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急性曝露ガイドライン濃度
(AEGL)
Pentaborane (19624-22-7) ペンタボラン Table AEGL 設定値 Pentaborane 19624-22-7 (Final) ppm10 min 30 min 60 min 4 hr 8 hr
AEGL 1 NR NR NR NR NR AEGL 2 0.56 0.24 0.14 0.048 0.028 AEGL 3 2.0 0.87 0.51 0.17 0.10 NR: データ不十分により推奨濃度設定不可 設定根拠(要約): ペンタボランは引火性の高い、水に不溶性の無色の液体であるが、数時間かけて加水分解してホ ウ酸、水素および熱を生成する。強い還元剤であり、アンモニア、有機アミン、不飽和炭化水素 と反応する。ヒトおよび動物を対象とした試験により、主に中枢神経(CNS)に毒性影響を引き起 こすことが判っている。ヒトでみられる症状には、めまい、傾眠、頭痛、しゃっくり、判断力の 低下、協調運動障害、筋痙縮、痙攣などがある。動物では、振戦、流涎、縮瞳(瞳孔の収縮)、嗜 眠、攻撃性、痙攣などが認められている。 AEGL-1 値は、ヒトや動物を対象とした適切な試験の情報が得られなかったため、導出されなか った。ヒトを対象とした試験では、影響がみられないか、或いは AEGL-1 のレベルとして定義さ れている毒性よりも重度のCNS 毒性が認められるかのいずれかであった。 AEGL-2 値は、イヌにおける CNS 毒性に関する最大無作用量に基づいて導出した。このエンド ポイントは、CNS 機能への軽微な影響をも生じさせない基準を求めるために選択した。軽微で も CNS 機能への影響は、判断力の低下や事故および負傷の発生を招来し得る(Mindrum 1964)。 イヌをペンタボランに 1 日 60 分、5 日間曝露し、条件回避反応(CAR)試験での成績および行動 観察により、神経毒性影響を評価した(Weir et al. 1964)。1.4 ppm で 1 回目の曝露を受けた時点で は、神経学的症状や CAR 試験での遅延を認めなかったため、これを出発点として用いた。一方、 1.4 ppm で 2 回目(翌日)の曝露を受けたイヌでは、活動性低下、縮瞳、CAR の遅延などの CNS への影響が現れはじめ、さらに曝露すると易刺激性および攻撃性が認められた。総不確実係数に は、10 を適用した。ペンタボランはヒトおよび 4 種の実験動物に同様の影響(CNS 毒性)を及ぼ し、かつ急性致死用量のばらつきはヒトを含むこれらの動物種の間で3 倍未満であったことから、 種間不確実係数には 3 を用いた。また、これらのどの動物種でも個体差のない均質な反応がみら れたこと、および致死に関する濃度-反応曲線の勾配が急で個人差はほとんどないと考えられる
2 ことから、種内不確実係数には3 を適用した。Cn×t=k の式(ten Berge et al. 1986)を使用して、 各曝露時間への外挿を行い、それぞれの濃度を算出した。指数 n の値 1.3 は、ラットを対象とし た試験(Weir et al.1961, 1964)で得られた急性致死データを線形回帰分析することにより、ペンタ ボラン固有の値として導出された。AEGL-2 値は、サルを 2 分間、イヌを 5 分間曝露した試験 (Weeks et al. 1964)によって裏付けられており、この試験からは、同等またはより高い AEGL-2 値が導出されると考えられる。しかし、これらの試験は、曝露期間が短か過ぎ、サルでは CAR 試験が行われていなかったことから、採用しなかった。 AEGL-3 値は、マウスを 6.9~11.6 ppm のペンタボランに 60 分間曝露した急性致死試験(Weir et al. 1961, 1964)に基づいて導出した。この試験では、振戦、運動失調、痙攣および口と鼻の周辺 の滲出性紅斑が発現し、24 時間以内に死亡例が認められた。