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脳卒中片麻痺者における体幹ベルト付下肢 装具歩行の身体動揺解析

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Academic year: 2021

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脳卒中片麻痺者における体幹ベルト付下肢 装具歩行の身体動揺解析

相馬俊雄1)、丹保信人2)、西片寿仁3)、内田貴洋4)、布施 優一4)、伊藤秀敏4)、渡部朱織4)、神田基生4)、神戸晃男

4)、松下功5)

1)新潟医療福祉大学 リハビリテーション学部 2)竹田綜合病院 リハビリテーション部 3)新潟県障害者リハビリテーションセンター 4)金沢医科大学病院 リハビリテーションセンター 5)金沢医科大学病院 リハビリテーション医学科

【背景・目的】 脳卒中片麻痺(CVA)者の装具療法は、

従来からプラスチック製下肢装具(AFO)が使用されてい る。このAFOは、歩行時に体重を支持した時の膝折れ防 止には役立っているが、麻痺側下肢を振り出す時につま先 が床面に引っかかり、転倒のリスクが懸念されている。こ の転倒リスクの原因は、AFO の足関節が固定されている ことと、CVA 者の麻痺側下肢の筋緊張が歩行中に変化す ることである。この2つの問題を解決する目的で、2006 年に体幹ベルト付下肢装具(CVAid)がオランダで製作さ れた。この装具の特徴は、両肩から弾性ベルトで下肢を吊 り上げており、ベルトの弾性張力を利用して、歩行時の麻 痺側下肢の振り出しを補助している。主にCVA者の歩行 における遊脚相に重点を置いて開発された下肢装具であ

る。CVAidは、日本理学療法士協会が報告した脳卒中診療

ガイドラインの装具療法において、高い治療効果が得られ ると紹介されている。しかし、その根拠となっている研究

Thijssen DH20071) は、 CVA者を対象に歩行速度 や歩幅などの運動学的データを示しているが、装具自体の 機能特性については明らかにされていない。このように

CVAid に関する先行研究が希少な中で、ガイドラインで

はエビデンスが高く紹介されている。

これまでに我々は、健常成人を対象にCVAidを装着し た歩行において力学的視点から装具の特徴を明らかにし てきた。そこで本研究の目的は、CVA者に対してCVAid を装着した歩行における身体動揺について明らかにする ことである。

【方法】 対象は、CVA25名(男性24/女性1名)

とした。年齢は46.4±17.8歳(平均値±標準偏差)、身長 は166.4±7.8cm、体重は65.7±11.2kgであった。内訳は、

脳梗塞14名、脳出血10名、くも膜下出血1名、右片麻 痺14名、左片麻痺11名、罹患期間45.8±48.1カ月であ った。下肢の麻痺のグレードは、Brunnstrom recovery stageにおいて、Ⅲ:3名、Ⅳ:14名、Ⅴ:8名であった。

すべての対象者は、屋内歩行が自立していた。対象者は、

事前に研究内容を説明し、同意が得られた者を対象とした。

課題動作は、CVAid を麻痺側下肢に装着した歩行とし

た。CVAid の体幹ベルトとストラップの張力を被験者間

で統一するため、テンションメーターを用いて、静止立位

時に2.0kgに設定した。身体動揺の計測には、加速度セン

サーを用いた。加速度センサーの取り付け位置は、胸部お よび骨盤部の2箇所とした。また、三次元動作解析装置も 同期させ身体重心を算出した。身体重心位置の算出には、

Diff-gaitを用いた。解析は、歩行中のCVAid装着なし(通 常歩行)とCVAid装着あり(CVAid歩行)における胸部 と骨盤部の身体動揺および身体重心とした。なお、本研究 は新潟医療福祉大学倫理委員会(17622)および金沢医科 大学病院倫理審査委員会(H233)の承認を受け、関連す る利益相反はない。

【結果】 身体動揺および身体重心の左右方向において、

胸部および骨盤部ともにCVAid装着側に有意に大きく変 位していた(図1)。上下方向および前後方向では、胸部お よび骨盤部ともに有意差はみられなかった。

【考察】 今回の結果からCVAid歩行では、CVAid装着

(麻痺)側の立脚相に身体動揺および身体重心が有意に大 きく変位することがわかった。これは、CVAidを装着する ことで、立脚時に装着側下肢に荷重されることを示してお り、CVA 者の歩行練習時に麻痺側下肢への荷重促しに有 効であると考えられる。また、先行研究では、身体重心の 変位量が大きい程、エネルギー消費が大きいと報告されて いる。このことから、CVAid を装着した長時間の歩行で は、エネルギー効率面を考慮すると有効であるとは言い難 く、今後検討が必要であると考えられる。

【結論】 CVAidを装着した歩行は、立脚時に装具装着側 に身体重心が変位し、CVA 者の歩行練習の麻痺側下肢へ の荷重促しに有効な手段であると考えられる。

【文献】

1Thijssen DHPaulus Ret al.Decreased energy cost and improved gait pattern using a new orthosis in persons with long-term strokeArch Phys Med Rehabil 88(2)181-1862007

1.脳卒中片麻痺者(左片麻痺)における CVAid装着歩行の前額面の身体動揺(代表例)

通常歩行(装具なし) CVAid歩行

胸部

骨盤部

右側 右側

左側

(麻痺側)

左側

(麻痺側)

義-02

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第20回 新潟医療福祉学会学術集会

参照

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