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照無線センサノードを用いた知的照明システムにおける影響度計測の高速化に対するスケジューリング手法の提案

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Academic year: 2021

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第146回 月例発表会(2013年7月) 知的システムデザイン研究室

無線センサノードを用いた知的照明システムにおける

影響度計測の高速化に対するスケジューリング手法の提案

奥西 亮賀

Ryoga OKUNISHI

1

はじめに

近年,オフィスビルの消費エネルギーは年々増加傾向 にあり,オフィスビルにおける省エネルギー化が望まれ ている.オフィスビルでは,照明による電力コストがビ ル全体の約40%を占めており1) ,照明に対する省エネ ルギー化は重要な課題である.この課題を解決する照明 制御システムとして,筆者らは知的照明システムの研究 開発に取り組んでいる. 一方,無線センサネットワークは,無線装置を内蔵し た多数のセンサが相互に連携することで,実空間の情報 の収集を可能とする技術であり,各センサノードにマイ コンが搭載されているため,高度な制御が可能である. 知的照明システムでは,照明と照度センサの因果関係 を表す影響度を予め測定し,その値を基に照明制御を行 う.しかし,従来の影響度は,システム導入時に測定し た値を使用し続けるため,オフィスのレイアウトを変更 した場合に,再度計測を行わなければならない問題点や センサノードの移動に対応できない問題点などがある. そこで,本研究では,影響度計測におけるスケジュー リング手法を提案し,影響度計測の高速化を行うことで, センサノードが移動した際に影響度を計測し直すことで, これらの問題を解決する手法を提案する.

2

知的照明システム

知的照明システムは,照明,照明制御装置,無線センサ ノードおよび電力センサから構成されており,これらの ハードウェアを同一ネットワークで接続している. 知的照明システムでは,最適化手法を用いて照明の明 るさ(光度)を執務者に感知されない範囲でランダムに 変化させ執務者の要求した照度を実現する.また,最適 な点灯パターンの探索過程における照明の光度変化量と 照度センサの照度変化量を基に,照明とセンサノードと の位置関係(影響度)を推定している2) .この影響度を 用いて,各照明の光度変化を近傍によって決め,最適な 点灯パターンを効率的に実現することが可能である.

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影響度計測における

スケジューリングを用いた高速化手法

3.1 照明の光度変化における遅延 知的照明システムにおいて,照明制御によって光度変 化を行い,その変化後の照度値を取得するまでには大き く分けて2つの遅延フェーズが存在する.1つ目の遅延 フェーズとして,制御PCから制御命令が送信され,照 明が光度変化を行うまでの遅延.2つ目の遅延フェーズ として,照明が光度変化し始めてから光度の値が上昇し, 安定するまでの遅延がある.この2つの遅延フェーズを 考慮して,照明の光度変化の制御をスケジューリングす ることで,影響度計測を高速化することが可能である. 3.2 スケジューリングを用いた影響度計測手法 照明制御に対するスケジューリングを用いた影響度計 測手法を提案する. 従来の影響度計測手法では,照明を1灯ずつ光度変化 させ,その影響度を計測していた.しかし,この手法で は,オフィスのレイアウト変更およびセンサノードの移 動などがあった際に,影響度を計測し直すことに時間を 要する問題があった.そこで,照明の光度変化における 遅延フェーズを考慮し,光度変化の間隔をスケジューリ ングすることで,影響度計測の高速化を実現する. 前述した遅延フェーズ1は照度変化が生じないため, 遅延フェーズ1と遅延フェーズ2を同時に発生させた場 合でも,影響度の値が悪化することはない.そのため, 本手法で用いたスケジューリングでは,ある照明が遅延 フェーズ2の際に,次に光度変化を行う照明が遅延フェー ズ1の段階に移るように制御を行う.

