奈良県における障害児学校教員の労働と健康 −腰 痛問題を中心に−
著者 藤本 幸子, 越野 和之
雑誌名 奈良教育大学紀要. 人文・社会科学
巻 43
号 1
ページ 59‑78
発行年 1994‑11‑25
その他のタイトル Labor and Health Condition of Special School Teachers in Nara Prefecture
URL http://hdl.handle.net/10105/1658
奈良教育入学紀要 第43巻第i‑y一 人文・社会)平成6年 Bull. Nara Uni¥. Educ, Vol.43, No.1 (Cult. &Soc. . 1994
奈良県における障害児学校教員の労働と健康
I'"'1刊!!ォ'!蝣:;.│:.r・∴
藤 本 幸 子・越 野 和 之
(奈良教育大学障害児教育学教室) (平成6年4月28日受理)
は じめに
1979年の養護学校義務制実施によって、従来、在宅を余儀なくされてきた重い障害をもつ子ど もたちの学校教育が制度上可能になった。養護学校義務制の実施は、障害をもつ子どもに教育を 受ける権利を保障する上で当然必要な措置であり、むしろ遅すぎた感を免れないものですらあっ
たのだが、しかし、 1979年の段階で、養護学校義務制に必要な諸条件の整備が十分になされたか と言えば決してそうではなかった。しかもそうした諸問題のうちには、今日にいたるもなお解決 されていないものが多々あるように思われる。そして、そのことの一つの深刻な現れは、障害児 学校で働く教職員の健康問題に見られると考える。
排湛指導や食事指導などが教育の一環として重要な意味をもつ障害児学校では、通常学校の場 合に比べて、子どもを抱き上げたり、中腰姿勢で介助する場面が圧倒的に多く、そのことが障害 児学校で働く教職員の心身にとって大きな負担となることは想像に難くない。こうした心身の負 担は、腰痛や頚肩腕障害、さらに女性における切迫早・流産などの妊娠障害をもたらしていると 思われるが、障害児学校における教職員の労働の実態や、健康問題との因果関係は十分明らかに
されていない。
現場の教職員にとってこの問題がいかに深刻なものであるかは、東京、京都をはじめ多くの地 方で腰痛、頚肩腕障害の公務災害の認定闘争が進められていることにも現われており、障害児学 校における教育活動の内容を早急に調査、研究し、議論する必要性があると思われる。
本稿はこうした問題意識にたち、先行研究の成果を踏まえつつ、奈良県における障害児学校教 職員の労働と健康の実態を明らかにすることを課題とする。
I.先行研究にみる障害児学校教職員の健康問題
障害児学校教職員の労働と健康に関わる問題は、従来研究的な蓄積があまりなされていない分 野であったが、先に述べた問題の深刻さを反映してか、特に近年いくつかの調査が行なわれるに いたっている。ここでは問題の焦点化をはかるために、それらの研究の概要を検討する。
1 ,労働医学の立場からの研究
前田和子ら‑1は1977年より7年間にわたり埼玉県下の全養護学校に勤務する教員と介護助手 を対象に、腰背部、頚肩腕部の痛みの訴えについて、その推移を観察し、あわせて介助内容の把 握および健康診断時での自覚症状の状況から障害児学校教職員の健康管理のあり方について検討
59
している。この研究は、障害児学校教職員の健康問題についての先駆的な研究であると言える。
前田らの行なった埼玉県内A校での介助内容の観察では、知能指数20‑40の者80%、 20未満 の者20%という子どもの障害の実態のなかで、日常生活での基本的習慣を身につけさせ理解させ ることはかなりの困難を伴い、排潅、衣服の着脱、移動などの日常基本動作の部分に介助を必要 とする子どもが多かったという。例えば排湛時には、おむつ交換などに伴い、教員は子どもを抱 き抱え、中腰ないし前屈動作をとる必要があり、食事摂取、衣服の着脱、スクールバスの乗降等 についても同様な体位での介助が必要となってくる。この介助姿勢は腰痛を引き起こしやすい姿 勢であり、体重のある多動の子どもを抱き抱える場合、いわゆる真量物取扱に比較しても、対象 が動くので異なった負荷を伴うものと考えられる。介助時の姿勢は中腰が多く、これらの場面で 教員は共通して肉体疲労と同時に常に精神的緊張を強いられて休まる暇がないと訴えていた。ま た、介助者の訴えについての調査では、調査年次中間である1980年の結果において、 806名の受 診者のうち、「こる」、「だるい」と訴えた者の部位別状況は、腰(26.3%)、背(15.0%)、肩(10.5%)、
腕(8.5%)の順となっており、特に疹痛については目立った訴えが確認された。
この研究では、腰痛等の発生機序および予防方法に関しては、 ①衛生教育、 ②腰痛体操の実施 の二点の重要性が指摘されている。 ①と関わって、前田らの調査では「1979年に他年度より症状 を訴える者が多い」ことが明らかになったが、その背景としては「この年に義務制が導入され、
新規入学児の増加とともに新任教員が多数採用され、直ちに現場に投入されたため不慣れも手 伝って一時的に訴え率が高まったものと思われる。 1978年までは義務制への準備段階であり、介 助の要領をつかめた時期であると対象者自身話していることから、日常の介助に腰痛防止上、有 効な姿勢を会得してくるにしたがって訴え率が低下してくるものと理解している。」と述べられ ている。 ②については「腰痛予防の一つとして、腰痛体操の導入が奨励されていることから腰痛 予防体操の実施指導を行い、毎日、始業前、終業後に体操を実施するよう要請し、 90%の障害児 学校において勤務前後の腰痛予防体操が実施され、健康管理を実施していく上で大変に有効なこ とと考えている。」と述べられている。
さらにこれらの結果を踏まえて、「障害児学校に勤務する教員は普通学級を担当する教員に比べ、
極めて特異な身体的負荷を伴う勤務で、労働省通達に沿った内容を盛り込んだ健康診断の継続的 な実施が是非とも必要」であるが、実態としては「1984年段階で検診を実施しているのは、東京、
京都等5都道府県のみで、他は検討中であり、その内容も通達通り自他覚症状を6ケ月に1回確 認しているところは少なく、年1回のみであり、腰痛予防通達に沿っての健康管理が行われてい るところは少ないと考えられる。」と述べられている。
