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総合型地域スポーツクラブの課題と可能性 -友遊いずみクラブの実践活動から学ぶ-

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【目次】

はじめに Ⅰ章 総合型地域スポーツクラブとは Ⅱ章 統計に見る総合型地域スポーツクラブ Ⅲ章 友遊いずみクラブの実践活動 Ⅳ章 まとめ  おわりに 参考資料等

はじめに

 スポーツやイベントを通して住民の交流を深めようと いう取り組みが数多く行われ、近年積極的にスポーツ活 動に取り組もうとする人も増加してきている。「生涯学習」 という言葉と同様に「生涯スポーツ」という言葉も浸透 している。生涯スポーツ社会の実現に向けた取り組みと して「総合型地域スポーツクラブ」という言葉も聞かれ るようになった。ここ十数年の間に全国各地の市町村に 数多く設置されるようになり、栃木県内においてもここ 数年の間に総合型地域スポーツクラブが急速に普及して いる。  本稿では、その実態はどのようなものなのか、既存の スポーツクラブとの違いは何なのかを明らかにしていく

■研究生による研究成果報告

総合型地域スポーツクラブの課題と可能性

−友遊いずみクラブの実践活動から学ぶ−

The Issues and Potential of Comprehensive Community Sports Club

A Case of Practice of YU-YU IZUMI Club -

君 健一郎

Kenichiro KIMI

※ 大田原市立佐良土小学校 こととする。そして、総合型地域スポーツクラブについ ての設立までの経緯や課題、設立するとどのような効果 があり、どのような可能性が秘められているのか、また 学校部活動や地域とどのように連携し、地域住民とどの ような結び付きがあるのかなどを探っていきたい。

Ⅰ章 総合型地域スポーツクラブとは

1 節 総合型地域スポーツクラブとは

 総合型地域スポーツクラブとは、身近な地域で誰もが いつでもいつまでも気軽にいろいろなスポーツに親しむ ことのできる新しいスポーツシステムのことをいう。そ の運営は、行政が主として行うのではなく、地域住民の 自主的な運営を目指している。文部科学省が平成7年度 から 15 年度までの 9 年間、「総合型地域スポーツクラブ モデル事業」として実施し、全国に広まった。また、スポー ツ振興基本計画(平成 13 年∼ 22 年)の施策の一つとし て、「2010 年(平成 22 年)までに全国の市町村におい て少なくとも1つは総合型クラブを育成する」という政 策目標が掲げられ、全国に急速に普及していった。  主な特徴としては、①多種目(やりたいスポーツを複 数の種目活動できる)②多世代(幼児から高齢者まで家 族や仲間、障がいの有無にかかわらす誰でも誰とでも) ③多志向(初心者からトップレベルまで、自分にあった レベルで)の3つの多様性が挙げられる。その他にも、 ④質の高い指導者がいて個々のスポーツニーズに応じて 指導が行われることや⑤スポーツ活動だけでなく、でき れば文化的活動も準備されているといった特徴も兼ね備 えている。 42 (2) この実践で明確になったこと ア 中学生の社会参加は、中学生が地域社会の一員 としての自覚を深めながら、社会形成に主体的に参 画していこうとする意欲を高める上で有効に働く こと。 イ 中学生の社会参加は、中学生と一緒に活動する 地域の大人にとっても、成人教育の場としても十分 に機能し得るということ。 ウ 中学生の社会参加は、運営中学生が プレ市民 として、地域社会で生きていく上で必要な素養を学 ぶトレーニングの場となり得ること  特に上述のウは特筆に値する。1980 年代半ばに、「教 育行政の生涯学習体系への移行」が唱えられ、30 年近く が経過しようとしているにもかかわらず、未だに 子ど もの学び に関しては、学校教育を中心とする教育観は、 多くの人の心に根強い。「中学生は勉強や部活動で多忙で あるから、社会参加は難しいだろう」という当初の意見は、 そうした風潮の現れと解釈できるだろう。しかし、予想 に反して、平成 24 年度 1 年間だけで延べ 300 人を超え る多くの中学生が地域行事で活躍した。多くの中学生が その楽しさや素晴らしさを味わい、多くの気付きを得た。 次代を担う主役にふさわしい経験と知恵を学びとった中 学生もいた。したがって、中学生の社会参加は、「地域イ ベントを運営する新たな労働力の誕生」というレベルで の理解をはるかに越えて、「次代の担い手(=プレ市民) として必要となる素養を身に付けるための トレーニン グの場(学習機会) 」というレベルにおいて理解してい くことが重要である。  そうである以上、この中学生の社会参加を「学校教育 を補完する取組」と位置づけることは、本実践を必要以 上に矮小化させてしまう危険性がある。「13 ∼ 15 歳の 子どもたちの社会的自立に向けた、地域社会で行われる 重要な学習機会」という文脈において捉えていくと同時 に、地域社会で活動する子どもたちを「13 ∼ 15 歳の市 民(=プレ市民)」「地域の青年たち」等の用語で子ども たちを捉えていこうとする意識―――「中学生」という 用語は、児童生徒という用語と同様、学校教育サイドか ら子どもたちを類型化する用語であるため、地域社会で 活躍する子どもの姿を表現する時は用いないようにしよ うとする意識―――が今後重要となるのではないか。 (3) 将来に向けた展望 ア 社会参加から社会参画へと向かい、企画段階か ら活躍できる力量を身につけさせること イ 中学生の社会参加を「まちづくりに欠かせない 若い力(=パートナー)の誕生」ととらえる雰囲気 を、より一層涵養していくこと。(=中学生の社会 参加を、安価な労働力の誕生と見做さない地域住民 を増やすこと。) ウ 青年教育へと連結させ、明日の時代の確かな担 い手へと養成していくこと  特に、上述のウは最も重要である。本実践の目的のひ とつは、地域社会で活躍できる機会を中学生に提供する ことであったが、決してそれは最終ゴールではない。 活 躍機会 は、中学校 3 年間という短いスパンで捉えるべ きものではなく、 まちづくりのリーダー まちの将来 的な担い手養成 という長期的なスパンで捉えられるべ きものである。このことは、中学生の社会参加を、「社会 教育の主要な一分野をなす青年教育へと連結させていこ う」ということを意味する。改めて言うまでもなく、青 年教育とは、青年層の地域住民の共同化・組織化を援助 する教育のことであり、青年の主体形成(成長と自立) を応援しながら、明日の時代のたしかな担い手へと養成 していこうということである。様々な団体 ・ グループが 多数存在していることは、まちづくりが進んでいる地域 のバロメーターのひとつと言われているが、青年層の共 同化 ・ 組織化(=自分の暮らすまちの今と未来に関心を 寄せる青年団)を促進することは、青年教育の衰退・消 滅という声も聞かれる今日、社会教育行政にとって必要 不可欠な視点である。中学生の社会参加を 青年教育の 充実へとつながるファーストステージ と施策の中に適 切に位置付け、青年層になっても活躍できる環境醸成と 条件整備に努める姿勢が、今まさにチームに求められて いる。

<参考文献>

[1] 文部科学省『平成 24 年度児童生徒の問題行動等生徒 指導上の諸問題に関する調査』2013(平成 25)年 12 月 [2] 日本青少年研究所『中学生 ・ 高校生の生活と意識調査 報告書』2009(平成 21)年 2 月 [3] ロジャー ・ ハート『子どもの参画―コミュニティづく りと身近な環境ケアへの参画のための理論と実践』(木 下勇 ・ 田中治彦 ・ 南博文 [ 監修 ],IPA日本支部 [ 訳 ]) 萌文社,2000(平成 12)年

(2)

 各協力団体や指導者と常に意見交換や調整を行い、 クラブ運営が安定的に活動できるようにすること ◇「事務処理をする」能力 様々な事務処理を公正かつ円滑に遂行していくこと

Ⅱ章 統計に見る栃木県の総合型

地域スポーツクラブの活動状況

 ここでは、栃木県における総合型地域スポーツクラブ の育成状況やクラブの特徴などを調査結果をもとに見て いくことにする。以下に提示する調査結果は、文部科学 省による「平成24年度総合型地域スポーツクラブ活動 状況調査∼栃木県集計結果∼」の資料をもとに筆者がグ ラフに作成し直したものである。

