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1 2 Visual SLAM 2 Visual SLAM

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(1)

中央大学理工学部情報工学科

卒業論文

屋内水泳プールにおける来客者数の分析

及び混雑緩和策の検討

学籍番号

00D8102006F

吉野 俊

指導教員 田口 東

2004 年 3 月

(2)

あらまし

本研究では,屋内水泳プールでの利用統計データをもとに,曜日,季節,気温に注目し,来 客者数の予測を試みた.その結果を用いて,快適にプールを利用してもらうための方策を (1) 待ち行列理論を使用した最適券売機数の設定 (2) Visual SLAM を利用したプール施設のシミュレーション という2 つから考察する. キーワード:回帰分析,待ち行列,Visual SLAM

(3)

目次

1章 はじめに

1

2 章

回帰分析

2 2.1 回帰分析 2 2.2 ダミー変数 2 2.3 説明変数選択基準 2

3 章

待ち行列

4 3.1 待ち行列とは 4 3.2 Kendall の記号 4 3.3 Poisson 過程 5 3.4 M/M/c 型待ち行列 6

4 章

実験結果

12 4.1 使用データ 12 4.2 来客者数の予測 13 4.3 最適券売機数の設定 16 4.4 Visual SLAM を用いたシミュレーション 20 4.4.1 Visual SLAM 20 4.4.2 プログラムの概要 20 4.4.3 シミュレーション結果 22 4.4.4 混雑緩和策の検討 30

5 章

まとめ

33

謝辞

34

参考文献

35

(4)

第 1 章 はじめに

屋内 水泳プールという性質上,利用者は天候,気温に左右されずプールを訪れることができ る.しかし,夏ともなるとたくさんの人が涼を求め,プールを訪れる.夏はプールが一番忙しい時期 であり,大勢の人が一度に集まってしまうため,快適なプールの利用は難しくなっている.快適でな い理由は,第一に入場チケットを買う際に行列ができてしまうこと,第二にプール場内の人数が多 すぎることである. 本研究では,普段の何倍もの利用者が来館した場合,利用者が快適にプールを利用できるた めの対処法を提案する.分析するデータは千葉県のあるプールにおける「利用統計データ」(平成 12 年度 4 月∼平成 14 年度 3 月),及び「屋内水泳プール施設データ」である. 以下,第 2 章では回帰分析,第 3 章では待ち行列理論,第 4 章では来客者数の予測,最適券 売機数の設定,Visual SLAM によるシミュレーションについて述べる.また,第 5 章ではまとめを行 う.

(5)

2章 回帰分析

2.1 回帰分析

回帰分析の目的は,ある変数に基づいて別の変数を予測することである.予測に使用する 変数を説明変数(独立変数)と呼び,予測したい変数のことを目的変数(従属変数)と呼ぶ. また,回帰分析には単回帰分析と重回帰分析があり,説明変数が 1 つの場合は単回帰分析 と呼び,2 つ以上の場合を重回帰分析と呼ぶ. 単回帰分析とは,横軸を ,縦軸を として,目的変数 を 1 個の説明変数 の一次式 で表すこと,つまり,

x

y

y

x

bx

a

y

=

+

という と

x

y

の関係式(単回帰式)を求めることである.

y

y

n

n

x

x

x

x

1

,

2

,

3

,

L

,

重 回 帰 分 析 と は , 横 軸 を , 縦 軸 を と し て , 目 的 変 数 を 個 の 説 明 変 数 の1 次式で表すこと,つまり,

x

n n

x

b

x

b

x

b

x

b

a

y

=

+

1 1

+

2 2

+

3

+

L

+

n

x

x

x

x

1

,

2

,

3

,

L

,

y

a

y

3 という と の関係式(重回帰式)を求めることである.回帰分析では を 切片,

b

1

,

b

2

,

b

3

,

L

,

b

nを回帰係数または傾きと呼ぶ.

2.2 ダミー変数

データの型には量的変数と質的変数の 2 種類が考えられる.量的変数とは「気温」,「身 長」,「売上」などのデータを指し,質的変数とは「性別」,「曜日」,「値下げがあるかどうか」 などのデータを指す. 回帰分析が適用できるデータのタイプは,従属変数が量的変数のときである.また,独立 変数のほうは量的変数でも質的変数でもかまわないが,質的変数を使う場合には,データの 値が0 か 1 しかとらないダミー変数と呼ばれる変数を導入し,質的なデータを変換しなけ ればならない.独立変数が全て質的変数の場合に用いられる解析手法に,数量化理論Ⅰ類と 呼ばれる手法があるが,これは説明変数を全てダミー変数に変換して重回帰分析を行うこと と同等である.

2.3 説明変数選択基準

重相関係数

R

は重回帰式の当てはまりのよさを表す指標である.この重相関係数

R

は, 従属変数

y

と重回帰式から得られる推定値

との相関係数である. 重相関係数

R

を2 乗した値のことを,決定係数または寄与率と呼び, 2

R

で表す.決定係 - 2 -

(6)

数は,説明変数によって説明できる目的変数の変動割合を表す指標である.例えば決定係数 が0.60 であるというのは,目的変数 の持つ情報のうち,60%は の変動で説明できると いうことを示している.したがって,決定係数が 1 に近いほど回帰式の当てはまりが良い と言える.

y

x

2

R

ただし,重相関係数

R

や決定係数 には「まったく無意味なものでも説明変数の個数を 増やせば増やすほど 1 に近くなる」という欠陥がある.そこで,無意味な説明変数を使っ たときには値が下がるように,説明変数の個数とデータ数で補正した指標が考案されてきて いる.以下に代表的な指標を紹介する. 自由度調整済決定係数(補正 2

R

(

)

1

1

1

1

2

k

n

n

R

AIC(赤池の情報量規準)

n

log

e

(

1

R

2

)

+

2

k

(

)

(

)(

)

)

h

R

(芳賀・竹内・奥野の規準)

(

)(

1

1

1

1

+

1

1

2

+

+

k

n

n

R

k

n

n

(7)

