<修士論文>
底泥からの溶出と沈降に関する データ解析方法の改善の試行
三重大学大学院 生物資源学研究科 地域保全工学講座
水資源工学研究室
指導教員 加治佐隆光 専攻生 北中健吾
1
目次
第1章 はじめに ・・・3
1-1 背景 ・・・4 1-2 「底泥」の定義 ・・・5 1-3 底泥による富栄養化の機構 ・・・6
1-4 対策 ・・・8
1-5 サンプリング地点の概要 ・・・9
第2章 目的 ・・・11
2-1 目的 ・・・12
第3章 基礎式 ・・・13
3-1 溶出沈降モデル(解析 a) ・・・14 3-2 水溶性分離モデル(解析 b) ・・・15
第4章 サンプリング地点の水質状況 ・・・16
4-1 24時間測定 ・・・17 4-2 結果 ・・・19
2
第5章 実験 ・・・21 5-1 概要 ・・・22 5-2 測定準備 ・・・23 5-3 測定 ・・・27
第6章 結果と考察 ・・・29
6-1 測定結果 ・・・30 6-2 生データ全体 ・・・37 6-3 解析 ・・・49
第7章 おわりに ・・・61
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第1章 はじめに
1-1 背景
1-2 「底泥」の定義
1-3 底泥による富栄養化の機構 1-4 対策
1-5 サンプル地点の概要
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1-1 背景
研究対象である三重県木曽岬町は、海抜ゼロメートル地帯に位置するため、
土地基盤整備事業等によりポンプや排水路整備が急ピッチで進められ、地域全 体で土地改良事業がほぼ完了している。しかし、近年は地盤沈下の影響で農業 用水はパイプライン化し、市街化の進行により幹線排水路にはヘドロが堆積し て水質が著しく悪化している。
このように幹線排水路で起きている水質悪化、特に富栄養化への対策は重要 であり、内部負荷源である底泥からの栄養塩の溶出量を知っておくことも必要 になる。これに関して、著者は覆砂による底泥抑制効果を調べる室内実験を行 い、現地の状況と比較した。最初、覆砂の効果を確認したが、実験の途中で大 きな巻き上げを生じたために、それに起因する沈降現象も同時測定することに なった。これを機会として、覆砂の効果を測る際は沈降成分と溶出成分を分離 して検討することを始めた。
本論では数学モデルを提示し、実測された水質項目について適用することで 底泥からの溶出と沈降のデータ解析方法の改善について総合的に考察を行った。
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1-2 「底泥」の定義
底泥(写真1-1参照)とは生活排水や産業排水とともに排出された浮遊物質、あ るいはプランクトンの死骸や微細な粘土粒子などが水底に沈殿し形成された浮 動性に富む軟らかい泥を指す。
一般に有機物を多く含む底泥が堆積している水中では溶存酸素がほとんどな くなり、嫌気性微生物(酸素欠乏状態でよく増殖する細菌)の働きで有機物が 分解されて、メタン、アンモニア、硫化水素などの悪臭ガスが多発しやすくな る。
また本研究の背景にもなっている、河川の富栄養化問題における内部負荷源 の1大要因になっている。
(湖沼工学 岩佐義朗 1990)
写真1-1 実験で使用した底泥(著者撮影 2010/02/08)
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1-3 底泥よる富栄養化の機構
富栄養化は湖沼、河川、海域に有機物や塩類が流入し、次第に栄養塩類が蓄 積され第1次生産者が異常増殖する現象を指す。富栄養化が恒常的になると本来 の水域の利用価値が著しく損なわれる。こうした閉鎖性水域における水質は、
流入河川などからの外部負荷、水域内部における底泥溶出による内部負荷、植 物プランクトンなどの内部生産によって汚濁が進む。その中で、重要な因子な のは栄養塩であり特に窒素、リンの増加は富栄養化に大きく作用する。
図1-1において、植物プランクトンは光が多く供給される上層で増植し、枯死 後、デトリタスと呼ばれ分解されながら徐々に沈降する。そのとき生成された 溶存有機物はさらに分解作用を受け無機物になり、また底面に堆積したデトリ タスはバクテリアの作用を受け分解、可溶化され溶存無機物として植物プラン クトンの増殖に利用される。
このような流入負荷と内部負荷の水質汚濁への寄与は東京湾、大阪湾の水質 底質調査結果によれば、水中の栄養塩の約50~70%は外部からの流出負荷に由 来し、約30~50%が底泥から溶出してくる内部負荷に由来していると推定され る。多くの研究は流出負荷に着目しているため、本研究は内部負荷に重点を置 いた。
(湖沼工学 岩佐義朗 1990)
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図1-1 閉鎖性水域における物質循環経路(湖沼工学 岩佐義朗 1990)
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1-4 対策
これまで笹田ら(2007)は香川県の浅いため池について、底質環境が水域に 与える影響及び池内における物質の循環課程を明らかにした。また山崎(2006)
によって名古屋港を対象にした、濃度変化に伴う粒子濃度との吸脱着を溶出モ デルよって考慮している。村瀬らは石狩川の旧川、茨戸川の底質及び懸濁粒子 の沈降過程を調べた。
このように閉鎖性水域の水質に関する研究は数多くなされており、木曽岬幹 線排水路のデータを明らかにする必要がある。
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1-5 サンプル地点の概要
