担体に付着した微生物の生理的挙動
13
0
0
全文
(2) 162. 担体 に付着 した微生物 の生理的挙動. I.担 体 への菌体 の付着 担体 へ の菌体 の付着 に関 す る従来 の研究 は主 として次 の二つ に大別で きる。 一 つ は菌体 と担体 との間 で作用 す る物理的 な力 に関す るもの 種 々の担体 に付着 した菌体 の乾熱殺菌. ,. ,細 胞分裂とDNA複 製. もう一つは などの研究. に際 して問題 となる担体 へ の付着程度 に関 す るものである。本章 で行 なった 研究 は後者 に属 し,主 に菌体 の担体 か らの回収方法 と付着方法 について検討 を加 え,併 せて担体 に菌体 を付着 させ る力についても若干 の考察 を行 なった。. 実験材料及び方法 供試菌. 大阪大学医学部微生物病研究所. 三輪谷俊夫教授 よ り供与 された. π),B/r,Bs-1(Jο π,cκ r,π υr)及 び大阪大学医学部近 JB(′ ο Escん erJcん Jα cο ′ んr,Je■ ,α γα,prO,Jac, 藤宗平教授 よ り供与 された E.coJJ ABl157(Ftt ι gα J,ん Js,ェ yJ,π. ノ,α rg,TI,λ. 3,sa+)を. 供試菌 とし,そ の培養 にはNu―. trient broth(ポ リペ プ トン 1%,肉 エ キ ス0.5%,食 塩0。 2%,pH7。 0)を 用 いた 。 担体. 親水性 のメンブ. ン・ フ ィル ター と して. HAと 略 す ),疎 水性 の メ ンブ ラ ン0フ 04700(以 下 FGと 略 す )を 用 いた。 (以 下. Millipore HAWP 04700. ィル ター と して Millipore FGLP. 試料 調製 Nutrient broth中 で定 常期 に な るまで増 殖 させ た 菌体 を無 菌 水 で 3回 洗浄後 ,約 10° /記 の細 胞 懸濁 液 となるよ うに希釈 した。この細 胞 懸濁 液 5祀 を,工 タノー ル で親 水処理 した FGフ ィル ター及 び HAフ ィル ター に 炉過 捕集 し,試 料 と した。 超音 波処理. 無 菌水 10mι を含 むサ ンプ ル管 に試料 を移 し,氷 冷 しなが ら超. 音波発 生装 置 (TA-4201型 ,19。. 5KHz,2A海 上電 機 )で 10秒 ,30秒 , 1分. ,. 5分 問処理 した。終 了後 ,担 体 か ら無 菌水 中 に回収 した生 菌数 を平板培 養 法 に よ り測定 した。 この際 ,超 音 波処理 で死 滅 した 菌数 も対 照 と して同様 に測 定 を行 なった。. 1価 及び 2価 カチ オ ンに よ る処理. 1価 及 び 2価 カチ オ ン と して NaCl,.
(3) ,表. 163. 羊 司 田 ネ. MgC12を 使 用 した。 試料 を 5%,10%,20%(w/w)の NaCl及 び MgC12溶 液 10溜 中 に移 し,氷 浴 中 で 1時 間放 置 した。 その 後 ,vortex mixerで 担体 か ら. 回収 した生 菌 数 を平板培養 法 によ り測定 した。 カオ トロ ビ ック 0ア ニ オ ンに よ る処理. カオ トロ ピ ッ ク 。ア ニ オ ン と して. は KSCN,KI,KN03を 用 い,各 々10記 の lM溶 液 中 に試料 を移 し,氷 浴中 で 1 時 間放 置 した。 その 後 ,vortex m破 erで 担体 から回収 した生 菌 数 を平板培養 法 によ り測定 した。. 実験結果及び考察 Eocο JJ. B,B/r,Bs・ を供 試菌 と して用 い た場 合 ,vortex m破 erに よ るHA. 及 び FGフ ィル ター か らの 菌体 の 回収 率 は非常 に低 く,10%以 下 とな る事実 を既 に見 出 している。. この原 因 と して,菌 体 の フ ィル ター 内 へ の 目詰 ま りの. 可能性 が考 え られ る。 しか し, 日詰 ま りの 起 こ り得 な い ニ ュー ク リアポ ア・ フ ィル ター を使 用 して も菌体 の 回収 率 は10%以 下 となること フ ィル ターの メ ッ シュ を下 げて も回収 率 は 変 わらない. ,HA及. び FG. こ とか ら目詰 ま りの 可. 能性 は考 え られ な い。従 って,回 収 率 を高 め るため には他 の物理的 あ るい は. ︵ S と つ ゝ むΦ>o8 ∝ 0。. 5. 1. 2. 5. Time of treatment(min). Fig。. 1。. Eff(χ t of ultrasonic treatmen t. on the recovery of cells frOm membrane filter.. 1. 2. 3. 4. 5. Timo of treatment(min). Fig.2。 Effect of ultrasonic tratment. jB/r. on the surv市 al of Eocο ′.
