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ESD(持続発展教育)と社会科・理科教育のつながり : ホールスクールアプローチによる学校改革をめざして

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(1)

椙山女学園大学

ESD(持続発展教育)と社会科・理科教育のつなが

り : ホールスクールアプローチによる学校改革を

めざして

著者

宇土 泰寛, 川野 幸彦, 松原 道晴

雑誌名

教育学部紀要

5

ページ

1-12

発行年

2012

URL

http://id.nii.ac.jp/1454/00001774/

(2)

椙 山 女 学 園 大学 教 育 学 部 紀 要(Journal of the School of Education, Sugiyama Jogakuer 几Jniversity)5:1∼12(2012)

論 文(Article)

ESD (持続 発展教育卜 と社会科・理科教育の

つ ながり     ニ

ホ ー ル ス ク ユ ル ア プ ロ ーチ に よ る 学 校 改 革 を め ざ し て ー

The connection of ESD and  :

the Social

しStudies/the

Science

Education:Aiming to the school

reform by the whole school approach

I − は じ め に

宇土  泰寛

Yasuhiro Uto *

川 野  幸彦

Yukihiko Kawano** 松 原  道 晴 Michiharu Matsubara *** 椙 山 女 学 園 大 学 附 属 小 学 校 は、寸 人 間 に な ろ う 」 の 理 念 を 掲 げ 、100 年 の 伝 統 を 誇 る 椙 山 女 学 園 の 初 等 教 育 を 担 い 、59 年 の 歴 史 を刻 ん で き た 。 そ し て 現 在 、 新 た な 地 球 時 代 を 見 据 え √「 椙 小 ル ネ サ ンス 」 と し て 、 学 校 改 革 を 進 め て い る 。 そ の 改 革 の 中 で も、 共 に 学 び、 具 に 生 き る 心 を 育 み 、 子 ど も た ち の優 れ た 能 力 を 伸 ば し 、 豊 か な 心 情 と態 度 を 育 て る た め に、 国 際 教 育 、 環 境 教 育 、 芸 術 活 動 な ど の 活 性 化 を 図 っ て い る 。 そ し て、 国 際 教 育 に 関 七 て は、1 年 間 か け て 行 っ た ブ ル キ ナ フ ァ ソ 国 へ の 机 と 椅 子 の 支 援 交 流 プ ロ ジ ェ グェト 、 オ ース トユラ リ ア と の ホ ー ム ス テ イ 及 び テ レ ビ 会 議 交 流 な ど を 展 開 し て い る 。=同 時 に、 環 境 教 育 で は 、ユ学 校 に あ るビ オ ト ープ の 活 用 、 東 山動 物 園\と 連 携 し た 絶 滅 危 惧 種 の ニ ホ ンメ ダ カ 里 親 プ ロ ジ ェ クト へ の 参 加 、。さ ら に 、 地 域 の 歴 史 や 自 然 を探 究 す るプ ロ ジjエ クト や フ ィ ー ル ド ワ ー ク な ど と活 動 が 広 が っ て きた 。 こ れ ら の 活 動 を 全 校 児 童 の 主 体 的 な 意 識 形 成 や参 加 態 度 を 促 す た め に、 学 級 社 会 自 体 の学 び の コ ミ ユニ テ ィ ペ の変 革 、協 同 的 な 学 び 合 い に よ る 学 び の 深 ま り、 そ し て、 共 生 意 識 と 態 度 形 成 を 目 指 し て、「 宇 宙 船 地 球 号 カリ キ ュ ラ ム1 を つ く ろ う と し て い る 。 さ ら に 、 学 年 の 壁 を 越 え た ホ ー ル ス ク ー ル アプ ロ ーチ の 実 践 を 行 い 、21 世 紀 の 地 球 時 代 を 生 き る 人 類 に と っ て の 地 球 観 ・ 世 界 観 を 表 す 極 め て象 徴 的 な 概 念 で あ る 「 宇 宙 船 地 球 号 (Spaceship Earth )」 を メイ ン 千 メ ー ジ に 、「 水 と 生 活 」 を テ ー マ に 、 音 楽 や 表 現 活 動 を 取 り 入 れ な が ら、 大 陸 間 を 越 え た 子 ど もた ち の 活 動 へ と つ な げ て い ぐ 考 え で あ る 。    ご  ノ     。。・・ 。。・・ 。。        ・ 。・・。・。 こ れ ら の 学 校 改 革 と 教 育 実 践 は 、 現 在 、 国 連 及 び 文 部 科 学 省 が たい へ ん重 視 し て い るESD (持 続 発 展 教 育・Education for Sustainable Development )の 具 現 化 と も い え る。 そ し て、 こ のESD の教 育 実 践 の核 に な っ て い る ユ ネ ス コ ス ク ー ルへ の 登 録 、 世 界 的 な ネ ット ワ ー ク へ の 参 画 を 目 指 し て い る。 そ こ で 、 上 記 の よ う な 総 合 的 な 学 習 の 時 間 にお け る 活 動 や 特 別 活 動 を 中 心 と し た 教 育 実 践 と 共 に 、ボウ ル ズ ク ー ル アプ ロ ーチ と七 て 、教 科 学 習 と の つ な が り を 明 確 に し 、 本 校 の 教 育 課 程 の 作 成 へ 反 映 さ せ る こ と が 重 要 と な る 。 こ の よ う な背 景 の も と 、こ の * 椙 山 女学 園大 学 附 属 小 学 校長 /椙 山女 学 園大 学 教 育 学部 ** 椙 山女 学 園 大 学 附属 小 学 校研 究主 任        ・. ***椙 山 女 学 園大 学 附 属 小 学 校教 務 主 任 1

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宇 土 泰 寛 ・ 川 野 幸 彦 ・松 原 道 晴 /ESD ( 持 続 発 展 教 育 ) と 社 会 科 ・ 理 科 教 育 のっ な が り 2 ESD の視点 と教 科教 育のつ な がり の明確化、 特 に社会 科 と理科 を中心 とし た研 究 課 題に、本校 の教務主 任桧原 道晴と研究主 任川野 幸彦との3 名 で取り組 むこ とにす る。

