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干渉縞のvisibilityを利用した面内変形の測定法 利用統計を見る

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干渉縞のvisibilityを利用した面内変形の測定法

米村元喜

(昭和50年9月1日受理)

Holographic Measurement Method of In-Plane Deformation

Using Fringe-Visibility

MotokiYONEMURA

Abstract  Anew measurement method of in・plane deformation of a diffusing object by holographic interferometry is developed. The principle of this method is based on the fringe−visibility, while the conventional method on the fringe・order, The dependence of the fringe−visibility on the pupil in the reconstructing system and the displacement of each point of the object is investigated. The visibility is determined by the auto・correlation function of the transmi・ ssion function with respect to the displacement. This property can be applied to the measu・ rement of in・plane deformation. It is proposed that multiple’slits are used as a pupil to obtain a high accuracy, with which the visibility can be rapidly varied with respect to the displacement. This method has the following advantages; 1) The desired information of the deformation can be drawn out on the reconstruction stage. 2) The sensitivity is variable and the measurable range covers from the wavelength to  hundreds microns. 3) By choosing suitable pupils the displacement in the specified direction and the absolute  value of it can be measured. 1. 序 論  ホログラフィ干渉法による粗面物体の変形の測定 は,今まで干渉縞の次数を数えることを基として行わ れてきた。しかし,干渉縞の強度分布を決めるものに は次数(位相)ぼかりでなくvisibilityもある。干渉 させる2つの光の強度をそれぞれli,ちそれらの間の コヒーレンス度をγ,干渉縞の位相をφとすると干渉 縞の強度分布1は   1=11十1』十2㎡Z亘▲た1γlcosφ で表される。従来のホログラフィ干渉法による測定に おいてはもっぱら干渉縞の次数(位相)が利用されてき ており,そのためにはコヒーレソス度が高いことが要 求されてきた。しかし,物体の変形がその面内で起こ るとγが低下しvisibilityの良い干渉縞が得られない。  したがってこういう変形の起こる物体に対しては干 渉縞の次数を数える方法を適用するのは困難が多い。 しかし,干渉縞のvisibilityの変化から面内変形を測 定することが可能であると考えられる。一方,従来の 古典的干渉法においては,干渉縞の次数を利用した多 くの測定法があることは言うまでもないが,visibility

を利用する測定法として,Michelsonのsteller

interferometerによる星の視直径の測定やスペクトル 線の微細構造の測定が挙げられる。  本報告では,筆者の考案した干渉縞のvisibilityか ら粗面物体の面内変形を求める方法の原理,高精度の 測定法,および実験結果を述べる。 2.ホログラフィ干渉における干渉縞のvisibility 2.1 原理1)  図一1のようなホログラムの記録および再生用光学系 で2重露光法によって再生像面上に干渉縞を得るもの とする。実時間法についても以下の考察は全く同様で ある。物体としてその平均面が平面である粗面物体を 考え,その面をr。=(X。,yo)で表し,複素振幅透過

一114一

(2)

照明光 物体 ro < ,仁ロ クラ∠、

rl

l

1

像 ハち £1−一一一一一一X−一一一一一一Z2 −一→ 図一1 ホログラムの記録および再生用光学系 率(反射率)を0(r。)とする。物体上の点r。の面内変 位をdi(ro)=(d。, dy),その面に垂直な変位をd、とす る。物体の変形が面内成分しか持たない場合,干渉縞 のvisibilityを測定するのに適当なピッチの縞が得られ 難いので,物体照明光を第1の露光後ティルトして第 2の露光を行うことによって適当なピッチを得る。ま たr。面に垂直な成分を含む場合でも,適当なピッチの 縞を得るために物体照明光のティルトは必要となろ う。そこで第1の露光時と第2のそれの物体照明光の ro面における複素振幅をそれぞれ ;ll:蒜:i,.,(ile。。。)} (・) とする。ここでk=2π/λ(λ:波長),θはティルトの 角度でx。軸とy。軸に対する2つの成分をもつ。像の再 生は図一1のように虚像をレンズで結像して得るか,ま たは参照光と共役な光をホログラムに入射させて実像 を出してもよい。いずれの場合も再生像を形成する光 は瞳を通らなくてはならない。瞳面をrl=(Xl, Y1), 再生像面をr2 =(κ2, Y2)で表し,物体面と瞳面の距離 をz、,瞳面と再生像面の距離をz2とする。また瞳の複 素振幅透過率をP(rl)とする。この系における伝播関 数は H(r・・ r2)−exp{警(写+要)}     ・∫1.P(r・)・xp{一鰐+ξ)rl}dri (2) で与えられる。第1の露光時の物体に対応する再生像 の複素振幅と第2のそれはそれぞれ