(4) 担体 に付着 した微生物 の生理的挙動. 」. “ を用 い る必要 があ り,超 音波処理 の効果 について まず検討 を行 な 化学的手段. った。 得 られた結果 を Fig。 1,Fig。 2に 示 した。この場合,Fig.2か ら明 らか なよ う に,超 音波処理 では細胞壁,細 胞膜破壊 による菌 の死滅 が多 く,生 菌数 とし ての回収率 は最大 2%で あった。 ただ し,供 試菌 として細 菌胞子 を用 い る場 合,超 音波処理 は Brunchら. の結果 を考慮すれば相 当有効 と思 われる。. 次 に検討 したのは 1価 及 び 2価 カチオ ンによる処理 である。一般 に栄養細 胞 の表層 はマ イナ スの荷電 を帯 びてお り,担 体 の付着 に も静電的 な力 が働 い ているとす るなら,イ オ ン強度 を変 えることによ り菌体 の回収率 を高 め るこ とが期待 される。 この場合,塩 濃度 が高 くな り過 ぎると菌体 自体 へ の影響 も 考慮 されねばならない。 そ こで 2価 カチオ ンとしてイオ ン強度 をさらに高め ,. しかも処理 中の溶菌 に対 して保護的 に働 くとされるMg2+に ついても同様 に検. ︵ ヽ も で 、 きΦ>o8 ∝. ︵ S︶0■ ゝむo>o8 α. 5. ° 10. M9° 2C° nCn。 (%(w/v)). Fig.3。 Eff(Et of NaCl on the recovery. of celis from membrane filter.. Fig.4。. Eff(К t. of MgC120n the rcO町. of cells from membrane filtere. 討 した。 そ の 結 果 を Fig.3,Fig.4に 示 した 。 この 結 果 か ら,単 に イオ ン強 度 を変 え るだ け で は 最 高. 2%程 度 の 回収 率 で あ り,こ の 方 法 も有効 で な い こ と. が 明 ら か と な った。 この 原 因 と して は ,両 フ ィ ル ター の 荷 電 度 が限 外 源過 膜 に比 べ て 非 常 に低 く,菌 体 の フ ィ ル ター ヘ の 付 着 に 静電 的 な力 は 余 り関 与 し て い な い こ とが 挙 げ られ る。.
