グラムの開発原理 : "Active Citizenship Today(ACT)"の場合
著者 唐木 清志
雑誌名 静岡大学教育学部研究報告. 教科教育学篇
巻 32
ページ 33‑58
発行年 2001‑03
出版者 静岡大学教育学部
URL http://doi.org/10.14945/00008337
静岡大学教育学部研究報告 (教科教育学篇)第32号 (2001.3)33〜58
「サービス・ ラーニング (sewice‐Leaming)」 プログラムの開発原理
〜 Act市e Citizenship Today(ACT)"の 場合 〜
A principle of Development on Service-Learning Programs
- In case of "Active Citizenship Today (ACT)" -
唐 木 清 志 Kiyoshi KARAKI
(平成12年10月 10日受理)
1 は じめに 〜AC下 の特徴〜
本論文の目的は、Constitutional Rights Foundation(CRFlと Close up Foundation(CUP) の二 つの非営禾U団 体 に よって共 同開発 された Active Citizenship Today(ACT)"と い う
「サービス・ラーニ ング (Sewice―Leaming)」 1プログラムの開発原理 を明 らかにすることにあ る。 .
ACTは高校 を対象 とした二冊 (1994年 に刊行)と中学校 を対象 とした二冊 (1995年 に刊行) の計四冊 より構成 される。二冊 はそれぞれ、生徒が学習 を展開する上で参考 にする『フィール
ドガイ ド』 と、教師がその生徒の学習 を支援す る上で参考 にす る Fハン ドブック』か ら成 る。
(つまり、高校用『フィール ドガイ ド』『ハ ン ドブック』 と中学校用『フィール ドガイ ド』『ハ ン ドブック』の計四冊がACTのすべてである。2)ACTは「社会科 (Social Studies)」 の中 で「サー ビス・ラーニ ング」を実践す ることを目的 として開発 された。つ まり、ACTには社会 科プログラム と「サー ビス・ラーニ ング」プログラム という二つの顔があることになる。ACT
の最大の特徴 は、学習プロセスの中心 に「公共政策の研究 (Study of Public Policy)」 (生徒 はある社会的な課題 に対する公共政策 を批判的に分析 し、その分析 に基づ きなが ら、生徒な り の新たな公共政策 を立案する)を位置付 けていることである。 この点 より、ACTは社会科プロ グラム として先ず説明 される。 しか し、筆者 は、 この「公共政策の研究」 を通 して「政策立案 能力」 を育成することは、社会科の専売特許ではない と考 えている。つまり、 この「政策立案 能力」の育成 は社会科 と同時 に「サー ビス・ ラーニ ング」 において も重要な目標の一つ と位置 付 けられるべ きなのである。 この後で述べ るが、今 日「サー ビス・ ラーニ ング」の主流 をなす 実践 は、援助 を必要 とする人々 (子ども、老人、障害者、ホームレス等)に生徒が直接援助の 手 を差 し伸べ る「直接的サービス (direct sewice)」 である。 しか し、「サービス・ラーニ ング」
はそのようないわゆる「 ボランティア活動」ですべてが言い尽 くされるわけではない。生徒 自 身の手 によって社会的な課題 を明 らかにし、その課題 を分析 し、 コミュニティの住民の援助 を 得なが ら最終的に課題解決のために有効 な政策 を立案・提案する。そのような「市民行動(c市ic action)」 に似た活動 こそ「サー ビス・ラーニ ング」で求める究極的な学習方法でないだろうか。
ファー トマン (Carl I.Fertman)ら は、「サー ビス・ ラーニ ング」 を、実際にコミュニティ
で展開され るサー ビス活動の性格 より、「直接的サービス (direct sewice)」「間接的サー ビス (indirect sewice)」 「市民行動 (civic action)」 という三つのカテゴリーに分類する。3
「直接的サー ビス」 とは「援助 を必要 とす る人々 との個人的な接触」 を意味する。 このタイ プのサー ビス活動 には、例 えば、中学校 (middle scho01)の 生徒が小学校(elemёntary schOol) で特別 な教育 を受 けている児童 に対 して「読みの学習 (reading)」 を援助することがある。援 助 を必要 とする人々 と直接接触することがで き、 またそうすることで直ちに有効感 を味わえる ために、 このタイプのサー ビス活動が「サー ビス・ ラーニ ング」では最 も一般的なもの となっ ている。
「間接的サー ビス」には、例 えば、「(福祉団体等のための)資金集 め(fund‐ raising)」「(ホー ムレスのための)食料収集 (food collection)」 等がある。つ まり、援助 を必要 とする個人 と直 接接触するのではな く、ある課題 を解決するのに必要 となる物資 を集 めることを通 して、間接 的にサー ビス活動 と関わ るのが このタイプの特徴である。多 くの場合、 この活動 はある団体や 機関を援助することを目的 としてなされ る。 日本で言 えば、「赤い羽募金運動」や「ベルマーク 集 め」等が これにあたるもの と思われる。
「市民行動」は「民主的な市民的資質 (democratic citizenship)に おける活動的な参加(act市e participatiOn)と い う視点 を強調する」。ファー トマンらによれば通常 このタイプの活動は二つ の主要な活動場面 に分割 される。一つ目は選択 した課題 について「知 る場面」、二つ目はその課 題 を解決す るために「行動する場面」である。二つ目の「行動する場面」には、例 えば、生徒 がホームレスの住居 を確保するために地方政府 と交渉すること、生徒が麻薬・ アルコール犯罪 の危険性 に対する住民意識 を高めるためにキャンペーン運動 を展開することがある。
