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附属教育実践研究指導センター

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(1)

両軸軸抽瀾

Itl

沖協Il

・串・穂与t・たこ・・かせ弾専・・・:ミ・、・食中か・かせ・・缶・・か・会所ト・串や事

ノ−ヽ

・.1−

( ヽ

第 18  号

蒜瑠i奈≡:三三:部

附属教育実践研究指導センター

・感性があぶない 向山 玉雄…1 ・インターネットと教育

特集くインターネットと教育〉       をめぐる諸問題 杉崎 忠久…5

・私とインターネット     藤原 公昭…2 ・国際理解の手段

・インターネットで      (インターネット) 福塚 忠司…6 なにができる? 柳沢 保徳…3 ・12人から世界へ      蓮本 吉胤…7

・インターネットと有機化学  山崎 祥子…4 ・運営委員会報告      …8

感 性 が あ ぶ な い

大学生といっしょに作物 を栽培していると、思わぬ ことにぶつかりびっくりす ることがある。トマトを栽 培していて側枝をとる芽か き作業で、何回説明しても 成長点を摘んでしまう学生がいた。植物と対噂し てじっくりとつき合った経験がないからである。

トウモロコシを収穫して食べるとき、一本のトウ モロコシを縦にかじった学生がいた。いっもお皿 にとった一粒一粒をつまんで食べていたと聞いた。

これらは、枝豆と大豆の区別ができない、四本足 のニワトリを画く、鮭は切り身で泳いでいると信 じていた小学生の認識の延長上にあり、笑って済 まされない。おまけに、やがて教師になる自分自 身が、同世代に育ったことを殆ど意識していない。

附属申学校長 向 山 玉 雄 子どもの手が不器用になっていることが社会的 な問題になりはじめたのは1970年代のことであ る。以後多くの教師たちの取り組みにもかかわら ず、子ども・青年たちは、氾濫する疑似的体験の 多い環境に、生活実感を脅かされている。もはや、

からだのどの部分という表現ではなく、感性や本 能までが少しずつおかしくなりつつある。

感性を調査した寺内定夫氏は、年々にぶくなっ ていく子どもたちを見て、感性の働きが鈍くなる と、①自分の生命を守ることが未熟になる、②細 やかな好奇心が薄れる、③弱い命やほのかな存在 に関心が向かなくなる、④芸術的衝動などが起き にくくなる、⑤障害児とともに生きる総合教育が 難しくなる、と指摘している。

この指摘が、特に最近になって多くの日常的場

面で実感として感ずるようになった。

(2)

私とインターネット

私にとってインターネットとは電子メール(E−

Mail)とほとんど同義語に近い。もう十数年前 になるが、DEC社のVAX−11/750というUNIX ワークステーションを使い始めて、電子メールな るものを知った。しかし、会社内で片言の英語や ローマ字でメッセージをやりとりして何がおもし ろいのだろう、というのが最初の印象だったよう な気がする。当時、アメリカではARPANET、

日本ではJUNETという、現在のインターネッ トの母胎となるプロジェクトが進行中であること は聞いてはいたが、遠い世界の話であった。何し ろ1,200bpsのモデム1台が40万円という頃であ る。それでも、コンピューター同士を通信回線で つなぐことに大きな可能性は予感できた。

当時、このVAXというワークステーションで 何をしていたかというと、画像データベースの遠 隔地からのアクセスという課題であった。日本で は当時の電電公社がキャプテン(文字画像情報)

システムとして開発したものと同様な(よりシン プルな)方式である。コンピューター=電子計算 機という理解が一般的だったから、コンピュータ が「画像」情報を扱えることには説明が必要だっ た。写真のような「自然な」画像は情報量が大き すぎて、当時のコンピュータのディスク容量・通 信機器の性能では蓄積・通信は無理という前提で 実現可能な方式は、「画像」を基本的な図形(点、

