• 検索結果がありません。

マレーシアにおける大学生の食生活・飲料摂取の現状 ─アンケート調査の結果から─

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "マレーシアにおける大学生の食生活・飲料摂取の現状 ─アンケート調査の結果から─"

Copied!
14
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

Ⅰ.緒  言

 世 界 保 健 機 関(World Health Organization:以 下

WHO)が発表した2019年の世界全体の死因1)をみると, 非 感 染 性 疾 患(Non-Communicable Diseases:以 下 NCDs)は全死亡率74%を占めており,この20年で14ポ イントも増加している。NCDs は,心血管病変,がん, 糖尿病,慢性肺疾患,肥満などの疾病をいい2),WHO で は NCDs に対し様々な対策が行われている。砂糖の摂り 過ぎは,NCDs の要因の一つとされ,WHO では, 1 日 に摂取する糖類を,総エネルギー摂取量の 5 %未満に抑 えるべきとする新ガイドラインを2014年に発表した3)

 マレーシアでは,18歳以上の男女で Body Mass Index (kg/m2)(以下 BMI)25以上の過体重の割合が38.5%, BMI 30以上の肥満の割合が13.3%,空腹時血糖値が 126 mg/dl以上または投薬中の高血糖の割合が11.1%であ り,これらの数値は,他の東南アジア諸国の中でマレー シアが一番高い4,5)。砂糖摂取に関しては,マレーシアの 1 人あたりの年間砂糖消費量は,1985年の 37.6 kg から 1995年の 51.2 kg に増加し6),それ以降は約 50 kg で水 平状態を維持しているが,東南アジア諸国の中で最高レ ベルとなっている7)。2014年のマレーシア成人栄養調査

(Malaysian Adult Nutrition Survey:以下 MANS)では, 1 日の平均砂糖摂取量は 25.5 g で,sugar-sweetened beverage(以下 SSB)と呼ばれる砂糖入り飲料から砂糖 を摂り過ぎている現状があると報告されている8,9)。マ レーシアの食生活を観察すると,イギリスの植民地時代 の影響から“ミヌム”という喫茶習慣を大切にしてお り, 1 日に数回その時間を取っている10)。“ミヌム”で飲 む飲料は一般的に SSB が多く,2014年の MANS では, 飲料平均摂取量が水(1,688 ml/day)に次いで紅茶(359 ml/day),コーヒー(356 ml/day),麦芽飲料(356 ml/ day)などの SSB が上位であった8)  SSB についての先行研究では,砂糖摂取の現状とし て,SSB による砂糖摂取量と体重増加や肥満の関係性に ついて検証した上で,その原因が親の食習慣や日々の生 活習慣と関係しており,若年層への健康教育の意義につ いて報告されている11~13)。このように SSB の摂取が多 いことは肥満と関連があることが示唆され,NCDs を予 防するためには,若年期から適切な飲料摂取を実践させ

マレーシアにおける大学生の食生活・飲料摂取

の現状

─アンケート調査の結果から─

戸張 千夏

*

1,

*

3

,高増 雅子

*

2 *1日本女子大学大学院人間生活学研究科 *2日本女子大学家政学部 *3人間総合科学大学健康栄養学科 【目的】本研究では,マレーシアにおける大学生の食生活や飲料摂取状況の現状を把握し,その特徴について明らかにすることを目的 とした。 【方法】マレー半島のトレンガヌ州にあるマラ工科大学ドゥングン校,スランゴール州にあるマラ工科大学プンチャックアラム校の学 生632名を対象とし,2019年 3 月~ 4 月に食生活調査及び飲料摂取調査を実施した。食生活調査について,アンケート回答をスコア化 し,群間の差(男女間,大学間)には Mann-Whitney の U 検定を用いた。飲料摂取調査については,項目ごとに結果を集計し,χ2 検定を行った。 【結果】食生活調査では,対象者全体で,運動と健康との関わりや食生活の大切さについては理解しているが,砂糖摂取量に関する知 識は乏しいことが分かった。砂糖摂取に関するセルフ・エフィカシーが低い傾向がみられた。また,朝食の欠食が昼食や夕食よりも多 かった。女性は,砂糖摂取についての意識や栄養教育ワークショップへの関心も高く,男性は,運動について興味を持ち積極的に行っ ている傾向がみられた。飲料摂取調査では対象者全体で,水の摂取頻度が高かった。また,紅茶(コンデンスミルク入り,砂糖入り), 麦芽飲料などの sugar-sweetened beverage(SSB)の摂取頻度が高い一方で,砂糖なしの紅茶やコーヒーの摂取頻度が低かった。 女性は,男性より砂糖なしの飲料の摂取頻度が低かった。 【結論】対象大学生における砂糖摂取量及び SSB の摂取頻度に係る課題が明らかになった。 栄養学雑誌,Vol.79 No.2 76-89(2021) キーワード: 砂糖摂取,マレーシア,砂糖入り飲料,飲料摂取頻度,食生活

研究ノート

連絡先:戸張千夏 〒112-8681 東京都文京区目白台2-8-1 日本女子大学 電話 03-5981-3494 FAX 03-5981-3494 E-mail c11530304wc@gr.jwu.ac.jp

(2)

ることが効果的な方法であると考えられる。  そこで,本研究では,マレーシアにおける大学生の食 生活や飲料摂取状況の現状を把握し,その特徴について 明らかにすることを目的とした。