先 に述べた通 り、ACTは この うち「市民行動」の観点か ら開発 されたプログラムである。 ま た、ACTでは次のような点 も考慮 している。「ACTは行動 を通 して市民的資質技能 を学ぶ一つ の方法 となる。ACTにおいてあなたが学ぶ技能 は、あなたが今 日のコミュニティを改善する際 に役立つ技能である。 これ らの技能 はあなたの生活の至 る所であなたを援助することになる。
例 えば、あなたの未来の教育 において、あなたの職業 において、そして民主社会 における一人 の市民 として。」つまり、ACTは「政策立案能力」の育成 を通 して「市民行動」できる市民 を 育成するとい う市民的資質のための教育の側面だけでな く、様々な学習技能 (調べ る技能や ま
とめる技能等)を生徒 に身に付 けさせ るという生涯学習の側面 も併せ持 っているのである。
今 日、 日本では「総合的な学習の時間」に関する研究が本格化 しつつある。その中で、筆者 は「サー ビス・ ラーニング」 を「アメ リカ版総合的学習」 と捉 えている。それは、アメリカに おける「サー ビス・ ラーニ ング」が 日本の総合的学習を考 える上で参考 となる視点を提供でき る、と考 えるか らである。ACTの ような体系的なプログラムの開発が、今後 日本 において も必 要 となって くるだろう。 そのような際 に、ACTの理念及 び内容が必ずや参考 となるはずであ る。
2 CRFにおける市民参加 としての「サー ビス・ ラーニング」 とい う考え方
CRFの理事 (executive director)で あるクラーク (TOdd Clark)は 、CRFのスタ ッフと ともに、1997年 、「市民参カロとしてのサー ビス・ラーニング(Service Lcarning as Civic Partici‐
pation)」 とい う論文 を発表 した。 まず この論文 を分析することで、ACT誕生 に至 る開発者側 の意図を探 ってみたい。
「サー ビス・ ラーニ ング (Service‐Leaming)」 プログラムの開発原理
彼 らはまず Times Mirror Center for the People and the Presゞ 'に よるアメ リカ市民の分 析 を引用す る。「 アメ リカの選挙人 は憤 ってお り、自己の利益 に関心 を集中させ、政治 になん ら 関心 を持 っていない。何千 にも及ぶアメ リカの選挙人へのインタヴューにより次の ことが明 ら か となった。すなわち、彼 らは現在のシステムに対 して不満 を抱いているが、その不満 を解消 するために、パ ブ リックな政治的思考 を行 なうことや他の政治的解決策 を進んで提案す ること に対 してなん ら明確な方向性 を見出 していない。」4このような傾向に対 して、CRFは、「学校が 市民の政治的無関心 を中和 し、市民の知識 を改善 し、市民参加 を増大 させ るよう努めなければ な らない」5と、学校教育の役割 を提案す る。しか しなが ら彼 らによれば、「公民 コース、政治 コー ス、合衆国史 コースが市民的資質のための教育 (citizenship education)と して多 くの学校カ リキュラムに共通 して存在する」にもかかわ らず、それ らは「教室 における学習 をコ ミュニティ において市民的技能 を活用す る場面 に結び付 けるようなプログラム」6と はなっていないのであ る。 それは今 日存在す る学校が上記のような役割 を果た していない ことを意味す る。つ まり、
「公民 コースや政治 コースは市民参加 にとって基礎 となる知識・ 技能 を提供することができる にもかかわ らず、それ らのコースについての感想 をコース参加者 に尋ねると、興味深 くそれ ら のコースに参加 した、あるいは学校の学習が活動的な市民参加 のために役立 った と答 えるアメ リカ市民 はほ とん ど存在 しないのである。」7以上のように、今 日の学校教育実践 を批判的に分析 する中か ら、ACTは誕生 したのである。
CRFは学校教育 に対 して次のような提案 を行 なう。「手短かに言 えば、もしわれわれが生徒 に 効果的な市民 として演 じることを期待するな ら、われわれは市民が取 るべ きすべてのステップ を含んだカ リキュラムを生徒 に提供 しなければな らない。理想的には、公民科プログラムは生 徒の生活 に関連 し、社会が直面 している現実の課題 を取 り扱い、市民的資質の技能 (例えば、
批判的思考、問題解決、プレゼンテーション、調査等)の実践 を促 し、生徒が学習 した知識や 技能 を応用する場 としてコミュニティを利用すべ きである。」8「4 ACTの実際」ではACTの
内容 を紹介するが、正 にACTの内容 は「市民が取 るべ きすべてのステップ」より構成 されてい る。
CRFでは「一つの解決策 としてのサー ビス (Service as a Solution)」 という考 え方をする。
つ まりこうである。「 コミュニティ・サービスは市民的資質のための教育 を促進する。なぜなら、
生徒 は教室で獲得 した技能 をコミュニティで活用することによって市民 として成長することが できるか らである。」9実はこのような考 え方にCRFが至 るには、ACTが完成する以前、つ ま り1980年 代のプログラム開発 に対す るCRFの自己反省があつた。CRFでは「サー ビス活動が青 年 とコミュニティに とって価値があることは明白であるが、それが本質的にあるいは自ずか ら 市民的資質のための教育 を構成す るのではない」1°と考 える。 これは、CRFが、1980年 代 に開 発・実践 した Youth Leadership for Action(YLFA)"や Youth Community Service(YCS)"
といったCRFのボランティア・サー ビス・プログラムが不十分であった ことを示 している。そ の辺 りをCRFでは「われわれの歴史 はボランテ ィア・サー ビス・プログラムか ら、効果的な市 民参加 にとって本質的である知識・技能・態度の育成 を意図 してサー ビス と学習 を統合する『市 民参カロ(civic participation)』 プログラムの方向へ と徐々に変化 を遂 げてきた」と捉えている。
ここで「『市民参加』プログラム」と呼んでいるものが、CRFが開発 した「サー ビス・ラーニ ン グ」プログラム、すなわちACTの ことに他ならない。さらに、CRFは次のように述べ る。「わ れわれはプロジェク トの開発 を生徒 に要求することで、社会的な課題の背後 を研究することへ
