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舗 装 道 路 に お け る 熱 伝 導

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Academic year: 2021

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(1)

舗 装 道 路 に お け る 熱 伝 導

武 政 剛 弘 * ・ 深 田 三 夫 *

Heat Conduction in  the Asphalt Pavement Road 

by 

Takehiro T AKEMASA

, 

Mi tsuo FUKADA  (Department of Civil Engineering) 

I t  

is  one of important  problems in highway engineering  to analyze the conduction of heat  in the asphalt pavement road. 

I t  

is  assumed that asphalt road  near  the  surface  is  composed  of two layers subjected to diurnal variations of surface  temperature

, 

although  it  is  actually  composed of compound layer. 

In this  paper

, 

the data which was  observed  in  asphalt  pavement  road  of  two  types  of  which one was placed on soilcementand the other on crushed stone are analyzed. 

And

, 

by considering the ainplitude of first  harmonics for diurnal variations of temperature  at  the surface and the  interface, and the  damping of  their  amplitudes, The difference  of  thermal profile  near the road due to the substance of layer are discussed. 

1.

ま え が き

アスフアルト舗装ゆ施玉および維持の点において,

舗装層内の温度を時間的,場所的に予測することが重 要な課題と考えられるが,表面付近の温度挙動に対し て明確な把握がなされた報告が少ないように思われる.

筆者らは,本研究報告第

5

6

号にて長崎大学内に設 置したモデノレで同一気象条件下でも,地表面付近の温 度挙動は,構成している舗装材質の違いや,構成の状 態の違いにより明確な差異が明われる事を報告してい る.今回の報告は鹿児島県国分市広瀬の一般国道

10

号 線で表層が

10

仰のアスフアルトで上層路盤がソイルセ

メントと粒度を調整した砕石

(crushedstone)

の異 った状態のアスフアノレト道路において,昭和4

243

年 に建設省が行なった実測データをもとに解析及び考察 を行なったものである.解析において実際の道路は深 さ方向に多層の状態ではあるが, 上層路盤下部付近

(2530cm)

では温度の日変化はほとんど表面変化に 比して著しく減衰している.この事実より表面付近を 二層状態と仮定して,前報告の二層理論を適用して現

*土木工学科

場の資料を検討したものである.

2.

ニ 層 理 論

Fig.1

のように路面を原点

O

として,深さ方向(鉛 直下方〉に

x

軸をとる.上層の厚さを d として,上下

Fig.  1 

層の物質の熱的特性,すなわち熱伝導率(

calj cm. sec  .OC)

,熱容量

(cal/gr.oC)

,密度

(gr/cm3)

熱拡散

係数

(cm2/sec)

を上下層をサフィックス

1

2

で区

別してそれぞれ,ん

c

,ρ ,

a=(}../cρ)

, の記号をも

(2)

って表わし熱流はκ方向のみの一次元流を仮定する.

κ点における孟時の温度をT@,のとすると,三流 の連続の方程式は上下層でそれぞれ,次式で与えられ

る.

∂T・

一…∂2T・/、。2

∂T・/∂,一…∂2T・/∂。2

0≦ン≦三4

4≦鈎

(1)

(2)

境界面においては,温度および熱流は連続であり,十 分深い所においては表面の平均温度をとるという仮定 をおくと表面の温度は次式で与えられる.

  T1(0,の=T〃3十Tosin(ω孟十εo)         (3)

(1)(2)の解は次式のようになる.

  T1(κ,の=丁二十ノ望1exp(一κ/1)1)

      ノ       ・sin(ω卜κ/D1+ε)

      、1

        ノ       

      十ノ望exp(κ/D1)・sin(ω 十κ/D1十ε)

        1      1

      (4)

  T・(κ,の一丁彫+』4・xp{《・一4)/D,}

        ・si・{ω卜(・一の/D,+、2} (5)

ここで・44は境界層における温度振巾であり,Dは damping depthと呼ばれ

  D=(2λ/6・ρ・ω)%=(2α/ω)%=(Tα/π)%   (6)

で表わされ,Dだけ深くなると骨導は元の1/6に減

衰する.なお(4),(5)式の係数の詳細は以下の(7)〜

(13)式に示す.

