ︵. る構 造 原 理を模 索 す る こと にあ ると考 え ら れ る。. て論 じ る 用意 は今 十 分 でな い。 ただ、 要 は 、 バ ンヴ ェ ニスト の述 べるよ う に両 系 列 を共 通 の地 盤 に並 立 さ せ る に足. の 百う よ う な共 通 の地 盤 を 定 立 す るも のが単 位 でな け れば な ら な いのか、 それ 以 外 にも 道 があ る のか、 な ど に つい. 列 は相 互 に比 較 検 討 す る こと が可能 と な る。 共 通 の地 盤 に立 地 す る こと にな る わ け だ から であ る。 バ ンヴ ェ ニスト. 底 を 発 見 し 、 両 者 の相 互 依 存 関 係 を浮 上 せ じ め る こと が前 提 にな ろう、 と す る。 そ う す る こと によ って初 め て両 系. る。 即 ち 、言 語 と 社 会 と の それ ぞれを 比較 でき る よ う な単 位 を 設 定 し、定 義 し て、 両 系 列 の構 造 に ついて の共 通基. 単 位 ﹂ の定 立 に ついて 述 べ て い こと を 批 判 し な が ら バ ンヴ ェ ニストは それ を 可 能 な ら し め る べき条 件 と し て の ﹁. 可 能 な ら し め る よ う な条 件 の成 立 が必 要 であ る。 H 田 で既 述 し た よう に、 メイ ェの提 言 が効 果 的 に実 現 し な か った. 田 同   社 会 系 列 と 語彙 系 列 と が照応 関係 に よ って でも 有 効 に機 能 し う る た め に は 、 両 系 列 を連 結 し、対 照 比 較 を. こと も あ る。. に多 言 を 要 し たり す る た め であ るが、 時 に は 隠 語 o忌 み詞 な ど の如 く語彙 系 列 に重 層 的 語彙 を成 立 せじ め る な ど の. 塁 国以 外 の方 法 で行 な わ れ たり 、言 語 に よ る場 合 も 複 雑 微 妙 な事 項 のた め説 明 一 一 は 語 彙 系 列 に多 いが、 そ れ は交 信 が 一. 関 係 に は な く 、部 分 的 に欠 落 ・不備 な 項 目 が両 系 列共 に認 め ら れ る ので、 照 応 関 係 の語 を 用 いる のであ る。 欠 落 等. 両 系 列 が照 応 関 係 にあ る と いう のは 、両 系 列 に ついて 一応 並 立 関 係 が考 え ら れ る が、細 部 的 には 一対 一的 な対 応. 件 に ついて の着 想 と か欠 落 も し く は不 備 な 部 分 に ついて の注 意 など の契 機 と す る こと が でき ると考 え ら れ る。. 知 さ れ る。 これ に よ って、 位 相 語 に ついて のあ る種 の環 境 整 備 を充 実 す る こと が でき るし 、位 相 語 の種 々の存 在 条. 合 社 会 系 列 の整 備 充 実 が あ れば 不備等 を 早 く 察 知 でき る。 概 念 化 の遅 れ が ち な 花 道 語 彙 の場 合 な ど こと に それ が感. 田 勇 雄 島 (157).

(14) (158). 語彙総体の構造. ②   構 造 と は異 質 の単 位 の相 互 関 係 に つい て言 い、体 系 と は等 質 の単位 の相 互 関 係 に ついて言 う、 と ルイ ・デ ュ. モ ンは言 う 翁社会人類学 2 一つの理論し。 二 つの 理論 は社 会 人 類 者 ラドリクリ フ=ブ ラウ ン と構 造 人類 学 の始 祖 レヴ. ィ=スト ロー スと の理論 であ る が、 そ のよ う な こと は レヴ ィ=スト ロー スが構 造 原 理を得 たと さ れ る ソ シ ュー ルの音. 素 が能 記 と 所 記 と の 二元 論 的 構 造 を取 る こと にも 見 ら れ る。   ルイ ・デ ュモ ンは ま た ﹁ 全 体 か ら 出 発 し て 部 分 に至. る﹂ 論 述 方 法 を も 構 造 主 義 的 方 法 に挙 げ て いる。 ゲ シ ュタ ルト 心 理学 の影響 と し て の構 造 主 義 的方 法 に そ のよ う な. 学 的 体 系 が考 え ら れ る し 、 橋 本 進 吉 先 生 の文 法 学 体 系 が そう であ った。私 は 語彙 論 の階 層構 造 と し て そ のよ う な体 系 を 考 え て いる。. D 同   位 相 論 の社 会 系 列 の構 造 原 理と し てど のよ う な要 素 を 選 抜 す るかは 、 そ れ の位 相 論 の全 体 構 造 に占 め る位. 置 から し て重 要 な命 題 であ る。 それ は基 本 的 に は、各 種 社 会 集 団 の構 造 に ついて の認識 の提 示 であり 、 位相 論 にお. け る社 会 系 列 の機 能 の大 き さ か ら も ゆ る が せ に は でき な いほど の重 要 命題 であ る。 