舟越光彦らく21は言遠賀県内の重症心身障害児施設に隣接する養護学校において、教員64名(小 学部22名、中学部11名、高等部19名、重症心身障害児施設内学級一学園部‑12名)を対象に、検 診および越河らの蓄積的疲労徴候調査票(Cumulative Fatigue Symptoms Index、以下CFSI言羊 細については後述する)による調査を行い、その結果として以下の諸点を報告している。
(力部位別の筋圧痛・硬結の有所見率では、各学部とも脊柱起立筋群(菱形筋部、腰椎傍脊柱筋 那)が他の部位に比して高率であり、このことは障害児を対象とする教育や介助に際して、中腰 や前傾姿勢などの不自然な姿勢が、どの学部においても共通して強いられることの結果と考えら れる。 (塾上腕二頭筋部、項頚筋都、および僧帽筋部については、有所見率は学園部で最も高く、
以下小学部、中学部、高等部の順に低くなる傾向にあった。この順位は、各学部の教育活動にお いて、子どもを抱え上げたり、子どもの姿勢を保持したりする頻度と一致しており、障害をもつ
奈良県における障害児学校教員の労働と健康 61
子どもたちの要介助度との関係が示唆された。 ③CFSIの結果では、越河らの基本パターンに比 べ女性の「労働意欲の低下」を除く各成分で男女とも訴え率が高く、特に「慢性疲労」、 「一般的 疲労感」、 「気力の減退」が高かった。 ④筋圧痛・硬結の有所見率、 「痛み」の訴え率、 CFSIの訴 え率は、夏期休暇の前後ではいずれも休暇後の方が低く、 「養護学校教員の腰痛や頚肩腕障害は、
子どもの抱え上げや中腰といった障害児教育に際しての不良な姿勢や動作に起因している」と考 えられる。
舟越らの研究を受けて埠田ら は、最も腰痛が発生しやすく、身体への負担が大きいと考えらEl
れる小学部重複学級の教員を対象に、どのような場面でどんな姿勢をとるのか、どこを改善すれ ば腰への負担が改善されるのかについて、筋電図とビデオ記録を用いた検討を行った。この研究 では、登校から下校までの間、子どもと接する教師の姿勢をビデオによって記録し、その記録を 筋電図記録に従って、 「直立」、 「強負担姿勢群」、 「中負担姿勢群」、 「弱負担姿勢群」、 「その他」
の5類型に秒単位で分類している。その結果を、保母を対象とした同様の調査結果と比較すると、
直立姿勢については大きな差はなかったが、強負担姿勢群では保母3.3%に対して養護学校教員
>0.8%と大きな差が見られた。また、 1日の教育実践の諸活動の中では、特に養護訓練、出迎え、
ハンモックを使った授業などに強負担姿勢が多かったと報告されている。以上の結果を受けて持 田らは「腰痛は強い負荷だけでなく、一定の姿勢を長時間継続することによっても起こるといわ れているが、養護学校教員の場合、強負担姿勢の比率が高く、その姿勢が長時間維持されること による筋疲労がその原因となっていると考えられる」と述べている。
さらにこの研究に際して持田らは、自ら重症心身障害児施設内での授業実践に加わり、実際の 指導現場の状況を体験するという試みも行っている。そのような試みから坪田らは「実際の介助 体験を通して、養護学校の教員は絶えず緊張感を維持していなくてはならないことがわかった。
全身的疲労には強い緊張や長時間労働などによる精神的なものも関与しており、このような疲労 も腰痛の一因をなすと考えられる」とも指摘している。
2,教職員組合による実態調査
全日本教職員組合協議会が実施した「教員の生活と勤務に関する調査(障害児学校調査)」15'では、
障害児学校で働く教職員の労働と生活、健康の実態について多くの問題が明らかにされている。
この調査は、全国の障害児学校教職員から抽出した395名のうち、 230名からの回答があったもの で、回答者の勤める学校の障害種別は明らかではないが、全国的な学校数から推定して、精神薄 弱養護学校および肢体不自由養護学校の勤務者が多いと思われる。以下この調査から教職員の健 康にかかわる点に限っていくつかのデータを拾い出してみる。
「疲労は一晩の睡眠で回復するか、翌朝に持ち越すか」の問いには男性73.3%、女性 3.4%が
「翌朝に持ち越す」と回答している。 「最近の身体状況」の回答では「肩がこる」 53.7%、 「腰が 痛い」 41.7%、 「目がつかれる」 41.3%となっており、 「いらいらする」 「全身がだるい」と答え た人も3割を超えている。こうした結果は「精神的疲労を伴う肉体労働者」と言われる困難な勤 務条件の表れだとされており、このことは「年休取得理由」の回答で「通院・体調不調」が一番 多いこと(63.5%、なお普通校でも「通院・体調不調」が第1位である)からも見て取れる。
「過労死の不安」についての問いには「現実の不安として感じる」、 「人ごとではないと思う」
との回答が男性65.7%、女性61.6%に達しており、 「他校に比べて教育上困難があるか」につい ても「困難と感じている」人が45.7%と普通校の2倍近くになっている。この回答には障害児学
校の教員が教育のみならず、福祉、医療の側面を多く担っていることや、卒業後の進路問題、教 員数、施設、設備面などの悪条件が重なっていることなどが反映していると考えられる。さらに、
「最近、学校を辞めたいと思うか」の回答に男性の45.7%、女性の62.4%が「思う」と答えてい るという点にも注目したい。これらのショッキングな数値は、総体として障害児学校における教 員の健康状態、勤務状況の切羽詰まった様子を物語っているように考えられる。
東京都障害児学校教職員組合も教職員の健康と労働、生活に関わる調査研兎61を行なっている。
この調査は東京都内の障害児学校教員を対象として1992年11月に実施されたもので、 824名から の回答を得ている。その内訳は、肢体不自由養護学校に勤務する者が353人、精神薄弱養護学校
に勤務するものが309人と多く、以下病弱養護学校73人、ろう学校49人、盲学校40人であった。
この調査のうち、健康についての設問では、 「腰痛を経験」している数が65.2%、 「頚、肩、背 中がこる」と回答した人は59.2%になっている。
腰痛検診(都教委が実施)については、 59.2%が「毎回受診」、 19.5 が「時々受診」と8割 近くの受診率となっている一方、 「受けない」と答えた人の45%が診断そのものと、その後の対 処について不満をもっている。
さらに腰痛、健康障害の背景として、「仕事での多忙感」についての問いには「忙しすぎる」19.5%、
