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Factor XII gene expression in endometrial stromal cells during decidualisation

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Academic year: 2021

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Factor XII gene expression in endometrial stromal cells during decidualisation

著者 川戸 浩明

発行年 2009‑12‑16

URL http://hdl.handle.net/10076/11403

(2)

学 位 論 文 の 要 旨

所 属 三重大学医学部(産科婦人科学) 氏 名 川戸浩明

主論文の題名

Factor XII gene expression in endometrial stromal cells during decidualisation

主論文の要旨

【目的】

受精卵が子宮内膜に着床する前には子宮内膜間質細胞の脱落膜化が起こる。この変化は、

受精卵の着床にとって必要不可欠なプロセスであり、子宮内膜間質細胞の脱落膜化に関与す る遺伝子を同定することは、着床過程を分子生物学的に解明するうえで非常に重要な意義を 持つ。そこで、子宮内膜間質細胞が脱落膜化を起こす際に関与する遺伝子の同定を試み、さ らに、その遺伝子の脱落膜化過程における変化を検討した。

【方法】

子宮内膜間質細胞を培養し、性ステロイドホルモン(エストラジオール、プロゲステロン) を添加し、細胞を脱落膜化させた。この脱落膜化前後の子宮内膜間質細胞から抽出した

RNA

をサンプルとして、既知の遺伝子

3,800

種につき網羅したマイクロアレイで検索し、脱落膜 化の前後でシグナル発現が増大している遺伝子を調べたところ、約

100

種類のものがあげら れ、このうち転写因子に属するものや蛋白間の相互作用に関連すると思われるもの等、機能 的に興味深いと考えられる

28

の遺伝子をノミネートした。これらの遺伝子それぞれについ て再度培養細胞を用い、RT-PCR法で発現の増強を検討した。

ノミネートされた遺伝子の中で、脱落膜化に伴い発現増強が認められ、また着床期の子宮 内膜との関係が示唆される

coagulation Factor XII (Factor XII)に着目し、以下の検討を加え

た。まず、ヒト子宮内膜培養細胞内で、脱落膜化に用いる性ステロイドホルモンの添加によ

り、

Factor XII

の発現強度がどのように変化するかをリアルタイム-PCR法を用い定量的に分

析した。そして、妊娠前のヒト増殖期子宮内膜、分泌期子宮内膜および妊娠初期の脱落膜を

用い

Factor XII

の発現を調査した。次に、ヒト子宮内膜間質細胞と妊娠初期の絨毛細胞との

共培養により、Factor XIIの発現に変化があるかを検討した。さらに、蛋白レベルの検討と して、脱落膜化した培養細胞の上清を用いて

Western blotting

法により、Factor XIIの発現を

(3)

確認した。また、脱落膜化した分泌期後期のヒト子宮内膜および妊娠初期の脱落膜組織にお いて、免疫組織染色法により蛋白レベルでの

Factor XII

の発現も確認した。そして、最後に、

ヒト臓器における

Factor XII

の発現を

cDNA

パネルを用いて検討した。

【結果】

培養子宮内膜間質細胞の脱落膜化は、プロラクチンの上昇により確認した。一般に、子宮 内膜の脱落膜化の指標として、プロラクチン濃度の上昇が用いられている。今回培養を行っ た子宮内膜間質細胞でも、性ステロイドの添加により有意にプロラクチン値が上昇し、脱落 膜化が起こっていることが確認できた。

培養子宮内膜間質細胞に性ステロイドホルモンを添加したところ、プロゲステロン依存性

Factor XII mRNA

が著明に増加し、エストロゲンとプロゲステロンの両方の添加により脱

落膜化させた細胞では、

Factor XII

の発現が性ステロイドホルモン添加前に比べ

25.3

倍の値 を示した。また、ヒト子宮内膜および妊娠初期脱落膜における検討では、増殖期から分泌期

にかけ

Factor XII

の発現が著明に増加し、妊娠初期脱落膜においては増殖期の

30

倍の値で

あった。しかし、培養子宮内膜間質細胞と妊娠初期絨毛膜細胞との共培養では、これらの変 化を認めることができなかった。

蛋白レベルでの検討では、培養細胞上清より、

Factor XII

の存在を

80 kDa

のバンドとして 確認した。さらに、分泌期後期子宮内膜および妊娠初期脱落膜組織における免疫組織染色で は、脱落膜細胞と腺上皮細胞が染色され、子宮内膜脱落膜化の際の

Factor XII

の発現を蛋白 レベルで確認することができた。また、臓器別の

Factor XII

の発現は、

liver

spleen

にも認 められた。

【考察】

Factor XII

はカリクレイン-キニン系の凝固作用を有する蛋白であり、血液凝固線溶系の

key protein

である。近年、カリクレイン-キニン系のシステムが妊娠初期の子宮内膜に存在

し、着床への関与が示唆されたとの報告がある。また、臨床的には

Factor XII

欠損症やこれ に対する自己抗体の存在は反復流産に関与することが示唆されている。体外受精-胚移植の 反復失敗例の患者群では

Factor XII

の活性が有意に低い傾向にあることが報告されている。

以上のことからも、受精卵の着床におけるメカニズムとして、Factor XIIが密接に関連して いるものと思われる。そして、本研究では、ヒト子宮内膜間質細胞の脱落膜化の過程で

Factor

XII

遺伝子の発現増強が確認された。このことは、着床時には脱落膜化細胞で

Factor XII

活性化が起こり、何らかの働きを行っているものと推察される。今後、その機能を解析して いくことにより、生殖補助医療に寄与するものと思われた。

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