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Gefitinib(イレッサ (R),ZD1839)は胆管癌細胞に対しp27KiP1蛋白を安定化し放射線感受性を増強する

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Academic year: 2021

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全文

(1)

Gefitinib(イレッサ (R),ZD1839)は胆管癌細胞に対

しp27KiP1蛋白を安定化し放射線感受性を増強する

著者

藪内 伸一

2362

発行年

2006

URL

http://hdl.handle.net/10097/22978

(2)

氏名(本籍)

学位の種類

学位記番号

学位授与年月日

学位授与の条件

研究科専攻

学位論文題目

ん申 しイ

悔内

鰓薮

いち

一(宮城県)

十(医学)

医博第2362号

平成18年3月24日

学位規則第4条第1項該当

東北大学大学院医学系研究科

(博士課程)医科学専攻

Gefitinib(IRESSA⑪,ZD1839)stabilized

P27KIPIan〔ienhancedra(iiosensitivityin

cholangiocarcinomacells.

(Gefitinib(イレッサ⑪,ZD1839)は胆管癌細

胞に対しp27KiP1蛋白を安定化し放射線感受性を

増強する)

論文審査委員

(主査)

教授海野倫明

教授貫和敏博

教授中山啓子

一……ーー;・,蓋

一417一

(3)

論文内容要旨

背景目的

胆管癌症例は予後不良である。本教室では積極的な手術加療を行っているが,切除不能胆管癌 症例に対しては腔内照射(RALS)や化学療法を併用した集学的治療の有用性を報告し,さらに 予後を改善させるべく新たな治療法を探求している。 近年,上皮増殖因子受容体(EGFR)阻害剤Gefitillib(lressa⑭,ZD1839)による分子標的 治療が注目されている。その効果としてp27蛋白の増強が知られるが,その機序は明らかでな い。またgefitillibの効果は,EGFRの変異と関連しているとの報告があるが,胆管癌で検討さ れた事例はない。今回私は,胆管癌の新たな治療戦略としてgefitillibのp27発現とその機序, 細胞周期や放射線併用効果を検討した。

方法

胆管癌細胞株TFK-1とHuCCT1を用いて,EGFR遺伝子変異とgefith/ibの抗腫瘍効果を比 較検討した。Gefitinibの細胞増殖に与える影響をgrowthinhibitio且assayにて評価した。細 胞周期およびアポトーシスについて,フローサイトメトリー,TUNEL法で証明した。Gefitinib 投与後のp27蛋白の発現を蛍光免疫染色,ウエスタンプロット法で確認した。p27と関連のあ るJab1蛋白に注目し,gefitinib投与とp27,Jab1蛋白の関連性についてウエスタンプロット 法で定量し,RNAレベルでの検討を行った。さらに,gefitinibと放射線照射の併用効果を, MTSassayで検討しIsobologramで相互作用を解析した。放射線併用時の細胞死におけるア ポトーシスの増強をTUNEL法で検討した。

結果

1:EGFR発現とgefitinib感受性 TFK-1およびHuCCTl細胞株でEGFRの発現を確認した。Gefitinib投与で,時間・容量依 存的に細胞増殖抑制を認めた。EGFRの変異とgefitinibに対する感受性の関連が注目されてい る。TFK-1およびHuCCT1において,EGFRのチロシンキナーゼ領域の変異は認めなかった。 それぞれEGFR変異のある肺癌細胞株に比べ低感受性で,IC50値は28∼31μMと大きな差を 認めず,胆管癌細胞株におけるEGFR変異とgefitinib感受性の関連については検討できなかっ た。 2:細胞周期,アポトーシス,p27蛋白 Gefitinib投与で容量依存的にGlarrest,アポトーシスが誘導された。Gefitinib投与後の蛍

一418一 齢 臨

(4)

