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フィリピン国における狂犬病予防注射ボランティア

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第83回獣医学会講演抄録

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第83回麻布獣医学会 一般演題16

フィリピン国における狂犬病予防注射ボランティア     継続の困難と国際協力の必要性について

塚田 勝彦1,吉田耕一郎1,高木 敬彦2,原 元宣2,光崎 研一2 1塚田動物病院(名古屋市),2麻布大学頭医学部獣医学科

[はじめに]

 我々は1997年から2008年7月まで,ブイリピン国 での狂犬病実態調査および狂犬病予防注射のボラン テアを,年数回,継続的に実施している。ブイリピ ン国では,国家的対策として狂犬病撲滅に力を入れ ているが,地形的に約7,000島に近い島から形成され,

撲滅対策は物理的に困難な状況にある。しかし,

2007年にはおよそ281名が狂犬病で死亡するという 実情があり,狂犬病撲滅対策は緊急を要する状況に ある。日本は,1957年以降,狂犬病の国内発生はな いが,2006年目狂犬病による死亡者のように汚染地 域で感染した例はある。疫学的には,狂犬病感染源 とする動物の存在は知られているが,その実態は充 分に把握されている訳ではない。

 また,ブイリピン国の社会的要因が影響し,国民 の認識に隔たりがみられる側面もあり,ボランテア に困難さと複雑さが混在する。しかし,狂犬病死亡 者の減少には,狂犬病予防注射の徹底が効果的であ ることは言うまでもない。

 そこで,ブイリピン国で実施されている狂犬病予 防注射のボランティアの実施概要とその将来的方向 性について報告する。

[方  法]

 フィリピン各地での狂犬病予防注射はBAI

(Bureau of Animal Industry)が中心となって全国13 リージョンで行なっている。2003年ボラカイ島,

2005年ミンドロ島イロコス,2006年ネグロス島,ル ソン島ラワッグ,2007年シキホール島,カミギン島,

2008年ギマラス島,マニラ市内など各地の狂犬病予 防注射キャンペインにフィリピン国よりの招聰によ り参加した。また,重度の狂犬病汚染国であるブイ リピン国のキャンペーンに向け,我々を含む参加者 全員が狂犬病予防接種を受け,狂犬病予防注射を約 500匹/会場に実施した。予防注射実施については,

各地リージョンの県知事や知事と地方の獣医師会が 綿密な計画を立案し,日程等も決定されている。ま た,台風などの季節的な要因も計画に影響を与える。

[結  果]

 立案計画の変更は無いが,季節的な問題では計画 の変更,輸送手段の危険性,さらにテロなどのリス ク,食中毒等の水系伝染病などの罹患,他の熱帯,

亜熱帯の感染症罹患の危険性が含まれる。社会的要 因の差による認識の相違が計画に多大な影響を与え る。国際協力には,前述のリスクはやむを得ず,国 民性の違いを認識し,ボランティアの意義を充分に 理解して参加すること。このボランティアは死亡率 の高い狂犬病の撲滅であり,戦後,日本国内の狂犬 病発生の無い事をかんがみ,地道な予防注射の実施.

が必要である。現在狂犬病発生起序の要因は十分に

解明されてなく,日本国内発生も今後無いと否定で

きるものではない。また,狂犬病汚染地域の減少の

努力には,若い獣医師の参画が必要である。

参照

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