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1 ESD

と こ れか ら の学 校教 育

(1) 地 球 時 代 の 進 展 と 「 宇 宙 船 地 球 号」       ニ   \ グ ロ ーバ ル 化 と多 文 化 化 か 併 存 し て 進 む 地 球 時 代 を 迎 え た 現 在 、 地 球 上 で は 、 環 境 問 題 、 気 候 変 動 、 自 然 災 害 、 開 発 と貧 困、 健 康 、 人 権 、 平 和 、 食 糧 、 エ ネ ル ギ ー、 地 域 社 会 の 衰 退 、 都 市 の ス ラ ム化 な ど様 々 な 問 題 が 生 起 七 て い る 。 こ の よ う な 複 雑 な 問 題 を 抱 え た 地 球 社 会 と 人 々 が 地 球 上 に多 様 な 環 境 の も と独 自 な 文 化 を培 っ て きた 地 域 社 会 を 持 続 可 能 な も の に す る こ と が 人 類 に と っ て 課 せ ら れ た大 き な 使 命 で あ る 。 こ の 地 球 的 な 視 点 の 危 機 意 識 は 、1960 年 代 か ら70 年 代 に か け て の 時 代 背 景 と 関 わ り な が ら 、 経 済 学 者 の ケ ネ ス ・E ・ ボ ー ル デ ィ ン グ (Kenneth E. Boulding ) と 建 築 家 で あ り 、 思 想 家 の バ ッ ク ミ ン ス ター ・ フ ラ ー (R. Buckminster Fuller ) に よっ て 提 唱 さ れ た 「 宇 宙 船 地 球 号 (Spaceship Earth )」 の 概 念 に よ っ て 象 徴 的 に あ ら わ さ れ 、 広 が っ た の で あ る 。 こ の 概 念 は、 地 球 を ひ と つ の 宇 宙 船 とし て み な し 、 地 球 上 で 生 き

る 私 た ち は、 こ の 同 じ 宇 宙 船 の乗 組 員 で あ る と 考 え る の で あ る 。          し ボ ー ル デ ィ ン グ は 、1965年 に「 宇 宙 船 と し て の 地 球(Earth as a Space ship)」を 書 き 、 1966 年 に ワ シ ント ン で 開 か れ た 未 来 資 源 研 究 所 で 、「 来 る べ き宇 宙 船 地 球 号 の 経 済 学 (The Economics of Coming Spaceship Earth )」 と。い う 論 文 を 発 表 し 、 無 限 の 貯 蔵 所 が あ る 開 か れ た 地 球 か ら 、 貯 蔵 所 を 持 た ない 一 つ の 宇 宙 船 と し て の 閉 じ た 地 球 へ の 移 行 が 必 要 と述 べ 、 ま さ に エ コロ ジ カ ル な 経 済 活 動 へ の先 駆 け と な っ た 。      ■㎜

バ ッ ク ミ ン 不 ター ・フ ラ ー は 、『宇 宙 船 地 球 号 操 縦 マ ニ ュ ア ル (operating Manual for Spaceship Earth )』1)にお い てレ 化 石 燃 料 や 原 子 力 エ ネ ル ギ ー に 依 存 ず る こ と へ の 警 告 と エ ネ ル ギ ー 供 給 母 船 「 太 陽 号 」 等 、クリ ー ン エ ネ ル ギ ー ヘ の 移 行 を 提 示 し た 。 (2)ESD とユ ネスコ スクール    し こ のような 地球や地 域が抱 える課題に対し て、 より大 きな視 野で、人 間と自然、人 間と社 会の問題 を理解し、 自分 とのつなが りを考 え、 持続可 能な開発 のために行動す る人、 行動で きるス キルを もっ た人を育て るこ とが 地球時代 の教育の大 きな課題とな って きたのであ る。こ の課題 に立ち向かう教 育とし て、ESD (持続発展教 育)が生 ま れたので あ る。 つ まり、ESD は、 持 続可 能な社 会づ く りのた めの担 い手 づ くりの教 育であ り2)、:ESD の実践 には、 次の2 つ の観点が重 要である。 ①人 格の発達 や、 自立心、 判断力 、責任感 などの人 間性を育 むこと ② 他人と の関係 性、社 会 との関 係性、 自然環境 と の関係性 を認 識し、「関 わり」、「つ なが り」を尊重 で きる 個人を育 むこと

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椙 山 女 学 園 大 学 教 育 学 部 紀 要 Vol. 5 2012 年

そ の た め、 環 境 教 育、 国 際 理 解 教 育 等 の 持 続 可 能 な 発 展 に 関 わる 諸 問 題 に 対 応 す る 個 別 の 分 野 に と ど ま ら ず 、 環 境 、 経 済、 社 会 の 各 側 面 か ら 学 際 的 か つ 総 合 的 に取 り 組 む 必 要 が あ る と い え る。

こ のESD を 推 進 す る 核 に な る 学 校 と し て、 ユ ネ ス コ ス ク ー ル が あ る 。 ユ ネ ス コ ( 国 連 教 育 科 学 文 化 機 関:United Nations Educational, scientific, and Cultural Organization; UNESCO ) は 、 ユ ネ ス コ 憲 章 の 前 文 に あ る 「 戦 争 は 人 の 心 の 中 で 生 ま れ る も の で あ る か ら 、 人 の 心 の 中 に 平 和 の 砦 を 築 か な け れば な ら な い 」 と い う 言 葉 に 表 さ れ て い る よ う に 、 世 界 平 和 の 実 現 と 人類 福 祉 の 向 上 、 そ し て 、 世 界 の 教 育 の 普 及 と 発 展 に 寄 与 し て い るレ も ち ろ ん 冷 戦 時 代 の 国 家 間 の 対 立 の よ う に 戦 後 の 世 界 状 況 に 影 響 さ れ た 面 も あ る 。 そ の 動 向 を 簡 単 に た ど っ て み る と 、 国 家 主 義 へ の 反 省 か ら、 国 際 主 義 を 強 く打 ち 出 し た1950 年 代 前 半 の 「 世 界 市 民 性 教 育 」 か ら 、 米 ソ の東 西 対 立 の 影 響 を 受 け 、1950 年 代 後 半 の 諸 国 の 国 民 教 育 を 重 視 し た 「 国 際 理 解 と 国 際 協 力 の た め の 教 育 」 へ 、 更 に 、1970 年 代 に 入 り、 発 展 途 上 国 で の 人 種 ・ 人 権 問 題 、 先 進 国 で の 環 境 汚 染 問 題 な ど が広 が り、 世 界 の共 通 問 題 も、 人 口 ・食 糧・資 源・エ ネ ル ギ ー・ 環 境 等 と 深 刻 な も の に な っ て き て、1974 年11 月 、 第18 回 総 会 にお い て 、「 国 際 理 解 、 国 際 協 力 お よ び 国 際 平 和 の た め の 教 育 な ら び に 人 権 お よ び 基 本 的 自 由 につ い て の教 育 に 関 す る 勧 告 」(Education for International Understanding, Co-operation and Peace and Education relating to Human Rights and Fundamental Freedoms ) を 採 択 し た 。 そ の 後 、 理 念 と各 国 の 事 情 、 実 践 と の 隔 た り 、 ポ ス ト 冷 戦 時 代 の 課 題 な ど の 問 題 を抱 え て き た ユ ネ ス コ は 、新 た な時 代 の 教 育 の 在 り方 を 検 討 し 、1995 年 に、「平 和 、 人 権 、 民 主 主 義 の た め の 教 育 」 を 総 会 で 採 択 し た の で あ る3 )。 ま た 、 ブ ラ ジ ル の リ オ デ ジ ヤ・ネ イ ロ で 開 催 さ れ た 地 球 サ ミ ッ ト (1992 年 ) に お い て 「持 続 可 能 な 開発 」(Sustainable Development ) 概 念 を 提 起 七 、 つ い に 、2002 年 、 南 アフ リ カ 共 和 国 で 開 か れ た ヨ ハ ネ ス ブ ル グ ・ サ ミ ッ ト で 、ESD (持 続 可 能 な 開発 の た め の教 育; Education for Sustainable Development ) と し て 提 唱 し た の で あ る。 そ し て 、2005 年 か ら、 世 界 全 体 で の 取 り 組 み とし て 「ESD の 十 年 」 を 展 開 し て い る の で あ る 。 日 本 で は 、 文 部 科 学 省 が 、 こ のESD を 「持 続 発 展 教 育 」 と名 称 を 決 め 、 全 国 へ の展 開 を 図っ て い る 。 こ の 持 続 発 展 教 育 は 、 世 代 間 の 公 正 、 世 代 内 の公 正 、 公 共 の 問 題 に 関 わ り 解 決 す る た め に 参 加 で き る市 民 の 育 成 を 目 指 し た 教 育 で あ り 、 地 球 時 代 の 教 育 の 具 体 的 な 実 践 と し て 具 現 化 さ れ る こ とが 求 め ら れ てい る 。 (3) 持続可能 な社会 をめざし た活動主体 の資質形成 とホ ールス クールアプロ ーチ こ のESD にお い ては、 開発 と環境 のつ ながり、 世代 間のつ なが り、 先進 国 と開発 途上国 のつなが りなどが キーワ ード になる。 このつ ながりを生 み出す には、教育 のパ ラダ イム転換、つ まり、知 識伝達型 の教育 から協 同 的な学び合い の教育 へという教 育 の文化変 容が必 要である。 学校教育 の現状 から新しい 教育へ の転換の ためには、教員 3

