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大数の弱法則と強法則

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Academic year: 2021

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(1)

1

大数の弱法則と強法則

小 野 英 夫*

0皿the Weak Law and the Strong Law of Large Numbers

by H滅已o ONO*

      Let

       X,,X2,…, Xn,…………(1)

be a sequence of random varial〕les, and let

n      ●1

      Sn=Σx,, E(Sn)=ΣE(x )=11Zn.

      k=ユ      i=1

TTT  .,  、...  .  8九一ητη Under what conditions does

      ………(2) tend to zero? According to these       7z

・conditions, sequence (1)is determined whether it obeys to the weak law of Iarge numb・・s・・th・・t・・ng l・w・f 1・・g・numbers. lf(2)…v・・g・・i・p・・b・bility, we・ay that the sequence(1)obeys to the weak law of large numbers. And if(2)asserts

…nve・g・nce alm・・t e・・e・ywhe・e, w・・ay tl・at(1)・b・ys t・the・t・・ng l・w・f l・・ge numbers. To be br三ef, the weak law is described as

     瓢P(tS1! i1e−o)=1 and the strong la、v is described as      P(熟tS{!ii−Zi{11−o)−1.

    The present paper concerns the following problems. First.:the necessary and

・uff・・・・・・・・・・… 9・・n w…h・h・weak l・w h・ld・・Sec・・d・1・,鷲く・・,・h・n the sequence(1), which is mutually independent, obeys to the strong law of Iarge numbers. Third:consideration about the Petersburg game.

i〔o〕緒 言

  確率変数列{Xn}が与えられたとき

       72       7i

Sn=Σx,, E(Sn)=ΣE(Xi)=・711n

      r=1      i=1

 一般教養講師 数学

(2)

2

、、_ .・_.Sn一ηln とする。このとき

       がどのような条件のもとに,11→。○のとき0に近づくか。この収          、7z

束の考え方をどうとるかによって大数の弱法則と強法則に分かれる。確率収束(conver−

gence in probability)を考えるときが弱法則であり,概収束(almost everywhere conver・

gence)を考えるときが強法則になる。概収束すれば確率収束する(逆は成りたたない)

から,大数の強法則が成り立てぽ,弱法則は成り立つ。弱法則と強法則のちがいをかんた一 んに表現すると,弱法則は

   }㌫P(Sn−7/ln       =0   72 )一・

であるのに対し,強法則は

   P(limぷn−11z・−01z→oo l   n )一・

である。

 今回は,大数の弱法則が,μ=E(Xの,σ2 = V/(X,)が存在するとき成立すること。また 分散σ2=τz(Xのの存在制限を除いたときでも成立することを示す。つぎに,確率変数列

{X・}・1一様有界の鈴・た{X・}・・h・酬・独立でないときでも・記偶+X2÷一

+Xn)→0ならぽ,大数の弱法則は成立する(必要十分条件)ことを証明する。

 X,(κ=1,2,…)が互いに独立な確率変数でかつ各X,の分布げ(ti)}は同一とす るとき,X・の平均値μ=E(Xのが有限ならば大数の強法則に従うことを示す。また大 数の強法則・滅す・ための+分条鰭芸く・・を証明す…いごに・大数の法貝L・.

の類似の例としてペテルスブルグのゲームに関して考える。

〔1〕 (a)大数の弱法則

定理1 確率変数X,,X,,…は互いに独立で同じ分布に従い,μ=E(X,,),02=V(X,)

が存在するものとする。εを任意の正数とし,π→。・のとき    P{ド+竿+,liii, _,,, 1>E!−・

<証明>

   E(Xi+X2÷…+Xn    ll )−E(x )÷E(又;÷…÷E(Xn)一・

また,X,, X2,…はたがいに独立であるから,

   v(x +三 +Xn)一τ ( x )÷1!tk)−1   ÷v(Xn)一三

よって

       X,十為十…÷Xn    確率変数

       にチェビシニフの不等式を適用すると       刀

   P{品警 +品一桝≦㌻

左辺はll−〉。。のとき0に近づく。

   ・P{1!s+i元 +ぷ一・ト}一・・

 つぎに分散VZar(XDの存在という条件を除いた場合を考える。

(3)

3

 (b)V(Xk)の存在制限を除いたとき く証明〉

 確率変数U,とVk(rc= 1,2,…,ε>0は固定)

   u・一{㌢篇き㌶㌫

   ⇒三1ぽ1ξ:IZI1 1

によって定義すると,

Xh ・= Uk+Vk.