1節 広域スポーツセンターの役割

 文部科学省のスポーツ振興基本計画の施策において 2010 年までに各都道府県において少なくとも1つは広 域スポーツセンターを育成するという目標があり、栃木 県では 2006 年(平成 18 年)4 月から県教育委員会スポー ツ振興課内に広域スポーツセンターを設立し、業務が開 始された。現在2名の担当者で総合型地域スポーツクラ ブの創設や運営の支援をしている。主な業務内容として は、 ①クラブの育成・運営に関する巡回訪問の実施 ②クラブマネージャー養成講習会を年に数回開催し、ク ラブ運営に必要な人材を育成する。 ③総合型地域スポーツクラブ連絡協議会や交流会を開催 し、クラブ間の横のつながりを強化・促進する。 ④クラブに関する広報活動や啓発活動を通して総合型地 域スポーツクラブの県民の認知度を高める。 ⑤スポーツリーダーバンクに登録されたスポーツ指導者 の活用を促進する。 などが挙げられる。

2節 全国の総合型地域スポーツクラブの 

育成状況

 2012 年(平成 24 年)の文部科学省の調査によると、 全国に 3,396 のクラブが 1,362 の市町村に育成されてい る。クラブ育成率は平均 78.2%となり、100%達成して いる県は秋田、富山、兵庫、島根、佐賀、長崎、大分の 7 県である。栃木県の育成率は、84.6%で全国で 21 位 である。  100 以上育成している都道府県は兵庫、北海道、愛知、 東京の4都県である。特に兵庫県は、832 育成されていて、 2 位の北海道の 137 を大きく上回り突出している。これ は、ほぼ小学校区に1つクラブが存在していることにな る。兵庫が阪神淡路大震災による教訓をもとに地域コミュ ニティーのより一層の強化を図るため、コミュニティー センターを整備し、そこを拠点として地域に開放し、い ち早くこの事業に着手したことが要因と考えられる。兵 庫が県をあげて総合型クラブの育成で地域の活性化につ なげていこうとしていることが分かる。

3節 県内の総合型地域スポーツクラブの 

現状

  (1)育成状況の推移  県内には平成 24 年 7 月現在、48 のクラブが登録され ている。図1は、総合型クラブの創設年ごとにグラフ化 したものである。平成 18 年頃から 6 年間に渡り、5 団 体以上が育成され急速に普及してきたことがわかる。  ここで注目すべきことは、何故平成 18 年なのかとい う点である。平成 18 年は県の広域スポーツセンターが 開設された年であり、そのため多くの自治体がその開設 に合わせて育成に力を入れて準備を進めてきたためだと 思われる。また、平成 22 年までに市町村に1つは総合 型クラブを育成するという国の目標に少しでも近づけよ うとする自治体の努力がうかがえる。 (2)市町村別育成状況  図2は、県内市町の育成数を市町ごとに分類したもの である。足利市は、県内でもいち早く育成に取り組んだ 市であり、現在9つと最も多い。次いで宇都宮市、佐野 市と続く。  26 市町のうち 22 の市町で育成されており、育成率 は 84.6%で全国で 21 位。全国平均のクラブ育成率の 1 1 0 1 2 5 1 6 8 6 5 6 5 1 0 2 4 6 8 10 H 8 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 図 1 県内の総合型クラブ創設の推移

2 節 歴史的背景

 地域のスポーツクラブを中心にスポーツ活動が行われ てきたヨーロッパ諸国に比べ、日本のスポーツは、主に 学校や行政そして企業を中心に行われてきた。今までは 組織や団体の構造上、同一世代のメンバーでしかも単一 のスポーツを中心に活動することがメインとなっていた。 しかし、現代社会において今までのスポーツ環境では十 分に対応しきれない問題が浮き彫りとなってきた。それ だけ日本のスポーツを取り巻く環境が大きく様変わりし てきているのである。そのために新しいスポーツクラブ のシステム作りが必要とされてきたのである。総合型地 域スポーツクラブの必要性については以下のとおりであ る。  第一に、自然環境や社会の変化により異年齢集団での 遊びが影を潜めてきたことである。本来子どもたちは、 自然環境を利用したり、身近な広場や空き地、公園や公 共施設などで遊びを通して体力を身に付けてきた。しか し時代の流れともに徐々にそのような場が減少し、低年 齢での生活習慣病の増加や子供の体力の低下、運動をす る子としない子の二極化が起きている。  第二に、少子高齢化の問題である。学校の部活動では 少子化による児童生徒数の減少に伴い、部活動の種目数 が減少している。自分がやりたくてもその種目が学校に 存在しなかったり、自分のやりたい部活動を求めて、転 校してしまったりするケースも目立つようになった。さ らに、学校間で部員を補充しながら連合チームで活動す る場合もある。また、若手の教員が不足し、指導者が高 齢化するなど適正な指導が受けられない状況も深刻な問 題である。既存の地域スポーツクラブでは部員が固定化 され高齢化が進み、後継者が育たずに活動が停滞してい ところもある。また地域においては、住民の高齢化によ る過疎化や衰退化、住民相互の人間関係の希薄化などが 課題となっている。  第三に、先の見えない長引く不況の影響である。企業 スポーツではその影響による財務状況の悪化や生き残り をかけるための合併や人員の削減などの社会構造の変化 に伴い、企業スポーツが衰退し、廃部に追い込まれている。 既存のスポーツクラブなどを支援してきた行政において も悪化する財務状況や住民の多様化するスポーツのニー ズに十分に応えられなくなってきている。  このような社会情勢の変化を踏まえ、将来のスポーツ 振興のビジョンを明確にし、より地域に密着したこれか らの時代にフィットする新しいスポーツ活動のしくみを 考えていくことが必要となったのである。

3 節 クラブマネージャーの存在

(1)クラブマネージャーとは  総合型クラブを運営していくにあたり、クラブマネー ジャーの存在は欠かせない。名前のとおりクラブの経営 管理(マネジメント)を行う立場の人であり、クラブの 財政状況から指導者、活動プログラムの活動状況、各種 目や団体との連絡調整など幅広く全体を把握している人 物のことを言う。 (2)クラブマネージャーの役割   クラブマネージャーはそのクラブの顔とも言える中心 人物である。まさに企業の経営者と同義であるといえる。 すべての会員がスポーツを楽しむことができるように会 員の声に耳を傾けて気を配ったり、常に活動プログラム がより良いものになるよう改善や開発に努めたり、あら ゆる運営に精通していなくてなならない。しかし、一人 で全てを動かすことは到底できないし、それではワンマ ン経営となり、クラブ自体が長く存続していかない。そ のためクラブの運営をサポートする様々な人材を発掘し たり、育成したりすることも重要な役割となってくる。  地域には様々なスポーツ指導者や審判員の資格を持って いる人、茶道や音楽・書道等文化的な資格を有している人、 財務・経理や事務手続きに詳しい人やコンピュータによ る情報処理に詳しい人等、様々な知識や経験、ノウハウ や人脈を持った人がたくさんいるはずである。そのよう な人材を様々な角度からあらゆる人脈によるネットワー クを駆使して、運営に関わる人材をいかに発掘し、クラ ブ経営に協力してもらえるようにするかが、クラブマネー ジャーの大きな役割ともいえる。設立の段階からクラブ 経営が円滑に運営できるかどうかはクラブを運営するス タッフが重要な鍵となる。  クラブマネージャーの資質については、『文部科学省 HP 総合型地域スポーツクラブ育成マニュアル』による と以下の 5 つにまとめることができる。  ◇「現状を把握する」能力  地域ではどのようなスポーツニーズがあるのか等 具体的な現状把握を行うこと  ◇「説明する」能力  クラブの目的や活動について、地域住民にわかり やすく説明すること  ◇「コミュニケーション」能力  子どもから高齢者まで気軽に誰とでもコミュニ ケーションをとることができること  ◇「調整する」能力

(3)

45  各協力団体や指導者と常に意見交換や調整を行い、 クラブ運営が安定的に活動できるようにすること ◇「事務処理をする」能力 様々な事務処理を公正かつ円滑に遂行していくこと

Ⅱ章 統計に見る栃木県の総合型

地域スポーツクラブの活動状況

 ここでは、栃木県における総合型地域スポーツクラブ の育成状況やクラブの特徴などを調査結果をもとに見て いくことにする。以下に提示する調査結果は、文部科学 省による「平成24年度総合型地域スポーツクラブ活動 状況調査∼栃木県集計結果∼」の資料をもとに筆者がグ ラフに作成し直したものである。

