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中国貴州省の農村における特任教師に対する研修需要に関する研究 [ PDF

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中国貴州省の農村における特任教師に対する研修需要

に関する研究

キーワード:特任教師、研修、研修需要、研修の内容の需要、研修の方式の需要 教育システム専攻 張 維娜 論文構成 序章 研究背景と目的 1. 研究背景と問題所在 2. 研究の目的と意義 3. 論文の構成 第 1 章 中国農村における特任教師政策提出の背景と実 施過程 1.1 中国農村における特任教師政策提出の背景 1.2 特任教師政策の実施過程 第 2 章 中国農村における特任教師の概況 2.1 特任教師に関する定義 2.2 特任教師の現状 第 3 章 特任教師研修の状況 3.1 特任教師研修の制度 3.2 特任教師研修に関する研究 第 4 章 研修需要をめぐる理論 4.1 研修需要に関する研究 4.2 研修需要の分析に関する研究 4.3 教師の研修需要を含む要素 第 5 章 調査と分析方法 5.1 調査対象の選定 5.2 調査法 5.3 分析方法 第 6 章 貴州省における農村小中学校の特任教師の研修 需要 6.1 アンケートの結果 6.2 インタビューの結果 6.3 アンケートとインタビューの結果から見た研修 需要 終章 1. 全体のまとめと考察 2. 今後の課題 序章 改革開放以降、中国の経済の高速発展の一方、社会資 源配置のバランスを失うことも深刻化している。特に都 市と農村の教育格差が顕著である。中国農村における義 務教育を改善するためには様々な問題を解決しないとい けない。その中のひとつは、農村教師を補足する問題で ある。2006 年に教育部、財政部、人事部が協力して『農 村義務教育段階における学校教師職位を特設することに ついての実施計画』を配布し、この計画に置いて「特任 計画」と略語された。「特任教師」は、「特任計画」によ り農村における義務教育段階で特設教師職位で働く教師 のことである。大学生を募集対象にし、契約期間は 3 年 間である。特任計画の実施範囲が年々拡大するとともに、 特任教師は農村教師集団の重要な構成部分になり、農村 における義務教育の発展のために活躍している。 特任教師に関する研究、とくに特任教師の待遇、居住 環境などの生活状況と特任教師の業務状況のような現状 に関する研究は、数多くの研究者に言及された(徐継 存,2012 ・鄭新蓉,2012)。また、特任教師研修について、 研修の内容、研修の方式などが特任教師の需要に合わな い問題点が指摘された。しかし、現段階の特任教師の研 修需要に関する研究は、特任教師の授業の方面の研修需 要に拘り、他の方面の研修の内容の需要及び研修の方式 の需要はまだ明らかにされていない。 以上の背景を踏まえ、本研究は、特任教師に対する研 修需要を明らかにすることを研究の目的とする。研究課 題は、特任教師に対する研修需要は何であるかとする。 研究課題を明らかにするためには、以下の視点からアプ ローチする。特任教師の現状は何であるか。研修需要は どんな要素が含まれるか。貴州省の農村の特任教師に対 する研修需要は何であるか。本研究の成果が、特任教師 の研修需要を明確するうえで、特任教師に対する研修の 効率を高めることを期待する。 第 1 章 中国農村における特任教師政策提出の背景と実 施過程 第 1 章では、中国農村における特任教師政策の提出の