と生徒 を追い込む。スープキッチン (sOup kitchen)で作業する生徒 はなぜ人々がホームレス になったのかを考 えることを始め、落書 きをペ ンキで塗 り消 している生徒 はコミュニティヘの 落書 きの影響 を探求することを始 め、『(視覚障害者 を対象 とした)ビー ッという音の野球 (beep baseba11)』 をプレイす る生徒 は障害者 に関連 した政策 を調査す ることを始め、植物 を育てる生 徒 は様々なコミュニティ機関が どのように環境問題 を取 り扱 っているかを検討す ることを始 め た。」H「サー ビス・ ラーニング」 はコ ミュニティにおいて生徒が「行動す る」だけで成立する のではない。その活動 に至 る過程で、あるいは活動 を進める過程で、生徒が取 り上 げた課題 に 対 して「知 ること」 もまた重要な視点なのである。
CRFは1990年 代 に入 り、三つの「サービス・ラーニング」プログラムを開発 している。一つ は本研究で取 り上 げているACTである。それは社会科カ リキュラム として開発 された。残 りの 二つは City Youth(CY)"と Youth Task Force(YTF)"で ある。前者 は、社会科、国語、
理科、数学の学際的なカ リキュラム として開発 されてお り、後者 は教科外のカ リキュラム (例 えば、クラブ活動等)と して開発 されている。それぞれプログラム毎 に特徴があるのだが、CRF
では次の四点わたってそれ ら二つのプログラムに共通点があると考 えている。
第一 に「技能の確立 (skill building)」 である:12cRFが開発 したプログラムでは、市民的資 質 に必要不可欠な技能の発達 に重 きを置いている。第二 に「相互作用的学習方略 (interact市e leaming strategies)」 である。13これは、生徒が知識・技能 を獲得 し、態度 を形成する過程で、
生徒間の交流 を大切 にしているとい うことである。このタイプの学習方略には討論、シ ミュレー ション、 ロールプレイ等がある。第三 に「 コ ミュニティの資源の利用 (use of community
resources)」である。14これは図書館や博物館 といったコ ミュニティの施設 を利用することだけ でな く、生徒が コミュニテ ィの機関・団体でボランティア活動 をすることも意味す る。 そして、
第四に「政策への焦点化 (policy focus)」 である。15後述するように、ACTでは特 にこの第四 の視点 を大切 にする。CRFに とって、「個人が効果的な市民 となるためには、彼 は、社会がある 課題 に対処する政策 をどのように立案するのかを理解 しなければならない し、 コ ミュニティの 課題 に対処す ることを目的 とした開発 された公共政策 を評価す る能力 を持 たなければな らな い」のである。
以上が、CRFが ACT開発 に至 る経緯であ り、CRFによるACT開発の意図である。
3 AC丁 の理念
(1)AC丁 を支える六つの要素
ACTは、次の六つの要素 に支 えられている。これ ら六つの要素 を考慮 しなが ら、CRFと CUP
はACTを開発 した。② の「公共政策の研究」は、先 に述べた通 り、ACTの特徴である。 しか し、それを除 く他の五つの視点 は、すべての「サー ビス・ ラーニ ング」プログラムに共通する 要素である。 それ らは日本 において「総合的な学習の時間」の単元開発 をする際にも役立つ視 点 となる。
①学校 に基づ く「サー ビス・ ラーニ ング」(School‐based SeⅣ ice Learning)
②公共政策の研究 (Study of Public Policy)
③学校 とコミュニティのパー トナーシップ (Partnerships between Schools and Commu‐
nity)
「サービス・ラーニング (Service‐Leaming)」 プログラムの開発原理
④参加型学習 (Participatory Leaming)
⑤認知的 リフレクション (COgnit市e Reflection)
⑥ もう一つの評価 (Altemat市 e Assessment) 以下、それぞれについて説明する。
「①学校 に基づ く『サー ビス・ラーニ ング』」16とは、「サー ビス・ラーニ ング」を学校 カ リキュ ラムに含み込 ませ る(infuse)こ とを意味する。それはコミュニティにおけるサー ビス活動 (生 徒の行動 〈student action〉 )を教室 における学問的な学習 (学習指導 〈school instrtlction〉 )
と結び付 けることを意味する。また、このアプローチは、「近い将来 コミュニティのメンバー と なる生徒が市民的資質 (citizenship)を真 に意味あるもの とす る」ためにも必要不可欠な視点で ある。生徒 は「教科書、 クラス討論、 クイズ、テス トといった伝統的な学習方法の利用か らだ けでな く、経験 を振 り返 ることか ら(『⑤認知的 リフレクション』)、 実生活の経験の中で教科の 内容 を利用するだろう (『経験主義教育 〈experiential education〉』。 さもなければ『為す こと を通 して学ぶ くleaming by doing〉』)」。そのためにも、教師 は、「生徒が コミュニティ・ サー ビス・プロジェク トヘの参加 を通 して市民の責任(citizen responsibility)の 感覚 を発達 させた」
とい うことを観察で きるように、「生徒の学習や行動 を評価す るための新 しい方法 (『⑥ もう一 つの評価』)を発見 し、利用する」 ことに努めなければな らない。
「②公共政策の研究」17は、ACTと他の「サー ビス・ ラーニ ング」プログラム とを分かつ視 点 となる。ACTは他のプログラム と同様 に「学校や コ ミュニティに影響 を及 ぼす現実的な課 題、そしてそれ らの課題への対処方法 に注 目することを生徒 に要求する」。 しか し、特 にACT
