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クローズシュアーシステムを用いたポートサイト閉鎖法の工夫 ― トロカール再挿入法による ―

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Academic year: 2021

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クローズシュアーシステムを用いた

ポートサイト閉鎖法の工夫

トロカール再挿入法による

大和田 洋 平, 酒 向 晃 弘, 安 田 幸 嗣

青 木 茂 雄, 丸 山 常 彦, 上 田 和 光

要 旨 近年の腹腔鏡手術の発展に伴い腹腔鏡手術特有の合併症も報告されてきている. そのひとつにポートサイ トから腹腔内臓器が脱出するポートサイトヘルニアがあり, 腹腔鏡手術の数%に発症する. ポートサイト閉 鎖法のひとつにクローズシュアーシステムを用いた方法があるが, 原法では閉鎖に時間を要することをたび たび経験した.今回,われわれは,短時間で簡 にポートサイトを閉鎖する方法 (トロカール再挿入法)を 案 したので報告する.(Kitakanto Med J 2014;64:343∼346) キーワード:腹腔鏡手術, ポートサイト閉鎖, クローズシュアーシステム は じ め に 近年の腹腔鏡手術の発展は目覚ましく, 大腸癌, 胃癌 をはじめ肝胆膵領域へもその適応が拡大されている. 適 応拡大に伴い腹腔鏡手術特有の合併症も報告されてきて いる. ポートサイトから腹腔内臓器が脱出するポートサ イトヘルニアもそのひとつで, 比較的稀な合併症ではあ るが, 発症すると臓器損傷を呈し再手術を要することも ある. そのためポートサイトの確実な閉鎖は腹腔鏡手術 において重要なポイントとなる. ポートサイト閉鎖法の ひとつにクローズシュアーシステム (Cartor-Thomason (CT) Closesure system) (原田産業株式会社製) を用い た方法があるが, 原法では時間を要することをたびたび 経験した. 今回, われわれは, 短時間で簡 にポートサイ トを閉鎖する方法 (トロカール再挿入法) を 案したの で報告する. . 用 機 材 3-0バイクリル, クローズシュアーシステムを用いる (図 1). クローズシュアーシステムはパイロットガイド とスーチャーパッサーから成り, 原法は図 2に示す通り である. 343 Kitakanto Med J 2014;64:343∼346 1 茨城県日立市城南町2-1-1 日立製作所日立 合病院外科 平成26年8月13日 受付 論文別刷請求先 〒305-8576 茨城県つくば市天久保2-1-1 筑波大学附属病院消化器外科 大和田洋平 図1 クローズシュアーシステム (Cartor-Thomason (CT) Closesure system) (原田産業株式会社製) 図 2: クローズシュアーシステムを用いた閉鎖法

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.手 術 手 技 1 ) 原法に従い, トロ カール を 抜 去 し, ク ローズ シュ アーシステムのパイロットガイドをポートサイトへ挿 入する.スーチャーパッサーの先端部で縫合糸 (3-0バ イクリル) を把持しパイロットガイドの より腹壁を 通して腹腔内へ挿入する. 2 ) スーチャーパッサーで把持している縫合糸を他の ポートから挿入した鉗子に受け渡す. 3) パイロットガイドのもうひとつの よりスーチャー パッサーを挿入する. 先に鉗子で把持した縫合糸を スーチャーパッサーに受け渡し (図 3a, b) 体外へ引き 抜き,筋層,腹膜の縫合が完成する (図 4a,b).パイロッ トガイドを引き抜くが, この時点では縫合糸は結紮せ ずペアン鉗子等で把持しておく. 4) 同ポートサイトにトロカールを再挿入する. このト ロカールを用いて鉗子を挿入し他のポートサイトの閉 鎖に際し縫合糸を誘導する. 他のポートサイトは適宜 結紮閉鎖し, 最後にペアンで把持していた縫合糸を結 紮し閉鎖する (図 5a, b). 5 ) カメラポートは 2-0PDS を用いて直視下に閉 す る. ポートサイト閉鎖法の工夫

