総合観光学会誌『総合観光研究』第 19 号 2021 年 3 月 Japanese Journal of Tourism Studies,No.19 March 2021
小山市におけるモニターツアーの実践と大学生による観光資源の評価
Evaluating Local Tourism Resources by College Students through Monitor Tour
in Oyama City
鈴木富之* Tomiyuki SUZUKI
キーワード(keywords):
モニターツアー(Monitor Tour)、観光資源(Tourism Resources)、本場結城紬(Honba Yukitsumugi)、
渡良瀬遊水地(Watarase Yusuichi)、栃木県小山市(Oyama City, Tochigi Prefecture)
1.はじめに 1) 研究の背景と目的 2000 年代後半以降に人口減少社会を迎えた日 本では、少子高齢化や大都市への人口流出、産業 空洞化の進展などさまざまな要因により、地方で は地域維持が困難になると予測されている 1)(三 浦2012,2017;増田編 2014;増田・河合 2015; 増田・冨山2015;NHK スペシャル取材班 2017; 河合2017,2018)。こうした状況下、観光客をは じめとする交流人口や移住者に注目した地域振 興の取り組みがなされている。それを実現するた めには、地域資源を有効活用し、地域の魅力を発 信していくことが必要不可欠である。こうした地 域資源の発掘や再評価、PR の手段の1つとして、 モニターツアー2)が注目を集めている(伊藤・川 原2015)。 1997 年に初版が出版された『観光学辞典』(同 文舘出版)において、モニターツアー(Monitor Tour)は、「事業者である主催旅行業者の依頼に より、旅行の内容及び品質に関する事項について 評価し、感想をまとめて報告する人(モニター、 商品監視員)が参加して実施する主催旅行」(恩 田 2008)と定義されている。恩田(2008)の定 義では、おもに「旅行業者」の「主催旅行」とし ての性格が強調されており、その目的として旅行 者の嗜好を旅行商品に反映させることや観光地 域における旅行者の受入態勢を改善させること があげられている。しかしながら、2000 年代以 降になると、モニターツアーの主催者は旅行業者 に加え自治体や観光協会など多岐にわたってお り(伊藤・川原2015)、大学が地域(自治体や商 工会、自治会、ボランティアガイドなど)と連携 して大学生を対象としたモニターツアーの成果 も蓄積されている(本田・岩橋2015;岩動 2017)。 2010 年代以降、大学生などの若者のなかには、 ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS) による情報収集能力や発信力を備え(福井2018)、 体験や交流を目的とした観光形態に対する寛容 性を持っている者も存在する。若者による観光資 源への評価を集約できるモニターツアーは、地方 における観光資源の維持や観光振興の発展にお いて重要な示唆を与えることができるだろう。 2010 年代以降、栃木県小山市では地域資源を 活かした新しい観光振興がみられている(鈴木 2018)。2010 年 11 月には結城紬がユネスコの無 形文化遺産に登録されたことにより、2016 年 5 月に小山駅前におやま本場結城紬クラフト館(以 下、「クラフト館」とする)が開館し、本場結城 紬を活用した産業観光が台頭するようになった。 また、2012 年には渡良瀬遊水地がラムサール条 約湿地に登録されたことに伴い、2014 年度から ヤナギ・セイタカアワダチソウ除去作戦などのイ *宇都宮大学 研究ノート
ベントが実施されたり、2017 年 12 月に小山市渡 良瀬遊水地エコツーリズムガイド協会が発足し たりするなど、渡良瀬遊水地第2調節池を対象と したエコツーリズムによる観光振興も行われて いる。さらに、2016 年にプロ野球独立リーグの 「栃木ゴールデンブレーブス」が発足し、2017 年にはその練習拠点となる小山ベースボールビ レッジ(以下、「ベースボールビレッジ」とする) が整備されるなど、スポーツツーリズムによる地 域活性化が図られている。 このように、小山市では積極的に地域活性化や 観光振興が行われており、同市を対象としたモニ ターツアーを実施することにより、地方都市にお けるモニターツアーの意義や限界を示すことが できるだろう。 以上を踏まえて、本稿の目的は、地方都市の1 つである小山市を対象として、大学生が参加する モニターツアーの実践事例を紹介し、参加者によ る観光資源の評価に関する諸特徴を明らかにし た上で、観光振興の可能性を考察することである。 2.小山市の観光資源を対象としたモニターツア ーの実践 筆者は、渡良瀬遊水地およびその周辺地域にお ける観光振興に向けた調査研究事業である「平成 30 年度小山市渡良瀬遊水地地域デザイン作成に 関する研究業務委託」の一環として、小山市総合 政策課の協力のもと、小山市の観光資源を題材と したモニターツアーの実施を提案した。これを受 けて、同課の職員は地域活性化や観光振興が積極 的に行われている観光資源を選定し、モニターツ アーのコースを設定した。 実施日は2018 年 12 月1日と2日の2日間(日 帰り)であり、参加者は筆者が 2018 年度に担当 した宇都宮大学地域デザイン科学部コミュニテ ィデザイン学科の専門科目「観光学実習」の受講 生(17 名)した。両日とも参加した学生は 15 名、 1日目のみ参加した学生が1名、2日のみ参加し た学生が1名であった。なお、両日とも参加した 学生のうち、1名は所要によりベースボールビレ ッジの見学を欠席したため、ベースボールビレッ ジの回答数は15 となっている。 参加者はいずれも3年生で、女子が9名、男子 が8名であった。参加者の出身地は小山市が1名、 小山市を除く栃木県が2名、栃木県以外の関東地 方が7名、東北地方が6名、中部地方が1名を占 めていた。また、参加者の小山市への来訪経験を みると、「小山市出身・在住」が1名、「来訪経験 あり」が10 名、「来訪経験なし」が6名であった。 「来訪経験あり」と回答した10 名の来訪目的は、 「鉄道路線の乗り換え」が3名、「部活動の大会 等」が2名、「待ち合わせ」「送迎」「授業」「買物」 がそれぞれ1名であり、観光目的で訪問した学生 は「イチゴ狩り、夏祭り、授業」と回答した1名 のみであった。なお、「小山市出身・在住」の学 生については、道の駅思川を除くと、今回のモニ ターツアーのコースに含まれている観光資源を 訪問した経験がない。 1) モニターツアー1日目 1日目の訪問地は、①クラフト館→②農村レス トラン J→③ベースボールビレッジである。移動 手段として、大学のスクールバスを使用した。 ①クラフト館は JR 小山駅西口のロブレビル1 階にあり、本場結城紬の情報発信拠点としての機 能を有している。ここでは、本場結城紬の歴史と 作業工程に関する映像の視聴、地機織りと糸つむ ぎの実演見学、クラフト館のスタッフによる解説 などが行われた。また、着物の試着体験や糸つむ ぎ体験、繭玉を使用したクラフト体験などを行う 学生もみられた。その後、参加者は②農村レスト ランJ に移動し、自家製野菜を使用した「旬の野 菜ランチ」(税込1,850 円)を食べた。 最後に、旧梁小学校の閉校跡地を活用し、栃木 ゴールデンブレーブス(株式会社栃木県民球団) の練習拠点となっている③ベースボールビレッ ジを訪問した。