各X,の確率分布{∫{rci)}とすれば,仮定より平均値μ=E(Xのの存在から    Σ1勾1芳(」Ci)=C

は有限である。

   μ。 =E(σの=ΣX」f(X」)

         |x∫【<εn

したがって,十分大きなあらゆる21と任意のδ>0に対して

   |μn 一μ1<δ.

①,②より

   τ々zr(σD=E(σの一μ2        ≦E(Uk2)

       ≦εll Σ IXj 1∫(Vi)≦εCn          IXji≦en

チニビシェフの不等式より

   P{i!b±!IF ÷仏一〆1>・}<τ勺ll警)<笹 これと③より

   P{1賑ぴ妄 :・tkU−・・ト・・}<芸

また

   P{脚ト1ふ∫ω≦÷、嘉切團胸

   (∴1x・1>…,・1壽1>・, f(Xi)〉・)

で最後の項の和は,πが大きくなると0に近づく。したがって,

         ど    P{V,≒O}≦一.

ゆえに1){ViUV2U…}≦P(Vl)+P(脇)÷…であるから,

   1){Vl+τ 2+…+Vn・≒・0}≦ε

④,⑤とSn=(σ1+σ2+…+σn)+(Vl+巧+…+Vn)

より

   p! ÷一・1>・・}≦P{lg+9ii・・:° +ぴ一・ト・・}

………… ①

………… ② 和は1巧1<επなる」の全部についてとられる。71→○・のときμn →μとなる。

………… ③

………… ④

nが十分大きいときには,

………… ⑤

(4)

 4

       ÷P{V1÷巧÷…+Vwキ0}

       εC        ≦−i−+ε       一 〇2 εとδは任意であるから

   P{際一・1>2δ}一・@一・・)・

〔2〕 大数の弱法則の成立するための条件  (a){A ,}が互いに独立でないとき 定理2 {X・}がたがいに独立でなくとも    v(x、+x2+…+Xn)=τz(Sn)

とおいたとき,

   ±v(x・+x・+…+Xn)→o(・1−・・)

がいえれぽ,大数の法則は成りたつ。

〈証明〉チニビシェフの不等式より    ・{tS=Pzz≧]

    −P{ls・一 ls、…・1・ε}

   ≦±v(Sn)−o@−o)・

例1.確率変数列{X司において

   V(X,)<M,Cov(X,, Xゴ)≦0 ならば,大数の弱法則は成立する。

〈証明〉これは必らずしも独立でない確率変数列での大数の法則であるから,定理2での 条件をしらべる。

   V(X1+X,+…+Xn)

     カ

   =ΣV(Xの+2ΣCov(X,, Xゴ)

     =1      kj      れ

   ≦ΣV(X,)<72M。

   −m=1 したがって

   嘉γ(x・÷x・+…÷Xn)≦嵩三v(x・)

       <巫→o(、1→。。)

       71 であるから,定理の条件はみたされた。

 (b){X,}が一様有界のとき

定理3.確率変数列{X,}が一様有界ならぽ,大数の弱法則が成立するための必要かつ十

(5)

5

分条件は

   iγ(x,+x・+…÷Xn)−o(・1−・・)

である。

〈証明〉

 任意の刀に対して!X,1,1晃1,…,IX・1がいずれもAより小さいとして,

 X,−E(X,)=Y,(rc=1,2,…, n)とおくと    1Y輻1≦2A.

また

   V(X1+X,+…+Xn)=V(Y1+】「2÷…+y。).