a

b

図3 a : 鉗子で把持した縫合糸をスーチャーパッサーに受 け渡す. b : シェーマ 図4 a : 腹膜を含めた縫合が完成する. b : シェーマ

b

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a

b

図5 a : パイロットガイドを引き抜きトロカールを再挿入 する. b : シェーマ 344

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.結 果

トロカール再挿入法によるポートサイト閉鎖を腹腔鏡 手術 (虫垂切除,胆囊摘出,胃切除,大腸切除など) 100例 以上に施行した.患者の Body Mass Indexは 16-41kg/m であったが, ポートサイトヘルニアの発症はなく, また 腸管損傷などの合併症も認めていない. 直近の腹腔鏡下 大腸切除術 10例を検討すると, 1ポートサイトあたりの 閉鎖時間はおおよそ 30秒前後であった. . 察 腹腔鏡手術後に発症するポートサイトヘルニアは比較 的稀な合併症であり, その頻度は 1∼3.6%という報告が ある. 近年の腹腔鏡手術件数の増加とともに,ポートサ イトヘルニアに関する報告も散見される. 鬼頭らはポー トサイトを発症した 26人中 24人が 10mmポートでの 発生と報告しているが, 5mmのポートサイト, 3mm のポートサイト であってもポートサイトヘルニアを発 症した報告が見られ, ポートサイトの大きさに関わらず 確実な閉鎖がヘルニア発症の予防に重要と えられる. クローズシュアーシステムは 2009 年 4月に発売され たポートサイト閉鎖器具で, 当院では 2012年 9 月より 導入した. クローズシュアーシステムの原法は, 初めに 腹腔内に挿入した縫合糸をスーチャーパッサーで把持し 体外へ引き出しそれぞれのポートサイトを個別に閉鎖す るものである. 腹腔鏡で観察しながら閉鎖するため安全 で, 腹膜を含めた確実な全層閉鎖が可能である. 清水ら は肥満患者に対するポート閉鎖における有用性を報告し ており, われわれも患者の体型に依存せず閉鎖が可能 であると えている. しかし, 単一ポートのみでの操作 では縫合糸を把持することが時に困難であったことを経 験した. そこで他のポートから挿入した鉗子で縫合糸を 誘導していたが, 最終ポートサイトの閉鎖時には鉗子を 挿入するトロカールがすでに閉鎖されているため, 原法 で行わざるを得ず, 不慣れな術者においては最終ポート サイトの閉鎖に 3 以上を要することも経験した. 本法 では, 最初のポートサイトにかけた縫合糸を結紮せずト ロカールを再挿入することで, どのポートサイト閉鎖に おいても縫合糸を鉗子で誘導することができ, 時間短縮 が可能となった. ポートの位置によっては助手がポート 閉鎖施行者となることもあるが, 患者の体型に関わらず 閉鎖に難渋することはなくなった. 村岡らは手術開始直後のポート挿入前にエンドクロー ズ (COVIDIEN 社) を用いて閉鎖用の縫合糸をかける 方法を 案しているが, 手術中長時間放置された糸を用 いて縫合することによる SSI (surgical site infection) を

問題点として挙げている. われわれが 案した方法で はこの懸念はなく, 実際本法導入後ポートサイトに SSI の発症はみられていない. われわれの方法はエンドク ローズ等の他の閉鎖器具を用いた場合にも同様に施行可 能と える. 本法は縫合糸を結紮せずにトロカールを再挿入すると いう単純な工夫であるが, 腹腔鏡手術の最終操作である ポートサイトの閉鎖を短時間で安全に行えるようになっ た. お わ り に われわれの 案したトロカール再挿入法は短時間で確 実なポートサイトの閉鎖が可能である. 文 献

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A Novel Port-site Closure M ethod Using

a Closesure System the Trocar Reinsertion M ethod

Yohei Owada,

Akihiro Sako,

Koji Yasuda,

Shigeo Aoki,

Tsunehiko Maruyama

and Kazumitsu Ueda

1 Department of Surgery, Hitachi General Hospital, l2-1-1 Jonan-cho, Hitachi, Ibaraki 317-0077, Japan

With the recent development of laparoscopic surgery,complications specific to this surgery have been reported. One of them is port-site hernia, which is the escape of an intraperitoneal organ through the port site. This complication is observed in several percent of patients undergoing laparoscopic surgery. One of the closure methods involves a closesure system. However,using the original method,we often encounter cases requiring a long closure time. In this study,we report our novel,straightforward method allowing port-site closure in a short time (trocar reinsertion method).(Kitakanto Med J 2014;64: 343∼346)

Key words: laparoscopic surgery, port site closure, closesure system

参照

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