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“創る”活動で理論と実践をつなぐコア科目のデザイン

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Academic year: 2021

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(1)“ 創る ” 活動で理論と実践をつなぐコア科目のデザイン. シンポジウム. “創る” 活動で理論と実践をつなぐコア科目のデザイン. 教育学研究科学校教育 金 馬 国 晴. 本稿は、本学教育学研究科の改革ワーキングが構想. 活動〉として生活科をとらえ直し、自ら児童役ま. 中のコア科目を、若干の理論と報告者の実践を手がか. たは教師役となって経験もしてみる。例えば、ポ. りに “ デザイン ” する試みである。全くの私案である. ストイットを使った討論、ワークショップ、実践. ので、学内外の先生方、院生・学生、現場教員からも. 記録の読解、グループで協同してとり組む。 (後略). 意見を伺い、新しい大学院教育を “創る” ための道具. 具体的には、以下の流れで進めてきている。. として、会議やゼミなどで活用されることを願う。. ①先輩 ( それまでの学期 ) の単元案と現場教員の声 ( 認 定講習で模造紙に貼って頂いた付せん紙 ) を読む。. 1 創る活動としてのコア科目. ⇒各人がこだわりたい問題を立てて、小レポートに。. 今もある研究科全体の必修科目を再編したものが新. ②創りたい単元のテーマを掲げて、グループ組み。. しいコア科目だとすれば、その内容と位置づけは大き. ③各回で、「生活世界モデル」 ( 略 ) にある各要素を解. く変わる。新たに、カリキュラム全体を通じたコア(中. 説し、自分のグループの単元でいえば何かを考える。. 心)と見なし、しかも、教員と院生たちが協同で何か. ⇒個人で付せん紙等に書き、各グループでA3などの. を “創る” 活動として再構成することの提案となる。. 紙に貼り並べ、「つながりマップ」にする ( 付せん紙. 理論的には、以下のように、思考を軸としたひとま. をグループ化して貼り、囲って小見出しを付ける )。. とまりの活動を導入することによって、大学院での理. ④何回か後に、マップ上に改めて、単元案に盛り込む. 論的な講義・演習と、学校現場等での実践または実習. 部分を赤ペンで囲う。 ⇒単元案の書式に書き出す。. をつなぐ役割を果たすものとしてイメージできる。. ⑤「単元案発表会」( 模擬授業も含む。). ①理論 知る・みる ・・・大学、大学院 (theöria 観照). 全員が付せん紙で相互評価・自己評価 ⇒各グルー. 思考 ③開発・創造 創る・・大学院? (poie-sis 制作). ⑥個人での単元案レポート(期末レポート). ②実践・作業・実習 行う ・・学校現場、実社会 (praxis). 単元案(グループによってはワークシートや写真など. “創る” 活動では、実践・作業・実習に向けて理論や 知識・技能を活用するのである。この過程にて、理論 活用力ともいえる力が付くことを期待したい。続いて、. プが新聞にしてきて、後日に印刷・配布。 特徴は、教科書通りではない「自主編成」の指導案・ の教材・教具、模造紙掲示も)が出来上がり、学校現 場で実際に活用できるものが手元に残る点にある。 戦後初期に「単元習作」と言われたような、こうし. 科目のイメージ付けを、私の実践から試みる。. た研修活動を、大学院科目に含めてもよくないか。. 2 コア科目のイメージとなるケース. 践記録、教科書、その他の多彩なリソースを、必要に. (1) 教科書があってないような生活科の “単元習作”- 初等生活科教育法 ( 主に学部 2 年 ) この科目では以下のようなことをねらっている。 「自分」と様々な対象や他者との「かかわり」 ・ 「つ ながり」と、それらの〈意味〉を探究する〈協同. 32 . 以上の過程で、実物、教材・教具、生活科の本、実 応じて機を逃さずに「活用」することも求めている。 大学院でこそ重要なことで、広い意味でのコア・カリ キュラム ( 後述 ) といえる発想をとっている。 ②実践の参観と専門学問との結合 -- 生活科・総合学 習演習 ( 大学院 ).