「忙しい」 40.1%とほぼ6割の人が多忙感を感じており、事実としても「毎日超過勤務をしてい る」人が9割以上、そのうち1時間を超える人が46%となっている。また多忙さのもう一つの指 標として「年休消化」について見ると、 51%の人が「とりにくい」、 「まったくとれない」と訴え、
57%の人が5割消化すら出来ていない状態である。こうした勤務実態のなかで、 9割の人が退勤 時に疲労感を訴えている。
Ⅱ.調査の概要と仮説
前節で概観した先行研究における諸結果から、障害児学校教員の健康問題として、特に腰痛、
頚肩腕症侯群の存在率が高いと思われること、それらの問題は、第1に障害児学校における勤務 内容、特に障害をもつ子どもとの接し方、介助の仕方と関係するとともに、学校内外における教 職員の生活のありようや、さらには、健康障害およびその予防法に関する教職員自身の知識等と
も関連するであろうことなどがわかった。障害児学校の教職員における健康問題は、それ自体が 教育実践をゆたかに発展させていくことの阻害要因であり、同時に障害児学校が抱える諸問題の 一つの重要な指標であると思われる。
また、前節で検討した諸研究は、全日本教職員組合協議会のものを除いてすべて特定の自治体 における実態を検討したものであるが、障害児学校の勤務内容や子どもたちの実態、あるいは教 職員を対象とした健康診断や予防法に関わる研修等のあり方は、自治体によって相当程度異なる
と考えられることから、各自治体に即して実態を明らかにしていくことが課題であると考える。
以上のことから、筆者らは奈良県における障害児学校教員を対象に、健康と学校内外における 生活のありようについて、特に腰痛に焦点をあてて調査を行なった。以下ではその結果を報告す るとともに若干の考察を加える。なお本節では、調査結果の報告に先立ち、筆者らの調査内容の 概略および仮説を示す。
奈良県における障害児学校教員の労働と健康 63 (カ1日の生活時間
毎日の勤務時間内外での生活体系、例えば睡眠時間、家事労働時間、余暇時間などは、疲労、
もしくは疲労回復に直接影響すると考えられ、精神的なストレスの有無にもつながると思われる ことから、本研究では上に挙げた諸項目について、対象者がそれぞれどの程度の時間をあててい るかを明らかにする。仮説としては、腰痛り患者の睡眠時間について、一般的睡眠時間よりも短 いのではないかと考える。
さらに学校外での生活活動の構造について考えると、家事労働時間と家庭内余暇時間は密接な 関係をもつものであると考えられる。特に女性の家事労働時間は男性よりも多くなることが予想
され、その超過した時間分は余暇時間および睡眠時間の短縮というかたちで解消されているので はないかと考えられる。 1日の内で一番リラックスできる家庭での余暇時間は疲労、特に精神的 なストレスなどを蓄積しないためにも必要であると思われるので、この時間の程度も大きく健康 につながってくると思われる。
また学校内での休息・休憩時間については規定上設けられているが、先行文献のデータや障害 児学校の実態などから考えると、実際には「なし」に近くかなり短い時間が予想される。
(彰最近の自覚的疲労状況
学校内外での生活の多忙さが、教職員における慢性的な疲労を引き起こし、それらが腰痛等、
健康上の諸問題の背景となっていることは、先行諸研究から示唆されるところである。今回の調 査では疲労の状態を明らかにするために、自覚的健康状態についての設問(現在の自分が健康で あると感じるかどうかを問う)および、舟越らの用いたCFSI調査票の簡略化したものを用いる。
CFSIは、回答者の自覚的な疲労状況から、その職場における労働負荷を「身体的負荷」、 「精 神的負荷」、 「職場の雰囲気等による負荷」の3つの領域に区分して示すものである。児童・生徒 の抱え上げや中腰が多い障害児学校教員の場合、 「身体的負荷」が高いことが予想される。また、
先に述べた生活時間についての仮説とも関わって、自覚的健康状態も「健康」と答える率が低い のではないかと予想される。
③腰痛のり患率とその諸要因および現在の状況
腰痛経験者について、先行諸調査の結果からは対象者の約半数程度が考えられるが、学校種別 の割合が異なることから単純な推定はできない。近年の盲、ろう学校でも重複障害の割合が増加 していること、精神薄弱養護学校在籍児の障害が重度化・重複化していることなどを考え合わせ ると腰痛者の数は半数を上回るのではないかとも考えられる。
腰痛り患者についてはり恩の時期についても聞き、障害児学校就労時のり患者については、り 患時の勤務校校種と学部、担当クラスの教員および子どもの数、担当していた子どもの介助状況
および介助姿勢等を明らかにする。また、腰痛発症時の状況と直接の原因、腰痛を原因とする休 暇取得状況、現在の腰痛の状況についても調査項目に含めた。
発症時期については、介助の知識や方法を知らない、もしくは理解して身についていない着任 後比較的早い時期が多くなるのではないかと思われる。また、学部別では先行研究の結果等から 小学部担当時に発症数が多いと予測する。さらに、教育実践場面の中で負担の大きかった姿勢に ついては、舟越ら、坪田らの研究から「同じ姿勢を続ける」、 「中腰」が多いと予測される。
休暇取得状況については、教員一人当りの児童・生徒数と深く係わり、他の教員への負担を考
図1 「腰痛に関する健康調査」調査票
* 以トのアンケート事項について、ご協力お願いします。
* アンケートは無記名です。該当するところに()をつけて卜さい。
i.年 齢 CD 20代 (2) 30代 (3) 40代 (4) 50代以l二 2 性 別 <JL)男 ② 女
3.教職経験年数
・般校経験年数 a)小学校 C2)中学校 ゥ 高校 ( 年) ( 年) ( 牛) 障害児校経験年数 Q)小学部 (2)中学部 (3)高等部 ( 年) ( 年) ( 年) 現在の ∴x> 蝣i・ ′ドfWil二 ,2' rtv、 ̲二 等淵;
4 超過勤務時間 、1'‑‑日、平均( )時間 (持ち帰りイt事を含む)
5̲ 通勤時間
( )時間
* 以トの質問事項についてお答え卜さい。
6. ‑日の陣眠時間 ( )時間 7 6でお茶えの時間で十分満足されていますか。
CD 足りている しき)時々陣眠4、足 (3)いつも睡眠不足 8 ‑11の休息、休憩時間は、どの程度ですか。
☆ 校内で‑ ・・(1) 、V一均( )分 (:2jなし
☆ 家艇で I'D 平均( )時間
*:蝣! l二†U'.n.':か に矧!りします.