(5) ,夫. 田. I“. ネ 羊 司. 一方 ,FGフ ィル ターの疎水性 のために菌体 とフ ィル ター間 に疎水結合的 な力 が働 き,そ れが菌体 の回収率 の低下 をもた らす可能性 も否定 で きない。 そ こで疎水結合 を低温下 で弱 め る作用 を示す カオ トロピ ック・ アニオ ンによ る処理 を試 みた。一般 にカオ トロピ ック・ アニ オ ンは イオ ン半径 の大 きな陰 イオ ンであ り,こ れ を水 にカロえると疎水性分子 の水溶性 が増カロし,疎 水結合 を弱 め るとされて い る。ただ し,カ オ トロピ ック・ アニ オ ンは膜脂質 の 中 で 比較的疎水結合 が弱 い表在性 の もの を溶 かす ことか ら膜傷害 を引 き起 こす可 能性 もあるが, 死滅 さす まで には至Jら ない。Fig。 5に 得 られた結果 を示 した。. ︵S τ 理 、 き9 o8 ∝. Fig。. KSCN. KN03. KI. 5. Effect of chaotropic anion on the recovery of cells from membrane filter.. カオ トロピ ック・ アニ オ ンの作用力は Hofmeister系 列,す なわち SCN>. I >Cla>NOf>Br TCl ゝ AcO >F>SOf の 順 に弱 くなるが,最 も作用 力の強 い SCN で も回収率 としては 1%以 下 であった。従 って,疎 水結合的 な力のみで FGフ ィルター と菌体間 の強 い付着 は説明 で きない。 また,フ ィルター と菌体 の付着 にはファ ンデ ル・ ワー ルス カの寄与 も考 え られる。 しか し,通 常 この力 は絶対温度 に比例す るため,菌 体 自身 に影響 し ない温度域 では余 り大 きな作用 は期待 で きない と思 われる。 以上 の実験結果 は主 に E. JB/rを 供試菌 とした場合であるが,次 cο ′. J に Ecο ′. ABl157(K-12系 )を 供試菌 として同様 の目的 で検討 を行 なった。1'able. lに その. JB/rで の結果 に比 べ,菌 体 の回収率 は HA及 び FG両 結果 を示 した。Eocο ′ フ ィルター共 に32∼ 35%程 度 であ り,菌 種 による顕著 な差 が認 め られる。 こ.
(6) 166. 担体 に付着 した微生物 の生理的挙動. の結 果 は,Helmstetterら. が HAフ ィル ター に. J・. │:ベ. メッシュの 小 さい GSフ ィ. ル ター を用 い て 得 た結 果 とよ く一 致 して い る。 従 って,E cο ′ JB/rで 認 め ら れた両 フ ィル ターヘ の 強 い付着 は担体 の 親水性 や疎 水性 に関係 な く,主 と し て菌体 の 表層構 造 の相違 によ るもの であ り,こ れ が菌種 間 の 顕著 な回収 率 の 差 とな って表 われた もの と考 え られ る。 Table lo Recovery yield of Eocο. Jj cells. from membrane filtere. Strain Time HA filter FG filter (sec) (%) (%) 22。 7 K-12 10 17。 4 K-12. 30. 23.2. 22.2. K-12. 60. 35.4. 32。. B/r. 60. 1。. 0. 2. 1.0. I.担 体上 での菌体 の増 殖 細 菌胞 子 の 発 芽過 程 も含 め ,担 体 上 での 菌体 の増殖 は担体 の な い場 合 に比 υ べ て異 なるとの結 果 が Hattori ,Hehnstetter 9)ら によ り報 告 されて い る。 し か し,彼 らのf吏 用 した担体 は親 水性 フ イルター及 び陰 イオ ン交換 樹 脂 で あ り,最 も菌 体 の 増 殖 に 影 響 す る と予 想 され る疎 水性 の担体 につ いて は何 ら知 見 が 得 られて い な い。 そ こで,I.で 見 出 した Ecο Jj B/rの 親水性 及 び疎 水性 フ ィ ル ターヘ の強 い付着性 を利 用 し,自 動増殖 記録装 置 (OT― BS-12型 , 大岳 製 作所. 以 下 Bioscannerと 略 す )に よ る親水性 及 び疎 水性 フ ィル ター上 で の 菌. 体増殖 の 比較 ,放 射性 同位 元素 によ る増殖過 程 の解析 を行 な った。 実験材料 及び方法 試料 調製. Iと 同様 で あ る。. 包懸濁 液 B:oscannerに よ る増殖 経過 の解析 Nutrient broth 9 mι と細 月 (約 106/記. )1祀 を Bioscannerの 測定 用 セルの一 方 に入れ,こ れ を対照試料 と. した。 また,Nutrient broth 9配 と無 菌水 1記 の 入 ったセ ル に,菌 体 を付 着 させ た フ ィル ター を入 れて測定 試料 と した 。 ただ し,疎 水性 の FGフ ィル ターの場 合 ,滅 菌 した ス テ ンレス製 ク リップ をフ ィル ター には さみ ,Nutrね nt.