線、面)の集まりとして、つまりイラストとして 表現し、蓄積したり通信する情報は図形の座標値 と色を示す数値のみとすることである。これを、

ジオメトリック(図形)方式と呼び、写真のよう に一点一点の情報を持つビットマップ(点毎)方 式と区別する。ビットマップ方式で自然な画像を 送るのが理想ではあるが、ハードウェア(とコス ト)の制約からジオメトリック方式を採ったので あった。この方式で実現したかったことは、コン ピューターからの情報を画像によって理解しやす く、インパクトのある表現として、かつ、電話回 線とノ1ソコンの利用できる所ならどこからでもア クセスできるシステムの実現であった。例えば、

博物館、科学館、公民館等の公共施設内の一般来 館者が利用する情報システムが主なターゲットだっ た。アメリカやカナダでは学校の教室で使われて いる例があるということだったが、日本では教室 での使用に耐えられるだけの情報(質・量ともに)

の送り出しの体制の見通しが立っ状態ではなかった。

さて、このようなシステムの構築に携わる内、

海外の関連メーカーとの連絡のために、当時の JUNETととの接続を行い、電子メールを使える 環境を整えた。実際に使い始めてみると電子メー

実践センター 藤 原 公 昭 ルは全く新しい道具・手段であると同時に新しい

「文化」でもあることがすぐに分かった。電子メー ルが道具として全く新しいのは、端的には、やり とりできるデータが機械可読(Machine−Readable)

であることだ。転記とか再入力せずにそのまま再 配布したりファイリングができる。便利と言うこと以 上に信頼性が格段に上がる。当時の電子メール利 用者はほとんどがコンピューター関連の技術者で あったから、事務連絡だけではなくデータやプロ グラムファイルの授受に電子メールが活用された。

このような応用では機械可読性は必須の条件である。

現在でも、電子メールはワープロソフトやエディター と連携して使うことで始めて機能を発揮できる。

実際にアメリカの会社とやりとりを始めてみる と時差の存在がかえって好都合であることが分かっ た。日本から夜、会社の帰り際に連絡事項を送っ ておくと、こちらが寝ている間に向こうで処理し、

朝出社すると返事が届いているという具合で、頗る 効率的であった。それに貧弱な英会話力では国際 電話は荷が重いので、例文つぎはぎの英作文でなんと かなるのは助かった。元来、電子メールはコンピュー タ関連の「同好の士」の技術的な情報交換に端を 発しているためであろう、時候の挨拶も不要で、

見ず知らずの人にでも「こんにちは。ところで・・・

について教えて下さい。」といった調子の、従来 の手紙の作法とは切れたスタイルが気楽に情報交 換をしようという気にさせることは事実である。

電子メールを使う者同士に、なにがしかの連帯感 のようなものが感じられた時代でもあった。

現在、電子メールでも自由に日本語が使えるよ うになり、ノヾソコン通信との乗り入れが実現し、

恐らく日本でも数百万人が電子メールのアカウント を持っているものと思われる。また、画像データ ベースの遠隔アクセスという課題もインターネット 上のwwwブラウザーで実現されている。ジオメ トリックかビットマップかという対立もフーリエ 変換を応用したJPEGという規格で止揚されて いる。一昔前のコンピューター技術者の夢がインター ネットという形で開花したという思いである。

今年の課題は、先ず「教室にインターネットを」

と考えている。昨年から県下の公立学校にインター

ネットへのアクセス手段を提供しているが、情報

処理センターの新システム導入を期に接続先の拡

大と、授業などでの活用の支援を進めたい。現場

の先生方で、インターネットの利用を考えながら

も、技術的な困難を感じておられる方は多いかと

思う。ご相談いただければ、なにかのお役には立

てるのではないかと考えている。

(3)

イ ンターネットでなにができる?