光免疫染色で細胞核を中心にp27蛋白が増加することを示した。これを定量するために g・efitlnib投与後のp27蛋白の発現をウエスタンプロット法で解析した。Gefitinlb投与により p27は時間依存的に増加し,Cycloheximide添加下の検討で,p27蛋白の分解が抑制され安定化 していると考えられた。 3:p27とJabl p27蛋白と関連のあるJab1蛋白に着目した。Jab1はp27の細胞核外への輸送,分解に関連 する蛋白であることが知られている。Gefltinib投与後のp27,Jab1のmRNAは変動しなかっ た。Gefith/ib投与によりp27蛋白が時間・容量依存的に増加するのに相対して,,∫ab1は減少 した。Gef肋1ib投与後のp27蛋白増加に,Jab1蛋白低下に伴うp27蛋白の安定化が影響する と考えた。 4:ZD1839と放射線療法 Gefitinibと放射線併用療法の検討を行った。Gefitinib単独IC50値は9.3μMであった。放 射線併用後のIC50値は2Gy,4Gy,8Gyで,それぞれ6.4μM,2.0μM,0.015μMであった。 この結果をIsobologramで解析したところ,gefithlib投与と放射線療法は相乗効果を認めた。 放射線療法とgefitinib併用によるアポトーシス増強は明らかではなかった。

結語

胆管癌細胞株で,gefitinibはGIarrest,アポトーシスを誘導する。p27蛋白を時間・容量 依存的に増強して安定化させる。Jabl蛋白は時間・容量依存的に減少し,p27・Jab1それぞれ mRNAレベルには影響しない。gefitinibは放射線増強効果を認め,胆管癌症例における臨床応 用の可能性が示唆された。 一 『 H 一419 .『藍

(5)

審査結果の要旨

胆管癌症例は手術加療が第一選択であるが,根治切除に至らない症例も多く予後不良である。 近年,上皮増殖因子受容体(EGFR)阻害剤Gefitinib(lressa⑭,ZD1839)による分子標的治 療が注目されている。その効果としてp27蛋白の増強が知られるが,その機序は明らかではな い。またGefitinibの効果とEGFR遺伝子変異が関連するとの報告があるが,胆管癌での報告 はない。この研究は,胆管癌の新たな治療戦略としてGefitinibのp27発現とその機序,細胞周 期や放射線併用効果を検討したものである。 EGFRを発現している胆管癌細胞株TFK-!とHuCCT1を用いたが,いずれもチロシンキナー ゼ領域の変異は認めなかった。Gefitinib投与によりTFK-1およびHuCCT1は時間・容量依存 的に細胞増殖が抑制された。それぞれIC50値は28∼31μMで,EGFR変異のある肺癌細胞株 に比べ低感受性といえた。また,Gefitinib投与で容量依存的にGlarrestとアポトーシスが誘 導された。Gefi七inib投与後の蛍光免疫染色で細胞核を中心に濃度依存性にp27蛋白が増加する ことを示し,ウェスタンプロット法で時間依存的に増加することを証明した。Cycloheximide 添加下の検討で,p27蛋白の分解が抑制され安定化している事を明らかにした。この安定化機構 として,p27蛋白と関連のあるJab1蛋白に注目した。Jab1はp27の細胞核外への輸送・分解 に関連する蛋白である。Real-timePCRにより,Gefitinib投与後のp27,Jab1のmRNAは変 動しないことを証明した。Gefitinib投与によりp27蛋白が時間・容量依存的に増加するが, Jab1蛋白は減少する新たな知見を得た。さらに,Gefitinibと放射線照射の併用効果を検討した。 MTSassayで,Gefitinib単独工C50値は9、3μMであり,放射線併用後のIC50値は2Gy、4Gy, 8Gyで,それぞれ6.4μM,2,0μM,0.015μMであった。放射線相互作用をIsobologramで解 析して相乗効果を証明した。放射線併用時の細胞死におけるアポトーシスの増強をTUNEL法 で検討したが,アポトーシス増強は明らかではなかった。 この研究は,Gefitillibはp27蛋白を時間・容量依存的に増強して安定化し,Jab1蛋白は時 間・容量依存的に減少することを示し,それぞれRNAレベルには影響しないことを証明した。 Gefitillib投与後のp27蛋白増加に,Jabl蛋白低下に伴うp27蛋白の安定化が影響する可能性 を検討し,胆管癌症例における臨床応用の可能性を示した。 よって,本論文は博士(医学)の学位論文として充分に学位に値し合格と認めるものである。 一420一 患い、 罫一・ 辱一一 1毒一 一都一

参照

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