(7) ,表. 田. ネ 羊 司. 167. bro山 中 に沈 めるよ う に して 実 験 を行 なっ た 。 親水性 の HAフ ィル ターの場 合 ,常 に菌体 の付着 して い る方 が brOdlに 接触 す るよ うに してセ ル内 に入 れ た 。 この よ うにす ると,HAフ ィル ター は その 親水性 の ため に,brothが フ ィル ター 内 に拡 散 し,各 試料 の培養 条件 は 同 一 に な ると考 え られ る。 Bbsc―. annerの 操作条件 は37℃. ,培 養 時 間 は12∼ 14時 間 と した。. 放射性 同位 元 素 に よ る増 殖 過程 の解析. 供 試菌 と しては ア ミノプテ リ ン処. 理 によって得 た Ecο JJ B/rの 低 濃度 チ ミン要 求株 (2湾 /mι )を 用 い た。 GS培 地 (脱 イオン水 1〃 当 り,(NH4)2HP° 4 2.5g,KH2P° 41・ 5g, NaC1 5。. MgS°. 4・. 7H2° 溶 液0.5mι. Og, 20%. , グル タ ミン酸 ナ トリウ ム2。 Og, グル コー ス3g,pH. 7.0)で 前培養 後 ,3H_methyl― thymidine l mCiを 含 むGS培 地 10配 に 10%植 菌 し,37℃ で14時 間振 盪培 養 を行 な った。 得 られた 菌体 を無 菌水 で洗 浄及 び希 釈後 ,約 106/mι の細胞 懸濁 液 と し,こ れ よ りlmイ をGSフ ィル ター に,戸 過 捕集 して試料 と した。 この よ うに して調製 した14枚 のフィル ター を Nutrね nt bro― th 10記 の 入 った マ イヤ ー フ ラス コ に移 し,各 々 0分 か ら175分 まで15分 間隔. で振 盪培養 を行 なっ た。終 了後 ,菌 体 を付着 させ た フ ィル ター と,セ ル内 の 培地 全量 を炉過 捕集 した GSフ ィル ターの 両方 を共 に赤外線 ラ ンプ で乾燥 し ,. 液体 シ ンチ レー シ ョ ンカウ ンター によ りその放射 活性 を測定 した。 この結 果 よ り,GSフ ィル ター上 に保持 されて い る菌体 と培地 中 に遊 離 した菌体 の 比 率 を求 め,世 代 交代時間 を算 出 した 。 実験結果及び考察 Ecο JJ B/rの HA及 び FGフ ィル ター上 におけ る増殖経過 につ いて Blosca―. nnerで 得 られた結 果 を Fig。 6,Fig。 7に 示 した。 これ らの結 果 か らフ ィル ター ヘ の 菌体 の付着 の 有無 に関係 な く,菌 濃度 と増殖遅 れ時 間 との 間 には 直線 関 係 が成立 す るこ とが認 め られた。 また,フ ィル ター に付着 させ た菌体 は付着 させ てい な い菌体 よ りも常 に一 定 の増殖遅 れ を示 し,こ の増殖遅 れは HAフ ィル ターの場 合 で 1時 間半程度 ,FGフ ィル ターの場 合 で約 2時 間 であつた。 以 上 の結 果 は メ ッ シュが0。 45μ の HAフ ィル ター か ら0。 22μ のGSフ ィル ター に 変 えて も同様 で あ り,メ ッ シュの 影響 は見 出 せ な か った。 これは数μ (長 径 ).