A̲ その時の校種をお答え下さい。
(a)自 (b)準 (()肢体4、自由 (d)病弱 知的障害 B.その時の学部をお答え下さいO
・.L 小学m!ニ 小 中す .・."iSM
C.その時相当されていたクラスの教師数、児童・/t徒数をお答え卜さいO 教肺数( )人 児童・生徒数( )人
I)その時抑当された児童・′t徒の介助状況と、最も腰がつらかったと思われる介 助姿勢をお答え卜さい。
[介助状況] [介助姿勢]
く給食時ン
O)普通に近い状態で食べる O)同じ姿勢を続ける (2)前後の輪末等に介助が必要 (2)身体をひねる (3)全て介助する ③ 中腰 (4)車椅子使用での介助 ④ 前かがみ(嘩位)
(5)前かがみ(;L位) C6)晦り続ける く移動時>
(享)ひとり歩き吋能 (、か 伝い歩き・つかまり歩き (3) illいずり・四つ這い lA)走り回るので口が離せない C5)車輪f‑での乗降の介助
¢)全く動けない
15.腰痛を感じた時の状況をお答え卜さい。
ョ 急に痛くなった (2)いつとはなく痛くなった (3)学校内での突発事故で (4)学校外での事故で(交通事故なと) (5)その他( )
16 腰痛の直接畷内だと思われる内容をお答えf{さい。
し1) 介助中抱きトけようとして 檀)無理な姿勢での介助が続いて (3)突然、児童・生徒がぶつかって来て 檀)体育等の授業中身体を動かしていて
<5)重いものを持ちLげようとして (6)落ちたものを拾おうとして (ラ)交通事故
(8)気づいた時に腰痛だった 檀)その他(
9 家庭での家事労働時間は、との程度です。
出勤前‑‑① 30分 ② 1h ③ 1.5h ¢) 2h以上二 帰宅後・‑① 1 h以内 (2) 2h以内 ¢) 3h以内 (わ 3h以上 10 現在のご自分の健康状態は次のどれに当てはまりますか。
① 梯めて健康である C2)健康である(3)時々疲れは感じるが健康である
④ やや疲労ぎみである (5)疲労している
11最近の疲労状況について該当する項目をすへて選んで下̀さい。
④④⑧①㊥㊥㊥@㊥⑤㊥
食欲がない (vfe)寝つきが悪い (至)朝起きた時気分がすぐれない よく下軸をする ㊤ よくmがこる (?)全身がだるい
目が疲れる (h)近頃元気がない 0 何事も面倒くさい 頭がさえない ㊨ 根気が続かない ① むやみに腹が立つ 物音や人の声がカンにさわる (吟 ヰr副二張り合いを感じない 梅[=fjJ勤するのが人変つらい ⑰ 努力してもしかたないと思う 今の仕事をいつまでも続けたくない (rj 講をするのが煩わしい
よくホンヤ.)する Ct)何かでスパーノとウサばらしをしたい 何をやっても楽しくない(vj 気が散って困る ㊥ ささいなことが気になる 近頃できもしないことを空想することが多い (y) くつろく時間がない 什事での疲れがとれない
12 疲労、ストレス解消のために先生が最も有効に思われることは何ですか。
(ラ)陣眠をとる C2)スポーツをする (3)趣味を楽しむ '.4)お酒を飲む (5)仲間と話をする (6)食事、ショ ソビングに出る の これといって何もしない (S)その他(
以ト、腰痛についてお茶卜さい。
13. H'ffi生活に支障をきたす腰痛を感じたことがありますか。
u)ある (か ない
*<1)と答えられたかたは14以トに、ゥと答えられたかたは19以下にお答え下さい。、
14 腰痛を感じはじめた時期をお答え下さい。
O)就労前 ョ ・般校就労時( )年目
¢)障害児校就労時( )年目
17.腰痛が直接原関で年休、あるいは特休をとられたことがありますか。また、その 期間をお答えFさい。
(5)年休をとった (② 特休をとった C3)とっていない ( ) ‖程度 ( )日程度
18 現在の腰痛の状態についてお答え下さい。
(j)ほとんど気にならない <D 時々痛む (3)かなり痛む
19.府、 │H.での健康診断時に、腰痛検診が子lわれていることを御存じですか。また′呈 診されたことがありますか。
知っている ② 知らない ③ 毎回受診している (4)時々受診する 「15)受診したことがない
*(3)カと答えられたかたに質問します.