Ⅱ.方  法

1 .対   象 1 )対象大学  マレーシア国民の民族構成は,マレー系66%,中華系 約26%,インド系約 8 %であるが,国立大学ではマレー 系を優先して入学させる経済政策(ブミプトラ優遇政策) がとられている14)。本研究の対象大学は,国内に20ヶ所 以上のキャンパスを持つ,マレーシア最大規模の国立大 学であるマラ工科大学(Universiti Teknologi MARA:以 下 UiTM)とした。選定理由として,マレーシアの大学 には学生寮があり,学生寮における食事提供について は,各大学で異なることから,大学による偏りが生じな いよう,同一大学の 2 校を対象とした。また, 2 校は, 首都近郊で都市部のスランゴール州と,地方部のトレン ガヌ州から 1 校ずつ選定した。 2 )対象者  マレー半島の東側のトレンガヌ州にある UiTM ドゥン グン校(以下 UiTM Dungun)及び,首都クアラルンプー ル近郊のスランゴール州にある UiTM プンチャックアラ ム校(以下 UiTM Puncak Alam)から,学部や学科,専 攻ごとにクラスター抽出法により抽出した学生632名を対 象とし,2019年 3 月~ 4 月に調査を実施した。  対象者には,本研究の趣旨説明を行ったのち,同意書 の文書,本研究目的に合わせて作成した食生活調査票 と,飲料摂取調査票を配布した。また,任意による参加 であること,途中で撤回できること,不参加の場合も対 象者に不利益がないことなどを伝えた。なお,本研究 は,「日本女子大学ヒトを対象とした実験研究に関する倫 理審査委員会」にて審査の上承認を得た(番号:374)。 調査対象者より,記名した同意書と共に調査票を提出い ただくことで,同意を得たものとした。 2 .調査項目及び方法 1 )属性  性別,年齢,身長,体重,居住形態,出身地,民族に ついて質問票を用いてたずねた。 2 )食生活調査の項目について  調査項目は全39項目からなり,知識として 5 項目,態 度として 9 項目,行動として11項目,健康状態として 2 項目,環境要因として 8 項目,Quality of Life(以下 QOL)として 4 項目を位置付け(表 1 ),質問は選択肢 によりたずねた。質問票の作成に当たっては,本研究の 目的に合わせて質問票を作成し15,16),日本で医師や管理 栄養士により内容的妥当性及び表面的妥当性を検討し, マレーシアでカウンターパートにより対象者と同年代の 他校大学生を対象に予備調査を行った。 3 )飲料摂取調査の項目について  質問票の作成に当たっては,習慣的な飲料摂取状況を 把握するため,マレーシアの食事に合わせて質問票を作 成した。調査項目について,17種類で,水,紅茶(コン デンスミルク入り,砂糖入り,砂糖・レモン入り,砂糖 なし),コーヒー(コンデンスミルク入り,砂糖入り,砂 糖なし),麦芽飲料,シロップジュース(コーディアルシ ロップを水で希釈した飲料),果物ジュース,炭酸飲料, 豆乳,緑茶(砂糖入り,砂糖なし),中国茶(砂糖入り, 砂糖なし)とした。回答は 4 肢一択(「毎日 2 回以上」, 「毎日 1 回程度」,「ときどき飲む」,「全然飲まない」)と した。 4 )分析・解析方法  食生活調査の各項目について,アンケート回答を先行 研究17~19)に基づきスコア化した。  知識 5 項目は,「思う」,「少し思う」,「あまり思わな い」,「思わない」,または「知っている」,「だいたい知っ ている」,「あまり知らない」,「知らない」の回答につい て,「思う」,「知っている」から順に 4 , 3 , 2 , 1 点を 配点した。  態度 9 項目は,「思う」,「少し思う」,「あまり思わな い」,「思わない」,または「大切である」,「少し大切であ る」,「あまり大切ではない」,「大切ではない」の回答に ついて,「思う」,「大切である」から順に 4 , 3 , 2 , 1 点を配点した。  行動11項目は,「毎日食べる」,「週 4 ~ 5 回食べる」, 「週 2 ~ 3 回食べる」,「食べない」,または「 3 回以上」, 「 2 回」,「 1 回」,「ない」,または「いつも」,「時々」, 「あまりしない」,「しない」,または「選んでいる」,「少 し選んでいる」,「あまり選んでいない」,「選んでいな い」,または「控えている」,「少し控えている」,「あまり 控えていない」,「控えていない」,または「ほぼ毎日して いる」,「週 1 ~ 3 回している」,「月 1 ~ 2 回している」, 「していない」の回答について,「毎日食べる」,「 3 回以 上」,「いつも」,「選んでいる」,「控えている」,「ほぼ毎 日している」から順に 4 , 3 , 2 , 1 点を配点した。  健康状態 2 項目は,「とても健康である」,「少し健康で ある」,「あまり健康でない」,「健康でない」,または「感 じている」,「少し感じている」,「あまり感じていない」,

(3)

「感じていない」の回答について,「とても健康である」, 「感じている」から順に 4 , 3 , 2 , 1 点を配点した。  環境要因 8 項目は, 2 肢一択(「ある」,「ない」,また は「はい」,「いいえ」)もしくは 4 肢一択(「思う」,「少 し思う」,「あまり思わない」,「思わない」,または「あ る」,「少しある」,「あまりない」,「ない」,または「好 き」,「少し好き」,「あまり好きではない」,「好きではな い」)の回答について, 2 肢一択は「ある」,「はい」に 4 点,「ない」,「いいえ」に 1 点を配点し, 4 肢一択は「思 う」,「ある」,「好き」から順に 4 , 3 , 2 , 1 点を配点 した。  QOL 4項目は,「楽しい」,「わりと楽しい」,「あまり楽 しくない」,「楽しくない」,または「満ち足りている」, 「わりと満ち足りている」,「あまり満ち足りていない」, 「満ち足りていない」,または「満足している」,「わりと 満足している」,「あまり満足していない」,「満足してい ない」の回答について,「楽しい」,「満ち足りている」, 「満足している」から順に 4 , 3 , 2 , 1 点を配点した。  これらの各項目について,群間の差(男女間,大学間) には Mann-Whitney の U 検定を用いた。  飲料摂取調査については,項目ごとに結果を集計し, 群間の差には χ2 検定を用いた。すべての検定は,両側検 定とし,欠損値は項目ごとに除外した。統計解析ソフト IBM SPSS Statistics 26.0(日本アイ・ビー・エム株式会 社)を用い, 5 %未満を有意とした。 表 1  調査の枠組み 食生活 大項目 中項目 小項目 知識 食生活の知識 健康にとって望ましい食生活の大切さ 砂糖の知識 飲み物に入っている砂糖量 1 日の望ましい砂糖摂取量 砂糖の摂り過ぎが及ぼす身体への影響 運動の知識 運動と健康 態度 行動への態度 砂糖の摂り過ぎに注意する態度 意図 望ましい 1 日の砂糖摂取量を知る意図 砂糖摂取量のことを考えて食事する意図 今の食生活を改善する意図 セルフ・エフィカシー 飲料選択時に糖分の少ない飲み物を選ぶセルフ・エフィカシー 菓子などの間食を控えるセルフ・エフィカシー 行動コントロール感 砂糖の摂り過ぎに注意する簡単さ 運動セルフ・エフィカシー 健康のために運動するセルフ・エフィカシー 行動 食行動 飲料摂取(17項目) 摂食頻度(朝食・昼食・夕食) お茶の時間回数 甘い飲み物の摂取頻度 お菓子の摂取頻度 飲み物・お菓子選択傾向 健康行動 運動習慣 健康状態 客観的健康状態 身長,体重,BMI 主観的健康状態 健康度自己評価 食生活の現状 環境要因 主観的規範 周囲からの期待 情報へのアクセス 栄養教育(ワークショップ)参加経験や興味・参加意欲 遺伝的要因 家族と同じ嗜好の有無 糖尿病家族の有無 嗜好的要因 甘い飲み物やお菓子の嗜好 QOL 食 QOL お茶の楽しさ 食事の楽しさ お茶の満足度 生活の満足度 生活の満足度

(4)

