• 検索結果がありません。

The Japanese Journal of Experimental Social Psychology. 2008, Vol. 47, No. 2, 原著 小学校高学年で親しい友人から受けた いじめ の長期的な影響 高校生を対象にした調査結果から 三島浩路 中部大学現代教育学研究

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "The Japanese Journal of Experimental Social Psychology. 2008, Vol. 47, No. 2, 原著 小学校高学年で親しい友人から受けた いじめ の長期的な影響 高校生を対象にした調査結果から 三島浩路 中部大学現代教育学研究"

Copied!
14
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

〔原 著〕

小学校高学年で親しい友人から受けた「いじめ」の長期的な影響

―高校生を対象にした調査結果から―

三 島 浩 路

中部大学現代教育学研究所

要   約

本研究は,親しい友人から小学校高学年の頃に受けた「いじめ」が,その後の学校適応や友人関係などに 与える影響を検討することを目的にしている。 高校生約 2,000 名を対象に,学校適応・友人関係,及び,親しい友人から小学校高学年の頃に受けた「いじ め」体験・小学校高学年当時の友人関係などに関する調査を行った。 その結果,親しい友人から小学校高学年の頃に受けた「いじめ」体験は,男子に比べて女子に多いことが示 唆された。また,親しい友人からの「いじめ」を小学校高学年の頃に体験しなかった生徒に比べ,そうした 「いじめ」を体験した生徒は,高校生になってからも学校不適応感をより強くもち,友人に対しても不安・懸 念が強いことなどが示唆された。特に女子に関しては,中学生の頃,進学する高校などを考える進路選択の 相談相手などにも,親しい友人から小学校高学年で受けた「いじめ」が関連することが示唆された。 キーワード:いじめ,高校生,小学生,学校適応,排他性 問   題 本研究は,小学校高学年(5・6 年生)当時に,親しい 友人からいじめられた体験が,その後の学校適応や友人 関係などにどのような影響を与える可能性があるのかを 検討することを主な目的にしている。また,本研究では, 坂西(1995)を参考にして,「いじめ」を当人の主観的 判断に依存するものと考え,いじめられたと感じた体験 を,「いじめられた体験」とする。 坂西(1995)は,男女の「いじめ」の内容の違いなど が,「いじめ」の長期的な影響に関連する可能性があるこ とを示唆し,「いじめ」全体を包括的に扱うのではなく, 男女の「いじめ」のちがいに応じた研究の必要性を指摘 している。そこで,本研究では,男女の違いが表れやす い,親しい友人からの「いじめ」という形態の「いじめ」 に対象を限定し,こうした「いじめ」の長期的な影響に ついて検討する。 親しい友人からの「いじめ」に関しては,いくつかの 研究がこれまでになされている。鈴木(2000)は,「『仲 良しグループ』が,実はいじめの温床であるというケー スがいくつも報告されている」と述べている。森田・清 永(1994)は,「深刻ないじめのケースでも,いじめっ 子といじめられっ子は遊び仲間であることが少なくな い。いじめられ,いためつけられても,いじめっ子たち と遊ぶことを求めていくのは,一つには仲間から孤立し, 切り捨てられることへのおそれがはたらいているのであ る」と述べ,親しい友人間にも「いじめ」が存在する可 能性があることを示唆している。 松原(1997)は,大学生など約 300 名を対象に,小学 校から高校までの「いじめ」体験を回顧させ,自分をい じめた相手との関係について調査し,小学生時代に受け た「いじめ」については,男子の場合,仲が悪い相手か らの「いじめ」(19 件)が,仲が良い相手からの「いじ め」(10 件)に比べて多いのに対して,女子の場合には 逆に,仲が良い相手からの「いじめ」(57 件)の方が, 仲が悪い相手からの「いじめ」(30 件)よりも多いとい

(2)

う結果を得た。松原(1997)の調査結果は,小学生に関 しては,親しい友人からの「いじめ」は男子に比べて女 子に多いということを示唆している。さらに,森田・ 滝・秦・星野・岩井(1999)は,全国の小学 5 年生から 中学 3 年生までの児童・生徒約 7,000 名を対象に,「いじ め」に関する大規模な調査を行った結果から,「いじめ」 を行った相手が,よく遊ぶ友だちであるケースは,男子 に比べて女子に多く,「女子では,いじめの半数以上が 親しい友だちの間で発生している」と述べている。森田 ら(1999)の調査結果も,親しい友人からの「いじめ」 は,男子に比べて女子に多く発生していることを示唆し ている。 多数の児童・生徒等を対象に行ったインタビューの結 果をもとに,シモンズ(2003)は,女子の「いじめ」が, 結束の固い仲良しグループの内部で起こりやすいと述べ ている。 以上のことから,「いじめ」全般の発生数に性差がみら れるのかどうかについては言及できないが,親しい友人 からの「いじめ」に関しては,男子に比べて女子に多く 発生している可能性があり,その点を検証するために, 次のような仮説 1 を立てた。 仮説 1:男子に比べて女子の方が,小学校高学年時に親 しい友人からの「いじめ」を多く体験している。 高石(1988)は,男子に比べて女子の方が,親密な友 人関係をつくることや,小さな仲間集団をつくることが, 女子の「いじめ」の内容と関連していることを指摘して いる。三島(2003b)は,小学 5・6 年生を対象にした調 査の結果から,親しい友人間にみられる「いじめ」と児 童の排他性との間に関連があることを報告している。男 子に比べて女子のインフォーマル集団の排他性は高く (e.g. Durkin, 1995; Eder & Hallinan, 1978; Feldman & Dodge, 1987),既存のインフォーマル集団から出ること により,学級内で孤立してしまう可能性は,女子の方が 高いと考えられる。そのため,親しい友人からいじめら れても,既存の集団に留まろうとする傾向は,男子に比 べて女子の方が強くなり,こうした違いが男女間にみら れる「いじめ」の形態の違いを生じさせる原因の一つに なっている可能性がある(三島,1997)。竹川(1993)は, 小学 6 年生と中学 2 年生を対象に行った「いじめ」と友 人関係に関する調査の結果をもとに,「いじめのある学 級においては,サブグループ化してまとまりやすい少数 の者に親密な友人を限定する傾向があるといえ,学級集 団内の友人の結合状態は,サブグループ内で緊密化し, サブグループ間で相互排除的となっていると考えられ る」と述べている。このことは,親しい友人からの「い じめ」と排他性が関連している可能性を示唆するもので ある。そこで,この点を検証するために仮説 2 を立てた。 仮説 2:小学校高学年当時に,親しい友人から頻繁にい じめられた者は,そうした体験が無かった者に比べ,当 時の友人関係が排他的である。 ところで,仮説 1 を支持する結果が得られた場合,親 しい友人からの「いじめ」は,女子に多く発生している と考えられる。Whitesell & Harter(1996)は,親しい者 からいじめられた場合の方が,そうではない者からいじ められた場合に比べてダメージが大きいことを指摘して おり,「いじめ」の影響は,女子にとってより深刻な問題 といえよう。また,坂西(1995)は,「いじめられ体験 が強ければ強いほど,長期的な影響も強くなっている」 と述べており,親しい友人からの「いじめ」は,長期的 な影響力をもったタイプの「いじめ」と考えられる。 以上のことから,親しい友人からいじめられたことが, その後の友人関係のあり方にも影響を与えることが予想 でき,その影響は女子の方が大きいと考えられる。そこ で,親しい友人から受けたいじめの程度や性別により, 友人関係のあり方を反映していると考えられる行動に違 いがみられるのかどうかを仮説 3・4 を検証することに より検討する。 仮説 3:小学校高学年当時に,親しい友人からいじめら れた女子は,こうした体験をもたない女子に比べて,進 路に関する相談を友人にすることが少なく,教師に相談 することが多い。 仮説 4:小学校高学年当時に,親しい友人からいじめら れた女子は,こうした体験をもたない女子に比べて,親 しい友人と同じ高校へ進学することを避ける傾向が強 い。 さらに,親しい友人からの「いじめ」が,友人関係の あり方以外の面にも,長期的な影響を及ぼす可能性があ る。Kaltiala-Heino, Rimpelä, Marttunen, Rimpelä, & Rantanen(1999)は,14 ~ 16 歳の男女を対象にした調 査の結果から,「いじめ」が抑鬱,自殺観念と関連するこ とを示唆している。Kaltiala-Heino, Rimpelä, Rantanen, & Rimpelä(2000)は,青年期の「いじめ」が,様々な精神 疾患に罹るリスクに関連することを指摘している。さら に,Forero, McLellan, Rissel, & Bauman(1999)は,11 ~ 16歳の男女約 4,000 人を対象にした大規模な調査の結果 から,「いじめ」と心身医学的な症状の増加や,孤独感の 高まりとの関連について述べている。こうしたことから, 「いじめ」体験は,学校生活への不適応をはじめとした 様々な面にネガティブな影響を与えることが予想でき, こうして影響が長期に及ぶことを指摘した研究もある。