.よってlY,+現+…+Yn1≦11ε(ε>0)が成立する確率をPとすれぽ,

   V(y1+Y2+…+Yn)=E{(Yl−←y2÷…+y。)2}

     一∫二..(・・+・,・+…+・ ・)・∂Fω

      ∫,_.糊≦,、,(・1÷・・+一…n)・dF(・)

     +∫1_.yn1..、ε(・1÷・・÷…÷5 n)・・F(・)

   ≦・・2ε・P+∫、_..一、,。1.,、,(b,il÷|・・[÷…÷・b nl)・dF(5,)

   ≦n2ε21)+4c2n2(1−1))

rゆえに刀2でわると

   5・z(yi+Y2+…+Yn)≦・・P+・c・n2(・−P)

①より

   ±v(X,÷x・+…+Xn)≦・・P÷・c・n・(・−P)

もし大数の弱法則が成立すれぽ,(1−P)はクz→・・とともに0に近づくから    iv(x,+x・+…÷Xn)一・(・1−・・)

となる。

       1        7Z2 ことがいえる。

   P(x・−K2)−P(x・一一K2)一去

…………

これと定理2を用いれぽ,一τz(X1÷X,÷…÷Xn)→0の条件は,必要にして十分である

例2.{X克}(κ=1,2,…)はたがいに独立な確率変数列でかつすべてのKに対して

であるとする.・<歩らぽ撤の弱法貝U械りたつ.

<証明>

   E(X,)=0    τz(X,)=K2a

   顯γ(x・)一惑K・

(6)

 6

         −±(1・・+…+…÷n2・)

   ∫1・・Adx<V(Sn)<∫:  X・・d・よ・

       η2λ十1    v(Sn)〜

       22+1 したが・て・<;のとき    v(Sn)

      →O     n2

      1  例3.①1){Xk=±2り=

       22 L  +1

      1       1){X,=0}=1−

       22k+1     ②P{x・一±・}一膓・一÷

              P{x,==0}=1一κ一ラー

上の①の分布に従うたがいに独立な確率変数列X,(κ=1,2,…)は大数の法則の条件は満 たすが,②は満たさない。

〈証明〉

   ①E(X・)一(一・り・、,三、+(・・)・,,k、一・

     γ(x ,)一(・り・・、,:、+(一・・)・・,,1、−1

   ∴顯ぽ)一顯1一そ一†一・(・一・・)

ゆえに大数の法則の条件を満たす。

   ② E(X,) ・・ O

      V(X,)−rc・・、フ7+(−rc)・・、iz; −rc£一

   ∴繕礁)一繕言〉 z緩1)→i(・・→・・)

ゆえに大数の法則の条件を満たさない。

〔3〕大数の強法則の成立するための十分条件

定理4.)ζれ@=1,2,…)が互いに独立な確率変数で平均E(Xn)=fnn、 分散V(Xn)

=σ・2 (11≧1)はともに有限とする。このとき

    fl  σn2

   忍丁く°°

ならば,{Xn}は大数の強法則に従う。すなわち    P{短≒ク 拓一・}一・

〈証明〉

N

(7)

      7  2 −1<η≦2シであるような力の少なくとも1つに関して

    8π一7刀π

         i

        <ε      21

が成りたたないような事象△(ε)とする。このときΣP(△)が収束することを証明す る。そうすれば,十分大きなレに関し,すべてのγについて

   P(A,)+P(A。+1)÷…+P(ん+r)<δ となるから,大数の強法則が証明される。

   1↓={2v−1十1, 2v−t十2, … , 2v}

   Av(・)一{・嚇自鰍∈・vにヌ寸・て1≒ ノ玩1≧・}

    =U{1S。−fnn 1≧〃ε}(り=1,2,…,εは正の定数)

     n∈lv とおく。

   1S。−mn 1≧nε>2v−1εであるから    Av(ε)⊂U {|Sn−mn l≧2P−1ε}

       71∈L

     ⊂U  {1Sn−7nn 1≧2 −1ε}

      1≦71≦2・

     =[∩  {|Sn−2n・n 1≧2 −1ε}cコc        1≦n≦2・・

     ={|Sn−mn l<2 −1ε}c(11=1,2,…,2づ ここでコルモゴロフの不等式を用いて

   1){Av(ε)}≦1−1){ISn−711nl<2P−1ε} (n=1, 2, … , 2レ)

       ≦1−一 (1−(82・22レー1ε)}一麗

となる。したがって

   菖P{ Av(E)}≦6菖((1)誉・n・)

となり,Vとllの加える順序を変更して          一隠砺・2忍(1)v ここで2 ≧11をみたす最小の正数をVoとすると   ,忍(i)レー蕊(1)v−(1)助/(・−4)

       一告/(2・・)・≦き・ホ

であるから

   急P{ん(・)}≦轟元1」碧く…

     よってΣP{A、(ε)}<OOだから    レ=1

   P{蕊rA・(・)}一磁㌘叫一・(注1)・

これは,任意のε>0に対して成りたつから

(8)