ベンチマーク用量計算ソフト(EPA Version 2.4.0)を用いて、LC50値(50%致死濃度)、BMCL05値(被験動物の 5%を死亡させるとされ るベンチマーク濃度の 95%信頼限界下限値)、BMC01値(被験動物の 1%を死亡させるとされるベ ンチマーク濃度)を、それぞれ 7.75、5.08、6.04 ppm と算出した。BMCL05値の5.08 ppm を、マ ウスにおける推定致死閾値とみなし、AEGL-3 導出の出発点とした。上述の AEGL-2 値の場合と 同様の理由より、総不確実係数には 10 を適用し、各曝露時間に外挿して、それぞれの濃度を導 出した。得られたAEGL-3 値は、マウスの 4 時間曝露(Feinsilver et al. 1960)、ラットの 5~60 分 間曝露(Weir et al. 1961,1964)、サルの 2 分間曝露(Weeks et al. 1964)、イヌの 2~15 分間曝露 (Weeks et al. 1964)の各致死データによって裏付けられており、これらの試験から導出しても同 様のAEGL-3 値が得られると考えられる。
The AEGL values for pentaborane are presented in Table 4-1. ペンタボランの AEGL 値を Table 4-1 に 示す。
TABLE 4-1 AEGL Values for Pentaborane
Classification 10 min 30 min 1 h 4 h 8 h End Point (Reference) AEGL-1 (nondisabling) NRa NRa NRa NRa NRa Insufficient data AEGL-2 (disabling) 0.56 ppm (1.4 mg/m3) 0.24 ppm (0.62 mg/m3) 0.14 ppm (0.36 mg/m3) 0.048 ppm (0.12 mg/m3) 0.028 ppm (0.017 mg/m3)
No-effect level for CNS toxicity in dogs (Weir et al. 1964) AEGL-3 (lethal) 2.0 ppm (5.2 mg/m3) 0.87 ppm (2.2 mg/m3) 0.51 ppm (1.3 mg/m3) 0.17 ppm (0.44 mg/m3) 0.10 ppm (0.26 mg/m3) Lethality threshold (BMCL05) for mice (Weir et al. 1961, 1964) a
Not recommended. Absence of an AEGL-1 value does not imply that exposure at concen-trations below the AEGL-2 values are without effect.
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注:本物質の特性理解のため、本文書の最後に、参考として国際化学物質安全性カード(ICSC) を添付する。
国際化学物質安全性カード
ペンタボラン
ICSC番号:0819
ペンタボラン
PENTABORANE
Pentaboron nonahydride
B
5H
9分子量:63.2
CAS登録番号:19624-22-7
RTECS番号:RY8925000
ICSC番号:0819
国連番号:1380
災害/
暴露のタイプ
一次災害/
急性症状
予防
応急処置/
消火薬剤
火災
引火性。火災時に刺激性あるいは有毒なフュームやガスを放出す る。 裸火禁止、火花禁止、禁煙 。ハロ ゲン、ハロゲン化合物、酸化剤と の接触禁止。 二酸化炭素、特殊粉末消火薬剤、 乾燥砂、他の消火薬剤は不可 。爆発
30℃以上では、蒸気/空気の爆発性混合気体を生じることがある。 30℃以上では、密閉系、換気、および防爆型電気設備。 火災時:水を噴霧して容器類を冷却するが、この物質に水が直接か からないようにする。身体への暴露