昨年3月、本学に学内LANが構築されて以来、

多くの先生方が電子メールをはじめとしたインター ネットに参加されている。私もその一人としてい くつかの学内研究会に参加し学習させていただい た。まずは文字どおり日進月歩の世界にあるイン ターネット環境の技術習得に努めているが頭の中 の混沌とした状況は続いている。「情報科学」に は専門外であるが、インターネットが利用可能に なったことで従来の計算機利用技術教育(例えば プログラミング)あるいは情報処理教育と呼ばれ るもの以外に通信=ネットワーク(情報の交換・

共有)が大きな役割を果たすこととなった。「益々 の情報過多を助長するだけだ」との見方も成り立 つ(つまり、情報の質を読み取る力量が要求され る)が、私としてはとにかくどんなものか知りた いという欲求で試行錯誤した体験を記してインター ネットの大学教育への利用可能性について論じる こととする。

現在私が行っているのはwww「奈良教育大 学ホームページ」の中の「教官紹介」にホームペー ジを掲載したことである。(1月10日現在、教官 11名のホームページがある)。多少他の先生方と 異なる点といえば自己紹介や研究紹介のはかに担 当する授業内容の紹介を追加したことぐらいであ る。大学での自然科学教育を考える上で、当初は 教育学部に限らず他大学のホームページを覗いて みたが、その教室の教育方針、カリキュラムや授 業計画を自分の研究室に居ながら自分の好きなと きに知ることができるのには大きな感動を覚えた。

それらを参考にして自分なりのホームページ作成 を始めてみた。テキスト・図形(写真を含む)・

簡単なアニメに至るまで比較的簡単な手順で作成 できることで従来にない斬新さを体験することが できた。もちろん、たとえりっぱな授業内容紹介 を作ったにしても現時点では肝心の本学学生諸君 のインターネットへのアクセスが事実上不可能な 状況にある。近い将来改善されることを願っている。

物理教室 柳 沢 保 徳 インターネットの教育への利用では①学生諸君 の問題意識を前提とした情報収集・活用能力の向 上、②ホームページ作成による提示内容の検討を 含めたプレゼンテーション能力の育成などが考え られる。特に②については文科系・理科系にかか わらずテーマ設定、資料の収集、提示内容の精選 吟味を行い全体の構想を明確化するという流れを 体得できる。従来の情報処理教育では伝えるべき 内容よりもプログラムの文法修得に時間を要した がこのようなことはもはやないといえる。今年度 は教官側の力量不足のため実施できなかったがゼ ミナールや演習等で是非とも取り入れたいと思っ ている。現実に、各地の小学校や中学校でもホー ムページをインターネット上に公開し情報の共有 化を行っているケースも増加していることを考え ると、情報教育の一環として教育学部で新たに取

り入れるべき内容と考えられる。

個人的な経験でいえば、インターネット利用に あたってはセンターの関係する先生方に随分とお 世話になった。Doityourself!の精神でやって くれといわれても歯が立たないことが多く、徒歩 メールよろしく研究室まで足を運んでいただいた。

このようなボランティア精神が今のところ不可欠 な現状は知っておかねばならないだろう。最後に インターネットの利用が「生涯学習的色彩?」も あわせ持っていることに触れておく。先日、研究 室のOBに会ったとき「ホームページを見ました よ。」と声をかけられた。彼が大学時代に行った 卒業研究の題目をホームページに入れておいたの だが、研究室の学生の紹介ページで後輩がその研 究の継続を行っているのを見て研究室の動向が分 かるというものであった。教育分野ではなおさら 虫垂なOBの声が聞けるかもしれない。卒業生が 関心を持つようなホームページ、今までにないネッ

トワークの形成でいずれ同窓会の形態も変わるの

ではないだろうか。

(4)

イ ンターネッ

インターネットが本学にも導入され、各先生方 それぞれ、教育、研究に活用され始めておられる ようである。ここでは、私の専門の有機化学の分 野で現在どのようにインターネットが使われてい

るか紹介させて頂く。

有機化学という学問は19世紀より始まり、現 在成熟しきった学問とも考えられているが、それ でも例えば誰でもどんな複雑な化合物でも簡単に 合成できるというわけではまだなく、新しい合成 法の開発や、より重要な合成ターゲットを目指し て日々発展をしている。この有様化学でもインター ネットが徐々に広範囲に利用されてきている。