(8) 」68. 担体 に付着 した微生物 の生理的挙動. o おおEヨZ 望 3o 一. 0 ぉらEョZ 望うo 一. 5. 10. 5. Fig.6。. The relatioship between nunber of cells attachod on a 「 IA filter. and time of growth delay.. Synbols:○ ,broth;`へ ,HA filter. のE.cο ″に対 して,0。. 2μ. 10 Timo of growth delay(hr). Timo of growth delay(hr). Fig.7.. ¶隆 relatioship between ntmber Of cells attached on a F{G filter. and ti:ne of growth delay. Symbols:○ ,broth;zへ ,FG filter. 程度 の メ ッシュの差 はフ ィル ターヘ の菌体 の付着 に. 影響 しなかったため と思 われる。 Ecο ′ JB/rの Nutrient broth中 での世代交代時間 が約30分 であるこ とから ,. Fig。 6及. び Fig。 7で みられた菌体 の増殖遅 れの原因 として次 の 2つ の仮説 が考. えられ る。 (A)フ ィル ターに付着 させた菌体 の世代交代時間 が変化 した結果,増 殖遅. れが生 じる。 (B)フ ィル ターに菌体 を付着 させて もその世代交代時間は変化 しない が 分. 裂後 もフ ィル ター上 に付着 しているために増殖遅 れが生 じる。. (A),(B)の いずれの仮説 が妥当 であ るか を決 め るために,放 射性同位元素 で標識 した菌体 を用 いて検討 を行 なった。 この場合,次 の │)∼ v)の 仮定 を お くと仮説 (A)及 び (B)か ら予想 される結果 は以下 の よ うになる。 仮定 │)菌 体 の年令 が一定 である。. m)培 養中,菌 体 が分裂 によらないでフィルターか ら離 れ ることはない。 m)フ ィル ターヘ の菌体 の付着条件 は一定 である。 lv)仮 説 (B)の 場合 ,. 3回 分裂 した後 にフ ィルターか ら菌体 が 離 れ始 め.
(9) ,表. o 00 ♂. 』 first. second. divis:on. Fig。. 169. 田 ネ 羊 司. 8。. divis:On. third diVislon. CeH division model (hypothesis B).. る (Fige8)。. v)仮 説 (A)の 場 合 ,世 代 交代 時間 が30分 か ら60分 に変 わった とす る. (た. だ し,30分 か ら90分 に変 わった と して も同様 に考 え られ る)。 まず,フ ィル ター上 の 菌体 の放射 活性 が Aで あった とす る。 さらに培養 液 中 の 菌体 の 放射 活性 を CPMs,フ ィル ター上 の 菌体 の放射 活性 を CPMノ とす る。 仮 説 (A)の 場 合 世 代 交代時間 が60分 に変化 して い るため,60分 後 に 1回 目の 分裂 が起こり ,. CPMs=A× %,CPMノ =A× %,従. ってCPMs/CPM「 =1と な る。120分 後. に2回 目の分裂が起 こり,CPMs=A× %十 (A× %)%=%A,CPM/=(A×. %)× %=%A,従. って CPMs/CPM」. F=3と. な る。. 仮 説 (B)の 場 合 90分 後 に 3回 目の 分裂 が起 こって始 めて, 8個 の細 胞 か ら 2個 が培養 液 中 に遊 離 す るよ うに な り,CPMs=A×. %,CFMノ=A× %,従 ってCPMs/CPMノ. =0。 33と な る。120分 後 に 4回 目の 分裂 を し,同 様 にCPMs=A×. %+(A× %)× %=ZA,CPM「 ≪ A× %)× %=%A,従 ってCPMs/CPMガ =0。 77と な る。 以 上 の理 論値 を示 した の がFige9,実 際 の測定値 を示 した の がFig。 10で あ る。 Fig。 9,Fig。 10を 比較 す ると実験結 果 は仮 説 (A)に よって 導 かれた理 論 値 と一致 してお り,フ ィル ター に付着 した 菌体 の世 代 交代時 間 が変化 したた めに増殖遅 れ が生 じたことを示 唆 している。一 方 ,Hattoriら. が陰 イオ ン交換. Jの 増殖 につ い て検討 した結 果 では ,世 代 交代時間 樹 脂上 に付着 させ た E.cο ′. が担体 の な い場 合 に比 べ逆 に短 くなって い る。 この相違 は担体 の種 類 ,特 に 担体 の 荷電 の 有無 や培養条件 ,あ るい は 菌株 な どが異 なって いたため と思 わ れ る。 い ず れ にせ よ,今 回 の 回 分培 養 で得 られた結 果 を確 立 す るには連 続培.