◆ その検診が、腰痛軽減の為に役立っていますか。
はい (b)いいえ 斥)とちらともいえない
20 腰痛チPj)を考慮した介助方法や、腰痛体操の内容は御存じですかC また、それは、
とのような機会に入手されましたか。
年)知っている (2)知らない
◆
Li)学校独自の予F))講習会等で ⑥ その他の子Fj)講習会等で (チ)学′f・時代の講義・′芙習等で (d)書籍・雑誌等で Cej 同僚・先輩から教えてもらって
Cr)その他( )
21腰痛子PJJ講峠・講習会は、障害児校数貝にとって必要であると思われますか。
(JD 必要である ョ あまり必要ではない (3)必要ではない 22 腰痛チF))講樺等は、どのような機会に聞かれることが望ましいと思われますか。
(i)採用前 C2)定期検診時、年 一同 (3)研究会なとで頻繁に
¢)その他( )
23̲ 障害児校教員における健康や腰痛について今のお考えを記していただければ幸い です。
こ協力ありがとうこきいました。
奈良県における障害児学校教員の労働と健康 3m え年休・特休ともに少ないものになると思われることから、完治の状態でなく痛みがすこし治 まった状態で職場に戻るものが多いと考えられる。このことは、現在まで完治しないまま勤務を 続けている者が多いのではないかということでもある。
(彰教員の腰痛に関する意識
この課題では、教員自身が腰痛を身近なものとして捉えているかどうか、ということを検討す る。また、腰痛の有無による意識の差異についても検討する。具体的な調査項目としては、腰痛 検診や腰痛予防のための施策の必要性をどの程度認識しているのかをつかみ、腰痛予防策をどの ように受け入れているのかを知りたい。また予防のための施策として、県レベルへの要請なども 出てくるのではないかと思われる。具体的には、現状の勤務の中で休暇をとりにくい等のことか
ら、教員の定数増への要求や、新任、転任者での発症者では、予防のための介助方法などを含め た研修会の要望などが予想される。
以上の課題を明らかにするために、図1に示すような23の設問を含む調査用紙を作成した。そ れぞれの設問と上述の4つの課題の対応は以下に示す通りである。
①一日の生活時間‑設問4‑9
②最近の自覚的疲労状況‑設問10‑12
③腰痛のり患率とその諸要因および現在の状況‑設問13‑18
④教員の腰痛に関する意識‑設問19‑23 また、この調査は1993年の11月下旬から12月 初旬にかけて実施したが、この時期は体育祭や 文化祭などの学校行事を終えた時期で、教員の 疲労が蓄積され、腰痛経験者における再発など
も起こりやすい時期であると考える。
Ⅱ.調査結果
1 ,調査対象とその属性
奈良県内の6校の障害児学校に依頼 したが、そのうちの2校からは協力が 得られなかったため、 4校の教員を対 象として調査を行った。各学校のアン ケート配布状況および回収状況は表1 のとおりである。
回答者の構成としては、精神薄弱養 護学校に勤務する者56.3%、肢体不自 由養護学校に勤務する者29.6%、盲学 校に勤務する者14.1%という構成で
表1 調査票の配付数および回収数 rtll付 故 回 収 数
ち えお くれ 養 護 学 校
A 校 90 50
B 校 70 30
肢 体 不 自由 養 護学 校 C 校 80 42
n 蝣;‑蝣蝣 D 校 41 20
合 計 281 142
図2 学校別回答者数内訳
図4 現在所属する学部
不明(3.5*)
12年以上(23.9宅)
6年‑11年(33.1考)
あった(図2)。性別では男性39%、女性49% (不 明12%)であり、年代別にみると、 30代が約半 数を占める構成である(図3)。
また現在所属する学部については、小学部 19.7%、中学部20.4%、高等部40.1%、その他 19.7%であった。その他は、盲学校幼稚部と肢 体不自由養護学校訪問教育部である(図4)。
障害児学校勤務年数は、 (図5)の通りで、経 験年数5年以下の人がおよそ4割を占めている。
2, 1日の生活時間について
「超過勤務時間」 (持ち帰り仕事を含む) (図6) については、一部の学校からは回答が得られな かったが、それらを除いて集計すると1時間を 越えているものが9割近くにのぼる。
「1日の睡眠時間」は、 6時間から8時間未 満が全体の8割を越えており、男女別で見ると、
女性の方がやや短いことが判る(図7)。また、
「その睡眠時間で満足していますか」という間 いにたいする答えは、 「いつも睡眠不足」およそ 20%、 「時々睡眠不足」およそ60%であった(図 3^*;S (26.8%)
「1日の休息、休憩時間」については、 「校内 で」と「家庭で」に分けてたずねた。なお、校 内での休息、休憩時間の実態についても一部の 3‑5年(12.7㍍)学校で回答が得られなかったため、それらを除 いて集計している。 「校内で」 (図9)について、
「ある」と答えたものが7割を超えているが、
05 障害児学校勤務年数
図6 超過勤務の様子
その内訳を見ると「1時間未満」と答えたもの がほとんどであった(図10c 「ある」と回答し た中には「生徒の下校後、会議までの30分程度」、
「会議が入ると休憩時間がなくなってしまう」
などの記載があり、 「なし」と答えた19%の中に は「トイレ‑は生徒と一緒にいく」、 「生徒の在 校中にはなし」というものが多いことから、教 員各々での時間の取り方には違いがあるが、そ の多数は子どもの下校後に休んでいると思われ る。
次に「家庭内」での休息についてであるが、
男女別にみると女性の方が短い傾向にある(図
奈良県における障害児学校教員の労働と健康 67
山 4"i ?‑% 叩 潤 c^ o
先 '/////////tM T A 3 t j
37.9
4
ノ4.3
46.3
ー2
′5.6
3一.4
∵
全.体 重 女
田6時間未満 田6‑7時間 組7‑8時間 組8時間以上 図7 1日の睡眠時間* 数値はパーセント
09 校内休憩時間
付 3 田
? 8 3 S 刃 P , 柑 8
図10 校内休憩時間 一時間数‑
30分未満 し50.01.〜
+ ‑、 劣
1.1
48.7 ァァ;
拝 辞 辛
Sss Nァ^ 28 .2 N 2.6
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全伝 貞 女
田1時間未満 団1‑2時間 図2‑3時間 図3時間以上 図11家庭内休息時間 * 数値はパーセント
図38分 図1時間 因1時間36分 図2時間以上 図12 家事労働時間 川1勤前) * 数値はパーセント
ll)c 女性の回答者の中には、 「睡眠のみ」、 「なし」という答えが多数みられ、次の「家事労働時 間」と関連があると考えられる。
「出勤前、帰宅後の家事労働時間」については、 「出勤前」 (図12)が1時間以内と答えた者71.3%、