即 ち 、 社 会 系 列 は語彙 系 列 と と. も に位 相 論 を構 成 す る 二本 柱 の 一であ るば か り でな く 、 それ が 語 彙 系 列 に対 す る支 持 ・監 視 の機 能 を 託 さ れ てあ る. こと か ら 、 第 一に社 会 系 列 の構 造 原 理は 語 彙 系 列 の構 造 原 理 でも あ ると いう構 造 関 係 にな る から であ るし、第 二 に. 両 系 列 にお け る以 下 の下 位 構 造 の分 析 にお い ても 一貫 し て それ の下 位 分析 を 逐次 追 究 す ると いう ふう になり 、 そ れ. は両 系 列 を 通 じ る構 造 上 の骨 格 と な るも のだ か ら であ る。 つま り 、 私 の方法 では 、 両 系 列 は巨 視 的水 準 から微 視 的. 水準 に至 る階 層 構 造 に分 か れ る が、  それ ぞ れ の水 準 にお いて 社 会 系 列 が語彙 系 列 を 支 持 ・監視 す ると いう方 法 で. あ り 、 そ のた め それ ら では 一貫 し て地 位 ・役 割 に関 連 す る項 目 を 分 析 す ると いう こと にな るわ け だ から であ る。. 社 会 系 列 の探 究 に つい て の最 大 の困 難 は 歴 史 社会 学 的 研 究 が皆 無 と言 って よ い状 態 にあ る こと から生 じ るも の で. あ って、 わ ず か に期 待 でき る のは汎 時 論 的 と言 って よ いよ う な 一般 社会 学 ︵ 未成工 じ 的 事 項 に ついて の 一般 的解 説 の. み であ って、 斯 学 に はま だ 通 時 態 o共 時 態 な ど の問 題 意 識 は見 ら れ な いし、 日本 的 歴史 社会 学 を踏 ま え た 日本 社 会.

(15) 田 勇 雄 島 (159). 学 も未 成 立 であ る。 し た が って それら に ついて の解 釈 や それ ら に関 連 す る用 語 の如 き は 全 て創 出 す る ほか は な い。. 以 後 の社 会 系 列 に ついて の具 体 的 用語 は ほ ぼ私 の創 出 であ る。 それ は私 の責 任 であ って、 日本 社 会 学 の関 与 し な い こと であ る。. O m   日本 の部 分 社会 に つい て の社会 系 列 の構 造 原 理を探 究 す る場 合 にお けヽ る必 要 条 件 と考 えら れ るも のと し て. 次 の事 項 を 挙 げ 、 それ ら を満 足 せ じ め るも のを 提 案 し 、更 に それ の吟味 を試 み る と いう 順 序 で、 そ の構 造 原 理 の妥 当 性 を検 討 す る こと にし た い。 そ の必 要条 件 と し て次 のよう な事 項 が挙 げ ら れ る。 第 一、特 定 の集 団 意 図 のも と に構 成 さ れ た持 続 的 集 団 であ る こと. 第 二、 社 会 集 団 の成 員 の人 的構 成 にお いて、 強 い排 他 性 のも と に特 定 の成 員 を 中 心 に構 成 さ れ、 入 団 ・退団 とも に 厳 し く 規 制 さ れ 、成 員 は強 い凝集 性 を持 つこと 第 二、 人 的 構 成 では前 近 代 的 な 擬 家族 制 的 な階 層 構 造 を構 成 す る こと. 第 四 、社 会 集 団 の成 員 の行 動 様 式 が制 度 化 さ れ た 行 動 体 系 を構 成 し ており 、 強 い規 制 のも と に成 員 の行 動 は制 約 さ れ 、 逸 脱 的 行 動 は強 く 拘 束 さ れ る こと 第 五、成 員 の社 会 行 動 に は分 業 が成立 し てお り 、 それも 階 層 構 造 を構 成 す る こと. 第 六 、右 の第 二、 三 にお け る人 的 構成 に関 す る事 項 と、 第 四 、 五 にお け る社会 行 動 に関 す る事 項 と は、対 立 関係 に あ ると と も に相 互補 完 関 係 にあ る こと. 第 七 、成 員 の社 会 行 動 の対 象 と し ての客体 は若 千 の少 数 の類 型 に分 類 でき る こと 第 八 、 当 該 客 体 は それ ぞれ 固 有 の機能 を持 ち 、 そ れ が成 員 の社 会 行 動 と密 接 に関 係 す る こと 右 の第 一は 、 社 会 集 団 にお いて成員 が集 合 し て社 会 集 団 を構 成 す る集 団 意 図 に関 す るも の で、 それ を学芸 ・武芸. ・諸 芸 ・諸 職 ・諸 礼 に分 類 し た ことがあ る。 第 二、 三 は社 会 集 団 の人 的構 成 に関 す るも の で、社 会 学 では ﹁ 地 位﹂.