(1)研究日的設定のための情報収集等

雑誌、本、その他のメディア同様、しかし最も新 しい情報をインターネットのwwwサーバー等を 通じて得ることができる。例えば、Netscapeの Netsearchで OrganicChemistry を検索する といくつかの主要な有機化学関連のサーバーを集 めたホームページを見つけることができる。現在 多くの、特に欧米の大学の著名な有機化学者たち

が自分のホームページを持ち、研究内容を公開す るようになった。日本化学会や英国王立化学会は 学会誌の全文や抄録を一部インターネット上で公 開している。また、今、多くの化学関連の企業が 営業内容、雇用情報等だけでなく、所属する研究 者が出張講義できる題目を公示している会社もあ

る。

(2)文献調査

例えば今合成しようと計画している物質またはそ の合成中間体が既知化合物であるか否かを調べた りするCAS−Onlineなどを含むSTNネットワー クも最近インターネットのteInetを使っても利 用できるようになった。そのはか、アメリカ化学 会の雑誌のサポート情報(いわゆる生のデータ等)

をインターネットを通じて受け取れる。

トと有機化学

化学教室 山 崎 祥 子

(3)情報交換

もし研究が他の研究機関との共同研究で行われる ならインターネットの活用法の中でもいま最も便 利な電子メールが役立つ。すなわち、共同研究者

との間の情報交換に主に時間の節約となる。

(4)研究成果の発表

最近日本化学会でも年会申し込み受け付けは電子 メールにより行っている。インターネット上の電 子会議(EIoctronic Conforence on Trendsin

OrganicChemistry)も最近開催された。

以上ごく簡単に有機化学を例にとりインターネッ トの現在の一般的な利用法を紹介したが、有機化 学の中でもコンピューター関連化学、生体関連構 造化学等膨大なデータを扱う分野ではデータの転 送、表示にもっと有効にインターネットを利用し ていくことだろう。

さて、これからもっと広範にインターネットが 研究に活用されるようになるには学会誌や図書館 の動向に非常に左右されると思う。将来、研究成 果等の発表が 紙 なしで行われるようになり、

また、どこからでもその情報にアクセスできるよ うになるのだろうか。他の分野同様、有機化学の 研究、教育において将来の利用法の可能性は無限

にあるといえる。

一方でインターネットが商業的に利用されるよ うになり多くの問題も生じてくるのだろう。しか

し、なるべく早い時期から学生が自分の専門に関 連した知識、情報を(これまで本や雑誌その他の メディアから得ていた、または得るべきである知 識、情報を)、自らインターネットを使うことで、

より最新のものまで得ることができるようになれ ばいいのにと思う。

最後に、インターネット接続について、多大な

御助言、御協力を頂いた教育実践研究指導センター

藤原公昭先生および、理科教育専攻修士2回生壷

達雄さんに感謝いたします。

(5)

インターネットと教育をめぐる諸問題

Hi!Mystudentsfoundyourwonderfulhome

pageonthecomputerand weareinterested instartingakeypalprojectwithyou.

昨年(1995年)11月にハワイの高校で日本語 を教えているメルビナさんから届いた電子メール だ。学校のワールドワイドウェブ(www)のホー ムページを立ち上げて以来、このような電子メー ルを使った交流の問い合わせがよく届く。

通産省・文部省の「ネットワーク利用環境提供 事業」いわゆる「100校プロジェクト」に選ばれ、

高取高等学校がインターネットに接続したのは昨 年6月だった。このプロジェクトが公募されたの はその前年の8月のことだが、その後のインター ネットブームで急増している商用プロバイダなど を利用し、学校がホームページを持っこと自体難

しいことではなくなった。

WWWは誰にでも比較的簡単に扱え、画像や音 声などの利用ができ、情報発信という面でのイン パクトは大きいが、「イ ンターネット=

www」のような誤解も生じている。扱いやすく、

リソースを共有する強力な方法であるWWWを利 用すれば、確かに大きな教育的効果が期待される し、一部ではそのような教育的なコンテンツが作 られはじめている。とはいえwwwだけでは一方 通行のコミュニケーションになりがちだ。一対一 あるいは一対多のコミュニケーションには、電子 メールなども必要不可欠だ。最近話題のイントラ ネットも、組織内でWWWと電子メールとをうま く組み合わせて利用している。