 。8

   p!,三、且ん(⊥カ)}一・(P−・・2・…)

   ∴・≦P{ξ、三旦ん(;)}

     ≦誉、P億且A(t)}一・

すなわち

   A一蕊、li= n Av(旦)・おけばP{A}・一・・

   . . P{Ac}=1−P{A}=1

、ところで

   Aう蕊[Av(き)]c

   [Av(s)]c一昆{≒ 〃毎≧去}c

       −{」≒ zカ1〈〉}(・−2・一・÷・・2v−・+い・2v)

また

   A・⊂{・鴨≒ 玩一・}

   ∴P{Ac}≦P{頸≒ク 玩一・}

①,②より

   P{恕≒ 玩一・}−1.

(注1)

 確率事象の系列A,,A2…に対して,

      

   lim・An=∩UAJ,なる確率事象を考える。

    71→co      71=1 n==ll

   急醐く・・ならぽ・癒▲}一・・

〈証明〉

…………

………・ ②

 まず,確率事象A,,A2,…に対して, P{・4,UA2U…}≦P{A,} +1){A2}+…を示す。

   B,=A,,B,=A2∩Blc,

   B3=A3∩(BIUB2)c,…, B =A ∩(BIU…UB∫_1)e,…

とおく。

 i<フのとき

   B」 == Aj∩(Blu…UB,UBj_ユ)c     ⊂(B,U…UB,U…BJ一ユ)c     ⊂BiC

   ∴ .ぴとBjはたがいに排反である。 A,⊃B∫(i=1,2,…)より

   AIUA2U…⊃B,UB2U…      …………①

またW∈A,UA2U…とすれ1まW∈A∫なるiがある。

(9)

       9,

   i=1のとき ω∈B,

   £>1のとき w∈(B,UB2∪…UB《−1)ならぽnv∈B,

したがって

   W∈B,UB2U…であり, W∈(B,UB2U…UB,−1)ならぼW∈BIUB2U・・。

つまりW∈B,UB2U…UB U…となり

   A,UA2∪…⊂B,UB2U・・…      …・……② ゆえに①,②より

   A,UA2∪…=B,UB2U….

   . . P{AIUA2U…}==P{B,UB,U…}

    =P{B1}+P{B2}+……

    ≦P{A,}+P{.A2}+……

     (°.° B∫⊂Ai, 1){B,}≦P{A《} (i=1,2, … )

〔4〕 大数の強法則

 定理5.X・(κ=1,2,…)が互いに独立な確率変数で,かつ各為の分布{f(Xi)}は 同一とする。このときXI,の平均値μ=E(X,)が有限ならば,系列{XUは,大数の強 法則にしたがう。

<証明>

u・一 ξ1ぽに㌶霞;

   叶設:1に㌶ll;

とおくと,U,(κ=1,2,…)は互いに独立である。これが定理4の条件を満たすことを示,

す。

   σ2=E(σの一{E(σの}2

    ≦E(σの=Σ xゴ2f(x)       …………①       [XJ]<x

ここで

   a.=  Σ  iXd lfてt」)

     v−1≦IXdl<v とおく。

平均値E(X,)=ΣIxi [f(X」)の存在より         Σa。≦Σ1エ∫げ(X」)<。。.

   v=1

①より

σiC2≦E(Uk2)

    =Σ エ」ゲ(Xi)

     IXi 1<rc

    =Σ IXil2f(x)+ Σ  【x212f(x)+…÷  Σ lx212f(x)

     0≦IXIl<1

       1≦IX21<2         κ一1≦IXrc 1<c

    =Σ  1Xil2f(x)+2Σ  Ix212f(x)+…+k Σ  1x212f(x)

     O≦IXI×1

       1≦|x2【く2

       rc−1≦lxκ1〈κ

    =al十2a2十…十rCar

(10)

 ユ0

   =Σレa、t       …………②

     v=1

co       ズ

またΣα(κ)Σb(り)