(16) (160). 語彙総体の構造. と 呼 ぶじ地 位 は 伝 統 的 な社 会 集 団 では 通 例階 層 構 造 を 構 成 す るc 第 四. 、 五は社会 集 団 の機 能 と し て の成 員 の社会 行. 、時 にそ の前 提. 、 社会 集団 の基 本 的 構 造 であ って、社会 集 団.  八 は そ の社 会 行 動 の対 象 と な る客 体 と そ の機 能 と に関 す るも の で 役 割 ﹂ と 呼 ば れ る。 第 七 、 動 に関 す るも の で、 ﹁ あ る。 地 位 と 役 割 と は社 会 集 団 の存 立 の最 も 基 調 的 な 必 要 条 件 であ り. であ って、 そ れ を 欠 くも のは な い。 し た が って、 いず れ の学 説 でも 社 会 集団 論 は そ れ ら を 根 幹 と し. 、 と し て行 為 と 行 動 と の差 異 、 社 会 行 動 の性 格 等 の論 を 論 じ る。 よ って、 社会 系 列 を 体 系 づ け る に当 た って それを. 、 中 心 と す る の は 正 鵠 を得 て いる と 考 え ら れ る。 地 位 と役 割 と は 、論 理的 には 一応 区 別 さ れ る が な お 一枚 の紙 の表. 裏 の如 き関 係 に あ り 、 地 位 が あ れ ば 必 ず それ に対 応 す る役 割 が あ り 、 逆 に役 割 が成 立 す れば それ に対 応 す る地 位 が. 成 立 す る。 地 位 が階 層 構 造 を構 成 す れば 、 必 ず 役 割 も それ に対 応 す る階 層構 造 を構 成 す る と いう よ う な相 互関係 に. 、も しく は. あ る。 両者 は対 立 即相 互補 完 と いう構 造 的 関 係 にあ るわ け であ る。言 語 学 の音素 の能 記 と 所 記 と の構 造 関 係 に相 応 す ると言 って よ い。. 社 会 集 団 に お いては地 位 と役 割 と は最 も基 本 的 な構 造 関 係 にあ る の で、 それを社 会 系 列 の基 本 的 構 造. 、 も し く は従 構 造 と考 え. 主 構 造 と考 え る こと にす る。 そ れ に対 比 し て、 客 体 に ついて の構 成 と 機 能 と は、 いわば 主 体 の機 能 の対 象 と し て そ. れ から分 出 さ れ るも のとも いう べき 関 係 にあ るじ そ れ で、 それ を前 者 に対 し て従 属 的 構 造. る こと にす る 。 集 団 種 は前 述 の如 く 学 芸 ・武 芸 等 に分 類 さ れ る が、 そ れ らは それ ぞ れ の集 団 意 図 に相 応 し て基 本 的 。. 変異体︶に分 れ るわ け であ る 構 造 と従 属 的 構 造 を持 つわ け であ り 、 こと に従 属 的 構 造 の内 実 によ って、若 干 の類 型 ︵. 四 国  以 上 のよ う な わ け で、 社 会 系 列 の分 析 上 の単 位 と し て地 位 と 役 割 と を選 択 す る が、 それ に ついて ア メリ ヵ. 社 会 学 の大 御 所 パ ー ソ ンズ は基 底 要 素 的 単 位 と し て行 為 を挙 げ 、 よ り 上 位 の単位 と し て地 位 ・役 割 を位 置 づけ て い ﹃ 社会体系論し。 る ︵.  つまり ここで地位︱役割と呼ばれる単 社会体系 のも っと巨視的な分析 のた いが いの目的にと っては、 行為よりも高位の単位、.

