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6) 学術界からのニューガラスフォーラムへの期待

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Academic year: 2021

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(1)特. 集. ニューガラスフォーラム創立30周年記念. 主査・委員長からのメッセージ. 学術界からのニューガラスフォーラムへの期待 東京工業大学大学院理工学研究科. 佐藤. 勲. 我が国のガラス産業は全産業の約1%に相当するエネルギーを消費するエネルギー多消 費産業であるといわれている。一方で,液晶ディスプレイの普及や光通信の進展に伴い, ガラスの品質への要求水準はますます高まっている。したがって,高品質のガラスを少な いエネルギーで製造・加工することは,人々の生活を持続的に豊かにしていく上できわめ て重要な意味を持つといえる。ガラスの製造工程や加工工程は,学術的には材料工学や伝 熱学,化学工学等,さまざまな学理が複雑に関連しあった領域に位置している。それ故に, その現象解明や制御には,これらの学理に沿って現象をいったん紐解き,その理解に基づ いて組み立てる作業が必要とされるため,体系化が難しいのが実情である。実際に製造に あたっておられる技術者の皆さんはこうした複雑な現象を日々適切に制御されていること に感服するが,この水準をさらに高めるためには,学術的な視点からの現象の理解が有効 であると確信している。それは私自身が過去に同様の経験をしているからである。 私は機械工学,特に熱工学を専門とする者であるが,プラスチックの成形加工の学理の 構築にも携わっている。プラスチック製品の製造もさまざまな分野の学理が関連する技術 であるが故に,その高度化には経験とノウハウだけでは対処できないとの認識が業界にも 学術界にも浸透している。これを打破するため,プラスチックの成形加工を学術的に検討 するための学会,すなわちプラスチック 成 形 加 工 学 会 が 設 立 さ れ た。い ま か ら27年 前,1988年のことである。しかし学会が設立されただけでは現象の理解は進まなかった。 複雑なプラスチック成形加工現象の解明と体系化には,学術的な実験・解析だけでなく, 技術者の皆さんがお持ちのさまざまな知見とのすりあわせが不可欠であるが,学会設立当 初は「同業他社の壁」があって,思うようには進捗しなかったのである。それでも少しず つ現象が見えてくるようになると,メンバーが企業の壁を越えて議論することが当たり前 になり,急速に体系化が進んだ。これが学会という「サロン」の効果だろうと思う。 ニューガラスフォーラムでは,溶融シミュレーション事業を通して,ガラス製造工程の 現象をできる限り正確に予測しようとしており,私は現在,その主査を仰せつかっている。 この事業の目的が製造工程の高度化や炉設計の効率化にあることはいうまでもないが,個 23.

(2) NEW GLASS Vol. 30 No. 116 2015. 人的にはこの事業を通してガラス製造現象の学術的理解が進むことも期待している。その ためには,実際に製造に携わっておられる皆様の知見を持ち寄り,現状の学術が不十分な ところを指摘いただく必要がある。溶融シミュレーション検討会はまだ小さな組織である が,ガラス製造に携わる多くの方が集い,自由に意見交換ができる雰囲気が醸成されれば, ガラス製造や加工に関する学理の体系化も実現できるだろうと思う。それにはまだ時間が かかるであろうが,設立30周年を迎えたニューガラスフォーラムには,こうした「サロ ン」としての機能にも大いに期待している。. 24.

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