平成
26
年度
修士学位論文
4K
超高精細映像
VOD
転送制御の研究
A research on VOD services transfer control
corresponding to the 4K videos.
1165071
山下 寛晃
指導教員
島村 和典
2014
年
2
月
28
日
高知工科大学大学院 工学研究科 基盤工学専攻
情報システム工学コース
要 旨
4K
超高精細映像
VOD
転送制御の研究
山下 寛晃
現在,伝送技術の発展に伴い,インターネットを介して動画を視聴する機会が増加してい る.動画視聴サービスの1つとしてVOD(Video On Demand)サービスが浸透してきてい る.しかし,VODサービスの映像コンテンツはSD(Standard Definition)画質とHD(High Definition)画質が主流である.近年の映像配信業界では,4K超高精細映像と呼ばれる規格 が国際電気通信連合ITUで規格されており,VODサービスへの流入が期待されている.導 入に関する問題点として,4K超高精細映像は1フレームあたり3840× 2160画素を持って おり,ファイルサイズで比較するとHD画質の約4倍となっている.このことから高い伝送 レートが要求される. 本論文では,VODサービスに 4K超高精細映像を取り入れるために,CDN(Contents Delivery Network)方式のキャッシュサーバに多段方式を採用することで,映像視聴を実現 する制御機構の提案を行った.制御機構ではCDNキャッシュサーバを映像コンテンツの品 質評価指標に則した格納方式を提案した.また,既存の映像資源に対して,アップコンバー トを施すアップコンバートサーバを設置した.VODサービス提供者側ですべてのコンテン ツの統括を行う,コンテンツ配信サーバとエンドユーザ間の伝送帯域を 1Gbpsと想定し, シミュレーションを用いて高精細符号化方式H.265/HEVCを適用したコンテンツを対象と した.品質評価指標を4段階に設定した場合で,4K超高精細映像の平均ビットレート6251 ∼6266Kbpsを記録した.課題として,実装環境ではコンバートに最低102.91sec要する結 果となったが,4K超高精細映像をIPによる伝送路で提供できる可能性の目処がついたと 言える.
Abstract
A research on VOD services transfer control corresponding to
the 4K videos.
Hiroaki Yamashita
Currently, with the development of transmission technology, the opportunity to view video on the Internet is increasing. As a movie viewing service, VOD(Video On Demand) service is penetrated. However, the video content of the VOD service is a mainstream HD(High Definition) image quality and SD(Standard Definition) quality. Recently, video distribution industry. tries supply 4K high definition services band on International Telecommunications Union ITU standard, The difficuly to be covered for the introduction of 4K ultra-high-definition video would be the huge pixels of four times size compared to the HD image. The 4K frame has a pixel of 3840× 2160. Therefore, a high transmission rate is also required.
In this paper, in order to incorporate 4K ultra-high-definition Video in VOD services, the proposal system adopted the cache server for the CDN sub system. By using the cache server, a control mechanism for implementing the video viewing was proposed. Based on the quality metrics of the CDN cache server, video content has been dis-tributed to a storage system. Convert-server could extend the contents even for the existing video resources. For transmitting the overall contents of VOD service, 1Gbps transmission bandwidth was assumed between end users and the content distribution server. The encoding of H.265/HEVC was assumed to simulate the high definition 4K contents delivery. The video transmission needed 6,251∼6,266Kbps for the four levels
of QoS metrics. The result showed that 102.91 sec was needed at least to convert the implementation environment. Finally, it is clarified that a reasonable server architecture proposed would realize the 4K Super High Definition Video VOD service.
目次
第1章 背景と目的 1 1.1 研究背景 . . . 1 1.2 研究目的 . . . 2 1.3 論文構成 . . . 3 第2章 VOD映像配信システム 4 2.1 VOD(Video On Demand)サービス . . . 4 2.2 VODサービスで用いられるプロトコル . . . 42.2.1 TCP(Transmission Control Protocol) . . . 5
2.2.2 UDP(User Datagram Protocol) . . . 5
2.3 映像配信ネットワークのプロトコル . . . 5
2.3.1 RTP(Real time Transport Protocol) . . . 5
2.3.2 RTSP(Real Time Streaming Protocol) . . . 6
2.4 映像配信ネットワークの接続方式 . . . 7 2.4.1 ユニキャスト . . . 7 2.4.2 マルチキャスト . . . 8 2.5 映像配信方式 . . . 8 2.5.1 ダウンロード方式 . . . 8 2.5.2 プログレッシブダウンロード方式 . . . 9 2.5.3 リアルタイムストリーミング方式 . . . 10 2.6 映像配信システムの構成概要 . . . 10 2.6.1 映像配信サーバの動作 . . . 11 2.6.2 キャッシュサーバの動作 . . . 12 2.7 既存技術 . . . 14
目次
2.7.1 CDN(Contents Delivery Network) . . . 14
2.7.2 高精細符号化方式H.265/HEVC(High Efficiency Video Coding) . 14 2.7.3 MPEG2-TS(Transport Stream) . . . 16 2.7.4 ビデオアドミッションコントロール . . . 17 第3章 4K超高精細映像に準拠したVOD映像配信サービス 19 3.1 4K超高精細映像を配送するための伝送路問題 . . . 19 3.1.1 1000BASE-Tにおける論理値と実測値 . . . 20 3.2 4K超高精細映像 . . . 21 3.3 要求条件 . . . 22 3.3.1 映像配信サーバの条件 . . . 22 3.3.2 キャッシュサーバの条件 . . . 22 3.4 映像システムを構成する際の技術課題 . . . 24 3.5 研究の新規性 . . . 24 第4章 提案システムの構成 26 4.1 アップコンバート . . . 26 4.2 システム構成 . . . 26 4.2.1 CDNキャッシュサーバ多段方式の有用性. . . 27 4.2.2 コンテンツ管理配信サーバ . . . 29 4.2.3 アップコンバートサーバ . . . 29 4.2.4 SLA認証サーバ . . . 29