(17) 、 位を使用するのが便利 である。 社会体系は何人かの行為者 のあ いだの相互行為過程 の体系であるから 本来社会体系 の 構 造 と 、 は、相互行為 の過程にかかわり合 っている幾人かの行為者 のあ いだ の関係 の構造にほかならない。 その体系とは そうした関係 の網状組織なのである。. 位 置﹂ す る か いう側 行 為 者 が他 の行 為者 た ち に対 応 し て、社 会 体 系 のな か のど こに ﹁ 即 ち 、 パ ー ソ ンズ は 当 面 の ﹁. 社 会 体 系 ﹂ にた いす る機 能 的 意 義 と いう文 脈 から み て、 行 為者 が他 の行 為者 地 位 ﹂ と 呼 び 、 それ に対 し て ﹁ 面を ﹁. 役 割 ﹂ と呼 ぶと定 義 し て いる。 こ の地 位 と役 割 と が全 て と の関 係 にお いてど う ふ るま って いる か﹂ と いう側 面 を ﹁. の社 会 集 団 にお いて不 可 欠 であ る こと の示 す よう に、 単 に パ ー ソ ンズ学 派 に限 らず 、全 て の社 会 学 説 に共 通 す る 理. 、 お け る下 位 分 析 の未 展 開 のた め著 し い困 難 を感 じ さ せ ら れ る。 斯 学 では地 位 ・役 割 こと に役 割 概 念 自 体 の抽 象 的. よ う と す ると き︱ ︱ そ れ は社 会 系 列 と 語彙 系 列 と の照 応 関 係 の実 現 のた め に不 可 欠 な の であ る が︱︱ 社 会 系 諸 学 に. 四 同   社 会 系 列 に ついて の構 造 分 析 を 、 そ の種 の上 位 概 念 の分 析 にと ど めず 更 に下 位 の構 造 分 析 にま で推 進 させ. 。 こと にな り 、社 会 系 列 の語彙 系 列 に対 す る支 持 ・監 視 の機 能 の実 現も 容 易 にな るわけ であ る と 考 え ら れ る. と 並 行 関 係 にあ る語 彙 系 列 に ついても 実 現 す れば 、両 系 列 の性 行 関 係 が各 種 段 階 の水 準 にお いても 等 し く実 現 す る. 位 分 類 し て、 逐 次 下 位 水 準 の単 位 を定 立 し て いく と いう のが私 の目下 の方 法 論 的方 針 であ る。 そ の こと を社 会 系 列. と を構 造 主 義 的 に規 定 し よ う と す れば 、右 のよう に言 う こと が でき よ う 。 そ のよ う な構 造 関 係 に あ る要 素 を 逐次 下. 分 であ り 、 か つそれ ら の相 互 関 係 では対 立 即連 帯 と いう構 造 関 係 にお いて位 置 づけ ら れ る関 係 に あ る。 地 位 と役 割. 社会系列︶の部 分 であ り 、 し かも そ れ を 構 成 す る直 接 的部 る。 ま た地 位 と役 割 と は それ ぞ れ 全体 と し て の社 会 体 系 ︵. パ ー ソ ンズ は地 位 と 役 割 と を社 会 体 系 の巨 視 的単 位 と し て位 置 づけ た。 それ は私 の社 会 系 列 にお いても 同 様 であ. カ シでも あ る。. 論 であ り 用 語 であ る と言 ってよ い。 それ を私 の社会 系 列 の根 幹 に据 え る のは、要 す る に私 の社 会 系 列 の普 遍 性 の ア 田 勇 雄 島 (161).

(18) (162). 語彙総体の構造. 分 析 に熱 中 し て い て 、 そ れ の社 会 生 活 体 にお け る具体 的 分 析 はど こ の国 の斯 学 でも さし て関 心 が注 が れ て は いな い. よ う に見 受 け ら れ る 。 私 は ニ ュー カ ム の ﹁社 会 心 理学 ﹄ か ら ﹁ 行 動 系 列﹂ の語 を 承 け 、 それ を 独 自 に発 展 さ せ て作. 業 系 列 ・作 業 体 系 ・作 業 手 順 な ど の技 術 系 用 語 を創 出 し た し 、今 後 一層 そ のよう な必 要 に迫 ら れ る と思 わ れ る が、. そ れ は社 会 学 一般 の傾 向 の帰 結 であ って、 我 わ れ が社 会 学 界 の学 恩 を受 け よ う と欲 し ても 、 それ に は限 界 の存 す る こと が体 感 され る。. 社 会 学 者 森 好 夫 氏 に よ れば 、 現在 の欧 米 の社 会 学 の動 向 と し て は、 そ の地 位 の研 究 も軽 視 さ れ て、役 割 の研 究 が. 関 心 の中 心 を占 め て いる と の こと であ る。 ネ ー デ ルの ﹃社 会 構 造 の理論﹄ も 副題 を ﹁ 役 割 理論 の展 開﹂ と す るし 、. パ ー ソ ンズ の ﹃社 会 体 系 論﹄ も 実 質 的 に は役 割 中 心 であ る。 ネ ー デ ルの書 は役 割 に ついて は ﹁ 役 割 期 待 ・役 割 規 範. ・役 割 シ ステ ム ・役 割 属 性 ﹂ 等 の抽 象 的 分 析 は行 き 届 い て いる が 、 そ の他 に は及ば な い。 日本 社 会 学 の動 向 も 同様 であ る よ う に見受 け ら れ る。技 術 系 の社 会 行 動 の分 析 に向 った研 究 に接 す る こと は でき な か った 。 ま と ま った著 述 にお い て そ のよ う な も の に 接 す る こと は でき な か った。  そ れ は連 か に遠 いのち に 着 想 され る の であ る かも 知 れ な い。 と に か く、全 て必 要 な分 析 上 の概 念 ・用 語 等 は必 要 性 に応 じ て適 宜 我 わ れ が創 出 す る より ほ か に方 法 は な さ そ う であ る。 も っと も そ のよ う な こと は、 語 彙 系 列 の巨 視 的 水 準 の分 析 に つい ても 同様 であ る。 そ れ ら はとも に未 開 拓 部 門 な の であ る。. 地 位 ・役 割 に つい て、 私 は こ のよ う に把 握 し て いる。 地 位 は社 会 集 団 の人 的構 成 を表 わ す 用 語 であ り 、役 割 は そ の成 員 に よ る集 団 機 能 の実 現 を表 わ す 用 語 であ ると考 え る。 社 会 集 団 が そ の成 員 によ る人 的 構 成 に よ って成 立 す る 以 上 、 地 位 は無 視 す る こと が でき な いし 、伝 統 的 な集 団 では そ の地 位 は階 層 構 造 を構 成 す る のが普 通 であ り 、 日本 的 社 会 集 団 では そ の凝 集 性 の強 い こと 等 に ついては既 述 し た。役 割 は成 員 の相 互作 用を中 心 に規 定 さ れ る こと が多. く 、右 述 のよ う に そ れ が成 員 の相 互 作 用中 心 の解 説 に終 始 す る こと が多 いな ど 、専 門外 の我 わ れ には人 的 関 係 中 心.

