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軟弱地盤対策工法としてのPFS工法の効果に関する三次元数値解析

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Academic year: 2021

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(1)

第24回土木鋼構造シンポジウム 2021年3月15日 東京

河川堤防における鋼矢板対策工法の耐震性能について

~熊本地震における被災状況からの考察~

熊本大学

大谷 順

Floating Sheet pile

Soft ground Bearing stratum

(2)

謝 辞

• 本講演内容は、国際圧入学会の技術委員

会(TC3)の成果である。

• 特に本発表資料については笠間先生(東

京工業大学)に提供いただいた

• 熊本地震のデータについては国土交通省

九州地方整備局より提供いただいた。

(3)

内 容

• PFS工法の概要

• 国際圧入学会での活動

• 熊本地震における鋼矢板工法の耐震性

• 最後に

(4)
(5)

開発の経緯

・実務でのニーズ (河川堤防の沈下対策、軟弱地盤対策、経済性) ・1975年代(昭和50年代)に九州大学と建設省九州地方整備局 河川部との懇談会 ・

1987年

九州大学と菊池川工事事務所との共同研究 ・その後、熊本工事事務所が加入(多くの対象地域を持つ) ・

2003年(平成15年)

に「矢板研究会」(委員長:落合九州大学 名誉教授)を立ち上げ ・研究会は産官学のメンバーで構成 ・

2005年(平成17年)

にPFS工法研究会として技術資料を出版 キーポイント:発想の転換、経済性、産官学連携

(6)

背景

軟弱地盤上に盛土構造物などを建設する 周辺地盤の沈下、側方流動の抑制 鋼矢板工法 ・着底鋼矢板工法 ・フローティング鋼矢板工法 コスト 高 地盤変形抑制効果 高 コスト 低 地盤変形抑制効果 低 軟弱地盤 支持層 軟弱地盤 支持層 軟弱地盤 支持層

(7)
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(9)

設計手順

沈下量の推定(無対策時) 支柱矢板打設長の算定 フローティング打設長の設定 支柱矢板間隔の設定 鋼矢板型式の選定 鋼矢板に作用する外力算定 鋼矢板周面摩擦力、すべり係数 鋼矢板先端抵抗力 の推定 矢板沈下量<許容値 矢板応力度<許容値 決定 Yes No Yes No (釣り合い計算) (土質調査) (層厚、施工条件等) (土質調査) 部分フローティング形式 (PFS工法)

(10)
(11)

熊本県/緑川(美登里地区) PFS工法

SP-Ⅳw型 矢板 打設位置 フローティング矢板 L=19.0m(5枚) 支柱矢板 L=34.5m(1枚)

(12)

熊本県/緑川(美登里地区) 計測結果

観測期間:4年1ヶ月

(13)
(14)

PFS工法の高度化

PFS工法の高度化に向けて適用範囲の定量化

(1)PFS工法の適用条件としての側方流動

の定量化

(15)

IPAにおける委員会の立ち上げ

・鋼矢板工がこれまでの仮設工から永久構造物へ

・施工技術としての圧入工法の発展

・1995年、2011年、2016年の大規模地震の発生

・首都圏(

災害対策

)における社会基盤整備のニーズ

・PFS工法研究会の技術資料刊行から10年以上経過

・新技術の国際的情報発信の重要性

最終的には、

国土強靭に資する低コストで地震時でも効果が期待で

きる工法開発

PFS工法を対象に活動

(16)

委員会での活動内容

委員会名:PFS工法の適用条件の拡大と地震時挙動評価に関する技術委員会 設置期間:3年間(2017-2019) 委員長 大谷 順 熊本大学大学院 先端科学研究部 幹事長 妙中 真治 新日鐵住金株式会社 技術開発本部 鉄鋼研究所 鋼構造研究部 地盤鋼構造GR総括 幹 事 笠間 清伸 九州大学 大学院工学研究院防災地盤工学研究室 准教授 委 員 石原 行博 株式会社技研製作所 圧入技術推進室 課長 委 員 飛田 哲男 関西大学 環境都市工学部 都市システム工学科 准教授 委 員 中井 健太郎 名古屋大学 大学院 工学研究科 土木工学専攻 准教授 委 員 西岡 英俊 中央大学 教授 他、国土交通省を含めて全18名で組織

(17)

・ 本委員会では、5つのWGを設定して活動

1)データ収集WG:実際の現場データの収集と解析

2)実験WG:遠心模型実験による検討、

3)解析WG:数値解析による検討、

4)設計WG:設計法についての検討、および

5)海外WG:国際活動に関する検討である。

活動内容

(18)
(19)