Ⅲ.結  果

1 .属   性

 調査対象者は,632名で,UiTM Puncak Alam 255名, UiTM Dungun 377名であった。対象者の性別は,男性110 名,女性518名,無回答 4 名(有効回答率99.4%)であっ た。解析対象者である学生の年齢,身長,体重,BMI の 項目について,表 2 に示した。学生の平均年齢は21.1歳 で,平均 BMI は,男性が24.6,女性が22.4であった。 大学間の男女及び民族の割合については表 3 に示した。 2 .食生活調査  対象者全体の食生活調査結果を表 4 に示した。対象者 全体で,知識では,「望ましい食生活が健康にとって大切 であると思う」のスコアの中央値(25,75パーセンタイ ル値)は,4.0(4.0,4.0),「運動は健康に良いと知って いる」は4.0(4.0,4.0)であった。一方,「 1 日の砂糖 摂取量はどのくらいが望ましいか知っている」は2.0 (1.8,2.0)であった。  態度では,「砂糖の摂り過ぎに注意すると健康になれる と思う」は4.0(4.0,4.0),「砂糖摂取量のことを考えて 食事をすることは大切である」は4.0(3.0,4.0)であっ た。一方,「砂糖の少ない飲み物を選ぶことができそうだ と思う」は3.0(2.0,4.0),「砂糖の摂り過ぎに注意する ことは簡単だと思う」は3.0(2.0,4.0)であった。  行動では,「朝食は食べるか」は2.0(1.0,3.0)で, 昼食4.0(3.8,4.0)と夕食4.0(3.0,4.0)に比べてス コアが低かった。「健康のために運動をしている」は2.0 (1.0,3.0)であった。  健康状態では,「自分の健康状態をどのように感じてい るか」は3.0(3.0,3.0)で,「今の食生活に問題を感じ ている」は3.0(3.0,3.0)であった。  環境要因では,「あなたが健康になると家族や大切な人 が喜ぶと思う」は4.0(4.0,4.0),「甘い飲み物が好き か」は3.0(3.0,4.0),「甘いお菓子が好きか」は3.0 (3.0,4.0)であった。  QOL では,「食事は楽しいか」は3.0(3.0,4.0),「お 茶の時間は楽しいか」は3.0(3.0,3.0)であった。 1 )男女間における食生活の特徴  食生活調査結果について,男女間の比較を行い,有意 差が認められた項目のみ表 5 に示した。男女間で有意な 差が認められた項目は,知識では 2 項目,態度 2 項目, 行動 3 項目,環境要因 5 項目であった。  知識では,「望ましい食生活が健康にとって大切である と思う(p=0.002)」,「砂糖の摂り過ぎが及ぼす身体への 影響を知っている(p=0.031)」の 2 項目で,男性と比べ て女性の方が,有意に平均ランクが高かった。「砂糖の摂 り過ぎが及ぼす身体への影響を知っている」では,女性 で有意に平均ランクが高かったものの,中央値(25,75 パーセンタイル値)は男女とも3.0(3.0,4.0)であっ た。  態度では,「砂糖摂取量のことを考えて食事をすること は大切である(p<0.001)」,「健康のために運動をするこ とができると思う(p=0.001)」の 2 項目で有意な差が認 められ,「砂糖摂取量のことを考えて食事をすることは大 切である」は,女性で有意に平均ランクが高かったもの の,中央値(25,75パーセンタイル値)は男女とも4.0 (3.0,4.0)であった。一方で,「健康のために運動をす ることができると思う」では,男性の方が,有意に平均 ランクが高かった。  行動では,「夕食は食べるか(p=0.001)」,「 1 日に何 回お菓子を食べるか(p=0.005)」,「健康のために運動を している(p<0.001)」の 3 項目で有意な差が認められ, 「 1 日に何回お菓子を食べるか」は女性で有意に平均ラン クが高かったものの,中央値(25,75パーセンタイル値) は男女とも2.0(2.0,3.0)であった。一方で,「夕食は 食べるか」,「健康のために運動をしている」では,男性 の方が,有意に平均ランクが高かった。  環境要因では,「あなたが健康になると家族や大切な人 が喜ぶと思う(p<0.001)」,「栄養教育(ワークショッ プ)に 興 味 が あ る(p=0.031)」,「栄 養 教 育(ワ ー ク ショップ)に参加したいと思う(p=0.001)」,「家族も同 表 2  対象者の平均年齢及び体格 合計 (n=628) 男性 (n=110) 女性 (n=518) Mean(SD) Mean(SD) Mean(SD) 年齢 21.1( 1.7) 21.7( 1.9) 21.0( 1.7) 身長(cm) 159.6( 9.6) 170.6( 6.1) 156.7( 8.2) 体重(kg) 59.5(17.4) 71.8(20.2) 56.3(15.0) BMI† 22.8( 5.1) 24.6( 6.3) 22.4( 4.8)

BMI:Body Mass Index 体重(kg)/身長(m)2

表 3  大学間の男女及び民族の人数と割合 UiTM Puncak Alam†

(n=253) UiTM Dungun‡ (n=377) n(%) n(%) 男性(n=110) 57(22.5) 53(14.1) 女性(n=518) 196(77.5) 322(85.9) マレー系(n=601) 229(92.3) 372(99.7) その他(n=20) 19( 7.7) 1( 0.3)

UiTM Puncak Alam:マラ工科大学プンチャックアラム校 UiTM Dungun:マラ工科大学ドゥングン校

(5)

じ嗜好をもっているか(p=0.007)」,「甘いお菓子が好き か(p=0.043)」の 5 項目で有意な差が認められ,全ての 項目で女性の方が,有意に平均ランクが高かった。「あな たが健康になると家族や大切な人が喜ぶと思う」では, 女性で有意に平均ランクが高かったものの,中央値 (25,75パーセンタイル値)は男女とも4.0(4.0,4.0) であった。 2 )大学間における食生活の特徴  大学間における食生活調査結果について,大学によっ て,男女の構成比が異なるため,大学間の比較を男女別 に行い,有意差が認められた項目のみ表 6 及び表 7 に示 した。大学間で有意な差が認められた項目は,男性は行 動 2 項目,女性は知識では 1 項目,態度 4 項目,行動 5 項目,健康状態 1 項目,環境要因 3 項目であった。 表 4  対象者全体の食生活調査結果 設    問 全 体 n=628 項目 内  容 中央値 (25,75パーセンタイル値) 知識 望ましい食生活が健康にとって大切であると思う 4.0 (4.0,4.0) 飲み物にどのくらい砂糖が入っているか知っている 2.0 (1.0,2.0) 1 日の砂糖摂取量はどのくらいが望ましいか知っている 2.0 (1.8,2.0) 砂糖の摂り過ぎが及ぼす身体への影響を知っている 3.0 (3.0,4.0) 運動は健康に良いと知っている 4.0 (4.0,4.0) 態度 砂糖の摂り過ぎに注意すると健康になれると思う 4.0 (4.0,4.0) 1 日の砂糖摂取量はどのくらいが望ましいか知りたいと思う 3.0 (3.0,4.0) 砂糖摂取量のことを考えて食事をすることは大切である 4.0 (3.0,4.0) お茶の時間に甘さ控えめで注文できそうだと思う 4.0 (3.0,4.0) 砂糖の少ない飲み物を選ぶことができそうだと思う 3.0 (2.0,4.0) 甘いお菓子の間食を控えることができそうだと思う 3.0 (3.0,4.0) 砂糖の摂り過ぎに注意することは簡単だと思う 3.0 (2.0,4.0) 今の食生活を改善しようと思う 3.0 (3.0,4.0) 健康のために運動をすることができると思う 3.0 (3.0,4.0) 行動 朝食は食べるか 2.0 (1.0,3.0) 昼食は食べるか 4.0 (3.8,4.0) 夕食は食べるか 4.0 (3.0,4.0) お茶の時間は 1 日にどのくらいあるか 2.0 (2.0,2.0) 1 日に何回甘い飲み物を飲むか 3.0 (2.0,4.0) 1 日に何回お菓子を食べるか 2.0 (2.0,3.0) お茶の時間に甘さ控えめで注文している 3.0 (2.0,3.0) 飲み物を飲む時,砂糖の少ない飲み物を選んでいる 3.0 (2.0,4.0) 甘いお菓子の間食を控えている 3.0 (2.0,4.0) 飲み物にどのくらい砂糖が入っているか考えて飲み物を選んでいる 3.0 (2.0,3.0) 健康のために運動をしている 2.0 (1.0,3.0) 健康状態 自分の健康状態をどのように感じているか 3.0 (3.0,3.0) 今の食生活に問題を感じている 3.0 (3.0,3.0) 環境要因 あなたが健康になると家族や大切な人が喜ぶと思う 4.0 (4.0,4.0) 栄養教育(ワークショップ)に参加したことがある 4.0 (1.0,4.0) 栄養教育(ワークショップ)に興味がある 3.0 (3.0,4.0) 栄養教育(ワークショップ)に参加したいと思う 3.0 (3.0,4.0) 家族も同じ嗜好をもっているか 3.0 (2.0,4.0) 家族に糖尿病の人はいるか 1.0 (1.0,4.0) 甘い飲み物が好きか 3.0 (3.0,4.0) 甘いお菓子が好きか 3.0 (3.0,4.0) QOL お茶の時間は楽しいか 3.0 (3.0,3.0) 食事は楽しいか 3.0 (3.0,4.0) お茶を飲むと満ち足りた気持ちになるか 3.0 (3.0,4.0) 毎日の生活に満足しているか 3.0 (3.0,3.3)