1節 広域スポーツセンターの役割

 文部科学省のスポーツ振興基本計画の施策において 2010 年までに各都道府県において少なくとも1つは広 域スポーツセンターを育成するという目標があり、栃木 県では 2006 年(平成 18 年)4 月から県教育委員会スポー ツ振興課内に広域スポーツセンターを設立し、業務が開 始された。現在2名の担当者で総合型地域スポーツクラ ブの創設や運営の支援をしている。主な業務内容として は、 ①クラブの育成・運営に関する巡回訪問の実施 ②クラブマネージャー養成講習会を年に数回開催し、ク ラブ運営に必要な人材を育成する。 ③総合型地域スポーツクラブ連絡協議会や交流会を開催 し、クラブ間の横のつながりを強化・促進する。 ④クラブに関する広報活動や啓発活動を通して総合型地 域スポーツクラブの県民の認知度を高める。 ⑤スポーツリーダーバンクに登録されたスポーツ指導者 の活用を促進する。 などが挙げられる。

2節 全国の総合型地域スポーツクラブの 

育成状況

 2012 年(平成 24 年)の文部科学省の調査によると、 全国に 3,396 のクラブが 1,362 の市町村に育成されてい る。クラブ育成率は平均 78.2%となり、100%達成して いる県は秋田、富山、兵庫、島根、佐賀、長崎、大分の 7 県である。栃木県の育成率は、84.6%で全国で 21 位 である。  100 以上育成している都道府県は兵庫、北海道、愛知、 東京の4都県である。特に兵庫県は、832 育成されていて、 2 位の北海道の 137 を大きく上回り突出している。これ は、ほぼ小学校区に1つクラブが存在していることにな る。兵庫が阪神淡路大震災による教訓をもとに地域コミュ ニティーのより一層の強化を図るため、コミュニティー センターを整備し、そこを拠点として地域に開放し、い ち早くこの事業に着手したことが要因と考えられる。兵 庫が県をあげて総合型クラブの育成で地域の活性化につ なげていこうとしていることが分かる。

3節 県内の総合型地域スポーツクラブの 

現状

  (1)育成状況の推移  県内には平成 24 年 7 月現在、48 のクラブが登録され ている。図1は、総合型クラブの創設年ごとにグラフ化 したものである。平成 18 年頃から 6 年間に渡り、5 団 体以上が育成され急速に普及してきたことがわかる。  ここで注目すべきことは、何故平成 18 年なのかとい う点である。平成 18 年は県の広域スポーツセンターが 開設された年であり、そのため多くの自治体がその開設 に合わせて育成に力を入れて準備を進めてきたためだと 思われる。また、平成 22 年までに市町村に1つは総合 型クラブを育成するという国の目標に少しでも近づけよ うとする自治体の努力がうかがえる。 (2)市町村別育成状況  図2は、県内市町の育成数を市町ごとに分類したもの である。足利市は、県内でもいち早く育成に取り組んだ 市であり、現在9つと最も多い。次いで宇都宮市、佐野 市と続く。  26 市町のうち 22 の市町で育成されており、育成率 は 84.6%で全国で 21 位。全国平均のクラブ育成率の 1 1 0 1 2 5 1 6 8 6 5 6 5 1 0 2 4 6 8 10 H 8 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 図 1 県内の総合型クラブ創設の推移 44

2 節 歴史的背景

 地域のスポーツクラブを中心にスポーツ活動が行われ てきたヨーロッパ諸国に比べ、日本のスポーツは、主に 学校や行政そして企業を中心に行われてきた。今までは 組織や団体の構造上、同一世代のメンバーでしかも単一 のスポーツを中心に活動することがメインとなっていた。 しかし、現代社会において今までのスポーツ環境では十 分に対応しきれない問題が浮き彫りとなってきた。それ だけ日本のスポーツを取り巻く環境が大きく様変わりし てきているのである。そのために新しいスポーツクラブ のシステム作りが必要とされてきたのである。総合型地 域スポーツクラブの必要性については以下のとおりであ る。  第一に、自然環境や社会の変化により異年齢集団での 遊びが影を潜めてきたことである。本来子どもたちは、 自然環境を利用したり、身近な広場や空き地、公園や公 共施設などで遊びを通して体力を身に付けてきた。しか し時代の流れともに徐々にそのような場が減少し、低年 齢での生活習慣病の増加や子供の体力の低下、運動をす る子としない子の二極化が起きている。  第二に、少子高齢化の問題である。学校の部活動では 少子化による児童生徒数の減少に伴い、部活動の種目数 が減少している。自分がやりたくてもその種目が学校に 存在しなかったり、自分のやりたい部活動を求めて、転 校してしまったりするケースも目立つようになった。さ らに、学校間で部員を補充しながら連合チームで活動す る場合もある。また、若手の教員が不足し、指導者が高 齢化するなど適正な指導が受けられない状況も深刻な問 題である。既存の地域スポーツクラブでは部員が固定化 され高齢化が進み、後継者が育たずに活動が停滞してい ところもある。また地域においては、住民の高齢化によ る過疎化や衰退化、住民相互の人間関係の希薄化などが 課題となっている。  第三に、先の見えない長引く不況の影響である。企業 スポーツではその影響による財務状況の悪化や生き残り をかけるための合併や人員の削減などの社会構造の変化 に伴い、企業スポーツが衰退し、廃部に追い込まれている。 既存のスポーツクラブなどを支援してきた行政において も悪化する財務状況や住民の多様化するスポーツのニー ズに十分に応えられなくなってきている。  このような社会情勢の変化を踏まえ、将来のスポーツ 振興のビジョンを明確にし、より地域に密着したこれか らの時代にフィットする新しいスポーツ活動のしくみを 考えていくことが必要となったのである。

3 節 クラブマネージャーの存在

(1)クラブマネージャーとは  総合型クラブを運営していくにあたり、クラブマネー ジャーの存在は欠かせない。名前のとおりクラブの経営 管理(マネジメント)を行う立場の人であり、クラブの 財政状況から指導者、活動プログラムの活動状況、各種 目や団体との連絡調整など幅広く全体を把握している人 物のことを言う。 (2)クラブマネージャーの役割   クラブマネージャーはそのクラブの顔とも言える中心 人物である。まさに企業の経営者と同義であるといえる。 すべての会員がスポーツを楽しむことができるように会 員の声に耳を傾けて気を配ったり、常に活動プログラム がより良いものになるよう改善や開発に努めたり、あら ゆる運営に精通していなくてなならない。しかし、一人 で全てを動かすことは到底できないし、それではワンマ ン経営となり、クラブ自体が長く存続していかない。そ のためクラブの運営をサポートする様々な人材を発掘し たり、育成したりすることも重要な役割となってくる。  地域には様々なスポーツ指導者や審判員の資格を持って いる人、茶道や音楽・書道等文化的な資格を有している人、 財務・経理や事務手続きに詳しい人やコンピュータによ る情報処理に詳しい人等、様々な知識や経験、ノウハウ や人脈を持った人がたくさんいるはずである。そのよう な人材を様々な角度からあらゆる人脈によるネットワー クを駆使して、運営に関わる人材をいかに発掘し、クラ ブ経営に協力してもらえるようにするかが、クラブマネー ジャーの大きな役割ともいえる。設立の段階からクラブ 経営が円滑に運営できるかどうかはクラブを運営するス タッフが重要な鍵となる。  クラブマネージャーの資質については、『文部科学省 HP 総合型地域スポーツクラブ育成マニュアル』による と以下の 5 つにまとめることができる。  ◇「現状を把握する」能力  地域ではどのようなスポーツニーズがあるのか等 具体的な現状把握を行うこと  ◇「説明する」能力  クラブの目的や活動について、地域住民にわかり やすく説明すること  ◇「コミュニケーション」能力  子どもから高齢者まで気軽に誰とでもコミュニ ケーションをとることができること  ◇「調整する」能力