IPTVに対するSLAに準拠したQoS保証 . . . 30
4.2.5 メタデータサーバ . . . 30
再生制御ファイルの情報構成 . . . 31
4.2.6 CDNキャッシュサーバ . . . 31
目次 4.3 提案システムのシーケンス . . . 32 第5章 評価 33 5.1 システムの有用性検証 . . . 33 5.2 シミュレーションで用いた環境 . . . 33 5.3 シミュレーション環境 . . . 33 5.3.1 DivXMKVMuxによるコンバート . . . 34 CDN多段構成における品質測定値検証 . . . 34 5.4 考察. . . 36 第6章 まとめ 38 謝辞 39 参考文献 40
図目次
1.1 VOD市場の成長予測 . . . 3 2.1 RTSPの制御の流れ . . . 6 2.2 ユニキャスト接続方式 . . . 7 2.3 マルチキャスト接続方式 . . . 8 2.4 映像配信システムの構成 . . . 11 2.5 映像配信サーバがクライアントに対して映像を配信する処理の構成手順 . . . 12 2.6 キャッシュサーバにおけるキャッシュ処理の流れ . . . 13 2.7 H.265/HEVCの符号化ブロックと技術 . . . 15 2.8 木構造の予測ブロック分割の変換 . . . 16 2.9 MPEG2-TSの構造 . . . 17 3.1 伝送路を流れるフレーム . . . 20 3.2 4K超高精細映像の画素数 . . . 21 3.3 キャッシュ格納とデータ配送過程 . . . 24 4.1 提案方式システム構成 . . . 27 4.2 Cache Levelに対応する配置 . . . 28 4.3 提案システムの制御シーケンス . . . 32 5.1 検証範囲 . . . 35表目次
3.1 映像配信サーバに求められる条件 . . . 23 4.1 コンテンツサーバリストの例 . . . 29 4.2 再生制御ファイル記述内容 . . . 31 5.1 PC環境 . . . 34 5.2 映像コンテンツ . . . 35 5.3 各品質測定値における詳細 . . . 36第
1
章
背景と目的
1.1
研究背景
近年,InternetやIntranetの普及に加え,伝送回線の高速化が図られている.コンピュー タと家電,放送と通信といった個々で独立していた技術がデジタル技術によって共通化が図 られてきている.それぞれ単独で成り立っていた産業の垣根が崩れ,異なる産業間の融合に よって新しい産業へと収斂する動向にある.映像を取り扱う映画業界においてもデジタル化 が進んでいる.4K超高精細映像は2種類の定義は存在する.1つ目の定義は,家電製品用 に向けたものであり,pixel数が縦3840,横2160の合計829万4400で構成される.2つ目 の定義は,映画用に向けたものであり,pixel数が縦4096,横2160画素を持つ.双方の定 義において,のビットレート換算で約500Mbps必要とされる.これにより現在はディスク 媒体による運搬がされているが近い将来,映像転送レートの高速化,機器のコストダウンに よってネットワーク化の動向が活発化 [7]してくると思われる.全米家電協会(CEA)主催 のConsumer Electronics Show 2014において多くの新製品が発表され,プロトタイプの展 示がされている.映像配信分野では4K高精細映像が注目されており,従来のSD(Standard Definition) やHD(High Definition)といった規格から画素数向上による高画質化がされて きている.コンシューマ向けに限らずビジネス用途まで幅広い分野で映像配信を扱う機会が 増加している.全体の動画配信市場としてはテレビ放送,映画,映像ソフトが挙げられる. これらに次いで第四の映像マーケット市場として動画配信が急成長してきている.映像配 信ビジネス規模として野村総研による有料VOD市場の成長予測[5]を図1.1に示す.20121.2 研究目的 測されている.スマートフォンやタブレット端末,無線LANなどの設備を背景に携帯端末 の増加幅が大きく,次いでテレビ,PCの順となっている.映像配信閲覧機器の普及背景に Internetプロバイダにおいて顧客獲得のためにオンデマンド型の映像配信ビジネスをサービ スとして展開しており,顧客数も年々増加の一途を辿っている.NTTコミュニケーションズ が運営する国内最大級の基幹回線を有するプロバイダ事業のOCNでは,常時約30,000本 の映像を提供しており,今後も映像コンテンツ数の拡大傾向が想定される.現在,Internet を介してクライアントに配信される映像レートは100Kbps∼数 Mbpsである.しかし,映 像が高品質になるにつれ伝送レートの拡充が見込まれる.例えば,4K超高精細映像の動画 をFTTH環境で視聴する場合,宅内のルータ,ハブ等のネットワーク機器のスループットや NIC(Network Interface Card)の性能を加味して,最低600Mbpsの伝送レートが必要とな る.現在このレベルの伝送レートを持つVODサービスは存在しておらず,今後はクライア ントからの要望やプロバイダにおける設備の技術進歩により高品質な映像への需要が高まっ てくると考えられる.このような現状を踏まえて,ビジネスにおける映像配信システムでは 一クライアントに対して600Mbps程度のレートに対応できるシステム機構が必要になると 思われる.以上のように,オンデマンド型の映像配信ビジネスを対象とするシステム構成に は高い配信性能が求められる.このことから配信性能の要素であるQuolity of Serviceに着 目し,他の動画配信サービスとの比較優位に得る手段として,映像画質の向上を目指す.
1.2
研究目的
Internetプロバイダにおけるオンデマンド型の映像配信ビジネスをサービス対象とし,従 来のHigh Definition,Full High Definition等の画質に加え,4K超高精細映像の再生,閲 覧に関する制御機構の提案を目的とする.1.3 論文構成
図1.1 VOD市場の成長予測
1.3
論文構成
本論文は前述した背景を踏まえ,VODサービスにおける4K超高精細映像の再生,閲覧 に関する配送手法の確立を実現することを目的に実施している.実現のため,配送システム では映像配信サーバとCDN(Contents Delivery Network)キャッシュサーバを主軸とした
提案をする. 本論文は本章を含めて全 6章で構成される.第2章では本研究で取り扱う VOD配信システムの通信方式と既存技術であるCDN,高精細符号化方式について説明を 行う.第3章では,4K超高精細映像に対応させるための必要事項について説明する.さら に既存技術の問題点を明確にした上で本研究の新規性について説明する.第4章では提案シ ステムの構成,手法について説明し,第5章では提案システムの有用性を検証するためにシ ミュレーションによる評価を述べる.第6章では,4K超高精細映像配信に対応したVOD サービス転送制御に関する本研究の総括を述べ,結論を述べる.
第
2
章
VOD
映像配信システム
本章ではまず,動画配信サービスであるVODサービスについて述べる.次に,VODサー ビスで用いられるプロトコルを4種類述べる.その内訳は,TCP/IPで使用される2種類 のプロトコルと実際の映像を配信制御するプロトコル 2種類となる.各プロトコルについ て説明を加えた後,それらを用いた映像配信方式と機器間の接続方式について記述する.最 後に,現在の映像配信システムにおける,構成要素と基本動作に加え,障害対策技術である CDNについて解説する.2.1
VOD(Video On Demand)
サービス
VODサービスとは,顧客の要求に応じて,映画やドラマ,アニメといった様々な番組を 好きな時間に視聴できるサービスである.このことより,DVDやBlue-ray Diskといった 映像記録媒体をレンタルしなくても,動画を視聴することができる.VODサービスの例と してはHuluやU-NEXT が挙げられる.コンテンツ数として,前者は10,000本,後者は 87,740本を提供している.このサービスはオンデマンド型の配信形式を採用することで,リ アルタイム性を重視している.VODサービスを提供するには,映像を保管するサーバと視 聴端末に映像データを配送するための伝送路が必要となる.2.2
VOD
サービスで用いられるプロトコル
VODサービスで用いられるプロトコルとして,TCP/IPモデルにおけるエンドツーエン ドを定義するプロトコルを2種類,動画や音声を転送するためのプロトコルが2種類用いら2.3 映像配信ネットワークのプロトコル
れている.ここでは,各プロトコルの詳細を述べる.
2.2.1
TCP(Transmission Control Protocol)
TCPはあるマシンがl送出したバイト・ストリームをインターネット上の他のマシンに 誤りなく届けるための,コネクション指向の高信頼プロトコルである.入力したバイト・ス トリームを個別のメッセージに分割してそれぞれインターネット層に渡す.宛先では,受信
TCPプロセスがそれらを出力ストリームに再構築する.また,TCPは速い送信者が遅い受 信者を処理しきれないメッセージの泥沼に入れないようフロー制御を行う.