ここでは、球団統括本部長から、 運営母体である株式会社エイジェックの事業紹 介や閉校利用によるベースボールビレッジ設立 の経緯、読売ジャイアンツから移籍した村田修一 選手の入団(2018 年引退)による波及効果など について説明がなされた。その後、体育館を再利 用した全面人工芝の室内練習場、校舎を活用した トレーニング施設・ラウンジ室・トレーナー室、 プールの跡地を活用したナマズとホンモロコの 養殖池などを視察した。 2) モニターツアー2日目 2日目は、①渡良瀬遊水地第2調節池で実施さ れた第 23 回ヤナギ・セイタカアワダチソウ除去 作戦(以下、「ヤナギ・セイタカアワダチソウ除 去作戦」)への参加→②小山市渡良瀬遊水地エコ ツーリズムガイド協会による渡良瀬遊水地と水 塚・揚船の解説・見学→③ナマズ料理店S→④道 の駅思川の順でツアーを実施した。主な移動手段 は大学のスクールバスである。 ①ヤナギ・セイタカアワダチソウ除去作戦は、 湿地環境や湿地植物の保全を目的として、2014 年度から小山市や野木町などによって渡良瀬遊 水地第2調節池内で年4~5回開催されている3)。 参加者は運営スタッフから作業用の軍手とゴミ 袋を受け取り、ヤナギとセイタカアワダチソウの 特徴と除去方法の説明4)を受けた後、それぞれこ れらの除去作業を行った。 つぎに、参加者は、②渡良瀬遊水地第2調節池 の堤防上(生井桜づつみ)に上がり、小山市渡良 瀬遊水地エコツーリズムガイド協会のガイドス タッフによる渡良瀬遊水地の歴史、流入する河川 の特徴、設備と排水方法などについての解説を受 け、双眼鏡を用いて山地や越流堤、飛来する鳥、 スカイダイビングの様子などを観察した。そこか らバスで周辺部の農村集落に移動した後、この地 域の水害対策を学ぶために、地元住民が所有する 水塚の上に建てられた蔵と、農機具小屋の天井に 保管された揚舟を観察し、ガイドスタッフからこ れらについて解説を受けた。終了後、バスで③ナ マズ料理店Sに向かい、ここで蕎麦と郷土料理の 天ぷら(渡良瀬遊水地の天然ナマズを使用した白 身の天ぷら、2013 年から休耕田を再利用した養 殖場で採取されているホンモロコの天ぷら、「た たきだんご」と呼ばれるナマズの白身・骨と味噌 などを混ぜ合わせたつみれ揚げなど)(税込1,200 円)を食べた。 最後に、④道の駅思川を訪問し、自由行動とし た。ここには、地元の農産物やそれを使用した加 工品、総菜などが販売されており、いちごを使用 した洋菓子販売店、ハトムギを使用したジェラー ト販売店などが入居している。ジェラートや野菜 などを購入する学生がみられた。 3.モニターツアーに参加した大学生による観光 資源の評価 本章では、モニターツアーで訪問した8つの観 光資源(クラフト館、農村レストランJ、ベース ボールビレッジ、ヤナギ・セイタカアワダチソウ 除去作戦、渡良瀬遊水地、揚舟と水塚、ナマズ料 理店S、道の駅思川)を対象として、参加者への アンケート調査をもとにそれぞれの満足度と再 来訪の意思について分析し、それぞれの観光資源 の評価を明らかにする。 観光資源の満足度については、各観光資源を 「満足(5点)」「やや満足(4点)」「どちらとも いえない(3点)」「やや不満(2点)」「不満(1 点)」の5段階で評価してもらい、その合計点を 回答人数で割ったものを「満足度の平均評価」と した(表1)。一方、各観光資源への再来訪の意 思については、「ぜひまた訪れたい(5点)」「機 会があったらまた訪れたい(4点)」「どちらとも いえない(3点)」「あまり訪れたいとは思わない (2点)」「訪れたくない(1点)」の5段階で評 価してもらい、その合計点を回答人数で除したも のを「再来訪の意思の平均評価」とした(表2)。 同時に、再来訪したい理由と再来訪したくない理 由を自由回答欄で尋ねた。 1) おやま本場結城紬クラフト館の評価 クラフト館の満足度の平均評価は、3.9 と全体 で4番目に高い割合を示していた。「満足」が 18.8%、「やや満足」が 62.5%を占め、これら2つ の肯定的な評価が81.3%を占めていた。 再来訪の意思の平均評価は3.3 である。「ぜひま た訪れたい」と「機会があったらまた訪れたい」 が合わせて半数を占めていた。一方で、「どちら ともいえない」と「あまり訪れたいと思わない」 も50%に達するなど、学生による評価が大きく分 かれた。 再来訪に積極的な意見については、「結城紬に 関する体験講座で受講したいものがあったら、や ってみたいと思ったから」「小山駅から近く、体 験も色々できるから」「色々体験できて楽しかっ
ベントが実施されたり、2017 年 12 月に小山市渡 良瀬遊水地エコツーリズムガイド協会が発足し たりするなど、渡良瀬遊水地第2調節池を対象と したエコツーリズムによる観光振興も行われて いる。さらに、2016 年にプロ野球独立リーグの 「栃木ゴールデンブレーブス」が発足し、2017 年にはその練習拠点となる小山ベースボールビ レッジ(以下、「ベースボールビレッジ」とする) が整備されるなど、スポーツツーリズムによる地 域活性化が図られている。 このように、小山市では積極的に地域活性化や 観光振興が行われており、同市を対象としたモニ ターツアーを実施することにより、地方都市にお けるモニターツアーの意義や限界を示すことが できるだろう。 以上を踏まえて、本稿の目的は、地方都市の1 つである小山市を対象として、大学生が参加する モニターツアーの実践事例を紹介し、参加者によ る観光資源の評価に関する諸特徴を明らかにし た上で、観光振興の可能性を考察することである。 2.小山市の観光資源を対象としたモニターツア ーの実践 筆者は、渡良瀬遊水地およびその周辺地域にお ける観光振興に向けた調査研究事業である「平成 30 年度小山市渡良瀬遊水地地域デザイン作成に 関する研究業務委託」の一環として、小山市総合 政策課の協力のもと、小山市の観光資源を題材と したモニターツアーの実施を提案した。これを受 けて、同課の職員は地域活性化や観光振興が積極 的に行われている観光資源を選定し、モニターツ アーのコースを設定した。 実施日は2018 年 12 月1日と2日の2日間(日 帰り)であり、参加者は筆者が2018 年度に担当 した宇都宮大学地域デザイン科学部コミュニテ ィデザイン学科の専門科目「観光学実習」の受講 生(17 名)した。両日とも参加した学生は 15 名、 1日目のみ参加した学生が1名、2日のみ参加し た学生が1名であった。なお、両日とも参加した 学生のうち、1名は所要によりベースボールビレ ッジの見学を欠席したため、ベースボールビレッ ジの回答数は15 となっている。 参加者はいずれも3年生で、女子が9名、男子 が8名であった。参加者の出身地は小山市が1名、 小山市を除く栃木県が2名、栃木県以外の関東地 方が7名、東北地方が6名、中部地方が1名を占 めていた。また、参加者の小山市への来訪経験を みると、「小山市出身・在住」が1名、「来訪経験 あり」が10 名、「来訪経験なし」が6名であった。 「来訪経験あり」と回答した10 名の来訪目的は、 「鉄道路線の乗り換え」が3名、「部活動の大会 等」が2名、「待ち合わせ」「送迎」「授業」「買物」 がそれぞれ1名であり、観光目的で訪問した学生 は「イチゴ狩り、夏祭り、授業」と回答した1名 のみであった。なお、「小山市出身・在住」の学 生については、道の駅思川を除くと、今回のモニ ターツアーのコースに含まれている観光資源を 訪問した経験がない。 1) モニターツアー1日目 1日目の訪問地は、①クラフト館→②農村レス トラン J→③ベースボールビレッジである。