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40%、「体育協会からのすすめ」35.6% となっている。  「広域スポーツセンターからのすすめ」が 8.9% と数値 としては意外と少ない。広域スポーツセンターは、自治 体や体育協会と連携を図っているので、多くのクラブに おいても設立のきっかけとして間接的には広域スポーツ センターとも深い関わりがあると考えられる。  「自主的に設立した団体」が 24.4%あり、「地域住民の 声」がきっかけとなった団体も 13.3% ある。行政主体で なく、地域住民の手によって運営されていくのが総合型 地域スポーツクラブの本来の姿であるので、近年、各市 町にほぼ一つはクラブが育成され、これから成熟する時 期を迎えるにあたり、今後ますます、行政に頼らずに地 域住民が中心となって設立する団体が増えていく可能性 がある。 (5)クラブ創設時の形態  図5は、クラブ創設時にどのような形態から総合型 ク ラブに移行したのかをグラフにまとめたものである。「活 動母体がなく新設したもの」42.2%、「複合クラブを統合」 が、22.2%、「単一クラブから増設」22.2% となっている。 「その他」が、13.3% となっている。  「活動母体がなく新設した団体」が、42.2% と一番多い。 このことからも自治体や体育協会からの支援やモデル事 業としての要請を受けて新しく設立した団体が多いこと が分かる(*図4参照)。また、複数クラブを統合する団 体なども団体との調整などがあるため、自治体等の支援 を受けて設立していると考えられる。単一の団体から種 目数を増設して設立した団体は、行政の手を借りずに自 主的に創設した団体が多いと考えられる。しかし、地域 住民からの声と言うよりは、その団体の中からの要望を 受けて設立しているのではないだろうか。「その他」の 13.3% の内訳を詳しく見てみると、「親父の会」や「発起 人会」、「町会体育部」、「体育協会との連携」など、とある。 その形態は様々であるが、これらの団体は自主的に創設 した団体であり、しかも地域住民の声や要請があったた めに立ち上がった団体である可能性が高い。地域でのス ポーツ活動の意識がさらに高まれば、今後は、その他の ような新しい形態での団体が増えていくのではないかと 予想できる。 (6)クラブ創設時の課題  図6は、クラブの創設時にどのような課題があったの かをまとめたものである。 「指導者の確保」が、68.9% と最も多く、「既存団体と の調整」66.7%、「財源の確保」64.4%、「会費の設定」 55.8%と続いている。  「指導者や財源の確保」、「既存の団体との施設を巡る調 整」などが 6 割を超える多くの団体で課題となっており、 クラブ立ち上げの時の苦労がうかがえる。「クラブマネー ジャーの確保」は、20% と多くない。これは創設の段階 でクラブマネージャーが既に存在しているためである。 クラブ運営に大切な3要素(人、もの、金)を集め、そ れをどのように効率良く機能させていくのかが大切なの である。この3要素は、会員や指導者(人)、活動拠点施 設や様々な用具類(もの)、会費や財源(金)と分類する ことができ、これらの項目は課題として割合が高いこと からも運営においても重要な部分であることが分かる。 (7)会員の世代別割合  図7は、各クラブの会員の年代別人数の割合を表した ものである。未就学児、小学生、中学生、高校生、18 歳∼ 20 代、30 代、40 代、50 代、60 代、70 代以上の 10 項目に分類し、栃木県と全国との割合を比較してみた。 22.2% 22.2% 42.2% 13.3% 」ᩘࢡࣛࣈࢆ⤫ྜ ༢୍ࢡࣛࣈ࠿ࡽቑタ ᪂タ ࡑࡢ௚ 図 5 クラブ創設時の形態 51.1% 66.7% 46.7% 55.6% 57.8% 68.9% 20.0% 42.2% 64.4% 28.9% 11.1% 44.4% 8.9% 8.9% ‽ഛጤဨ఍࡞࡝ࡢ⤌⧊໬ ᪤Ꮡᅋయ࡜ࡢㄪᩚ άືᣐⅬ᪋タࡢ☜ಖ ఍ဨࡢ☜ಖ ఍㈝ࡢタᐃ ᣦᑟ⪅ࡢ☜ಖ ࢡࣛࣈ࣐ࢿ࣮ࢪ࣮ࣕࡢ☜ಖ ஦ົᒁဨࡢ☜ಖ ㈈※ࡢ☜ಖ ✀┠㛫ࡢㄪᩚ ୡ௦㛫ࡢㄪᩚ ⾜ᨻ࡜ࡢㄪᩚ Ꮫᰯ㛵ಀ⪅ࡢ⌮ゎ ࡑࡢ௚ 図 6 クラブ創設時の課題                                ᰣᮌ┴ ඲ᅜ ᮍᑵᏛඣ ᑠᏛ⏕ ୰Ꮫ⏕ 㧗ᰯ⏕ 㸯㸷㹼㸰㸷 㸱㸮㹼㸱㸷 㸲㸮㹼㸲㸷 㸳㸮㹼㸳㸷 㸴㸮㹼㸴㸷 ௨ୖ ᑠᏛ⏕ ୰ Ꮫ ⏕ 㧗 ᰯ ⏕ ᮍ ᑵ Ꮫ 㹼㸰㸷 㸱㸮㹼㸱㸷 㸲㸮㹼㸲㸷 㸳㸮㹼㸳㸷 㸴㸮㹼㸴㸷 㸵㸮㹼 図 7 年代別会員数の割合(全国との比較) 78.2%を大きく上回っている。関東では 2 位の東京の 80.6%を4ポイントも上回り、トップの育成率となって いる。益子町では平成 25 年度から活動が始まり、大田 原市でも現在育成準備中であることから今後数年のあい だには育成率が 100%に達成することが予想される。  人口が約 16 万人と宇都宮(50 万人)についで県内で 2 番目に多い小山市は、平成 20 年に創設された 1 団体 のみである。小山市は最近では、水泳に萩野公介選手の 活躍に見られるように数多くのトップアスリートが誕生 するスポーツの盛んなまちでもある。総合型クラブが育 成されない背景には、地域での単一スポーツクラブが盛 んに行われているがゆえに、クラブ間の調整がうまく図 れなかったり、住民の理解が得られなかったり、総合型 クラブの必要性があまり感じられないことによるものと 思われる。 (3)スポーツの実施率の推移  図3は、「県政世論調査」(栃木県 平成 24 年度調査) による「県民のスポーツ実施率」を年代ごとにグラフに まとめたものである。   平 成 24 年 度 の 調 査 で は、 週 に 3 日 以 上 行 っ た が 18.4%、週に1・2日行ったが 18.3%となり、合計する と 36.7%となる。スポーツ振興基本計画の政策目標にお いて成人の週1日以上のスポーツ実施率が 50%となるこ とを目指すとした目標を現在も下回っている。これは、 平成 16 年に内閣府(旧総理府)が実施した「体力・スポー ツに関する世論調査」の全国の成人の週1日以上のスポー ツ実施率 38.5%よりも低い結果となっている。このこと からも全国に比べても栃木県民のスポーツ実施率が低い ことがわかる。しかし、(1)と同様に平成 18 年を境に 実施率が、着実に上がってきていることが分かる。広域 スポーツセンターが開設し、総合型地域スポーツクラブ が普及していった平成 18 年以降、多少の増減はあるも のの 30%を超え、徐々に実施率も上がってきている。  平成 24 年に文科省において「スポーツ基本計画」が 策定され、成人の週1回以上のスポーツ実施率の目標値 が 3 人に 2 人(65%程度)と決められた。これは以前の 内閣府の世論調査(平成 21 年 9 月)の成人の週1回以 上のスポーツ実施率が 45.3%となり、概ね 50% に達成 したために目標数値が上昇したと思われる。また新たに 週3回以上の実施率を3人に2人(30%程度)とするこ とやスポーツ未実施者がゼロに近づくことも新たな目標 として付け加えられた。  グラフを見ていくと、毎年実施率があがってきている ことから一定の効果が得られていることがわかる。栃木 県は、総合型地域スポーツクラブの育成率は全国平均を 上回ってはいるが、スポーツ実施率が全国平均より低い ことから、県民がよりスポーツ活動に取り組む事業展開 が必要となっている。さらに総合型クラブの育成を図る ことはもちろんのこと、身近に気軽にスポーツができる 施設や環境を整備したり、県民へのスポーツ活動への啓 発を促進したりしながら、生涯スポーツに親しむ県民を 増やしていくことが大切であろう。 (4)クラブ設立のきっかけ  図4は、どのようなきっかけでクラブが設立してのか をグラフにしたものである。一番多いのが「自治体か らすすめ」で 62.2%、次に「体育指導員からのすすめ」 9 7 7 3 2 3 2 2 1 1 1 0 0 0 2 1 1 1 1 1 1 1 1 0 0 0 0 3 6 9 12 ㊊฼ᕷ Ᏹ㒔ᐑᕷ బ㔝ᕷ 㮵἟ᕷ ᰣᮌᕷ ୗ㔝ᕷ ▮ᯈᕷ ᪥ගᕷ ᑠᒣᕷ 㑣㡲ሷཎᕷ ࡉࡃࡽᕷ ኱⏣ཎᕷ ┿ᒸᕷ 㑣㡲ⅲᒣᕷ 㧗᰿ἑ⏫ ୖ୕ᕝ⏫ ᕷ㈅⏫ ኉⏕⏫ 㔝ᮌ⏫ ᒾ⯚⏫ ሷ㇂⏫ 㑣㡲⏫ 㑣⌃ᕝ⏫ ┈Ꮚ⏫ ⱱᮌ⏫ ⰾ㈡⏫ 図 2 市町ごとの育成数 24.4% 62.2% 35.6% 40.0% 8.9% 13.3% ᪤Ꮡᅋయ࠿ࡽ⮬୺ⓗ࡟タ❧ ⮬἞య࠿ࡽࡢࡍࡍࡵ య⫱༠఍࠿ࡽࡢࡍࡍࡵ య⫱ᣦᑟဨ࠿ࡽࡢࡍࡍࡵ ᗈᇦࢫ࣏࣮ࢶࢭࣥࢱ࣮࠿ࡽࡢࡍࡍࡵ ᆅᇦఫẸࡢኌ 26.6% 27.0% 30.1% 28.5% 30.3% 32.0% 30.1% 35.2% 34.2% 37.0% 36.7% 0.0% 5.0% 10.0% 15.0% 20.0% 25.0% 30.0% 35.0% 40.0% ᖹᡂ㸯㸲 ᖹᡂ㸯㸳 ᖹᡂ㸯㸴 ᖹᡂ㸯㸵 ᖹᡂ㸯㸶 ᖹᡂ㸯㸷 ᖹᡂ㸰㸮 ᖹᡂ㸰㸯 ᖹᡂ㸰㸰 ᖹᡂ㸰㸱 ᖹᡂ㸰㸲 図 3 県民の週1日以上のスポーツ実施率の推移 図 4 クラブ設立のきっかけ