2.2.2
UDP(User Datagram Protocol)
UDP はTCP の順序制御やフロー制御を必要とせず,独自のものを用意したいアプリ ケーションのためのコネクションレスプロトコルである.1回きりのクライアント・サーバ 型の要求/応答,問い合わせ,音声や映像コンテンツの伝送のように,速い配送が正確な配 達よりも重要であるアプリケーションに用いられる.VODの配送制御ではUDPが用いら れる.
2.3
映像配信ネットワークのプロトコル
映像コンテンツや音声情報が多重化されているパケットをIPネットワーク上で配信する ためには,広帯域ネットワークで伝送するための上位レイヤプロトコルが必要となる.ここ では,映像や音声情報を転送するRTPと送受信を制御するRTSPについて説明する.2.3.1
RTP(Real time Transport Protocol)
RTPはペイロードにメディアデータを搭載する転送プロトコルである.VODサービス 以外では,IP電話といった音声伝送に用いられる.下位レイヤのプロトコルがUDP(User Datagram Protocol)となる.例として,IP電話では呼制御プロトコルとしてSIP(Session
2.3 映像配信ネットワークのプロトコル Initiation Protocol)が使用されている.電話をかける,呼び出す,通話可能状態になる,転 送する,保留するといった状態遷移制御を行った上で,音声データはRTP/UDPを用いて 端末間で送受信する方式が取られる.VODサービスでは,視聴許可を与える等の視聴開始 前の情報送受信はHTTP等のプロトコルで行われるが,視聴中はRTPを用いた制御が行 われる.
2.3.2
RTSP(Real Time Streaming Protocol)
RTSPは呼制御プロトコルの1つで,映像コンテンツ配信に関するサーバとクライアント の前段となる情報の交換を制御する.これらの情報にはサーバの配信フォーマットやビット レート,クライアント端末の再生能力の情報が含まれる.また,クライアント端末から映像 の一時停止,スキップ再生,早送り,巻き戻し等の要求を制御し実現する.VODサービス におけるRTSPの制御の流れを図2.1に示す. 図2.1 RTSPの制御の流れ まず,クライアント端末からBML を通じてポータルサーバから試聴コンテンツのリス
2.4 映像配信ネットワークの接続方式 トを取得する.次に視聴コンテンツの開始要求を行い,RTSPサーバに処理を依頼する. RTSPサーバはクライアントからの処理に応じてメディアサーバよりRTPにより映像配信 を行う.最後にクライアントから視聴終了要求が発生するとRTSPサーバで終了制御を行 い,映像の視聴を終了させる.
2.4
映像配信ネットワークの接続方式
VODサービスでは,映像コンテンツの配信手法として,ユニキャストおよびマルチキャ ストの2通りがある.各配信方式を以下に示す.2.4.1
ユニキャスト
ユニキャストはサーバとクライアントの間で1 対 1による接続で構成される方式であ る.構成図を図2.2に示す.ユニキャストはセッションベースのプロトコルであり,TCPと UDP両方に対応する.クライアントがユニキャストを用いてサーバに接続する際に,クラ イアントとサーバは直接的な関係を持つ.サーバに接続する各クライアントは追加の帯域 幅を使用する.例えば,10クライアント全てに対して100Kbpsのストリーム伝送を行う場 合,これらのクライアントは一つの群として見做し,1,000Kbpsを使用する.1クライアン トにのみ100Kbpsのストリーム伝送を行う場合は100Kbpsのみの使用となる. 図2.2 ユニキャスト接続方式2.5 映像配信方式
2.4.2
マルチキャスト
マルチキャストは本来の意味ではブロードキャストを指す.サーバとクライアントの間で 1対多により接続される方式である.構成図を図2.3に示す.マルチキャストが有効なルー タを使用し,クライアントに受信させている全てのクライアントサブネットにパケットを伝 送する.ユニキャストと違いサーバとクライアントの間で直接的な接続を持たない.マルチ キャストを受信する各クライアントはサーバに対して余分なオーバヘッドを発生させない. マルチキャストグループごとにデータストリームを1つ送信し,クライアント数が変化する 場合でもサーバの負荷は均一となる. 図2.3 マルチキャスト接続方式2.5
映像配信方式
動画コンテンツの配信方式として,ダウンロード方式,プログレッシブダウンロード方式, リアルタイムストリーミング方式の3つが挙げられる.各配信方式を述べる.2.5.1
ダウンロード方式
ダウンロード方式はWeb上に存在する最も基本的な種類の配信の形式である.この形式 でダウンロードされるファイルは他のファイルと同様に,ローカルのストレージにダウン ロードされる.ダウンロード形式の利点として,ストリーミング中にリアルタイムでの再生2.5 映像配信方式 をエンドユーザが期待しないことにより,ブラウザがダウンロード型のファイルの大きさを 明示することができる点である.このことより,高いデータレートの確保が期待できる.ま た,ダウンロード先がローカルのストレージとなるため,各ユーザが各々でファイルをダウ ンロードする必要はなく,ユーザ間同士でファイルの共有ができる.ここから1ユーザあた りの帯域幅コストの抑制にも繋がる.欠点として,ダウンロードが完了するまでファイルの 展開が行えない点が挙げられる.必要でないファイルと判断できるまでは,ダウンロード終 了までの時間を費やさすリスクが発生する.
2.5.2
プログレッシブダウンロード方式
プログレッシブダウンロード方式はファイルをPCのキャッシュにダウンロードすると同 時にダウンロードされた箇所から順次再生する方式である.ダウンロード中のファイルは FTP,HTTPなどの標準プロトコルを使用して送信され,ユーザはすでに送信された部分 を残りが送信中でも表示される.大部分のフォーマットはダウンロードの残り時間がクリッ プのデュレーション以下になると,自動的に映像の再生が開始される.このフォーマットを 使用すると,映像を再生しながらダウンロードを完了させることが可能になる.この時に, 映像再生がダウンロード中のデータに追い付くと再生が中断される.プログレッシブダウ ンロードはHTTP,FTP等のプロトコルを介して全てのパケットを配送させるため,リア ルタイムストリーミングに関連する映像とオーディオにおいてスイッチやボリュームが変 化した際に発生する劣化の影響を受けない特徴を持つ.100KBpsのリンク帯域幅の接続で 200KBpsのファイルを再生すると,10分の長さを持つ映像の場合,20分のバッファが必要 となる.100KBpsのリンク帯域幅の接続で 200KBpsのファイルをストリーミングするこ とはできない.このことから,プログレッシブダウンロード方式はクライアント端末のバッ ファリング処理にリアルタイム性が影響される.よって,完全なリアルタイムパフォーマン スは実現できない.2.6 映像配信システムの構成概要
2.5.3
リアルタイムストリーミング方式
リアルタイムストリーミング方式は,基本的にはプログレッシブダウンロードと同様の制 御を行う方式である.極僅かな時間バッファリングした後,映像を表示する体験を提供する. プログレッシブダウンロードとの違いは,映像品質についてのグリッチやデータレートの制 限を設ける点である.理由として,リアルタイムストリーミングがエンドユーザに対してリ アルタイムパフォーマンスとランダムアクセスの要求を実現するためである.映像コンテン ツの長さに囚われることなく,ファイルの再生をすぐに開放することで,ユーザは視聴した いシーンにスキップすることができる.大多数の映像フォーマットとしてユーザの接続速度 に合わせて動的に適合させるスケーラビリティを持ち合わせている.2.6
映像配信システムの構成概要
システムの構成を図2.4に示す.全ての映像コンテンツを一括管理し,格納するサーバを 中心に,クライアントの端末から近い箇所にキャッシュサーバを配置する.キャッシュ方式 は視聴頻度の高い映像コンテンツをキャッシュする構成をとる.映像コンテンツを管理配信 するサーバは輻輳発生時の障害対策としてバックアップ機能を兼ねる.映像コンテンツ管理 配信サーバとキャッシュサーバのリンクはCDN(Content Delivery Network)により接続さ れ,キャッシュサーバとクライアントのリンクはIPv6で結合される.クライアントからの リクエストはキャッシュサーバで受け,リクエストされた映像コンテンツがキャッシュサー バに格納されている場合は映像コンテンツ管理配信サーバを介さず,キャッシュサーバから 配信する. キャッシュサーバでのキャッシュ方式はZipf方式が適用される.ユーザが視聴する映像コ ンテンツは中央のコンテンツ管理配信サーバで格納している映像コンテンツの一部となる. 例として,提供する映像コンテンツの 1割が8割のユーザに視聴されていると仮定する場 合,その1割の映像コンテンツをキャッシュサーバに格納すれば,8割のユーザに対しては キャッシュサーバからの配信にすることができる.残りの2割のユーザがコンテンツ管理配2.6 映像配信システムの構成概要 図2.4 映像配信システムの構成 信サーバからの配信となる.システム全体の処理能力を向上させるには,キャッシュ方式に Zipf方式を適用し,キャッシュサーバのストレージ容量を視聴されているコンテンツに合わ せてキャッシュサーバの台数やストレージ容量を増設していくことが必要である.