では、生徒がその課題 に対する解決策 を決定する以前 に、「 まず公共政策の領域でその課題 に対 して何がなされているかを検討すること」を大切 にす る。ACTを通 して、「生徒 はどのように 公共政策が開発 されるのか、その開発過程で どのような人々や組織が関与 しているのか、 どの ようにして異なる政策代替案が検討 されるのか、 さらには、政策の背後 にはどのような利益や 目的が存在す るのか、等 を学習す る」。 この学習 を通 して、生徒 は「 コミュニティにおける政府 の役割 を理解す るとともに、政府 に影響 を及ぼす市民 としての役割 を理解す るようになる」の である。 それは「政策の分析 を思慮深 く行 なえる市民 こそ民主社会の礎 (comerstone)と な り える」 とい う考 え方に基づいている。
「③学校 とコ ミュニティのパー トナーシップ」18と は、 コ ミュニティにおける生徒の活動が充 実 した もの となるよう、「生徒 は地方政府 との結び付 きだけでな く、地方の企業、サー ビス機関、
メディア、教会、非営利団体、他の地方グループ との結び付 きを必要 とす る」 とい う意味であ る。様々なグループが「 ボランティアの機会、資金、 ミーティングの場所、そして情報 を提供 す ることがで きる」。 また同時に、学校 とコミュニティのそのような結び付 きが、「教室 におい て情報 を提供 して くれ る人々の確保、生徒のプロジェク トを公開すること(publicity)」 をそれ ぞれ可能 にす るのである。「 しばしば教師は『教室の ドアを閉め (close the classroom d6or)』、 教師や生徒 を支援す る価値 ある情報が コ ミュニティに数多 く存在す ることを忘れて しまう」。
ACTでは次のような提案 を教師に行 なう。すなわち、「 あなたの教室 にコミュニティを持ち込 み、あなたの教室 をコミュニティに持 ち出 しなさい」 と。そうす ることで、生徒 は教師の支援 の下、「 コミュニケーションする技能やグループを組織 する技能 を改善することがで き、 また、
コ ミュニ ティの情報提供者 と接触 し、彼 らと積極 的 に関わ る ことを通 して、自尊心 (self‐
esteem)を高めることがで きる」のである。
「④参加型学習」19は次のような考 え方に基づいている。すなわち、「(試験 を目的 とした特定 の教科内容 といった)学ぶべ き内容 (what to learn)を 学習する代わ りに、(質問、 リフレク ション、経験、行動 を通 して)学び方 (how to leam)を学習 ことにより、生徒 は退屈なもの というよりはエキサイテ ィングな もの として学習を見 るようにな り、 また、学び続 ける学習者 (lifelong leamers)と なるよう動機付 けられるのである」。ACTで考 える「参カロ型学習」の具 体的な方法 には、討論、ロールプレイ、シミュレーション、グループ活動、協同的学習 (coopera̲
t市e leaming)、 ブレインス トー ミング等がある。このような学習方法 を経験することで、生徒 は教科で学習 される情報 に対 して継続的に関心 を示すようにな り、情報 を我が物 とし(own)、
その情報 を日々の生活経験で直接的に生かす ことができるようになる。 また、「参加型学習」に おける教師の役割 は、「指導者 (mentor)、 ガイ ド、 コーチ、支援者 (facilitator)」 である。つ ま り、教 師 には「講義、ワークシー ト、他 の伝統 的な教育 方法 を通 して生徒 に『答 え (the answers)』 を要求する代わ りに、生徒が独力で答 えを発見することを援助する」役割 を演 じる
ことが要求 されるのである。
「⑤認知的 リフレクション」20を、ACTでは、「『サー ビス・ラーニ ング』の礎 (comerstone)」
と捉 えている。 この視点の有無 によ り、「サービス・ ラーニ ング」 とコ ミュニティ・ サービス (community seⅣice)が区別 される。「サー ビス0ラーニ ング」には、「 リフレクションのため の非形式的でボランタ リーな時間だけでな く、 リフレクションと討論 に必要な形式的に組み込 まれた時間 と場所が存在す る」。 これは「サービス・ ラーニング」プログラムを開発する際に、
「構造的な リフレクションのために計画された時間(planned time for structured reflection)」
が大切 され ることを示 している。つまり、「カ リキュラムの内容領域 とサー ビス活動 とを生徒が 結び付 けている過程」で、彼 らには継続的なそして意識的な リフレクションが要求 される。「⑤ 認知的 リフレクション」 は大 き く「集団 リフレクション」 と「個人 リフレクション」に分 けら れ る。前者の具体的な方法論 には討論やロールプレイ、後者 にはジャーナ リングやプレゼンテー
ション等が考 えられている。
「⑥ もう一つの評価」21と は、「選択肢や○ ×といった伝統的な試験 とは異なる評価の技法」
を意味する。今 日「 もう一つの評価」は教育改革運動の一部 をなし、具体的には、「ポー トフォ リオ評価(portfoliO assessment)」 「真正な評価(authentic assessment)」「デモンス トレーショ ン(demonstrations)」 として理論化 されつつある。「 もう一つの評価」を支える思想 には、「生 徒 に何かを『為す こと』を要求する」「生徒の問題解決技能や高次の思考技能(high‐order think‐
ing skills)を 発達 させ る」「『現実世界 (real‐world)』 への転移が大切 にされる」「教師に新 し い学習指導の役割が期待 される」「唯―の『正 しい (right)』 答 えは存在 しない」等がある。 ま た、具体的な方法 としては、「 ジャーナル」「マルチメディア・プレゼンテーション」「口頭のプ レゼンテーション」「 自己評価」「行動評価書 (生徒の行動 を接触 した人々がチェックシー トに 評価す ること)」「チェックオ フシー ト (活動計画が予想通 りに進 め られたか どうか を生徒が
チェックす ること)」 等がある。