(19) 田 勇 雄 島 (163). であ って、技 術 関 係 は無 視 さ れ て いる か の如 き感 を受 け る。 し か し これ は森 好 夫 氏 によれば 、各 地 位 ︵ 位置︶に対 応. す る役 割 行 動 の中 に含 ま れ てあ ると の解 を取 ると の こと であ る。 そ の解 に従 って、役 割 と は成 員 の社 会 的 機 能 を表. わ し 、他 の成 員 に対 す る人 的 関 係 全般 と 、分 業 によ って そ の地 位 の社 会 的 機 能 に振当 てら れ て いる技 術 関 係 全般 と. を合 わ せ合 む も のと考 え る。 パ ー ソンズ は後 述 のよう に役 割 活 動 の対 象 と し て の客体 を 三種 に分 類 し て いる が、 そ れ は そ の こと を表 わす も の でな け れば なら な いわ け であ る。. u 同  既 述 し た よう に、 集 団 の構 造 には主 体 と し て の成 員 の地 位 と役 割 と によ る基 本 的 構 造 ︵主構造︶と 、客 体 の. 種 類 と 機 能 と によ る従 属 的 構 造 ︵ 従構造︶と があ る。基 本 的 構 造 は全 て の集 団 に通 ず る構 造 上 の共 通特 性 と 考 え ら. れ 、従 属 的 構 造 は それ ぞ れ の集 団 の個性 的 特 性 を表 わす も の であ り 、構 造 上 の弁 別特 性 を なす と考 え ら れ る。 即. ち 、 社 会 集 団 は、構 造 上 では 、共 通特 性 によ って相 互 に連 帯 し 、 弁 別特 性 によ って相 互 に対 立 す ると言 え るわ け で あ る。 それ ら の関 係 は 、 下 位 の水 準 にお いても 同様 であ る。. 位 相 論 の対 象 と し て集 団 の類 型 を学 芸 ・武 芸 ・諸 芸 ・諸 職 o諸 礼 等 に分類 し た こと があ る が、 これ を 集 団 の客 体. と の関 係 か ら 再 考 し た い。 客 体 の類 型 に つい ては パー ソ ンズ は 、 社 会 的 客 体 ・物 的客 体 ・文 化 的 客 体 の三種 に分 類. ﹃ 社会体系次 翻し。 社 会 的 客 体 は人 や集 団 の如 き であ り 、 する ︵  日本 的 集 団 にお いては遊 里集 団 にお け る 遊 客 の如 き 客. 体 であ る。 物 的 客 体 は自 我 が相 互行為 を し たり自 我 に反応 し た り す る こと のな い客 体 で、厨 F 人集 団 にお け る素 材. ・用 具 の如 き 客 体 であ る。 文 化 的 客体 は ﹁ 文 化 的伝 統 の シ ンボ ル的 要素 、 つま り観 念 と か信 条 と か表 出 的 シ ンボ ル. と か価 値 パ タ ー ンなど であ る﹂ と規定 され る。学 芸 の客 体 の如 き が それ に当 る。 パー ソ ンズ の客 体 には生 物 学 的 客. 体 は挙 げ ら れ て いな いが 、 位 相 論 の客 体 と し ては、放 鷹 にお け る鷹 ・犬 の如 き 客 体 が挙 げ ら れ るc そ の こと は欧 米 と て同様 な はず であ る。 そ れ を加 え て客 体 の類 型 を 四種 と し た い。. 文 化 的 客 体 や物 的客 体 は 、 主 体 の刺 戟 に対 し て物 理的 な 反 応 を す る こと は な いが、社会 的客 体 や生 物 学 的 客 体 は.