2.6.1
映像配信サーバの動作
現在,映像配信に使用するサーバはコスト面から汎用PCやWS,コンテンツ格納専用ス トレージからの構成が主流となっている.映像配信サーバがクライアントに対して映像を配 信する処理の構成手順を図2.5に示す.クライアントからのリクエストを受信した後,スト2.6 映像配信システムの構成概要
レージからバッファメモリを読み出し,バッファリングを行う.その後バッファ内の格納さ れている映像データをクライアント端末に配信するプロトコル処理を逐次行う.これら一連 の処理をクライアント端末の数だけ時分割処理を順番に行うことにより映像コンテンツの並 行配信を実現している.映像配信サーバの性能はストレージからの読み出し速度とストレー ジからHBA(Host bus adapter)を経由してバッファメモリに転送する速度,プロトコル処
理を施しNIC(Network interface card)に転送する速度の3点で性能が判断される.これら の速度は主にCPUリソースによって左右される.
図2.5 映像配信サーバがクライアントに対して映像を配信する処理の構成手順
2.6.2
キャッシュサーバの動作
VODサービスで用いられるキャッシュサーバの基本的な動作は映像配信サーバと変わら ない.映像配信サーバと同じく,クライアントからのリクエストを受信した後,ストレージ
2.6 映像配信システムの構成概要 からバッファメモリを読み出しクライアントに対して映像配信を行う.映像配信サーバとの 違いはオリジナルのコンテンツを映像配信サーバから転送される処理が存在する点である. これより,映像配信サーバはキャッシュするコンテンツを選定し,キャッシュサーバまで転 送する.ユーザの映像コンテンツ視聴の時間変動と共に対応したキャッシュの削除を行う. キャッシュサーバにおけるキャッシュ処理の流れを図2.6に示す. 図2.6 キャッシュサーバにおけるキャッシュ処理の流れ キャッシュサーバは映像配信サーバからキャッシュの書き込み要請が転送されると,自身 のストレージに対して新規にキャッシュデータの書き込み処理が実行される.このキャッシュ に対してクライアントからのリクエストがヒットすれば,クライアントに映像配信が行わ れる.ここで,リクエストがヒットしなければ,映像配信サーバからの配送となる.キャッ
2.7 既存技術
シュするコンテンツの選定はクライアントがリクエスト履歴をもとに推定を行う.推定の精 度が高ければ映像配信サーバとキャッシュサーバ,クライアント間で行われる制御手順を省 ける結果となり,VOD配信システム全体の障害発生抑制に繋がる.
2.7
既存技術
2.7.1
CDN(Contents Delivery Network)
CDN(Contents Delivery Network)とは,デジタルコンテンツを広大なネットワーク経 由で配信するために最適化されたネットワークのことである.HTML(Hyper Text Markup Language)などのファイルと比較すると音楽や動画ファイルはサイズが大きくなり,一つの サーバから配信を行うとサーバや配信経路に多大な負荷がかかる.この問題を解決するため にCDNを用いてコンテンツを複数の拠点に配布ポイントとして分散させ,エンドユーザの 近隣拠点から配信を行うことでスムーズな配信と負荷分散を実現することができる.構成要 素として,コンテンツの配信元となるオリジンサーバとコンテンツのコピーを保持して配信 するキャッシュサーバから構成される.キャッシュサーバの近さを示すメトリックとしては 地理的な距離やネットワークトポロジにおける距離,要求,応答にかかる遅延時間が考慮さ れる.VODサービスにおけるCDNでは,ユニキャスト配信方式の距離を短縮することで 配信システムのトラフィック量を低減し,キャッシュサーバを分散配置し各サーバに掛かる 負荷を分散している.また,ユニキャスト通信方式により,ユーザの認証や課金に関する管 理が容易になる特徴を持つ.
2.7.2
高精細符号化方式
H.265/HEVC(High Efficiency Video
Cod-ing)
H.265/HEVC は映像コンテンツ高精細符号化方式の一つである [4].H.264/MPEG-4 AVC(Advanced Video Coding)の後続フォーマットとして国際電気通信連合,電気通信標 準化部門ITU-Tで2013年1月25日に,以後10年間をサポートする企画として承認されて
2.7 既存技術 いる.H.264/MPG-4 AVGと比較し,約2倍の圧縮率を有する特徴を持つ.H.265/HEVC の符号化ブロックと技術 [6]を図2.7に示す. 図2.7 H.265/HEVCの符号化ブロックと技術 H.265/HEVCはH.264/AVCと同様に符号化されたフレームから動きを検出し,推定す る.その後予測推定信号を作成して予測残差信号を直交変換し符号化を行う.動き補償と直 交交換をベースとしており,改良を加え従来比で約 2倍の圧縮性能を実現している.エン トロピー符号化方式をCABAC(Context Adaptive Binary Arithmetic Coding)に統一し, 計算コストを削減した構成となっている.以下に特徴となる技術を示す. 木構造の予測・変換ブロック分割技術 木構造の予測ブロック分割の変換を図2.8に示す.木構造を用いて処理単位をブロック で分割し,その中の予測ブロックサイズを更に変換を行う.一番大きなテクスチャでは 超高精細映像を前提に64× 64画素,変換では32× 32画素を用いてデータ量を削減 する.一番小さいテクスチャ部分での動き予測は8× 4画素または4× 8,画面内予測 変換は4× 4まで使用することが可能である.これらのブロック分割は木構造で行わ れる. 視覚的画像劣化抑制技術
2.7 既存技術 図2.8 木構造の予測ブロック分割の変換 動き検出予測の際に発生するエッジ周辺のフィルタを追加することで信号波形による歪 み(限定された帯域を持つ電子回路において入力信号が突如変更された際に生じる)を 抑制する.このフィルタは歪み発生をの有無や方向を検知し,フィルタの適用を動的に 適用する.