3 章 待ち行列

3.1 待ち行列とは

風邪を引いたりして町の個人医院へ行くと,運がよければすぐに診察してもらえるが,運 が悪いと何人もの患者が待っていて小 1 時間も待たされたりする.このように客の到着と 診察時間がランダムなため,患者がいなくて医者に暇な時間ができることがある一方,逆に 何人もの待ちができてしまうこともある.私達は個人医院等で診察を受けるわけだが,待ち 行列のモデルでは,この診察のことを「サービスを受ける」と呼び,医者がいる部屋に行く ことを「到着」と呼ぶ.もちろん,医者が診察中であるときはすぐに診察は受けられず,待 ち行列の最後尾につくことになる.この「行列に加わる」ことも「到着」と見なしている. また,この場合の医者を「窓口」と呼ぶ. 私達の待ち時間は医院に到着したときに,既にサービスを受けている,もしくは既に待っ ている人数に依存する.また,待っている間にサービスを受けている人のサービスに要する 時間にも依存する.このような状況は,銀行の現金自動支払機と利用客,バス停におけるバ スの到着と乗客,駐車場と車,あるいは機械の故障とその修理,製品生産の組立加工過程に おける部品の到着とその組立,などの関係においても同様に見られる.ある一定の場所に客 が到着し,そこで何らかのサービスを受ける状況が与えられたとき,これらを一種の確率現 象としてとらえることにより,その場所における混雑状況などを解析的に説明しようという のが待ち行列モデルである. 一般に,待ち行列モデルにおいては,客の到着時間間隔と受けるサービス時間に関する確 率分布を与えることによって,客の待ち時間あるいは待ち行列の長さなどの測定値を得るこ とができる.このように待ち行列のモデルで表される現象は,窓口,到着,サービスの 3 要素を必ず備えている.車や人を流体のように眺めると混雑はそれほど起きないが,個々の 車や人に注目すると,到着やサービス時間がランダムであるために局所的に混雑が起き,無 視できないような「待ち」が生じる.待ち行列ではこのように個々の車や人の到着時刻を厳 密に意識せざるを得ない場合の混雑を扱う.ただし,この場合の混雑は常識的な意味での混 雑とは少しニュアンスが異なっており,むしろ十分にうまく捌けているので「さほど混雑し ていない」と感ずる場合が多いかもしれない.そのことから,この種の現象は「混雑」より は「待ち」に重点が置かれ,「待ち行列」と呼ばれることが多い.

3.2 Kendall の記号

待ち行列について議論する上で,到着間隔やサービス時間が従う確率分布を仮定しなけれ ばならない.別の言い方をすれば,これらの分布にどのような仮定をするかによって,待ち - 4 -

(8)

行列モデルはいろいろなものになる.Kendall は,簡潔にそのような仮定を表現するための 記号を提唱した. Kendall が提唱した記号は,A/B/c という形を持っている.つまり,2 本の/によって区切 られた3 つの部分があり,ここに文字または数字が書かれる.最初の部分 A と書いたとこ ろには到着時間の分布,第2 の B と書いたところにはサービス時間の分布が記号で記され る.最後のc と書いた部分には窓口の数が記される.そして A や B のところに書かれる記 号としてKendall が提唱したのは次の 4 つである. M (Markov) :指数分布 D (Deterministic) :一定時間(一定分布,単位分布) Er (Erlang) :次数r のアーラン分布 G (General) :一般分布 例えばM/M/1 というモデルは,単一窓口であり,到着間隔,サービス時間ともに指数分 布に従う基本的なモデルである. 指数分布をM で表すのは,指数分布が無記憶性(lack of memory)と呼ばれる性質を持 ち,したがって,待ち行列の長さの変化がMarkov 過程に従うためである. 一定時間D は,電車の到着が 5 分間隔であるときなどに使われ,指数分布との対比の際, 最もランダムネスが少ない分布である. アーラン分布Er は,同じ指数分布に従う r 個の独立な確率変数の和として表される確率 変数に従う分布であり,r=1 のときは指数分布と一致し,r→∞のとき一定分布に近づく. その意味で,ランダムネスの少ない場合と最もランダムネスの大きい場合との中間を表現す る分布として利用されている. 一般分布G は,特に分布の型を指定しないという意味である.

3.3 Poisson 過程

例として電車に乗るために駅に到着する乗客のことを考えてみる.ある時間区間を として,その間にランダムに到着する乗客が 人いたとする.つまり

n

人の乗客が互いに独 立に,一人一人が 上の一様分布にしたがって到着する.例えば,乗客の到着時点を同 一線上に記載すると図3.1 のようになる.

(

0

,

T

]

n

(

0

,

T

]

1

S

S

2

S

3

S

n1

S

n 0

T

(9)

図3.1

n

人の乗客の到着分布 これら

n

個の点の位置を小さいほうから順に,

S

とすると,

S

は到着順 に数えて 番目の乗客の到着時点を表している.これらの到着時点によって分割された 個の小区間

(

)

n

S

S

S

,

,

,

,

2 3 1

L

j

1

+

n

(

)

j

(

S

S

) (

S

n

,

T

)

S

S

S

,

,

,

,

n

,

n

,

,

0

1

1 2

L

−1

x

を考えると,それらの長さは同一の 分布に従う.よって,各乗客の到着時間間隔の分布を知るには,その一つの分布が分かれば よい.そこで,

S

1の分布がどうなるかを考える. がある正の より大きい確率は, 1

S

n n

x

x

T

⎟⎟

⎜⎜

=

⎟⎟

⎜⎜

=

1

α

{

S

x

}

P

1

>

n

T

(3.1) となる.ここで,

α

を単位時間あたりの到着数として,

α

n

=

n

T

と置いた. 今, が十分に大きく,したがって

T

も十分に大きい場合,つまり,十分に長い時間区間 に単位時間あたり

α

の乗客が到着する場合を想定する.

n

n

k

n

としてみると

{

}

x

e

x

S

P

1

>

−α⋅ (3.2) となることから,到着時間はほぼ指数分布に従うと見なすことができる. のとき, はじめの 個の小区間は互いに独立になる. は任意であるため, の極限では客は 互いに独立に,指数分布に従う間隔を空けて到着する.

k

この到着の仕方は,各客がランダムに到着時点を選んだ結果であるから,最も自然な「ラ ンダム到着」のモデルと考えることができる.つまり,ランダムな到着の特徴というのは, 到着時間間隔が互いに独立で指数分布に従うということである.このような到着過程は Poisson 過程,あるいは Poisson 到着と名付けられ,そのパラメータ

α

は到着率(arrival rate)と呼ばれている.ここで Poisson という名前が使われているのは,任意の長さ

t

の区 間

(

a

, 

a

+

t

)

における到着率

N

tの分布が,平均

α

t

のPoisson 分布,つまり,

{

}

(

)

,

0

,

1

,

2

,

K

!