沼・一丁・〔・+・…xp(一・4/D・)

+・η・xp(一24/D1)・…(・4/D・)〕一%(・)

露訳・〔・+・・一・exp(4d/D・)

+…一・exp(・4/D・)・…(・4/D・)〕一施  =』1γ1exp(一24/D1)        (8)

ノ望4・=∠41(1十γZ)exp(一4/D1)       (9)

<一・・一・・n一・〔…xp(一・4/D・)・si・(・4/D・)/

{・+…xp(一24/D・)・…(・4/D・)}〕(・・)

・1一・・一・・n一・〔一・xp(・げ/D・)・・i・(26/D・)/

      {・・+・xp(24/D1)・…(・4/D・)}〕

      ノ

   = ε 一εo一(24/1)1)      (11)

     1

   ノ

ε2=ε一d/D1         (12)

   1

γ1一

i》λ、・、ρ、一》λ,・2ρ、)/(》λ、・、ρ、+》卿、)

      (13)

いま上層は同一物質であっても下層の物質の違いによ って,物質内部の温度挙動に差異が現われるのである が,特にその中で表面と境界面との温度振巾の減衰に

着目して,上式の(7),(9)式により温度振巾の減衰度 合を検討してみると,

  オ4/T。一ρ一(1十η)/{・xp(24/D、)+γZ・exp

    (一24/D、)+2γ1…(24/D、)}渥 (14)

今,24/D1=θ,η・=》λ262ρ2/》λ161ρ1とおくと

  η一(》λ・C・ρ・一》λ262ρ・)/(》え・6・ρ・+》λ・ ・ρ・)

       =(1一η)/(1十η)     (15)

となる.また(14)式より,次式が得られる.

  ρ・一(1+γ」)・/{・xp(θ)+γZ・exp(一θ)+2η…θ}

      (16)

(16)式に(15)式を代入すると,

  ∫)2=・1/{青(1十η2)coshθ十ηsinhθ

       十壱(1一η2)cosθ}

  ∫》2・=2/{(coshθ一cosθ)η2十2sinhθ・η

      十(coshθ十cosθ)}       (17)

を得る.上式においてρ,θ,ηは変数であり,θ,η は熱拡散係数によって変化している.そこで(17)式を

具体化するうえでも,61ρ1・≒ 2ρ2と仮定する.4=10

cmとして上層にアスファルト,コンクリート,砕石 の三通りの物質を考え,文献より得た熱拡散係数の値

をそれぞれ3.89×10−3cm2/sec,4.90×10−3cm2/sec,

12.9×10−3cm2/sec,として,下層の物質の熱拡散係 数の値を1.0×10−3〜8.0×10−3cm2/secの間で変化 さして,表面と境界面との温度振巾の減衰をグラフ化 したものをFig・2に示してある.これによると,上

P・

1

0,5

oぐ1==12.9×1δ『3crn書seご一1

      d =4.90x10『モm〜sec−1 函=3.89×10一モ「丁書seご

      0,5       1      ピ    1.5         ㌃

Fig.2 Values of P for 10cm thick asphalt,

    concrete and crushed stQne. The numbers

    on the curves are values of thermal

    conductivity.

層が同一物質であっても下層の物質が異なり熱鉢散係

数が変化すると,表面と境界面との温度振巾の減衰の

(3)

比が顕著に異なることがわかる.すなわち下層のα2 の値が大きくなるとη=ザ砺一/ザ頃一よりηが大き くなり,グラフより表面温度の減衰が大きくなってい

る.

5.解析結果及び考察

(1)温度振巾の減衰と熱拡散係数について

 理論で述べた様に二層状態における内部の温度挙動 は,表面と境界面の温度振巾を測定することによりか なり具体的に推測出来る事を示している.さて筆者ら は,表面付近が二層状態になっている実際の道路での 1年間の観測資料の中で特に,夏期の晴天の続いた安 定した4日間と,冬期の晴天の続いた後寒波のおとず れた4日間の各層の温度変化を,ソイルセメント,粒 調砕石の二通りの場合を示したのがFig.3〜6であ

る.

 以上の四通りのグラフから次のことがわかる.下層

θD

§

巴50

40

3Q

  /バ

1鳳

=馬

  Depth

−Q・・一 1cm

  10cm

  25cm     A

以,グ 擁獣レ

   \

\こ

ρ

ε,。

10

Fig.5

9

当 監・

)20

10

Dep電h

訟 cm

   4     1      4       2ちh

   殉    発1    %ガime)

Temperature variations in 10cm thick:

asphalt pavement road, placed on crushed stone, observed in Kagoshima on February

19−21 1968.