「帰宅後」 (図13)が2時間以内とした者が63.5%である。男女別にみると、 「出勤前」について は男性の83.8%が30分以内、女性の70.9%が1時間以上と答えており、 「帰宅後」は男性の71.7%
が1時間以内、女性の83.1%が2時間以上と答えている。
以上のデータは、全体として女性が身体を休める時間が短いことを表し、男性に比べて長い家 事労働時間が睡眠および余暇時間を圧迫していることを示唆している。もっとも、男性の場合も、
01時間以内 Ha尋問以内 因3時間以内 図3時間以上
図13 家事労働時間(煤宅後) * 撃値はパーセント
家事労働時間「なし」とする者は少なく、 「帰宅 後」には3割近くの者が1時間以上家事に参加 している。このことは、今回の調査の回答者の 年齢が、 20代、 30代の部分で多くなっているこ とから、育児に参加していることが考えられる。
こうした状況は、先に紹介した全日本教職員組 合協議会の調査でも指摘されている。
これらの結果を概括しつつ、障害児学校教員 の一日の生活を考えてみる。起床後、家事をこ なし、朝の打ち合わせまでに出勤、着替えをし、
一日の予定を計るとすぐスクールバスまで子ど もを出迎え、降車介助(リフト付きバスもある)、移動、着替え、排湛介助等の後、授業にはい るが、その都度抱き抱えや車椅子‑の乗降等の力仕事が入る。給食時間は担当する子どもの介助 をしながら自分も食べることになるが、その前後には用意や片付け、排壮介助等もしなければな らない。昼休みについても、子どもから目を離すことが難しい場合などもあり、休息、休憩時間 も長くはとれず、午後の授業にはいる。子どもたちの下校後には、週に2、 3度行われる職員会 議や各種分掌の打ち合わせがあり、ティームティーチングでの教材研究、準備などで1時間程度 の超過勤務後、帰宅し家事、育児を2時間程度こなしながら、持ち帰った残務整理等の仕事をし て、 2時間程度の休息の後、 6、 7時間の睡眠をとる。おおよそ以上のような生活が考えられる のではないだろうかO
さらに、上に述べた一日の生活のうち、子どもが学校にいる時間の仕事内容を考えると、その 多くが、かなりの力仕事で身体への負担も大きく、また最近の障害児学校在籍児の傾向である障 害の重度・重複化から見て常に子どもから目が離せないことなど、注意力の傾注が必要とされる。
以上のような身体的、精神的な疲労に加え、家庭での家事、育児に時間を費やさざるを得ない状 況の中、わずかな休憩時間と6、 7時間の睡眠時間で疲労回復ができているのだろうかとの疑問 が残る。
3,最近の自覚的疲労傾向
「最近の自覚的健康状態」 (図14)では、 「健康」と言い切れる者は1割に満たず、その一方で、
「時々疲れるが健康」とする者51.1%、 「疲労傾向」にある者40.4%と、全体に疲れぎみの様子
疲労している(ll.3㌔) 健康(8.5:守)
やや疲労ぎみ(29.1之)
時々疲れるが飽富
図14 最近の自覚的健康状態
がうかがえる。
「自覚的疲労状況」についての質問項目は、
坪田らにならい、越河らのCFSIの問診を参考 に作成したもので、最近の疲労状況に該当する ものはすべて選択してもらった。これを越河ら の分類にしたがって疲労の特性ごとに8項目で 集計し、その傾向を見た。 CFSIは労働・生産に (51.1才)よる心身負担の主観評価法として開発された評 定尺度であって、職場集団など一定単位集団の 応答結果を「特性項目群」別に「平均訴え率」
奈良県における障害児学校教員の労働と健康 表2 CFSIの負荷特性分類 F 1A 不安徴候 精神的側面の負担 をあ らわす F 1B 抑 うつ状態 うつ的 な感情が表現 されている F 2 一般的疲労感 主 として身体的な面での疲労感
F 3 イライラの状態 イライラ した感情の表 出 (職場の活性度)
F 4 労働意欲の低 下 自分の生活や職場についての評価が含 まれ、いわば労働生活 か ら生 じる社会的側面 の負荷 を表現す るもの と解釈 される F 5 気力の減退 意志面での減衰
F 6 慢性疲労 一般的疲労が よりすすんだ状態 を示す
F 7 身体不調 心 身の負荷が身体的な面 で表現 されてい る徴候項 目群
※越河六郎、藤井亀、平田敦子(1992)により作成
の形で捉える方式をとっている。それらを「基 本パターン」 (越河らが男女計11897人について の調査結果をもとに作成したもので、上記調査 対象者全体の「平均訴え率」および、職場ごと「平 均訴え率」の四分位値のうちの3/4位値(「Q3倍」) の二つの多角形からなる)上に展開し、その模 様から対象集団の負荷の度合いを判定するもの である。すなわち、当該集団に共通する負荷要 因(勤務条件等)を探るものとして活用できる と思われる。 8つの特性項目の内容は(表2) の通りである。
CFSIの集計結果は(図15)および(図16)で ある。この模様においては、図の左側、すなわ ちFIB (抑うつ状態)、 FIA (不安徴候)、およ びF5 (気力の減退)の3特性は主に「精神的側 面」の負荷を表している。特にFIA、 FIBが主 要な特性であり、判定にあたってもここに主点 を置くこととされている。図の右側はF2 (一般 的疲労感)、 F6 (慢性疲労)、およびF7 (身体 不調)の3特性が配置され、身体的側面の負荷 が表現されていると解釈できる。図の縦線には F3 (イライラ状態)、 F4 (労働意欲の低下)を 配置し、この線は「職場の雰囲気」、 「態度」な
どの表出を示すものと期待される。
以上の解釈を踏まえて、今回の調査で得られ た結果からは、大まかではあるが以下のような
ことが読み取れるように思う。
一奈良県牌害児学校教具 一・Q3個 ‑平均訴え率
図15 CFSI集計結果(男性)
一奈良醐暗児学校教え ・Q3億・・・平均訴え率
図16 CFSI集計結果(女性)
69
米 合 三十 米 極めて健康 儲康 時々疲れるが健康 やや疲労ぎみ 疲労している
図17 自覚的健康状態と疲労徴候* 数倍はパーセント
図19 腰痛の有無(年代別) * 数値はパーセント
抑 ei 甜 開 聞 S! 伯 認 功 (S G3 180
4 一
69.8 ?2 .2 59
6 時 由未満 6 一 時間 7 〜如 寺問 8 時由 以上
図20 睡眠時間と腰痛の有無の関係* 数値はパーセント
図21腰痛発症時期
7 8 珊 瑚 胡 調 甜 1 8 8
6 4 . 1
4 3
2 7 . 5 2 6 . 8
三千≠÷
由 鰍 仲間Iとl 集 .一群 ,追火●" 這 イ可もし机ーそよ他 図18 疲労・ストレスの解消法* 数値はパーセント
まず第1に男女とも図の右側、つまり「身体 的側面」の負荷が極端に大きくなっていること
に注目すべきである。特に「一般的疲労感」で は男女とも「基本パターン」を大きく上回って おり、また男性では「身体不調」の項、女性で は「慢性疲労」の項が、それぞれ「平均訴え率」
を上回っている。障害児学校教員が「疲れている」