   

⎪⎭

=

⎪⎩

=

=

=

− ⋅

k

e

k

t

k

N

P

p

k t t α

α

k

⎪⎫

(3.3) に従うことによる.

3.4 M/M/c 型待ち行列

待ち行列理論における最も基本的なモデルはM/M/1 型である.これは,窓口が一つだけ - 6 -

(10)

あるところに客が Poisson 過程に従って到着し,各客のサービス時間が指数分布に依存す るものである.このシステムにおける待ち行列の長さや,待ち時間の分布を求める.

λ

:単位時間内に到着する客の人数

µ

:単位時間当たりのサービス終了人数

λ

1

:平均到着間隔

µ

1

:平均サービス時間 それぞれの記号を上記のように定義する.平均到着間隔と平均サービス時間の比を,

µ

λ

λ

µ

ρ

=

1

÷

1

=

(3.4) と表し,利用率と呼ぶ.平均サービス時間は平均到着間隔より短いことから,利用率

ρ

は 一般に

0

<

ρ

<

1

を満たすと仮定する.これが1 以上であると暇な時間がなくなることを意 味しているため,到着間隔分布とサービス時間分布が変わらず一定という条件の下では,待 ち行列が時間とともに長くなってしまうことになる. 時刻0 のときを始点として,時刻

t

におけるシステム内の客の人数を と表すとき,以 下の前提(1)∼(3)を仮定する.

( )

t

Q

(1) 2 つの共通部分を有さない時間区間において,生ずる客の到着と退去の事象は互 いに独立である.

( )

t

t

+

ο

λ

(2) 微小時間

t

内に1 人の客が到着する確率は ,1 人の客がサービスを 終了する確率は

µ

t

+

ο

( )

t

である.(ここで,

ο

( )

t

t

に関して全て2 次以上 の項からなり,

∆t

0

に対して

ο

( )

t

t

0

を満たす) (3) 微小時間

t

に 2 人以上の客が到着あるいはサービスを終了する確率は,いずれ も0 に近い. 図3.2 に示したシステム内の人数の推移図をもとにして,時刻

t

+

t

にシステム内人数が

(

t

t

)

n

Q

+

=

となる確率

P

r

{

Q

(

t

+

t

)

=

n

}

を計算する.時刻

t

+

t

にシステム内人数が となる確率は,以下の3 つの事象のいずれかが起こる確率である.

n

1

n

t

・時刻

t

においてシステム内人数が であり,そこから,時間 内に1 人の客が到着し サービスを終了する客が0 である. ・時刻

t

においてシステム内人数が

n

であり,そこから,時間

t

内に1 人の客が到着し,1 人の客がサービスを終了する.あるいは到着する客もサービスを終了する客も0 である.

1

+

n

t

・時刻 においてシステム内人数が

t

であり,そこから,時間

内に到着する客が0 で, 1 人の客がサービスを終了する. したがって,次の関係式が成立する.

(

)

{

Q

t

t

n

}

P

r

+

=

( )

{

} ( )

[

r

{

0

,

0

}

r

{

( )

1

,

1

}

]

r

Q

t

n

P

P

P

=

+

=

(11)

( )

{

Q

t

n

1

} {

P

(

1

,

0

)

}

P

{

Q

( )

t

n

1

} {

P

(

0

,

1

)

}

P

r

=

r

+

r

=

+

r

+

(3.5) ここで

P

r

{

  b

( )

a

,

}

は,時間区間

(

t

, 

t

+

t

)

b

t

+

1

n

n

に到着客数が

a

,サービス終了人数が となる確 率を表す. 時刻

t

時刻

t

- 8 -

n

1

+

n

(図中の(x , y)は,x:到着人数,y:サービス終了人数を示す.) 図3.2 システム内人数の推移 時間が経過しても分布が変化しないという状態を定常状態と呼ぶ.式(3.5)において定常 状態がどのように表されるかを考える.定常状態においては時間が経過しても分布が変化し ないことから,

P

r

{

Q

(

t

+

t

)

=

n

}

=

P

n

P

r

{

Q

( )

t

=

n

}

=

P

nなどと表すことができる. したがって,式(3.5)は次のように書くことができる.

(

)(

)

( )

{

t

t

}

(

t

)

P

P

n

=

n

1

λ

1

µ

+

λµ

t

2

+

P

n1

λ

t

1

µ

(

t

)

t

P

n

+

+1

1

λ

µ

( )

t

(3.6)

t

が微小量であることから

ο

の項を無視すると,式(3.6)は次のようになる.

(

1

)

P

n

+

P

n+1

+

n−1 n

P

P

λ

µ

µ

λ

(

)

1 1 − +

=

+

n

n

1

) (3.7) n

P

P

λ

µ

n

λ

P

µ

式(3.7)は図 3.3 においてフローの出入りが一定であること,すなわち定常状態においては分 布が不変であるから,

P

nの状態から他の状態への推移が生じないことを示す.

1

+

n

P

到着 到着 サービス終了 サービス終了 λ λ μ μ

1

n

P

P

n

(1 , 0) (0 , 1) (1 , 1) (0 , 0)

(12)

図3.3 待ち行列システムの定常状態 一方,

n

=

0

のとき,式(3.5)は次のように書くことができる.

(

)

{

Q

t

+ t

=

0

}

P

r

( )

{

0

} {

[

(

0

,

0

)

}

{

(

1

,

1

)

}

]

r r r

Q

t

P

P

P

=

+

=

+

P

r

{

Q

( )

t

=

1

} {

P

r

(

0

,

1

)

}

(3.8) したがって,上の場合と同様の操作を行うと式(3.8)から次の関係式が得られる.

(

)

(

)

2 0 1 0 0

P

1

λ

P

1

λ

µ

P

λ

P

=

+

+

(3.9) 0 1

P

P

λ

µ

=

一般に,式(3.7),式(3.9)の方程式は定常状態における平衡方程式と呼ばれる.式(3.9)の 関係を用いて式(3.7)を次々に計算すると,

P

nの一般形が次のように得られる. 0 0

P

P

P

n n n

µ

ρ

λ

=

⎟⎟

⎜⎜

=

(3.10) であるから ここで,

0

<

ρ

<

1

ρ

ρ

=0

1

n

=

n

1

(3.11) となり,式(3.10),式(3.11)から次の関係が得られる.

ρ

= 1

0

P

(3.12) 一般に,定常状態において,システム内に 人の客がいる確率

n

P

nは,次のようになる.