移動 手段として、大学のスクールバスを使用した。 ①クラフト館は JR 小山駅西口のロブレビル1 階にあり、本場結城紬の情報発信拠点としての機 能を有している。ここでは、本場結城紬の歴史と 作業工程に関する映像の視聴、地機織りと糸つむ ぎの実演見学、クラフト館のスタッフによる解説 などが行われた。また、着物の試着体験や糸つむ ぎ体験、繭玉を使用したクラフト体験などを行う 学生もみられた。その後、参加者は②農村レスト ランJ に移動し、自家製野菜を使用した「旬の野 菜ランチ」(税込1,850 円)を食べた。 最後に、旧梁小学校の閉校跡地を活用し、栃木 ゴールデンブレーブス(株式会社栃木県民球団) の練習拠点となっている③ベースボールビレッ ジを訪問した。ここでは、球団統括本部長から、 運営母体である株式会社エイジェックの事業紹 介や閉校利用によるベースボールビレッジ設立 の経緯、読売ジャイアンツから移籍した村田修一 選手の入団(2018 年引退)による波及効果など について説明がなされた。その後、体育館を再利 用した全面人工芝の室内練習場、校舎を活用した トレーニング施設・ラウンジ室・トレーナー室、 プールの跡地を活用したナマズとホンモロコの 養殖池などを視察した。 2) モニターツアー2日目 2日目は、①渡良瀬遊水地第2調節池で実施さ れた第 23 回ヤナギ・セイタカアワダチソウ除去 作戦(以下、「ヤナギ・セイタカアワダチソウ除 去作戦」)への参加→②小山市渡良瀬遊水地エコ ツーリズムガイド協会による渡良瀬遊水地と水 塚・揚船の解説・見学→③ナマズ料理店S→④道 の駅思川の順でツアーを実施した。主な移動手段 は大学のスクールバスである。 ①ヤナギ・セイタカアワダチソウ除去作戦は、 湿地環境や湿地植物の保全を目的として、2014 年度から小山市や野木町などによって渡良瀬遊 水地第2調節池内で年4~5回開催されている3)。 参加者は運営スタッフから作業用の軍手とゴミ 袋を受け取り、ヤナギとセイタカアワダチソウの 特徴と除去方法の説明4)を受けた後、それぞれこ れらの除去作業を行った。 つぎに、参加者は、②渡良瀬遊水地第2調節池 の堤防上(生井桜づつみ)に上がり、小山市渡良 瀬遊水地エコツーリズムガイド協会のガイドス タッフによる渡良瀬遊水地の歴史、流入する河川 の特徴、設備と排水方法などについての解説を受 け、双眼鏡を用いて山地や越流堤、飛来する鳥、 スカイダイビングの様子などを観察した。そこか らバスで周辺部の農村集落に移動した後、この地 域の水害対策を学ぶために、地元住民が所有する 水塚の上に建てられた蔵と、農機具小屋の天井に 保管された揚舟を観察し、ガイドスタッフからこ れらについて解説を受けた。終了後、バスで③ナ マズ料理店Sに向かい、ここで蕎麦と郷土料理の 天ぷら(渡良瀬遊水地の天然ナマズを使用した白 身の天ぷら、2013 年から休耕田を再利用した養 殖場で採取されているホンモロコの天ぷら、「た たきだんご」と呼ばれるナマズの白身・骨と味噌 などを混ぜ合わせたつみれ揚げなど)(税込1,200 円)を食べた。 最後に、④道の駅思川を訪問し、自由行動とし た。ここには、地元の農産物やそれを使用した加 工品、総菜などが販売されており、いちごを使用 した洋菓子販売店、ハトムギを使用したジェラー ト販売店などが入居している。ジェラートや野菜 などを購入する学生がみられた。 3.モニターツアーに参加した大学生による観光 資源の評価 本章では、モニターツアーで訪問した8つの観 光資源(クラフト館、農村レストランJ、ベース ボールビレッジ、ヤナギ・セイタカアワダチソウ 除去作戦、渡良瀬遊水地、揚舟と水塚、ナマズ料 理店S、道の駅思川)を対象として、参加者への アンケート調査をもとにそれぞれの満足度と再 来訪の意思について分析し、それぞれの観光資源 の評価を明らかにする。 観光資源の満足度については、各観光資源を 「満足(5点)」「やや満足(4点)」「どちらとも いえない(3点)」「やや不満(2点)」「不満(1 点)」の5段階で評価してもらい、その合計点を 回答人数で割ったものを「満足度の平均評価」と した(表1)。一方、各観光資源への再来訪の意 思については、「ぜひまた訪れたい(5点)」「機 会があったらまた訪れたい(4点)」「どちらとも いえない(3点)」「あまり訪れたいとは思わない (2点)」「訪れたくない(1点)」の5段階で評 価してもらい、その合計点を回答人数で除したも のを「再来訪の意思の平均評価」とした(表2)。 同時に、再来訪したい理由と再来訪したくない理 由を自由回答欄で尋ねた。 1) おやま本場結城紬クラフト館の評価 クラフト館の満足度の平均評価は、3.9 と全体 で4番目に高い割合を示していた。「満足」が 18.8%、「やや満足」が 62.5%を占め、これら2つ の肯定的な評価が81.3%を占めていた。 再来訪の意思の平均評価は3.3 である。「ぜひま た訪れたい」と「機会があったらまた訪れたい」 が合わせて半数を占めていた。一方で、「どちら ともいえない」と「あまり訪れたいと思わない」 も50%に達するなど、学生による評価が大きく分 かれた。 再来訪に積極的な意見については、「結城紬に 関する体験講座で受講したいものがあったら、や ってみたいと思ったから」「小山駅から近く、体 験も色々できるから」「色々体験できて楽しかっ
表1 小山市の観光資源に対する満足度(2018 年) 訪問地 平均評価 (点) 満足 (%) やや満足 (%) どちらとも いえない (%) やや不満 (%) 不満 (%) おやま本場結城紬クラフト館の見学(N=16) 3.9 18.8 62.5 6.3 12.5 0.0 農村レストランJ(N=16) 3.6 18.8 43.8 18.8 12.5 6.3 小山ベースボールビレッジの見学(N=15) 3.8 13.3 60.0 20.0 6.7 0.0 ヤナギ・セイタカアワダチソウ除去作戦(N=16) 4.4 50.0 43.8 0.0 6.3 0.0 渡良瀬遊水地の見学(N=16) 3.6 6.3 56.3 25.0 12.5 0.0 揚舟と水塚の見学(N=16) 3.3 0.0 50.0 31.3 18.8 0.0 ナマズ料理店S(N=16) 4.9 87.5 12.5 0.0 0.0 0.0 道の駅思川(N=16) 4.4 43.8 50.0 6.3 0.0 0.0 資料)参加者へのアンケート調査により作成。 注)「おやま本場結城紬クラフト館の見学」「農村レストランJ」「ヤナギ・セイタカアワダチソウ除去作戦」「渡良瀬遊水 地の見学」「揚舟と水塚の見学」「道の駅思川」の6カ所については、端数処理により、満足度の割合の合計が 100% を超える。 表2 小山市の観光資源に対する再来訪の意思(2018 年) 訪問地 平均評価 (点) ぜひまた 訪れたい (%) 機会があったら また訪れたい (%) どちらとも いえない (%) あまり訪れ たいとは思 わない (%) 訪れた くない (%) おやま本場結城紬クラフト館の見学(N=16) 3.3 6.3 43.8 25.0 25.0 0.0 農村レストランJ(N=16) 3.1 12.5 31.3 25.0 18.8 12.5 小山ベースボールビレッジの見学(N=15) 3.1 6.7 20.0 46.7 26.7 0.0 ヤナギ・セイタカアワダチソウ除去作戦(N=16) 3.9 18.8 62.5 12.5 6.3 0.0 渡良瀬遊水地の見学(N=16) 3.1 0.0 37.5 31.3 31.3 0.0 揚舟と水塚の見学(N=16) 2.4 0.0 12.5 31.3 43.8 12.5 ナマズ料理店S(N=16) 4.3 50.0 37.5 6.3 6.3 0.0 道の駅思川(N=16) 4.3 43.8 43.8 12.5 0.0 0.0 資料)参加者へのアンケート調査により作成。 