(3)

Pellegrini & Bartini(2000)は,初等学校 5 年生時から 6年生時にかけて縦断的な調査を行った。その結果,6 年 生時のいじめの被害・加害体験が,5 年生時の被害・加害 体験と関連することを示唆する結果を得た。Sourander, Helstelä, Helenius, & Piha(2000)は,8 歳と 16 歳の 2 時 点における縦断的な調査を行い,8 歳時点における「い じめ」の加害体験や被害体験が 8 年後のそうした体験と 関連することを示唆している。Hugh-Jones & Smith (1999)は,流暢に話すことができずどもってしまう人々 の会の会員 276 名(平均年齢約 38 歳)を対象に調査を 行い,学生時代にいじめられた体験がある 229 名のうち の 46%が「いじめ」の長期的な影響を報告している。坂 西(1995)は,大学生を対象に,大学入学以前に体験し た「いじめ」の実態とその影響についての調査を行い, 「いじめ」を受けてから長期間を経た後でも,心理的・身 体的な影響が残っていることを明らかにしている。香取 (1999)は,大学生や短大生を対象に,過去の「いじめ」 体験の影響に関する調査を行い,被害体験がある者はそ うした体験が無い者に比べて,「情緒的不適応」が高く, 他者からの評価に敏感になっていることを報告してい る。こうしたことから,過去の「いじめ」が,その後の 適応感などに影響を与えると考えられる。そこで,この 点を検証するために仮説 5 を立てた。 仮説 5:小学校高学年当時に,親しい友人からいじめら れた生徒は,そうしたいじめを体験しなかった生徒に比 べて不安感や不適応感が強い。 佐藤(2004)が,「いじめの問題は,小学校から中学 校にかけて多くみられるが,高校ではあまりみられない」 と述べていることから考えて,小学校高学年という時期 は,「いじめ」が比較的多く発生する時期と考えられる。 そこで,小学校高学年の時期に体験した親しい友人から の「いじめ」が,その後の学校適応や友人関係に与える 影響を検討する。 方   法 対象:特定の地域の高校を対象にするのではなく,岡山 県・兵庫県・島根県・大分県の 7 校で調査を実施した (Table 1)。高校生 2,474 名(男子 1,237 名,女子 1,197 名 不明 40 名)を対象に調査し,すべての質問に回答した 高校生 2,288 名(詳細は Appendix 参照)のデータを分析 した。 時期:調査は 2003 年 10 ~ 12 月に実施した。 調査内容(Appendix 参照) 現在(高校生)の友人関係:高校生の友人関係のあり方 や,友人関係にかかわる不安感などを測定するために, 榎本(1999)の「友人関係の『活動的側面』」の中から, 「相互理解因子」・「親密確認因子」・「閉鎖的活動因子」に 関する調査項目と,「友人関係の『感情的側面』」の中か ら,「信頼・安定因子」・「不安・懸念因子」に関する調査 項目を参考にした 13 項目を用いた。さらに,現在の友 人に対する満足度に関する 1 項目と,親しい友人からの 「いじめ」体験に関する 1 項目も含め,合計 15 項目から なる調査を行った。 高校生活への適応感等:高校生の学校生活に対する適応 感を測定するために,河村(1999)の「学校生活満足度 尺度(高校生用)」の中から,「承認の因子」(3 項目)・ 「被侵害・不適応の因子」(3 項目)を参考にした 6 項目 を用いた。さらに,高校生になってから,親しくない子 から受けた「いじめ」体験に関する 1 項目も含め,合計 7項目からなる調査を行った。 中学校での進路選択:受験する高校を選択する際に,中 学生当時,相談した相手(担任教師・友人)などに関す る 3 項目の調査を行った。 小学校高学年当時の友人関係:小学校高学年当時の友人 関係の排他性を測定するために,三島(2004)の「(友人 関係における)排他性尺度」の中から,「独占的な親密関 係指向因子」(4 項目)・「固定的な仲間集団指向因子」(4 Table 1 調査対象校の基礎資料 学校 所在地 入学者の傾向 生徒総数(約) 進学率 A高校 都市部 地域の特定中学が多い 800人 90%以上 B高校 都市部 地域の特定中学が多い 900 90%以上 C高校 都市部 市・郡内全域 1,100人 90%以上 D高校 都市部 市・郡内全域 900人 40~ 60% E高校 非都市部 県内全域 400人 60~ 70% F高校 非都市部 地域の特定中学が多い 500 60~ 70% G高校 非都市部 市・郡内全域 900人 90%以上

(4)