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提案手法の評価実験

4.1 実験概要 従来の影響度計測手法を用いた場合と提案手法を用い た場合における知的照明システムの照度収束状況の評価 を行う.また,従来手法および提案手法における影響度 計測時間の比較を行う. 評価実験は,調光可能なPanasonic製の白色蛍光灯15

灯,無線センサノード(MOTE Micaz3)Napica照度 センサ,制御PCを用いて行った.実験場所はKC111で 行った.実験環境の平面図をFig.1に示す. 目標照度の設定は,センサノードAを450 lx,センサ ノードBを500 lx,センサノードCを600 lxとする. また,1000ステップ後(2000秒後)にセンサノードC の目標照度を800 lxに変更し,照度収束実験を行う.な お,目標照度の±50 lx以内に50ステップ以上収束した 場合,目標照度収束完了とする. 4.2 実験結果 従来の影響度計測を行った場合における照度収束状況 の推移をFig.2に,提案手法を用いた場合における照度 収束状況の推移をFig.3に示す.また,従来手法を用い た場合における照度収束時の光度分布をFig.4に,提案 1

(2)

㸿 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15

Lighting Fixture Wireless Sensor Node

1.8 m 1.8 m 㹀 㹁 0.6 m Fig.1 実験環境 手法を用いた場合における照度収束時の光度分布をFig.5 に示す. 現在照度か ら 見た 目 標照度への差 ステップ数 センサノードC センサノードB センサノードA 目標照度を変更 Fig.2 従来手法の照度収束履歴 現在照度か ら 見た 目 標照度への差 ステップ数 センサノードC センサノードB センサノードA 目標照度を変更 Fig.3 提案手法の照度収束履歴 Fig.2およびFig.3の結果を見ると従来手法と同様に, 提案手法も照度収束範囲内に収束していることがわかる. また,目標照度変更後も目標照度へと収束していること がわかる.Fig.4およびFig.5を見ると,各センサノード 付近の照明が強く点灯することで,効率良く目標照度を 満たしており,消費電力量にも従来手法と提案手法の間 に差異がないと言える. KC111の環境下における従来手法と提案手法の影響度 計測時間を比較した表をTab.1に示す. Table1 従来手法と提案手法の影響度計測時間の比較 従来手法 提案手法 計測時間[s] 30.0 8.0 㸿 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 照明 無線センサノード 㹀 㹁 450 lx 800 lx 500 lx 30% 30% 30% 30% 40% 86% 30% 30% 30% 30% 100% 63% 98% 97% 30%

401.6 W

Fig.4 従来手法における照度収束時の光度分布 㸿 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 照明 無線センサノード 㹀 㹁 450 lx 800 lx 500 lx 30% 30% 30% 45% 74% 87% 30% 30% 30% 30% 99% 30% 79% 99% 30%

400.7 W

Fig.5 提案手法における照度収束時の光度分布 Tab.1を見ると,提案手法を用いた場合では従来手法 を用いた場合と比較し,約4倍の速度で影響度取得を行 うことができた.

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結論と今後の展望

本実験では,提案手法の影響度計測精度が従来手法と 同等であることがわかった.また,提案手法を用いた場 合では,従来の影響度計測手法と比較し,約4倍の高速 化を実現できた. しかし,本実験では予め照明の遅延を測定する必要が ある.これは,自動で照明の遅延を測定するアプリケー ションを本システムに導入することで,解決できると考 えられる.また,影響度計測時にパケットロスが起こっ た際に,影響度の値が悪化することが考えられる.これ は,パケットロスを検出し,パケットロスが起きた際に, もう一度照度値を送信する制御へと変更することで,対 応できると考えられる.

参考文献

1) 財団法人省エネルギーセンター, http://www.eccj.or.jp/office bldg/01.html.

2) S. Tanakaら:An evolutional optimization

algo-rithm to provide individual illuminance in

work-places,Proc IEEE SMC,941-947,2009.

3) Crossbow MOTE - Wireless Sensor Networks

MTSMDA Sensor Board Users Manual,

http://www.xbow.jp/mtsmdaj.pdf

参照

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