ネットワークを利用したいろいろな教育プロジェク トが従来から行われてきた。米国のグローバル・スクー ルネット財団やE)本のAPICNETのプロジェクトな どが有名だ。最初に紹介したメルビナさんとの話 も進み、ハワイと日本の高校生とのキーパル(電子 メールを使っての文通)交流プロジェクトに発展 している。日本側のコーディネータを私が引き受け ることになった。この種の交流では大抵は教員が 代理で電子メールを送っていた。生徒に個人ID を発行することが難しいからだ。100校プロジェクト では学校にサーバがあるので、生徒個人にIDを 発行して電子メールを自由に使わせたりできる。

奈良県立高取高等学校 杉 崎 忠 久 このキーノヾル・プロジェクトでは、富山県から 熊本県に至る7つの高校、68名の高校生の参加 協力をいただいている。メーリングリストで参加 を呼びかけたところ、数日間でメンバーを集める ことができた。とはいえメンバーの割り当て・ハ ワイ側との調整などコーディネータがやらねばな らない作業は多い。教員がまとめて送るわけでは ないので、メールが届いているか、確認にもけっ こう手間取る。メーリングリストを作成して、生 徒へのニュースレターを発行もしている。今後は メーリングリストやwww、ビデオ会議なども使っ て、いろいろな可能性をさぐりたいと考えている。

やはりこのようなオンライン・プロジェクトでは、コー ディネータの役割が大きいと改めて感じている。

生徒に個人IDを発行する場合の問題点もある。

ネットワーク利用のガイドライン教育もそのひとっで ある。電子メールは個人の受任において使用するもの とはいえ、歴史も浅く、一般家庭に浸透しているとは いいがたい。学校でそのガイドライン教育を行っ たり、AUP(アクセブタブル・ユーザ・ポリシー)

と呼ばれる利用者規定を整備して行く必要があるだろ う。米国でも各地の学校区でこのようなガイドライン やAUPが作られているが、そのまま日本の社会には 受け入れ難い部分もあり、議論が必要であろう。

100校プロジェクト参加校にはUNIXサーバが置か れるという恵まれた環境にあり、自由度の高い利用が できる半面、その管理をどうするかという問題も生じ ている。教員以外にテクニカルアドバイザのような人 的資源がなければ、学校がサーバの管理を行うのは無 理だと私自身は考えている。教育委員会あるいは教育 センターが運営するサーバと管理者を各地域に置 く方法がもっとも現実的かもしれない。その意味でも、

県内の小中高等学校のインターネット利用について、

実践研究指導センターの藤原公昭さんが便宜をは かってくださっているのには頭がさがる。

ネットワークは知恵を共有する場である。すで

にIDを持っている本校の生徒も、卒業後電子メー

ルが使えなくなることを心配している。そのよう

な環境で育った生徒が教師として学校に採用され

るようになれば、学校へのネットワーク導入への

声も急速に高まるに違いない。

(6)

国際理解の手段

カナダ出身のAETの仲立ちで、ブリティッシュ コロンビア州にあるクリアブルック中学校と姉妹 校提携を結んだのが1989年でした。州の教 育省からのアンケートには「モデム通信」が可能 かどうかの質問があり、初めてコンピューター通 信のことを知りました。

さっそく、モデムを購入し、コンピューター通 信の準備をしました。国内でのパソコン通信も経 験の無いまま、国際通信に挑戦するわけですから、

当時はたいへん苦労しました。アメリカのコンビュー サーブに加入し、KDDの国際通信サービスにも 加入LIDやパスワードを入手しました。

数多くの失敗を経て、やっと交信に成功し、姉妹 校の担当者とメール交換に到りました。やがて、サイ

モン=フレーザー大学から大学ネットの利用を勧めら れました。姉妹校に通う女性徒の父親が、その大学でコ ンピューターのインストラクターを務めていたからでし た。彼からのお誘いで、大学ネットに移りました。