二:1:::1∫:::::1蕊:㌫」

となる。再生像面における強度分布は  1(r2)=1「V,(r2)一ト「レ72(r2)12       (4) で与えられる。われわれが実際に強度分布を観察する ときある小さな面積をわたってそれを平均したものを 強度分布として判断している。0(r。)は空間的なラソ ダム・プロセスであるが,1(r2)の平均値を計算する ・ためには0(ro)がエルゴード性をもつとすれぽ,これ を確率過程におきかえてアソサンブル平均をとっても さしつかえないものと考えられる。ここで粗面物体の 複素振幅透過率(反射率)がそれ自身一致したところ 以外では相関がないという仮定をする。すなわち   〈0(ro)0*(ro’)〉=δ(ro−ro t)      (5) とする。ここで〈〉はアソサソブル平均を示し,δ はDiracのデルタ関数である。(4)式に(3)式を入れて両 辺のアソサソブル平均をとり,(5)式を使うと   〈1(r2)〉=21てr2)−L 21’(r2)1γlcosφ の形に書くことができる。ここで 7(・・)一∫臨,r2)1・dr・ 1・1−1∫ン(r・…)h・(r・+d,・r2)dr。1    ÷「1h(・。,・,)1・d・。 φ=一・le〔{d−(21/a,)r、}θ+(r,/Z,)d+d、   一(ldx十mdッ+nd,)〕+ψ である。ただし h(… r2)−j二P(rl)・・p{−ile(2+2)r・}dri (6) (7) (8) (9) ⑩ とおいた。また簡単のためにIU(r。)12=1とした。 (1,m, n)は物体照明光の方向余弦,ψは ・r−辜刀ir…r2)h・・(・・+d・・r・)d・・/∫1.1h(r・,・・)1・d・。       ⑪ の位相である。1 7’ 1=1γ’1なのでγ’で議論を進めても 同じであり,その方が便利なことが多いので以下γ’に ついて考察する。  干渉縞のvisibilityは    <1>m。x−<1>mi。    <1>m。x+<1>m、. で定義されるが,これは1γ’1に等しく,伝播関数の自 己相関関数に等しいとも言える。またWiener− Khintchineの定理を使えぽ⑪式は ・「i−轣F..lp(rl)1・exp(−iled・・/・i)dri/∫:。.lp(・1)1・dr・       ⑫ と書ける。伝播関数または瞳の透過率が判っていれ ぽ,干渉縞のvisibilityの測定データから⑪式または ⑫式によって面内変位を決定することができる。  瞳としてbinaryなものを使えば ・t−轤P.P(r・)・xp(−iledri/z・)dri/∫1.P(r・)dr・⑬ となる。たとえば半径aの円形の瞳を用いた場合は

・’』聯/1ξみ)   ⑭

である。ただし1、は第1種一次Bessel関数である。 2a×2bの矩形を用いて像を再生した場合は   γ’=sinc(kadエ/Zl)sinc(kbdy/21) となる。ただしsinCX=sinx/Xである。 ⑮

(3)