ことはここからも見てとれるであろう。
他方、図の左側、すなわち「精神的側面」に おいては基本パターンを下回っており、さらに 縦線(「職場の雰囲気、不満」)を見ると、他の 部分よりも幅が狭まっている。ここからは、職 場の雰囲気に対する評価が一般の労働現場に比 してよいこと、それと関連してか障害児学校の 教員が「やらなければならない」という前向き な姿勢をもっていることがうかがえる。
「健康状態」、 「疲労状況」ともに主観的な訴 えではあるが、この2つを関連させてみると(図 17)のようなデータが得られる。これを見ると「健 康状態」が「健康」から「疲労」 ‑と移るに従っ て、疲労状況を訴える度合いが大きくなっており、
この項目についての信感性の一端を示唆してい ると思われる。
また、疲労状況と関わる問題として、 「疲労、
ストレス解消のための有効な方法」についても たずねてみた。その結果をみると、 「睦眠」が6 割を超えて第1位であり、第2位の「趣味」(43%) を大きく上回っている。積極的に余暇を活用し て疲労、ストレスを解消するというよりも、日 頃の睡眠不足を解消したいという切実な願いが
奈良県における障害児学校教員の労働と健康
感じられ、日常生活での休息・睡眠時間の少な さを示していると思われる(図18)。
4,腰痛のり患率とその諸要因および現在の状 況
「日常に支障を来す腰痛を感じたことがあり ますか」の問いに、 7割近くが「ある」と答え ている(図19)。これを年齢別でみると30代の人 の訴えが多く、 40代、 20代、 50代の順である。
また、 「睡眠時間」と腰痛の有無との関係につ いては、明確な傾向性は得られなかったが、睡 眠時間が「5時間程度」の者では腰痛り患率が 100%であったことに注目しておきたい(図20)。
「腰痛を感じはじめた時期」については「障害
不明(7.9S)
ろう学校 C1.3X) 苅Sll重雄(1.3%)
盲学校(15.8㌔) 児学校就労時」と答えた者が、 71.7%であり(図
21)、さらにそのうちでは「就労後3年以内」の 発症が6割にのぼる(図22 < これらの結果より、
若い人に腰痛者が多く、障害児学校就労時での・肢体
発症では、就労後3年目程度までの時期が多い 不自由養護(27.6才) ことがわかる。 30代のり患率が高いことについ
ては、身体の慢性的な疲労が蓄積される時期な 25 のであろうと考えられるが、同時にこの世代が 1979年義務制実施前後に就労した人たちである ということともなんらかのかたちで関連がある のかもしれない。
「腰痛発症時の学校種別」は、回答者数の構 5 成比の影響も考えられるが、精神薄弱養護学校、
0
肢体不自由養護学校、盲学校の順での発症が多 かった(図23)t
「腰痛発症時の担当児童・生徒の介助状況」
では、給食時に「全面介助」が多く、移動時に は「一人歩き可能」、 「全く動けない」、 「車椅子で」、
「走り回る」の順になっている(図24、図25)。
これらの結果は、従来考えられていたように、
「肢体不自由養護学校に腰痛が多い」というだ けでなく、 「一人歩き可能」、 「走り回る」などの 多動傾向の子どもを在籍させる精神薄弱養護学 校での発症も多いことを示唆していると考えら
れる。
「腰痛発症時の学部」は「小学部」が高くなっ
精神薄弱養護
(46. IS
図23 腰痛発症時に勤めていた学校
2 4
18
7
5
全て如 最後 の柵 ; 介助 カ瞥 廟 で闇 こ近い 品 で 食べ 召
図24 担当していた子どもの介助状況* 数値はパーセント
キ"JTォーV
25
28
15
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5
8
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14 13
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「 つ l 人如 可堅くd力Iけ曹 子聖 笥怠鋸 衰 出 離 よっぱ
図25 m当していたナビもの介助状況* 数値はパーセント
‑移動時‑
K
30
28
10
8
32 29 23
16 6
「5 一 一∴ + 姻 溢乳 Iた日経 壷琵物よ腰 細 彪 際 .う塩 故そゐ他 図27 腰痛の直接原因 * 数値はパーセント
43
38
20
ほ1
8 3 2
18 .,
15
∴∴
中l腰 間姿勢の持i 体を捻る 立位前屈 症扇 指 圧。続ける
図28 辛かった姿勢 * 数値はパーセント
t>0
48
38
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4 6
3 8
5
「 ▼= ▼1 1 学 校 内 で の 衰 紳 % 外 で の 事 故 で い つ と は な く 急 に 痛 く な っ た
図29 腰痛発症時の状況 * 数値はパーセント
図30 腰痛発症時の状況 * 数値はパーセント ークラスの教師数‑
五 詔 K i 甜 1 5 柑 5 日
38.7 3B.7
4 m
17.3 1J
5 .3
「
3 人まで 5 人まで 7 人まで 9 人まで 18人以上 不明 図31腰痛発症時の状況 * 数倍はパーセント
‑クラスの子ども致‑
ており(図26)、これは舟越らの調査と同様、対象とする子どもの成長状態によって、抱え上げ や姿勢保持の回数、時間などが小学部段階でもっとも多いためと理解される。 「腰痛の直接原因」
が、 「無理な姿勢が続いて」、 「気付いた時には腰痛だった」、 「介助中、抱き上げようとして」の 順となっていることも、上に述べたことを傍証していると言えよう(図27)c
「もっとも腰が辛かった介助姿勢」は「中腰」、 「同じ姿勢の継続」、 「身体を捻る」、 「立位での 前かがみ」の順となっている(図28)(これは韓田らの分類にいう「強負担姿勢」にあたり、障 害児学校教員がもっとも頻繁にとる姿勢で、腰への強い負担がかかり、その姿勢の長時間維持に よる筋疲労が腰痛の原因と考えちれる。 「腰痛発症時の状況」では「いつとはなく痛くなった」、
「急に痛くなった」と答えている(図29)。これは上記、強負担姿勢の保持などからの者が多く、
慢性筋疲労、急性腰痛症がともに発症しやすい状況の現われであると考えられる。
奈良県における障害児学校教員の労働と健康
「発症時の担当クラスの教師数と児童・生徒 数」については、 「2‑4人」の教師集団で「4
‑7人」の子どもに接している場合が多く、つ まり一人の教師で約2名程度を担当していると 思われる(図30、 31)。
この状況では、教師一人が休暇をとれば、残 る教師が1対4程度の対応をすることになり、
他教師からの援助もまったく考えらないわけで はないにしても、一人の教師にかかる負担が大 きくなることは否めないと思われる。 「腰痛での 年休、特休状況」では6割を超える人が「休暇 をとっていない」と答えている(国 「現在 の腰痛状況」では、 「かなり痛む」 ;.3%、 「時々 痛む」 62.5%、 「ほとんど気にならない」 24.0%