(6)

表 5  男女の食生活調査結果 設  問 男性 n=110 女性 n=518 p値 † 項目 内  容 中央値 (25,75パ ー セ ン タ イ ル 値) 平均ランク 中央値 (25,75パ ー セ ン タ イ ル 値) 平均ランク 知識 望ましい食生活が健康にとって大切であると思う 4.0 (3. 0,4. 0) 280. 2 4.0 (4. 0,4. 0) 321. 2 0. 002 ** 砂糖の摂り過ぎが及ぼす身体への影響を知っている 3.0 (3. 0,4. 0) 278. 9 3.0 (3. 0,4. 0) 316. 6 0. 031 * 態度 砂糖摂取量のことを考えて食事をすることは大切である 4.0 (3. 0,4. 0) 260. 2 4.0 (3. 0,4. 0) 320. 5 <0. 001 *** 健康のために運動をすることができると思う 4.0 (3. 0,4. 0) 357. 1 3.0 (3. 0,4. 0) 302. 4 0. 001 ** 行動 夕食は食べるか 4.0 (3. 0,4. 0) 358. 5 3.0 (3. 0,4. 0) 303. 3 0. 001 ** 1 日に何回お菓子を食べるか 2.0 (2. 0,3. 0) 271. 0 2.0 (2. 0,3. 0) 320. 7 0. 005 ** 健康のために運動をしている 3.0 (2. 0,3. 0) 387. 4 2.0 (1. 0,3. 0) 294. 5 <0. 001 *** 環境要因 あなたが健康になると家族や大切な人が喜ぶと思う 4.0 (4. 0,4. 0) 279. 3 4.0 (4. 0,4. 0) 315. 4 <0. 001 *** 栄養教育(ワークショップ)に興味がある 3.0 (2. 0,3. 0) 280. 9 3.0 (3. 0,4. 0) 318. 6 0. 031 * 栄養教育(ワークショップ)に参加したいと思う 3.0 (3. 0,3. 0) 262. 0 3.0 (3. 0,4. 0) 319. 6 0. 001 ** 家族も同じ嗜好をもっているか 3.0 (2. 0,3. 0) 270. 0 3.0 (2. 0,4. 0) 318. 0 0. 007 ** 甘いお菓子が好きか 3.0 (2. 0,4. 0) 283. 6 3.0 (3. 0,4. 0) 319. 8 0. 043 * 有意差が認められた項目のみを記載した † Mann-Whitney の U 検定  *** p<0. 001  **p<0. 01  *p<0. 05 表 6  大学間における男性の食生活調査結果 設  問

UiTM Puncak Alam

n=253 UiTM Dungun ‡ n=377 p 値 § 項目 内 容 中央値 (25,75パーセンタイル値) 平均ランク 中央値 (25,75パーセンタイル値) 平均ランク 行動 1 日に何回お菓子を食べるか 2.0 (2. 0,3. 0) 61. 1 2.0 (1. 3,3. 0) 48. 4 0. 025 * 健康のために運動をしている 2.0 (1. 0,3. 0) 47. 5 3.0 (2. 0,3. 0) 60. 9 0. 019 * 有意差が認められた項目のみを記載した †

UiTM Puncak Alam

:マラ工科大学プンチャックアラム校 ‡ UiTM Dungun :マラ工科大学ドゥングン校 § Mann-Whitney の U 検定  *p<0. 05

(7)

7

 大学間における女性の食生活調査結果

設  問

UiTM Puncak Alam

n=253 UiTM Dungun ‡ n=377 p 値 § 項目 内 容 中央値 (25,75パ ー セ ン タ イ ル 値) 平均ランク 中央値 (25,75パ ー セ ン タ イ ル 値) 平均ランク 知識 飲み物を飲む時 , その飲み物にどのくらい砂糖が入って いるか知っている 2.0 (2. 0,2. 0) 273. 0 2.0 (1. 0,2. 0) 248. 2 0. 040 * 態度 お茶の時間に甘さ控えめで注文できそうだと思う 4.0 (3. 0,4. 0) 273. 0 3.0 (3. 0,4. 0) 245. 8 0. 025 * 砂糖の少ない飲み物を選ぶことができそうだと思う 3.0 (3. 0,4. 0) 282. 2 3.0 (2. 0,4. 0) 240. 2 0. 001 ** 甘いお菓子の間食を控えることができそうだと思う 3.5 (3. 0,4. 0) 279. 2 3.0 (3. 0,4. 0) 242. 7 0. 003 ** 砂糖の摂り過ぎに注意することは簡単だと思う 3.0 (3. 0,4. 0) 300. 4 3.0 (2. 0,3. 0) 229. 1 <0. 001 *** 行動 1 日に何回お菓子を食べるか 2.0 (2. 0,3. 0) 236. 7 3.0 (2. 0,3. 0) 270. 2 0. 008 ** お茶の時間に甘さ控えめで注文している 3.0 (2. 0,3. 0) 280. 9 3.0 (2. 0,3. 0) 245. 7 0. 006 ** 飲み物を飲む時,砂糖の少ない飲み物を選んでいる 3.0 (3. 0,4. 0) 280. 5 3.0 (2. 0,4. 0) 244. 5 0. 005 ** 甘いお菓子の間食を控えている 3.0 (3. 0,4. 0) 280. 9 3.0 (2. 0,4. 0) 243. 2 0. 003 ** 飲 み 物 に ど のく らい 砂 糖 が 入 っ て い る か 考 え て 飲み 物 を 選んでいる 3.0 (2. 0,3. 0) 287. 3 2.0 (1. 0,3. 0) 237. 9 <0. 001 *** 健康状態 自分の健康状態をどのように感じているか 3.0 (3. 0,3. 0) 237. 8 3.0 (3. 0,3. 0) 263. 8 0. 025 * 環境要因 栄養教育(ワークショップ)に参加したことがある 1.0 (1. 0,4. 0) 210. 0 4.0 (1. 0,4. 0) 284. 2 <0. 001 *** 甘い飲み物が好きか 3.0 (2. 0,4. 0) 236. 3 3.0 (3. 0,4. 0) 272. 0 0. 005 ** 甘いお菓子が好きか 3.0 (2. 0,4. 0) 241. 9 3.0 (3. 0,4. 0) 269. 3 0. 031 *

有意差が認められた項目のみを記載した † UiTM Puncak Alam

:マラ工科大学プンチャックアラム校 ‡ UiTM Dungun :マラ工科大学ドゥングン校 § Mann-Whitney の U 検定  *** p<0. 001  **p<0. 01  *p<0. 05

(8)