(

ρ

)

ρ

=

n

1

n

P

(

n

=

1  

,

2

,

L

)

(3.13) 窓口の個数が c 個の場合,M/M/c に対する平衡方程式を求める.システム内に

n

人の客 がいる場合の客の到着率,サービス終了率をそれぞれ

λ

n

, 

µ

nとおくと,これらはそれぞれ 次のように与えられる.

(

n

=

0

,

1

,

2

,

K

)

λ

λ

n

=

(3.14)

(

1

n

<

c

)

µ

µ

n

=

n

(

n

c

)

µ

µ

c

=

c

(3.15) したがって,定常状態における平衡方程式は次のようになる.

(

1

n

<

c

)

(

λ

+

n

µ

)

P

n

=

λ

P

n−1

+

(

n

+

1

)

µ

P

n+1 (3.16a)

(

n

c

)

(

λ

+

c

µ

)

P

n

=

λ

P

n−1

+

c

µ

P

n+1 (3.16b)

(13)

0 1

P

P

λ

µ

=

(3.16c) M/M/1 の場合と同様にして上の平衡方程式を解くと,定常状態の分布を表す確率 (定常 解)は次のように与えられる. n

P

0

!

P

n

c

P

n n n

ρ

=

(

0

n

<

c

)

0

!

P

c

c

P

n c n

ρ

=

(

n

c

)

0

, P

(3.17) ここで,

ρ

は次のように定義される.

µ

λ

ρ

c

=

(3.18)

(

) (

)

1 1 0 1

1

!

1

!

− − = −

+

=

c n c c n n

c

c

n

c

ρ

ρ

ρ

(3.19) 0

P

次に,M/M/1 のとき,定常状態においてシステム内にいる客数(系内人数)の平均値

L

, 待ち行列中の客数(待ち行列の長さ)の平均値

L

qを求める.まず,系内人数の平均値

L

は, 式(3.13)に与えられる確率を用いて,次のように得られる.

∞ + = = ∞ =

+

=

=

1 0 0 n c n c n n n n

nP

nP

nP

L

(

)

∞ + = ∞ = − =

+

+

=

1 0 1 0 n c n n n c n n

c

P

n

c

P

P

c

ρ

ρ

(3.20)

(

)

∞ + =

+

=

1 c n n

P

c

n

c

ρ

式(3.20)の第 3 行第 2 項は窓口が全て塞がっているときの客が溢れた数,つまり待ち行列の 長さの期待値である.この待ち行列中の客数の平均値を

L

qで表すと,式(3.20)は q

L

c

L

=

ρ

+

(3.21) と書き直される. 客の到着時に全ての窓口が塞がっている確率を

Π

とし,

=

(

)

n− c

Π

n

1

ρ

ρ

c ∞ ∞ n

P

であること に注意すると,期待値の定義より

(

)

n c n n n q

P

n

c

P

L

+ = =

+

=

1 0

0

(

) ∑

=

Π

=

1

1

n

n

ρ

ρ

- 10 -

(14)

(

) ( )

Π

=

Π

=

ρ

ρ

ρ

ρ

ρ

1

1

1

2 (3.22) となる.したがって式(3.22)より

Π

+

=

ρ

ρ

ρ

1

c

L

(3.23) である. 次にM/M/c のシステムの状況を表すいくつかの量を求める.まず,客の到着時に全ての 窓口が塞がっている確率

Π

は,式(3.17)∼式(3.19)を用いて次のように与えられる.

( )

(

ρ

)

ρ

ρ

=

=

=

Π

∞ = ∞ =

!

!

1

0 0

c

P

c

c

P

c

P

c c n n c c n n (3.24) となる. 到着客の待ち時間

γ

が 以上となる確率,および到着客の平均待ち時間

W

は次のように 得られる.

t

q

{

}

( ) ct

e

t

P

γ

>

=

Π

−1−ρµ (3.25)

( ) ( )

Π

=

µ

ρ

γ

c

E

W

q

1

1

(3.26)

(15)

4 章 実験結果

4.1 使用データ

今回使用するデータは,千葉県のある屋内水泳プールにおける,平成12 年度 4 月から平 成14 年度 3 月までの「利用統計データ」である.このプールは営業時間が 9:00∼21:00 で あり,水曜日が休館日となっている.また,2 月においては水交換やプール補修などのため 全期間休館である.表4.1 にデータの一部を示す. 表4.1 利用者数日計表(平成 14 年 8 月) プール利用者 日 曜 日 天気 最高気温 男性 女性 合計 一般 子供 男性合計 一般 子供 女性合計 1 木 晴 31.6 205 153 358 268 131 399 757 2 金 晴一時雨 33.1 189 133 322 320 173 493 815 3 土 晴 30.6 614 247 861 420 308 728 1,589 4 日 晴 30.2 905 428 1,333 570 540 1,110 2,443 5 月 晴 32.1 224 108 332 334 167 501 833 6 火 晴 33.4 292 185 477 412 199 611 1,088 7 水 0 0 0 8 木 晴 31.0 286 188 474 480 237 717 1,191 9 金 晴 31.6 233 179 412 388 196 584 996 10 土 晴 30.9 654 291 945 446 325 771 1,716 11 日 晴 30.8 964 463 1,427 605 474 1,079 2,506 12 月 晴 29.7 345 212 557 379 199 578 1,135 13 火 晴 31.6 408 260 668 516 270 786 1,454 14 水 0 0 0 15 木 晴 30.1 597 372 969 622 339 961 1,930 16 金 晴 31.6 489 259 748 508 312 820 1,568 17 土 晴 28.5 698 317 1,015 461 357 818 1,833 - 12 -

(16)

18 日 雨 24.8 578 254 832 367 274 641 1,473 19 月 雨 26.7 218 101 319 236 108 344 663 20 火 晴 30.5 229 143 372 306 129 435 807 以下省略 表4.1 において,「子供」とは概ね 3 才以上の幼児から中学生までのことを指しており, 高校生からは「一般」として扱われる.