となっている(図33)t
これらの結果を見ると、他の教師にかかる負 担などを考慮して、 「痛くても休めない」と出勤 し、よほどのことがない限り休まないと我慢し ている教職員の姿が想像される。そうした事態
P
% V . 瑚 o i p m r
‑ 3
73
61.5
27.1
力
w , 6ー3 ドT 「 IB.4
= コ
年次癖 とつ預矧慨 とつた休暇はとっていない 不明 図32 腰痛による休暇の取得状況* 数値はパーセント
不明(5.2な)
の中では、腰痛が重症化し歩行にも支障を来す
ようなケースが発生する可能性も否定できないのではないだろうか。
5,教員の腰痛に関する意識
ここまでで述べてきたような腰痛にり患している教員や、り患している同僚とともに働く教員 において、腰痛予防に対する意識や取り組みはどのようなものであり、また障害児学校教員とし て健康管理や予防についてどのように考えているかという点に注目して述べてみたい。
なお、本調査に先立って、障害児学校教員を対象とする腰痛検診等が奈良県で実施されている のかを奈良県教育委員会保健体育課に問い合せたところ、年1回の健康診断時に腰痛検診希望者
に問診票を配布し、受診者に必要事項を記入してもらって、県から委託された整形外科医が問診 を行うということであったが、 1993年度については担当者が交代したため実施していない、とい うことであった。また、腰痛体操や介助指導の実施の有無については、県レベルでは研修会、講 習会の実施はなく、新任研修会等でも行ってはいず、各学校独自で実施されているのではないか
ということであった(奈良県立教育研究所障害児教育部からの聞き取りによる)。
以上のことを踏まえて、調査結果を述べることとする。
f
「腰痛検診の実施をご存じですか」という問いにたいしては、 「知っている」が6割半ば、 「知 らない」 21%という回答状況であった(図34)。それを年代別で見たところ、 20代で知らない人t が24.6%と一番多かったが、それぞれの年代で「知らない」人が10%以上いることが判った(図 35)。 「受診されたことがありますか」と受診状況を問うと「毎回受診」が9.1! 、 「時々受診」が 42.9%、 「受診したことがない」が48.1%であった(図35)。また、 「腰痛経験あり」の人の受診 率は55.5%と、残り半数ちかくは「痛いが受診していない」という状況がよみとれる(図36)<
図34 腰痛検診について
図35 腰痛検診を知っている割合* 数値はパーセント
‑年齢別‑
EZ]毎回受言^b 田時々受詔 田E̲.言合せず
図36 検診受診状況 * 数値はパーセント
どちらとも いえない(49.1㌔)
図37 検診の効能
一検診は腰痛軽減に役立っているか‑
受診者を対象に「その受診が腰痛軽減に役立っていますか」との問いには、 8割を超える人が
「いいえ」、 「どちらとも言えない」と答えている(図37)。
以上のことから腰痛検診に関しては、実施していること自体「知らない」教員が、およそ5分 の1ほどおり、同時に受診率も高いとは言えない状況で、実質の腰痛の軽減を十分担っていると は言い難いと思われる。
では、次に腰痛予防の知識としての介助方法や腰痛体操などについては、どの程度の人がどん な方法でその知識を得ているのであろうか。
「腰痛予防のための介助方法、腰痛体操についての内容をご存じですか」の問いに対して61.15 が「知っている」と答え、 38.9%が「知らない」と答えている(図38)。また、 「どのような機会 に知識を得られましたか」の問いには、 「学校独自、その他の講習会で」が21.0%、 「学生時代の 講義等で」が4.0%に対して、 「書籍、雑誌で」 25.0%、 「同僚、先輩から」 19.0%、 「その他」
(通院している医師からというもの他) 19.0%が多く、公的な場よりも、自ら動いて知識を求め ている方が多いという結果である(図39)。
「障害児学校教員にとって、腰痛講座などが必要であると考えますか」の問いには、ほとんど の人が「必要である」と答えている(図40)。これは教員自身が腰痛で苦しみ、またそうした同 僚の実態を間近にみるという現状から来る訴えではなかろうかと考えられる。
アンケートの最後に、 「健康、腰痛についての今の考え」を自由記述で回答してもらったが、
そこには「個人の健康管理が第一」であるが、そのためにも「腰痛予防の研修会、研究会」を頻 繁に実施して欲しい、検診からもう一歩進歩させた具体的な腰痛予防策をとって欲しいというも のが多数あった。また、他の疾病、例えば頚肩腕や妊娠障害などについても力を注いで欲しいと
奈良県における障害児学校教員の労働と健康 必要でない(3.8㌔)
知らない(33.9完)
図38 介助方法や腰痛体操について
3B
25
29
15
10
5
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25
9 19
ll .0 m 4
書掠.雑誌縞 .去輩糟 の強等 品 の抑 葺 融 に その他
75
図39 体操等を知った機会 * 数値はパーセント
言う意見も多かった。さらに「仕事面」に関わる自由記述回答としては、 「無理をしない」こと が予防には不可欠だが、そうすることによって他の教員への負担が大きくなるために、 「身体を 休める時間がとれない」、 「年齢差に関係なく同じように動かなければならない」などの声が多く、
「この先、何年働けるか不安」だという意見、 「教員の数を増やして欲しい」という意見が最も 多かった。
Ⅳ.考 察
ここではⅢで詳述した調査結果を、先に述べた調査の課題および仮説との関わりで検討する。
(力「1日の生活時間」については、平均的な陣眠時間は6、 7時間程度であり、女性の睡眠時 間が、やや短いことがわかった。また家庭内休息時間も女性においては少ない点を考え合わせる
と、朝、晩の家事労働時間の男女差、約1時間30分が、睡眠及び休息時間にずれ込んできている ことが考えられ、予測したとおり女性が身体を休める時間の短さを指摘できるであろう。
また男性の家事労働時間も、一般教員に比べ、朝、晩合わせて30分程度長くなっているのは、
アンケート回答者が20代、 30代のライフサイクルでの育児期間中のものが多く、従って家事育児 に協力していると思われることから仮説にそっているものと考えられる。
勤務時間については、約半数以上のものが1時間以上の超過勤務をしていることがわかった。
校内での休息、休憩時間はやはり子どもの下校後にとるものが多く、下校させるまでは「目が離 せない」状態がうかがえ、勤務時間、休息、休憩時間ともに、先の仮説が成立すると考えられる。
以上のように障害児学校の教員において身体を休めがたい状態が広範に存在すること、そうし