注)すべての訪問地において、端数処理により、満足度の割合の合計が 100%を超える。 たから」「機織りの体験をさせていただいて楽し かったため」「織物を実際にやってみたい」「着物 を着てみたくなった」「コースターを作ってみた い」など、体験に関する内容が多くみられた。 一方、再来訪に消極的な意見には、「今回で施 設全てを見て、歴史も知ることができたので1回 でいいかなと思ってしまいました」「結城紬を知 ることができましたが、次に来る目的がないと思 ったため」「見学時間が十分にあり、満足したか ら」などが挙げられた。 このように、体験に重点を置いていた学生は再 来訪の意思が強いと考えられるに対し、本場結城 紬の歴史や工程などの学習に重きを置いていた 学生は今回のモニターツアーで目的が達成され たためその意識が低い傾向にあった。 2) 農村レストランJの評価 農村レストランJにおける満足度の平均評価 は3.6 であり、「満足」が 18.8%、「やや満足」が 43.8%を占め、これら2つの肯定的な評価が全体 の約 62.6%を占めている。一方で、「不満」と回 答した学生が6.3%、「やや不満」が 12.5%存在す るなど、これら2つの消極的な評価が揚舟と水塚 の見学に並んで最も高い割合(18.8%)を示 している。 こうした評価の二極化は再来訪の意思におい てより顕著に表れている。「ぜひまた訪れたい」 と回答した参加者が 12.5%、「機会があったらま た訪れたい」が 31.3%であり、肯定的な評価が 43.8%を占めていたものの、「訪れたくない」が 12.5%、「あまり訪れたいとは思わない」が18.8% も存在した。これら2つの消極的な評価が31.3% であり、渡良瀬遊水地の見学と並んで2番目に割 合が高かった。そのため、再来訪の意思の平均評 価は3.1 にとどまっており、ベースボールビレッ ジと渡良瀬遊水地の見学に並んで2番目に低い 値になった。 再来訪に積極的な理由として、「野菜が美味し かった」「こだわりがよいと思った」「普段、あま り口にしない野菜を食べることができ、また外で 飼われていた羊がかわいかった」「あんなにじっ くり野菜を味わうことはないから」など自家製野 菜料理の味やこだわり、珍しい野菜の存在を指摘 する参加者がみられ、次回は他の料理を食べたい という内容も散見された。一方、再来訪に消極的 な理由には、野菜料理中心のコース料理の物足り なさや金額の高さ、苦手な野菜があったことなど が挙げられた。 3) 小山ベースボールビレッジの評価 ベースボールビレッジにおける満足度の平均 評価は 3.8 であり、「満足」(13.3%)と「やや満 足」(60.0%)が合わせて 73.3%を占めていた。 一方、再来訪の意思の平均評価は3.1 で揚舟と 水塚の見学に次いで2番目に低い値を示してい る。「また訪れたい」が 6.7%、「機会があったら また訪れたい」が 20.0%にとどまっており、「ど ちらともいえない」が 46.7%、「あまり訪れたい とは思わない」が 26.7 であるなど消極的な回答 が73.4%を占めていた。これは、野球に関心がな いと回答した学生が多く含まれていたことに起 因する。 4) ヤナギ・セイタカアワダチソウ除去作戦の評 価 ヤナギ・セイタカアワダチソウ除去作戦におけ る満足度の平均評価は4.4 であり、これは道の駅 思川と並び2番目に高い割合を示していた。とく に、「満足」が50.0%、「やや満足」が 43.8%であ り、この2つで93.8%を占めていた。 また、ヤナギ・セイタカアワダチソウ除去作戦 の再来訪の意思に関する平均評価は3.9 であり、 3番目に高い割合であった。「ぜひまた訪れたい」 が 18.8%、「機会があったらまた訪れたい」が 62.5%であり、この2つの回答で 81.3%を占めて いた。 再来訪したい理由をみると、「大きなセイタカ アワダチソウを見つけて採るのが楽しかったた め」「達成感があった」「楽しくて時間があっとい う間に過ぎたから」「子どもの頃、外で遊んだこ とを思い出して楽しかった」「1つの目的を達成 する為に何かやるのは楽しい」「皆でわいわい楽 しみながらやるのは楽しかった」など、充実感や 仲間と協力して取り組むことの面白さを指摘す る記述が多くみられた。また、「想像以上に楽し かった。みんなと楽しみながら地域に貢献できる 良いイベントだと思いました」「夢中で参加でき、 取った雑草の分だけ地域に貢献している気がし て満足できたからです」「思ったよりやりがいを 感じられたから」など、地域貢献に対するやりが いを指摘する学生も散見された。 5) 渡良瀬遊水地および揚舟・水塚の評価 (1) 渡良瀬遊水地の評価 渡良瀬遊水地における満足度の平均評価は 3.6 であり、農村レストランJ と並んで低い順から2 番目であった。とはいえ、「満足」が 6.3%、「や や満足」が56.3%を占めるなど、肯定的な評価が 多くみられた。 一方、再来訪の意思の平均評価は3.1 であり、
表1 小山市の観光資源に対する満足度(2018 年) 訪問地 平均評価 (点) 満足 (%) やや満足 (%) どちらとも いえない (%) やや不満 (%) 不満 (%) おやま本場結城紬クラフト館の見学(N=16) 3.9 18.8 62.5 6.3 12.5 0.0 農村レストランJ(N=16) 3.6 18.8 43.8 18.8 12.5 6.3 小山ベースボールビレッジの見学(N=15) 3.8 13.3 60.0 20.0 6.7 0.0 ヤナギ・セイタカアワダチソウ除去作戦(N=16) 4.4 50.0 43.8 0.0 6.3 0.0 渡良瀬遊水地の見学(N=16) 3.6 6.3 56.3 25.0 12.5 0.0 揚舟と水塚の見学(N=16) 3.3 0.0 50.0 31.3 18.8 0.0 ナマズ料理店S(N=16) 4.9 87.5 12.5 0.0 0.0 0.0 道の駅思川(N=16) 4.4 43.8 50.0 6.3 0.0 0.0 資料)参加者へのアンケート調査により作成。 注)「おやま本場結城紬クラフト館の見学」「農村レストランJ」「ヤナギ・セイタカアワダチソウ除去作戦」「渡良瀬遊水 地の見学」「揚舟と水塚の見学」「道の駅思川」の6カ所については、端数処理により、満足度の割合の合計が 100% を超える。 表2 小山市の観光資源に対する再来訪の意思(2018 年) 訪問地 平均評価 (点) ぜひまた 訪れたい (%) 機会があったら また訪れたい (%) どちらとも いえない (%) あまり訪れ たいとは思 わない (%) 訪れた くない (%) おやま本場結城紬クラフト館の見学(N=16) 3.3 6.3 43.8 25.0 25.0 0.0 農村レストランJ(N=16) 3.1 12.5 31.3 25.0 18.8 12.5 小山ベースボールビレッジの見学(N=15) 3.1 6.7 20.0 46.7 26.7 0.0 ヤナギ・セイタカアワダチソウ除去作戦(N=16) 3.9 18.8 62.5 12.5 6.3 0.0 渡良瀬遊水地の見学(N=16) 3.1 0.0 37.5 31.3 31.3 0.0 揚舟と水塚の見学(N=16) 2.4 0.0 12.5 31.3 43.8 12.5 ナマズ料理店S(N=16) 4.3 50.0 37.5 6.3 6.3 0.0 道の駅思川(N=16) 4.3 43.8 43.8 12.5 0.0 0.0 資料)参加者へのアンケート調査により作成。 