本章の内容は、笠間委員(東京工業大)より提供 2016年熊本地震における鋼矢板工法で補強した河川堤防の被害要因分析 目的: 実地盤における各種鋼矢板工法の地震時の変形抑制効果を評 価することを目的として,2016年熊本地震で被災した河川堤防の 地震時沈下挙動を,鋼矢板工法の種類,形状, 対策位置(堤内 側と堤外側)と各工法の組合せなどに着目して整理し,河川堤防 の堤体およびその基礎地盤の液状化に着目した沈下量の定量 的な分析を実施

(20)

2016年熊本地震

4月14日にM6.5, 4月16日にM7.3 白川 加勢川 緑川 浜戸川 九州新幹線 熊本駅 600~800 800~1000 (gal) 400~600 200~400 0~200 地表面最大加速度PGA 2.5 5.0 7.5 10 12.5 0 国道501号線 国道3号線 国道57号線 有明海 熊本平野(白川と緑川付近)での加速度分布

(21)

熊本平野の地盤条件

砂質土 シルト 粘性土 シルト 粘性土 砂質土 熊本県 四河川 のN値 -40 -30 -20 -10 0 10 20 0 10 20 30 40 50 標高 ( m ) N値 標本数:184 -40 -30 -20 -10 0 10 20 0 10 20 30 40 50 標高 ( m ) N値 標本数:130 -40 -30 -20 -10 0 10 20 0 10 20 30 40 50 標高 ( m ) N値 標本数:84 0 20 40 60 80 100 N値 確率 密度 ( % ) 10 20 30 40 50 平均値:11.2 標準偏差:10.4 0 20 40 60 80 100 N値 確率 密度 ( % ) 10 20 30 40 50 平均値:2.9 標準偏差:4.3 0 20 40 60 80 100 N値 確率 密度 ( % ) 10 20 30 40 50 平均値:1.7 標準偏差:2.6 熊本県 全域土 質定数 土質 n μ σ n μ σ n μ σ 礫質土 10 1.904 0.172 294 15.1 9.2 - 2 -砂質土 261 1.807 0.143 1004 25.2 13.6 - 0.3 -シルト 547 1.628 0.214 799 82.1 17.8 - 0.025 -粘性土 284 1.496 0.109 373 93.4 11.5 23 0.016 0.009 平均粒径 D50 (mm) 単位体積重量 γt (kN/m3) 細粒分含有率 Fc (%)

(22)

鋼矢板工法の施工位置(工法別)

有明海 加勢川 緑川 浜戸川 白川 0 5 10 15 20 km PFS工法 FL工法 着底工法 地盤改良 無対策 堤内側対策 右岸の 堤内側対策 堤外側対策 左岸の 堤外側対策

(23)

施工延長の変化(工法種別)

0 5 10 15 20 25 30 35 1990 1995 2000 2005 2010 2015 着底工法 PFS工法 FL工法 地盤改良 全体 施工延長 (km) 施工年度 (年) 対象河川:白川,緑川,浜戸川,加勢川

(24)

鋼矢板工法の施工位置(対策目的別)

沈下+耐震対策 沈下対策 耐震対策 矢板護岸 浸透対策 有明海 加勢川 緑川 浜戸川 白川 0 5 10 15 20 km 右岸の 堤内側対策 堤外側対策 左岸の 堤外側対策 堤内側対策

(25)

9997 95 98 97 98 95 93 96 97 98 04 1109 1112 12 95 98 99 01 96 97 98 01 10 02 10 10 01 01 02 08 07 沈下+耐震対策 沈下対策 耐震対策 矢板護岸 浸透対策 白川の右岸側において, 1993年頃から沈下対策 および耐震対策を目的 とした様々な工法(着 底工法,FL工法,PFS 工法および地盤改良) が試験施工的に実施。 2001年~2002年頃には, に堤内側において沈下 対策を目的としたPFS 工法と堤外側の耐震対 策or矢板護岸整備を目 的としたFL工法の組合 せで施工。 2009年から2012年にお いて沈下対策として PFS工法が実施 2010年に左岸側の河口 付近で耐震対策として FL工法が実施

(26)