(20) (164). そ の意 思 で そ れ ら の反 応 を 実 現 す る こと が でき る. 、 。 は遊客 の社 会 的 機 能 と し て の座 動 の 行 客 け 遊 お る 里 に 即 ち 遊 、文. 軍礼 ・儀礼Y 遊 里 語 社 会 的 客 体 型 ︱︱ 諸 礼 ︵ 、 。 耐   語 彙 系 列 に ついて特 記 す べき も の に場 面 語 彙 とも 呼 ぶ べき も のがあ る 特 定 の伝統 的 集 団 にお いて そ の集. 騎射 ・歩射、弓道 ・馬術 ・杏 休、等︶ 生 物 学 的 客 体 型 ︱︱ 武 芸 ︵. 、 、 本草学 ・医学、兵法学、仏教学 ・神道学 ・修験道学、公卿学 天文暦学 等︶ 的 なπ件型︱︱些喜ム ︵ 入化 一 + 厨事 ・建築 ・手工業、商業、等︶ 茶花香道、等Y 諸 職 ︵ 物 的 客 体 型︱︱ 諸 芸 ︵. 分 類 し たも のと の関係 を 表 示 す れば 次 の如 く にな る。. 社 会 構 造 論 に踏 み込 んだ も の にな る こと が でき るわ け ではあ る. 基 準 に集 団 類 型 を 定 立 す る こと が でき る。 それ ら を かり に文 化 的 客 体 型 ・物 的客 体 型 ・生 物 学 的 客 体 型 ・社 会 的客 、 体 型 と 命 名 す る こと にす る な ら 、 それ は社 会 学 にお け る社会 集 団 の類 型論 と は分 類 法 を異 にす るも のと は な る が 。 そ の四類 型 と位相 論 の対 象 と し て学 芸 ・武 芸 等 に. の O m   以 上 述 べた よう に、 社 会 集 団 の構 造 は 、 主 体 を中 心 と す る基 本 的構 造 と客 体 を中 心 と す る従 属 的 構 造 と 、 集 二種 に分 類 でき る。 そ の基 本 的 構 造 は全 て の社 会 集 団 に通 じ る共 通 構 造 特 性 であ る のに対 し 従 属 的 構 造 は社 会 。 団 の個 性 上 の差 異 を表 わ す も の であ り 、 それ は社 会 集 団 の弁 別 的 構 造 特 性 であ ると言 え る こ の弁 別 的 構 造 特 性 を. 。 め 、 そ れ が そ れ ぞ れ の系 列 の階 層 構 造 の内 実 を 一貫 す る構 造 原 理 と も な る. 、 の如 く 化 的 客 体 や物 的 客 体 の如 く そ れ 自 身 によ る有 意 志 的 行 動 様 式 を 持 た な い客体 と 社 会 的客 体 ・生 物 学 的 客 体 。 でも 、 そ そ れ自 身 に よ る行 動 様式 を 持 つ客 体 と に三分 でき る 前 者 の如 く そ れ自 身 によ る行 動 様 式 を持 た な い客 体 。 動様 れ の実 体 上 の差 異 が ひ いて は 主 体 の行 動 様 式 上 の差 異 をも た ら す こと にな る 同様 の こと は それ自 身 によ る行 し 式 を持 つ客 体 に関 し ても 妥 当 す る。 それ ら の客 体 の差 異 が基 本 構 造 や従 属構 造 の実 質 的構 造 上 の差 異 を 帰 結 せ. 。 は 配 の主 た る対 象 であ り、 放 鷹 にお け る鷹 ・犬 の行 動 は鷹匠 ・犬 曳 き の主 たる関 心事 であ る そ のよ う に客 体. 語彙総体の構造.

