サービス開発初期段階で使用する簡易ペルソナ手法の提案
○吉井 誠(
(株)アイ・エス・ティ)
山岡 俊樹(和歌山大学)
The Proposal of Easy Persona Method in the Initial Step of Products and Service Design Makoto YOSHII (IST Co. Ltd.)
Toshiki YAMAOKA(Wakayama University)
1.はじめに
製品やサービスを開発するため、ユーザ要求事 項を抽出する方法として、ペルソナ手法が用いら れている。様々なペルソナ手法の応用も提案され ており、今後ますます期待されている。 ペルソナ手法は利用者像を明確に想定すること を必要としている。製品やサービスの開発におい て、初期の段階で利用者像を明確にすることが必 要であるが、ペルソナ手法を理解していないメン バーがいた場合、導入の障壁となるケースが多く みられる。その理由として、利用者像を特定する ことに慣れていないことや最初から利用者像を作 り上げることに抵抗を感じる場合などがある。 そこでペルソナ手法に慣れないメンバーがいる 場合でも、製品やサービス開発の初期段階におい て簡単にペルソナ手法を利用する簡易ペルソナ手 法を提案する。簡易ペルソナ手法は、より簡単に ペルソナ手法の効果を得られるように、容易な導 入を目指すものである。本報告では簡易ペルソナ 手法の手順などを提案し、簡易ペルソナ手法を 使った事例を紹介するものである。2.簡易ペルソナ手法の手順
簡易ペルソナ手法の手順を図1に示す。 2.1 サンプルペルソナ作成 事前準備として、簡易ペルソナ手法で必要とな るサンプルペルソナを用意する。テーマとなる製 品やサービス開発行う対象の利用者条件を抽出す る。利用者条件は基本情報を抽出し、サンプルペ ルソナを決定するための条件とする。サンプルペ ルソナの基本情報は、条件に幅を持たせることも 可能である。 サンプルペルソナ作成準備の段階で用意された 基本条件に従って、サンプルペルソナを作成する。 サンプルペルソナは条件に一致するペルソナを データベースから抽出することも可能である。サ ンプルペルソナは、チームでペルソナ手法を実施 図1 簡易ペルソナ手法の手順 する際に作成するペルソナの土台となる。サンプ ルペルソナは複数用意しておき、チームでミー ティングを行う際は、サンプルペルソナの選択か ら始められるように準備する。 2.2 ペルソナ作成 チームでミーティングを行う際、事前に作成し たサンプルペルソナからペルソナを選択する。サ ンプルペルソナは3~10人程度用意しておき、利 用者像のイメージに近い順にサンプルペルソナを 選択する。 選択したサンプルペルソナに、理想的な利用者 像に近づけるため、サンプルペルソナの情報に追 記、修正、削除などの編集を行う。全ての項目で 編集を行うことができるように配慮する。 2.3 シナリオ作成 作成したペルソナに対して、アクティビティシナ リオ、インタラクションシナリオの作成を行い、 通常のペルソナ手法として実施する。また、必要 に応じてペルソナへフィードバックする。またで きたペルソナはサンプルペルソナデータベースへ 登録する。 次にシナリオを作成する。製品・サービスの開 発段階でも、ペルソナの修正が必要になった場合 は編集を随時行い、より精度の高いペルソナを作図2 簡易ペルソナ手法の実践評価の様子 成する。編集後のペルソナに関する評価を記録し、 メンバーの評価を共有する。出来たペルソナ、シ ナリオに基づきアクションプランを作成し、開発 を開始する。