項目)を参考にした 8 項目を用いた。さらに,小学校高 学年当時に親しい友人から受けた「いじめ」体験に関す る 1 項目と,小学校高学年当時に親しくない子から受け た「いじめ」体験に関する 1 項目も含め,合計 10 項目 からなる調査を行った。 なお,質問はすべて,5 件法で回答する形式とした。 実施方法:それぞれの学級担任が調査用紙(無記名・性 別のみを記入するフェイスシートを含め A4 サイズ 3 枚) を配布し,生徒に教室で回答させた。 結   果 親しい友人から受けた「いじめ」に関する性差(仮説 1 の検証) 「(現在の高校で)親しい友達からいじめられた」「小学 5・6 年生の頃,親しくしていた友達からいじめられた」 の 2 項目について,「5:とてもよくある(とてもよく あった)」,「4:よくある(よくあった)」と回答した生 徒を「いじめ」被害高群,「3:あまりない(あまりな かった)」と回答した生徒を「いじめ」被害中群,「2:ほ とんどない(ほとんどなかった)」,「1:ない(なかった)」 と回答した生徒を「いじめ」被害低群としてそれぞれの 人数を男女別にクロス集計した(Table 2)。その結果,高 校生になってから親しい友人から受けた「いじめ」に男 女間でちがいはみられなかった(χ2=3. 59, df=2, n.s.)。 しかし,小学校高学年当時に親しい友人から受けた「い じめ」については,男女間に違いがみられた(χ2=40. 54, df=2, p<.01)。残差分析を行った結果,被害中群の割合 に有意な違いはみられないが,被害高群の割合は女子の 方が大きく(p<.01),被害低群の割合は男子の方が大き かった(p<.01)。 親しくない子から受けた「いじめ」に関しては,小学 校高学年当時も,高校生になってからも,男女間で有意 な違いはみられなかった(Table 2)。 以上の結果は,高校生になってから親しい友人にいじ められるという体験に性差はみられないが,小学校高学 年段階では,男子に比べて女子の方が,親しい友人から の「いじめ」を多く経験していたことを示すものであり, 小学生当時に体験した「いじめ」に関する仮説 1 が支持 された。 現在(高校生)の友人関係に関する 14 項目・高校生活へ の適応感に関する 6 項目等の因子分析 現在の友人関係に関する調査項目に対する回答をもと に探索的因子分析(最尤法・プロマックス回転)を行っ た。なお,探索的因子分析に関しては,固有値の推移, および解釈可能性の高さから因子の数を決め,一つの因 子に 0. 3 以上の負荷量を示した項目を基にして因子の解 釈を行った。その結果,現在の友人関係に関する調査項 目に関しては,4 因子解を採用した。次に,探索的因子 分析の結果をもとにして,因子の解釈に用いた項目のみ に潜在変数が影響を与え,すべての潜在変数間の相関を 認めるモデルを作成し検証的因子分析を行った。その結 果,デ ー タ に 対 す る モ デ ル の 適 合 度 は 良 好 で あ り (GFI=.97, AGFI=.96, RMSEA=.049, CFI=.96),それぞ れの因子に対して大きな負荷量を示した項目をもとに して因子の解釈を行った。項目 A9「友達を信頼してい る」,項目 A10「友達は私を裏切らない」など 4 項目が大 きな負荷量を示したことから,第 1 因子を「信頼・安定 因子」とした。項目 A5「教室を移動するときは一緒に行 く」,項目 A4「トイレに一緒に行く」などの 4 項目が大 Table 2 「いじめ」被害群ごとの人数 親しい友人からの 「いじめ」被害 現在(高校) 小学校高学年時 男 子 女 子 男 子 女 子 被害高群 60( 5.2%) 65( 5.7%) 40( 3.5%) 112( 9.9%) 被害中群 226(19.6%) 257(22.6%) 141(12.3%) 157(13.8%) 被害低群 865(75.2%) 815(71.7%) 970(84.2%) 868(76.3%) 親しくない子からの 「いじめ」被害 現在(高校) 小学校高学年時 男 子 女 子 男 子 女 子 被害高群 56( 4.9%) 42( 3.7%) 69( 6.0%) 70( 6.2%) 被害中群 184(16.0%) 171(15.0%) 131(11.4%) 134(11.8%) 被害低群 911(79.1%) 924(81.3%) 951(82.6%) 933(82.0%)

(5)

きな負荷量を示したことから,第 2 因子を「親密確認因 子」とした。項目 A1「これからの生き方や人生観などに ついての話をする」,項目 A3「将来のことについての話 をする」など 3 項目が大きな負荷量を示したことから, 第 3 因子を「相互理解因子」とした。項目 A13「友達が 考えていることが分からなくなり,不安になることがあ る」,項目 A11「友達が自分のことを本当はどう思ってい るのか気になる」など 3 項目が大きな負荷量を示したこ とから,第 4 因子を「不安・懸念因子」とした。 次に高校生活への適応感に関する 6 項目について探索 的因子分析(最尤法・プロマックス回転)を行った結果 をもとにしてモデルを作成し,検証的因子分析を行った 結果,データに対するモデルの適合度は良好であった (GFI=1. 00, AGFI=.99, RMSEA=.032, CFI=1. 00)。 項目 B5「クラスの中で,孤立感を覚えることがある」,項目 B6「クラスの中で,自分は“浮いている”と感じること がある」など 3 項目が大きな負荷量を示したことから, 第 1 因子を「不適応の因子」とした。項目 B1「高校での 生活で充実感や満足感を覚えることがある」,項目 B3 「この学校に満足している」などの 3 項目が大きな負荷 量を示したことから,第 2 因子を「承認の因子」とした。 小学校高学年当時の友人関係についてたずねた 8 項目 について探索的因子分析(最尤法・プロマックス回転) を行った結果をもとにして,先に行ったのと同様の方法 でモデルを作成し,検証的因子分析を行った結果,デー タに対するモデルの適合度は良好であった(GFI=.99, AGFI=.98, RMSEA=.058, CFI=.98)。項目 D6「小学 5・ 6年生の頃,仲良しの友達だけで固まって一緒にいると 楽しかった」,項目 D5「小学 5・6 年生の頃,学校で遠足 などに出かけるときは,仲良しの友達だけで一つのグ ループをつくりたいと思った」の 2 項目が大きな負荷量 を示したことから,第 1 因子を「固定的な仲間集団指向 因子」とした。項目 D2「小学 5・6 年生の頃,仲良しの 友達と同じ鉛筆や消しゴム,下じきなどを持ちたいと 思った」,項目 D1「小学 5・6 年生の頃,自分のいちばん 大切な友達を,ほかの子にとられそうで心配になったこ とがあった」など 3 項目が大きな負荷量を示したことか ら,第 2 因子を「独占的な親密関係指向因子」とした。 なお,それぞれの因子の解釈に用いた項目の素点の平 均値をそれぞれの因子の下位尺度得点として以降の分析 に用いた。 小学校高学年で親しい友人から受けた「いじめ」・親しく ない子から受けた「いじめ」と,小学校高学年当時の友 人関係との関連(仮説 2 の検証) 親しい友人から受けた「いじめ」の影響を検討する際, それ以外の者から受けた「いじめ」の影響に関しても合 わせて検討し,両者の影響を比較するかたちで分析を行 う。 三島(2004)によれば,「独占的な親密関係指向因子」 は,二者関係をはじめとした特定の極めて親しい友人と の親密な関係を背景に,その関係には属さない第三者に 対する排他的な考え方や行動傾向の強さを示していると 考えられる。一方,「固定的な仲間集団指向因子」は,自 分が所属している仲間集団に対する指向性を背景に,自 分が所属する仲間集団に属していない者に対する排他的 な考え方や行動傾向の強さを示していると考えられる。 そこで,こうした友人関係に関する指標を用いて,親し い友人から受けた「いじめ」の頻度や,親しくない子か ら受けた「いじめ」の頻度と,小学校高学年当時の友人 関係における排他性との関連について検討した。 「独占的な親密関係指向」下位尺度得点と,「固定的な 仲間集団指向」下位尺度得点の平均値・標準偏差を,小 学校高学年当時に親しい友人から受けた「いじめ」(3 水 準:高群・中群・低群)×親しくない子から受けた「い じめ」(3 水準)ごとに求め,2 要因の分散分析を男女別 に行った(Table 3)。 その結果,男女ともに,「固定的な仲間集団指向」下位 尺度得点に関しては,主効果・交互作用ともに有意な水 準ではなかった。しかし,男子の「独占的な親密関係指 向」下位尺度得点に関しては,親しい友人から受けた「い じめ」の要因(F=27. 52, df=2,1142, p<.01),親しくない 子から受けた「いじめ」の要因(F=5. 95, df=2,1142, p<.01)の主効果,及び交互作用(F=2. 66, df=4,1142, p<.05)がともに有意な水準であった。交互作用がみら れたことから,親しくない子から受けた「いじめ」の水 準ごとに,親しい友人から受けた「いじめ」の要因に関 する単純主効果検定を行った。その結果,親しくない子 から受けた「いじめ」高群・中群・低群といったすべて の群で,親しい友人から受けた「いじめ」の程度により 「独占的な親密関係指向」下位尺度得点の平均値に有意な 違いがみられた(p<.01)。多重比較を行った結果,親し くない子から受けた「いじめ」低群の中では,親しい友 人から受けた「いじめ」低群と中群の間,親しくない子 から受けた「いじめ」中群と高群の中では,親しい友人 から受けた「いじめ」低群と中群・高群との間に「独占 的な親密関係指向」下位尺度得点の平均値に有意な違い