(21) 田 勇 雄 島 (165).  一種 の二重 言 語 制 であ 団 用 語 に並 行 し て特 定 の場 面 に限 って使 用す る別 種 の語彙 群 を成 立 さ せ て いる こと が あ る。. る が、 そ の並 立 語 彙 は特 定 の場 面 に限 って使 用 さ れ る の であ り 、 そ の多 く は宗 教 的 要 因 に基 づ いて成 立 し たも の で. あ り 、宗 教 的 場 面 の中 で使 用 さ れ る こと が通 例 であ る。 そ のよう なも のを場 面 語 彙 と仮 称 す る。 これも 両 系 列 の照 応 の中 で の問 題 であ る が、委 細 は 語彙 系 列 の項 で述 べる こと にす る。. 。言 語 学 にお け る方 法 が人文 科 学 系 の基 準 と な る であ ろ う と は多 く の論 者 の言 で 丈学理論レ︺ 構造主義﹄等︶ ﹃ 者 もある ︵. 者 のヤ コブ ソ ンを浮 上 させ る のが常 であ る が、時 に ロト マンら の如 く ロシ ア ・フ ォ ル マリ ズ ムにま で湖 源 さ せ る論. ルに始 ま り社 会 人 類 学 者 レヴ ィ=スト ロー ス によ って動 機付 け ら れ た と す る のが 一般 であ る、途 中 の経 緯 に言 語 学. 列 の分 析 原 理と し てと も に同 一の構 造 主 義 的方 法 を 採 ら ねば なら ぬと 考 え る。構 造 主 義 的方法 は言 語学 者 ソ シ ュー. 分 析 水 準 に位 置 せ し め て、 比較 の可能 な 同 一の単 位 関 係 を維 持 せじ め る こと を ま ず 考 慮 せ ねば なら ぬし 、 ま た両 系. 位 相 語 の分 析 原 理と し ては、 社 会 系 列 と 語彙 系 列 と を常 に同 じ 照 応 関 係 に位 置 せじ め るた め に、両 系 列 を 同 一の. の それ に置 く こと な ど の具体 的 手 続 き を前 述 し たわ け であ る。. 内 的 秩序 のも と に閉 ざ され た自 己 統 一体 と し て の語彙 総体 に接 近 す る こと が可 能 と考 え 、 それ の準 拠 枠 を社 会 系 列. 提 と し て、 ま ず 広 範 な開 か れ た体 系 への接 近 の可 能 性 の有 無 が問 わ れ 、 更 に そ の接 近 を 可 能 とす る よう な限 定 条 件 が 問 わ れ ねば な ら ぬが、 それ ら に つい ては既 述 し た。 即 ち 、 日本 的 部 分 社 会 の語彙 総 体 を 選 択 す る こと によ って、.  そ の前 ﹃日本五 学﹄︺。本 稿 の命 題 は そ の語彙 総体 への接 近 の方 法 を考 究 す る こと にあ る。 語 彙 総体 の接 近 には、 叩. 私 の五 彙論 叩 近 は巨 視 的 接 近 と 微 視 的 接 近 と に 三分 さ れ、 前 者 は更 に語彙 総体 の水 準 と 分 野 の水 準 ど に 三分 さ れ る ︵. 田   語 彙 系 列 への接 近 は、私 の方法 論 では、 ま ず 社 会 系 列 と の関 係 で、 そ の支 持 ・監 視 の中 でな さ れ る。 そ の接. (四 ).

(22) (166). 語彙総体の構造. 構 造 主 義 は、言 語 を階 層 的 に組 み立 てら れ た統 一体 と 見 な し、 そ の一 あ る。 私 は ﹁ 一 塁 口を構 成 す る各 部 分 間 の関 係 を 一. 一 一 口 五 学 ︹マイケル 。レ 分 析 し よ う と す る 言 語 学 的 思 想 と いう ふう に 規 定 す る こと が でき る﹂ ︵トルンカウ、プラーグ構造一一 四. イ ン ﹁構造主義ヒ︶に ほ ぼ準 拠 し 、 そ の ﹁ 言 語﹂ に ﹁語彙 ﹂ を代 入 さ せ たも のと し て の解 釈 を採 る こと にし て いる。. 言 語 と社 会 と の相 関 関 係 と いう 命 題 を 、   一九 〇 六 年 に メイ ェが提 案 し て成 功 を納 め て いな い理由 に ついて、 バ ン. ヴ ェ ニスト は両 者 を 正 し く 比較 す る た め の方 法 が整 備 し て いな いから であ る と言 い、 正 し く比較 す る た め の方 法 と. し て、 両 者 に同 一水 準 の基 底 単 位 を 設 定 す べき こと を 述 べて、共 通 の基 底 単 位 が成 立 す れば よ いと し た。 私 の方 法. 論 で は 、両 系 列 を 設 定 し 、 それ を 同 様 に全 体 水 準 から各 種 の下 位 水 準 にま で分 析 し 、 それ ぞれ の水 準 にお け る単 位. に ついても 比較 の可 能 な 同 位 層 に設 置 す る よ う配 慮 し 、 更 に各 水 準 にお いても 社会 系 列 が 語彙 系 列 に対 す る支 持 ・. 監 視 の機 能 を持 つこと を 考 慮 し た 。 両 系 列 を 、全 て の水 準 にお いて対 等 の、 比較 可能 な条 件 に置 く こと を 考 え 、 全.   一は そ の条 件 にお け る言 語 行 動 の結 実 と し て分 析 す る と   一は社 会 行動 の具 体 化 と し て分 析 し 、 て の水 準 にお いて、. いう 方 法 を と る こと にし たわ け であ る 。 そ の際 地 位 o役 割 の二要 素 を そ の骨 格 と し て、 それ に ついて の下 位 分 析 を. 両 系 列 と も 逐 次 継 続 す る こと にし た。 そ の分 析 にお け る照 応 関 係 の保 持 には 大 いに つと め な く ては なら ぬし 、 こと に社 会 系 列 の下 位 分 析 に関 し ては多 く の困 難 が予 想 さ れ る。. 0 0  社 会 系 列 に ついて の総体 的 観 点 か ら す る分 析 に ついては既 述 し た。 結 論 を言 えば 、全 体 を地 位 と役 割 と を. 構 造 原 理と す る解 釈 に よ って基 本 的 構 造 と従 属 的 構 造 と に分 類 す るも の で、前 者 は主 体 を中 心 とす る地 位 と役 割 と. に分 析 し 、後 者 は そ の役 割 より分 出 す る客 体 に つい て分 析 す るも の であ った。 そ の基 本 的 構 造 は全 て の社 会 集 団 の. 構 造 に共 通 す る共 通 特 性 と考 え ら れ 、 そ の従 属 的 構 造 は各 社 会 集 団 の個 性 的 構 造 を決 定 す る弁 別 的特 性 と考 え ら れ.  と いう方 法 であ った。  語彙 系 列 にお い て  それ と 全 く 同 じ方 法 を 語彙 系 列 にも 採 用 す る こと にし た い。 即 ち、 る、. も 、 語 彙 総 体 の水 準 で、 語彙 総体 の直 接 構 成 要 素 と し て、 地 位 を表 現 す る語 彙 と役 割 を表 現 す る語彙 と を それ ぞ れ.