沈下+耐震対策 沈下対策 耐震対策 矢板護岸 浸透対策 98 13 1313 1313 14 13 14 13 14 13 13 13 13 13 13 12 13 13 緑川は,震災以降の 2012~2014年にかけて 堤内側において沈下対 策を目的としたPFS工 法と堤外側の耐震対策 or矢板護岸整備を目的 としたFL工法の組合せ で施工 06 11 14 00 06 11 14 03 10 13 13 05 00 02 97 98 98 13 05 03 02 05 01 9897 97 97 97 浜戸川の左岸側におい て,1997年頃から沈下 対策,耐震対策および 矢板護岸整備を目的と した様々な工法(着底 工法,FL工法,PFS工 00 96 96 96 12 97 00 12 加勢川の右岸側におい て,1996年に耐震対策 を目的としてFL工法が 施工。左岸側において, 1997年に沈下対策を目 的とした着底工法が施 工。

(27)

施工延長の変化(対策目的別)

0 2 4 6 8 10 12 1990 1995 2000 2005 2010 2015 沈下対策 耐震対策 沈下+耐震対策 矢板護岸 浸透対策 施工年度 (年) 施工延長 (km) 対象河川:白川,緑川,浜戸川,加勢川

(28)

各種鋼矢板工法の矢板長さの統計値

個 所 数 平均 値(m) 最頻 値(m) 変動 係数 最小 値(m) 最大 値(m) 着底工法 35 34.2 37 0.24 14 42 FL工法 121 14.6 15 0.41 8 30 PFS 工法 着底矢板 99 38.7 40.5 0.13 28 53 FL矢板 99 25.5 25.5 0.22 11.5 36.5 矢板比 99 0.66 0.86 0.20 0.27 0.90

(29)

白川流域における沈下性状

-1 0 1 2 0 20 40 0 2 4 6 8 10 12 14 16 沈下量 (m) 地盤の層厚 (m ) 河口からの距離 (km) 砂質土層 支持層まで の地盤層厚 隆起量:0.73m FL工法(堤外) PFS工法(堤内) 着底(堤内)+FL(堤外) PFS(堤内)+FL(堤外) FL(堤内)+地盤改良(堤外) FL(両側) PFS(堤内)+地盤改良(堤外) 粘性土層 無対策

(30)

緑川流域における沈下性状

-1 0 1 2 0 20 40 0 2 4 6 8 10 12 14 沈下量 (m) 地盤の層厚 (m ) 河口からの距離 (km) 砂質土層 支持層まで の地盤層厚 無対策 FL工法(堤外) PFS(堤内)+FL(堤外) PFS工法(堤内) 粘性土層 沈下量:1.56m

(31)

浜戸川流域における沈下性状

-1 0 1 2 0 20 40 60 0 1 2 3 4 5 沈下量 (m) 地盤の層厚 (m ) 河口からの距離 (km) 砂質土層 支持層まで の地盤層厚 無対策 FL(両側) PFS(堤内)+FL(堤外) 地盤改良(両側) FL(堤内) PFS(堤内) FL(堤外) 着底(堤内)+FL(堤外) 着底(堤内) 着底(堤内)+地盤改良(堤外) 粘性土層

(32)

加勢川流域における沈下性状

-1 0 1 2 0 20 40 0 2 4 6 8 10 沈下量 (m) 地盤の層厚 (m ) 河口からの距離 (km) 支持層まで の地盤層厚 無対策 着底工法(堤内) FL工法(堤内) PFS工法(堤内)+地盤改良(堤外) 砂質土層 粘性土層 沈下量:1.24m 隆起量:0.94m

(33)

沈下量の確率密度関数

0 20 40 60 80 100 -0.3 -0.2 -0.1 0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 全データ 無対策 着底工法 PFS工法 FL工法 地盤改良

沈下量 (m)

確率密度

(%)

堤内側 以上

(34)

工法種別と地震時沈下量の統計値

堤内 (川裏) 堤外 (川表) 個所数 平均値 (m) 変動係数 最大値 (m) 最小値 (m) 全データ 645 0.10 2.24 1.56 -1.28 無対策 551 0.10 2.36 1.56 -1.28 着底 工法 FL工法 4 0.15 1.44 0.39 -0.08 地盤改良 2 0.03 1.41 0.07 0.00 無対策 8 0.01 5.06 0.13 -0.07 PFS 工法 FL工法 29 0.11 0.84 0.38 0.00 地盤改良 3 0.08 1.09 0.15 -0.02 無対策 17 0.04 0.90 0.14 -0.01 FL 工法 FL工法 4 0.08 1.11 0.15 -0.04 地盤改良 3 0.09 0.73 0.16 0.05 無対策 8 0.16 0.39 0.26 0.08 無対策 FL工法 15 0.13 1.00 0.39 -0.06 地盤改良 地盤改良 1 0.05 - 0.05 0.05 0.38 -0.08