以上六つの要素 をプログラムの中に取 り入れるなが ら、ACTは開発 された。ACTは極 めて 体系的なプログラムであ り、意図的な試みなのである。
(2)AC丁 を実行する際の注意事項
また、ACTには、学習 を進めるにあたって、教師が次の九つの点に留意すべ きことも併せて
「サービス・ ラーニング(Service‐Leaming)」 プログラムの開発原理
述べ られている。 日本では「アメ リカの教育実践」 について「 自由で、すべてを子 どもに任せ ている」 とい う印象 をもつ人が多いようである。 しか し、実際には次のような様々な点 に留意 しなが ら実践 は進 められ る。特 に、子 どもの安全や保護者の理解・協力 には日本以上 に気 をつ かっていることがわかる。事前の準備 は非常 に大切 なのである。
第一 に「保険 と責任 (insurance and liability)」 22でぁる。ACTでは生徒 による様々なサー ビス活動が コミュニティにおいて展開される。それは生徒が学校外へ出かけることを意味する。
そのような活動 には当然危険が伴 なう。教師あるいは学校 はそのような危険 に対 して責任 を負 う義務がある。事前 に危険 を回避す る努力 は当然であるが、予測不可能な事故 に対 して も予め 対応 を考慮 してお く必要がある。 そのためにも、「学校保険(school insurance)」 の適用範囲を 再確認 し、 もし必要な らば他の保険 に加入すべ きである。 また、生徒がサー ビス活動の中で過 失 を侵す可能性 もある。 その点にも十分注意 を払 うべ きである。
第二 に「保護者の許可 (parental permission)」 23でぁる。生徒がボランティア として様々な 活動 に参加す る場合 には、保護者の許可が必ず必要である。ACTプロジェク トを開始する以前 に、保護者 に許可書のサインを要求す る。つ まり、保護者 に生徒の学校外活動 に対 して許可 を 願 うべ きである。
第二 に「保護者の援助 (parental support)」 24でぁる。許可書 を送 るの と同時に、教師は保 護者や近隣者 に対 してACTを説明 した手紙 を送 り、場合 によっては教師 と保護者があるいは 保護者同士がACTについて議論す る ミーティングを組織すべ きである。また、保護者 はACT
プロジェク トにとって重要な資源 となる。保護者の中には地方政府や非営利団体で働 く者 もい るだろう。加 えて、教師 は「 もう一つの評価」 に対する説明 を保護者 に行 なうべ きである。多 くの保護者 はテス トの点数のみで生徒 を評価することに慣れている。 この機会 に教師は保護者 に「サー ビス・ラーニ ング」 を始め とす る新 しい教育方法 を知 って もらうと良い。「 これは積極 的な学校 と家庭 との関係 を建設 し、学校 に対する保護者の関与 と援助 を推進 させ るすばらしい 機会 となるだろう」。
第四に「安全の問題 (safety issues)」 25でぁる。ACTのすべてのステップにおいて、生徒の 危険性 を最小限に とどめる努力がなされなければな らない。 もし生徒が危険な場所 に出向き、
あるいは危険 をともなう活動 をす るな ら、教師は生徒 との間でルールや手続 きの確認 をするべ きである。通常生徒 は教師あるいは保護者の監視下で作業 を行 なう。あるいは、学校外で作業 する場合 には、一組のペアやグループになるべ きである。
第五 に「移動 (transportation)」 26でぁる。インタビュー、調査、見学 をする場合、 どのよう に生徒 は学校か らその場所へ移動するのか?スクールバスの手配 はで きるか?保護者 は車 を出 す ことがで きるか?教師 は校長 とともに移動 に関 して再確認 を行 なうべ きである。
第六 に「生徒の準備 (preparation of students)」 27でぁる。生徒 に学校外で活動する際の留 意点 を確認 させ る必要がある。 コミュニティで活動す る際には、生徒 は服装や言葉使 いに注意 しなければな らない。 また、老人 ホームやホームレス・ シェルター といった、生徒 にとって新 しい場所では、特 に準備が必要 となるだろう。そのような場での生徒の不安 を解消するために も、生徒同士が話 し合 う機会 を、教師は与 えるべ きである。
第七 に「生徒の適応 (student adiustment)」 28でぁる。生徒 はす ぐにで もプロジェク トを開 始 したい と考 えるだろう。そのような場合 に、生徒 は注意深い準備の必要性 を感 じないか もし れない。 しか しなが ら、 もし適切 に リフレクションの時間が導入 されるな ら、生徒 は準備が非
常 に大切であ り、結果的に、それが彼 らの作業 をし易 くす ることを知 るだろう。彼 らはリフレ クションの時間に、た くさん書 き 。話す ことを要求 される。それは、他者 と競争す ることの代 わ りに、協同 して作業することを要求することで もある。 また、場合 によっては、大人たち と の交流 も要求 される。「生徒の準備」が学校外で作業する際のルールやマナーに関す る事柄であ るのに対 して、 この「生徒の適応」ではプロジェク トその ものに適応す ることに対応 した もの である。
第八 に「資源の最適 な利用 (optimal utilization of resources)」 29でぁる。 コミュニティの 資源 を最大限利用するためにも、教師は可能な限 り情報 を集めなければな らない。地方新聞の 講読予約 をす ること、 また、生徒や保護者 に地方新聞の購読 を勧 めることが教師には必要 とさ れる。 また、その他 にも、教師は様々なコミュニティの人々 と接触 を持つ ことが必要である。
例 えば、メディアの記者、地方 ビジネス、地方政府機関、非営利団体 な どと教師は接触 しなけ ればな らない。 さらに、資源のネ ッ トワークを築 くためにも、教師は保護者、近隣の住民、友 人 と話す ことが必要である。
第九 に「態度チェック (attitude check)」 30でぁる。教師 もそして生徒 もオープンマイン ド、
ユーモアの感覚、発見の感覚を維持することが大切である。ACTはすべての者 にとって新 しい 経験である。通常新 しい経験 に適応す るためには時間を必要 とするだろう。 しか し、生徒 はそ の適応の段階 も楽 しむにちがいない。