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宇 土 泰 寛 ・川 野 幸 彦 ・ 松 原 道 晴 /ESD ( 持 続 発 展 教 育 ) と 社 会 科 ・ 理 科 教 育 のっ な が り

の 意 識 改 革 や 学 校 組 織 運 営 の 改 革 、 カリ キ ュ ラ ム や 教 育 方 法 の 変 革 も必 要 で あ り、 ホ ー ル ス ク ー ル アプ ロ ー チ とし て の 教 育 実 践 が 必 要 と も い え るよ

持 続 可 能 な 開 発 は 、ACCU (Asia/Pacific Cultural Centre for UNESCO ) が “Tales of Hope ” 4)で 述 べ て い る よ う に 、「 白然 環 境 と 人 間活 動 の 調 和 だ け で は な く 、 人 々 が 互 い を 尊 重 し 、 寛 大 で 暴力 の な い 平 和 な社 会 に 向 け た 取 り 組 み 」 で あ り、 人 々 の つ な が り が 世 代 間 を 越 え て 地 域 の 中 で 、 そ し て 、/国 を越 え て つ な が り 合 っ てい く こ と が重 要 で あ る と 考 え る 。        \ そ こ で 、 椙 山 女 学 園 大 学 附 属 小 学 校 で は 、 大 学 と も 連 携 し 、 子 ど も一 大 学 生一 大 人 の 多 彩 な 世 代 間 の つ な が り と多 文 化 共 生 の 関 係 づ く り を 実 現 し た 活 動 を創 出 す る 。 そ の た め に 、 活 動 に 取 り 組 む 子 ど も の 価 値 観 や 態 度 形 成 、 生 活 様 式 、 大 人 世 代 と の つ な が り 感 、 異 文 化 へ の 態 度 な ど、 公 共 性 や 市 民 性 も 踏 ま え て 、ESD を 通 し た 資 質 形 成 と カ リ キ ュ ラ ム 開 発 を 目 指 す 。 こ れ ら の 教 育 実 践 の展 開 で あ る 椙 小 ホ ー ル ス ク ー ルア プ ロ ー チ を 図示 す る と以 下 の よ う に な る よ      ダ

椙 山 小 学 校 ホ ー ル ス ク ー ル ア プnr ― チ

音 楽 展 示 「 宇 宙 船 地 球 号 」 個 人と共生  地域 と地球 合唱劇 (オラトリオド「 宇宙船地球 号」映像 学校空 間と学 びのし かけ 映 像 地 域(Z) 持 続 的 発 展 人 間と環境共生 ネットワ ーク 東 山メダカプロ ジェ クト 川 とどんぐ りプ ロジェ クト 地域(覚王 山)フィ ールド ワー ク 4 地 球CO 持 続 的 発 展 大 陸 間 交 流 ネ ッ ト ワ ー ク ブ ルキ ナ フ ブソ 支 援 交流 プ ロ ジ ェ クト オ ー ス ト ラ リ ア 交 流 プ ロ ジ ェ ク ト チ ェ コ 絵 画 交 流 プ ロ ジ ェ ク ト 宇宙 船地 球号カリ キュ ラム 地球社会 と私た ち  ES: ( )  地球環境 と私 たち 椙 山地球子 どもプロ ジェ クトバ1 年生∼6 年生 ) 犬 社 会 科  理 科 協 同的 な学 び 合 い  学 び の コミ ュ ニ テ ィ infusion approach こ れらのホ ールス クー ルアプロ ーチ のカリ キュラム 開発 の基礎 として、新学 習指導 要領の考 察と社会科 と理科 におけ るESD との 関連を考察す る。

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椙 山 女 学 園 大 学 教 育 学 部 紀 要  VOIレ5 ニ2012 年

3. 新 学習 指 導 要領 とESD

(1トESD に 関 わ る キ ー ワ ー ド ESDず )の 掲 げ る 寸ESD で大 切 な視 点 」 か ら は、寸 尊 厳・責 任 ・自然 ・多 楡 匪・思 考・ 表 現 ・ 協 力 ・ 思 い 描 く ・ 環 境 容 量 ・ 実 践 ・ 参 加 体 験 ・継 続 ・主 体 性 ・ 関 わ る」 と い っ た ESD に 関 わ る 言 葉 が あ げ ら れ る 。 ま た 、 国 連 ESD の10 年 国 際 実 施 計 画 の 中 に は 、 「ESD は 基 本 的 に は 分 野 横 断 的 な も の で あ り、 多 様 な 機 関 が 関 与 す る 。」 と あ る こ と か ら 、「 つ な が り ・ 協 働 上 と い う 言 葉 も あ げ て お き た い 。 さ ら に 、ESD-T は 、 持 続 可 能 な 発 展 を 実 現 し て い く 身 近 な 場 と し て の 「地 域 」\を重 視 し て い る6 こ う し た キト ワ ー ド を も ど に 、 指 導 要 領 や 教 科 書 と ESD のつ な が り に つ い て 検 証 し て い く こ と に す る 。 (2) 新指 導要領 に見 られる ESD ∼旧学 習指導要 領と新学 習指導要領 の比較 まず4「総則 」部分 の比較を七 てみた。