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47 40%、「体育協会からのすすめ」35.6% となっている。  「広域スポーツセンターからのすすめ」が 8.9% と数値 としては意外と少ない。広域スポーツセンターは、自治 体や体育協会と連携を図っているので、多くのクラブに おいても設立のきっかけとして間接的には広域スポーツ センターとも深い関わりがあると考えられる。  「自主的に設立した団体」が 24.4%あり、「地域住民の 声」がきっかけとなった団体も 13.3% ある。行政主体で なく、地域住民の手によって運営されていくのが総合型 地域スポーツクラブの本来の姿であるので、近年、各市 町にほぼ一つはクラブが育成され、これから成熟する時 期を迎えるにあたり、今後ますます、行政に頼らずに地 域住民が中心となって設立する団体が増えていく可能性 がある。 (5)クラブ創設時の形態  図5は、クラブ創設時にどのような形態から総合型 ク ラブに移行したのかをグラフにまとめたものである。「活 動母体がなく新設したもの」42.2%、「複合クラブを統合」 が、22.2%、「単一クラブから増設」22.2% となっている。 「その他」が、13.3% となっている。  「活動母体がなく新設した団体」が、42.2% と一番多い。 このことからも自治体や体育協会からの支援やモデル事 業としての要請を受けて新しく設立した団体が多いこと が分かる(*図4参照)。また、複数クラブを統合する団 体なども団体との調整などがあるため、自治体等の支援 を受けて設立していると考えられる。単一の団体から種 目数を増設して設立した団体は、行政の手を借りずに自 主的に創設した団体が多いと考えられる。しかし、地域 住民からの声と言うよりは、その団体の中からの要望を 受けて設立しているのではないだろうか。「その他」の 13.3% の内訳を詳しく見てみると、「親父の会」や「発起 人会」、「町会体育部」、「体育協会との連携」など、とある。 その形態は様々であるが、これらの団体は自主的に創設 した団体であり、しかも地域住民の声や要請があったた めに立ち上がった団体である可能性が高い。地域でのス ポーツ活動の意識がさらに高まれば、今後は、その他の ような新しい形態での団体が増えていくのではないかと 予想できる。 (6)クラブ創設時の課題  図6は、クラブの創設時にどのような課題があったの かをまとめたものである。 「指導者の確保」が、68.9% と最も多く、「既存団体と の調整」66.7%、「財源の確保」64.4%、「会費の設定」 55.8%と続いている。  「指導者や財源の確保」、「既存の団体との施設を巡る調 整」などが 6 割を超える多くの団体で課題となっており、 クラブ立ち上げの時の苦労がうかがえる。「クラブマネー ジャーの確保」は、20% と多くない。これは創設の段階 でクラブマネージャーが既に存在しているためである。 クラブ運営に大切な3要素(人、もの、金)を集め、そ れをどのように効率良く機能させていくのかが大切なの である。この3要素は、会員や指導者(人)、活動拠点施 設や様々な用具類(もの)、会費や財源(金)と分類する ことができ、これらの項目は課題として割合が高いこと からも運営においても重要な部分であることが分かる。 (7)会員の世代別割合  図7は、各クラブの会員の年代別人数の割合を表した ものである。未就学児、小学生、中学生、高校生、18 歳∼ 20 代、30 代、40 代、50 代、60 代、70 代以上の 10 項目に分類し、栃木県と全国との割合を比較してみた。 22.2% 22.2% 42.2% 13.3% 」ᩘࢡࣛࣈࢆ⤫ྜ ༢୍ࢡࣛࣈ࠿ࡽቑタ ᪂タ ࡑࡢ௚ 図 5 クラブ創設時の形態 51.1% 66.7% 46.7% 55.6% 57.8% 68.9% 20.0% 42.2% 64.4% 28.9% 11.1% 44.4% 8.9% 8.9% ‽ഛጤဨ఍࡞࡝ࡢ⤌⧊໬ ᪤Ꮡᅋయ࡜ࡢㄪᩚ άືᣐⅬ᪋タࡢ☜ಖ ఍ဨࡢ☜ಖ ఍㈝ࡢタᐃ ᣦᑟ⪅ࡢ☜ಖ ࢡࣛࣈ࣐ࢿ࣮ࢪ࣮ࣕࡢ☜ಖ ஦ົᒁဨࡢ☜ಖ ㈈※ࡢ☜ಖ ✀┠㛫ࡢㄪᩚ ୡ௦㛫ࡢㄪᩚ ⾜ᨻ࡜ࡢㄪᩚ Ꮫᰯ㛵ಀ⪅ࡢ⌮ゎ ࡑࡢ௚ 図 6 クラブ創設時の課題                                ᰣᮌ┴ ඲ᅜ ᮍᑵᏛඣ ᑠᏛ⏕ ୰Ꮫ⏕ 㧗ᰯ⏕ 㸯㸷㹼㸰㸷 㸱㸮㹼㸱㸷 㸲㸮㹼㸲㸷 㸳㸮㹼㸳㸷 㸴㸮㹼㸴㸷 ௨ୖ ᑠᏛ⏕ ୰ Ꮫ ⏕ 㧗 ᰯ ⏕ ᮍ ᑵ Ꮫ 㹼㸰㸷 㸱㸮㹼㸱㸷 㸲㸮㹼㸲㸷 㸳㸮㹼㸳㸷 㸴㸮㹼㸴㸷 㸵㸮㹼 図 7 年代別会員数の割合(全国との比較) 46 78.2%を大きく上回っている。