私と担当者の事務的な交信から、生徒間のメー ル交換に移り、当時、一台しか設置されていなかっ たコンピューターが、休憩時間毎に彼らのメール 作成の道具となりました。姉妹校の生徒は、「マ ルチカルチャー」クラブのメンバーで、一対一の ペンパルならずコンピューターノ1ル(コンピュー ターの友達)ができあがりました。

1991年には姉妹校から葛上中へのホームステイプ ログラムがすすめられました。しかし、実醇寸前に湾 岸戦争で海外渡航の禁止を決めた政府、教育省の 指示で、断念せざるを得ませんでした。

翌年にはホームステイが実現し、1993年には 葛上がカナダを訪問しています。それ以降、お互 いに隔年ごとに訪問するシステムがつくられ現在 に到っています。

ノ1ソコン通信という手段を通じ、お互いの理解 を深めています。コンピューター室が準備され、20 台のコンピューターが設置されてからは、クラブ員

(ノ1ソコン通信クラブ)だけでなく、授業にも利用 し、メール交換相手が全世界に広まっています。

ホストコンピューターにお互いがIDを持って、

メール交換する段階から、インターネットメール 利用に発展して、飛躍的に交流相手が広まりまし た。同一のネットに加入しているかどうかは問題 にならないこのインターネット利用は世界のどの 人であってもドメイン名(その人のコンピューター における住所)を知っていれば、短時間の内に届 きます。また反対に、相手もこちら側にメールを 送ることができます。

アクセスポイント(電話回線で接続する場所)

も、アメリカ、カナダ、東京、奈良市、隣接市町

(インターネット)

葛上中学校 福 塚 忠 司 村というように、だんだん近づいてきました。通 信費も心配しなくてすむ額になりました。現在、

メールによる情報交換からさらに進んだ、画像、

音声、動画の段階に入っています。

葛上中もホームページをアップして、世界に情 報を送っています。コンピューターと電話回線の セットで、学校がクラスが世界に広がりました。

国際郵便や作品交換も相互理解に有用な手段です が、数分の内に意見交換でき、またお互いの情報 を視覚や聴覚で確かめ合う時代になりました。

コンピューターと電禍司線だけで、国豹理解が相当 深められました。当時はメールだけでしたが、考えて みるとインターネットメールがお互いを理解する 一番重要な手段であったように思えます。これから 手軽に画像や音声などを利用するにはそれなりの 容量のあるコンピューターや付属器機を必要としま すし、また、それをサーブする機関が必要になり ます。条件が十分整った時には、子供達が自由自在 に操作することができるようになるでしょう。

カナダの姉妹校や、他の外国の教育時境を視察して、

私達が早急に準備をしなければならない点についてす こしばかり提案したいと思います。その一つはク ラスにコンピューターを少なくとも一台は設置す ることです。現在のコンピューターラボラトリーでは、

生徒が使用したいときに、あるいは普通の授業に 使うことができません。20台や40台というまとまった コンピューターも一斉授業では必要ですが、もっ と、日常的に使える環境が必要と思いました。

教室に、コンピューターラボに、電話回線の端 子を準備することです。電話回線さえあればそこ から外界にコンタクトすることができます。すな わち、学校、学級をオープンすることにつながり ます。閉鎖された環境では多くのことを学ぶこと はできません。また、情報を発信してその反応を 受信して、さらに改良を加えていくという高まり も期待できません。おおいに、解放すべきです。

電話回線での解放は、外界からの混乱や妨害を意 味しません。(ただ、生徒にとって悪い情報もあ るのは事実ですが、、、)