2.7.3
MPEG2-TS(Transport Stream)
MPEG2-TSは画像,音声,データ放送の負荷情報,及びそれらを連携させる制御情報 をそれぞれ個別のパケットとして構成する方式である.データ転送の際は多重化を前提と する.制御情報及び画像,音声等各パケットに時刻同期情報を含むため,受信したクライ アント端末で同時間軸に基づいてコンテンツの再構築を行い,再生することが可能である. MPEG2-TSの構造を図2.9に示す. MPEG2-TSにはProgramNumberでグループ化されたTSパケット群が含まれる.IP 放送の場合,チャネル番号をProgramNumberと対応させることで複数のチャネルの配信 を1つのTS配信内で多重化した後に送信する.クライアント側で多重化されたチャネルを 個別に識別し再構築を行う.ProgramNumberには映像や音声,制御情報を表現するTSが 含まれ,PID と呼ばれるパケット識別子ID で判別する.以下にTSの種類について記述 する.2.7 既存技術
図2.9 MPEG2-TSの構造
PSI(Program Specific Information)情報
ProgramNumberのTS群の識別情報を格納する.PMT(Program Map Table)は同じ
ProgramNumberのTSのPID情報を格納し,CAT(Conditional Access Table)は視 聴に関する権利情報を格納する.
SI情報
番組表の付加情報を格納する.EIT(Event Information Table)は番組表の元となる番 組構成情報テーブルを格納し,NIT(Network Information Table)は伝送ネットワーク 情報やチャンネル情報を格納する.
2.7.4
ビデオアドミッションコントロール
ビデオアドミッションコントロールは,映像ストリームを構成するパケットフローを制 御する技術である.ISP(Internet Service Provider)はIPを通じて映像品質を行っている. ユーザ数の増加に伴い,帯域幅の圧縮が課題として挙げられる.この課題の対応策として, ネットワークサービスレイヤで稼働する規定に基づいて,ネットワークキャパシティと効果 的な投資との間でバランスのとれたソリューションを実現する必要がある[3].ビデオアド ミッションコントロールはトランスポートネットワークに冗長性とロードシェアリングパス
2.7 既存技術
をもつ複雑なトポロジ,エンドユーザが加入しているサービスに関する制約を適用する可能 性のあるアクセスリンクの利用ポリシーを考慮している.ここから,VODサービス提供者 は有料VODや無料VOD,その他の異なるサービスと差別化を図ることが可能である.
第
3
章
4K
超高精細映像に準拠した
VOD
映像配信サービス
本章ではVOD配信サービスの配信要素に対象を絞り,4K超高精細映像を映像配信サー ビス市場に流入させるための要求条件を示すとともに,コンテンツ配送に関する問題点と課 題を模索する.ここから,4K超高精細映像の安定供給を最終目標とする.現在最も普及さ れている伝送手段は,Gigabit Ethernet 1000BASE-Tによるものである.映像配信サーバ とクライアント間のリンク帯域幅の論理値は1Gbpsとなるが,実測値はこの値より更に低 下する.以上の環境を踏まえて,検討すべき要求条件を以下に示す. 検討課題1 4K超高精細映像の配信を考慮した上で,CDNを用いた場合のサーバ,クライアント 間における新規接続方法 検討課題2 既存の映像リソースであるSD,HD画質の4K超高精細映像へのコンバート構成3.1
4K
超高精細映像を配送するための伝送路問題
本研究では4K超高精細映像を配送する伝送路規格として1000BASE-Tを想定している. このEthernetケーブルの基本帯域は1Gbps と規定されている.しかし,この値は規格の 理論値であり,実際にユーザが自由に使用できる帯域と比較すると差が生じる.実効速度 の値は548Mbpsまで減少する.1000BASE-Tを用いて,4K超高精細映像を配送するには3.1 4K超高精細映像を配送するための伝送路問題 548Mbpsにまで映像コンテンツのビットレートを抑える必要がある.
3.1.1
1000BASE-T
における論理値と実測値
伝送路を流れるフレームを図3.1 に示す.横軸は時間を表し,左からフレームが流れて いる.実際のイーサネットフレームは宛先MAC アドレスからFCSまでの最後までの値と なり,64∼1518byteまでの可変値となる.ここから実際のユーザが使用できる領域は46∼1500byteまでの可変値となり,変動率は実際送りたいデータの内容で変化する.IFG(Inter Frame Gap)はイーサネットから次のフレームを送るまでの間隔であり,最小値は12byte
である.プリアンブルはイーサネット機器に対してフレームの送信間隔を合わせる仕組みで ある.これの大きさは1byteである.これより,イーサネットフレームは宛先MACアドレ ス6byte,送信元MACアドレス6byte,長さ/typeが2byte,ユーザデータが46∼1500ま での可変値,FCSが4byteとなり,実際のイーサネットフレームはこれらを合計して64∼ 1518byteとなる. 論理値は IFG とプリアンブル,SFD を含めた値となる.ユーザデータ領域が 46∼ 1500byteと可変する点について,本研究では4K超高精細映像の配信保証の観点からユー ザ領域が基も低い場合である46を基準とする.伝送路全体に対するイーサネットヘッダを 含むイーサネットフレームを流れる効率は76.2%となる.ユーザデータ領域のみで判断す ると,54.8%となる.以上より,1000BASE-Tを用いた伝送路効率の実測値は548Mbpsと なる. 図3.1 伝送路を流れるフレーム
3.2 4K超高精細映像
3.2
4K
超高精細映像
4K超高精細映像は,表示パネルの画素数がHDTVの4 倍とする規格である.4K超高 精映像の画素数を図3.2に示す.HDの解像度を水平方向と垂直方向に2倍ずつ拡大した映 像である.有効垂直解像度 2160本で順次走査を行う.1フレームにおけるデータ容量は約 8.2Mpixelであり,画素総数は829 万4400画素となる.画面アスペクト比は 16:9と規定 される.表示の鮮明さから,人間の目にはステレオ3D以上の立体物を感じる.正方形比率 ピクセルとして3840× 2160画素と4096× 2160画素の映像を指す.前者は放送や通信事 業者,家電メーカー向けの技術開発に使われる解像度で,2013年のInternational CESで ITU(国際電気通信連合)によって策定されている.後者は映画関連の業界団体がデジタルシ ネマ向けに定めたものである.こちらはデジタルシネマの標準化団体DCI(Digital Cinema Initiatives)で策定されている.VODサービスとしての普及は,米大手のNetflix社におい ても配信実験段階である.近年ではテレビに加えて,スマートフォンやタブレット端末にも4K超高精細映像を付加する動きが見られる.4K超高精細映像は様々なコンテンツへの期 待とともに,映像配信業界,家電業界が注目している規格である.