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背景と実施過程について述べる。 特任教師政策の提出の背景を大きく分けて 2 つの部分 が含まれる。一つは、中国農村における教師補給の背景 である。経済発展が遅い中西部農村地域で、教師の給料 は都市の教師より安く、生活条件が悪いなどの原因で教 師不足の問題が深刻であった。そして、農村地域の教師 は学歴水準が低く、代講教師も多く存在するから、農村 教師の平均水準が低かった。また、農村教師が高齢化の 傾向にあり、教科教師のバランスを失ったことで、農村 教師の人員構造が不合理であった。もう一つは、大学生 の就職の背景である。1999 年、全国の大学において入学 者を増加する政策を実行して以来、卒業生数は年々増え てきて、大学生労働力の供給が過剰になってきた。そし て、その他の地方より東部と沿海地域は大学生に対する 就職魅力指数が高い。その一方、事業を進めるためには 大量の大学生人材が必要な西部では、勤務している大学 生が少ない。このような背景を踏まえ、特任教師政策が 提出された。 特任教師政策の実施過程は大きく分けて 2 つの段階が ある。第一段階は試験段階(2006~2008)である。2006「特 任計画」は教師補給制度の革新として西部における貧困 県、少数民族自治地域で試験実行を初めた。初年度で、 1.6 万人以上の大学生が採用され、全国の 13 省(区)、 260 県、農村小中学校 2850 校で特任教師として働いた。 第二段階は拡大段階(2009~)である。2009 年から特任計 画実施規模を拡大し始めた。2012 年に特任計画に参加し た特任教師は 52.3 万人に到達した。特任計画の実施範囲 も拡大され、最初の 13 省(区)から 2009 年全国 22 省(区) の貧困県に及んだ。 第 2 章 中国農村における特任教師の概況 本研究では、特任教師とは、農村における小中学校で 特設教師職位で働く教師のことである。特任教師の待遇、 居住環境、業務から、特任教師の現状を論述する。 特任教師の待遇は大きく分けて給料と社会福祉 2 つの 部分が含まれる。特任教師の給料について、中央政府は プロジェクト資金を設立し、特任教師の給料支出限りに 使うことになる。2006 年の年間補助金は一人あたり 1.5 万元であった。2012 年西部地域で働く特任教師の年間給 料補助金は一人あたり 2.7 万元まで増え、中部では 2.4 万元まで増えた。特任計画の実施とともに、特任教師の 年間給料補助金水準も高くなる傾向にある。それに、地 域によって給料補助金水準が違いと見られる。しかし、 一部の地域では特任教師の給料が十分に支出されていな いことが報告された。また、特任教師と正規教師の間に 給料格差が存在している。社会福祉は、年金・医療保険・ 失業保険・障害保険・マタニティー保険・住宅公共積立 金の 6 つを指す。この福祉は教師が安心に働くための保 障措置であるが、特任教師は良い福祉を享受していない。 農村における特任教師の居住方式は大きく分けて、校内 の寮にすむ、校外で部屋を借りる、実家に住む 3 つのパ ターンがある。いずれの方式でも農村特任教師の居住環 境は厳しいことが実態である。したがって、特任教師は 居住環境を改善する要求が強い。業務の内容から見て、 特任教師は主に専任教師とクラスの担任先生を担当して いる。課程の分布状況から言えば、特任教師は主に国語、 数学、英語という重要科目の授業をして、体育、音楽の ような副科目も教えている。特任教師は農村の義務教育 の発展に重要な役割を果たしている。農村の小中学校で は教師の補充ができ、科目構造のバランスの取れていな い状況を緩和し、農村義務教育の質が良くなる傾向にあ る。しかし、特任教師の仕事の量、多科目授業などの問 題がまだ存在している。授業経験が少なく、授業技能が 不足などの授業困難に陥っている特任教師もいる。研修 は教師の專門養素と技能を高めるの重要な方式である。 したがって、特任教師は研修を受ける意識が高まる。 第 3 章 特任教師研修の状況 特任教師に対する研修は大きく分けて新人研修と在職 研修という 2 部分が含まれる。入職する前に全員が新人 研修を受けることになる。新人研修について、73%の特 任教師は役に立つと思っている。その一方、在職研修に ついて、役に立つと思っている特任教師は対象の 25%を しか占めていなかった。役に立たないと思っている特任 教師は 67%であった。在職研修はあまり評価されていな い。研修の内容は特任教師の需要に満たすことができな く、研修の実効性と適応性が欠如している(戚徳雲、2013)。 また、研修内容は理論化にする傾向があり、研修方式も 単調である問題が指摘された(劉桢乾、2011)。研修内容 希望について、授業方法・授業技能・教育理論は上位の 三位に置かれていると指摘された(阿、黄、李,2012)。 特任教師研修は主に以下の問題が存在している。研修の 内容は特任教師の需要が満たされていない。また、研修 の方式は単一である。研修の内容、方式などが特任教師 と合わない問題点が指摘されたが、どのような研修の内 容、研修の方式などが良いか、特任教師の研修需要を真 剣に探し、分析されたことが今まで少ない。特任教師の 授業に関する研修需要は示唆されたが、他の方面の知識、 技能、感情などの需要及び研修方式の需要はまだ明確し ていない状況である。