関東では 2 位の東京の 80.6%を4ポイントも上回り、トップの育成率となって いる。益子町では平成 25 年度から活動が始まり、大田 原市でも現在育成準備中であることから今後数年のあい だには育成率が 100%に達成することが予想される。  人口が約 16 万人と宇都宮(50 万人)についで県内で 2 番目に多い小山市は、平成 20 年に創設された 1 団体 のみである。小山市は最近では、水泳に萩野公介選手の 活躍に見られるように数多くのトップアスリートが誕生 するスポーツの盛んなまちでもある。総合型クラブが育 成されない背景には、地域での単一スポーツクラブが盛 んに行われているがゆえに、クラブ間の調整がうまく図 れなかったり、住民の理解が得られなかったり、総合型 クラブの必要性があまり感じられないことによるものと 思われる。 (3)スポーツの実施率の推移  図3は、「県政世論調査」(栃木県 平成 24 年度調査) による「県民のスポーツ実施率」を年代ごとにグラフに まとめたものである。   平 成 24 年 度 の 調 査 で は、 週 に 3 日 以 上 行 っ た が 18.4%、週に1・2日行ったが 18.3%となり、合計する と 36.7%となる。スポーツ振興基本計画の政策目標にお いて成人の週1日以上のスポーツ実施率が 50%となるこ とを目指すとした目標を現在も下回っている。これは、 平成 16 年に内閣府(旧総理府)が実施した「体力・スポー ツに関する世論調査」の全国の成人の週1日以上のスポー ツ実施率 38.5%よりも低い結果となっている。このこと からも全国に比べても栃木県民のスポーツ実施率が低い ことがわかる。しかし、(1)と同様に平成 18 年を境に 実施率が、着実に上がってきていることが分かる。広域 スポーツセンターが開設し、総合型地域スポーツクラブ が普及していった平成 18 年以降、多少の増減はあるも のの 30%を超え、徐々に実施率も上がってきている。  平成 24 年に文科省において「スポーツ基本計画」が 策定され、成人の週1回以上のスポーツ実施率の目標値 が 3 人に 2 人(65%程度)と決められた。これは以前の 内閣府の世論調査(平成 21 年 9 月)の成人の週1回以 上のスポーツ実施率が 45.3%となり、概ね 50% に達成 したために目標数値が上昇したと思われる。また新たに 週3回以上の実施率を3人に2人(30%程度)とするこ とやスポーツ未実施者がゼロに近づくことも新たな目標 として付け加えられた。  グラフを見ていくと、毎年実施率があがってきている ことから一定の効果が得られていることがわかる。栃木 県は、総合型地域スポーツクラブの育成率は全国平均を 上回ってはいるが、スポーツ実施率が全国平均より低い ことから、県民がよりスポーツ活動に取り組む事業展開 が必要となっている。さらに総合型クラブの育成を図る ことはもちろんのこと、身近に気軽にスポーツができる 施設や環境を整備したり、県民へのスポーツ活動への啓 発を促進したりしながら、生涯スポーツに親しむ県民を 増やしていくことが大切であろう。 (4)クラブ設立のきっかけ  図4は、どのようなきっかけでクラブが設立してのか をグラフにしたものである。一番多いのが「自治体か らすすめ」で 62.2%、次に「体育指導員からのすすめ」 9 7 7 3 2 3 2 2 1 1 1 0 0 0 2 1 1 1 1 1 1 1 1 0 0 0 0 3 6 9 12 ㊊฼ᕷ Ᏹ㒔ᐑᕷ బ㔝ᕷ 㮵἟ᕷ ᰣᮌᕷ ୗ㔝ᕷ ▮ᯈᕷ ᪥ගᕷ ᑠᒣᕷ 㑣㡲ሷཎᕷ ࡉࡃࡽᕷ ኱⏣ཎᕷ ┿ᒸᕷ 㑣㡲ⅲᒣᕷ 㧗᰿ἑ⏫ ୖ୕ᕝ⏫ ᕷ㈅⏫ ኉⏕⏫ 㔝ᮌ⏫ ᒾ⯚⏫ ሷ㇂⏫ 㑣㡲⏫ 㑣⌃ᕝ⏫ ┈Ꮚ⏫ ⱱᮌ⏫ ⰾ㈡⏫ 図 2 市町ごとの育成数 24.4% 62.2% 35.6% 40.0% 8.9% 13.3% ᪤Ꮡᅋయ࠿ࡽ⮬୺ⓗ࡟タ❧ ⮬἞య࠿ࡽࡢࡍࡍࡵ య⫱༠఍࠿ࡽࡢࡍࡍࡵ య⫱ᣦᑟဨ࠿ࡽࡢࡍࡍࡵ ᗈᇦࢫ࣏࣮ࢶࢭࣥࢱ࣮࠿ࡽࡢࡍࡍࡵ ᆅᇦఫẸࡢኌ 26.6% 27.0% 30.1% 28.5% 30.3% 32.0% 30.1% 35.2% 34.2% 37.0% 36.7% 0.0% 5.0% 10.0% 15.0% 20.0% 25.0% 30.0% 35.0% 40.0% ᖹᡂ㸯㸲 ᖹᡂ㸯㸳 ᖹᡂ㸯㸴 ᖹᡂ㸯㸵 ᖹᡂ㸯㸶 ᖹᡂ㸯㸷 ᖹᡂ㸰㸮 ᖹᡂ㸰㸯 ᖹᡂ㸰㸰 ᖹᡂ㸰㸱 ᖹᡂ㸰㸲 図 3 県民の週1日以上のスポーツ実施率の推移 図 4 クラブ設立のきっかけ

