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AStudyofObstructingFactorsaboutDecision  of the Fiber Direction ofWooden Parts

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(1)

Bulletin of Faculty of Education,Nagasaki University:Curriculum and Teaching1989,No。13,181−185

木材加工学習における構造物部材の    繊維方向決定の阻害要因

藤木  卓*・小川 武範**・野澤 勝廣*

(平成元年4月5日受理)

AStudyofObstructingFactorsaboutDecision

  of the Fiber Direction ofWooden Parts     on the Wooden Working Study

     Takashi FUJIKI,Takenori OGAWA        and Katsuhiro NOZAWA

(Receiv6d,April5,1989)

1 はじめに

 中学校技術科木材加工領域では,材料の学習の中で木材の「繊維の方向と強さ」「繊維方 向を考えたじょうぶな構造」を指導し,構造物を構成する部材の繊維方向を正しく決定で きる技術を身につけさせるようになっている。材料力学の基礎的な概念の指導が生徒の繊 維方向決定にどのような影響を及ぼすかについては発表1)し,木材の「繊維方向と強さ」の 学習を現象的な説明により行うと,部材の繊維方向決定に関する生徒の直感的な理解が深

まることを明らかにした。しかしながら,直感的な理解が深まっても繊維方向決定に関わ るその他の条件が変化すると適切な繊維方向決定が困難になる。

 本報は,「繊維の方向と強さ」「繊維方向を考えたじょうぶな構造」を生徒が現象的に学 習した場合において,構造物部材の正しい繊維方向決定を阻害する要因について,実験的

に調べたものである。若干の知見が得られたので報告する。

2 研究の方法

 構造物部材の繊維方向決定を阻害する要因としては,構造物を構成する部材数,構造物 の形状,想定する荷重数などの外的な要因ど,生徒が「繊維の方向と強さ」の学習をどの 程度理解しているかという理解度,繊維方向決定時の学習意欲などの内的な要因が考えら れる。本研究では,外的な要因を変化させた場合だけについて, 生徒が正確な繊維方向決 定を行ったかどうかを評価問題により調べている。内的な要因については判断が難しいが,

*長崎大学教育学部工業技術教室

**兵庫教育大学

(2)

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(3)

藤木・小川・野澤:木材加工学習における構造物部材の繊維方向決定の阻害要因 183

できるだけ一定に保てるように配慮した。

 外的要因は,数段階に分け,評価のための問題として設定した。評価問題を図1に示し

た。

 外的要因の内,部材数・荷重数については図1の通りである。問題が進むにつれ,部材 数・荷重数は増加させた。構造物の形状については,生徒が経験的に持っていると考えら れる『木材は,通常,長い方向に繊維方向を取って使う』という使い方が誤答となるよう な部材を用いた形状を考えた。このような部材の数を『経験からの離れ度』と考え問題毎 に変化させた。

 内的要因として考えた学習の理解度については,事前・事後テストを行い調べた。学習 意欲については,授業者の感想及び参観時の感想により判断した。

 授業は,大阪市のA中学校において行った。学習者は中学1年生男子9名,女子8名,

計17名である。「繊維の方向と強さ」「繊維方向を考えたじょうぶな構造」の学習の直後,

図1に示した評価問題を用いてテストをした。また,各授業の前後で事前・事後テストを 実施した。事前・事後テストの問題を図2に示した。

『繊維…フヲ向と強さ』 (事前・事後)テスト

   1年一且_蓄.氏名 r繊維方向を考えた・      事前テストじょう一ぷな雫鰐造』

1無  組   番.茂名

.バルサにいろいろな力を加えたとき,バルサはどのように変形するか,

(   )の中のもっとも遠当なものに O をつけなさい。

ω.バルサを両側から引っぱると,バルサは(停びる・網む・曲がる)。

②.バルサを閥側から押し縮めると,パルサは(伸びる。縮む・曲がる)。

ヨ  パルサをめげるとしずパルサのよレハはく ぴる  む あがるラがじ

下蹴(伸びる。酔脳)・

.下の図のようなパルサに,いろいろなカを加えたとき,図の(ア)の 部分にはどのようなカがはたらくだろうかo次の問いの(  〉の中 のも,とも追当なものに O をつけなさい●

 引7ぱる   ,,轟禰       ・σ,の勉 押し季電踊

ω.パルサを画側から引,ぱると,図の(ア)の郁分には(引ラぱる力・

 爾めるカ。曲げるカ)がはたらく。

㈱.パルサを国側から押し繍めると,図の(ア)の蔀分には(引,ぱる力  ・縮める力・曲げる力)カ《はたらく,

③。バルサを曲げると,図の(ア)の却分の上釧に纏(引,ぱるカ・

 あめるカじゆげるカきが のにはく ッぱるカじほめるカロおげるカき

 らく・   魯

3.下の図を見て,次の闘いの(同じ方向・盧角方自)のうち.も,とも適 当なものに O をつけ離さいo

 引r幽   切6綱      σ,翻榊鮒

ω.バルサを両側から引,ばるとき,(ア)の部分にはたらくカの方向と  バルサの繕維方肉が(同じ方向.直角方向)のときは強くg (同じ方向  ・直角方向)のときは弱い。