これ らはすべて事前の準備 に関す る事柄である。
4 AC下の実際 (1)AC下 の全体像
ACTの全体像 を理解するために、 ここでは、ACTが どのような目標観 に立ち、 どのような 能力 を生徒 に身に付 けさせたい と考 えているかを、先ず明 らかにする。(図表1参照)。 次に、
ACTが実際にどのような学習プロセスを通 して進められるのかを明 らかにす る。ACTの学習 プロセスは大 きく五つのステ ップに分 けられ る。それは、市民が「市民行動」 を起 こす際に必 ず辿 らなければならないステップである、とACTでは考 えられている。この全体像 を示 した上 で、次の「(2)ACTの学習プロセス」では、ACTの内容 を実際に示 してい こうと思 う。(図表2 参照)。
ACTでは、次頁の図表131の目標観・能力観 に立 っている。 この図表1は、中学校用『ハ ン ドブック』に載せ られた ものである。 ここには、ACTの「 目標」 と、ACTで育成することの で きる「学習成果」が示 されている。学習成果 を「知識」「技能」「態度」の三つの視点か ら表 現する方法 は、伝統的にアメ リカ社会科で取 られてきた ものである。 ここで用いる「技能」 と いう言葉 は日本のそれよりも意味内容が広 く、「問題解決能力」や「批半J的思考能力」等 もその 中に含 まれ る。つ まり、アメ リカ社会科では「問題解決技能」や「批判的思考技能」 という言 葉の使用が 日常的になされているのである。
日標の一つ目の視点 は、「サー ビス・ラーニ ング」が体験的な活動だけで成立するのではな く、
取 り上 げた課題 に対する深い研究 に基づいて成立することを示 している。また、ACTが国家的 あるいはグローバルな規模での学習ではな く、 コミュニティにおける学習 に限定 していること
も示 している。第二の視点 は、繰 り返 している通 り、ACTが公共政策の研究 に焦点 を絞 ってい ることを示 している。それは、次の「(2)ACTの学習プロセス」で紹介する、ACTの学習プロ
「サー ビス 0ラ ーニ ング (Sewice‐Leaming)」 プログラムの開発原理
セスか らも理解で きることである。そして、第二の視点は、「サー ビス・ラーニ ング」がアメ リ カ市民の個人主義化傾 向に歯止めをかけることを目的 として注 目された とい う事実 に関連す る。「 コミュニティに奉仕すること」 はアメ リカ民主主義の根幹であ り、 したがつて、「サー ビ ス・ ラーニング」 を通 してアメリカ民主主義 を再建 しようとす る意図が、「サービス・ ラーニ ン グ」の背景 には存在す るのである。
次に、具体的にACTがどのような構造 になっているかを紹介する。生徒用『フィール ド・ガ イ ド』 も教師用 『ハ ン ドブック』 も、当然の ことなが ら、両者 ともに五つのステ ップより構成 され る。なお、各ステップは「章」 として示 されている。つ まり、第1章は第 1ス テップを意 味する。
【図表1】 ACTの日標と計画される生徒の学習成果
目標 :
ACTへの参加 を通 して、生徒 は:
◆コミュニティについて学習し、また、コミュニティの状況を改善することに最も効果的である人々・プロ セス・機関について学習する。 ,
◆政治生活 とコミュニティ生活のあらゆる場面における政策立案プロセスに効果的に参加するために必要 な社会的・政治的・分析的技能を身に付ける。
◆共通善 (the commOn good)対 して生涯にわたって奉仕するという態度を彼ら自身の中にそして仲間の間 に育てる。
生徒の学習成果:
上に述べられた目標に到達することで、ACTに参加する生徒は次の学習成果を獲得することができる。
知識 (Knowbdge) 生徒は:
◆有能で参加する市民の様々な特徴や行動を認識する。
◆彼らが生活するコミュニティが何であるかを明らかにし、それについて述べる。
◆地方の問題、そして、その地方の問題 と州0国家ンベルの問題 との関連性が何であるかを明らかにし、
それを定義し、それについて述べる。 ′
◆公共政策の開発・意味付け・評価に影響を及ぼす要素と機関を説明する。
◆一個人がコミュニティの諸問題を解決するのに役立つことができる様々な方法を知る。
技能 (Sk‖ ls)
生徒 は:
◆効果的な質問を開発し、使用する。
◆多様な一次・二次資料から情報を獲得し、それを解釈する。
◆客観的妥当性・正確性・観点から情報を調査分析し、評価する。
◆社会諸問題の解決を援助する効果的な努力に情報を応用する。
◆個人的な行動の結果、そしてその行動に対する適切な文脈を評価する。
◆理知的で責任のある決定を下すために、批判的思考技能や倫理的推論を発達させ、それを使用する。
◆効果的で合理的な様式で理念・事実・意見を伝達するコミュニケーション技能を発達させ、それを使用
す る。
◆他者 と協同的に作業する。
◆個人的利益と共有された利益を効果的に擁護する。
態度 (Atltudes) 生徒 は:
◆人間の多様性を認識し、尊敬する。
◆コミュニティの擁護者の役割において個人的政治的有効感を発達させる。
◆個人の権利と自由は責任よつてバランスが保たれるということを信じる。
◆サービスの価値とコミュニティに継続的に関与することの重要性をそれぞれ彼ら自身の中に育てる。
第1章のテーマは「あなたの生活 している場所 はどういうところか?」 である。それは次の ように説明される。「 この章であなたはコミュニティの簡単な調査 をする。あなたが生活する場 所の大 きな絵 を描 くためにこの章 を利用 しなさい。あなたはまった く新 しい方法であなたのコ ミュニティを理解するだろう。あなたのコミュニティは単なる場所ではない。それは興味深い 人々、価値 ある情報源、数多 くの問題で満たされている。」生徒はコミュニティを調査 し、コミュ ニティが抱 える課題 とコミュニティが有する資源に関する情報 を得る。
第2章のテーマは「 どんな問題が存在するか?」 である。それは次のように説明される。「 こ の章であなたはあなたのコミュニティあるいは学校の諸問題 についてより深 く探求 し、学習す る方法 を知 る。刑事のように捜査す るためにこの章 を利用 しなさい。問題の原因は何か?それ はどの程度深刻なのか?われわれはそれに関 して何かをすることができるのか?」 生徒 はアン ケー トやインタビューを行 ない、 コミュニティの課題 を一つに絞 り込む。その上で、その一つ の課題 に関す る研究 を進める。