4.2 来客者数の予測

もし,1 日の来客者数が予測できれば,券売機の数や従業員の人数,その他のいろいろな 準備が過不足なくできて非常に便利である.よって,平成12 年度 4 月から平成 14 年度 3 月までの利用統計データを重回帰分析によって,1 日の来客者数を予測する.詳しい重回帰 分析の方法は以下に示すとおりである. 1. その日の最高気温を説明変数とする. 2. 平日,土曜日,日曜日・祝祭日,夏休み,イベント,29℃以上 30℃未満,30℃以上, 31℃未満,31℃以上 32℃未満,32℃以上の合計 9 つをダミー変数として用い,これ も説明変数とする.(補足として表 4.2 に例を示す.) 3. その日の来客者数を目的変数とする. 4. 説明変数選択規準としては寄与率 2

R

を使わず,自由度調整済み決定係数(補正 2

R

) を使う. 5. 変数減少法を用い,その中で最も大きい補正 2

R

値を取る説明変数の組み合わせを, 「来客者数を予測する回帰式」として採択する. 表4.2 ダミー変数を考慮に入れた利用統計表 気温 土 日 夏 イ 29-30 30-31 31-32 32- 人数 24.4 1 0 0 0 0 0 0 0 954 20.7 0 1 0 0 0 0 0 0 1373 29.2 0 0 1 0 1 0 0 0 752 30 0 0 0 1 0 1 0 0 1727 31.6 0 0 1 0 0 0 1 0 1641 35.1 0 1 1 0 0 0 0 1 2289 ・ ・ ・

(17)

表4.2 において,一行が 1 日に対応しており,気温,人数は実際の値,それ以外は項目に 当てはまっていれば1,そうでなければ 0 となっている. 図4.1 変数減少法による補正 変数の数による補正R2値の変化 0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 9変数 8変数 7変数 6変数 5変数 4変数 3変数 2変数 1変数 補正R2 2

R

の変化 図4.1 は変数減少法による補正 2

R

の変化を示している.この図から,回帰式によって来客 表4.3 9 変数の回帰統計 者数を予測する上で,9 つの説明変数を取ることが最も良いことが分かる. 回帰統計 重相関 R 0.891 重決定 R2 0.794 補正 R2 0.791 標準誤差 228.540 観測数 841.000 - 14 -

(18)

表4.3 は回帰統計を示している.補正 2

R

は回帰式の当てはまりの良さを示しており,求め の 表4.4 9 変数の回帰係数 P-値 た回帰式が実際のデータと比べて79% 精度で予測できていることを示している. 係数 標準誤差 t ‒値 切片 14.67 25.77 0.57 0.57 気温 18.73 1.31 14.25 0.00 土曜日 454.15 22.17 20.49 0.00 日曜日 840.16 20.60 40.77 0.00 夏休み 231.97 32.01 7.25 0.00 イベント 215.27 68.70 3.13 0.00 29≦T<30 228.14 41.57 5.49 0.00 30≦T<31 380.73 40.60 9.38 0.00 31≦T<32 358.22 44.48 8.05 0.00 32≦T 198.63 62.85 3.16 0.00 4.4 は 9 変数の回帰係数を示している.この係数が回帰式の切片および傾きとなる. 図4.2 影響度の比較 表 影響度 0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 土 日 夏 イベント 29-30 30-31 31-32 32-36 影響度

(19)

図 ・祝祭 例:気温

最適券売機数の設定

夏の繁忙期に 冬の閑散 約と仕事の手間が省けるというメ 最適券売機数は待ち行列理論を使って求める.待ち行列の単位時間は1[分]とする.客の 到着は§ 平均到着間隔 実測より30 秒とする.現 用意できるため,券売機の最大数は 4 台とした.夏の休日時における人数比率は,夏休 期間の日曜日のデータで,かつ,2000 人以上来客があったものを選び出し,平均をとっ ものを夏の時間帯別人数比率とした.また,冬の平日時における人数比率においては, 0 人前後の来客があったものを選び出し,平均をとった .なお,夏,冬ともにデータのサンプル数は20 である.

]

[

63

.

198

22

.

358

73

.

380

14

.

228

27

.

215

97

.

231

16

.

840

15

.

454

73

.

18

67

.

14

8 7 6 5 4 3 2 1

  来客者数

D

D

D

D

D

D

D

D

T

+

+

+

+

+

+

4.2 は影響度の比較である.この図から,来客者数に最も影響するのは日曜日 日であり,2 番目に影響するのは土曜日という結果が得られた. 以上の結果より,1 日の来客者数の予測を以下の回帰式で定義する. 31.5℃,日曜日,夏休み時,イベントなしの条件の下で 1 日の来客者数の予測

+

+

+

=

]

[

015

.

2035

22

.

58

.

31

73

.

18

67

.

14

来客者数

=

3

97

.

231

16

.

840

5

+

+

+

×

+

=

4.3

時間帯別の最適券売機数を求める.最適券売機数を求めることができると, はチケットを購入する際に券売機で待たせることなく入場してもらうことができ, 期には余剰な券売機の電源を落とすことにより,資源の節 リットがある. 4.2 で予測した来客者数と来客者の時間帯別人数比率から算出した, により確率的に決定する.また,券売機の平均サービス時間は, 在,券売機は 3 台設置されているが,大勢の客が来た場合は臨時窓口として手売り券売所 を み た 12 月の平日のデータで,かつ,30 ものを冬の時間帯別人数比率とした - 16 -

(20)

夏の休日 4% 10% 16% 時刻 0% 2% 6% 8% 12% 14% 9:00 10:00 11:00 12:00 13:00 14:00 15:00 16:00 17:00 18:00 19:00 人数 比 系列1 図4.3 夏の時間帯別人数比率 冬の平日 0% 2% 4% 6% 8% 10% 12% 14% 16% 9:00 10:00 11:00 12:00 13:00 14:00 15:00 16:00 17:00 18:00 19:00 時刻 人数比 系列1 図 冬の時間帯別人数比率 4.4 から,夏と冬では時間ごとの人数比率が異なることが分かる. の前後に来客者数のピークが来ており,夕方か 冬は開館時と夕方から夜にかけて来客者数のピークが来ている. 者数と,時間帯別人数比率により,時間帯別の平均到着間隔を決定する. 券売機における待ち行列を以下のとおり定め,時間帯別の最適券売機数を算出する. 4.4 図4.3,図 夏は昼食時 ら夜にかけて来客者数が少なくなるのに対し て, §4.2 で予測した来客 1. 到着間隔の分布,サービス時間の分布はともに指数分布とする. 2. 券売機前の並び方は並列待 3. 夏は 2 分以上待たせてしまう人数を,その時間帯の来客者数の 5%以内に,冬は 1 分以 上待たせてしまう人数を,その時間帯の来客者数の 5%以内に抑えるように券売機数を ち行列モデルとする. 設定する.