新学習指導要領(2008年) 総則

道徳教 育は、 教育基 本法及 び学 校教育 法 に 定 めら れた教 育 の根 本精 神 に基づ き、 人間酋重の精 袖 ど牛 命に対す る畏語 の含 を 家 庭 、 学 校 、 そ の 他 社 会 にお け る 具 体 的 な生 活 の 中 に 生 か し 、豊 か な 心 を も ち 、 伝 統 と 文 化 を 尊 重 し 、 そ れ ら を は ぐ く ん で きた我が 国と郷土 を愛し、 個性豊 かな 文化 の創造 を図る とともに、公 共の精神 を 尊び、民 主的な社 会及び 国家 の発展 に 努 め、 他国 を尊重し、 国際社 会の平和 と 発展 や環境 の保全 に貢 献し未 来を拓 く主 体性 のある 日本人 を育 成する ため、そ の 基 盤とし ての 道徳性 を養うこ とを 目標 と す る。 旧学習 指導要 領(1998年 ) 総則 道徳教育 は、教育 基本法及 び学校教育 法 に定 め ら れた教育 の 根本 精神 に基づ き、 人間酋 重の精神 と牛命 に対 する俗話 の兪 を 家 庭 、 学 校 、 そ の 他 社 会 に お け る 具 体 的 な 生 活 の 中 に 生 か し 、豊 か な心 を も ち、 管 匪豊 か な 文 化 の 創 造 と民 主 的 な社 会 及 び 国 家 の 発 展 に 努 め 、 進 ん で 平 和 的 な 国 際社会 に貢献し 未来を拓 く主体性 のあ る 日本 人 を育成 するため、 その基盤 とし て の道徳 性を養う ことを 目標とする。 そ の中で、ESD に 関連 する内 容 に下線 を付け て みた。 する と、 新 学習指 導 要領が い かに ESD を意 識し重 視し てい るかが はっ きりして きた。 なお、 中学校 と高 校の指 導 要領につい て は、 この 傾向はさ らに顕著であ りへ 持続 可能な社 会の実現 を目指す な ど、 公共 的な事柄 に自ち参 画してい く資質や 能力 を育成 するこ との重視が 明示 さ れて い る 。

4. 小 学 校社 会 科の 学習 指 導 要領 の比 較 と教 科 書に 見 ら れるESD

(1) 小 学 校 社 会 科 の 目 標 の 比 較。・ 上‥  \ 小 学 校 社 会 科 5 年 生 の 目 標 を 比 較 し て みる 。 5

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宇 土 泰 寛 ・ 川 野 幸 彦 ・松 原 道 晴 / ESD (持 続 発 展 教 育 ) と社 会科 ・ 理 科 教 育 の つ な が り 新 指導要 領 5年生社 会科 ( 1)我 が 国の 国土 の様 子、坦 玄白 還篤 と国民生活 との関 連につい て理解で きる ようにし、 環境 の保全や自 然災 害 の防止 の重要性 について の関心 を深め、 国土 に 対 する愛情 を育て るよう にする。 旧指導 要領 5年 生社 会科 ( 2 ) 我 が 国 の 国 土 の 様 子 につ い て 理 解 で き る よ う にし 、 環 境 ダ禎 と全 と 資 源 の重 [ 要 性 に つ い て 関心 を 深 め る よ 引 こす る/と | と も に 、 国 土 に対 す る 愛 情 を 育 て る 。 ト この ように比較 してみ ると、新指 導要領で は、 単に環境教 育に とどまらず、 持続可 能な社会 の構 築 を目指す子 どもの育 成を目指し ているこ とがよく わかる。 さら に、2008 年 に公示 された指 導要領解 説の中 には、「 持続可 能な…」 といら た記 述が、小 学 校版 で は29 か所、 中学 校 版で は46 か所見 ら れ、ESD を重 視し取 り組 ん でい こう とい う 強い 意志が うかが われる。 (2) 小学 校社会 科教科書 にみら れるESD こ こ か ら は、 実 際 に 使 わ れ て い る 小 学 校 社 会 科 教 科 書 に 見 ら れ る ESD を 具 体 的 に 取 り 上 げ て い く 。 な お 、こ こ で 例 示 す る 教 科 書 は、「 新 し い 社 会 5年 下 」(東 京 書 籍 ) で あ る 。 A: 丁3. わ た し た ち の 生 活 と工 業 生 産 」 の 「 ② 工 業 生 産 と工 業 地 域 」:     上 自 動 車 工 業 を 学 習 し 、 大 工 場 の 様 子 や 関 連 工 場 に つ い て 学 ん だ 後 の 単 元 で あ る。 こ こ で は 、 東 京 都 大 田 区 にあ る 中 小 工 場 を と り あ げ て い る6 )。 そ と で 、 板 金 が 得 意 な 人 や 部 品 の 加 工 が 得 意 な 人 が 協 力 し 合 い 、 視 覚 障 害 者 向 け の 、\書 く と 文 字 が 盛 り 上 が る ペ ン を 開 発 し た こ と を 伝 え てい る 。 高 い 品 質 の も の を 協 力 し て 作 る こ と に より 、 開 発 し た 工 場 も、 そ の 製 品 を 使 う 視 覚 障 害 者 も 、 共 に利 益 を 有 す る こ と が で き るよ こ こ に 持 続 可 能 性 が 見 ら れ る 。        \ B:「3. わ た し た ち の 生 活 と 工 業 生 産 」 の 「 ③ 工 業 生 産 と 貿 易 」 日 本 の 貿 易 に つ い て の 学 習 に お い て 、 子 ど も た ち は 、7まず 日 本 の 輸 入 に つ い て 特 色 を 掴 み 、 続 い て 輸 出 に つ い て 学 ん で い く。 そ し て、 最 後 に 日 本 の 貿 易 全 体 に つ い て の 特 色 を 学 ぶ の だ が 、 そ こ で は 日 本 の 利 益 だ け を 取 り上 げ る よ う な こ と はし て い な い 。 本 文 中 に は 、 次 の よ う な 記 述 が あ る7 )。「 輸 入 す る こ と に よう て、 国 内 で は つ く れ な い も の や 、 国 内 で つ く る よ り も ず っ と安 い も の が 手 に 入 るこ と は い い こ と で す 。 し か し 、 国 内 で 生 産 し て い る 人 々 の 仕 事 が 減 っ て し ま う こ と も あ り ま す。 輸 出 す ること も、 輸出先 の国で喜 ぶ人がい る一方、そ の国の産業 がおとろ えることがあ り ます。」 自由貿易 につい ての記述 の後に も、「し かし、自由 な貿 易に よって こ まる人た ち のこと もじ ゅう ぶん に考えて い く必 要があ り ます。」 とあ るよう に、双方 のこ とに つい て考えさ せなが ら、 地球 的な視野 で子ど もたちに持続可 能な社会 のあり方 を学ば せてい こう とし てい るO C:「 くらし を支 える製 鉄業 、石 油工業、 食料品、せ んい 工業」 こ こでは、実 際に働い ている 方々の話 を載せてい る8)。業 種は違 うが、そ れらの話 6