注)すべての訪問地において、端数処理により、満足度の割合の合計が 100%を超える。 たから」「機織りの体験をさせていただいて楽し かったため」「織物を実際にやってみたい」「着物 を着てみたくなった」「コースターを作ってみた い」など、体験に関する内容が多くみられた。 一方、再来訪に消極的な意見には、「今回で施 設全てを見て、歴史も知ることができたので1回 でいいかなと思ってしまいました」「結城紬を知 ることができましたが、次に来る目的がないと思 ったため」「見学時間が十分にあり、満足したか ら」などが挙げられた。 このように、体験に重点を置いていた学生は再 来訪の意思が強いと考えられるに対し、本場結城 紬の歴史や工程などの学習に重きを置いていた 学生は今回のモニターツアーで目的が達成され たためその意識が低い傾向にあった。 2) 農村レストランJの評価 農村レストランJにおける満足度の平均評価 は3.6 であり、「満足」が 18.8%、「やや満足」が 43.8%を占め、これら2つの肯定的な評価が全体 の約 62.6%を占めている。一方で、「不満」と回 答した学生が6.3%、「やや不満」が 12.5%存在す るなど、これら2つの消極的な評価が揚舟と水塚 の見学に並んで最も高い割合(18.8%)を示 している。 こうした評価の二極化は再来訪の意思におい てより顕著に表れている。「ぜひまた訪れたい」 と回答した参加者が 12.5%、「機会があったらま た訪れたい」が 31.3%であり、肯定的な評価が 43.8%を占めていたものの、「訪れたくない」が 12.5%、「あまり訪れたいとは思わない」が18.8% も存在した。これら2つの消極的な評価が31.3% であり、渡良瀬遊水地の見学と並んで2番目に割 合が高かった。そのため、再来訪の意思の平均評 価は3.1 にとどまっており、ベースボールビレッ ジと渡良瀬遊水地の見学に並んで2番目に低い 値になった。 再来訪に積極的な理由として、「野菜が美味し かった」「こだわりがよいと思った」「普段、あま り口にしない野菜を食べることができ、また外で 飼われていた羊がかわいかった」「あんなにじっ くり野菜を味わうことはないから」など自家製野 菜料理の味やこだわり、珍しい野菜の存在を指摘 する参加者がみられ、次回は他の料理を食べたい という内容も散見された。一方、再来訪に消極的 な理由には、野菜料理中心のコース料理の物足り なさや金額の高さ、苦手な野菜があったことなど が挙げられた。 3) 小山ベースボールビレッジの評価 ベースボールビレッジにおける満足度の平均 評価は 3.8 であり、「満足」(13.3%)と「やや満 足」(60.0%)が合わせて 73.3%を占めていた。 一方、再来訪の意思の平均評価は3.1 で揚舟と 水塚の見学に次いで2番目に低い値を示してい る。「また訪れたい」が 6.7%、「機会があったら また訪れたい」が 20.0%にとどまっており、「ど ちらともいえない」が 46.7%、「あまり訪れたい とは思わない」が 26.7 であるなど消極的な回答 が73.4%を占めていた。これは、野球に関心がな いと回答した学生が多く含まれていたことに起 因する。 4) ヤナギ・セイタカアワダチソウ除去作戦の評 価 ヤナギ・セイタカアワダチソウ除去作戦におけ る満足度の平均評価は4.4 であり、これは道の駅 思川と並び2番目に高い割合を示していた。とく に、「満足」が50.0%、「やや満足」が 43.8%であ り、この2つで93.8%を占めていた。 また、ヤナギ・セイタカアワダチソウ除去作戦 の再来訪の意思に関する平均評価は3.9 であり、 3番目に高い割合であった。「ぜひまた訪れたい」 が 18.8%、「機会があったらまた訪れたい」が 62.5%であり、この2つの回答で 81.3%を占めて いた。 再来訪したい理由をみると、「大きなセイタカ アワダチソウを見つけて採るのが楽しかったた め」「達成感があった」「楽しくて時間があっとい う間に過ぎたから」「子どもの頃、外で遊んだこ とを思い出して楽しかった」「1つの目的を達成 する為に何かやるのは楽しい」「皆でわいわい楽 しみながらやるのは楽しかった」など、充実感や 仲間と協力して取り組むことの面白さを指摘す る記述が多くみられた。また、「想像以上に楽し かった。みんなと楽しみながら地域に貢献できる 良いイベントだと思いました」「夢中で参加でき、 取った雑草の分だけ地域に貢献している気がし て満足できたからです」「思ったよりやりがいを 感じられたから」など、地域貢献に対するやりが いを指摘する学生も散見された。 5) 渡良瀬遊水地および揚舟・水塚の評価 (1) 渡良瀬遊水地の評価 渡良瀬遊水地における満足度の平均評価は 3.6 であり、農村レストランJ と並んで低い順から2 番目であった。とはいえ、「満足」が 6.3%、「や や満足」が56.3%を占めるなど、肯定的な評価が 多くみられた。 一方、再来訪の意思の平均評価は3.1 であり、
農村レストランJ とベースボールビレッジと並び 2番目に低い値であった。「機会があったらまた 訪れたい」が 37.5%にとどまっており、「どちら ともいえない」と「あまり訪れたいとは思わない」 (それぞれ31.3%)の消極的な回答が 62.6%を占 めた。再来訪に消極的な意見として、今回のモニ ターツアーで渡良瀬遊水地の知識をたくさん学 ぶことができたことや、解説が長かったこと、景 色に魅力を感じなかったこと、鉄道駅から遠いこ となどが指摘された。一方で、モニターツアーで はコウノトリや富士山、ヨシ焼きなどをみること ができなかったため、渡良瀬遊水地を再来訪した いという意見も散見された。 (2) 揚舟・水塚の評価 揚舟・水塚に関する満足度の平均評価は3.3 で 最も低い値であったが、「やや満足」が半数を占 めていた。一方、再来訪の意思の平均評価は 2.4 で最も低い値であった。「機会があったらまた訪 れたい」が 12.5%にとどまり、「訪れたくない」 が 12.5%、「あまり訪れたいとは思わない」が 43.8%、「どちらともいえない」が31.3%を占める など、消極的な意見が多くみられた。その理由と して、揚舟と水塚は個人宅にあり、改めて訪問し にくいことや解説が長かったことなどが挙げら れた。また、モニターツアーの実施前に、座学の 授業で揚舟と水塚を取り扱ったため、実際に見学 する必要がないという意見も散見された。 6) ナマズ料理店Sの評価 参加者によるナマズ料理店Sに対する満足度 の平均評価は4.9 であり、8つの観光資源で最も 高い評価を得た。その内訳をみても、「満足」が 87.5%、「やや満足」が 12.5%を占めていた。同様 に、再来訪の意思の平均評価は4.3 であり、道の 駅思川と並んで最も高い評価がなされた。回答内 容をみると、「ぜひまた訪れたい」が50.0%、「機 会があったらまた訪れたい」が37.5%であり、こ れら2つの回答が87.5%を占めていた。 再来訪に積極的な理由をみると、「ナマズが想 像よりおいしかった」「ナマズの天ぷら、ナマズ のたたきだんごなどはじめて食べたがおいしい と思ったから」「ナマズ料理はなかなか食べるこ とができないから」などナマズ料理を初めて食べ る学生がほとんどであったが、その味を気に入る ケースが多かった。そのほか、店主からナマズ料 理の説明があり、その人柄の良さを挙げる学生も みられた。 7) 道の駅思川の評価 道の駅思川における満足度の平均評価は4.4 で あり、ヤナギ・セイタカアワダチソウ除去作戦と 並んで2番目に高い割合であった。