(6)

がみられた(p<.05)。 以上の結果から,男子に関しては,「固定的な仲間集団 指向因子」は,「いじめ」に関連しないが,「独占的な親 密関係指向因子」は,親しい友人から受けた「いじめ」 や,親しくない子から受けた「いじめ」に関連すること が示唆された。さらに,下位検定の結果から,親しい友 人からいじめられることがほとんどなかった生徒に比 べ,そうした「いじめ」を体験した生徒の方が,「独占的 な親密関係指向」が強いことも示唆され,この結果は, 仮説 2 を一部支持するものである。 女子の「独占的な親密関係指向」下位尺度得点に関し ては,親しい友人から受けた「いじめ」被害の要因(F= 5. 28, df=2,1128, p<.01),親しくない子から受けた「い じめ」被害の要因(F=3. 27, df=2,1128, p<.05)の主効果 がともに有意な水準であったが,交互作用(F=0. 96, df=4,1128, n.s.)に関しては有意な水準ではなかった。そ こで 2 つの要因についてそれぞれ多重比較を行った結 果,親しい友人から受けた「いじめ」被害の要因に関し ては,低群と高群との間,親しくない子から受けた「い じめ」被害の要因に関しては,低群と中群との間に有意 な違いがみられた(p<.05)。 以上の結果から,女子に関しては,「固定的な仲間集団 指向因子」は,「いじめ」に関連しないが,「独占的な親 密関係指向因子」は,親しい友人から受けた「いじめ」 や,親しくない子から受けた「いじめ」に関連すること が示唆された。さらに,下位検定の結果から,親しい友 人や,親しくない子からいじめられることがほとんどな かった生徒に比べ,そうした「いじめ」を体験した生徒 の方が,「独占的な親密関係指向」が強いことも示唆さ れ,この結果も仮説 2 を一部支持するものである。 小学校高学年で親しい友人から受けた「いじめ」・親しく ない子から受けた「いじめ」と,進路選択時に相談した 相手等との関連(仮説 3・4 の検証) 中学生のころ,どの高校に進むかといった進路選択を 行う際,中学校の担任教師・親しい友人のそれぞれに対 して,どれほどよく相談したのかを個別に尋ねた。その 結果を,小学校高学年当時に親しい友人から受けた「い じめ」(3 水準)×親しくない子から受けた「いじめ」(3 水 準)ごとに分類して平均値・標準偏差を求め(Table 4), 相談した相手(2 水準:教師・友人)を被験者内要因, 小学校高学年で受けた「いじめ」の被害(親しい友人× 親しくない子)を被験者間要因とする 3 要因の分散分析 を男女別に行った。 分析の結果,男子に関しては主効果・交互作用ともに 有意な水準ではなかった。女子に関しては,主効果・2 次 の交互作用はともに有意な水準ではなかった。しかし,相 談した相手の要因と親しい友人から受けた「いじめ」の 要因との間に有意な 1 次の交互作用がみられた(F=6. 00, df=2,1128, p<.01)。 Table 3 小学校高学年当時に受けた「いじめ」と当時の友人関係 「固定的な仲間集団指向」下位尺度得点 親しくない子 から受けた 親しい友人から受けた 男 子 女 子 被害高群 被害中群 被害低群 被害高群 被害中群 被害低群 被害高群 3.70(0.96) 3.95(0.74) 3.93(0.77) 3.47(1.19) 4.00(0.76) 3.91(0.92) 被害中群 3.73(0.75) 3.55(0.64) 3.58(0.77) 3.72(0.70) 3.72(0.75) 3.90(0.84) 被害低群 4.07(0.73) 3.78(0.67) 3.71(0.90) 3.84(0.82) 3.89(0.82) 3.80(0.82) 「独占的な親密関係指向」下位尺度得点 親しくない子 から受けた 親しい友人から受けた 男 子 女 子 被害高群 被害中群 被害低群 被害高群 被害中群 被害低群 被害高群 2.33(1.06) 2.68(1.13) 1.67(0.74) 2.72(1.16) 2.84(0.78) 2.42(0.94) 被害中群 2.30(0.69) 2.25(0.78) 1.71(0.71) 3.04(0.85) 2.67(0.75) 2.59(0.80) 被害低群 1.81(0.79) 2.04(0.83) 1.67(0.67) 2.62(0.86) 2.65(0.93) 2.29(0.87) ※( )は標準偏差,それ以外は平均値を示す。それぞれのセルの人数はAppendixに記載。

(7)

そこで,女子のデータに関して下位検定を行ったとこ ろ,親しい友人から受けた「いじめ」被害低群では,教 師に比べて友人に多く相談していた(p<.01)のに対し て,被害高群では逆に,友人に比べて教師に多く相談す る傾向がみられた(p<.06)。 以上の結果から,小学校高学年で受けた親しい友人か らの「いじめ」は,男子が中学校で進路を選択する際の 相談相手に影響を与えることはないが,女子が進路を選 択する際の相談相手には影響を与えることが示唆され た。小学校高学年で親しい友人からの「いじめ」を体験 した女子は,体験しなかった女子に比べて,自分の進路 を友人に相談することを控える傾向にあり,この結果は 仮説 3 を支持するものである。 次に,進路選択を行う際,「親しい友達と一緒の高校に 行きたいと思った」かという質問に対する回答の平均値・ 標準偏差を,小学校高学年当時に親しい友人から受けた 「いじめ」(3 水準)×親しくない子から受けた「いじめ」 (3 水準)ごとに分類して求め(Table 5),男女別に 2 要 因の分散分析を行った。 その結果,男子に関しては,有意な主効果・交互作用 はみられなかったが,女子に関しては,親しい友人から 受けた「いじめ」の要因の主効果に傾向差がみられた (F=2. 66, df=2,1128, p<.08)。そこで,女子のデータに関 して,親しい友人から受けた「いじめ」の水準ごとの平 均値を多重比較したところ,被害低群に比べて被害高群 の方が,友人と一緒の高校へ進学することを避ける傾向 が強いことを示す結果が得られた(p<.05)。この結果は, 仮説 4 を支持するものである。 Table 4 進路選択時に担任教師・友人に相談した程度 男子 親しくない子 から受けた 親しい友人から受けた 中学校の担任教師と相談した程度 中学校の親しい友人と相談した程度 被害高群 被害中群 被害低群 被害高群 被害中群 被害低群 被害高群 3.13(1.25) 3.20(0.89) 3.12(1.30) 2.80(1.26) 3.38(1.11) 2.65(1.23) 被害中群 3.18(0.75) 3.05(0.82) 2.79(1.06) 3.36(0.81) 2.99(0.84) 2.95(1.19) 被害低群 3.21(1.05) 2.98(1.00) 2.92(1.05) 2.79(1.05) 3.05(1.04) 3.02(1.08) 女子 親しくない子 から受けた 親しい友人から受けた 中学校の担任教師と相談した程度 中学校の親しい友人と相談した程度 被害高群 被害中群 被害低群 被害高群 被害中群 被害低群 被害高群 3.24(1.06) 2.80(0.77) 2.95(0.95) 3.00(1.12) 3.20(1.01) 3.27(1.20) 被害中群 3.26(0.90) 3.11(0.93) 2.94(0.80) 2.93(1.00) 3.26(0.89) 3.26(1.01) 被害低群 3.19(1.14) 3.10(0.98) 3.11(0.98) 3.12(1.18) 3.20(1.12) 3.32(1.02) ※( )は標準偏差,それ以外は平均値を示す。それぞれのセルの人数はAppendixに記載。 Table 5 「親しい友人と同じ高校に行きたい」という思いの程度 親しくない子 から受けた 親しい友人から受けた 男 子 女 子 被害高群 被害中群 被害低群 被害高群 被害中群 被害低群 被害高群 3.00(1.56) 3.30(1.17) 2.76(1.50) 2.52(1.37) 3.13(1.41) 3.14(1.55) 被害中群 3.27(1.27) 2.95(1.16) 2.79(1.28) 2.63(1.28) 2.90(1.24) 3.09(1.15) 被害低群 2.86(1.51) 2.95(1.04) 2.95(1.19) 3.04(1.25) 2.96(1.24) 3.12(1.27) ※( )は標準偏差,それ以外は平均値を示す。それぞれのセルの人数はAppendixに記載。