22実験

単純な形の瞳を用いた場合の干渉縞のvisibilityを実 験によって確認した。物体としてスリガラスを用い, 第1の露光後図一2のようにr。面内で微小回転を行って 第2の露光をした。その理由は物体の各点の変位が回 転中心からの距離に比例し,円周方向に向いているの で,干渉縞のvisibilityがこれらにどのように依存して いるかを1枚のホログラムで観察することができるか らである。回転角は約10−3rad.で物体の縁で25μの変 位を起こした。なお,この際物体照明光のティルトも あわせて行った。  像の再生は円形の瞳と矩形の瞳を用いて行った。図 一3に半径が18mmと8mmの円形の瞳を用いて再生し た像の写真を⑭式による理論曲線とともに示す。この 図から瞳の径が大きいほどvisibilityの良い縞の出る 範囲が小さくなること,およびvisiblityが物体の各点 の変位方向には依存してないことがわかる。また変位 が大きくなるにつれてvisibilityが落ちてゼロになる が,再び位相が反転して縞が現れることも観察される。  矩形の瞳を用いて,その方位を変えたときの再生像 を図一4に示す。この場合矩形の長手方向の変位に対し てvisibilityの減少は急激であるが,これは⑮式から も予期されることである。これは変位の方向も測定が 可能であることを意味する。なおホログラムの記録, 再生に用いた光源はHe−Neレーザーである。  円形や矩形の単純な形の瞳を用いても,干渉縞の visibilityから変位を測定することができる。 しかし visibilityの変化が緩漫なので測定精度に問題が残さ れる。そこで測定精度を上げるような瞳の形を工夫す る必要がある。 3.高精度の面内変形の測定法一多重スリット   を用いる方法  干渉縞のYisibilityから面内変形を求める方法とし て次の2つの方法が考えられる。  1)ある一つの瞳を使って再生した像を連続的に走   査して,干渉縞のvisibilityを測定し,そのデー   タから各点の変位を求める方法。 2)ある決ったvisibilityの場所を追跡する方法。   等変位線が得られる。精度を良くするためには   visibilityが最大またはゼロになる点を追跡すれば   よい。 y〔[ 25μ x 図一2 本報の実験における物体の変位 γ γ

  3.2/i 岡     7・2μ

    (A)      (B)、 図一3’円形瞳を用いたときの再生像とγ’の理論曲線          (A)a=18mm (B)a=8mm 1己1

(4)

図一5 多重スリット瞳 図一4矩形瞳(15mm×40mm)を用いたときの再生像 1)の方法はノイズ等の影響により精度の良い測定は望 めない。2)の方法は各点の変位を求めるためには複数 の瞳を要するが高精度の測定が期待できる。そこで2) の方法のために干渉縞のvisibilityを鋭敏に変化させる 手段として多重スリットの瞳を使うことを考案し,あ わせて実験も行った。  図一5のような多重スリットの瞳を用いて像を再生し た場合のγ’を計算すると ・’一・i・・(hadx/zi)・i・・(〃・姻蒜鵠影駕⑯ となる。前節に述べた実験で作ったホログラムから多 重スリットの瞳を使って再生した像を図一6に示す。⑯ 式から予測されるようにスリットの数」Vが多いほど干 渉縞が鮮明に出る範囲が狭くなり,visibilityが最大 N=1 N=4 N=: 2 N・=5 N=3 N=6 図一6 多重スリット瞳を用いたときの再生像

(5)

になる場所を精度よく決めることができることがわか る。また干渉縞の消滅する場所を精度よく決定するに は2重スリットが適当であるといえる。なお図一6でま ん中で最も鮮明に縞の出ている所は変位がゼロ,その 両隣の所の変位は土λz1/P=土9.5μ,さらにその外側 の変位は±2λz、/P=±19μである。visibilityのピー クがどの変位に相当するかの判定は,瞳を動かすと縞 が動き,変位が大きい所ほど速いのでその速さによっ て行えばよい。 4. ま と め  本方法の特徴は,ホログラムを記録した後,再生段 階で適当な形の瞳を使って知りたい情報を取り出せる ということである。まず感度が可変でその測定範囲は 光の波長のオーダから数百ミクロンに及ぶ。大ざっぱ に言えば瞳が大きいほど小さな変位を測定できる。次 に第2節に例示したごとく,瞳の形によって指定した 方向の変位,または絶対値等を求めることができる。  多重スリットを使って測定精度を向上させる方法を 述べたが,さらに最適な瞳の形を探求しなくてはなら ない。物体面に垂直な変位の測定については言及しな かったが,干渉縞の位相から決定することができる。  最後に種々の御指導をいただいた東京大学植村恒義 教授に,また有益な御助言を与えられた本学吉沢徹助 教授に深く感謝する。 参 考 文 献 1) 米村元喜:学位論文,東京大学,1974

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