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獲得することにもつながり、クラブ活動がより広く地域 住民の身近なものとして受け入れられるようになる。ま た、この文化的活動に参加することにより仲間が増え、 スポーツ活動を行うきっかけ作りとなっていくことも考 えられ、スポーツ実施率が向上することが期待できる。 文化的活動を行うとなると指導者の確保や活動施設の問 題、備品の準備などといった新たな課題も出てくるが、 工夫改善をしながら、より多くのクラブで文化的活動種 目が増えることが期待される。 (10)クラブマネージャーの有無  図 10 は、クラブマネージャーの存在の有無について まとめたものである。クラブマネージャーがいる団体は 48 クラブ中 34(70.8%)いない団体が 14(29.2%)と なっている。多くの団体が総合型地域スポーツクラブの 中心人物であるクラブマネージャーがいる。しかし、週 4日以上で常勤している団体は 11(22.9%)であり、そ のうち 3 団体は手当が出ていない。非常勤のクラブマネー ジャーのいる団体は 27(56.3%)であるが、そのうち 13 の団体では手当が出ていない。クラブマネージャーの 人数は 1 団体あたり、1∼2名が最も多い。中には7名 もいる団体もある。  常勤して活動しているクラブが 11 クラブと全体の 3 割に満たないことからクラブ経営の難しさが課題となっ ている。クラブマネージャーはいるが手当の出ていない 団体も 12 団体あり、クラブマネージャーのいない団体 と合わせると 26(54.3%)となり半数以上のクラブでは 財政上の問題や運営面においてもクラブマネージャーと しての役割が円滑に機能していない状況にある。  クラブマネージャーは、Ⅰ章3節でも述べたように、 総合型クラブの存続を左右する大切な役割があるため、 クラブマネージャーのいない団体は、広域スポーツセン ターに協力を依頼してクラブマネジメントの資格を取る などクラブマネージャーの育成に力を入れていく必要が ある。また、一人に任せるのでなく、数名でその役割を 分担して行うことも考えられる。 (11)クラブハウスの有無  図 11 は、クラブハウスの有無についての回答である。  クラブハウスとは、地域住民によるスポーツ活動が促 進され、より活性化するためにも人と人とがいつでも気 軽に自由に訪れて交流し、触れ合うことのできる憩いの 場となる施設として注目されているものである。そこで スポーツ活動をしたり、見たりしながら、談話・休憩の スペースやカフェなどを設置し、スポーツをする人、見 る人、そして支える人が相互に交流できる居心地のよい 場所であることが望まれる。  クラブハウスを所有している割合は、33.3% と全体の 約3割程度となっている。施設の確保ができないのが大 きな要因である。また、ハウスを確保するには維持管理 などに経費がかかり、ハウスに常駐できる人員も確保し なくてはならない。そのため、必要であるとは思いなが らも、クラブ経営が軌道に乗り、会員もある程度安定し て確保でき、今後施設として充分その機能を果たすこと ができるようになるまで、設置するかどうか様子を見て いる団体が多い。設置している団体も学校や公共施設の 一部をハウスとして利用しているのがほとんどであり、 自己所有施設を持っている団体は、今のところない。 (12)クラブ設立の効果  図 12 は、クラブが設立してどのような効果があった のかの回答をまとめたものである。「スポーツの参加の機 会が増えた」68.8%、「世代間の交流」58.3%、「元気な 高齢者が増えた」56.3%、「地域住民の交流が活性化した」 54.2% となっている。  7割近くのクラブでスポーツの機会が増えたと回答し ていることから、平成 24 年の県の世論調査、週1回以 上の成人のスポーツ実施率「36.7%」(*図3参照)に大 きく貢献している。しかし全国的にみると、平成 21 年 度の内閣府の調査「45.3%」とはかなりの差が開いている。  半数以上の団体で、「世代間の交流や地域住民の交流が 活性化」し、「元気な高齢者が多くなった」と回答している。 *複数回答 ᭷⤥ ↓⤥ ᖖ໅㸦㐌  ᪥௨ୖ㸧 㸶 㸦 㸧 㸱  㠀ᖖ໅ 㸯㸴  㸯㸱  」 ⟅ 表 1 クラブマネージャーの勤務形態   ࠶ࡿ ࡞ࡋ ࠶ࡿ ࡞ࡋ 図 11 クラブハウスの有無 58.3% 54.2% 68.8% 56.3% 22.9% 31.3% 22.9% 18.8% 2.1% 8.3% ୡ௦㛫ࡢ஺ὶ ᆅᇦఫẸࡢ஺ὶࡀάᛶ໬ ࢫ࣏࣮ࢶࡢཧຍᶵ఍ࡀቑ࠼ࡓ ඖẼ࡞㧗㱋⪅ࡀቑ࠼ࡓ Ꮚ౪ࡢᡂ㛗ࢆぢᏲࡿẼ㐠ࡀ㧗ࡲࡗࡓ Ꮚ౪ࡀ᫂ࡿࡃάⓎ࡟࡞ࡗࡓ ᆅᇦࡢ㐃ᖏឤࡀᙉࡲࡗࡓ ᆅᇦࡀάᛶ໬ࡋࡓ ≉࡟ኚࢃࡾ࡞ࡋ ࡑࡢ௚ 図 12 クラブ設立の効果 全国や県内でどのような傾向が見られ、どのような特徴 があるだろうか。  全国では「小学生」18.4%、「60 代」 14.1%、「70 代」 13.6%、「40 代」11.4%、「50 代」11.1% の順に割合が高 くなっている。  栃木県では「60 代」17.9%、「小学生」16.9%、「70 代」 14.8%、「50 代」13.4%、「40 代」10.9% の順となっている。  全国では小学生の会員の割合が最も高いのに対し、栃 木県では、60 代の会員の割合が最も高くなっている。さ らに 60 代以上の割合は全国では 27.6%に対し栃木県は 32.7%にのぼり、全国よりも5%も高い水準を示してい る。50 代以上で換算すると、全国では 38.8%に対し栃 木県では 46.1%となり、全国よりも 7.8%も割合が高く なる。50 代∼ 60 代の参加の割合が全国よりも 2% 以上 も高い。このことから、栃木県の総合型地域スポーツク ラブは、参加者の約半数近くが 50 代以上の世代で占め られていることが、主な特徴の一つであるといえる。高 齢者のスポーツ活動に対する意識の高さや活動の盛んな 様子が見て取れる。この状態が維持できれば、今後は生 き生きとした元気な高齢者が増加し、医療費削減の効果 も期待できる。そのことがさらには地域のコミュニティー に良い影響を及ぼし、地域の活性化や地域の教育力の向 上につながっていくのではないだろうか。  逆に幼児や小学生、中学生、20 ∼ 30 代の割合が全国 に比べて低いが、どの世代でも全国と比べて 2% 以上の 割合の差が開いているところはない。他の世代では、全 国とほぼ同じ割合と見て良いのではないだろうか。 (8)会費の徴収について  会費の徴収についての結果は、図8に示したように 91.7% の団体で徴収していると回答しており、ほとんど の団体で徴収して運営をしている。しかし、徴収せずに 運営している団体も 8.3%ある。  総合型クラブでは、地域主体の自主的運営が基本理念 のため、行政などの行っている無償でサービスを提供す る立場と違い、受益者負担の考えから、会費を徴収する 場合が多い。会費の一人当たりの月平均額は、361 円で あり、年会費は約 4,300 円となっている。この会費が今 後のクラブ運営に大きく関わるので、補助金や助成金だ けで賄い運営をしている団体は、継続して運営をしてい くのがのちのち厳しくなってくる。会員の数と会費の設 定については、どのクラブでも当初の課題となることが ある(*図 6 参照)。これらは、マネジメントの課題であり、 経営者としての手腕が問われることになる。 (9)スポーツ活動の種目数  図9は、スポーツ活動の1クラブあたりの活動種目数 をまとめたものである。一番多いのが「6∼ 10 種目」 の 43.8%、次いで「11 ∼ 15 種目」の 25.0%、「 2 ∼ 5 種目」の 18.8% となっている。「21 種目以上」活動して いる団体は、2 クラブ 4.2% である。2 クラブとも 25 種 目に及ぶ活動種目を用意し、かなりの会員数を確保して、 活発に活動している。  6種目以上の活動プログラムを用意している団体が全 体の 81.2%にも及ぶ。これは全国の6種目以上の割合 69.9% よりもかなり高くなっている。このことから、多 くの団体で、会員のニーズに応えようと工夫を凝らして いる様子がわかる。他種多様なスポーツ活動が多世代に わたってできるのが、この総合型地域スポーツクラブの 特徴であるので、その特徴を上手にいかした運営がなさ れていると言える。  全国の実態調査によると、多くのクラブで取り入れて いる人気のある活動種目は、卓球、バドミントン、バレー ボール、グラウンドゴルフ、ウォーキング、健康体操な どである。誰でも気軽にできるものや高齢者にでも簡単 にできるような種目が人気のようである。栃木県におい ても同じような傾向がある。  さらに総合型クラブでは、スポーツ活動種目だけでは なく文化的活動種目(例えばパソコン教室や書道教室な ど)を取り入れて行うこともできるのが魅力の一つでも ある。文化的活動を取り入れて行っている団体は、県内 では 16(33.3%)ある。このうち1∼2種目活動してい る団体がほとんどであるが、中には8種目も用意して活 動している団体もある。  文化的活動種目を取り入れることにより、スポーツの 苦手な方やスポーツはできないが何か学んでみたいと 思っている高齢者への受け皿にもなるし、多くの会員を   ࠶ࡿ ࡞࠸ ࠶ࡿ ࡞࠸ 図 8 会費徴収 18.8% 43.8% 25.0% 8.3% 4.2% 㸰㹼㸳 㸴㹼㸯㸮 㸯㸯㹼㸯㸳 㸯㸴㹼㸰㸮 㸰㸯௨ୖ 図 9 スポーツ活動種目数