 大学間における男性について,行動の「 1 日に何回お 菓子を食べるか(p=0.025)」,「健康のために運動をして いる(p=0.019)」の 2 項目で有意差が認められ,「 1 日 に何回お菓子を食べるか」では UiTM Puncak Alam の方 が,有意に平均ランクが高く,「健康のために運動をして いる」では UiTM Dungun の方が,有意に平均ランクが 高かった。  大学間における女性について,知識では,「飲み物にど のくらい砂糖が入っているか知っている(p=0.040)」の 1 項目で有意な差が認められ,「飲み物にどのくらい砂糖 が入っているか知っている」では UiTM Puncak Alam の 方が,有意に平均ランクが高かった。  大学間における女性の態度では,「お茶の時間に甘さ控 えめで注文できそうだと思う(p=0.025)」,「砂糖の少な い飲み物を選ぶことができそうだと思う(p=0.001)」, 「甘いお菓子の間食を控えることができそうだと思う (p=0.003)」,「砂糖の摂り過ぎに注意することは簡単だ と思う(p<0.001)」の 4 項目で有意な差が認められ, 4 項目とも UiTM Puncak Alam の方が,有意に平均ランク が高く,UiTM Dungun の方が,有意に平均ランクが低 かった。  大学間における女性の行動では,「 1 日に何回お菓子を 食べるか(p=0.008)」,「お茶の時間に甘さ控えめで注文 している(p=0.006)」,「飲み物を飲む時,砂糖の少ない 飲み物を選んでいる(p=0.005)」,「甘いお菓子の間食を 控えている(p=0.003)」,「飲み物にどのくらい砂糖が 入っているか考えて飲み物を選んでいる(p<0.001)」の 5 項目で有意な差が認められ,「 1 日に何回お菓子を食べ るか」では UiTM Dungun の方が,有意に平均ランクが 高かった。一方で,「お茶の時間に甘さ控えめで注文して いる」,「飲み物を飲む時,砂糖の少ない飲み物を選んで いる」,「甘いお菓子の間食を控えている」,「飲み物にど のくらい砂糖が入っているか考えて飲み物を選んでいる」 では UiTM Puncak Alam の方が,有意に平均ランクが高 く,UiTM Dungun の方が低かった。「お茶の時間に甘さ 控えめで注文している」では,UiTM Puncak Alam で有 意に平均ランクが高かったものの,中央値(25,75パー センタイル値)はどちらも3.0(2.0,3.0)であった。  大学間における女性の健康状態では,「自分の健康状態 をどのように感じているか(p=0.025)」の 1 項目で有意 な差が認められ,UiTM Dungun で有意に平均ランクが 高かったものの,中央値(25,75パーセンタイル値)は どちらも3.0(3.0,3.0)であった。  大学間における女性の環境要因では,「栄養教育(ワー クショップ)に参加したことがある(p<0.001)」,「甘い 飲み物が好きか(p=0.005)」,「甘いお菓子が好きか (p=0.031)」の 3 項目で有意な差が認められ,全ての項 目で UiTM Dungun の方が,有意に平均ランクが高かっ た。 3 .飲料摂取調査  対象者全体の飲料摂取状況を表 8 に示した。飲料摂取 頻度について,水の摂取頻度が高く,対象者全体で 82.0%の学生が「毎日 2 回以上飲む」と回答した。紅茶 (コンデンスミルク入り)は,対象者全体で「毎日 1 回以 上飲む」と回答した学生が22.1%,紅茶(砂糖入り)は 22.5%,麦芽飲料は19.4%と,他の水以外の飲料に比べ 「毎日 1 回以上飲む」の割合が高かった。一方で,砂糖な しの飲料は,紅茶(砂糖なし)で「全然飲まない」と回 答した学生が83.9%,コーヒー(砂糖なし)で「全然飲 まない」と回答した学生が88.9%と,「全然飲まない」の 割合が高かった。 1 )男女間における飲料摂取状況  飲料摂取状況の男女間の比較を行った(表 8 )。男女間 で有意な差が認められた飲料は,紅茶(砂糖・レモン入 り),紅茶(砂糖なし),コーヒー(コンデンスミルク入 り),コーヒー(砂糖入り),コーヒー(砂糖なし),炭酸 飲料,豆乳,中国茶(砂糖なし)の 8 種類であった。そ れらの飲料は,男性より女性の方が「全然飲まない」の 割 合 が,そ れ ぞ れ 62.3%,85.0%,63.3%,73.5%, 91.8%,69.0%,71.9%,95.1%と高かった。 2 )大学間における飲料摂取状況  飲料摂取状況の大学間の比較を男女別に行った。男性 では有意な差は認められなかった。大学間における女性 の飲料摂取状況について,有意差が認められた飲料のみ 表 9 に示した。女性では,大学間で有意な差が認められ た飲料は,紅茶(コンデンスミルク入り),紅茶(砂糖入 り),紅茶(砂糖なし),シロップジュース,緑茶(砂糖 入り),緑茶(砂糖なし),中国茶(砂糖入り),中国茶 (砂糖なし)の 8 種類であった。紅茶(コンデンスミルク 入り),紅茶(砂糖入り),シロップジュース,緑茶(砂 糖入り)で UiTM Dungun が UiTM Puncak Alam より 「全然飲まない」の割合が,それぞれ28.7%,30.0%, 51.1%,54.4%と低かった。一方,紅茶(砂糖なし),緑 茶(砂糖なし),中国茶(砂糖入り),中国茶(砂糖なし) で UiTM Dungun が UiTM Puncak Alam より「全然飲ま ない」の割合が,それぞれ89.1%,87.7%,95.3%, 96.9%と高かった。

(9)