(35)

① 基礎地盤の液状化 ② 堤体の液状化 ③ 基礎地盤と堤体の複合的な液状化 液状化 液状化 液状化指標 を算出 基礎地盤の 堤体の液状化 有・無 を分類 (PL , HL , FL

液状化についての分析

(36)

堤体の液状化判定結果

0 50 100 150 200 全河川 白川 緑川 浜戸川 加勢川

地点数

堤体の液状化あり 堤体の液状化なし 50 147 9 43 31 68 液状化率  25.4% 17.3% 31.3% 31.0% 5.9% 9 20 1 16

(37)

堤体の

液状化あり

と判定された堤防の地震時沈下量

0 20 40 60 80 100 -0.3 -0.2 -0.1 0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 全データ 無対策 着底工法 PFS工法 FL工法

沈下量 (m)

確率密度

(%)

堤体の液状化あり 堤内側 以上

(38)

堤体の

液状化なし

と判定された堤防の地震時沈下量

0 20 40 60 80 100 -0.3 -0.2 -0.1 0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 全データ 無対策 着底工法 PFS工法 FL工法

沈下量 (m)

確率密度

(%)

堤体の液状化なし 以上 堤内側

(39)

沈下量のまとめ

堤内 (川裏) 堤外 (川表) 個所 数 平均 値(m) 最大 値(m) 最小値 (m) 全データ 50 0.23 1.16 -0.05 無対策 38 0.26 1.16 -0.05 着底 工法 FL工法 1 0.39 0.39 0.39 地盤改良 0 - 0.00 0.00 無対策 2 0.00 0.01 -0.02 PFS 工法 FL工法 3 0.02 0.02 0.02 地盤改良 1 0.12 0.12 0.12 無対策 0 - 0.00 0.00 FL 工法 FL工法 0 - 0.00 0.00 地盤改良 3 0.11 0.15 0.07 無対策 0 - 0.00 0.00 無対策 FL工法 2 0.34 0.38 0.30 地盤改良 地盤改良 0 0.00 0.00 0.00 個所 数 平均 値(m) 最大値 (m) 最小 値(m) 147 0.13 1.56 -0.20 103 0.15 1.56 -0.20 2 0.10 0.28 -0.08 2 0.03 0.07 0.00 4 0.01 0.13 -0.07 14 0.12 0.37 0.01 2 0.06 0.15 -0.02 8 0.05 0.11 0.00 1 -0.04 -0.04 -0.04 2 0.05 0.05 0.05 3 0.16 0.26 0.08 6 0.11 0.39 -0.06 0 0.00 0.00 0.00

堤体の液状化あり

堤体の液状化なし

➢ 堤体の液状化が地震時沈下量の大きく影響する。 ➢ 着底工法とPFS工法については,無対策堤防と比較して,堤内側を着底工法 で補強した場合は沈下量を7~67%に,堤内側をPFS工法で補強した場合に

(40)

熊本地震でのまとめ

➢ 無対策区間における河川堤防の沈下量は-1.28~1.56m以上の幅広 い範囲に分布するのに対し, 各種の鋼矢板工法で補強した河川堤 防の沈下量は-0.08~0.39mの範囲に集中することから,鋼矢板工 法が地震時沈下量の低減に有効であることを示唆する。 ➢ 河川堤防の堤体の液状化率(堤体が液状化すると判定された地点 を全体の液状化判定地点の数で割ったもの)は4河川全体で25.4% ,白川,緑川,浜戸川および加勢川の堤体の液状化率は,それぞれ 17.3%,31.3%,31.0%および5.9%となった。緑川と浜戸川での堤体 の液状化が大きい結果となった。

(41)

堤体が液状化しない場合においては,鋼矢板による補強により平 均沈下量は無対策区間よりも小さくなり,地震時の沈下挙動に対し て鋼矢板による補強が有効であった。特に,無対策堤防と比較して ,堤内側を着底工法で補強した場合は7~67%に,堤内側をPFS工 法で補強した場合には33%~80%に地震時沈下量を低減しているこ とがわかった。

最後に

・鋼矢板工法は地震時において有効

・地震時対策としては両岸において利用

・PFS工法は加えて経済的かつ施工性が向上

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