「満足」が 43.8%、「やや満足」が 50.0%であり、この2つ の回答で93.8%を占めていた。 同様に、道の駅思川における再来訪の意思の平 均評価は4.3 であり、ナマズ料理店 S と並んで最 も高い値を示していた。「ぜひまた訪れたい」と 「 機 会 が あっ た ら ま た訪 れ た い 」が そ れ ぞ れ 43.8%を占めている。再来訪したい理由として、 ジェラートが美味しかった(もしくは、次回食べ てみたい)こと、イチゴのスイーツや多種多様な 野菜、焼きそばなどを食べてみたいこと、多くの 来訪者で賑わっており活気があったこと、野菜を 安く購入できたこと、試食ができたこと、品揃え が豊富であることなどが挙げられた。 最後に、観光資源の満足度と再来訪の意思の関 係性について述べる。今回取り上げた8つの観光 資源における満足度と再来訪の意思の平均得点 に注目し、2つの相関係数を算出した。その結果、 相関係数は0.9541 で強い相関関係を示しており、 満足度が高ければ再来訪の意思が高くなる傾向 にあった。 4.大学生による観光資源の評価からみた観光振 興の可能性 本章では、3章で分析した大学生による観光資 源の評価を踏まえて、小山市における観光振興の 可能性を考察する。 1) 教育旅行による観光振興の可能性 モニターツアーの訪問地である8つの観光資 源において全体的に満足度の平均評価が高かっ たのにもかかわらず、クラフト館やベースボール ビレッジ、渡良瀬遊水地、水塚・揚舟などの観光 資源では再来訪の意思の平均評価が低い傾向が みられた。これらの観光資源は学習型観光の場と しての性格を有しているものの、一度訪問して知 識を習得すると再来訪する動機がなくなってし まうことからリピーターの確保が難しいと考え られる。 そこで、毎年異なる生徒や学生が来訪する教育 旅行にこうした学習型の観光資源を組み込むよ う、学校などに働きかけることが有効であると考 えられる。渡良瀬遊水地では環境教育を目的とし た 旅 行 や 遠足 な ど が 行わ れ て い る( 松 井 ほ か 2004)。また、小山市では、農業体験学習をベー スとした農家民泊事業の立ち上げに向けた取り 組み5)がみられている(鈴木・蓬澤2018)。こう した教育旅行・遠足の立ち寄り先に、先述の学習 型の観光資源を加えることにより、多種多様な学 びが提供できるだろう。例えば、クラフト館で本 場結城紬の歴史や工程を、渡良瀬遊水地第2調節 池やその周辺集落で同遊水地の歴史や自然観察 学習、洪水対策などの防災学習をテーマとした教 育旅行が可能であり、ここにヤナギ・セイタカア ワダチソウ除去作戦への参加によるボランティ ア体験やベースボールビレッジの施設見学など を組み込むこともできる。 2) 近隣地域に住むレクリエーション目的の来訪 者を意識した観光振興の可能性 小山市には、全国的な知名度を持つ観光資源や 観光客向けの宿泊拠点が存在していないため(鈴 木2018)、遠方に住む多くの観光旅行者を誘致す ることは難しい状況にある。また、中沢・古市 (2011)は、2000 年代以降における日本人の消 費行動が、ハワイ豪遊やブランド品の購入に代表 されるようなバブル期の過剰な非日常感を演出 した「海外旅行型消費」から、日帰り入浴施設や ショッピングモールなど日常の延長として日帰 りで消費やレジャーを体験型で楽しむ「遠足型消 費」に移り変わってきていることを指摘している。 とくに、バブルの崩壊後に生まれ育った2010 年 代の若者は、さまざまな場面でコストパフォーマ ンス意識が働くと考えられ6)、移動コストを踏ま えると現状では彼らを遠方から小山市に誘致す ることは難しいと推測される7)。以上を踏まえる と、小山市では、遠方に住む観光旅行者や訪日外 国人旅行者のみを意識するのではなく、市内の市 街地に住む都市住民や、県内・隣接県に住むレク リエーション目的の来訪者などに目を向けるこ とも必要であろう。 今回のモニターツアーでは、ナマズ料理店S や 道の駅思川、ヤナギ・セイタカアワダチソウ除去 作戦において再来訪の意思の平均評価が高かっ た。こうした傾向を踏まえると、近隣地域の住民 がこれらの観光資源のリピーターになる可能性 があると考えられる。 ナマズ料理店のナマズの天ぷらや道の駅思川 で販売されている野菜やホンモロコの煮付け、無 農薬・無化学肥料のふゆみずたんぼ米やそれを利 用した日本酒、小山市産の豚肉「おとん」を使用 した料理、イチゴのスイーツ、ハトムギのジェラ ートなどの特産品を小山市の広報誌や公式 SNS などに掲載し、地域住民に周知していくことが重 要であろう。加えて、市内の市街地に住む都市住 民や、県内・隣接県に住む来訪者にPR するため に、JR 小山駅やイベント会場などに特産品の直 売コーナーや試食コーナーを設けることも有効 であろう。 一方、仲間意識や地域貢献が来訪の動機となる ヤナギ・セイタカアワダチソウ除去作戦では、近 隣地域の企業や学校などに参加を促すとともに、 参加者が仲間と楽しそうに作業している様子を SNS や動画投稿サイトなどで情報発信すること も有効であろう。また、著名な観光資源が少ない 小山市では、こうした参加型のイベントが賑わい を演出していく上で重要であり、交流的な要素を 加えた新たなイベントを実施していくことも必 要だと考えられる。 こうした取り組みにより近隣地域に住む来訪 者に小山市への愛着を持たせ、市内在住者の地域 外への転出を防ぐとともに、県内・隣接県から小 山市への移住を促していくことが必要であろう。 5.おわりに 本稿では、地方都市の1つである小山市の観光 資源を対象として、大学が参加するモニターツア ーの実践事例を紹介し、参加者による観光資源の
農村レストランJ とベースボールビレッジと並び 2番目に低い値であった。「機会があったらまた 訪れたい」が 37.5%にとどまっており、「どちら ともいえない」と「あまり訪れたいとは思わない」 (それぞれ31.3%)の消極的な回答が 62.6%を占 めた。再来訪に消極的な意見として、今回のモニ ターツアーで渡良瀬遊水地の知識をたくさん学 ぶことができたことや、解説が長かったこと、景 色に魅力を感じなかったこと、鉄道駅から遠いこ となどが指摘された。一方で、モニターツアーで はコウノトリや富士山、ヨシ焼きなどをみること ができなかったため、渡良瀬遊水地を再来訪した いという意見も散見された。 (2) 揚舟・水塚の評価 揚舟・水塚に関する満足度の平均評価は3.3 で 最も低い値であったが、「やや満足」が半数を占 めていた。一方、再来訪の意思の平均評価は 2.4 で最も低い値であった。「機会があったらまた訪 れたい」が 12.5%にとどまり、「訪れたくない」 が 12.5%、「あまり訪れたいとは思わない」が 43.8%、「どちらともいえない」が31.3%を占める など、消極的な意見が多くみられた。その理由と して、揚舟と水塚は個人宅にあり、改めて訪問し にくいことや解説が長かったことなどが挙げら れた。また、モニターツアーの実施前に、座学の 授業で揚舟と水塚を取り扱ったため、実際に見学 する必要がないという意見も散見された。 6) ナマズ料理店Sの評価 参加者によるナマズ料理店Sに対する満足度 の平均評価は4.9 であり、8つの観光資源で最も 高い評価を得た。その内訳をみても、「満足」が 87.5%、「やや満足」が 12.5%を占めていた。同様 に、再来訪の意思の平均評価は4.3 であり、道の 駅思川と並んで最も高い評価がなされた。