(21)

0 300 4 50 1 100 1 250 9:00 10:00 11:00 12:00 13:00 14:00 15:00 16:00 17:00 18:00 19:00 0 2 3 200 50 来客数 最適券売機数 図4.5 来客者数 2000 人,2 分以上待つ客 5%以内 0 50 100 150 200 250 300 350 400 450 9:00 10:00 11:00 12:00 13:00 14:00 15:00 16:00 17:00 18:00 19:00 0 1 2 3 4 5 来客数 最適券売機数 図4.6 来客者数 3000 人,2 分以上待つ客 5%以内 - 18 -

(22)

0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 9:00 10:00 11:00 12:00 13:00 14:00 15:00 16:00 17:00 18:00 19:00 0 1 2 3 来客数 最適券売機数 図4.7 来客者数 300 人,1 分以上待つ客 5%以内 最適券売機数を求めた例を 3 つ挙げてみたが,どのグラフからも来客者数の増減にとも なって最適券売機数も増減していることが分かる.図4.5 の予想来客者数 2000 人という数 ことが分かる. 字は夏であれば比較的よく見ることのできる数字である.この日は夕方までは普段どおり券 売機を3 台稼動させておき,夕方以降は券売機を 2 台にするべきである.図 4.6 の予想来 客者数 3000 人という数字は,1 年間を通して最も混雑したときに近い数字である.10:00 ∼12:00 と 13:00∼15:00 時の間は,最適券売機数が最大値の 4 を示している.このことか ら,予想来客者数が3000 人程度のときはあらかじめ従業員を増やしておき,その時間帯だ けでも臨時窓口を作り,客があまり並ばずにチケットが買えるように努めるべきである.ま た,図 4.7 のように予想来客者数が 300 人程度のときは,来客が集中する開館時だけ券売 機を2 台用意しておく必要があるが,その他の時間帯は 1 台で十分に役目を果たすことが できる. 以上のことをまとめると,1 時間あたり 350 人を超える来客者数の場合は券売機を 4 つ 必要とし,1 時間あたり 200 人∼350 人の来客者数の場合は 3 つ,1 時間あたり 50 人∼200 人の来客者数の場合は2 つ,それ以下の場合は 1 つで十分であるという

(23)

4.4 Vi

を用いたシミュレーション

ある.ウインドウを用いたのでグラフィック形式あるいはテキスト形式の情報の 入 , れによってモデルの動き,構造,制御ロジックを視覚的に表示することができ,1 つのあ いは複数のシナリオのシミュレーションから得られる定量的性能評価を表示する従来型 レポート形式やグラフ形式の出力結果と補完して用いることができる. Visual SLAM のネットワーク機能を用いて屋内水泳プール全体の流れを構築する. E まで歩く時間 定義し,その時間を1 分とする.

RANCE GATE AWAIT ノードを用いて

利 1 単位リソースを占有する.詳しく説明すると 900 個 全

sual SLAM

4.4.1 Visual SLAM

シミュレーションプロジェクトは,データの収集,モデルの構築,シミュレーションの実 行,代替案の作成,出力結果の分析,結果の表示,結果に基づく推奨案の提示とその実施な ど,多くの業務や作業により成り立っている.Visual SLAM シミュレーションシステムは これらの業務を支援し,企業や公共システムの問題を解決するための統合シミュレーション システムで 力が非常に用意である.ウインドウからモデルデータプロジェクトなどに関する情報を入 力する.Project Maintainer は,システムのシミュレーション分析にあたって必要な仕事 を自動的に実行する.プレゼンテーション機能としてアニメーション機能が用意されており こ る の

4.4.2 プログラムの概要

まずCREATE ノードでネットワーク中に客を生成する.まず時刻 0 に客が生成され,そ の後到着時間間隔に基づいて次々に客を生成する.それぞれの客は自分が到着した時間を属 性として記録しておく. 次にSELECT ノードでどの券売機に並ぶかを指定し,QUEUE ノードで券売機前の待ち 行列を定義する.ここではまず現状のシステムをシミュレートするために券売機は 3 台と した.どの券売機を選ぶかは客が到着した時点で最も待ち行列が短い場所に並ぶように設定 した.もちろん,誰も並んでいない状況ならすぐに券売機まで進め,チケットを購入するこ とができる. ACTIVITY によって平均サービス時間を定義する.平均サービス時間は実測の結果より 平均30 秒の Poisson 分布によって定める.

GOON ノードを客に通過してもらい,ACTIVITY で ENTRANCE GAT を

ENT を通った客は更衣室で着替える.その時に 更衣室が 用可能であればその客は

あるロッカーが1 つでも空いていれば自分の分としてロッカーを 1 つ使用でき,900 個

(24)

てのロッカーが使用中である場合は着替えることができず,その前に用意してあるQUEUE の定員数を 500 人に設定してあるので,客が到着した際にプール利用人数 プールから出るまで利用することができず, ノードでプールから上がる客を定義する.このノードを通った客はAWAIT ノード ルを利用し終わった客が更衣室まで移動する時間を定義し,その時間 カーを 1 つ開放する.これによってロッカー使用数が 1 人分減ることを意味 レーションを終了する. ノードで待機し,ロッカーの空きがでるまで並んで待つことになる.使用しているロッカー は以下に述べるFREE ノードでリソースを解放しないかぎり次の客はこのロッカーを使え ない. ACTIVITY で着替えにかかる時間を定義し,その時間は平均 10 分,標準偏差 2 分の正規 分布に従うとする. ACTIVITY でプールサイドまで行く時間を定義し,その時間を 5 分と設定する. AWAIT ノードでプールが利用可能であれば,客は 1 単位リソースを占有する.詳しく説 明するとプール が 499 人以下であれば特に並ぶことなくプールを利用することができるが,プール利用人 数が既に500 人の場合は現在利用している客が プール前に用意してあるQUEUE ノードで待機し,プールの空きができるまで並び待つこ とになる. ACTIVITY でプールの利用時間を定義する.プールの利用時間は平均 80 分,標準偏差 10 分の正規分布に従うとする.上記の分布に決定した理由は,プールの利用時間を 100 分 以内にしないと客が利用可能時間である 2 時間を超えて利用してしまうことになり,延長 料金を払う客の割合が増えてしまうからである.利用時間を平均80 分,標準偏差 10 分の 正規分布に従うとすることで,2 時間以上利用して延長料金を払う客を 5%以内にするよう に設定した. FREE で占有したプールを1 単位開放する.これはプール利用人数が 1 人分減ることを意味する. ACTIVITY でプー を5 分とする. ACTIVITY で着替えにかかる時間を定義し,着替える時間を平均 15 分,標準偏差 3 分の 正規分布に従うとする.着替の時間を行きと帰りで異なった値にした理由は,帰りの着替え は体を拭いたり髪を乾かしたりする時間が必要であり,行きの着替えより時間がかかると考 えたからである. FREE ノードで着替え終わった客を定義する.このノードを通った客は AWAIT ノードで 占有したロッ する.