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第 4 章 研修需要をめぐる理論 経済学において、需要は「購買者実際の状態と希望状 態の間に存在している欠けたところ」。心理学において、 需要は人の主観的な心理活動であり、人は命を伸ばし、 自身を発展するためには、生存環境に適応するともに産 まれた客観物事に対する要求と欲望である。研修需要は、 組織及び成員が業績、行為、知識、技能、態度、観念な どにおいて現実の状態と理想目標の格差であると定義さ れた(盖瑞.凯特朗著・曹翻訳,2006)。また、研修需要は 従業員がある研修を受ける主観的な願望であり、仕事に おいて予測業績と従業員の実際業績の格差であるという 定義もある(趙徳成・梁永正)。 研修需要分析は組織の中に誰かが何かを勉強する必要 があることを確認し、研修の需要を明確することを通じ て、従業員の仕事を助け、組織の業績を高めることを指 摘した(Delaney,1995)。研修需要分析は研修専門人員が 研修需要の順位をつけて、研修を進めるための必要な資 源と実際に利用が可能な資源を調整し、研修方案を設計 する過程と定義された(Sleezer,2006)。つまり、研修需 要分析は主に何を研修するか、どんな方法を使って研修 を行うかに関することであると考えられた。 教師の研修需要は大きく分けて 2 つの方面が含まれる。 一つは研修の内容の需要であり、もう一つは研修の方式 の需要である。教師の研修の内容といえば、各国におい て教師の専門知識と能力、教育実践に対する指導、教材 教育方法及び教育技能に関する研修が重視されている。 そのうえ、行為科学理論に基づいて研修を受ける個人の 需要の違いが注目されてきた。阿尔特曼(1990)によれば、 個人行為は組織行為の基本構成部分である。個人の需要、 動機、個性、感知、学習、態度と技能などの要素は人の 行為に影響を与える。また、初任者研修の公式の目的は、 指導教官の下で集中的な研修を受ける事により、指導能 力の向上と教職に対する使命感の育成を測ることになる (島原,1990)。故に、研修の内容は成人としての教師の 学習特徴を考えるうえで、個人の動機、感知などの感情 的なものを見逃すわけがない。以上を踏まえて、教師の 研修の内容は、教師の知識的、技能的及び感情的なもの であるとまとめる。教師の研修の方式といえば、研修活 動の種類、研修活動の方式、育成訓練者のことが含まれ る(徐恩芹・程桂芳,2011)。研修の需要は研修者本人の希 望と外部からの実際状態と理想状態の格差から構成され ている。本研究は、以上に論述した研修の内容の需要、 研修の方式の需要を踏まえ、図-1 の通り研修需要を明 らかにしようと考えている。 図-1 教師の研修需要を含む要素の図 出処: 研修需要をめぐる理論により筆者が作成 第 5 章 調査と分析方法 調査地域は中国貴州省のピーチェの農村地区に属する 阿市郷 A 村小学校、漂井鎮(郷)B 中心小学校、大山苗 族彝族郷 C 中学校にした。調査方法はアンケートとイン タビューを選んだ。アンケートの調査対象はピーチェの 農村地区で勤務している特任教師合計 62 人である。イン タビューの調査対象は 3 校の特任教師 13 人と正規教師 3 人合計 16 人である。 アンケートの調査内容は、特任教師研修の内容の需要 について、「知識」(①合理的な知識システムがある②留 守児童の心理知識の把握ができる③良い授業計画を作る ④担当科目のポイントを知る⑤担当科目の新し知識を勉 強する)、「技能」(①授業進度をコントロールするができ る②マルチメディア設備を使いこなす③授業の欠点を反 省する④臨機応変能力がある⑤同僚とうまく交流する⑥ 保護者とうまく交流する)、「感情」(①特任教師として働 くことを誇る②学生の自尊心を保護する③批判より学生 を褒める④学生を愛している⑤客観的に公平的に学生を 評価する)の 3 つ分野の合計 16 指標から構成された。特 任教師研修の方式の需要について、「研修活動の時間配 置」(①研修の時間の長さ②研修の時間帯)「研修活動の 方式」(①模範授業を参観し、模擬教育②ウェブで研修③ 実例を分析し、参加式研修④講座での団体授業、専門家 の報告⑤同業者の経験交流⑥グループで任務を割り当た て、報告する)「育成訓練者」(①授業改革の専門家②農 村現場で働いている優秀な教師③名門校の校長先生④大 学の教授⑤研究人員⑥優秀な特任教師)の 3 つ分野の各 指標から構成された。インタビューの調査内容は、前述 の指標通り、研修の内容の需要について「知識」(①②) 「技能」(①②)「感情」(①②)が含まれる。研修の方式 の需要について「研修活動の時間配置」(①②)「研修活 動の方式」(①)「育成訓練者」(①)が含まれる。本研究 は、研究者の視点と特任教師本人の視点 2 つの視点から 調査を実施した。研究者の視点において、アンケートを 通じて特任教師の研修の内容の需要を調査した。特任教