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椙山女 学園大学教育学 部紀要 Vol. 5 2012 年 に は 共 通 点 が あ る 。 ま ず 一 つ 目 は 、 製 造 者 側 の 考 え や 意 図 が 明 確 に 示 さ れ て い る こ と で あ る 。 二 つ 目 は 、 消 費 者 側 や 環 境 に 対 す る 配 慮 が あ る こ と 。 三 つ 目 は 、 高 品 質 性 を 目 指 す こ と で 企 業 も 環 境 も 維 持 で き ら に は 従 業 員 の 意 欲 や 責 任 に つ な が る と い う こ と が あ ら わ れ て い る こ と で あ る 。 資 料 か ら は 、 諸 産 業 に は 現 世 代 だ け で な く 将 来 世 代 に 対 す る 責 任 が あ る と い う こ と も 学 習 者 に 伝 え よ う と し て い る こ と が よ く わ か る D く 「4. 情 報 化 し た 社 会 と わ た し た ち の 生 活 」   \ ご の 単 元 で は 、 テ レ ビ 、 ラ ジ オ 、 新 聞 、 雑 誌 、 イ ン タ ー ネ ッ ト な ど を 取 り 上 げ な が ら 、 各 メ デ ィ ア の 特 徴 や 利 便 性 や 不 利 益 性 な ど を 学 習 し 七 い く9 ) 報 道 は 、 生 活 に お お い に 役 立 つ が 、 情 報 被 害 と い っ た こ と も 起 き る 危 険 性 を は ら ん で い る と い う こ と を 伝 え て い る の だ 。 そ う す る こ と で 、 学 習 者 に は 、 問 題 の 本 質 を 見 抜 く 力 や 批 判 す る 思 考 力 が つ い て く る 。 ま た 、P73 の 資 料 で は 、 学 習 者 の 生 活 は 、 情 報 に 囲 ま れ て お り 、 そ の 活 用 方 法 も い ろ い ろ と 考 え な け れ ば な ら な い こ と を 示 し て い る 。 つ ま り 、 こ の 単 元 で は 、ESD-J の 掲 げ る 「 多 様 な 価 値 観 を 認 め 尊 重 し て い く 力 」 や 「 多 様 な 立 場 ・ 世 代 の 人 々 と つ な が り 学 ん で い く こ と の で き る 力 」 が 育 ま れ て い く と 考 え ら れ る 。 E: 「5. わ た し た ち の 生 活 と 環 境 」       ‥ こ の 単 元 で は 、 ま ず 「 ① わ た し た ち の 生 活 と 森 林 」 に お い て 、世 界 遺 産 「 白 神 山 地 」 を 取 り 上 げ な が ら 森 林 ( 水 源 林 ) を 守 っ て い く こ と の 重 要 性 を 伝 え て い る10 ) 学 習 か ら は 、ESD-J の 示 す 寸ESD で つ ち か い た い 価 値 観 」 の 中 に あ る 「 人 は 自 然 の 一 部 で あ る 」 と い う 考 え 方 を 認 め る こ と が で き る 。      I         。    ふ ま た 、 「 ② 環 境 を 守 る わ た し た ち 」 に お い て は 鴨 川 に 対 す る 京 都 市 の 環 境 保 全 活 動 を 取 り 上 げ て い る 。 鴨 川 に お け るBOD 値11 ) の 推 移 や そ こ に 根 付 く 産 業 の 様 子 な ど も 掲 載 さ れ て い る 。 そ の 後 に は 、 高 度 経 済 成 長 と 環 境 悪 化 に も ふ れ ら れ て お り 、 学 習 者 は 歴 史 的 な 背 景 を 知 る 。 そ し て 、P100 「 地 球 温 暖 化 防 止 国 際 会 議1997 年 」 で 採 択 さ れ た 「 京 都 議 定 書 」 が 取 り 上 げ ら れ る 。 学 習 者 は こ こ で 地 球 の 環 境 容 量 に つ い て 考 え て い く こ と に な る ○      ダ  ・  。       ・       ● さ ら に 「 ③ 自 然 災 害 を 防 ぐ 」 で は 、 各 都 道 府 県 や 自 治 体 で 行 わ れ て い る 防 災 事 業 や 取 り 組 み を 取 り 上 げ な が ら 、 学 習 者 の 防 災 意 識 の 向 上 を 図 っ て い る 。 そ こ か ら ESD-J の 掲 げ る 「 自 分 が 望 む 社 会 を 思 い 描 く 力 」 が 育 ま れ る と 考 え ら れ る 。 こ の よ う に 教 科 書 を 見 て く る と 前 述 のA ∼C の よ う に 、 各 単 元 で 取 り 上 げ ら れ る 資 料 を 通 し てESD の 考 え 方 を 探 求 さ せ る 場 合 と 、D 引 こ 単 元 内 容 がESD に 関 わ る 場 合 と 、 さ ら に 、E の よ う に 単 元 全 体 がESD に 直 結 し て い る 場 合 が あ る こ と が わ か る 。

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小学校理科の学習指導要領の比較と教科書l

こ見 ら れるESD

(1) 学習 指導要領 の比較 と考察  十 比 較 に当 たり、小学 校理科 の目標 と第3 学年 と第5 学年 の目標 を次に引用 した。 7

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宇 土 泰 寛 ・ 川 野 幸 彦 ・ 松 原 道 晴 / ESD ( 持 続 発 展 教 育 ) と社 会 科 ・ 理 科 教 育 の っ な が り