新しい試みには「ノー」という態度でなく「ゴー」

とこれを支える基盤が欲しいということを強調し ておきたいのです。「コンピューター通信、まし て、国際ノヾソコン通信は費用がかかるのでは、、、

?」「電話回線が学校でなぜ必要か、、、?」「多

くのコンピューターを導入したのに何故新しい物

が必要か、、、?」などなど、インターネット利

用の経験が無い機関からはその教育利用に関する

理解が得られません。新しい試みを支える体制を

期待します。

(7)

12人から世界へ

〜教育現場におけるインターネットの活用について〜

大塔中学校 達 本 吉 胤 私の勤務する大塔中学校では平成7年度にコン

ピュータの更新を行い、生徒1人が1台のコンピュー タを使用できる環境が整った。すべてのコンピュー タはLANでサーバーに接続され、データや周辺 機器の共有が可能になっている。また、コンピュー タの設置されている部屋には専用の電話回線が引 かれ、モデムを通して外部と接続されている。

この恵まれた環境を最大限に教育活動に活用す るべく、試行錯誤を繰り返しているとき、幸運に も奈良教育大を通して、インターネットに接続で きるチャンスをいただいた。

そこでさっそく、生徒達とインターネットをど う活用するか相談し、その結果、自分達の大塔中 学校の情報を発信するこころみとして、WWWの

「大塔中のホームページ」を分担して作成するこ とになった。何日かの悪戦苦闘の結果、現在一部 作成中の部分もあるが、奈良教育大のホームペー

ジにリンクして公開させていただいている。

生徒たちは自分達の作成したホームページに、

すぐE−MAIL等で反応があることに驚き、と ても感激している。自分達の発信した情報に対し て、ほとんどすぐさま反応があることはインター ネットの素晴らしさであり、新しいページを作成

して情報を発信することに、意欲的に取り組む大 きな励みとなっている。

ところで、生徒達を自由にインターネットにア クセスさせるためには、電話回線の確保や、その 料金に対して大きな問題があるといわざるをえな い。中学校では、本校のようにコンピュータ専用 の電話回線を確保している学校は、ほとんど聞い たことがない。

そして、パソコン通信などと違い、電話回線に 接続したままになる時間がけた違いに長いので、

電話料金も大きな問題となる。生徒達に自由に利 用させようと考える限り、昼間の割高な料金を負

担しなければならない。教育機関に対する回線の 安価な提供、補助等何らかの措置が強く望まれる。

ところで、生徒達と共にホームページを作成す るとき感じた、WWWの教育的活用の可能性につ いてふれておきたい。それは、ネットスケープや モザイクなどのWWWのブラウザを使うと、音声 や写真、映像を駆使した自主探求用、自主学習用 のマルチメディア教材を簡単に作成できるという ことである。また、そのマルチメディア教材を利 用する場合も、必要な部分をマウスでクリックす

るだけで簡単に利用できるということである。

そしてもうーっ、より重要かもしれないことは、

作成した教材はそのままでネットワークからアク セスできるということである。つまり、ある学校 で作成したマルチメディア教材は、インターネッ トにつながっていれば、コピーや配布などのいっ さいの手間をかけずに、そのままではかの学校、

教育機関から利用可能になる。また、常にデータ の保守や更新が簡単に行え、作成した教材が陳腐 化することをさけられる。

もちろん、WWWはハイノ1−テキスト型の情報 提供サービスなので、このことはあたり前のこと なのだが、雑誌の記事やマスコミの報道等ではあ まりふれられていないようである。

本校は全校生徒12名の、いわゆるへき地にあ る小規模校である。都会の学校に比べれば、教育 諸条件において様々なハンディを持たされている 事実は否めない。

しかし、インターネットを活用する事で、その ハンディの幾分かは克服する事ができるのではな いだろうか。そして、逆に、すばらしい自然と環 境の中から、地域の特性を生かした情報を発信し

ていく手段として、インターネットに大いに期待 している。

HTTP://www.nara−edu.ac.fp/〜00tO−jhs

(8)

