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β-HMB の摂取による骨格筋萎縮の抑制効果 とその作用機序

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Academic year: 2021

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β-HMB の摂取による骨格筋萎縮の抑制効果 とその作用機序

捧誠典、平塚充、佐藤晶子、越中敬一 新潟医療福祉大学 健康スポーツ学科

【背景・目的】スポーツの現場において、筋骨格系に障害 が生じるとその回復のために一時的に不活動を強いられ ることがある。不活動の際には筋活動量の減少から廃用性 の筋萎縮が生じてしまうため、不活動期間における筋萎縮 量を抑制する処方の開発が多方面から検討されている。

栄養学的な側面からの検討において、過去に骨格筋の組 織材料となる蛋白質の摂取量を増加させる試み、同化促進 作用を有するクレアチンや分岐鎖アミノ酸を摂取する試 みが行われてきたが、いずれも十分な効果を発揮していな い。現状において、筋萎縮の抑制を目的とした栄養学的介 入は機能していないと考えられる。

そこで我々は、β

-Hydroxy-

β

-Methylbutyrate

HMB

) に着眼した。近年、スポーツ現場において健常なアスリー トがトレーニングを併用しながら

HMB

を摂取すること で筋肥大が促進することが知られている。しかしながら、

筋活動ができない対象において、

HMB

を摂取するだけで 骨格筋の萎縮が抑制できるか否かは明らかでない。

本研究では、

HMB

の摂取が骨格筋の萎縮を抑制する可 能性について動物実験により検討した。また、作用機序を 解明するため、筋蛋白質の合成を促進し分解を抑制するホ ルモンであるインスリンの関与を仮定し、骨格筋のインス リン作用に与える影響を合わせて検討した。

【方法】

Wistar

系雄性ラットを、コントロール群、デキ サメタゾン群、デキサメタゾン

+HMB

HMB

)群に分け 一週間飼育した。その際、デキサメタゾン群と

HMB

群に はデキサメタゾンを腹腔内投与し、

HMB

群にはさらに

HMB

を経口投与した。飼育期間終了後、骨格筋重量を測 定した。また、骨格筋のインスリン作用はインスリン刺激 による糖取り込み量の測定によって評価した。

【結果】デキサメタゾンは生体内において異化ホルモンと して作用する物質である。コントロール群に比べ、デキサ メタゾンの投与により有意に体重・摂食量は低下し、著し い全身性の異化作用が生じた。これらに

HMB

投与の影響 は認められなかった。

デキサメタゾンの投与により、骨格筋重量は有意に減少 し、骨格筋の顕著な萎縮を確認した。しかしながら、

HMB

群ではデキサメタゾン群に比べ有意な筋重量の維持を認 め、

HMB

投与による筋萎縮の抑制作用を確認した。

摘出した単離骨格筋を用いて試験管内で骨格筋のイン スリン作用を測定した(図1)。非刺激時においては糖取 り込み量に群間の差は認められなかった。一方、デキサメ

タゾン群に比べ

HMB

群の骨格筋では、インスリン刺激時 における糖取り込み量が高値を示し(

p=0.051

) 、

HMB

の 投与により骨格筋のインスリン作用が増強することが分 かった。

【考察】本研究において、デキサメタゾン誘発の筋萎縮は

HMB

の摂取により抑制されることが明らかになった。デ キサメタゾンによる骨格筋萎縮の作用機序には不活動性 の骨格筋萎縮と多くの共通性を有することが知られてい る。よって、

HMB

の摂取は一時的な筋骨格系障害を有す るアスリートに加え、高齢者に認められる不活動性の筋萎 縮も抑制できることが期待される。

先行研究において

HMB

の骨格筋に対する作用機序は 殆ど明らかになっていない。しかしながら、本研究では

HMB

の摂取により骨格筋のインスリン作用が増強して いることを明らかにした。この結果は、

HMB

は骨格筋の インスリン作用を増強することにより筋蛋白質の合成促 進か分解の抑制、もしくはその両方により筋委縮を抑制し ている可能性を強く示唆している。

【結論】

HMB

の摂取は骨格筋萎縮の抑制を目的とした栄 養学的な介入を可能にする可能性が示された。また、その 作用機序として、骨格筋におけるインスリン作用の増強が 関係している。

0

0 2 4 6 8 10

インスリン刺激 コントロール

デキサメタゾン デキサメタゾン+HMB

非刺激

p=0.05

µmol/g/20

糖取り込み量

図1 骨格筋のインスリン作用の測定

P-30

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第18回 新潟医療福祉学会学術集会

参照

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