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独居高齢者が必要とする社会資源の実際に 関する研究

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Academic year: 2021

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独居高齢者が必要とする社会資源の実際に 関する研究

山田紬、高橋智美

新潟医療福祉大学 看護学科

【背景・目的】 現在、日本の 65 歳以上の高齢者人口は 3,459万人、高齢化率は27.3%である。高齢化率は年々上 昇しており、2042年まで上昇し続けるとされている。ま た独居高齢者の増加も1980年から男女ともに顕著である。

55歳以上の男女5,000人を対象とした調査では、41.7% が在宅療養を希望している。しかし現状では入院をすると 在宅退院が困難となる事例が多い。在宅退院を困難にする 要因は「高齢者」と「独居」であるとされている。また地 域で生活する独居高齢者の在宅生活の継続のためにADL の維持と周囲のサポート体制が整っている必要があるさ れている。そこで、周囲のサポート体制が整えば在宅退院 が困難な独居高齢者でも自宅療養を継続できるのではな いかと考えた。

本研究では、地域における独居高齢者を支援する社会資 源はどの位活用されているのか、また高齢者が必要として いる社会資源は何かを明らかにし、今後の独居高齢者の在 宅退院の実現に活かすことを目的とした。

【方法】1.研究デザイン:記述的研究デザイン 調査研 究

1) 調査方法;自記式質問紙によるアンケート調査法 2) 回収方法;回収ボックス(老人憩いの家に設置)へ投函 3) 分析方法;質的データは類型化し、量的データは記述

統計(比率)と推測統計(多重比較)を実施した。

2.期間:2018年7月18日~2018年7月31日 3.調査対象:老人憩いの家を利用している65歳以上の

独居高齢者で研究協力の得られた11名

4.倫理的配慮:データはすべて整理番号制として個事例が 特定されないようにした。本学倫理委員会を受審し承認 (18042-180710)を得た。

【結果】対象の属性は、男性18%、女性73%、平均年齢 73.6 歳であった。独居高齢者が実際に利用している社会 資源は訪問リハビリテーション1名(7%)、憩いの家9名 (64%)、福祉用具貸与2名(14%)であった(図1)。

実際に利用しているサービスについて、クラリス・ウオ リス検定と多重比較の結果、老人憩の家が p<0.001の水 準で有意差がみられた。独居高齢者が利用したいが利用で きない社会資源はバスであり、「買い物で困りつつあるの で、バス(小型)を出してほしい」という意見があった。

【考察】本研究では、独居高齢者が最も必要としている社 会資源は老人憩いの家であった。老人憩の家は高齢者に対

し教養の向上、レクリエーション等のための場を提供し、

高齢者の心身の健康増進を図ることを目的としている。本 研究の対象は老人憩の家を利用する独居高齢者であった ため、対象者の多くが心身ともに健康で自立しており、ほ かのサービスを必要としていなかった。つまり対象者の背 景が結果に影響を及ぼしたといえる。老人憩の家は談話室 や娯楽室、浴室などがあり、高齢者であれば無料で利用す ることができる。実際に多くの高齢者が入浴のために老人 憩の家を利用していると利用者の方から公衆衛生実習の 際に伺っていた。高齢者は加齢による筋力の低下などによ り、浴室内の移動や浴槽の出入りの際に転倒する恐れがあ る。そのため自宅での入浴は準備などに難色を示し、老人 憩の家での入浴を選択しているのではないかと考えた。ま た老人憩の家には談話室や娯楽室があることから、地域の 他の高齢者と交流ができ、気分転換を図ることができるの ではないかと考えた。更に老人憩の家を利用することで、

人々や地域とのつながりを持つことができ、精神面での健 康の増進につながる。人々や地域とのつながりを持ち続け るために、老人憩の家を必要としていると考えられた。

独居高齢者が利用したいが利用できない社会資源は、移 動サービスであった。本研究で調査協力を得た老人憩の家 がある地域では、徒歩圏内にスーパーが少ない地域が多か った。そのため車を持っていない高齢者や、買い物で他者 の手を借りることができない高齢者は、移動手段がなく、

区バスなどの公共交通機関を利用するしかない。しかし本 地区では区バスが運行しているものの本数は少ない。また 区バスが運行していない地域や、運行していてもバス停が 遠いことから、利用したいが利用できないという現状があ ると考えられる。独居高齢者の中には運転免許を持ってい ない方や、加齢や疾患などによる下肢の筋力低下や歩行に 対する困難感などから徒歩で買い物に行くことが難しい 場合がある。また独居高齢者では買い物などのIADLは他 者の助けを借りることができず、自身で行わなければなら ないことが多い。そのため独居高齢者は買い物のための移 動手段を必要としていると考えられた。

【結論】独居高齢者が必要とする社会資源は老人憩の家で あった。また利用したいが利用できない社会資源は買い物 のための移動手段であり、公共交通機関の増便や運行地域 の拡大の必要性が示唆された。尚、本研究は調査地区が限 られており、標本数も少ない。これは本研究の限界である。

0%

20%

40%

60%

80%

100%

図1.独居高齢者が利用しているサービス n=14

**p<0.001

**

P-44

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第18回 新潟医療福祉学会学術集会

参照

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