教育実践センター紀要第5号刊行

まもなく『教育実践研究指導センター研究紀要』

第5号が刊行されます。その内容は以下の通りで すが、皆様方の御高評をお願い申し上げます。

<研究論文>

開かれた学校評価をめぐる今日的特徴に関する考察 八尾坂  修 八 木 正 博 大学生の恋愛観・結婚観 今森 井田 靖健 親宏

指標生物としてのショウジョウバェ

一高等学校 生物Ⅱ課題研究としての可能性一 森 本 弘 一 切 通 健 雄 内燃横閑の作動原理を学習するp・Ⅴ線図表示プログラムの開発

岡   俊 博 内 糸 俊 男 中学理科におけるSTS教育

松 石

子章

佳文 村田

幼児への読み聞かせに関する母親の考え

今 井 噌 親 金  貞 蘭 障害児学級における授業の検討

一絵本教材の授業を中心として−

玉 村 公二彦 障害児学級の設置状況とその地域格差の検討

一障害児学級研究の前提把握の試み一

越 野 和 之 英語教育とインターネット

中 北  里 上 岡 サト子 伊 東 治 巳 羽山好作の科外教育論に関する教育方法史研究

船 越  勝 算数・数学教育における問題解決学習の研究(2)

重 松 敬 一

桟  弥直治

山 中 伸 一

K.Y君の6年間を追って

一障害を持つ子どもの発達と授業内容一

坂 下 伸 一

<研究報告>

ドイツの事物科におけるプロジェクト 小 野 櫨 男 奈良教育大学学内LANの現状と利用状況

藤 原 公 昭 奈良県の生活科教育における子どもの変容に関する研究

一教師の意識調査の分析− 岩鈴谷鳥船前増 本木口居越田田 廣洋義春 書信 四 美子昭巳勝雄一

運営委員会報告

〈第3回センター運営委員会〉

1月10日 於・教育実践センター会議室 議題

1.「センター紀要」第5号の査読分担について 今年度の「教育実践研究指導センター研究紀 要」第5号について、18本の原稿が投稿され、

それぞれの査読分担者について、審議のうえ、

決定した。

〈第4回センター運営委員会〉

1月25日 於・教育実践センター会議室 議題

1.「センター紀要」第5号の査読結果について 今年度の「教育実践研究指導センター研究紀 要」第5号に投稿された原稿の査読結果につい て、審議の結果、最終的に研究論文12本、研 究報告3本を掲載することとなった。

2.次期センター長について

2期お務めいただいた現今井センター長の後 任センター長の候補者として、藤原公昭教授を 中心に、センター専任教官で調整することが、

審議の結果決定された。  (文貴:船越)

編 集 後 記

○・・・今日、わが国でも、インターネットが急速な普及 を見せてきました。インターネットには、ハイノヾ−

テキスト型情報サービスであるwww以外にも、

メールのやりとりのできるE−Mail、利用者から 発信されたさまざまなニュースが読めるNetNews、

遠隔地のコンピュータを操作できるtelnet、画像 と音声のやりとりによる遠隔会議など、さまざま な機能があります。これらが、現在の教育のあり 方に大きな影響を与えるのは必至の状況です。そ

こで、本号の特集では、こうしたインターネット と教育をめぐる諸問題について、ご専門の立場か ら自由にご提言をいただきました。   (F)

1996年2月1日発行 奈良教育大学

実践センターニュース 第18号 奈良教育大学教育学部

附属教育実践研究指導センター 壱630 奈良市高畑町

TEL(0742)27−9288 FAX(0742)27−9289

発行者  今 井 坤 親 印刷所  ㈱ 新 踏 社 辱630 奈良市鍋屋町19

℡(0742)23−5055㈹

参照

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先に述べたように、このような実体の概念の 捉え方、および物体の持つ第一次性質、第二次

本品は、シリンダー容積 2,254

取組の方向 0歳からの育ち・学びを支える 重点施策 将来を見据えた小中一貫教育の推進 推進計画

取組の方向 安全・安心な教育環境を整備する 重点施策 学校改築・リフレッシュ改修の実施 推進計画 学校の改築.

専用区画の有無 平面図、写真など 情報通信機器専用の有無 写真など.