(10) 』7θ. 担体 に付着 した微生物 の生理的挙動. 0. 1. 90. 120. 150. 180. Time(min). Time course of the ratio of CPMs/cPM′ introhed by both. Fig.9。. hypotheses.. Symbols:○ ,hypothesis A;● ,hypOthesis B. 、ΣLO\〓L0 . ■■■■■ ・・. ・ て:'日. ■■■■■口 ・・. 「. ・・・・・ (E〉. 日■■口 ・・ ・ (:〉 ・ ・・・・. 「 ロ く〔〕・ ト. そ:'日 lq・ : :. : │ :. 100. 140. 丁 ime(min). Fig.10。. Time course of the ratio of CPMs/CPMノ Obtained by isotope experi】 nente. 2,9). 養法. で同様 の 実験 を行 な うこ と が必要 で あ ろ う。. Ⅲ .担 体上 での菌体 の乾燥 死減 一 般 に菌体 の 乾燥 につ い て検 討 す る場 合 ,エ ア ロ ゾル法 によ るの が最適 と されて い る。 しか し実際 に菌体 を乾燥処理 す る際 ,菌 体 は何 らかの担体 に付 着 して い ることが 多 く,乾 燥 に及 ぼす 担体 の 影響 を無視 す るこ とは出 来 ない。 特 に疎 水性 担体 の 影響 につ い ては何 ら報告 もな く,全 く不明 な現状 で あ る。.
(11) ノ7′. 田 ネ 羊 司 '表. また,減 圧 下 で乾燥 を行 な うと菌体凍結 の可能性 もあ り,こ の場合 には担体 に含 まれる水分 の影響 についての知見 が必要 となって くる。 ここでは以上 の 点 に注 目 し,減 圧乾燥 における親水性及 び疎水性担体 の影響 について検討 を 行 なった。 実験材料及び方法 供試菌及び試料調製. I, Iと 同様 である。. 各試料 をペ トリ皿 (直 径 7 cm)に 移 した後,RHO%を 与 えるデ シ. 減圧乾燥. ケー ター (シ リカゲ ル と五酸化 リンを含 む)及 び RH85%を 与 え るデシケー タ ー内 に入れ,一 定時間減圧乾燥 を行 なった。終 了後 ,試 料 を無菌水10記 の入 つた試験管 に移 し, 1時 間氷冷 した後,vortex m破 erに より菌体 をフ ィル タ ーか ら回収 しその生菌数 を測定 した。 実験結果及び考察 Ecο ′ J ABl157を 供試菌 と して RHO%で 得 た結果 をFig.11,RH85%で 得. た結果 をFig.12に 示 した。 また,Fige1 3に は凍結乾燥法 で同様 の実験 を行 な 10°. CO〓Od﹂一 OC一 >一 >﹄コ∽. CO〓0“﹄一 OC一 >一 >﹄5∽. O. 1. 2. 3 丁 ime. Time of drying(hr). Figel l.Surv市 al curves of E.cο ′ JK-12. dried at RH O%. SymbOls:o,dried On a HA filter;△ dried On a FG filter. of drying(hr). Fig.12. Survival cwes of E.cο ′ J. K-12. dried at RH 85%. ,. Symbols:○ ,dried on a HA filter;z生 ,dried on a FG filter. って得 た結 果 を示 した 。減圧 乾燥 した場 合 にみ られ る傾 向 と して,HA及 び. FGフ ィル ター に付着 させ た 菌体 はRH85%下 で乾 燥 す ると一 次 反応 的 に死滅 す るの に対 し,RHO%下 では主 に死滅 は乾燥初 期 に起 こ り,以 後 ゆ るや か に.