      Depth

        一一◎一1cm

         の  ユ こ 

  ㌶ 12賄  %4  蜘・・)1 4

Fig.3 Temperature variations in 10cm thick

    asphalt pavement road, placed on crushed     stone, observed in Kagoshima on August

    4−71968.

60

ρ

工50 き 皇

40

30

 ほ

aプ

ぐ弘σ

メ 吋

      ハ

脇。/

   0

  翼 1 鐙 12露4 1%㍗,、.。)12 24h Fig.4 Temperature variations in 10cm thick

    asphalt pavement road, placed on soil−

    cement, observed in Kagoshima on     August 4−71968.

 蜷 1 蜘 1 君 i2 頻(T、。。) 蹴 Fig.6 Temperature variations in 10cm thick

    asphalt pavement road, placed on soil−

    cement, observed in Kagoshima on Febr−

    uary 19−21 1968.

物質の違いによって各層の温度振巾に違いがみられる

,特に深さ25cmの変化においては,ソイルセメント の方が季節によらず温度振巾は大きく減衰している.

また一層状態の場合と同じように深さ方向に最高温度 の到達時間の遅れすなわち位相の遅れが起っている.

Fig.5,6に見られるように冬期に寒波が来ても深さ 25cmの所では時間的には1日程度遅れて最低温度が 生じている.さらにこの低温が内部に伝播していく様 子をFig,7,8に示してある.これによると下層物質 の違いによって等温線の分布状態に顕著な差がみられ る.たとえば43年2,月20日の15。Cの等温線を見ると,

ソイルセメントの方は境界面に到達していないにもか かわらず,粒調砕石の方は境界面を通り過ぎている.

また寒波の到来した21日の3。Cの等温線を見るに,

ソイルセメントは境界面に達していないのに反し粒調

砕石の方は通り過ぎている.以上の事柄より,境界面

までの温度振巾の減衰率はソイルセメントの方がより

(4)

%04 3 12

16 。%14 8 12 τ6 rime    24h

0

1●C

5

2

0 6

4 5

0』

T

12

@ 11

       5

PG g

@    e  7   6

7

m)

 葛

 o

Figぎ7

Penetration of warm and cold waves

into 10c皿thick asphalt pavement road,

placed on crushed stone,.observed in Kagoshima on February 20−211968.

%04 8 12 16 2。 214 8 12 16 Tim・24h

(。C)

50

40

30

0

5

10

15

20

14 5

1。C

2 3

4 13

20

セu E沁

56

宇?

 i  i  ミ Ψ

9

 i φ

 i  l  i

i i

φ

i

i

i

ゴ6

i

(P

9

i i

6

ア1

置1

   Crushed stone

一一一一一一一

roiレcement

 Q、Mean va【ue

 θDiurna【term  (DSemトdiurnal term

25

(cm)

8

Fig.8 Penetration of warm and cold waves into

    10cm thick asphalt paveτnent road, placed     on soil−cement, observed in Kagoshima

    on February 20−21.

大きいことを表わしている.つまりすでに理論の中で 記述したようにFig.2からソイルセメントの

η(ソイル)一》西〜ソイル)/》一軒の値力ま粒調砕石の

η(粒調)一》α2(粒調)/》一三Fに比して大きいことが読みと れる.すなわちソイルセメントの熱拡散係数が粒調砕 石のそれに比して大きくなっているということが推測 出来る.次に深さ方向による温度振巾の減衰を具体的 に表示するために実測値を調和解析して1日項と半日 項の振巾について夏期と冬期に分けて表わしたものが Fig.9,10である.この二つの季節においても同様に,

境界面までの温度振巾の減衰はソイルセメン.トの方が 大きくなっている事が明確にみられる.そして境界面 以下においてはソイルセメントの方が熱拡散係数が大 きいために振巾の減衰は緩やかになっている.最後に 今までは夏期,冬期における代表的な資料で考察を進 めて来たが,1年間を通してすべての気象条件のもと で平均的に資料を抽出して,表面と境界面の温度日変

  0         10         20Depth(Cm)

Fig.9 Relation between mean temperature, a−

    mplitude and depth for 10cm thick

    aSphalt pavement road, placed on crushed

    stone and soil−cement.