3.3 要求条件
3.3
要求条件
前章で説明したVODサービスの映像配信システムの中核が,映像配信サーバとキャッ シュサーバである.これら2サーバに将来的に4K超高精細映像VOD配信システムの適用 を考慮した時の求められる条件について示す.3.3.1
映像配信サーバの条件
映像配信サーバに求められる条件を表に示す.大きく分類すると 3 種類に区分され る.サーバ自身に関する条件,コンテンツに関する条件,サービスに関する条件である. サーバに関する条件では,映像配信時における転送レート,ストレージ容量,クライアン トからのリクエスト応答時間等が挙げられる.コンテンツに関する条件は,映像圧縮方式 (H.264/AVC,H.265/HEVC等),映像の解像度,動画の滑らかさに影響を与えるフレーム レート等が挙げられる.サービスに関する条件では映像コンテンツの検索機能,スキップ, 早送り,巻き戻し等が挙げられる. 本研究の目的は 4K超高精細映像を VODサービスに取り入れることであり,映像配信 サーバに対しては,伝送路の確保を優先する.コンテンツ視聴中に映像が途切れないよう に,伝送レートの制約を踏まえた上でH.265/HEVCを用いたコンバートやフレームレート, 映像レートの調節を行う必要がある.映像配信サーバは映像素材レートの条件として,4K 超高精細映像を想定し,クライアント端末とキャッシュサーバ間のリンク帯域幅をGigabit Ethernet 1000BASE-Tに則り,3.1.1節より,実測値548Mbpsとする.3.3.2
キャッシュサーバの条件
キャッシュサーバの動作は前章で述べた通り,基本的に映像配信サーバと同じとなってい る.構成に関しは映像配信サーバの機構を流用することができる.キャッシュサーバはクラ イアントからのリクエストを元に,キャッシュする映像コンテンツを映像配信サーバで選択 する.従来の解像度SD(Standard Definition)画質からFHD(Full High Definition) まで3.3 要求条件 表3.1 映像配信サーバに求められる条件 3.3.1 分類 条件 サーバ関連 配信レート ストレージ容量 要求応答時間(クライアントからのリクエスト応答) コンテンツ関連 高精細符号化方式(H.264/AVC,H.265/HEVC) 映像解像度(SD,HD,4K) フレームレート(29.97,・・・ frame/sec) 映像レート(Mbps,Gbps) サービス関連 検索機能 早送り,巻き戻し スキップ 一時停止 に加え 4K超高精細映像のキャッシュも追加する.キャッシュのヒットしたクライアントに 対して映像配信を行うと同時に,映像配信サーバからのキャッシュも蓄積する.結果として, 制御手順の増加に伴う処理速度の低下が懸念される. キャッシュサーバでのキャッシュの格納とクライアントへの映像データ配送同時に制御す る過程を図3.3に示す.横軸は時間を示す.映像配信サーバからのキャッシュを格納した後, キャッシュデータを格納するまでに,クライアントからのリクエスト要求処理を開始して いる. キャッシュサーバにかかる負荷を低減させるためには,キャッシュサーバのストレージの 拡充とリクエスト数からの推定にかける計算時間を減少させることが挙げられる.前者の キャッシュサーバの容量拡大は,VODサービス提供者の設備投資に依存する.キャッシュ サーバにかける費用を大きくすることで,映像配信サーバからのキャッシュを多数格納する ことができる.後者のリクエスト推定精度を向上させる手法は,キャッシュアルゴリズムの
3.4 映像システムを構成する際の技術課題 精度を向上させることであり,結果的に設備投資を行わなくても,システム全体の安定稼働 に繋がる. 図3.3 キャッシュ格納とデータ配送過程
3.4
映像システムを構成する際の技術課題
前節では,4K超高精細映像に対する映像配信サーバとキャッシュサーバの条件,4K超高 精細映像を配送するための伝送路問題を明確にした.現在,映像配信サーバは,汎用のPC やWSで賄われている.4K超高精細映像をVODサービスとして配信するためには映像配 信サーバからクライアント間における大規模パスが必要となる.本章冒頭で述べた,検討課 題1に対しては,既存技術である分散方式,CDN方式を用いた新たな構築を行うことによ り課題を解決する.検討課題2に対しては,SD,HD等の各画質に対してアップコンバー トを施すことにより,4K超高精細映像の視聴を実現する.3.5
研究の新規性
本章の最後に本研究の検討項目における新規性について説明する.従来では,VODサー ビスとして,4K超高精細映像を付加することは想定されていない.これまでは,4K超高精 細映像が企画の段階でしか存在しておらず,配信に関しては実験段階である.VODサービ スの保有するコンテンツの種類もSD画質,HD画質が大多数を占めている.ユーザが4K3.5 研究の新規性 超高精細映像を視聴できる環境が整っている場合でも,VODサービスのコンテンツに対応 フォーマットが存在していなければ映像を試聴することはできず,需要に答えることができ ない.4K超高精細映像を扱える家電製品が徐々に浸透してきている中で,既存の放送規格 だけでなくオンデマンドサービスとして映像コンテンツの拡充は急務である.本研究で提案 する方式はこれらの問題を解決するための方式であり,4K超高精細映像をオンデマンドに 試聴することの実現から,十分に新規性が存在する.
第
4
章
提案システムの構成
本章では,提案するシステムの技術要素を述べ,それらを用いたVOD配信システムの構 成を述べる.4.1
アップコンバート
アップコンバートはデジタル化によって情報が失われた画像,音を算術的な補完技術を用 いて高い品質にすることである.主に低い解像度のデータを高い解像度に補完することを指 す.現在ではSD画質の映像を HD画質へ拡充する事が多く,Blu-ray Discレコーダーや DVDプレイヤー,テレビの機能評価指標の一つとされている.4.2
システム構成
提案システムの構成要素は,コンテンツ管理配信サーバ,アップコンバートサーバ [1], SLA認証サーバ,メタデータサーバ,CDNキャッシュサーバ,クライアントの6点で構成 される.提案方式のシステム構成を図4.1に示す.コンテンツ管理配信サーバ,アップコン バートサーバ,SLA認証サーバ,メタデータサーバはVODサービス提供者のバックボー ンに配置する.CDNキャッシュサーバはインターネット上に分散配置する.提案方式では CDNキャッシュサーバを多段構成とする.多段構成の分散格納方式は,クライアント側の ネットワークインタフェースから構成される汎用スペックを基に数値と時間変動モデルによ る配置を行う.4.2 システム構成 図4.1 提案方式システム構成
4.2.1
CDN
キャッシュサーバ多段方式の有用性
CDNキャッシュサーバを多段構成とする理由は,アップコンバート要求に対応させるた めである.分散方法はクライアントからのリクエスト数の増減とアップコンバート要求の増 減による振り分けを行う.ここから,振り分けの場合分けを4パターンが考えられる.以下 に各パターンを示す. パターン1 リクエスト数が少ないが,コンバート要求は高い パターン2 リクエスト数が少なく,コンバート要求も低い パターン3 リクエスト数が多く,コンバート要求も高い パターン4 リクエスト数が多いが,コンバート要求は低い4.2 システム構成
上記の条件において,パターン1とパターン4がCDN Cache Level として2か3に相
当する.また,パターン2が CDN Cache Level 1,パターン3がCDN Cache Level 4に 該当する.これらCache Levelに対応する配置を図4.2に示す.ここで,多段構成の上層に はCache Level 4の領域に該当するコンテンツがキャッシュサーバにキャッシュとして格納 される.反対の最下層には Cache Level 1の領域に該当するコンテンツがキャッシュサーバ に格納される. リクエスト数とコンバート要求に応じて,コンテンツ管理サーバが映像コンテンツの キャッシュを振り分ける.この振り分け分散方式によって4K超高精細映像を取り入れたシ ステムの負荷分散を実現することができる. 図4.2 Cache Levelに対応する配置