表 8  対象者全体及び男女の飲料摂取状況 飲料の種類 回答 n全体=628 n男子=110 n女子=518 p値 † n(%) n(%) n(%) 水 水 全然飲まない 8( 1.3) 2( 1.8) 6( 1.2)  0.90 ときどき飲む 26( 4.2) 4( 3.7) 22( 4.3) 毎日 1 回程度 78(12.5) 15(13.8) 63(12.3) 毎日 2 回以上 510(82.0) 88(80.7) 422(82.3) 紅茶 紅茶(コンデンスミルク入り) 全然飲まない 204(32.9) 25(22.9) 179(35.0)  0.084 ときどき飲む 280(45.1) 54(49.5) 226(44.1) 毎日 1 回程度 114(18.4) 24(22.0) 90(17.6) 毎日 2 回以上 23( 3.7) 6( 5.5) 17( 3.3) 紅茶(砂糖入り) 全然飲まない 201(32.4) 25(23.1) 176(34.4)  0.13 ときどき飲む 279(45.0) 53(49.1) 226(44.1) 毎日 1 回程度 110(17.7) 23(21.3) 87(17.0) 毎日 2 回以上 30( 4.8) 7( 6.5) 23( 4.5) 紅茶(砂糖・レモン入り) 全然飲まない 369(59.2) 49(45.0) 320(62.3)  0.001 ** ときどき飲む 198(31.8) 41(37.6) 157(30.5) 毎日 1 回程度 44( 7.1) 14(12.8) 30( 5.8) 毎日 2 回以上 12( 1.9) 5( 4.6) 7( 1.4) 紅茶(砂糖なし) 全然飲まない 523(83.9) 85(78.7) 438(85.0)  0.034 * ときどき飲む 60( 9.6) 15(13.9) 45( 8.7) 毎日 1 回程度 28( 4.5) 3( 2.8) 25( 4.9) 毎日 2 回以上 12( 1.9) 5( 4.6) 7( 1.4) コーヒー コーヒー(コンデンスミルク入り) 全然飲まない 368(59.0) 42(38.5) 326(63.3) <0.001 *** ときどき飲む 179(28.7) 46(42.2) 133(25.8) 毎日 1 回程度 58( 9.3) 16(14.7) 42( 8.2) 毎日 2 回以上 19( 3.0) 5( 4.6) 14( 2.7) コーヒー(砂糖入り) 全然飲まない 434(69.7) 56(51.4) 378(73.5) <0.001 *** ときどき飲む 129(20.7) 40(36.7) 89(17.3) 毎日 1 回程度 46( 7.4) 9( 8.3) 37( 7.2) 毎日 2 回以上 14( 2.2) 4( 3.7) 10( 1.9) コーヒー(砂糖なし) 全然飲まない 553(88.9) 82(75.2) 471(91.8) <0.001 *** ときどき飲む 51( 8.2) 19(17.4) 32( 6.2) 毎日 1 回程度 14( 2.3) 5( 4.6) 9( 1.8) 毎日 2 回以上 4( 0.6) 3( 2.8) 1( 0.2) 麦芽飲料 麦芽飲料 全然飲まない 236(37.9) 40(36.7) 196(38.1)  0.38 ときどき飲む 266(42.7) 52(47.7) 214(41.6) 毎日 1 回程度 80(12.8) 9( 8.3) 71(13.8) 毎日 2 回以上 41( 6.6) 8( 7.3) 33( 6.4) ジュース シロップジュース 全然飲まない 329(53.4) 50(46.3) 279(54.9)  0.11 ときどき飲む 198(32.1) 42(38.9) 156(30.7) 毎日 1 回程度 65(10.6) 9( 8.3) 56(11.0) 毎日 2 回以上 24( 3.9) 7( 6.5) 17( 3.3) 果物ジュース 全然飲まない 300(48.3) 43(39.4) 257(50.2)  0.11 ときどき飲む 250(40.3) 52(47.7) 198(38.7) 毎日 1 回程度 55( 8.9) 9( 8.3) 46( 9.0) 毎日 2 回以上 16( 2.6) 5( 4.6) 11( 2.1) 炭酸飲料 全然飲まない 406(65.3) 52(47.7) 354(69.0) <0.001 *** ときどき飲む 169(27.2) 47(43.1) 122(23.8) 毎日 1 回程度 36( 5.8) 9( 8.3) 27( 5.3) 毎日 2 回以上 11( 1.8) 1( 0.9) 10( 1.9) 豆乳 豆乳 全然飲まない 428(68.9) 60(55.0) 368(71.9)  0.004 ** ときどき飲む 145(23.3) 38(34.9) 107(20.9) 毎日 1 回程度 32( 5.2) 6( 5.5) 26( 5.1) 毎日 2 回以上 16( 2.6) 5( 4.6) 11( 2.1) 緑茶 緑茶(砂糖入り) 全然飲まない 378(60.9) 69(63.3) 309(60.4)  0.48 ときどき飲む 158(25.4) 30(27.5) 128(25.0) 毎日 1 回程度 63(10.1) 8( 7.3) 55(10.7) 毎日 2 回以上 22( 3.5) 2( 1.8) 20( 3.9) 緑茶(砂糖なし) 全然飲まない 514(83.0) 89(81.7) 425(83.3)  0.71 ときどき飲む 64(10.3) 14(12.8) 50( 9.8) 毎日 1 回程度 30( 4.8) 5( 4.6) 25( 4.9) 毎日 2 回以上 11( 1.8) 1( 0.9) 10( 2.0) 中国茶 中国茶(砂糖入り) 全然飲まない 574(92.9) 95(88.0) 479(93.9)  0.16 ときどき飲む 32( 5.2) 10( 9.3) 22( 4.3) 毎日 1 回程度 9( 1.5) 2( 1.9) 7( 1.4) 毎日 2 回以上 3( 0.5) 1( 0.9) 2( 0.4) 中国茶(砂糖なし) 全然飲まない 584(94.0) 96(88.9) 488(95.1)  0.023 * ときどき飲む 25( 4.0) 9( 8.3) 16( 3.1) 毎日 1 回程度 8( 1.3) 1( 0.9) 7( 1.4) 毎日 2 回以上 4( 0.6) 2( 1.9) 2( 0.4) † χ2 検定 ***p<0.001 **p<0.01 *p<0.05

(10)

Ⅳ.考  察

1 .マレーシアにおける大学生の食生活の特徴 1 )食生活調査  食生活調査について,対象者全体では,運動と健康と の関わりや食生活の大切さについては理解しているが, 砂糖摂取量に関する知識は乏しいことが分かった。ま た,砂糖の摂り過ぎに注意したり,砂糖摂取量を考えて 食事することは大切だと理解はしているが,砂糖の少な い飲料を選ぶなどのセルフ・エフィカシーや,砂糖の摂 り過ぎに関する行動コントロール感が低いことが示唆さ れた。朝食の欠食が昼食や夕食の欠食よりも多いことが 分かった。マレーシアでは,食事(朝食,昼食,夕食) 以外に 1 日に数回の“ミヌム(morning tea,evening tea,supper)”の時間を取ることがあり10),朝食を欠食 している学生は,“ミヌム(morning tea)”の時間に軽食 を摂っている可能性も考えられる。また,健康になると 家族や大切な人が喜ぶと考えている人が多く,主観的規 範が高い傾向がみられた。  女性は,砂糖摂取について意識が高い傾向で,栄養教 育ワークショップへの関心も高かった。また,女性の方 がお菓子を食べる回数が多い一方で,夕食を食べていな い傾向があることが分かった。運動については,男性が 興味を持ち積極的に行っている傾向がみられた。 表 9  大学間における女性の飲料摂取状況

飲料の種類 UiTM Puncak Alam

n=196 n(%) UiTM Dungun‡ n=322 n(%) p値 § 紅茶 紅茶(コンデンスミルク入り) 全然飲まない 87(45.3) 92(28.7) 0.001 ** ときどき飲む 72(37.5) 154(48.1) 毎日 1 回程度 26(13.5) 64(20.0) 毎日 2 回以上 7( 3.6) 10( 3.1) 紅茶(砂糖入り) 全然飲まない 80(41.7) 96(30.0) 0.035 * ときどき飲む 80(41.7) 146(45.6) 毎日 1 回程度 26(13.5) 61(19.1) 毎日 2 回以上 6( 3.1) 17( 5.3) 紅茶(砂糖なし) 全然飲まない 152(78.4) 286(89.1) 0.003 ** ときどき飲む 21(10.8) 24( 7.5) 毎日 1 回程度 17( 8.8) 8( 2.5) 毎日 2 回以上 4( 2.1) 3( 0.9) ジュース シロップジュース 全然飲まない 116(61.4) 163(51.1) 0.038 * ときどき飲む 56(29.6) 100(31.3) 毎日 1 回程度 13( 6.9) 43(13.5) 毎日 2 回以上 4( 2.1) 13( 4.1) 緑茶 緑茶(砂糖入り) 全然飲まない 135(70.3) 174(54.4) <0.001 *** ときどき飲む 46(24) 82(25.6) 毎日 1 回程度 8( 4.2) 47(14.7) 毎日 2 回以上 3( 1.6) 17( 5.3) 緑茶(砂糖なし) 全然飲まない 147(76.2) 278(87.7) 0.005 ** ときどき飲む 25(13.0) 25( 7.9) 毎日 1 回程度 14( 7.3) 11( 3.5) 毎日 2 回以上 7( 3.6) 3( 0.9) 中国茶 中国茶(砂糖入り) 全然飲まない 177(91.7) 302(95.3) 0.025 * ときどき飲む 13( 6.7) 9( 2.8) 毎日 1 回程度 1( 0.5) 6( 1.9) 毎日 2 回以上 2( 1.0) 0( 0.0) 中国茶(砂糖なし) 全然飲まない 178(92.2) 310(96.9) 0.048 * ときどき飲む 10( 5.2) 6( 1.9) 毎日 1 回程度 3( 1.6) 4( 1.3) 毎日 2 回以上 2( 1.0) 0( 0.0) 有意差が認められた飲料のみを記載した

UiTM Puncak Alam:マラ工科大学プンチャックアラム校 UiTM Dungun:マラ工科大学ドゥングン校

(11)