(。C)

20

10

0

3

i

φ

i

6

?甲

ll

一一一 brushed stone

一一.._一_

@SoU−cement  O  Mean value  O Diurnaけerm  ● Semトdiurnal term

・φ

b

舞§

Fig.10

    10        20Depth(crn)

Relation between mean temperature,

amplitude and depth for 10cm thick asphalt pavement road, placed on crus−

hed stone and soil−cemeht observed in

       ラ

Kagoshima on February 201968.

化の調和解析によって得られた1日項の振巾の比をグ ラフ化したものがFig.11である.これによってもソ イルセメントの方が季節および天候とは無関係に境界.

面における温度振巾の減衰が粒調砕石に比して大きい

ことがわかる.ただし,天候が不安定な時にはそれぞ

(5)

To・

(℃)

13

9 9

10

5

//・

        /∵ヅ÷

       鮮

     ../。/

    瀦    麟

才 デ

・SoU−cement

。Crushed stone

・QC【ear

÷牛 Rain orC{qudy

        5T。mp。,。,。,♂OeC)Ad

Fig.11 Relation between amplitude of first     harmonics for surface temperature and     interface temperature, observed asphalt     pavement road of two types in 1968−

    1969.

T。

(OC)

60

50

40

30

20

      のヘ

ー・…一・em㎝・

^1

一つ一Crush・d st・ne戸  1          /  距

         ノ      ノ じ

        /       1

       7!

      ゆ

      麟勘

  20 Fig.12

   30      40       50  (。C)Ad

Relation between surface temperature and interface temperature in asph町lt

pavement road of twto ypes, on August 51968.

れの振巾そのものは小さく両者の比は一定の値を示さ ずばらつきが見られる.これは表面の温度変化がいろ いろな気象要因に左右されて調和項の1日項のみでは 表わされないことに起因しているように思われる.

(2)温度伝播の遅れについて

 先に述べた様に深くなる1に従って温度振巾の減衰と 共に温度のピーク点の到達時間の遅れがFig.3〜6,

及びFig.7,8に示されているが,理論式(10),(11),

(12)からもわかる様に,振巾の取り扱いと同様にすれ ばこの3式は前述のθ,ηの関数で表わすことができ る.以上の事は横軸に境界面での温度,縦軸に表面の 温度をとって,2時間おきに測定した日変化を示した Fig.12,13によってもわかる.すなわちこの閉曲線 はソイルセメントと粒調砕石とでは夏期,冬期では形 はほぼ同じであるが,同じ1日では,ソイルセメント の方が左にずれている.これは温度の伝播がソイルセ メントの方が粒調砕石に比べて遅れている事を示して

いる.

、T。

(。C)

40

30

20

10

0

一一一一

怦鼈鼈黶@Soiレcement

_く)___ Crushed stQne

 ●

24h 24h

4.む す び

f

! 1  ∠1

 ,

 各材質の熱容量;C,密度;ρおよび熱伝導率;λ の正確な値が不明なため考察の段階で61ρ1・≒62ρ2の 仮定を行なっており幾分定性的な議論に堕したきらい はあるが舗装内の温度挙動を明らかにすることができ た.今後実験室内でのC,ρ,λの測定方法を確立し,

 0      10      20      30(OC)Ad

Fig.13 Relation between surface temperature     and interface temperature in asphalt

    pavement road of two types, on Febr−

    uary 20 1968.

上層の熱拡散係数α1を決定し定量的な議論を行なう

必要がある.さらに進んで上層の熱拡散係数α1を簡

単に測定できる要素を用いて算出する理論式の確立が

望まれる.最後に終始御教示下さった本学の松原茂教

授と貴重な資料を提供していただいた九州地方建設局

(6)

九州技術事務所の方々に謝意を表します.

参考文献

1)ALFREDS R. JUMIKIS;The Frost Penetra−

tion Proflem IN HIGHWAY ENGINEERING

2)Van Wijk, W, R, and Derksen, W. J.:Physics

 of Plant Environment;North−Holland Puflishing  Co, Amsterdom,1963. p.172−176

3)秋山政敬;アスフプルト舗装体の温度に関する調

 査研究,土木学会論文報告集第246号.ユ976年2月

4)武政,深田ち砂および砕石による二層の熱伝導に

 ついて,長崎大学工学部研究報告第6号.89−94

参照

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