技術・家庭科(家庭分野)の主張
雑誌名 教育研究協議会要項 : 共に創りあげる授業 : 資質
・能力を育みながら,「教科ならではの文化」を味 わう子どもたち
巻 令和元年度
ページ 105‑105
発行年 2019‑10‑17
出版者 静岡大学教育学部附属静岡中学校
著者版フラグ publisher
URL http://hdl.handle.net/10297/00026837
後術・家庭科(家庭分野)主張
技術・家庭科(家庭分野)の主張
1 教科で育みたい人間像
私たちにとって, 食べる, 着る, 住む, 買うなどの行動は習慣であり, これらによって生活が形成されていると 言えます。習慣となっていることに対して, 私たちは意識せずに行動することがあります。しかし「もっとこうし たいJ r変えることができそうだJ r改善する必要がある」などという思いをもち, 苦から伝わる生活の知恵を活用 したり, 世の中にあふれでいる生活に関する情報を積極的に取り入れたりする場合もあるでしょう。
私たちは, 生活経験や生活の状況, 立場が変化すると, それに伴って優先したいもの, 生活に対する思いや課題意 識が変わります。生活は常に更新され続けるものであり, よりよい生活を追い求めて実践することに終わりはない のです。よりよい生活をめざして, 他の誰かの実践を参考にしたり, 既存の知識や技能を生かして新しい方策を考 えたりして試行錯誤する過程を繰り返すと, それまで知らなかった価値観にふれて生活に対する視野を広げたり,
異なる方策を知ることで生活の質を高めたりすることができます。それにより, 普段から生活を意識的に見直した り, 生活に対する思いや課題意識をもったりする場面が増え, さらによりよい生活をめざして笑践していくように なるでしょう。生活を見直し, 試行錯誤することを繰り返すことで, 生活に対する思いや課題意識を自然と抱いて 実践するようになり, 生涯にわたってよりよい生活を営むことができるようになると考えます。以上のことから,
技術・家庭科(家庭分野)では, 生涯にわたって, 自然と様々な視点から現在の生活に目を向け, 実践することを 繰り返す「よりよい生活を営む人」を育んでいきたいと考えています。
2 教科ならではの文化
技術・家庭科(家庭分野)で扱う内容は, 生活そのものだと言えます。 しかし, r生活」と言っても, 人によっ てその形は様々です。生活の中で優先していることや求めているものはもちろん, 生活経験も生活の状況も異なり ます。自分にとって当たり前のことが他者にとっても当たり前であるとは限らないため, 自分とは異なる考えや生 活の様子, 自分が知らなかった価値観や方策を知ったときに, ハッとしたり, 詳しく知りたくなったりするのです。
他者の考えや生活の様子を知ることで, 新たな価値観にふれたり, 新たな視点で自分の生活を見直したりすること ができ, 生活に対する思いや課題意識をもっきっかけ, さらには生活を変えてみようと思うきっかけとなり, より よい生活を求めることにつながっていくと考えます。 そして, 健康, 快適さ, 環境への配慮や心の豊かさなどの視 点、から, 理想と現状の生活を照らし合わせて実践し, 手応えを得たり新たな課題を見つけたりしながら, さらに工 夫を加えていくという過程を経て, それぞれのよりよい生活を実現していくでしょう。よりよい生活を実現するこ とができれば,さらにその先のよりよい生活を求めるようになると考えます。以上のことから,生活を見直したり,
新たな価値観にふれたりして, よりよい生活を追い求めて実践することの繰り返しを「技術・家庭科(家庭分野) ならではの文化」と考えました。
3 授業づくりで大切にしていること
子どもたちが「技術・家庭科(家庭分野)ならではの文化」を味わうためには, まず, 日常生活の中で何気なく 行っていることや当たり前のように存在しているものに焦点を当てて見直し, 気づきや疑問を共有することが重要 であると考えました。普段それほど意識していなかった生活を意識して見直していくと, 子どもたちは犠々な気づ きや疑問を抱くでしょう。それらを仲間と共有することで, 健康面や安全面, 人とのかかわり, 社会や未来への影 響など様々な視点を得て, 改めて自分の生活を見直すことができるようになります。自分の生活に対して思いや課 題意識をもった子どもたちは, 生活をよりよくするための方策を知りたくなったり実践したくなったりして, より よい生活をめざして追求していくはずです。体験的・実践的活動に取り組むことで, 効果を実感したり, 想定して いなかった問題点に直面したりします。解決策を検証する機会であると同時に, r前よりは少しよくなったJ r他に も自分ができることはありそうだ」という思いをもっきっかけにもなるでしょう。そして, さらに生活に対する思 いや課題意識をもち, また新たな課題を解決しようと, 上記のような過程を繰り返していくと考えます。
このような過程を子どもたちが経験することができるような題材構想の工夫をして, r技術・家庭科(家庭分野) ならではの文化」を味わう授業づくりをめざしていきます。
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