次にGOON ノードを客に通過してもらい,ACTIVITY で EXIT GATE まで歩く時間を 定義し,その時間を1 分とする.

COLCT ノードで客が退場時刻から入場時刻を減算し,系内時間として出力する. TRIMINATE ノードで客をネットワークから消滅させる.3000 人がこのノードを通った ときこのシミュ

(25)

4.4.3 シミュレーション結果

下の2 つの条件で,それぞれ 3 時間のシミュレーションを行う. ー数900 個 :客の平均到着間隔0.15 分(400 人/1 時間) Visual SLAM を用いたシミュレーションによって,現状のボトルネックがどこにあるの かを導き出す.以 モデル1:客の平均到着間隔 0.2 分(300 人/1 時間) 券売機数3 台 全ロッカ プール定員500 人 モデル2 券売機数3 台 全ロッカー数900 個 プール定員500 人 券売機 0 25 150 200 時刻 待ち 30 15 20 人数 10 5 0 50 100 モデル1 の券売機における待ち行列 図4.8 - 22 -

(26)

プール待ち 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 0 50 100 150 200 時刻 待ち 人数 図4.9 モデル 1 のプールにおける待ち行列 プール 0 50 100 150 200 250 300 350 400 450 0 50 100 150 200 利用 人数 時刻 図4.10 モデル 1 のプール利用人数

(27)

ロッカー 0 100 200 300 400 500 600 700 0 50 100 150 200 時刻 使用 数 図4.11 モデル 1 のロッカー使用人数 券売機 0 5 10 15 20 25 30 35 0 50 100 150 200 時刻 待ち 人数 図4.12 モデル 2 の券売機における待ち行列 - 24 -

(28)

プール待ち 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 0 50 100 150 200 時刻 待ち 人数 図4.13 モデル 2 のプールにおける待ち行列 プール 0 100 200 300 400 500 0 50 100 150 200 時刻 利用 人数 図4.14 モデル 2のプール利用人数

(29)

ロッカー 0 100 200 300 400 500 600 700 0 50 100 150 200 時刻 使用 数 図4.15 モデル 2 のロッカー使用人数 表4.4 モデル 1,2 の結果 1 では 30 人 26 人 デル 4.12 参照) 分を超えた あた る人の数と,使い終わ る人の数がほぼ同じ割合になったからなったからである.したがって,ロッカーの数は十分 用意されていると言える.(図4.15 参照) プールはモデル2 において, となっている.また,80 分を 券売機 ロッカー プール モデル 平均待ち 人数(人) 最大待ち 人数(人) 平均待ち 時間(分) 平均使用 数(個) 最大使用 数(個) 平均利用 人数(人) 最大利用 人数(人) 1 5.57 26 3.29 365.67 604 257.13 431 2 9.00 30 4.51 432.93 653 306.07 458 券売機は 3 台あるが,この図と表はその中の 1 台を取り上げている.つまり,モデル であれば券売機全体としては平均待ち人数は16 人である. 注目すべき点は最大待ち人数で,数字だけをみるとモデル 1 では 26 人,モデル 2 と,非常に近い値がでているが,モデル1 では,一時的にのみ最大待ち人数が に達しているのに対し,モデル 2 では,待ち人数が発散する様子が見られる.つまり,モ 2 において,現状の券売機数では来客者を捌ききれないことが分かる.(図4.8,図 ロッカーはモデル 2 において,最大使用数が 653 となっている.また,120 りで傾きが非常に小さくなっている.これはロッカーを使い始め に 定員数である500 人に近い値 - 26 -

(30)

超えたあたりで傾きが非 くなってきている に行列ができ 態であ るため,プ 4 モデル1 行 て あることが分かった.そこで, ルネ を解 ために を 再びシ レー ョンを行 の流れ 察する 常に小さ が,券売機 ている状 ールの定員 ,2 の結果よ 数を超えて り,現状の 発散してし ボトルネッ まう恐れが クは待ち ある.(図 列ができ .14 参照) しまっている券売機で ボト ック 消する 券売機 増やして ミュ シ い,客 を考 . モデル3:客の平均到着間隔 0.15 分(400 人/1 時間) 券売機数4 台 全ロッカー数900 個 プール定員500 人 券売 2 4 6 50 100 150 200 時刻 機 16 18 8 10 12 14 待ち 人数 0 0 図4.16 モデル 3 の券売機における待ち行列

(31)

プール待ち 0 10 20 30 40 50 60 70 0 50 100 150 200 時刻 待ち 人数 図4.17 モデル 3 のプールにおける待ち行列 プール 0 100 200 300 400 500 600 0 50 100 150 200 時刻 利用 人数 図4.18 モデル 3のプール利用人数 - 28 -

(32)

ロッカー 0 100 200 300 400 500 600 700 800 0 50 100 150 200 時刻 使用 数 図 表4.5 モデル 3 の結果 人を ると,プールにボトルネ ックが発生し,結局プール前に待ち行列が発生してしまうため,その場合は券売機を 4 つ にすることが必ずしも効果的な改善策とは言えない.したがって,1 時間あたりの来客者数 を多くても300 人ほどに抑えることが最も効果的であることが分かる. 券売機 ロッカー プール 4.19 モデル 3 のロッカー使用人数 モデル 平均待ち 人数(人) 最大待ち 人数(人) 平均待ち 時間(分) 平均使用 数(個) 最大使用 数(個) 平均利用 人数(人) 最大利用 人数(人) 1 5.57 26 3.29 365.67 604 257.13 431 2 9.00 30 4.51 432.93 653 306.07 458 3 2.59 17 1.64 464.28 758 318.03 500 モデル 2 では待ち行列の人数が発散していたが,券売機を 1 つ増やすことにより,券売 機における平均待ち時間が約 30%にまで減少した.しかし,それまで券売機で溜まってい た客がプールに流れ込み,その結果,140 分を過ぎたあたりでプールが定員数の 500 超え,プール前に待ち行列が発生している. 券売機を 4 つにすることは,券売機前で「一時的に」混雑している場合は非常に効果が あると思われる.しかし,券売機がフル稼働している時間が長すぎ