(12) 担体 に付着 した微生物 の生理的挙動. 172. >I ョ∽ 8 t cと 2 一. Fig.13。. Effect of freeze― dlvitt on the jK-12. sur宙 val of E・ cο ′. Symbols:○ , freeze― dried on a HA filter;`△ , freeze― dried On a FG filter Timo of froo20-drying(hr). 進 行 す る点 が挙 げ られ る。 この傾 向 は HAフ ィル ター よ りも FGフ ィル ター で の 方 が顕著 で あ り,凍 結 乾燥 した際 にみ られ る両 フ ィル ターでの 挙動 (Fig。. 13)と 類似 して い る。 この原因 と して,FGフ ィル ターはHAフ ィル ター に比 べ て フ ィ ル ター 自体 に 含 ま れ る水 分 が無 視 し うる程度 で あ り,減 圧 (約 1∼. 2mmHg)に す ると菌体 のみ が急速 に乾燥 されて安定残 水度 に到達 す るため か. ,. あ るい は FGフ ィル ター では HAフ ィル ター に比 べ て フ ィル ター 中 に含 まれ る水分 が非常 に少 な く,減 圧 下 で凍結 しに くい ため とも考 え られ る。 一 方 ,エ アロゾル法 で得 た Coxら. Dの. 結 果 から推定 すると次 のようにも考 えら. れ る。即 ち,一 般 に菌体 が死滅 しやす いの は 自由水 が菌体 の膜 を通 して 出 入 りして い る状 態 で あ り,こ れは 中間 RH下 で の 乾燥 に相 当 す る。 従 って HA フ ィル ター上 で 菌体 を減圧 乾燥 す ると,フ ィル ター に 多 く含 まれ る低 い蒸気 圧 の付着 水 が乾燥 中 の 死滅 を支配 す るよ うに な るため か も しれ な い。 い ず れ にせ よ,乾 燥 に及 ぼす担 体 の 影響 は脱水速 度 の差 ,あ るいは残 存 水分量 の差 と して効 い て い るこ とは間違 い な い と思 われ る。. 要. 約. 親水性及 び疎水性 フ ィル ターに付着 させた微生物 の生理的挙動 について検. JB/rで 認 めた両 フ ィルターヘ の強 い付着 は菌体 の 討 した。 その結果,Ecο ′ 表層構造 に起因す るこ と,両 フ ィル ター上では菌体濃度 と増殖遅 れ時間 との 間 に直線関係 が成立 し,フ ィルターに付着 した菌体 は常 に一定 の増殖遅 れ を.
(13) 173. 浅 田 祥 司 生 じる こ と を見 出 した。 さらに R. H85%下 で減圧 乾燥 す ると両 フ ィル ター に. 付着 した 菌体 は一 次 反応 的 に死滅 す るの に対 し,RHO%下. では主 に乾燥初. 期 に死滅 が起 こ り,以 後 ゆ るや か に進 行 す る傾 向 を認 めた 。. 辞. 謝. 本 研究 を行 を うに際 して御指 導頂 いた 大阪 大学工学部. 芝崎. 勲教授 ,高. 野光男助 教授 ,御 協 力頂 いた 大場 敏行氏 に深 く感謝 します。. 献. 文. 1)HattorLR.,Furusawa,C。 :J.Gen.Applo Microbbl。 ,i8,271(1972)。 2)HattorL R。 ,Furusawa,C.:J.Gen.AppL Microbbl,18,285(1972)。. 3)Mhato,H。 ,Sato,T。 :J.Gen.AppL MicrobbL,22,259(1976)。 4)Fletcher,M. :J.Geno Appl Microbbl,94.406(1976). 5)Angeroti,R。 ,MaryanskL Jo H。 ,Cambell,J.E.:AppL MicrobioL,i6, 735(1968)。. 6)Hehnstetter,Co E。 ,Cooper,S。 :Jo MoL BbL,37,508(1968).. 7)浅 田. :修 士論文(1975).. 8)Brunch,M.K。 ,Smith,Fo w.:AppL MicrobbL,!6,1814(1968). 9)HeLnstetter,Co E.:Jo MoL Bbl,24,417(1967). 10)Cox,Co S. :AppL Environo Mた. robbl。. , 31,836(1976)..
(14)
関連したドキュメント
高校生の英語力到達目標は、CEFR A2レベルの割合を全国で50%にするこ とである。これに対して、2018年でCEFR
がんを体験した人が、京都で共に息し、意 気を持ち、粋(庶民の生活から生まれた美
しかしながら、世の中には相当情報がはんらんしておりまして、中には怪しいような情 報もあります。先ほど芳住先生からお話があったのは
は,医師による生命に対する犯罪が問題である。医師の職責から派生する このような関係は,それ自体としては
それに対して現行民法では︑要素の錯誤が発生した場合には錯誤による無効を承認している︒ここでいう要素の錯
右の実方説では︑相互拘束と共同認識がカルテルの実態上の問題として区別されているのであるが︑相互拘束によ
自分ではおかしいと思って も、「自分の体は汚れてい るのではないか」「ひどい ことを周りの人にしたので
通関業者全体の「窓口相談」に対する評価については、 「①相談までの待ち時間」を除く