  κ=1    y=1

   =α(1)b(1)÷a(2)(ろ(1)÷ゐ(2))÷…÷a(κ)(み(1)+ゐ(2)+…+み(κ))+…

    =ろ(1)(a(1)十a(2)÷… )÷b(2)(a(2)÷a(3)÷… )十… +b(v)(a(り→−1)十一・)十…

         oo       oo

   =Σb(v)Σa(κ)      …………③

     v=1     r=v

②,③より

   ξ、等≦ξ、÷皇・づ・遁÷     …・…一④

  ・嶋÷一…(㌻÷((,』、),÷(。t2),÷一う)

       ≦av(・÷v(÷一。』、)÷(。」、一、』2)+(。』2−,」3)+〕

       =a.(1+1)

       =2av だから④より

  三豊≦S璽÷<・;、a・<・・     一・…・・⑤

となるから,U・は大数の強法則に従う。   ・ 一 方,E(u,)=μ炉Σ訂(Ci)よりμk→μ.

         1ズゴ1<m

したがって,(μ1+μ2+…+μ。)/π→μであるから,コルモゴロフの大数の強法則より

  旦芸u、→μ(a,e)

   21r=ユ

あとは」芸v、−o(a,。)がいガ。ぽよい.このためにはVn−o(a,・)がいえれぽよ

   刀κ==1 い。

   P{V。≒0}=Σ f(Xj)

       はゴ1≧タz

      <an・1+a・・2+a ・3÷_

        =  lz   11+1  nl−3 したがって

   ΣP{Vn≒0}≦量き]a ・÷1          n=1v=ll  り

       =£a・・1Sl

         v=ユ  レ 11=1

      

       =Σa。÷1<。。

         v=1

      

を得るから,ボレル・カンテリの定理(ΣP(V。=0)く。。ならぽ1){lim sup(τ㌦≒0)}=0       ?1=ユ

すなわちP{lim inf(Vn=0)}=P(lim Vn=0)=1により, V。≒0が無限に多くの12に

対して起こる確率は0になる。したがって

(11)

       11    旦£v、→o(a,e)

   flt=1

よって求める結果が得られた。

 例4.例3の(1)の分布に従うたがいに独立な確率変数列X,(κ=1,2,…)は大数の弱 法則に従った。強法則について考えると,量1<。。となるから大数の強法則も満たす。

      ?1=1刀

〔5〕 ペテルスプルグのゲームの問題

甲乙2人欲のよう醐をしたほ鄭それぞ鳩の麟で出鞭貨猿・咄るまで投

げ続ける。i回目に初めて表が出れば甲は乙から2t円もらうことにする。この賭が甲乙 両者にとって公平になるようにするには,あらかじめ甲は乙にいくらの金額を賭金として 支払っておけぽよいか。

 おのおのa試みに対する利得は    21,22,23,…

という値をとる確率変数と考えられる。これに対する確率は

   1 1 1

   2,22,23,

である。そこで期待値をE(XDとすると,

E(x)一 菖・ち±一誉・一…な・・すなわち・甲・靭取・金翻蹴は無限大

となる。したがって,甲があらかじめ有限の金額を乙に支払ったとしても,この賭は両老 にとって公平とはならない。よって利得は有限の期待値をもっていないから,大数の弱法 則は適用できない。

 そこで,この賭を次のように改める。1つの試みがN回より多く投げねぽならないとき

(すなわち,硬貨の裏がN回続けてでるとき)プレイヤーは,全くお金を受け取らないと いう規則に改める。このようになおした賂では,利得の期待値は,

   E(Ub一慧… S,−N

で有限値Nをもつから大数の法則が適用される。おのおのの試みの分散は

   鳶ヂ呼タ+蕊、芸

    一(1慧+1割㌔乳、芸

として0(めである,(log Nの底は2)。

よって11回の試みの総利得Snについて

   P{1&一・Ni>・・}一・(芸)・

したがって

 fl回の試みの後,利得の全部の和は,あらゆるNにっいてnNをこえるだろう。したが ってプレイヤーはきまった金額の参加料〆をそれぞれの試みに支払っても,なお実利益 を得られる。これはすべてのμ について成りたつ。

 有限な期待値μ=E(Xの>0の場合には, もと利得額の総和Snと参加料の総和bn

(12)

 12

=11Ft の比が,πが大きいとき1に近いことが確からしいならば(すなわち,差5。−b・・

が刀〆より小さいオーダーの量になるならぽ),賭は公平であるとよばれる。もし参加料・

の総和がbnである賭が,あらゆるε>0に対して    P{1・£−1ト・}一・

ならぽ,古典的な意味においてその賭は公平である。これはb。=ny のときの大数の法:

則の類似である。

 さて,このペテルスブルグの賭を何回か行ったときにえられる金額をそれぞれX,,)亀,,

X,,…で表わせぽ,上のbn=n log2 nとして大数の弱法則の成立することを示す。

〈証明〉

 臨に依存する2つの変数UヵとVk(κ=1,2,…,11)を    u…=={㌢1慧ξ蕊㌶;

   叶三驚ξ1隠蕊;

とする。.X,=Uヵ+VkでU,は互いに独立である。

   P{1。是一・ト}一・

となることを考える。

   P{Sn−nlog n>ε10g n}

   =P{Sn−nlo911>ε10g n;Vl十V2十… 十Iln =0}

   十P{Sn−ll log 12>ε10g n;Vl十V2÷…÷Tin ¥0}

   =P{U1十U2十…十Uk−nlog 11>εlo9η}

   十1){Sn 一一nlogπ〉εlog n;τア1十T12÷…十Vn ¥0}      ……・・…・③,

さてあらゆるtについて

   P{x・>t}一,7,,il≦、.曇 ±一、,,‡。(・+去+…)

       (log t−1≦[log t]≦log tだから)

   < 1 .L= 2 ..旦

   =21°g卜1  1  か2−1  t       2

ゆえに

      4

   P{τノ先・≒0}<

         n log n そこで

   P{llt+V2+…+Vn>0}

    ≦P{あるi≦nについて;τろ≒0}

    ≦P{ViirO}+P{V,io}+…+P{Vn−O}

    < 4     =log n・

すなわち

(13)

13

   P{Vi+・・2+…+・㌦〉・}<1。k−・・(・1・一…)  ・:: ………②

したがって①を証明するには

   P{1σ,+σ2ヰ…H− U。−n log n|〉εn log n}→0         −・……③ を証明すればよい。

 いまμ=E(ひの,σ=Var(σのとする。

   E(Ui,)=0, X,>11109刀    E(σのニ Σ  2i・P{Xヵ=2り        2i≦クzlog n

(ここで2i ;1{n log nを満足させる最大の整数をrとすれぽ(i=0,1,2,…)

   一、自2ち;一・

 . .十分大きな72に対して

   lOgク <μ≦10911→−IOg IOg ll

    . .μ〜10g刀      …………④ 同様に

σ2=E(UI,2)−E2(U,)

    くE(σゐ2)=2斗22+…→−2γ     <2r+i

    ≦2nlo9〃

U,(κ=1,2,…,71)は互いに独立であるから,和σ1+U,+…+Unの平均値と分散は11μ と力σ2であるから,チェビシェフの不等式より

   P{1σ1+σ2+…+Un一クノμ1>ε 7μ}

   ≦蕊く晶 一・・

(④より)

   . .1){1σ1十U,十…十σ,エーnμ1>εn log n}→0 したがって

   1){Sn −n log n>ε log n}一>0.(証明終り)

このことは,lz回の賭をするには1回当りlog2 n円払えぽ公平な賭が行なわれることに

なる。

 また,本論文にあたって,終始ご指導ご助言いただいた日大大学院教授宇野利雄先生,

日本数学教育学会名誉会長・明星大学教授佐藤良一郎先生に深く感謝いたします。

参考丈献

1.An Introduction to Probability Theory and Its ApPlications vo!umel(William Fe11er)

2.花率論とその応用(上)(下),W.フェラー 河田龍夫監訳(紀伊国屋書店)

3.Mathematlcal Theory of Probability and Statistics(Richeard Von Mises)

4.Wahrscheinlichkeit Statistik und Wahrheit(Richeard Von Mises)

5.確率統計演習1(国沢清典) (培風館)

6.応用確率論(西田俊夫) (培風館)

7.Thcories of Probability(Terrence L. Fine)

8.数理統計学序説(佐藤良一郎) (培風館)

g.Probability Thcory(A. R6nyi)

(14)

14

10。数理統計学演習(宇野利雄編) (共立全書)

11.Measure Integration and Probability(Glaude W. Burri11)

12.A. Graduate coures in Probability(Howord G. Tucker)1967.

参照

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