回答内 容をみると、「ぜひまた訪れたい」が50.0%、「機 会があったらまた訪れたい」が37.5%であり、こ れら2つの回答が87.5%を占めていた。 再来訪に積極的な理由をみると、「ナマズが想 像よりおいしかった」「ナマズの天ぷら、ナマズ のたたきだんごなどはじめて食べたがおいしい と思ったから」「ナマズ料理はなかなか食べるこ とができないから」などナマズ料理を初めて食べ る学生がほとんどであったが、その味を気に入る ケースが多かった。そのほか、店主からナマズ料 理の説明があり、その人柄の良さを挙げる学生も みられた。 7) 道の駅思川の評価 道の駅思川における満足度の平均評価は4.4 で あり、ヤナギ・セイタカアワダチソウ除去作戦と 並んで2番目に高い割合であった。「満足」が 43.8%、「やや満足」が 50.0%であり、この2つ の回答で93.8%を占めていた。 同様に、道の駅思川における再来訪の意思の平 均評価は4.3 であり、ナマズ料理店 S と並んで最 も高い値を示していた。「ぜひまた訪れたい」と 「 機 会 が あっ た ら ま た訪 れ た い 」が そ れ ぞ れ 43.8%を占めている。再来訪したい理由として、 ジェラートが美味しかった(もしくは、次回食べ てみたい)こと、イチゴのスイーツや多種多様な 野菜、焼きそばなどを食べてみたいこと、多くの 来訪者で賑わっており活気があったこと、野菜を 安く購入できたこと、試食ができたこと、品揃え が豊富であることなどが挙げられた。 最後に、観光資源の満足度と再来訪の意思の関 係性について述べる。今回取り上げた8つの観光 資源における満足度と再来訪の意思の平均得点 に注目し、2つの相関係数を算出した。その結果、 相関係数は0.9541 で強い相関関係を示しており、 満足度が高ければ再来訪の意思が高くなる傾向 にあった。 4.大学生による観光資源の評価からみた観光振 興の可能性 本章では、3章で分析した大学生による観光資 源の評価を踏まえて、小山市における観光振興の 可能性を考察する。 1) 教育旅行による観光振興の可能性 モニターツアーの訪問地である8つの観光資 源において全体的に満足度の平均評価が高かっ たのにもかかわらず、クラフト館やベースボール ビレッジ、渡良瀬遊水地、水塚・揚舟などの観光 資源では再来訪の意思の平均評価が低い傾向が みられた。これらの観光資源は学習型観光の場と しての性格を有しているものの、一度訪問して知 識を習得すると再来訪する動機がなくなってし まうことからリピーターの確保が難しいと考え られる。 そこで、毎年異なる生徒や学生が来訪する教育 旅行にこうした学習型の観光資源を組み込むよ う、学校などに働きかけることが有効であると考 えられる。渡良瀬遊水地では環境教育を目的とし た 旅 行 や 遠足 な ど が 行わ れ て い る( 松 井 ほ か 2004)。また、小山市では、農業体験学習をベー スとした農家民泊事業の立ち上げに向けた取り 組み5)がみられている(鈴木・蓬澤2018)。こう した教育旅行・遠足の立ち寄り先に、先述の学習 型の観光資源を加えることにより、多種多様な学 びが提供できるだろう。例えば、クラフト館で本 場結城紬の歴史や工程を、渡良瀬遊水地第2調節 池やその周辺集落で同遊水地の歴史や自然観察 学習、洪水対策などの防災学習をテーマとした教 育旅行が可能であり、ここにヤナギ・セイタカア ワダチソウ除去作戦への参加によるボランティ ア体験やベースボールビレッジの施設見学など を組み込むこともできる。 2) 近隣地域に住むレクリエーション目的の来訪 者を意識した観光振興の可能性 小山市には、全国的な知名度を持つ観光資源や 観光客向けの宿泊拠点が存在していないため(鈴 木2018)、遠方に住む多くの観光旅行者を誘致す ることは難しい状況にある。また、中沢・古市 (2011)は、2000 年代以降における日本人の消 費行動が、ハワイ豪遊やブランド品の購入に代表 されるようなバブル期の過剰な非日常感を演出 した「海外旅行型消費」から、日帰り入浴施設や ショッピングモールなど日常の延長として日帰 りで消費やレジャーを体験型で楽しむ「遠足型消 費」に移り変わってきていることを指摘している。 とくに、バブルの崩壊後に生まれ育った2010 年 代の若者は、さまざまな場面でコストパフォーマ ンス意識が働くと考えられ6)、移動コストを踏ま えると現状では彼らを遠方から小山市に誘致す ることは難しいと推測される7)。以上を踏まえる と、小山市では、遠方に住む観光旅行者や訪日外 国人旅行者のみを意識するのではなく、市内の市 街地に住む都市住民や、県内・隣接県に住むレク リエーション目的の来訪者などに目を向けるこ とも必要であろう。 今回のモニターツアーでは、ナマズ料理店S や 道の駅思川、ヤナギ・セイタカアワダチソウ除去 作戦において再来訪の意思の平均評価が高かっ た。こうした傾向を踏まえると、近隣地域の住民 がこれらの観光資源のリピーターになる可能性 があると考えられる。 ナマズ料理店のナマズの天ぷらや道の駅思川 で販売されている野菜やホンモロコの煮付け、無 農薬・無化学肥料のふゆみずたんぼ米やそれを利 用した日本酒、小山市産の豚肉「おとん」を使用 した料理、イチゴのスイーツ、ハトムギのジェラ ートなどの特産品を小山市の広報誌や公式 SNS などに掲載し、地域住民に周知していくことが重 要であろう。加えて、市内の市街地に住む都市住 民や、県内・隣接県に住む来訪者にPR するため に、JR 小山駅やイベント会場などに特産品の直 売コーナーや試食コーナーを設けることも有効 であろう。 一方、仲間意識や地域貢献が来訪の動機となる ヤナギ・セイタカアワダチソウ除去作戦では、近 隣地域の企業や学校などに参加を促すとともに、 参加者が仲間と楽しそうに作業している様子を SNS や動画投稿サイトなどで情報発信すること も有効であろう。また、著名な観光資源が少ない 小山市では、こうした参加型のイベントが賑わい を演出していく上で重要であり、交流的な要素を 加えた新たなイベントを実施していくことも必 要だと考えられる。 こうした取り組みにより近隣地域に住む来訪 者に小山市への愛着を持たせ、市内在住者の地域 外への転出を防ぐとともに、県内・隣接県から小 山市への移住を促していくことが必要であろう。 5.おわりに 本稿では、地方都市の1つである小山市の観光 資源を対象として、大学が参加するモニターツア ーの実践事例を紹介し、参加者による観光資源の
評価に関する諸特徴とそこから考えられる観光 振興の可能性を考察してきた。 その結果、①クラフト館やベースボールビレッ ジ、渡良瀬遊水地、水塚・揚船など学習型の観光 資源は満足度の平均評価が高いのにもかかわら ず、再来訪の意思の平均評価が低かったのに対し、 ②ナマズ料理店S や道の駅思川、ヤナギ・セイタ カアワダチソウ除去作戦は再来訪の意思の平均 評価が高かった。①前者の観光資源は環境教育を 目的とした旅行・遠足の見学ルートの一部に取り 込むことで、②後者は市内の市街地に住む都市住 民や県内・隣接県に住む来訪者に積極的にPR す ることで、地域活性化を図ることができると考え られる。また、今回取り上げた8つの観光資源に おける満足度と再来訪の意思の平均得点に注目 し、2つの相関係数を算出した。その結果、両者 には強い相関関係があり、観光資源の満足度が高 ければ再来訪の意思も高くなることが明らかに なった。 つぎに、地方都市における大学生のモニターツ アーの意義と限界性を述べる。まず、大学生のモ ニターツアーを通じて若者の関心事を概括的に 把握できたことが考えられる。