新学習指導要領

第 1日標 自然 に親し み,見 通し を もっ て観察レ 実 験な どを行い, 問題解決 の能力 と自然を 愛す る心情を育 てるとと もに,自然 の事 物・現象 につい ての実感 を伴った理 解を 図 り, 科学的 な見 方や考 え方を養 う。 第2 \各学 年の目標及 び内容 〔第3学年〕 (2)身近 に見ら れる動 物や植物 , 日なたと 日陰 の地面を比較し なが ら調べ,見い た し た問 題を興味 ・関心を もっ て追究 する 活動 を通して,生物 を愛護 する態 度を育 てる とともに 生 物 の成長 のき まりや体 のつ くり, 生物 と環境と のかか わり, 太 陽と地面 の様子 との関係 につい て の見 方 や考 え方 を養う。 〔第5学年〕 (2)植物 の発 芽から 結実まで の過程,動物 の発生 や成長,流水 の様子, 天気 の変化 を条件, 時 既 水量, 自然災 害な どに目 を向け ながら調べ,見 いだし た問題 を計 画的 に追究する活動 を通し て, 生命 を尊 :重する態 度を育てる とと もに 生命 の連 続性,流水 の働 き,気 象現象 の規iIJ既に つ いて の見 方や考 え方 を養 う。 旧学習 指導要領 第1日標 自然に親し み, 見通し をもっ て観察, 実 験 などを行い, 問題解 決の能力 と自然を 愛 する心情 を育てる とともに自然 の事 物 ・現象につい ての理解 を図り,科学 的 な見 方や考 え方を養う。 第2 各 学年の 目標及び内容 〔第 3学年 〕 (1)身近に見 られる動物や植物 を比較し な が ら調べ,見い だした問題 を興味・ 関心 をもって追 究する活動 を通し て,生物 を 愛 護する態 度を育てる とともに 生物 の 成長 のき まりや 体のつ ぐり, 生物同士 の かかわりについ ての見方 や考え方 を養 う。       ‥ 〔第 5学年 〕 (1)植 物の発芽 から結実 まで の過程,動物 の発 生や成長 などをそ れらにかか わる条 件 に目を向け ながら調べ, 見い だし た問 題 を計画的 に追究する活動 を通して,生 命 を尊重する態 度を育て るとと もに 生 命 の連続性 につい ての見方 や考え方 を養 うレ 下線: 新旧 で異 なる部分 新 し く加え られた 部分 第]レ目標でESD に関 わる部分 旧学習 指導要領 と大 きく異なっ てきたの は、 新学習指 導要領 におい て第1 の目標に お いて 「実感を伴っ た」 とい う言葉 が加え られている点 である。理 科は多 岐 にわたる 自然や物 質につい ての 学習 であ り、 これ まで は理科を暗 記科目 と見 る人も多 く、 保護 者の言葉 から も、そ ういっ たニュ アンスを感 じるこ とがあ る。ト そこで、 子ど もたちが実 感しやすい よう に大 きく学習 内容の改 編をさせた。そ のた めに内容 につい ても、旧 学習指 導要領で は、A 生物 とそ の環境、B 物質 とエ ネル ギー、 C 地 球と宇宙 の3つであっ た のに対し て新学習指 導要領 では大 きく変 更さ れ、新 学習 指導要 領では、A 物質 とエ ネルギー、B 生命 ・地球 の2つ となって い る。生物 とそ の 周り の宇 宙も含 めた環境 とを切り離し て考 えることが できない、 互い が関 わり合 って い るこ とを強 く発信し てい るとい える。 第 2の各学年 の目標 と内容 では、3年 生 の旧 学習指 導要 領の目標 は「生物同士 のか か わり」 であっ たが、 新学 習指導 要領におい ては「生物 と環境 との かか わり」 となり 非常 に大 きな視 野で見 るこ とがで きる ように なった。 生物 同士だけ でな く、 山や 川、 8

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椙山女学園大学教育学 部紀要しVol. 5 2012 年 暑 さ や 寒 さ … … 自 然 の 全 体 を考 え て い け る よう に な っ た 。    六 大 こ れ まで4 年 生 で 自 然 の 中 の水 の 姿 の変 化 を学 習 し て い た が、 新 学 習 指 導 要 領 で は 自 然 の 中 の 水 の 蒸 発 、 空 気 中 に ふ く ま れ る 水 蒸 気 、 結 露 な ど、 天気 の 様 子 と も関 連づ け 、 こ れ ま で よ り 身の 回 り の 水 の 変 化 を 実 感 し や す い よう に な っ て い る 。 5 年 生 の 目 標 で は、寸 時 間 、 水 量 、 自 然 災 害 」 と い う 言 葉 が 加 え ら れ て い る 。 生 物 と 環 境 の 関 わ り を こ れ まで 以 上 に 詳 し く 考 え て い く こ と が 求 め ら れ て い る 。「 自 然 災 害 」 は 生 物 の 命 や 活 動 に 大 きな 影 響 を 及 ぼ す も の で あ り 、 自 然 の 学 習 の 大 切 な 部 分 で もあ る と い う 考 え が 出 さ れ て い る。 6 年 生 で は、丁生 物 と環 境 」 とい う 項 目 に お い て 、 旧 学 習 指 導 要 領 で は 「 食 物 連 鎖 」 に つ い て 扱 わな い こ と と あ っ た が 、 新 学 習 指 導 要 領 に お い て は 、寸 生 物 の 間 に は 、 食 う 食 わ れ る とい う 関 係 が あ る こ と 」 が 明 示 さ れ て い る 。 生 物 同 士 が 互 い に 他 の 生 物 の 大 切 な食 物 とい う 環 境 に な っ て い る こ と も 考 え て い く べ きな の で あ ろ う 。 さ ら に 、大 き ぐ変 わ っ た の は、第3 「指 導 計 画 の作 成 と内 容 の 取 扱 い 」にお い て 、1 (2ド 観 察 、 実 験 の 結 果 を 整 理 す る 学 習 活 動 や 科 学 的 な 言 葉 や概 念 を 使 用 し て 考 え た り 説 明 し た りす る な ど の 学 習 が充 実 す る よ う 配 慮 す る こ と。(4) 第1 章 総 則 の 第1 の2 及 び 第3 章 道 徳 の 第1 に 示 す 道 徳 教 育 の 目 標 に 基 づ き、 道 徳 の 時 間 な ど と の 関 連 を 考 慮 し な が ら 、 第3 章 道 徳 の 第2 に 示 す 内 容 に つ い て 、 理 科 の 特 質 に 応 じ て 適 切 な 指 導 をす る こ と 。 と い う2 つ の 新 し い 項 目が 加 え ら れ て い る 。 上丁 (2) で はレ「 実 感 を 伴 づ た 」観 察 。、実 験 を し た ま ま に 終 わ らせ ず 、 自 分 な り に 整 理 す る 時 間 を 確 保 し た り、 調 べ た 事 柄 を 説 明 し た りす る機 会 を 設 定 す る と い う こ とで あ る 。/理 科 の 現 教 科 書 の 最 後 に は3 年 生 は 「 話 す ・ か ん さ つ ・ きろ く ・七 らべ る ・ ま と め 」、4 年 生 で は千 話 す 。ニ観 察 ・記 録 …・調 べ る ・ 発 表 ・実 験 器 具 の 使 い か た 」… 、5 ・6 年 生 も同 様 な 項 目 を 扱 う ペ ー ジ が 大 幅 に 増 え て い る。 発 達 段 階 に 応 じ て 、 国語 等 で 扱 っ て きた 事 柄 に も 踏 み 込 ん だ 内 容 に な づ て い る 。       \ 1 (4) に つ い て は 、 た だ 理 科 の 知 識 を 学 ぶ の で は な く 、 生 き方 や 道 徳 的 価 値 や 生 き る力 に か か わ る 学 習 を重 視 し て い る とい う 方 向 が 示 さ れ て い 名。 しこ こ ま で 見 て く る と、「 合 科 」 や 「 総 合 的 な 取 り組 み 」 の 考 え 方 が 大 き く 示 さ れ て い る こ と が わ か る 。 理 科 を 理 科 だ け と し て 扱 う の で は な く 、 言 葉 の 美 し さ 、 日 本 の 美 し い 自 然 環 境 、 生 命 の 尊 厳 やつ な が り、 自 然 へ の 畏 敬 の 念 … … を 理 科 の 学 習 内 容 か ら も 子 ど も た ち が 感 じ て い く こ と が で き る よ う に 指 導 し て い か な け れ ば な ら ない 。 (2) 小 学 校 理 科 教 科 書 に 見 ら れるESD       \     「 ESD は、「 持 続 可 能 な 社 会 の担 い 手 を育 む 教 育 」 で あ る。 そ の た め に、「 環 境 教 育 、 エ ネ ル ギ ー 教 育 、 国 際 理 解 教 育 、 世 界 遺 産 や 地 域 の 文 化 財 等 に 関 す る 教 育 、 そ の 他 関 連 す る 教 育 を 持 続 可 能 な 社 会 の 構 築 の 観 点 か ら つ な げ 、 総 合 的 に 取 り 組 む こ と が 必 要 で す 」 と あ る12)。 理 科 は 特 に エ ネ ル ギ 六 教 育 と 環 境 教 育 で 深 くESD と 関 わる 科 目 で あ る 。A 物 質 と エ ネ ル ギ ー に つ い て の 分 野 で は 、 エ ネ ル ギ ー 教 育 と 深 く 関 わ る だ け 9