 大学間では,男性の UiTM Dungun の学生は,運動し ている傾向がみられ,グラウンドなど運動できる環境の 有 無 が 要 因 で あ る と 考 え ら れ る。女 性 で は,UiTM Dungunの学生は,SSB やお菓子を好み,砂糖摂取に関 するセルフ・エフィカシーが低い傾向がみられた。マ レー料理には砂糖が使用されることが多いが,特にトレ ンガヌ州やクランタン州などの東海岸の料理は,砂糖が 多く使用されていると言われている20)。SSB だけではな く,料理に含まれている砂糖量にも注意を促す必要があ ると考えた。 2 )飲料摂取調査  飲料摂取調査については,水の摂取頻度が高く,2014 年の MANS8)。と同様の結果であった。マレーシア食生 活指針では,“少なくとも 6 ~ 8 杯の水を飲みましょう” と推奨しており10,21),水を飲む習慣がついていると推察 する。また,紅茶(コンデンスミルク入り),紅茶(砂糖 入り),麦芽飲料などの砂糖やコンデンスミルクを加えた 飲料の摂取頻度が高かった。一方で,紅茶(砂糖なし), コーヒー(砂糖なし)などの砂糖なしの飲料の摂取頻度 が低かった。SSB と体重増加については,レビューが報 告されており22),SSB の摂取頻度の高さは将来的に体重 増加や肥満の進展を招く恐れがあると考えられる。  女性は,紅茶(砂糖なし),コーヒー(砂糖なし),中 国茶(砂糖なし)などの砂糖なしの飲料の摂取頻度が低 く,男性より無糖飲料を好まない傾向がみられた。2003 年及び2014年の MANS では,コンデンスミルクを加え た飲料を特に男性が多く飲んでいるという報告23~25) あるが,紅茶(コンデンスミルク入り)について,男女 とも摂取頻度が高いことが分かった。マレーシアではイ ギリス統治時代から紅茶の栽培が行われていることか ら26),紅茶(コンデンスミルク入り)は,身近な飲料で あることが考えられる。摂取頻度や注文方法について は,男女ともに注意を促す必要があると考えた。  大学間では,女性で UiTM Dungun が紅茶(コンデン スミルク入り),紅茶(砂糖入り),シロップジュースな どの SSB の摂取頻度が高い一方で,砂糖なしの飲料や中 国茶の摂取頻度は低い傾向であった。これは,大学内や 周辺の食環境の差が影響していると考えられる。UiTM Puncak Alamは,2014年にスランゴール州 Shah Alam か ら移転したばかりの新しいキャンパスで,Puncak Alam の街から約 5 km であるが,街もまだ開発途中である。 そのため,大学周辺にはスーパーや飲食店などが少な く,学生は学内のフードコートや売店で購入して飲食し ている。一方,UiTM Dungun は,1975年に開校した大 学である。半島東海岸に位置し,街からは約 7 km と離 れているが,大学周辺や海沿いには多くの飲食店が点在 している。SSB の摂取頻度については,友人と“ミヌム” の際に飲食店に行きやすいかといった大学の立地が関係 していると考えられる。また,UiTM Puncak Alam があ るスランゴール州は人口の50%がマレー系であるのに対 し,UiTM Dungun があるトレンガヌ州は人口の95%が マレー系である。中国茶については,トレンガヌ州には 中華系やインド系が好む食品や飲料を販売する店が限ら れていることや,地方部であるトレンガヌ州には大型の スーパーマーケットは州都であるクアラトレンガヌにあ るのみで,Dungun など地方小都市では,販売されてい る食品や飲料の種類が限られていることが,砂糖なしの 飲料や中国茶の摂取頻度に影響していると推察する。し たがって,大学内や周辺の食環境を考慮した飲料選択の 提案をする必要がある。  BMI は,男性の方が女性より,BMI が高い傾向であっ た。2014年の MANS の結果では,18歳から59歳までの 男女の平均 BMI は25.6であり27),若年層より中年層に おいて BMI が高値である可能性も考えられる。そのた め,若年層の早い段階での栄養教育プログラムによる介 入が必要であると考える。 2 .本研究の限界  本研究の限界として以下の点が挙げられる。  第 1 に,本調査の対象地域はマレーシア(半島マレー シア)の 2 校に限られており,マレーシア人の同年齢全 体の代表的な集団とは言えない点である。  第 2 に,本調査では男女の人数が男性110名,女性518 名と,女性の方が多くなった点である。マレーシアの高 等教育における就学率は女性の方が高い28)ことも要因で あると思われるが,今後は,男女の比率を考慮した大学 や学部の選択が必要であると考える。  第 3 に,本調査は本人の認識や自己判断の回答に基づ いており,実際の行動状況について把握しきれていない 点である。  以上のような限界は有するものの,マレーシアにおけ る大学生の食生活や飲料摂取状況の現状を把握し,その 特徴の一端を明らかにすることができたと考える。

Ⅴ.結  論

 マレーシアにおける大学生の食生活の特徴として,砂 糖摂取量に関する知識が乏しいことが分かった。女性 は,砂糖摂取についての意識や栄養教育ワークショップ への関心も高く,男性は,運動について興味を持ち積極 的に行っている傾向がみられた。

(12)

 飲料摂取について,水の摂取頻度が高い一方で,紅茶 (コンデンスミルク入り,砂糖入り),麦芽飲料などの SSBの摂取頻度も高いことが示唆された。女性は,砂糖 なしの飲料の摂取頻度が低く,紅茶(コンデンスミルク 入り,砂糖入り)や紅茶(砂糖入り)は,男女ともに摂 取頻度が高かった。今後は,これらの特徴をふまえ,マ レーシアにおける大学生を対象とした栄養教育介入を検 討したい。

謝  辞

 本研究の実施にあたり,ご協力いただきましたマラ工 科大学ドゥングン校,マラ工科大学プンチャックアラム 校の学生の皆様に心から感謝申し上げます。また,調査 用紙作成にご協力いただいたマレーシアクランタン大学 の篠原俊治様及び農業専門学校セルダン校の Meriam Ishak様,調査実施に当たり多大なご協力をいただきま

したマラ工科大学の Dr. Ahmad Esa Abdul Rahman 様, Dr. Mohd Hairi Jalis様,Tajulirrus Mohammad 様, Amirudin Bin Mohd Zani様及び Azmi Bin Mat 様に深く 感謝いたします。さらには,本研究を理解し,調査の実 施の場を提供してくださったマラ工科大学に感謝申し上 げます。

利益相反

 利益相反に関わる事項はない。

文  献

1) WHO: The top 10 causes of death, https://www.who.int/ en/news-room/fact-sheets/detail/the-top-10-causes-of-death (2021年 2 月 3 日)

2) WHO: Noncommunicable diseases, http://www.who.int/ health-topics/noncommunicable-diseases(2021年 2 月 3 日)

3) WHO: WHO opens public consultation on draft sugars guideline, http://who.int/mediacentre/news/notes/2014/ consultation-sugar-guideline/en/(2021年 2 月 3 日) 4) WHO: Global status report on noncommunicable

diseases 2014, https://apps.who.int/iris/bitstream/han dle/10665/148114/9789241564854_eng.pdf?sequence=1 (2021年 2 月 3 日)

5) WHO: Noncommunicable Diseases Country Profiles 2014,https://apps.who.int/iris/bitstream/handle/ 10665/128038/9789241507509_eng.pdf;sequence=1(2021 年 2 月 3 日)

6) FAO: Fiji/FAO Asia Pacific Sugar Conference Fiji, 29-31 October 1997, http://www.fao.org/3/X0513E/x0513e22. htm(2021年 2 月 3 日)

7) 独立行政法人農畜産業振興機構:マレーシアの砂糖産

業の概要,https://sugar.alic.go.jp/world/lmc/0205mly. htm#2(2021年 2 月 3 日)