第3章のテーマは「誰が何 をしているか?」 である。それは「 この章であなたは権力・政治・
計画・ 政策 という本当の世界 に引 き込 まれ る。あなたのコミュニティでなされている物事 に関 与 している人々 (行政 0ビジネス・ メディア・ 非営利団体 に関与 している人々)と連絡 をとる ためにこの章 を使用 しなさい。おそらく、彼 らはあなたが感心のある課題 を取 り扱 うことを援 助 して くれる。」と説明 される。生徒 は選択 した課題 に対 して どのような政策が考 えられ、実施
されているかを、 コ ミュニティで生活する様々な人々 との話 し合いの中で明 らかにする。
第4章のテーマは「あなたは何 をすることがで きるか?」 である。それは「 この章であなた は数多 くの選択肢、あるいはコ ミュニティの出来事に対 して活動的な役割 を担 っている異なる 方法 を提示 される。物事 を引 き起 こすために有効 な道具 と情報の取 り合わせをこの章で見つけ なさい。」 と説明 され る。生徒 は自分たちにで きる、課題解決の方法 を検討する。そのために、
この章では、署名・ プレゼンテーション等の様々な方法論が参考のために提示 される。
第5章のテーマは「 あなたは何 をするつ もりか?」 である。 それは「 この章であなたは計画 を立て、その計画 を行動 に移 し、その行動 を継続 させる方法に関する知識 を提供 される。あな たのACT計画 を行動 に移すためにこの章 を利用 しなさい。」と説明 され る。生徒 は課題解決の ためのプロジェク トを計画 し、実施する。実施後 にリフレクションを行 なうの も、 このステッ プの重要な要素である。
(2)ACTの学習プ ロセス
ACTの実践 は、上の五つのステップに沿 って実践 される。基本的に、ACTはグループ活動 として展開される。それは、大人の世界 における「市民行動」が実際にはこのグループ活動の 形態 を採 るか らである。同 じ利益・ 関心 を有する人々がグループを作 り、公共政策 を立案 しな が ら、それを社会に提案 してい く。それが「市民行動」である。そのような社会で実際に役立 つ技能 を、グループで活動 しなが ら学び取 ってい くのが、ACTの特徴で もある。
五つのステ ップをさらに細分化 した、実際のACTの内容 を次に示す。(図表2)。 180頁にも 及ぶ中学生用『フィール ドガイ ド』 を12頁程でまとめたので、多少分か りづ らい ところがある か もしれないが、大 まかな流れは掴めるだろう。これは一つの事例であ り、ACTの中で も実際 にすべて この通 りに学習が進行するわけではない。 しか し、「サービス・ラーニング」の全体像 を掴んで もらうためにも、 また 日本の「総合的学習の時間」の参考 とするためにも、 ここでは 多少長 くなるが掲載 したい と思 う。
「サー ビス 0ラ ーニ ング (Sewice‐Leaming)」 プログラムの開発原理
【図表2】 AC下 の学習プロセス
現在1:あなたのコミュニティを描 くこと(The Present:Drawing Your Community)(あ なたのコミュニティを述べる一つ の方法は、コミュニティの絵を描 くことである。あなたはこれを一人であるいはグループ活動 として行なうことができる。)
(1)リ ス トを作 りなさい。(あなたのコミュニティを構成するすべての事物のリス トを作 りなさい。) υ)教具を用意 しなさい。(マーカー と大 きな紙 を用意 しなさい。)
0)描きなさい。(紙の上 にコミュニティの絵を描 きなさい。その際 Dの リス トに含 まれるすべての事物 を描 くこと。
また、見た り、聞いた り、感 じたことを言葉 として絵にカロえなさい。)
(4)新しい事物 を加えなさい。(教室の壁 にあなたの絵を貼 りなさい。あなたの絵を他の人の絵 と比較 して、新たに加えるべ きコミュニティの事物 を探 しなさい。そして、それをあなたの絵に加えなさい。絵 を壁から剥が したら、それをあなたの ファイルに保管 しなさい。)
現在2:道順に沿って調査すること (The Present:Searching Along the Way)(あ なた達はそれぞれコミュニテ ィの異なる 場所に住んでいるので、あなたと他のグループ構成員はおそらく家から学校 まで異なるルー トに沿って通学 している。したがっ て、あなた達はおそらくコミュニティの異なる形態を見ていることになる。それがあなた達の異なる見方 くdfferent pdnts of vbw〉である。コミュニティのより大 きな絵を描 くために、家から学校 までのあなたの見方 と他のグループ構成員の見方 とを結 合 しなさい。)
(1)地図を見つけなさい。(教師からコミュニティの地図を手 に入れなさい。その地図にはあなたの学校が含 まれているべき である。)
(2)あなたの学校 とあなたの家を見つけなさい。(第1に 、地図の上にあなたの学校を見つけなさい。第 2に 、あなたの住んで いる家を見つけなさい。第 3に 、あなたが毎 日通つている通学路を辿 り、あなたの家 とあなたの学校を結び付けなさい。) (3)道順 に沿って調査すること。(家から学校へあるいは学校から家へ調査する間、あなたは四方八方を見渡 しなさい。そし
て、見た事物の リス トを作 りなさい。)
○ ビジネス :異 なる商店・ レス トラン・工場 を探 しなさい。
○問題:あなたはどんな種類の問題を見つけましたか?〈修繕 を必要 とする、乱雑 に散 らかっている、落書 きのある、犯罪 が起 こっている、貧困である、ホームレスが生活する通 りを探 しなさい。〉
○メディア:ラジオ塔 とテレビ塔を探 しなさい。書店や新聞販売店 を探 しなさい。
○政府関係者 と政府関係機関 :市役所や図書館のような公共施設を探 しなさい。警察官・消防署員・道路整備員を探 しなさ
い 。
○異 なる人 々:異なる年齢・人種・文化の人々 を探 しなさい。 あなたは彼 らをどこで見か け、彼 らについて どのように感 じ たか ?