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師本人の視点において、インタビューを通じて特任教師 の研修の内容の需要を調査し、アンケートとインタビュ ーを通じて特任教師の研修の方式の需要を調査した。2 つの視点を踏まえ、特任教師の研修需要を検討した。 特任教師の研修の内容の分析については、アンケート において、16 指標をもとに一つの指標にあたり 1~5 点 数をつけ、各項目の平均値から判断する。平均値は 4 点 及び 4 点以上の場合は、特任教師この方面で合格を意味 する。平均値が 4 点以下の場合は、特任教師はこの方面 でまだ改善する必要があることを意味する。特任教師の 研修の方式の分析については、それぞれの選択肢を選ん だ特任教師はアンケートを受けた全員に占める比率を比 較する。特任教師の研修需要のインタビュー内容の分析 については、提示した指標を参考しながら、特任教師の 研修需要を論述した。 第 6 章 貴州省における農村小中学校の特任教師の研修 需要 アンケートとインタビューの結果から見た特任教師の 研修需要は以下のように、研修の内容の需要と研修の方 式の需要 2 つの方面から論述する。 研修の内容の需要において、特任教師は、知識方面の 新しい知識の勉強、留守児童の知識の把握、技能方面の マルチメディア設備の応用、臨機応変能力、授業の欠点 を反省する能力、保護者との交流はできていないことが 示唆された。したがって、特任教師はこの方面では研修 の内容の需要があると見られる。そのうえ、感情の方面 では、地元出身以外の特任教師に対して、職業の誇りを 高めることも研修の内容の需要である。また、中学校の 特任教師は合理的な知識システムを持っていないことが 示唆された。したがって、中学校の特任教師にとって、 合理的な知識システムの構築も研修の内容の需要である。 さらに、新人特任教師にたいして授業進度のコントロー ルも研修の内容の需要である。 研修の方式の需要において、特任教師は、一週間の研 修時間の長さ、夏冬休みという研修の時間設置が適切だ と思われることが示唆された。また、特任教師は、実例 分析、模範授業を参観し、模擬授業のような参加性があ る研修活動の方式が適切だと思われることが示唆された。 農村の現場で働いている優秀な教師と優秀な特任教師と いう育成訓練者は適切だと思われることが示唆された。 この方面では特任教師の研修の方式の需要がある。 終章 現在の中国社会発展段階の産物としての特任教師は、 従来の地域格差、教育投資の偏りなどの影響を受け、発 展してきた。本研究では、特任教師を中心に、特任計画 の提出背景、特任計画の実施過程、特任教師の現状を踏 まえて、特任教師の研修状況と問題点を論述し、特任教 師の研修需要を明らかにした。特任教師の研修需要につ いて以下のように考察する。研修の内容の需要において、 特任教師は新しい知識の勉強と留守児童の心理知識の 把握ができていないと見られる。その理由として、特 任教師は知識を勉強する意識が弱いと推測される。し たがって、特任教師は新しい知識と留守児童の心理知識 に関する研修が望ましい。また、任教教師はコンピュー ターの使いが得意という印象があったが、実際に機械 が違って、特任教師はマルチメディアの操作及びマル チメディアのコースウェアの作り方に関する研修が必 要と考察される。研修の方式において、夏冬休みに行 い、参加性があり、育成訓練者が優秀な農村教師であ る研修は特任教師にとって適切だと考えられる。 本研究は、中国貴州省の農村における特任教師に対す る研修需要に関して、研修の内容の需要、研修の方式の 需要について検討したが、多くの課題が残された。先行 研究を参照しながら、研修の内容の需要、研修の方式の 需要 2 つの尺度を設定した。しかしながら、それ以外、 研修需要に含まれる要素が複雑で数多くある。そのため、 他の尺度で研修需要に対する検討は今後の課題の一つで ある。また、本研究では、中国貴州省の農村における小 中学校の特任教師を研究対象にしたが、中国が国土が広 くて、人口が多く、地域によって状況が異なるので、他 の地域の特任教師の研修需要に関して今後の課題となる。 主要参考文献 ・島原 宣男・酒井 朗(1990)「日本における教員研修 と教育改革」『東京大学教育学部紀要』第 30 巻 P83-P93 ・ Delaney,C.(1995)Training for Organization. International Thomson Publishing

・Sleezer,C.M.(2006)Training needs assessment at wok: A dynamic process. Human Resource Development Quarterly, 2006.Vol.4 Issue3

・阿呷熱ハ莫・黄暁・李征(2012)「特任教師の研修現状 と需要分析」『世界教育情報』2012 Vol.296 No.4 P33-P35 ・徐恩芹・程桂芳(2011)「教師の研修需要分析を理性的 に見る」『中国教育学刊』2011(3)P69-P71 ・鄭新蓉・杜亮・魏曼華 (2012)『中国特任教師藍皮本』 北京:教育科学出版社 ・趙徳成・梁永正(2012)『教師の研修需要分析』北京: 北京師範大学出版社

参照

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