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49 獲得することにもつながり、クラブ活動がより広く地域 住民の身近なものとして受け入れられるようになる。ま た、この文化的活動に参加することにより仲間が増え、 スポーツ活動を行うきっかけ作りとなっていくことも考 えられ、スポーツ実施率が向上することが期待できる。 文化的活動を行うとなると指導者の確保や活動施設の問 題、備品の準備などといった新たな課題も出てくるが、 工夫改善をしながら、より多くのクラブで文化的活動種 目が増えることが期待される。 (10)クラブマネージャーの有無  図 10 は、クラブマネージャーの存在の有無について まとめたものである。クラブマネージャーがいる団体は 48 クラブ中 34(70.8%)いない団体が 14(29.2%)と なっている。多くの団体が総合型地域スポーツクラブの 中心人物であるクラブマネージャーがいる。しかし、週 4日以上で常勤している団体は 11(22.9%)であり、そ のうち 3 団体は手当が出ていない。非常勤のクラブマネー ジャーのいる団体は 27(56.3%)であるが、そのうち 13 の団体では手当が出ていない。クラブマネージャーの 人数は 1 団体あたり、1∼2名が最も多い。中には7名 もいる団体もある。  常勤して活動しているクラブが 11 クラブと全体の 3 割に満たないことからクラブ経営の難しさが課題となっ ている。クラブマネージャーはいるが手当の出ていない 団体も 12 団体あり、クラブマネージャーのいない団体 と合わせると 26(54.3%)となり半数以上のクラブでは 財政上の問題や運営面においてもクラブマネージャーと しての役割が円滑に機能していない状況にある。  クラブマネージャーは、Ⅰ章3節でも述べたように、 総合型クラブの存続を左右する大切な役割があるため、 クラブマネージャーのいない団体は、広域スポーツセン ターに協力を依頼してクラブマネジメントの資格を取る などクラブマネージャーの育成に力を入れていく必要が ある。また、一人に任せるのでなく、数名でその役割を 分担して行うことも考えられる。 (11)クラブハウスの有無  図 11 は、クラブハウスの有無についての回答である。  クラブハウスとは、地域住民によるスポーツ活動が促 進され、より活性化するためにも人と人とがいつでも気 軽に自由に訪れて交流し、触れ合うことのできる憩いの 場となる施設として注目されているものである。そこで スポーツ活動をしたり、見たりしながら、談話・休憩の スペースやカフェなどを設置し、スポーツをする人、見 る人、そして支える人が相互に交流できる居心地のよい 場所であることが望まれる。  クラブハウスを所有している割合は、33.3% と全体の 約3割程度となっている。施設の確保ができないのが大 きな要因である。また、ハウスを確保するには維持管理 などに経費がかかり、ハウスに常駐できる人員も確保し なくてはならない。そのため、必要であるとは思いなが らも、クラブ経営が軌道に乗り、会員もある程度安定し て確保でき、今後施設として充分その機能を果たすこと ができるようになるまで、設置するかどうか様子を見て いる団体が多い。設置している団体も学校や公共施設の 一部をハウスとして利用しているのがほとんどであり、 自己所有施設を持っている団体は、今のところない。 (12)クラブ設立の効果  図 12 は、クラブが設立してどのような効果があった のかの回答をまとめたものである。「スポーツの参加の機 会が増えた」68.8%、「世代間の交流」58.3%、「元気な 高齢者が増えた」56.3%、「地域住民の交流が活性化した」 54.2% となっている。  7割近くのクラブでスポーツの機会が増えたと回答し ていることから、平成 24 年の県の世論調査、週1回以 上の成人のスポーツ実施率「36.7%」(*図3参照)に大 きく貢献している。しかし全国的にみると、平成 21 年 度の内閣府の調査「45.3%」とはかなりの差が開いている。  半数以上の団体で、「世代間の交流や地域住民の交流が 活性化」し、「元気な高齢者が多くなった」と回答している。 *複数回答 ᭷⤥ ↓⤥ ᖖ໅㸦㐌  ᪥௨ୖ㸧 㸶 㸦 㸧 㸱  㠀ᖖ໅ 㸯㸴  㸯㸱  」 ⟅ 表 1 クラブマネージャーの勤務形態   ࠶ࡿ ࡞ࡋ ࠶ࡿ ࡞ࡋ 図 11 クラブハウスの有無 58.3% 54.2% 68.8% 56.3% 22.9% 31.3% 22.9% 18.8% 2.1% 8.3% ୡ௦㛫ࡢ஺ὶ ᆅᇦఫẸࡢ஺ὶࡀάᛶ໬ ࢫ࣏࣮ࢶࡢཧຍᶵ఍ࡀቑ࠼ࡓ ඖẼ࡞㧗㱋⪅ࡀቑ࠼ࡓ Ꮚ౪ࡢᡂ㛗ࢆぢᏲࡿẼ㐠ࡀ㧗ࡲࡗࡓ Ꮚ౪ࡀ᫂ࡿࡃάⓎ࡟࡞ࡗࡓ ᆅᇦࡢ㐃ᖏឤࡀᙉࡲࡗࡓ ᆅᇦࡀάᛶ໬ࡋࡓ ≉࡟ኚࢃࡾ࡞ࡋ ࡑࡢ௚ 図 12 クラブ設立の効果 48 全国や県内でどのような傾向が見られ、どのような特徴 があるだろうか。  全国では「小学生」18.4%、「60 代」 14.1%、「70 代」 13.6%、「40 代」11.4%、「50 代」11.1% の順に割合が高 くなっている。  栃木県では「60 代」17.9%、「小学生」16.9%、「70 代」 14.8%、「50 代」13.4%、「40 代」10.9% の順となっている。  全国では小学生の会員の割合が最も高いのに対し、栃 木県では、60 代の会員の割合が最も高くなっている。さ らに 60 代以上の割合は全国では 27.6%に対し栃木県は 32.7%にのぼり、全国よりも5%も高い水準を示してい る。50 代以上で換算すると、全国では 38.8%に対し栃 木県では 46.1%となり、全国よりも 7.8%も割合が高く なる。50 代∼ 60 代の参加の割合が全国よりも 2% 以上 も高い。このことから、栃木県の総合型地域スポーツク ラブは、参加者の約半数近くが 50 代以上の世代で占め られていることが、主な特徴の一つであるといえる。高 齢者のスポーツ活動に対する意識の高さや活動の盛んな 様子が見て取れる。この状態が維持できれば、今後は生 き生きとした元気な高齢者が増加し、医療費削減の効果 も期待できる。そのことがさらには地域のコミュニティー に良い影響を及ぼし、地域の活性化や地域の教育力の向 上につながっていくのではないだろうか。  逆に幼児や小学生、中学生、20 ∼ 30 代の割合が全国 に比べて低いが、どの世代でも全国と比べて 2% 以上の 割合の差が開いているところはない。他の世代では、全 国とほぼ同じ割合と見て良いのではないだろうか。 (8)会費の徴収について  会費の徴収についての結果は、図8に示したように 91.7% の団体で徴収していると回答しており、ほとんど の団体で徴収して運営をしている。しかし、徴収せずに 運営している団体も 8.3%ある。  総合型クラブでは、地域主体の自主的運営が基本理念 のため、行政などの行っている無償でサービスを提供す る立場と違い、受益者負担の考えから、会費を徴収する 場合が多い。会費の一人当たりの月平均額は、361 円で あり、年会費は約 4,300 円となっている。この会費が今 後のクラブ運営に大きく関わるので、補助金や助成金だ けで賄い運営をしている団体は、継続して運営をしてい くのがのちのち厳しくなってくる。会員の数と会費の設 定については、どのクラブでも当初の課題となることが ある(*図 6 参照)。これらは、マネジメントの課題であり、 経営者としての手腕が問われることになる。 (9)スポーツ活動の種目数  図9は、スポーツ活動の1クラブあたりの活動種目数 をまとめたものである。一番多いのが「6∼ 10 種目」 の 43.8%、次いで「11 ∼ 15 種目」の 25.0%、「 2 ∼ 5 種目」の 18.8% となっている。「21 種目以上」活動して いる団体は、2 クラブ 4.2% である。2 クラブとも 25 種 目に及ぶ活動種目を用意し、かなりの会員数を確保して、 活発に活動している。  6種目以上の活動プログラムを用意している団体が全 体の 81.2%にも及ぶ。これは全国の6種目以上の割合 69.9% よりもかなり高くなっている。このことから、多 くの団体で、会員のニーズに応えようと工夫を凝らして いる様子がわかる。他種多様なスポーツ活動が多世代に わたってできるのが、この総合型地域スポーツクラブの 特徴であるので、その特徴を上手にいかした運営がなさ れていると言える。  全国の実態調査によると、多くのクラブで取り入れて いる人気のある活動種目は、卓球、バドミントン、バレー ボール、グラウンドゴルフ、ウォーキング、健康体操な どである。誰でも気軽にできるものや高齢者にでも簡単 にできるような種目が人気のようである。栃木県におい ても同じような傾向がある。  さらに総合型クラブでは、スポーツ活動種目だけでは なく文化的活動種目(例えばパソコン教室や書道教室な ど)を取り入れて行うこともできるのが魅力の一つでも ある。文化的活動を取り入れて行っている団体は、県内 では 16(33.3%)ある。このうち1∼2種目活動してい る団体がほとんどであるが、中には8種目も用意して活 動している団体もある。  文化的活動種目を取り入れることにより、スポーツの 苦手な方やスポーツはできないが何か学んでみたいと 思っている高齢者への受け皿にもなるし、多くの会員を   ࠶ࡿ ࡞࠸ ࠶ࡿ ࡞࠸ 図 8 会費徴収 18.8% 43.8% 25.0% 8.3% 4.2% 㸰㹼㸳 㸴㹼㸯㸮 㸯㸯㹼㸯㸳 㸯㸴㹼㸰㸮 㸰㸯௨ୖ 図 9 スポーツ活動種目数

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