(23) 田 勇 雄 島 (167). 個 別 に統 合 し て別 個 の範 疇 と し 、同時 に そ の総 合 を 語彙 総 体 の限定 枠 と し て他 を 排 除 す る。 更 に社会 系 列 にな ら っ. て それ ら を基 本 的 構 造 を 構 成 す る語彙 と従 属 的 構 造 を構 成 す る語彙 と に分 類 し 、 前 者 を 語彙 系 列 にお け る共 通構 造. 特 性 と し 、 後 者 を弁 別 構 造 特 性 とす る。 語 彙 系 列 にお いては、 以下 に つい て分 野 水 準 o語 野 水 準 ・語水 準 等 の言 語. 分 析 を階 層 的 継 続 的 に実 現 す る こと にし て い る が、 それ ら の分 析 段階 で、地 位 o役 割 に相 等 す る要素 に ついて の下 位 分 析 ・細 下 位 分 析 等 を 実 施 す る こと にし て い るわ け であ る。. 社 会 系 列 を基 準 と す る社 会 類 型 に ついて は 、 既 述 の如 く文 化 的客 体 型 ・物 的 客 体 型 ・生 物 的 客 体 型 o社 会 的 客 体. 型 の四種 類 に分 類 し た。 同 様 に語彙系 列 を基 準 と す る社 会 類 型 に ついても それ と 同 様 に四種 類 に分類 す る こと にな. る わ け であ る。 そ の四類 型 と私 の位相 論 的 類 型 と の関係 も 社 会 系 列 に つい て述 べた如 く であ る。. ② n   そ の四類 型 のう ち そ の位相 語 の言 語 性 に関 し て特 に留 意 を 要 す るも の に ついて略 述 し ておき た い。. 文 化 的 客 体 型 に関 す る 語彙 には学芸 に関 連 す るも のが多 いが、 そ の重 要 命 題 と し て学 術 用 語 の性 格 に関 す るも の. が あ る。 それ ら の用 語 が使 用者 による恣 意 的 性 格 のも のも し く は流 派 等 に よ る使 用 圏 の限 定 さ れ た用 語 であ る か、. よ り 広 範 囲 な学 界 の公 認 用 語 であ るか に関 す るも の であ る。 学 芸 には医 学 ・本 草 学 ・仏教 学 ・天 文 学 等中 国 伝 来 の. し た が って漢 語 が学 名 でも あ る場 合 が多 い。 医 学 o本 草 学 では近 世 中 期 頃 から 学 名 意 識 が鮮 明 にな り 、 も のが多 く 、. 。 彙Ⅱ ﹃五 彙史ヒ︶ 同 義 語 中 に本 名 ・異 名 と の差 異 も生じ、 和的学名︶の意 識 も 生 じ た ︵近代五  ま た それ に対 し 和名 ︵ m 田. そ れ も 流 派 等 によ って成 立 期 に前 後 があ った と 考 え ら れ る。 仏教 学 では同 じ く中 国 伝 来 用 語 な がら宗 派 宗 門 によ る. 。 近世 には そ の用語 を中 心 と す る教 義 の解 説 書 が量 産 さ れ た。兵 法 学 同右︶ 用 語 や そ の意 味 上 の差 異 が考 えら れる ︵. でも 、  幕 府 の御 用学 派 であ った甲 州流 の 一派 有 沢 派 には、  甲 州流 の用 語 を も って 学 名 相 当 と考 え る 理念 も生 じ た 。 ︵ 兵法諸流と武者言葉との関係に ついての試論国 ︹甲南女子大 ﹃紀要ヒ 一六︶. 兵 法 学 や水 軍 学 では武 者 言 葉 や舟言 葉 を 集 め たも のが多 く 編 纂 され た。 それ ら には後 述 の如 き いわ ゆ る民衆 宗 教.

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