(2) 現に大学院でも試みてきたことがある。この科目で. 3 広義のコア・カリキュラムをめざすなら…. は、実践の質的研究の方法論を探究することをねらい. 最後に、コア科目と呼ぶ以上はめざしたい、全体像. に、小・中学校の公開授業、研究会も多数、日程にオ. を確認したい。コア・カリキュラムとはそもそも、一. プション的ながら組み込むかたちをとってきた。. 言で定義するならば、以下のようなものである。. 昨年度(2009 年)2月には、附属鎌倉小学校に依. 探究活動をコアとみなし ( 狭義 )、他の科目 ( 要. 頼して参観をした。教室での生活科、および近所の美. 素の習得 ) などをできるかぎり関連付けて ( いわゆ. 術館での図工科で、後者は、カードと同じ絵を探すと. る活用などとして )、統一性・全体性・総合性をも. いう活動であった。先生を交えて、また学校を後にし. たせたカリキュラム全体のデザイン ( 広義 )。. てから夕食をとりつつ、振り返り論議も行った。. 狭義のみならず広義のカリキュラムの全体構成をめ. 参加した院生の感想を紹介する形で、その授業内容、. ざすなら、次のような各点が課題となってくる。. およびその院生の内での質的な成果を示したい。. (1)コア科目と言うからには、他の教科目もできる. 「特におもしろいと思ったのは、想像と現実とのギ. だけ関連づけたい。例えば、コア科目の中で専門科目. ャップです。始め、児童に渡した写真をみんなが見. の知識・技能を関連づけたり、直面した問題に即して. ると、「虹じゃないか!?」という声が上がっていま. 必要となった知識・技能を連続的に学んだりするわけ. した。ここには写真を見てからの『想像』が児童の. だ(自主的に調べたり、本を読むことも含めて)。. 中にあると言えます。しかし、実際の絵では、その. (2)とはいえ、全ての科目の全ての知識・技能が必. 写真はある一枚の絵の一部でしかない上に、予想に. ずコア科目に関連付けられるわけではない。学問や専. 反して人間のおでこだったのです。大切なことは、. 門科目には、それはそれで独自の系統性があるから. 近代美術が奇抜な発想であったり、想像以上の作品. だ。接合 ( アーティキュレーション、ノットワーキン. があるという点で考えるのではなく、児童の『想像』. グ ) が部分的に実現すれば十分ともいえる。戦後初期. が『現実』ではまったく違うもので表出されている. における小中学校ほかでの例(横浜でいえば、石川小、. ということに気付かせることだと思います。(中略). 城郷小が、南足柄市の福澤小なども全国的に有名だっ. 経験という現実から想像したものが、現実でも表. た)や、近年の大学における例(教大協がプロジェク. れているとは限らないという逆説的な気付きは、児. トを組んだ教員養成学部でもそうだが、医学部、薬学. 童の学習に変化をもたらすのではないかと思いまし. 部などでもコア・カリキュラムが創られている。)でも、. た。」( 当時、修士1年、男). 実際には関連づけられる要素のみの関連付けなのである。. 実践と子どもの心理が理論的に分析できている文 として高く評価できる。だが、彼は経済学部出身で、. おわりに代えて. 教育学は教職課程程度であった。にもかかわらず、. 理論活用力こそ、もっと意図的・計画的に養成され. 大学院の1年間でここまで書けたのは、大学で学ん. るべきではないか。そうすれば、コア科目で創られる. だ理論を実践現場の参観で活用・総合したからと考. 授業案・単元案、教材なども充実するし、何より学校. える。. 教員に就いた後の教育実践にあたっても、教科書を超. 新設のコア科目でいえば、参観した授業や参加した. えた「自主編成」への道が拓けてくるのではないか。. 研究会のことを分析し、続いて、自分だったらどうい. こうして大学教員の側から理論と実践を接合したカ. う授業・単元にしたいかの案を議論して、創る活動へ. リキュラムをあらかじめ組むことも大事だが、できる. とつなげるといい。とくに、現職教員の院生も加わる. かぎり院生自身、そして就職後の彼らが自ら、理論を. のだがら貴重といえる。研究の成果や方法が加味され、. 実践に活用できるよう、その力こそ養いたいものだ。. かつ実践的な案が出来上がることが期待できる。. その第一歩は、レポートや修士論文のうちにも、“創. いうなれば「習作的な思考」を養うのである。これ. る” 要素を体現することではないか。本稿に示した院. さえ培えば、専門的なゼミや講義が別個に教えられ続. 生のレポートが一例だろうが、すでに先生方の指導生. けても、各自で実践の課題に即して吸収し、教職の力. の中にも、先駆的なケースがあったろう。改革論議を、. 量として、人格内に総合させる力を求められる。. 院生の個々にも即して深めていきたいものである。. 教育デザイン研究 創刊号 33.

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