例えば、大学生が 郷土料理体験やボランティア体験など体験型観 光に強い関心を持っていたり、道の駅やレストラ ンなどの消費の場においてコストパフォーマン スの高さを求めたりしていることが挙げられる。 一方で、限界性として、今回取り上げた小山市の 観光資源は全国的には知名度が低いため、地方自 治体と旅行会社の連携によるパッケージツアー の作成・販売を試みても需要が見込めないなど、 地方都市ではモニターツアーの成果が必ずしも 旅行商品の開発や観光客の劇的な増加に結びつ くわけではないことが指摘できる。 最後に、今後のモニターツアーの課題として以 下の2点が指摘できる。まず、今回のモニターツ アーは冬季に実施したため、観察できる植物や野 鳥が限定されてしまうなど、渡良瀬遊水地の魅力 が参加者に伝わりにくかった可能性がある。今後、 自然観光資源を対象としたモニターツアーを実 施する場合、その観光資源が持つ季節性を考慮に 入れる必要があるだろう。つぎに、今回のモニタ ーツアーは大学と地方自治体との連携のもとで 実施したが、今回の成果がどのように地方自治体 の観光振興策に結びついたかについて追跡調査 をすることが重要であろう。 謝辞 今回のモニターツアーを実施するにあたり、株式会社エ イジェック地域戦略事業本部レンタル事業部長兼株式会 社栃木県民球団(栃木ゴールデンブレーブス)球団統括本 部長の坂巻博志氏をはじめ、おやま本場結城紬クラフト館、 小山市渡良瀬遊水地エコツーリズムガイド協会、小山市総 合政策課の皆様には、多大なご協力をいただきました。ま た、2018 年度に宇都宮大学地域デザイン科学部で開講し た「観光学実習」の受講学生には、アンケートへの回答、 授業やモニターツアーに関する貴重なご意見をいただき ました。ここで厚くお礼申し上げます。 本稿は、「平成 30 年度小山市渡良瀬遊水地地域デザイ ン作成に関する研究業務委託」(受託先:宇都宮大学、研 究者代表:鈴木富之)の成果の一部を公表したものである。 注 1) このほか、人口減少社会では、さまざまな業界におけ る深刻な人手不足(野口2015)やそれに伴う生涯に おける労働期間の延長(グラットン・スコット2016) および外国人労働者の増加(毛受2017)、空き家の増 加(野澤2016)、医療・介護施設の不足(増田編 2015)、 社会資本の老朽化(諸富2018)など、さまざまな問 題や課題を抱えている。 2) 文献におけるモニターツアーの表記をみると、「モニ ター・ツアー」(恩田2008)と「モニターツアー」(富 川2007;杉浦 2010;森田・川原 2013;伊藤・川原 2015;本田・岩橋 2015;岩動 2017)の両方がみら れた。本稿では、2000 年代以降の学術雑誌において 記載が多かった「モニターツアー」と表記することと する。 3) ヤナギは樹林化することにより、絶滅危惧種を含む在 来植物の発芽と生育を阻害するとされている。一方、 外来種のセイタカアワダチソウは、根から周囲の植物 の生育や発芽を妨げる有害物質を出すといわれてい る。 4) ヤナギについては、鍬が貸し出され、それを使って根 元から除去する。一方、セイタカアワダチソウについ ては、簡単に手で取り除くことができる。 5) 2018 年2月 10~11 日、都内の日本語学校の留学生 30 名が対象とした農家民泊事業の導入に向けたモニ ターツアーが実施された。受け入れ農家は5軒であり、 参加者はイチゴ摘みや温泉、本場結城紬の着心地体験 などを体験した(『「農泊」留学生に公表 小山市モニ ターツアー 新年度から事業本格化』2018 年 2 月 12 日、下野新聞)。 6) 例えば、2010 年代の若者については、「内向き」の消 費傾向(古市2015)や恋愛におけるコストパフォー マンス意識の高まり(牛窪2015)などが指摘されて いる。 7) 杉本(2018)によると、東京大都市圏に居住する若 者の日帰り観光・レジャーは、東京を中心とした身近 な南関東に集中している。このことからもわかるよう に、人口集積地域である南関東は若者旅行者の出発地 かつ身近な日帰りレジャー・観光の訪問地としての性 格を有するようになっており、移動コストが少ない身 近な都市型レジャーが若者旅行者にとって主流とな っていることが推測される。 参考文献 岩動志乃夫(2017)「地域が大学と連携して行う地域資源の 再評価―大仙市の留学生モニターツアーを事例にして」 『季刊地理学』第69 号 34-49. 伊藤正太・川原 晋(2015)「地域の観光振興のためのモニ ターツアーの活用のあり方に関する研究」『観光科学研 究』第8 号 51-59. 牛窪 恵(2015)『恋愛しない若者たち―コンビニ化する性 とコスパ化する結婚』ディスカヴァー・トゥエンティワ ン. NHKスペシャル取材班(2017)『縮小ニッポンの衝撃』講 談社. 恩田守雄(2008)「モニター・ツアー」長谷政弘編『観光学 辞典(11 版)』138-139 同文舘出版. 河合雅司(2017)『未来の年表―人口減少日本でこれから起 きること』講談社. 河合雅司(2018)『未来の年表2―人口減少であなたに起き ること』講談社. グラットン. L・スコット. A 著,池村千秋訳(2016)『Life Shift―100 年時代の人生戦略』東洋経済新報社. 杉浦裕二(2010)「『森林セラピー』のビジネスモデル構築 に向けた基礎的研究―信濃町におけるモニターツアー の参加者とサービス提供者の意識調査結果をもとに」 『農村計画学会誌』第28 号 177-182. 杉本興運(2018)「大都市圏の若者にみる観光・レジャーの 行動特性」『地理』第63 巻第 9 号 10-17. 鈴木富之(2018)「渡良瀬遊水地第2調節池周辺地域におけ る農村観光の特徴と地域的課題」『総合観光研究』第 16・17 号(合併号)11-22. 鈴木富之・蓬澤 栞(2018)「小山市における住民意識から みた農家民泊事業導入の可能性」『地域デザイン科学(宇 都宮大学地域デザイン科学部研究紀要)』第3 号 15-35. 富川久美子(2007)「観光資源の評価におけるガイド付き観 光の有効性」『京都創成大学紀要』第7巻69-77. 中沢明子・古市憲寿(2011)『遠足型消費の時代―なぜ妻は コストコに行きたがるのか?』朝日新聞出版. 野口悠紀雄(2015)『1500 万人の働き手が消える 2040 年 問題―労働力減少と財政破綻で日本は崩壊する』ダイヤ モンド社. 野澤千絵(2016)『老いる家崩れる街―住宅過剰社会の末 路』講談社. 福井一喜(2018)「東京大都市圏の若者の観光・レジャーと SNS利用」『地理』第63 巻第 9 号 18-25. 古市憲寿(2015)『絶望の国の幸福な若者たち(文庫版)』 講談社. 本田量久・岩橋伸行(2015)「南足柄市における地域活性化 の実践と今後の課題―モニターツアー参加学生の意見 聴取から」『東海大学紀要観光学部』第6 号 51-64. 増田寛也編(2014)『地方消滅―東京一極集中が招く人口急 減』中央公論新社. 増田寛也編(2015)『東京消滅―介護破綻と地方移住』中央 公論新社. 増田寛也・河合雅司(2015)『地方消滅と東京老化』ビジネ ス社. 増田寛也・冨山和彦(2015)『地方消滅―創生戦略篇』中央 公論新社. 松井圭介・丹治達義・加藤晴美(2004)「渡良瀬遊水地の利 用形態からみたオープンスペースの多機能化」『地域調 査報告』第26 号 151-182. 三浦 展(2012)『東京は郊外から消えていく!―首都圏高 齢化・未婚化・空き家地図』光文社新書. 三浦 展(2017)『東京郊外の生存競争が始まった!―静か な住宅地から仕事と娯楽のある都市へ』光文社新書.