過去1:写真 による調査 を実施 す るこ と (The Past:Ma‖ ng a PhotoSearch)(一枚の写真 は1,000の言葉 ほ どの価値 がある。
過去の写真 を得 るために学校 とコ ミュニテ ィを調査 しな さい。 で きる限 りた くさんの写真 を集 めな さい。)
(1)物理的な特徴。(自然環境 と人間が作 り上 げた環境 の写真 を探 しなさい。)
○ 自然 の特徴 が コ ミュニティを形作 つているか?(ヒン ト :川・ 山・ 丘・ 湖・ 海 を探 しなさい。)
○人々 は どんな特徴 を作 り上 げたか?(ヒン ト:橋・ 建物・ 道路:水路・ 港・ 鉄道 を探 しなさい。)
(2)人々。(コ ミュニティにかつて生活 していた人々の写真 を探 しなさい。)
○ そ こにイ ンデ ィア ンは生活 していたか?あなた は彼 らの写真 を発見することがで きるか ?
040年前の若者 の写真 を探 しなさい。彼 らは どんな衣服 を着 ていたか?彼らは どんな種類 の音楽 を好 きだったか ?
0 ビジネス (コ ミュニテ ィの古い工場・ レス トラン・ 商店 の写真 を探 しなさい。)
○ コ ミュニテ ィにビジネス街 と呼 ばれ る場所が存在するか?それ は どこにあるか?ビジネス街 の写真 を探 しなさい。
に)メデ ィア (新聞社・ ラジオ局・ テ レビ局 の形跡 を探 しなさい。)
020年前 の新聞 にはどんなニ ュースが印刷 されてい るか?40年前 は?100年前 は?(ヒ ン ト:図書館 で古 い新聞 を探 しなさ
い 。 )
(5)政府 (あなたの学校・ 市役所・ 消防署 の写真 を探 しなさい。)
○公立学校第1号は どこにあったか?警察署 は?市役所 は'
過去2:歴史に関するインタヴュー (The Past:A Tal‖ ng History lntervbw)(コ ミュニテ ィに長 く住み続けている人々にイ ンタビュー しなさい。それは長ければ、長いほど良い。彼 らはあなたが歴史の本で発見できなかった物語を話すことができる。
老人たちは過去についてた くさんのことを知 っている。あなたには老人の知 り合いがいるか。コミュニティについて知っている 人々を探すために次のことをしなさい。)
○学校 を探 しなさい。あなたの教師の中には20年以上教 えている教師がいるか。
○あなたの家族 に尋ねなさい。20年あるいはそれ以上過去のことを覚えているか もしれない。
○あなたの近所の人 に尋ねなさい。
○商店や他のビジネスで働いている人々のうちの何人かは20年以上 コミュニティで働 き続けているかもしれない。
未来:未来の学校 を想像 しな さい (丁he Future:lmagine a FutureSchool)(あなたは未来 を見 ることがで きるタイムマシー ン を開発 した時の ことを想像 しなさい。あなたの学校 はどのようになっているだろ うか。グループの構成員 と一緒 にブ レインス
トー ミング を してみな さい。 そ して、あなたの学校の未来予想図 を作 り上げるために下の質問に答 えな さぃ。)
(1)名前。(いくつかの学校 はケネデ ィ大統領やマーチン・ルーサー・キング牧師の ような人々 にちなんで名づ けられている。)
○ あなた は未来 の学校 を どの ように名づ けるか?それ はなぜか ?
(2)人々。(どんな年齢の集団が未来の学校 に通学す るか?どんな種類の若者が通学す るか?)
○ あなた は生徒がすべて同 じである ことを望 むか?あるいは、あなたは異なる年齢・文化・人種 の生徒 と一緒 に学習 し、生 活す る ことを望 むか?それ はなぜか ?
「サービス・ ラーニング(Service‐Learning)」 プログラムの開発原理
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演技者を調査すること (Searching fOr Phyer)(今 や主要な演技者を調査する時である。彼 らは誰なのか ?あ なたは彼 らをど こで発見することができるのか ?最 も重要なこと、それは、彼 らがそれらの問題について何をしているのか、ということである。
学校あるいはコミュニティの問題に関 して作業 している演技者を探すために、政府、地方 ビジネス、メディア、非営利団体を見 なさい。そして、彼 らに次の三つの質問をしなさい。すなわち、「学校あるいはコミュニティのある問題に関 して何が為 されて いるか?」「どんな計画あるいは政策がこの問題に関 してなされているか?」「他に誰がこの問題に関 して作業 しているのか。そ して私は彼 らををどのように知ることができるのか?」、 と。)
○政府。(政府の仕事 は、決定を下 し、人々にサービスを提供することである。政府は学校を援助 し、またコミュニティを 生活に適 した場所 とすることを援助する。政府は一つの演技者 となりうる。)
○ビジネス。(コ ミュニティなしに、ビジネスはビジネスの対象者を持つことができない。他の人々のように、彼 らは魅力 のある環境で生活 したいと思っている。ビジネスは市政府を支援するために税金 としてた くさんのお金を納めている。彼 らはまたビジネス成長を援助 したいと願 う政治家たちを支援 している。 ビジネスは演技者である。)