(8)

小学校高学年で親しい友人から受けた「いじめ」・親しく ない子から受けた「いじめ」と,現在の友人関係・学校 適応との関連(仮説 5 の検証) 高校生になってからの友人関係や学校適応と,小学校 高学年当時に親しい友人から受けた「いじめ」の頻度や, 親しくない子から受けた「いじめ」の頻度との関連を検 討した。 友人関係に関する 4 因子の下位尺度得点,学校適応に 関する 2 因子の下位尺度得点の平均値・標準偏差を,小 学校高学年当時に親しい友人から受けた「いじめ」(3 水 準:高群・中群・低群)×親しくない子から受けた「い じめ」(3 水準)ごとに求め,2 要因の分散分析を男女別 に行った(Table 6)。 男子に関しては,友人関係に関する「親密確認」(F=5. 90, df=2,1142, p<.01)・「不安・懸念」(F=5. 46, df=2,1142, p<.01)下位尺度得点と,学校適応に関する「不適応」 (F=3. 71, df=2,1142, p<.05)・「承認」(F=3. 88, df=2,1142, p<.05)下位尺度得点に,親しい友人から受けた「いじ め」の要因の主効果がみられた。さらに,友人関係に関 する「親密確認」(F=3. 85, df=2,1142, p<.05)・「不安・ 懸念」(F=4. 95, df=2,1142, p<.01)下位尺度得点と,学 校適応に関する「不適応」(F=16. 31, df=2,1142, p<.01) 下位尺度得点に,親しくない子から受けた「いじめ」の 要因の主効果がみられた。 一方,女子に関しては,友人関係に関する「不安・懸 念」(F=3. 06, df=2,1128, p<.05)下位尺度得点と,学校 適応に関する「不適応」(F=6. 91, df=2,1128, p<.01)下 位尺度得点に,親しい友人から受けた「いじめ」の要因 の主効果がみられた。さらに,友人関係に関する「信頼・ 安定」(F=8. 06, df=2,1128, p<.01)・「親密確認」(F=10. 77, df=2,1128, p<.01)下位尺度得点と,学校適応に関する 「不適応」(F=25. 12, df=2,1128, p<.01)下位尺度得点に, 親しくない子から受けた「いじめ」の要因の主効果がみ られた。 以上の結果から,男女に共通して,小学校高学年の段 階で親しい友人から頻繁にいじめられた高校生ほど,「友 達が考えていることが分からなくなり,不安になること がある」という気持ちや,「友達が自分のことを本当はど う思っているのか気になる」などという気持ちが強く, クラスの中で自分が“浮いている”と感じたり,孤立感 を覚えたりすることも多く,こうした結果は仮説 5 を支 持するものである。 また,小学校高学年の段階で親しくない子から頻繁に いじめられた高校生ほど,友人と一緒に教室を移動した り,友人と一緒にトイレに行ったりすることが少なく, クラスの中で自分が“浮いている”と感じたり,孤立感 を覚えたりすることが多いことも,男女に共通すること として示された。 これまでの分析結果から,小学校高学年で親しい友人 や,親しくない子から受けた「いじめ」と,小学校高学 年当時の友人関係や,高校入学後の友人関係・適応感が 関連する可能性があることが示唆された。そこで,これ までに行った分散分析の結果をもとに,小学校高学年当 時の「いじめ」とかかわっていると考えられる要因相互 の関連をモデル化し,収集したデータに対するモデルの 適合度を求め,要因相互の関連について探索的な考察を 試みた(Figure 1・2)。その結果,データに対するモデル の適合度は男女ともにおおむね良好だった(男子: GFI=.93, AGFI=.90, RMSEA=.075, CFI=.89。女子: GFI=.93, AGFI=.90, RMSEA=.066, CFI=.89)。そこで,そ れぞれのパス係数についてワルド検定を行い,有意なパ スをもとにモデルの解釈を行った。 男女に共通して,小学校高学年当時の友人関係におけ る「独占的親密関係指向」が,「いじめ」に影響を与える 可能性があることが示唆された。 男女ともに,小学校高学年で親しくない子から受けた 「いじめ」が,高校生の学校不適応感に直接影響を与えて いると同時に,こうした「いじめ」体験が,「親密確認因 子」に負の影響を与え,友人と一緒に行動する頻度を低 下させることにより,学校不適応感を間接的に高めると いうことも示唆された。さらに,女子に関しては,小学 校高学年で親しくない子から受けた「いじめ」が,高校 生の「信頼・安定因子」に負の影響を与え,友人に対す る信頼感を低下させることにより,学校不適応感を間接 的に高めるということも示唆された。 一方,小学校高学年で親しい友人から受けた「いじめ」 は,男子に関しては,高校生の学校不適応感に直接影響 を与えるが,女子に関しては,こうした直接の影響は小 さく,むしろ,友人に対する不安や懸念を媒介にした間 接的な影響が大きいと考えられる。つまり,男女に共通 して,小学校高学年で親しい友人から受けた「いじめ」 は,友人に対する不安や懸念に影響を与え,不安や懸念 の高まりが,高校生の学校不適応感に影響を与えた可能 性が高い。 考   察 「いじめ」問題は,教育現場における重大な問題の一つ であるが,「いじめ」といっても,その中には異なる形態 や多様な内容が含まれている。そのため,「いじめ」を予 防・解消する現実的な方法を考える場合には,「いじめ」

(9)