8) Ministry of Health Malaysia: Key Findings of Recent Food Consumption and Nutrition Sur veys in ASEAN, Malaysian Adult Nutrition Survey 2014,http://ilsisea- region.org/wp-content/uploads/sites/21/2016/06/07.-Mr.-Mohamad-Hasnan.pdf(2021年 2 月 3 日)

9) Ministr y of Health Malaysia: National Health and Morbidity Survey 2014, Malaysian Adult Nutrition Survey (MANS)Volume II, Survey Findings,http://www.iku. gov.my/images/IKU/Document/REPORT/NHMS2014-MANS-VOLUME-2-SurveyFindings.pdf(2021年 2 月 3 日) 10) Tee E Siong: Malaysian Diet The Plain Truth, pp. 9–119

(2015)University of Malaya Press, Kuala Lumpur 11) Bermudez, O.I., Gao, X.: Greater consumption of

sweetened beverages and added sugars is associated with obesity among US young adults, Ann. Nutr. Metab., 57, 211–218(2010)

12) Block, J.P., Matthew, W.G., Stephanie, K.L., et al.: "If it tastes good, I'm drinking it": qualitative study of beverage consumption among college students, J. Adolesc. Health,

52, 702–706(2013)

13) Rader, R.K., Mullen, K.B., Sterkel, R., et al.: Opportunities to reduce children's excessive consumption of calories from beverages, Clin. Pediatr., 53, 1047–1054(2014)

14) 小野沢純:ブミプトラ政策多民族国家マレーシアの開 発ジレンマ,マレーシア研究,1,2–36(2012)

15) Isoldi, K.K., Dolar, V.: Blending better beverage options: a nutrition education and experiential workshop for youths,

J. Obes., 2015, 1–9(2015) 16) 澤田樹美,武見ゆかり,村山伸子,他:職場における トランスセオレティカルモデルを応用した食環境介入と 栄養教育の統合プログラムの開発と評価,日本健康教育 学会誌,17,54–70(2009) 17) 溝口景子,武見ゆかり,足立己幸:若年勤労男性の 「仕事意識の良好さ」と食生活ならびに労働生活との関連 ─都内医療機器メーカー男子社員の事例─,栄養学雑 誌,62,269–283(2004) 18) 會退友美,赤松利恵,林 芙美,他:成人期の食に関 する主観的 QOL(subjective diet-related quality of life (SDQOL))と食知識,食習慣の関連─男女による比較検

討─,栄養学雑誌,71,163–170(2013)

19) 中村正和,増居志津子,萩本明子,他:e ラーニング を活用した禁煙支援・治療のための指導者トレーニング の有用性,日本健康教育学会誌,25,180–194(2017) 20) Koh, B.: BEKWOH, p. 11(2015)Xochipilli, Singapore 21) Ministr y of Health Malaysia: Malaysian Dietar y

Guidelines, for Children and Adolescents, https://www. moh.gov.my/moh/resources/auto%20download%20 images/589d765c1b95f.pdf(2021年 2 月 3 日)

22) Malik, V.S., Schulze, M.B., Hu, F.B.: Intake of sugar sweetened beverages and weight gain:a systematic review,

Am.J.Clin.Nutr., 84, 274–288(2006)

23) Mohamad, Kasim, N., Ahmad, M.H., Baharudin, A.B.: Food choices among Malaysian adults: Findings from Malaysian Adults Nutrition Survey(MANS)2003 and

(13)

MANS 2014, Mal. J. Nutr., 24, 63–75(2018)

24) Amarra, M.S.V., Khor, G.L., Chan, P.: Intake of added sugar in Malaysia: a review, Asia Pac. J. Clin. Nutr., 25, 227–240(2016)

25) Lee, Y.Y., Wan Muda W.A.M.: Dietar y intakes and obesity of Malaysian adults, Nutr. Res. Pract., 13, 159–168 (2019)

26) 石毛直道:食の文化地理─舌のフィールドワーク(朝 日選書),pp. 214–220(1995)朝日新聞社,東京

27) Baharudin, A., Ahmad, M.H., Mohd Zaki, N.A., et al.: Changes in nutritional status among Malaysian adults population from 2003 to 2014, Southeast Asian J. Trop. Med.

Public Health, 48, 682–689(2017)

28) Ministr y of education Malaysia:Quick Facts 2018: Malaysia Educational Statistics, p. 35(2018)Ministry of education Malaysia, Putrajaya

(14)

Questionnaire Survey Results of the Current Dietary Lifestyles



and Beverage Consumption of University Students



in Malaysia

Chinatsu Tobari

*

1,

*

3

and Masako Takamasu

*

2 *1Graduate School of Human Life Science, Japan Women's University

*2Faculty of Human Sciences and Design, Japan Women's University

*3Department of Health and Nutrition, University of Human Arts and Sciences



ABSTRACT

Objective: This study aimed to understand the status of dietary lifestyles and beverage consumption

among university students in Malaysia and to identify their characteristics.

Methods: Dietary lifestyle and beverage consumption surveys were conducted between March and April

2019 with 632 students from MARA University of Technology (Universiti Teknologi MARA:UiTM) Dungun in Terengganu State and UiTM Puncak Alam in Selangor State, Malaysia.  The question-naire responses of the dietary lifestyle survey were scored, and the Mann-Whitney U test was used to compare the differences between groups, between male and female students as well as between universities.  The results of the beverage consumption survey were tabulated by item, and a χ2 test was conducted.

Results: The dietary lifestyle survey revealed that all subjects understood the relationship between

exer-cise and health and the importance of eating habits.  However, they lacked knowledge related to sugar intake.  Moreover, the subjects skipped more breakfasts than lunches or dinners.  Female students demonstrated a high awareness of sugar intake and a strong interest in nutrition education workshops, while male students tended to be interested and actively engaged in exercise.  The beverage consumption survey revealed a high water consumption frequency among all subjects.  Furthermore, the frequency of consuming sugar-sweetened beverages (SSB), such as black tea with condensed milk or sugar and malted beverages, was high.  Female students consumed sugar-free beverages less frequently than male students.

Conclusion: Issues related to sugar intake and SSB consumption frequency among student subjects

became evident in the present study.

Jpn. J. Nutr. Diet., 79 (2) 76~89 (2021)

Key words:sugar intake, Malaysia, sugar-sweetened beverages (SSB), beverage consumption frequency,

表 3  大学間の男女及び民族の人数と割合 UiTM Puncak Alam †
表 8  対象者全体及び男女の飲料摂取状況 飲料の種類 回答 全体 n=628 男子 n=110 女子 n=518 p 値  † n(%) n(%) n(%) 水 水 全然飲まない 8(  1.3) 2(  1.8) 6(  1.2)  0.90 ときどき飲む 26(  4.2) 4(  3.7) 22(  4.3) 毎日 1 回程度 78(12.5) 15(13.8) 63(12.3) 毎日 2 回以上 510(82.0) 88(80.7) 422(82.3) 紅茶 紅茶(コンデンスミルク入り) 全然飲ま

参照

関連したドキュメント

2 調査結果の概要 (1)学校給食実施状況調査 ア

手話の世界 手話のイメージ、必要性などを始めに学生に質問した。

児童生徒の長期的な体力低下が指摘されてから 久しい。 文部科学省の調査結果からも 1985 年前 後の体力ピーク時から

事後調査では、ムラサキイガイやコウロエンカワヒバリガイ等の外来種や東京湾の主要な 赤潮形成種である Skeletonema

目名 科名 種名 学名.. 目名 科名

生活環境別の身体的特徴である身長、体重、体

②障害児の障害の程度に応じて厚生労働大臣が定める区分 における区分1以上に該当するお子さんで、『行動援護調 査項目』 資料4)

認知症診断前後の、空白の期間における心理面・生活面への早期からの