4.2 システム構成
4.2.2
コンテンツ管理配信サーバ
コンテンツ管理配信サーバは自身が保持している映像コンテンツの管理を行うと共に, CDNキャッシュサーバに格納しているキャッシュ情報についても同様に管理するサーバであ る.基本的な制御動作は2.3.1節で述べた制御と同じである.コンテンツはリストによって 管理を行う.コンテンツリストはCDNキャッシュサーバのIPアドレスとコンテンツ情報 を格納し,保存する.以上より,コンテンツ管理サーバは全ての映像コンテンツの所在を把 握するサーバとなる.コンテンツサーバリスト[2]の例を以下に示す. 表4.1 コンテンツサーバリストの例 CDNキャッシュサーバのIPアドレス コンテンツ名 111.101.xx.xx abc.avi 111.101.xx.yy def.avi 111.101.xx.zz ghi.avi : :4.2.3
アップコンバートサーバ
アップコンバートサーバは映像コンテンツに対してアップコンバートを施すサーバであ る.従来のSD画質,HD 画質の映像コンテンツに対して,新たに 4K超高精細映像への アップコンバートモジュールを含むサーバを実装する.既存のVODコンテンツに算術的補 完技術を施すことにより,SLAに準拠したアップコンバートを提供する事が可能となる.4.2.4
SLA
認証サーバ
SLA認証サーバはVODサービスの帯域幅,及び品質要件を基に,加入者サービス関す る制約をレベル毎に分割する.SLAはQoE(Quolity of Experience)によって定義される場 合が多い.IPTVの場合,VODサービスプロバイダはアプリケーションエクスペリエンス4.2 システム構成 ベース,つまりブロードキャストサービスで提供するチャネル数やビデオの品質,ビデオラ イブラリの容量,ユーザインタフェース,ビデオ録画機能,双方向機能に基いてサービス設 定を行う.SLA認証サーバはサービス加入者毎のQoSを適用し,認証する.ここでの認証 は非常に重要な点である.例えばユーザが映像コンテンツに対して早送りを要請し,一定時 間帯域幅を増幅させた場合は,このユーザのQoSだけを変更する必要がある.
IPTVに対するSLAに準拠したQoS保証
IPTVはパケットに対して柔軟でない.理由として,IPTVは圧縮率が高いため,映像パ ケットが欠損するとエンコード情報やデコード情報を失ったり,ピクセレーション,画像フ レームの損失といった可視的な劣化が考えられる.QoSのエクスペリエンスとして許容す できるビデオ品質は2時間の映画1本あたり,1回の可視的劣化しか認められていない.こ れはQoSに換算すると100万(10の6乗)個のパケット損失が1回分の可視的劣化に相当 する.IPTVを提供するサービスプロバイダの映像配信市場ではこの10の6乗個の損失が 要件として求められる.
4.2.5
メタデータサーバ
メタデータサーバは復号化に必要な映像コンテンツの情報をエンドユーザに伝え,再生要 求を行うためのユーザインタフェースを提供するサーバである.コンテンツ管理配信サー バに対しての再生要求に先立ち,再生制御に必要なファイルを取得する.再生制御ファイル はユーザインタフェースの生成要素となり,BML(Broadcast Markup Language)よるポータル画面か,メタデータサーバより提供されるメタデータを基に,受信機側で生成される
4.2 システム構成 再生制御ファイルの情報構成 再生制御ファイルはクライアントから要求のあったコンテンツの再生とその制御,権利保 護試聴するユーザの個別の再生といった単位毎に構成される.単位毎の情報はXML形式の ファイルで必要に応じて参照される.再生制御ファイルに記述される内容を示す. 表4.2 再生制御ファイル記述内容 情報単位 制御内容 コンテンツ固有の情報 コンテンツの配信要求先 コンテンツの再生制御情報 VODが対応するトリックプレイ コンテンツの権利保護情報 ライセンスの習得に必要な情報 コンテンツ再生に関する情報 ユーザ毎のコンテンツ開始位置情報
4.2.6
CDN
キャッシュサーバ
基本動作は 2.3.2節で述べた動作と同じである.提案方式の CDN キャッシュサーバは IPv6上に分散配置し,多段構成とする.多段階の具体的な数値は,アップコンバートされ た映像コンテンツに対する品質測定値を指標とし,n/100とする.nの値はキャッシュアル ゴリズムZipf 法則を使用し,クライアントとの地理的距離,ネットワークトポロジにおけ る距離,要求,応答時間を基に決める.これは大容量のデータ転送を必要とする帯域確保を 優先することを目的に制御する.また,Zipf法則を用いたキャッシュ方式はリクエスト数の 平均値が時間に対して一定で,映像タイトルごとの常に変わらない仮定のもとで行われる.4.2.7
クライアント
クライアント端末はVODサービスを利用するための視聴端末である.ユーザが直接映像 コンテンツに対して,トリックプレイの要求を出すことで,再生制御ファイルに履歴として 記録される.4.3 提案システムのシーケンス
4.3
提案システムのシーケンス
提案システムの制御シーケンスを図4.3に示す.まず,クライアントはSLA認証サーバ より提供されるBML(Broadcast Markup Language)による BMLブラウザよりコンテン ツを選択する.次にクライアントは再生制御ファイルをHTTP プロトコルを用いてメタ データサーバより取得する.次にクライアントはSLAの制約範囲でライセンスの取得要求 を行う.この時点でライセンスを所持していた場合は,SLA認証サーバでのライセンス発 行はスキップされる.ライセンスを受け取った後,クライアントは映像コンテンツ要求を行 い,SLAに準拠した要求であればコンテンツ管理配信サーバにアップコンバートを要求す る.最後に,アップコンバートサーバでアップコンバートされたコンテンツをCDN方式で クライアントにストリーム伝送する. 図4.3 提案システムの制御シーケンス
第
5
章
評価
本章では,提案したCDN多段構成による4K超高精細映像の配送実現の有用性を示すた め,ネットワークシミュレータ,アップコンバータを用いた検証結果を示す.5.1
システムの有用性検証
提案するCDNキャッシュサーバ多段構成配送制御を構築することにより,新たに4K超 高精細映像の伝送帯域確保の拡充が行われる.よって,既存のSD,HD映像コンテンツを 従来通り問題なく視聴できることに加え,アップコンバートサーバを取り入れることで,こ れらの映像に対してアップコンバートさせることが可能となる.CDN方式の伝送路におけ る映像コンテンツの品質について調査し,キャッシュサーバに多段構成の有用性を示す.5.2
シミュレーションで用いた環境
シミュレーションで使用した環境を表5.1示す.5.3
シミュレーション環境
シミュレーション機器の検証範囲を図5.1に示す.検証実験として,4K超高精細映像の アップコンバートと圧縮による品質を検証するため,アップコンバートサーバのモジュール を実装する.コンバートモジュールとしてDivXMKVMuxを使用した.SLA認証サーバと メタデータサーバはエンドユーザ毎のサービス権利の領域となることから検証範囲から除外5.3 シミュレーション環境
表5.1 PC環境
OS Windows7 Enterprise SP1
BIOS Ver.08.00.10
プロセッサ Intel(R) Core(TM) i7-2600K CPU @ 3.40GHz
メモリ(RAM) 8192MB
DirectX DirectX 11
グラフィックス NVIDIA GeForce GTX 560
グラフィックスメモリ 4095MB
プライマリハードディスク 37GB
ネットワークアダプタ Intel(R) 82579V Gigabit Network Connection
した.CDNキャッシュサーバにおける多段構成の値を品質測定値と連動させ,をn=4と設 定した.n=4と設定した理由は,現時点では4K超高精細映像へのアップコンバートを想定 した環境は4.2.1で示した通り,4パターンとなる.このパターンを振り分けきれるCache Levelが4に該当するためである. このことよりCDN Cache Level数は4を想定する.