(33)

4.4.4 混雑緩和策の検討

待ち行列は,利用率が 1 に近づくと急激に増えていく性質を持つため,利用率をできる だけ小さく抑えることが混雑緩和に繋がる. 下に利用率を下げる施策の例をいくつか挙げ る. .到着のコントロール ここでは到着のコントロールについて議論することにする.サービス関係のコントロール は,現在,利用時間を夏 間は2 時間,冬期間は 3 時間とし,すでに平均サービ ため,これ以上のサービス時間の短縮は不可能である. た,窓口数の増加は§4.3 ですでに述べているため,ここでは省略する. その男女比を調べる必要がある.時間帯別来客者数はすでに§4.3 の図 4.3 に示した おりである.以下に示す図4.20 は,図 4.3 を利用者区分によって分けたものである. 以 a 予約制の導入 :到着が一定間隔になるようにする オフピークの導入 :一時的な集中を避ける努力をする b.サービス関係のコントロール 平均サービス時間のコントロール 窓口数の増加 c.その他の施策 サービス時間の少ない人に優先権を与える その場合は低い優先度の客の救済方法を考える において 期 ス時間のコントロールを行っている ま 到着のコントロールとして,オフピークの導入があげられる.オフピークとは一時的な集 中を避け,空いている時間に利用してもらうことである.したがって,現状の時間帯別来客 者数と と - 30 -

(34)

0.0% 6.0% 一般男性 中以下男 一般女性 中以下女 1.0% 2.0% 3.0% 4.0% 人数比率 5.0% 9:00 10:00 11:00 12:00 13:00 14:00 15:00 16:00 17:00 18:00 19:00 時刻 図4.20 利用者区分から見た時間帯別来客者数 図4.20 から,昼食時の前後に来客のピークがきており,16:00 以降は落ち着いているの が分かる.また,どの利用者区分も同じような形のグラフであるため,ピーク時に全ての利 用客が集中していることが分かる. このことから有効な混雑緩和策として,夏期間のみではあるが,16:00 以降に入場する客 については割引となるチケットの発売が考えられる.以下の図4.21,図 4.22,図 4.23 はそ の割引チケットを利用する客数の変化を示す.移動する客の対象は 16:00 前に来館した客 のみとし,どの時間帯も同じ比率で移動するものとする. 0.0% 2.0% 6.0% 9:00 10:00 11:00 12:00 13:00 14:00 15:00 16:00 17:00 18:00 19:00 時刻 4.0% 5.0% 1.0% 3.0% 人数比率 一般男性 中以下男 一般女性 中以下女 図4.21 客の移動率 5%

(35)

0.0% 1.0% 2.0% 3.0% 4.0% 5.0% 6.0% 9:00 10:00 11:00 12:00 13:00 14:00 15:00 16:00 17:00 18:00 19:00 時刻 人数比率 一般男性 中以下男 一般女性 中以下女 図4.21 客の移動率 10% 0.0% 1.0% 2.0% 9:00 10:00 11:00 12:00 13:00 14:00 15:00 16:00 17:00 18:00 19:00 時刻 3.0% 4.0% 5.0% 6.0% 人数比率 一般男性 中以下男 一般女性 中以下女 図4.21 客の移動率 20% 16:00 までに来館している客のうち 10%∼20%でも割引チケットを利用するようになれ ば,来客は平均化し,昼間のピークは解消される. §4.4.3 で議論したとおり,来客を平均化することによって,1 時間あたりの来客者数を 多くても300 人前後に抑えること,ゆとりを持つという意味では 250 人前後にコントロー ルすることができれば,来客者にとって快適なプール施設の利用が可能となる. - 32 -

(36)

5 章 まとめ

本研究では屋内水泳プールの利用統計データを分析することにより,1 日の来客者数を予 測し,それに基づいた最適券売機数の導出,Visual SLAM を用いたシミュレーションを行 った.1 日の来客者数の予測は補正 2

R

値が0.79 と高い数値が得られたが,来客者数が 3000 人などの非常に混雑するときの数値は予測できなかった.これは非常に混雑する日のサンプ ル数が少なく,また,冬の平日時などの来客者数が少ないデータが多くあることに原因があ ると思われる.最適券売機数の導出とVisual SLAM によるシミュレーションにより,効率 的な屋内水泳プールの運営が可能になり,1 日の客の利用状況が視覚的に分かるようになっ た. 今後の課題としては,より正確な夏期間の来客者数の予測をすることである.また,混雑 緩和策として挙げたオフピークの導入により,時間帯別来客者数がどのように変化するかを 把握し,分析することによって,更なる快適なプール施設を目指すことが挙げられる.

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謝辞

卒業論文を作成するにあたり,多くのご指導,ご助言をいただいた指導教授である,中 大学理工学部情報工学科の田口東教授に感謝の意を表します.また,いろいろと協力,助 をいただいた研究室の皆様にも感謝します. 央 言 - 34 -

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参考文献

] 上田太一郎:Excel 徹底活用多変量解析,秀和システム,2003. ] 東京大学教養学部統計学教室:統計学入門,東京大学出版会,1991. ] 高橋幸雄,森村英典:混雑と待ち,朝倉書店,2001. [1 [2 [3

図 3.3  待ち行列システムの定常状態  一方, n = 0 のとき,式(3.5)は次のように書くことができる.  ( ){Qt+ t∆ = 0 }P r   ( ){ 0 } {[     (0  ,  0)  }  {  (1  , 1    )} ]  r rrQtPPP=+=     + P r  { Q ( )t = 1 } {Pr    (  0  ,  1) }     (3.8)  したがって,上の場合と同様の操作を行うと式(3.8)から次の関係式が得られる.  ( ) ( ) 2 010
表 4.3 は回帰統計を示している.補正 2R は回帰式の当てはまりの良さを示しており,求め の 表 4.4  9 変数の回帰係数      P-値 た回帰式が実際のデータと比べて 79% 精度で予測できていることを示している. 係数 標準誤差t ‒値 切 片  14.6 7  25.77 0.57 0.57 気温  18.73  1.31  14.25  0.00  土曜日  4 54.15  2 2.17  20.49  0.00  日曜日  840.16  20.60  40.77  0.00  夏休

参照

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