Table 6 小学校高学年当時に受けた「いじめ」と現在(高校)の友人関係・学校適応 「信頼・安定」下位尺度得点(友人関係) 親しくない子 から受けた 親しい友人から受けた 男 子 女 子 被害高群 被害中群 被害低群 被害高群 被害中群 被害低群 被害高群 3.37(0.80) 3.69(0.54) 3.33(0.69) 3.57(0.92) 3.38(0.88) 3.43(1.04) 被害中群 3.55(0.91) 3.37(0.74) 3.44(0.76) 3.24(0.70) 3.64(0.67) 3.52(0.76) 被害低群 3.23(0.61) 3.52(0.87) 3.55(0.74) 3.65(0.94) 3.72(0.82) 3.90(0.71) 「親密確認」下位尺度得点(友人関係) 親しくない子 から受けた 親しい友人から受けた 男 子 女 子 被害高群 被害中群 被害低群 被害高群 被害中群 被害低群 被害高群 2.79(0.93) 3.63(0.70) 2.82(0.78) 3.85(0.77) 3.67(0.81) 3.73(0.72) 被害中群 3.39(0.44) 3.36(0.78) 3.12(0.91) 3.76(0.75) 4.03(0.61) 3.91(0.56) 被害低群 3.45(0.67) 3.47(0.86) 3.45(0.83) 4.00(0.64) 4.13(0.57) 4.16(0.56) 「相互理解」下位尺度得点(友人関係) 親しくない子 から受けた 親しい友人から受けた 男 子 女 子 被害高群 被害中群 被害低群 被害高群 被害中群 被害低群 被害高群 3.47(0.89) 3.18(0.67) 3.15(0.81) 3.39(0.93) 2.91(0.67) 3.26(0.69) 被害中群 3.33(0.49) 3.08(0.72) 2.97(0.82) 3.04(0.74) 3.35(0.84) 3.33(0.74) 被害低群 2.67(1.06) 3.15(0.85) 3.04(0.81) 3.45(0.76) 3.31(0.67) 3.30(0.73) 「不安・懸念」下位尺度得点(友人関係) 親しくない子 から受けた 親しい友人から受けた 男 子 女 子 被害高群 被害中群 被害低群 被害高群 被害中群 被害低群 被害高群 2.60(1.00) 3.23(0.81) 2.81(0.90) 2.95(0.89) 3.56(0.77) 3.39(0.86) 被害中群 3.15(0.74) 2.81(0.82) 2.61(0.82) 3.17(0.82) 3.22(0.73) 3.00(0.65) 被害低群 2.52(0.88) 2.72(0.82) 2.37(0.76) 3.13(0.91) 3.20(0.75) 2.88(0.77) 「不適応」下位尺度得点(学校適応) 親しくない子 から受けた 親しい友人から受けた 男 子 女 子 被害高群 被害中群 被害低群 被害高群 被害中群 被害低群 被害高群 2.84(0.98) 2.98(0.74) 2.85(1.07) 2.62(1.17) 3.13(0.77) 2.55(1.00) 被害中群 2.61(0.77) 2.56(0.82) 2.21(0.75) 2.67(1.09) 2.30(0.74) 2.05(0.76) 被害低群 2.38(1.20) 2.10(0.93) 1.87(0.81) 2.13(0.85) 2.06(0.78) 1.83(0.77) 「承認」下位尺度得点(学校適応) 親しくない子 から受けた 親しい友人から受けた 男 子 女 子 被害高群 被害中群 被害低群 被害高群 被害中群 被害低群 被害高群 2.60(0.90) 3.33(0.90) 2.86(1.00) 3.31(0.98) 3.11(0.66) 3.20(1.02) 被害中群 2.76(0.96) 2.95(0.70) 2.81(0.78) 2.77(0.84) 3.10(0.75) 3.30(0.74) 被害低群 2.76(0.88) 3.03(0.90) 2.94(0.86) 3.16(0.84) 3.11(0.88) 3.23(0.84) ※( )は標準偏差,それ以外は平均値を示す。それぞれのセルの人数はAppendixに記載。

(10)

の形態や内容をある程度限定する必要がある。本研究に おいては,仮説 1 を支持する結果が得られた。また,三 島(2003b)が,小学 5・6 年生を対象に行った調査でも, 同様の結果が得られており,小学校高学年では,親しい 友人からいじめられた体験は,男子に比べて女子に多い という知見は,一般性のある知見といえよう。こうした ことから,小学校高学年女子の「いじめ」問題を考える 場合には,親しい友人間にみられる「いじめ」という形 態の「いじめ」を中心に,問題を限定して考えることが 現実的ではないだろうか。 本研究では,「いじめ」の内容に関する検討がなされて いない。しかし,親しい友人間にみられる女子の「いじ め」の内容に関しては,次のような指摘や報告がある。 高石(1988)は,女子の「いじめ」は集団的であり, かつ,間接的な方法で攻撃が表出されやすいと述べてい る。Olweus(1994)は,直接的な「いじめ」が男子に多 くみられるのに対して,女子では,仲間集団から相手を 孤立させたり,除外したりするといった間接的な「いじ め」が多いと述べている。Crick, Bigbee, & Howes(1996) は,9 歳から 12 歳の児童を対象にした調査の結果から, 怒りを示す行動として,暴力的な攻撃をあげたのは女子 に比べて男子の方が多いのに対して,視線をそらす,排 除するなどといった方法で相手を脅す「関係性攻撃」は, 男子に比べて女子の方が多いことを報告している。三島 (2003a)は,現職教師 5 人を対象に PAC 分析(内藤,1997) と呼ばれる構造化された面接を行い,親しい友人からの 「関係性攻撃」が女子児童に多くみられることを示唆する 結果を得た。 これらの指摘や報告から,親しい友人間にみられる女 子の「いじめ」の内容は,「関係性攻撃」によるものが多 いと考えられ,小学校高学年女子の「いじめ」問題を考 える場合には,「関係性攻撃」という「いじめ」の内容を 念頭に,対策を考えることも必要ではないだろうか。 本研究では,親しい友人間にみられる小学生の「いじ め」の問題を,仮説 1・2 を検証することを通して検討 してきた。その結果,女子児童の「いじめ」に関する検 討が中心となった。今後は,男子児童の「いじめ」の問 題に関しても,その内容や形態の特徴などに関する研究 を行っていきたい。 ところで,仮説 3・4 を支持する方向の結果が得られ, 女子に関しては,親しい友人から受けた「いじめ」が, 進学する高校を選択する際の相談相手に影響したこと Figure 1. 小学校高学年当時の友人関係・「いじめ」体験 と現在(高校)の友人関係・学校適応の関連 (男子) Figure 2. 小学校高学年当時の友人関係・「いじめ」体験 と現在(高校)の友人関係・学校適応の関連 (女子)

(11)