②.バルサを画側から押し縄めるとき。 (ア)の部分にはたらくカの方向  とバルサの鎚雄方向が(同じ方向・直角方向)のときは強く, (同じ方  向・直角方向)のときは弼い。

㎝.バルサを曲げるとき, (ア)の勘分に獄たらく力の方向とバルサの鶴    めが ロじ め ぽの めラのときはむくじ   じ  トロハカ ラ

のと蝿い・

       図2  魯

下のようなPふみ台』に.図のよう嫁力が加わっているとき,次の間い のく   )の中のもっとも適当なものに O をつけなさい。

     論

OO.板①は,(引っぱる力。縮める力・曲げる力)を受ける,

⑦,板②は, (引ッばる力。縮めるカ・曲げる力)を受ける。

蜘.板③は,(引っぱる力・縮める力・曲げるカ)を受ける。

四.板①の(ア)の部分には(引,ぱる力・協める力・曲げる力)が はたらく駆

⑤.板②の(ア)の部分には(引っぱるカ・縮めるカ・曲げるカ)が はたらく。

⑥.板③の(ア)の部分の上側には(引,ばる力・縮めるカ・曲げる力)が 下側には(引ワぱる力・縮める力・曲げる力)がはたらく。

鴨欝・⑰・⑰・…

囎難弊・⑰・⑰・…

囎難鰐・ 〔岡)吻

事前・事後テスト問題

(4)

3 結果及び考察

 繊維方向決定に関わる内的な要因としての学習の理解度を調べた事前・事後テストの結 果は以下の通りである。

  「繊維の方向と強さ」の学習の理解度

       事前テスト平均正答率70.6%

       事後テスト平均正答率96.1%

  「繊維の方向を考えたじょうぶな構造」の学習の理解度        事前テストの平均正答率88.2%

       事後テストの平均正答率100%

 学級成員のほとんど全ての者が学習内容を理解できたことが分かる。学習意欲に関して は,途中で投げ出す者は見られず,生徒全員が一定レベルの意欲を持続していたことで授 業者・参観者とも意見の一致をみた。生徒個々人の内面的な部分だけに把握が困難である が,授業者・参観者の観察結果を重視した。これにより,部材の繊維方向決定に関わる内 的要因は各生徒ともほぼ同列にあり,一定の値を保っていたものと考えられる。

 部材数・荷重数・『経験からの離れ度』など外的要因と評価テストの正答率を表1に示し

た。

 部材数が増加すると正答率が低下していく傾向はあるが,同一部材数でも正答率の差は 大きく,他の要因の影響が大きいことがわかる。『経験からの離れ度』が正答率に与えてい る影響は確認できない。「繊維方向と強さ」「繊維の方向を考えたじょうぶな構造」を学習 することにより,経験から離れた部材の使い方であっても,ある程度正確に繊維方向の決 定ができていると考えられる。正答率が最も大きく影響を受けている要因は荷重数の変化 であることがわかる。荷重数が増加すると極端に正答率が低下する傾向が確認できるし,

同一荷重数であれば,他の要因の影響を若干受けるものの70%以上の正答率を示している。

 結局,部材数が増加すると繊維方向決定を強いられる機会が増加することになり複雑さ が増すが,それ以上に,荷重数が増加すると一つの部材についていくつかの荷重による影 響を考慮しなければならず,複雑さが極端に増加することになる。構造物が複雑になれば なるほど,想定する荷重数が増加すればするほど,正確な繊維方向決定はより困難になっ てくることが分かる。木材加工の実習題材を選定する際,このことを十分考慮しなければ ならない。通常,構造物にはいくつかの荷重を想定するので,複数の荷重を受ける場合の 繊維方向決定については,各部材が受ける荷重を抜き出し,荷重毎に分けて繊維方向を考

表1 外的要因と評価テストの正答率

問題番号 1   2   3 4 5 6 7

部材数 3 4 5

経験からの離れ度 0    2      3 4 1 2

荷重数 1 3 5

正答率(%) 100  94.1  70.6 70.6 82.4 5.88 35.3

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藤木・小川・野澤:木材加工学習における構造物部材の繊維方向決定の阻害要因 185

えさせたり,練習をたくさんさせる等,指導を十分加える必要がある。

4 おわりに

 木材加工領域において,生徒が構造物の部材の繊維方向を決定するとき,正しい決定を 妨げる要因は何か,実験的な授業を通して調べた結果,次のような事が明らかになった。

 生徒が有する学習の理解度や学習意欲など内的な要因をほぼ同程度とした場合,荷重数 の増加が正しい繊維方向の決定に最も大きく影響する。次に部材数の増加が正しい繊維方 向の決定を妨げる要因になる。

 木材加工の実習題材を考える場合,複数の荷重がはたらくものについては,一つ一つの 荷重毎に詳しく説明をし練習をさせる等十分な指導が必要である。

参考文献

(1)藤木卓,小川武範,吉田治夫:木材加工領域の学習に及ぼす材料力学的用語の使用及び概念指導の  影響,日本産業技術教育学会誌 第29巻第4号(1987)Pl1

参照

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