5.3.1
DivXMKVMux
によるコンバート
検証に用いた映像コンテンツを表5.2に示す.映像の対象は4K超高精細映像の非圧縮で あり,コンテンツ管理配信サーバで格納されるオリジナルのデータを想定する. CDN多段構成における品質測定値検証 品質測定値 n=25,50,75, 100 の場合における詳細を表 5.3 示す.高精細符号化方式 H.265/HEVCを使用した.オーディオレートは各品質測定値共に同様に,オーディオフォー マットをAAC(Advanced Video Codec),チャンネルを2(Front: L R),サンプリングレー5.3 シミュレーション環境 図5.1 検証範囲 表5.2 映像コンテンツ 項目 各値 Filesize 2.02GB Duration 31s 50ms Overallbitrate 546.61Mbps Width/Height 3840/2160 pixels Display Aspect 16:9 トを44.1KHz とした.DivXMKVMuxによる 4K超高精細映像の圧縮比率は85.59とな り,非圧縮の映像コンテンツの比率100に対して圧縮後は14.41となった.ファイルサイズ はn=25,50,75の場合23.65KB,n=100の場合23.75KBとなり,時間比率はn=25を1と するとn=50で1.962,n=75で6.935,n=100で12.57となった.
5.4 考察
表5.3 各品質測定値における詳細
項目 n=25 n=50 n=75 n=100
Filesize 23.1MiB 23.1MiB 23.1MiB 23.2MiB Duration 31s 50ms 31s 50ms 31s 50ms 31s 50ms Overallbitrate 6 251Kbps 6 253Kbps 6 254Kbps 6266Kbps Time 102.91 201.912 713.78 1293.65 Time ratio 1 1.962 6.935 12.57 Width/Height(pixels) 3840/2160 3840/2160 3840/2160 3840/2160 Display Aspect 16:9 16:9 16:9 16:9
5.4
考察
シミュレーションによる検証結果のもと,CDN方式のキャッシュサーバ多段構成時の品質 評価指標 n=25,50,75,100の比較を行った.4K超高精細映像非圧縮をコンテンツ管理配信 サーバに格納する場合,映像毎の差異を考慮し 500∼600Mbps 程度のビットレートが必要 となり,アップコンバートサーバにコンバート要求をかけると同時にH.265/HEVCの圧縮 要求が必要となる.この符号化を行わないと,CDNキャッシュサーバとクライアント間のGigabit Ethernet 1000BASE-Tを用いたリンク帯域幅,理論値1Gbpsでは 1つの映像を 試聴するだけで50%前後の占有率となる.さらに,クライアント側のFTTHによる視聴環 境のスループットを考慮すると符号化を行わない配送は現実的とは言えない.リンク帯域幅 の実測値548Mbpsにおいては,H.265/HEVCによる符号化を取り入れることで,平均ビッ トレートが6251∼6266Kbpsとなり,検証で用いたサンプル映像を配送する事ができる.コ ンテンツ管理配信サーバとクライアント間のリンク帯域幅に十分余裕を持たせることができ ると考える.検証ではCDNによる多段構成を4段階としたが,Zipf法則によるリクエス ト数が高いコンテンツをCDN Cache Levelの高いレベルに設定することで,クライアント 端末までの距離を短縮することができるので,効率のよい配送が行える.欠点として,アッ
5.4 考察
プコンバート,圧縮にかける時間が品質評価値n=25の場合で102.91秒と,検証環境では
膨大な時間を消費する.この点に関しては単純にマシンリソースに影響され,VODサービ ス提供者のサーバにかけるコストにより左右されると考えられる.
第
6
章
まとめ
本研究ではInternetプロバイダにおけるオンデマンド型の映像配信ビジネスに焦点を絞 り,High Definition,Full High Definition画質の映像コンテンツに加えて4K超高精細映
像の再生,閲覧に関する制御機構の提案を行った.提案する制御機構はCDNを利用した新 規分散方式としてキャッシュサーバを品質評価指標に応じた多段構成を検討した.SLAの サービス利用権利とZipf 法則によるリクエスト数による変化を加味した映像コンテンツ格 納方式とし,アドミッションコントロールでネットワークキャパシティを配慮する構成とし た.さらに,既存のVOD映像資源の有効活用として,4K超高精細映像として視聴可能な 環境構築を目的にアップコンバートサーバの導入を行った.
コンテンツ配信サーバとクライアント間をGigabit Ethernet 1000BASE-Tを対象に理論 値1Gbps,実測値548Mbpsを想定した場合,4K超高精細映像の閲覧が実現可能になると 考えた.そして,提案した制御機構の有用性を検証するため,シミュレーションを用いて高 精細符号化方式H.265/HEVCを適用した映像コンテンツを対象に,品質測定値を4段階に 設定した場合で平均ビットレート 6251∼6266Kbpsを記録した.実装環境ではコンバート に最低102.91sec要する結果となったが,4K超高精細映像をIPによる伝送路で提供できる 可能性の目処を得た.
謝辞
本学への入学以来,学生生活でお世話になった皆様にここに深く感謝の意を表します. 本研究を遂行するにあたり,指導教員および論文の主査担当として,情報学群 島村 和典 教授には多くのご指導ご鞭撻を賜りました.研究活動に限らず,勉学や就職活動の後押し, 社会人としてのマナーについてもご教授頂きました.研究室生活での3年半の間,ありがと うございました. 研究の副査として担当して頂きました,情報学群 福本 昌弘 教授ならびに植田 和憲 講師 にはご自身も大変忙しい中,実りのある助言を頂きました.心より感謝申し上げます. 研究活動ではお互い励まし合ったり,時には他愛もない会話をしたりして多くの時間を共 有できたことを嬉しく思います.同期の 和田倫弥氏 に深く感謝致します. 後輩として研究室活動で苦楽を共にしてきた,修士1年 小笠原一聡氏,京極海氏,島田 裕幸氏,辻際宗和氏,学士 4年 赤澤将太氏,柏木恵氏,栗原慎也氏,品川滉樹氏,竹本万 里雄氏,西元優介氏,野島舞氏,学士 3年 國和武司氏,仙波紗和氏,中島春菜氏,三角隆 太氏,吉本圭佑氏,和田幸大氏に心より感謝致します.今後一層の研究室の発展と,研究室 生活を益々謳歌されることを心よりお祈り申し上げます. そして,大学院生活まで温かく見守って下さった両親に,心より感謝致します.最後に, これまでお世話になった皆様方に感謝申し上げます.本当にありがとうございました.参考文献
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25年度電気関係学会四国支部連合大会講演論文集,p.187,2013
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る研究 ”平成23年度学士学位論文
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