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宇 土 泰 寛 ・川 野 幸 彦 ・ 松 原 道 晴 /ESD ( 持 続 発 展 教 育) と 社 会 科 ・ 理 科 教 育 のっ な が り 10 で なく、 自然環 境や、 身近 な事 柄、地域 教育 に も目を向け るよう に考慮し てい る。B 生命 ・地球と いう分 野では生物 ・生命や 宇宙 も含 めた自然 環境につい て扱 う部分が多 い6 その中 でも特徴 的な扱い を探して みた。なお、 ここで 例示 する教科 書は寸み んな と学 ぶ 小学 校理科 3 年・4 年・5 年 ・6 年」(学校図 書)である。 \     上 ① 教 科 書 に見 ら れ る 人 ど の 「 関 わ り 」、「つ な が り」    ‥  上  ‥‥ ‥ ‥‥ 各 学 年 の 教 科 書 の 最 後 に 「 話 す ・ し らべ る ‥ ‥‥‥」 な ど の ペ ー ジ が 大 き な 比 重 を占 め て 設 け ら れ て い る。 理 科 で 学 ん で 得 た 知 識 や 実 感 を し た こ と、 自 分 な り に 考 え た こ と な ど を 、個 人 の 中 だ け に と ど め ず 、友 達 に も 伝 え て い く こ と がESD の 「 関 わ り 」、「 つ な が り 」 を 尊 重 で き る 個 人 を育 む こ と に な る か らで あ る 。 そ の た め に は コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ンカ を 高 め る 必 要 も あ り、4 年 生 の 教 科 書 の よ う に 「 じ ょ う ず な 諭 し か た の こ つ 」 の ペ ー ジ13)が あ り 、 理 科 で 学 習 し た こ と を 伝 え る 上 手 な 方 法 を あ げ て い る 。 自 分 の 考 え が 聞 く人 に 伝 わ り や す い よ 引 こ順 を 追 っ て 話 す こ と 、 ま た 「 科 学 的 な言 葉 」 を使 っ で い く よ 引 こ示 唆 をし て い る。 発 表 の ペ ー ジ14)で は 、 発 表 す る 人 だ け で な く 、ニ聞 く 人 に も 「 聞 く 人 は、 わか る と き は う なず い た り、 わ か ら ない と き はし つ も ん し た り す る と 、 話 す 人 も話 し や す く な る ぞ 。」 と い う示 唆 が あ り 、 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン の 大 切 さ 、I丁 関 わ り」、千つ な が り 」 を は っ き り 示 す 記 述 が あ る。   ∧ ② 丁宇 宙船地 球号」 6 年 生の教 科書の 目次の次 に 丁宇宙船 地 球 号」 が 載 っ てい る15)。美 しい 自 然 の 中 にた くさ んの生物が 息づいてい るこ とを感 じさせ る ような文 章が添えら れている。 人 が自然 に関 わると きには、美しい 自然 を損 な わない ようにする ことの大切 さを示唆し てい る。他 の動物や植 物 も宇宙 船地球 号の 同じ乗 組員 なのだか ら、 お互い が関 わると きに は、 自分 自身 も含 めた かけ がえの ない 命 を大 切にし てい くべきだ。地 球全体 を考えてい くという ことで、 国際理解教育 にも つな がる。       犬 ③ 理 科 に お け る 総 合 的 な 取 り 組 み       し  ニ 3 年 生 の 教 科 書 を ま ず 開 く と 埼 玉 県 幸 手 市 の サ ク ラ 並 木 と 菜 の 花 畑 の 写真 が 大 き く 目 に入 る 。 左 上 に は工 藤 直 子 の 「 す み れい ろ こ も り う た 丁 の 詩 が 載 っ て い る 。 右 に は 幸 手 市 の 位 置 が 日本 地 図 の 上 に ポ イ ン ト さ れ て い る 。 こ れ は 他 の 学 年 で も同 様 で、、4 年 生 は 沖 縄 県 石 垣 島 の 海 に 江 口 あ け み の 「 雲 」、5 年 生 は 富 山 県 立 山 町 の 水 田 と 山 な み に 金 子 み す ヽゞ`の 「 水 と 影 」、6 年 生 は 青 森 県 横 浜 町 の 風 力 発 電 の 風 車 と 菜 の 花 畑 に

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椙山女学園大学 教育学部紀要 Vol. 5 2012 年 まど・みちお の「 きこ えて くる」が載っ ている。 こ れまで も写真の 隅には、 地名が記 載さ れてい たが日本 地図が描 かれてポイ ント が してあ るこ とで、 よりそ の場所 が分 かりや すい。 どの写真 も大 変美しい 風景 であり、 そこ に美 しい 詩 が加 わる こ とで子 ど もた ちは よりイ メ ージ を膨ら ませ るこ とがで き る。こ のよう に、 社会 や国語 など教科学 習とつ なが り、世 界遺産や地域 の文化財等 の 地域学 習に もつ なが り、さら に、美しい 自然 を守ろう とい う道徳 にもつながっ てい く。 6 年生 の「てこ のしぐ みと はたら き」 の最後 には16ソ ① 重い石 を動かす (愛媛県今 治 市卜 ② みつをし ぼり出 す(香川県 東かが わ市)な ど、 従来 の物 理的 な分 野の学習で す ら、地域 の学習 につなが る記述 が見ら れる。 ④ 身近 な環境や 品物 6 年生 の「水溶 液の性 質」17)で は、 身近を飲 み物や 薬の背 景に、沖縄県石 垣島 の海 中の写真 が掲載 されてい る。従来 の教科書 では、水溶 液とい うと初めか らビ ーカ ーや 試験管が大 きく掲載さ れていたが、 この教科 書では、 身近 な飲 み物や海、 川、雨な ど 環境を 意識させ る取り扱い をし てい るのであ る。

[6.