や,親しい友人と同じ高校へ進学することを避ける傾向 を強める方向に影響したことも示唆された。 こうした結果が得られたことから,女子に関しては, 小学校高学年当時に親しい友人から受けた「いじめ」の 影響が,中学校の段階まで直接及んでいたことが考えら れる。 小学校高学年で親しい友人からいじめられた生徒が, 在住学区の中学校に進学した場合,小学校で自分をいじ めた友人も同じ中学校に進学している可能性が高い。そ のため,中学校に進学した後も,小学生の頃の仲間集団 が保持され,小学校で経験した「いじめ」がその仲間集 団内で継続した結果,高校進学時には,自分をいじめた 仲間から離れたいという考えをもったことが,このよう な結果を生じさせた可能性も否定できない。仮に,親し い友人からの「いじめ」が,中学校入学後まで継続して いたにしろ,小学校高学年で受けた「いじめ」が,進学 する高校を選択することにまで影響を与えるということ は,こうした「いじめ」の影響がいかに大きいかを物語 るものであり,この点からも,小学校高学年女子の親し い友人間にみられる「いじめ」の解消に向け,研究や実 践を進める必要性は高いと考えられる。 仮説 5 についての検討を行ったところ,親しい友人か ら受けた「いじめ」は,友人関係の感情的側面である, 友人に対する不安・懸念に影響し,親しくない子から受 けた「いじめ」は,友人関係の活動的側面である親密さ を確認するような行動に影響することが示された。親し い友人からいじめられた経験が,友人に対する不安・懸 念に影響することを示す結果が得られたことは,小学校 高学年の段階で,こうした「いじめ」を体験した ことが, 後の友人関係のあり方にまで影響を及ぼす可能性がある ことを示唆している。 小学校高学年という時期は,自己開示を行ったり,情 緒的なサポートの提供を受けたりする主な相手が,保護 者 か ら 親 し い 友 人 へ と 変 化 し て い く 時 期(e.g. Buhrmester & Furman, 1986; Furman & Buhrmester, 1992; セルマン・シュルツ,1996)であり,この時期は,親し い友人とのかかわりに関する基本的な考え方を確立して いく時期でもある。そうした時期に,親しい友人からい じめられるという体験をすることが,その後の親しい友 人とのかかわり方に影響を与えることは十分に考えられ る。小学校高学年で,親しい友人からいじめられた生徒 は,その後の友人関係において,親しい友人との間にも 一定の心理的な距離をとるようになり,心理的な距離を とるようになったことが原因して,仮説 3・4 を支持す るような結果が得られた可能性もある。この点について は,新たにデータを集め,さらに詳細な分析を行いたい。 最後に本研究の課題を整理する。本研究で得られた知 見は,小学校高学年当時に体験した「いじめ」と,高校 段階における友人関係や適応感との関連を,縦断的に調 査して得られたものではなく,高校生の回顧をもとにし た質問紙調査により得たデータを共分散構造分析するこ となどによって得たものであり,あくまでも一つの解釈 に過ぎない。今後は,こうした知見が,縦断的な手法に よる研究においても確認することができるかどうかを検 討していく必要がある。 さらに,今回の研究では,親しい友人から受けた「い じめ」の被害などについて,一つの調査項目のみで尋ね ている。また,今回の調査では,「いじめ」についての頻 度を尋ねているが,心身に受けた苦痛の程度などの側面 に関する調査を行っていない。今後は,こうした課題が 改善できるように,より多くの項目を用いた調査を行い, 本研究で得られた知見の信頼性や妥当性についてさらに 検討していく必要もある。 謝   辞 本論文の作成にあたりご助言をくださった名古屋大学 吉田俊和先生,名古屋大学高井次郎先生に深く感謝申し 上げます。 引 用 文 献 坂西友秀(1995).いじめが被害者に及ぼす長期的な影響 および被害者の自己認知と他の被害者認知の差 社 会心理学研究,11, 105–115.

Buhrmester, D., & Furman, W. (1986). The changing func-tions of friends in childhood: A neo-Sullivanian per-spective. In V. J. Derlega, & B. A. Winstead (Eds.), Friendship and social interaction. 41–62. New York: Springer-Verlag.

Crick, N. R., Bigbee, M. A., & Howes, C. (1996). Gender differences in children’s normative beliefs about aggres-sion: How do I hurt thee? Let me count the ways. Child Development, 67, 1003–1014.

Durkin, K. (1995). Developmental social psychology: From infancy to old age. Blackwell Publishers Inc.

Eder, D., & Hallinan, M. T. (1978). Sex differences in chil-dren’s friendships. American Sociological Review, 43, 237–250.

榎本淳子(1999).青年期における友人との活動と友人に 対する感情の発達的変化 教育心理学研究,47, 180–190.

(12)

Feldman, E., & Dodge, K. A. (1987). Social information processing and sociometric status: Sex, age, and situa-tional effects. Journal of Abnormal Child Psychology, 15, 211–227.

Forero, R., McLellan, L., Rissel, C., & Bauman, A. (1999). Bullying behaviour and psychosocial health among school students in New South Wales, Australia: Cross sectional survey. British Medical Journal, 319, 344– 348.

Furman, W., & Buhrmester, D. (1992). Age and sex differ-ences in perception of networks of personal relation-ships. Child Development, 63, 103–115.

Hugh-Jones, S., & Smith, P. K. (1999). Self-reports of short- and long-term effects of bullying on children who stammer. British Journal of Educational Psychol-ogy, 69, 141–158.

Kaltiala-Heino, R., Rimpelä, M., Marttunen, M., Rimpelä, A., & Rantanen, P. (1999). Bullying, depression, and suicidal ideation in Finnish adolescents: School sur-vey. British Medical Journal, 319, 348–351.

Kaltiala-Heino, R., Rimpelä, M., Rantanen, P., & Rimpelä, A. (2000). Bullying at school: An indicator of adolescents at risk for mental disorders. Journal of Adolescence, 23, 661–674. 香取早苗(1999).過去のいじめ体験による心的影響と心 の傷の回復方法に関する研究 カウンセリング研究, 32, 1–13. 河村茂雄(1999).生徒の支援ニーズを把握するための尺 度の開発―学校生活満足度尺度(高校生用)の作成― 岩手大学教育学部研究年報,59, 111–120. 松原達哉(1997).小中高校時の「いじめの実態とその対 策に関する研究」 石橋湛山記念基金研究費助成費 研究成果報告書 三島浩路(1997).対人関係能力の低下といじめ 名古屋 大学教育学部紀要(心理学),44, 3–9. 三島浩路(2003a).小学校教師がイメージする男子・女 子児童の「いじめ」 名古屋大学大学院教育発達科学 研究科紀要(心理発達科学),50, 123–132. 三島浩路(2003b).親しい友人間にみられる小学生の「い じめ」に関する研究 社会心 理学研究,19, 41–50. 三島浩路(2004).小学生の排他性に関する研究 日本グ ループ・ダイナミックス学会第 51 回大会発表論文 集,104–105. 森田洋司・清永賢二(1994).新訂版 いじめ―教室の病 い― 金子書房 森田洋司・滝  充・秦 政春・星野周弘・岩井彌一 (1999).日本のいじめ―予防・対応に生かすデータ 集― 金子書房 内藤哲雄(1997).PAC 分析実施法入門 ナカニシヤ出版 佐藤有耕(2004).関係性の病理をもつ青少年への対応の 実際 友人関係 伊藤美奈子・宮下一博(編著) 傷 つけ傷つく青少年の心 北大路書房,88–95. Olweus, D. (1994). Annotation: Bullying at school: Basic

facts and effects of a school based intervention pro-gram. Journal of Child Psychology and Psychiatry, 35, 1171–1190.

Pellegrini, A. D., & Bartini, M. (2000). A longitudinal study of bullying, victimization, and peer affiliation during the transition from primary school to middle school. Amer-ican Educational Research Journal, 37(3), 699–725. セルマン R. L.・シュルツ L. H.(1996).ペア・セラピィ:

どうしたらよい友だち関係が つくれるか I 巻 大西 文行(監訳)北大路書房(Selman, R.L., & Schultz, L. H. 1990 Making a friend in youth: Developmental theory and pair therapy. The University of Chicago Press.) シモンズ R.(2003).女の子どうしって,ややこしい!

鈴木淑美(訳) 草思社(Simmons, R. 2002 Odd girl out: The hidden culture of aggression in girls. New York: Harcourt Inc.)