あらゆる接触を避ける ! 吸入 吐き気、嗜眠、頭痛、めまい、痙 攣、意識喪失、脱力感。 症状は遅れて現われることがある (「注」参照)。 換気、局所排気、または呼吸用保 護具。 新鮮な空気、安静。人工呼吸が必要なことがある。医療機関に連絡 する。 皮膚 吸収される可能性あり !発赤(「吸入」参照)。 保護手袋、保護衣。 汚染された衣服を脱がせる。多量の水かシャワーで皮膚を洗い流 す。医療機関に連絡する。 眼 発赤、痛み。 顔面シールド、または呼吸用保護具と眼用保護具の併用。 数分間多量の水で洗い流し(できればコンタクトレンズをはずして)、 医師に連れて行く。 経口摂取 「吸入」参照。 作業中は飲食、喫煙をしない。 口をすすぐ。吐かせる(意識がある場合のみ!)。医療機関に連絡す る。漏洩物処理
貯蔵
包装・表示
・危険区域から立ち退く! ・専門家に相談する! ・換気。 ・漏れた液やこぼれた液を密閉式の容器 にできる限り集める。 ・残留液を砂または不活性吸収剤に吸収 させて安全な場所に移す。 ・個人用保護具:自給式呼吸器付完全保 護衣。 ・耐火設備(条件)。 ・強酸化剤、食品や飼料から離しておく。 ・涼しい場所。 ・乾燥。 ・窒素雰囲気中に保管。 ・破損しない包装。破損しやすい包装のも のは密閉式の破損しない容器に入れる。 ・食品や飼料と一緒に輸送してはならな い。・国連危険物分類(UN Hazard Class):4.2 ・国連の副次的危険性による分類(UN Subsidiary Risks):6.1
・国連包装等級(UN Packing Group):I
重要データは次ページ参照
ICSC番号:0819
Prepared in the context of cooperation between the International Programme on Chemical Safety & the Commission of the European Communities © IPCS CEC 1993国際化学物質安全性カード
ペンタボラン
ICSC番号:0819
重 要 デ | タ 物理的状態; 外観: 刺激臭のある無色の液体 。 物理的危険性: 蒸気は空気より重い。 化学的危険性: 150℃に加熱すると徐々に分解し、ホウ素や引火性 ガスの水素(ICSC番号0001)を生成し、燃焼すると 徐々に分解し、有毒なフューム(ホウ素酸化物)を生 じる。ハロゲン、ハロゲン化合物、油やグリース、酸 化剤と反応し、火災や爆発の危険をもたらす。不純 物は空気中で自然発火する。 許容濃度: TLV:0.005 ppm(TWA);0.015 ppm(STEL) (ACGIH 2008)。 MAK:0.005 ppm,0.013 mg/m3;ピーク暴露限度カテ ゴリー:II(2) (DFG 2008)。 暴露の経路: 体内への吸収経路:蒸気の吸入、経皮、経口摂取。 吸入の危険性: 20℃で気化すると、空気が汚染されてきわめて急 速に有害濃度に達することがある。 短期暴露の影響: 眼、皮膚、気道を激しく刺激する。中枢神経系、肝 臓に影響を与え、痙攣、アシドーシス、肝臓障害を 生じることがある。許容濃度を超えると、死に至るこ とがある。これらの影響は遅れて現れることがあ る。医学的な経過観察が必要である。 長期または反復暴露の影響: 物理的性質 ・沸点:60℃ ・融点:-47℃ ・比重(水=1):0.6 ・水への溶解性:反応する ・蒸気圧:22.8 kPa(20℃) ・相対蒸気密度(空気=1):2.2 ・20℃での蒸気/空気混合気体の相対密度(空気= 1):1.3 ・引火点:30℃(c.c.) ・発火温度:約35℃ ・爆発限界:0.42~98 vol%(空気中) 環境に関する データ 注 ・ハロンなどの消火薬剤と激しく反応する。 ・中毒症状の中には48時間を経過するまで症状の現れないものがある。 ・許容濃度を超えても、臭気として十分に感じないので注意すること。 ・作業衣を家に持ち帰ってはならない 。Transport Emergency Card(輸送時応急処理カード):TEC(R)-42G11 NFPA(米国防火協会)コード:H(健康危険性)4;F(燃焼危険性)4;R(反応危険性)2; 付加情報