おわ㈲ニ

学習 指導 要領 と教科 書の分 析を 通して、 社会 科にお いて も理科 におい て も、T宇宙 船 地球号」の グロ ーバ ルな視点 と地域 のロ ーカ ルな視点 を併 せ持っ た複眼的な視点 や、 現象 を要素 として 分解し て見 る よりは、様 々な要素 を結びつけ てホリス ティックに見 る見方 の育成 も 目指さ れてい るこ とが わかっ た。 さ らに、教 科が教 科に とど まらず、 他教 科や道徳 ・総合 学習 などとう ながる展 開がいたる ところ にみら れた のであ る。こ のよう な教 育 のねらい や 方向性 は、 学習 指導 要領 の目標 で もある「生 きる力 」 や21 世 紀 の国 際的 な標 準学力 とし てあ る「 キー・ コンピ テ ン シー」 の育成 へ と教科 学習 を誘っ てい く どい える。 さら に、しESD は、 環境 教育、 人 権教 育な ど、 従 来の○ ○教 育 のよう な枠 を作 るアプロ ーチで はなく、地 球と地域 の持続可 能な社会 の担い 手を育 むとい う21 世紀 の人類 に課せ られた目標 が、枠 を越えて すべての教育 課程におい て、 染 み込む ような インフュ ージョン アプロ ーチヘ と導 くのである。 それは、学 校教育を 単 なる知識 の伝達 と習得 の場 では なく、 学 び合い のコ ミュニ ティを生み出し、 地域や 地 球の出来事 に主体 的にか か わる アクティブ ・シティ ズンシ ップ をもった 人間に成長 させ る場へ と変革 させる教育 であ り、 単に授業 だけで はなく、 学校組織や 運営 も含 め た学 校教育全 体の改 編を求 めるので あ る。 椙山女 学 園大学 附 属小 学校 におい て は、21 世 紀 の新 たな時 代を見 据 え、 学 園の理 念であ る「 人間に なろう」 を踏 まえ、 ホ ールスクー ルアプロ ーチ とし て、学 校づく り を行 ってい きたい と考 えてい る。 そ のた めに も、今 回 の研究 で分 かったESD と社会 科 と理科 とのつなが りから見 えてく る新 しい 側面を生 かして、 総合 的な カリ キュラ ム 11

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宇 土 泰 寛 ・ 川 野 幸 彦 ・ 松 原 道 晴 /ESD (持 続 発 展 教 育 ) と社 会科 ・ 理 科 教 育 のっ な が り であ る「 宇宙 船地 球号 カリ キュ ラム」 の開発 を 目指し てい きたい。 そし て、2014 年 秋 に愛 知・名古屋 で開催 される 下国 連持続可 能な開発 のための教育 (ESD ) の10 年」 最終年 会合(主催ユ ネスコ 旧 本政府 )へつ ながる教育 実践を創 出したい と考えている。 ・ ・・ │・ l k l≪

1 )バ ッ ク ミ ン ス タ ー・フ ラ ー(R. Buckminster Fuller )『宇 宙 船 地 球 号 操 縦 マ ニ ュ ア ル(operating Manual for spaceship Earth )』 芹 沢 高 志 訳 筑 摩 書 房2000 年

2 )「 国 際 協 力 イ ニ シ ア テ ィ ブ  大 学 の 知 を 活 用 し たESD 国 際 協 力 モ デ ル の 形 成 」 パ ン フ レ ッ ト 文 部 科 学 省

3 )Declaration and Integrated Framework of Action on Education for Peace, Human Rights and Democracy ( 日 本 国 際 理 解 教 育 学 会1997 『国 際 理 解 教 育3 』 創 友 社 )

4 )ACCU (Asia/Pacific Cultural Centre for UNESCO )“Tales of Hope Grassroots Activities of ESD in Asia and the Pacific" 2007

5 )ESD-J = 特 定 非 営 利 活 動 法 人 「 持 続 可 能 な 開 発 の た め の 教 育 の10 年 」 推 進 会 議 (Japan council on the UN decade of Education for Sustainable Development )

6 )「 新 し い 社 会 科5 下 」( 東 京 書 籍 )P27 7 )「 新 し い 社 会 科5 下 」( 東 京 書 籍 )P37       し 8 )「 新 し い 社 会 科5 下 」(東 京 書 籍卜PP40-53 9 )「 新 し い 社 会 科5 下 」(東 京 書 籍 )PP54-81 10 )「 新 し い 社 会 科5 下 」(東 京 書 籍 )PP82-113 11)BOD 値 とは 、「 生物 化 学 的 酸 素 要求 量 」(Biochemical 12)「ユ ネス コ ス ク ール と 持続 発 展 教 育 (ESD ) につ い て 」 13) み んな と学 ぶ小 学 校 理 科4 年 (学 校図 書 )P154 14) み んな と 学 ぶ小 学 校 理 科4 年 (学 校図 書トP159 15) み んな と 学 ぶ小 学 校 理科6 年 (学 校図 書 )P6 16) み んな と 学 ぶ小 学 校 理科6 年 (学校 図 書 )P84 17 ) み んな と 学 ぶ小 学 校 理 科6 年 (学 校図 書 )P127 ■ 参考 文 献 Oxygen Demand )の値を表す。 日本ユネスコ国内委員会2010 年12 月 Accur 未来 へ の ま なざ し アジ ア 太平 洋 持 続可 能 な 開発 の ため の 教 育(EsD ) の10 年 」2007 年 日本 国 際 理 解教 育 学 会 編 「 グロ ーバ ル 時代 の 国 際 理解 教 育 」 明石 書 店2010 年 宇 土泰 寛 「 地 球時 代 の 教 育  共 生 の 学 校 と英 語 活 動」 創 友 社2011 年  ト       十 国 立 教 育 政 策 研 究 所 編「 学 校 に お け る 持 続 可 能 な発 展 の た め の 教 育 (EsD ) に 関 す る研 究 (中 間 報告 書 )」       ト 五 島 敦 子 , 関 口 知 子 著「 未 来 を つ く る 教 育ESD 一持 続 可 能 な多 文 化 社 会 を め ざし て」 明 石 書 店 2010 年

ESD-T パ ン フレ ット 「 持 続 可 能 な社 会 の た め の「 人」 づ く り」「+ ESD プ ロ ジェ クトEsD で大 切 な視 点 」

UNESCO 172EX /11 (2005,8,11)「 国 際 実施 計 画」

ケ ネ ス・E ・ボ ー ルデ ィ ン グ 「 経済 学 を 超 えて 」 公 文俊 平 訳 ( 改 訳版 ) 学 研 1975 年

参照

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