Sourander, A., Helstelä, L., Helenius, H., & Piha, J. (2000). Persistence of bullying from childhood to adolescence: A longitudinal 8-year follow-up study. Child Abuse & Neglect, 24(7), 873–881. 鈴木康平(2000).学校におけるいじめの心理 ナカニシ ヤ出版 高石浩一(1988).少年期の対人関係の問題について―特 に「いじめ」との関連から― 京都大学教育学部紀 要,34, 221–230. 竹川郁雄(1993).いじめと不登校の社会学―集団状況と 同一化意識― 法律文化社

Whitesell, N. R., & Harter, S. (1996). The interpersonal context of emotion: Anger with close friends and classmates. Child Development, 67, 1345–1359.

(13)

Appendix

A:現在(高校)の友人関係「今,あなたが親しくしている同性の友達との関係についてお答えください」 1 これからの生き方や人生観などについての話をする(F3:相互理解)。 2 自分の性格や行動についての話をする(F3:相互理解)。 3 将来のことについての話をする(F3:相互理解)。 4 トイレに一緒に行く(F2:親密確認)。 5 教室を移動するときは一緒に行く(F2:親密確認)。 6 交換日記やメールのやり取りをする(F2:親密確認)。 7 学校で昼食を食べるときは,一緒に食べる(F2:親密確認)。 8 友達とは気持ちが通じあっている(F1:信頼・安定)。 9 友達を信頼している(F1:信頼・安定)。 10 友達は私を裏切らない(F1:信頼・安定)。 11 友達が自分のことを本当はどう思っているのか気になる(F4:不安・懸念)。 12 親しい友達からいじめられた(親しい友人からの現在の「いじめ」)。 13 友達が考えていることが分からなくなり,不安になることがある(F4:不安・懸念)。 14 自分がよく知らない子と,友達が話をしているのを見ると寂しさを感じる(F4:不安・懸念)。 15 今の友達に満足している(F1:信頼・安定)。 B:高校生活への適応感等「今の学校・学級での生活についてお答えください」 1 高校での生活で充実感や満足感を覚えることがある(F2:承認)。 2 クラスで行う活動には積極的に取り組んでいると思う(F2:承認)。 3 この学校に満足している(F2:承認)。 4 クラス内でグループをつくるとき,どのグループにも入れず残ってしまうことがある(F1:不適応)。 5 クラスの中で,孤立感を覚えることがある(F1:不適応)。 6 クラスの中で,自分は“浮いている”と感じることがある(F1:不適応)。 7 親しくない子からいじめられた(親しくない子からの現在の「いじめ」)。 C:中学校での進路選択「中学校の時に行った『進路選択』について,当時のことを思い返してお答えください」 1 どの高校に進むかを,中学校の担任教師と相談した。 2 どの高校に進むかを,中学校の親しい友達と相談した。 3 親しい友達と一緒の高校に行きたいと思った。 D:小学校高学年当時の友人関係「小学校 5・6 年生の頃のことを思い返してお答えください」 1 小学 5・6 年生の頃,自分のいちばん大切な友達を,ほかの子にとられそうで心配になったことがあった(F1: 独占的な親密関係指向)。 2 小学 5・6 年生の頃,仲良しの友達と同じ鉛筆や消しゴム,下じきなどを持ちたいと思った(F1:独占的な親 密関係指向)。 3 小学 5・6 年生の頃,朝,小学校の校門や玄関などで仲良しの友達と待ち合わせをした(F1:独占的な親密関 係指向)。 4 小学 5・6 年生の頃,仲良しの友達と内緒話をした。 5 小学 5・6 年生の頃,学校で遠足などに出かけるときは,仲良しの友達だけで一つのグループをつくりたいと 思った(F2:固定的な仲間集団指向)。 6 小学 5・6 年生の頃,仲良しの友達だけで固まって一緒にいると楽しかった(F2:固定的な仲間集団指向)。 7 小学 5・6 年生の頃,気持ちの中で,自分の仲良しの友達と,友達ではない子とを分けていた。 8 小学 5・6 年生の頃,遊び相手がいつも同じだとつまらないと思った。 9 小学 5・6 年生の頃,親しくしていた友達からいじめられた(親しい友人から小学校高学年当時に受けた「い じめ」)。 10 小学 5・6 年生の頃,親しくない子からいじめられた(親しくない子から小学校高学年当時に受けた「いじめ」)。 ※( ):その項目等をもとにして解釈した因子,「いじめ」を受けた時期

(14)

Long-term influence of “bullying” received from intimate friends during upper elementary

school grades: Focusing on retrospect of high school students

KOUJI MISHIMA (Institution of Contemporary Education, Chubu University)

This research examined “bullying” received from intimate friends during upper elementary school grades (grades 5 and 6), considering its effects on subsequent school adaptation and friendship relations. Approximately 2,000 high school students were asked to retrospect about their experiences in being bullied back in elementary school, and about their school adaptation, and friendship relations both back then, and now. Results suggested that female students experienced more bullying than male. Those who reported bullying were more likely to report subsequent school maladjustment in high school, as well as feeling more anxiety toward interpersonal relationships, than those who did not. In particular, females, more than males, were likely to be influenced more with regard to trust toward their guidance counselor in middle school.

Key Words: bullying, high school student, schoolchild, school adaptation, exclusivity

2007年 1月 5日受稿 2007年 6月13日受理 分析対象とした高校生の学年と性別ごとの人数 男 子 女 子 合 計 1年生 308 349 657 2年生 483 556 1,039 3年生 360 232 592 合 計 1,151 1,137 2,288 小学校高学年時に受けた「いじめ」被害群ごとの人数 親しくない子から受けた 親しい友人から受けた 男 子 女 子 被害高群 被害中群 被害低群 被害高群 被害中群 被害低群 被害高群 15  20  34  33  15  22  被害中群 11  81  39  27  72  35  被害低群 14  40  897  52  70  811 

Table 6 小学校高学年当時に受けた「いじめ」と現在(高校)の友人関係・学校適応 「信頼・安定」下位尺度得点(友人関係) 親しくない子 から受けた 親しい友人から受けた男 子 女 子 被害高群 被害中群 被害低群 被害高群 被害中群 被害低群 被害高群 3.37 (0.80) 3.69 (0.54) 3.33 (0.69) 3.57 (0.92) 3.38 (0.88) 3.43 (1.04) 被害中群 3.55 (0.91) 3.37 (0.74) 3.44 (0.76) 3.24 (0.70) 3.

参照

関連したドキュメント

神戸・原田村から西宮 上ケ原キャンパスへ移 設してきた当時は大学 予科校舎として使用さ れていた現 在の中学 部本館。キャンパスの

 学部生の頃、教育実習で当時東京で唯一手話を幼児期から用いていたろう学校に配

 学部生の頃、教育実習で当時東京で唯一手話を幼児期から用いていたろう学校に配

今年度は 2015

1970 年代後半から 80 年代にかけて,湾奥部の新浜湖や内湾の小櫃川河口域での調査

①中学 1 年生 ②中学 2 年生 ③中学 3 年生 ④高校 1 年生 ⑤高校 2 年生 ⑥高校 3 年生

昭和 61 年度から平成 13 年度まで環境局が実施した「水生生物調査」の結果を本調査の 結果と合わせて表 3.3-5 に示す。. 平成

○現場実習生受け入れ 南幌養護学校中学部3年 3名 夕張高等養護学校中学部3年 1名