底泥をサンプリングした木曽岬町の農業用幹線排水路の概要は以下の通りで ある。木曽岬町は東に愛知県、西は木曽川を挟んで桑名市長島町、南は伊勢湾 に面した、三重県北東部に位置する(図1-1、図1-2、写真1-1参照)。町周辺は 海抜ゼロメートル地帯のため、揚排水ポンプで水を管理している。古くから輪 中で知られる同地域は、伊勢湾台風など大雨による被害も甚大であった。
図 1-2 三重県桑名市木曽岬町周辺図 (○木曽岬 Google)
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図 1-3 木曽幹線排水路調査場所 (○木曽岬 Google)
写真 1-2 木曽幹線排水路 (著者撮影 2010/08/06)
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第 2 章 目的
2-1 目的
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2-1 目的
室内実験より覆砂の効果は確認したが、実験の途中で大きな巻き上げを生じ たために、沈降成分もあわせて解析した。村瀬らも研究で底質及び懸濁粒子の 沈降過程を調べている。
本研究では 1)および 2)を行い、底泥からの溶出と沈降に関するデータ解析 方法改善を目的とする。
目的 1)木曽岬幹線排水路の今後の水質を予測するため、従来のモデルで検討す る。
排水路の水質悪化を改善する方法に覆砂が挙げられる。木曽岬幹線排水路にも 適用すべく、室内実験により得られたデータを用いて溶出沈降モデルで予測す る。以降はこの溶出沈降モデルを解析 a と呼ぶことにする。
目的 2)現地で簡易に測定できるデータを用いて T-N,T-P の濃度を求める。
T-N,T-P の濃度を求めるには、一般的に時間がかかる。それを現地で簡単に求め るために、EC,COD,透視度といった簡易に測定できるデータから T-N,T-P の濃度 を予想するモデルを構築する。以降はこのモデルを水溶性分離モデル、解析 b と呼ぶことにする。
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第 3 章 基礎式
3-1 溶出沈降モデル(解析 a) 3-2 水溶性分離モデル(解析 b)
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3-1 溶出沈降モデル(解析a)
一般的に文献で紹介されている基礎式をもとに提案した。溶出による水質濃 度の増加を(1)、(2)式の右辺第1項、沈降を第2項で表現した。
dφ/dt=A-Bφ=C(φ-D) (1)
∴ φ=D+(φ0-D)×exp(Ct) (2)
ここで、C=-B<0 (3)
D=A÷B (4)
最小二乗法でφ0(mg/L)、C(1/day)とD(mg/L)を確定できれば、A(mg/L /day)とB(1/day)、溶出速度w(mg/m2/day)と沈降速度v(m/day)を得る。
w(mg/m2/day)= A(mg/L/day)×V(L)÷a(m2) (5)
v(m/day)= B(1/day)÷a(m2)×V(m3) (6)
V:水の容積11.34(L), a:水面積0.0284(m2)である。
植物プランクトンについては、沈降速度v(m/day)を深さ(m、本論中0.4m)で除 したd(1/day)を定数とする場合もあるので参考値に加えた。また直径0.001mm の土粒子の沈降速度も参考値に加えた。
なお、φ0、CとDを最小二乗法で決める際には、0.01~1の大きさで試行錯 誤的に初期値として試した。
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3-2 水溶性分離モデル(解析b)
T-P,T-Nの実測値は乱れることがあり、測定が容易でないため、値の簡便な
推定とT-P,T-Nの発生源の推定を目的とした(7)式を立てた。
(T-PまたはT-N)=α×EC+β×COD+γ×(1/透視度) (7)式
右辺第1項目のα×ECは、文献よりT-P,T-Nの成分は水溶性無機質が溶出 していると予想できるため、その総量を EC で表わすことができるのではと考 えた。
第2項目のβ×CODは、ECの補足的な項として選んだ。T-P,T-Nの成分は 水溶性無機質が溶出しているとあったが、水溶性有機質の溶出もあるかもしれ ないと考えたためである。
第 3 項目のγ×1/透視度は第 2 項目と同じく、非水溶性物質でも溶出してい るのではないかと考え補足的に選んだ。当初は第3項に浮遊物質SSの値を使い たかったが、本実験では測定していないためSSに類似している濁度を透視度の 逆数をとることで表わした。
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第4章
サンプリング地点の 水質状況
4-1 24 時間測定
4-2 結果
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4-1 24時間測定
室内で底泥溶出試験を行う際、そこで用いるヘドロがサンプリングされた場 所の環境、つまり水質や水深の時間変動を観測するため日本ハム横、木曽岬ポ ンプ場傍(図4-1参照)で24時間測定を行った。
使用器具
デジタル DO 温度計×1 pH 計×1
透視度計×1 メジャー×1
測定手順
A) 1 回目から2時間ごとにDO、水温、pH、透視度、水面と測定位置の距離を 測定した。
B) 5 回目の測定時に約 300ml 採水した。
C) 9回目の測定後、1時間空けて10回目とした。このとき測った項目はDO、
水温、水面と測定位置の距離である。その1時間後を11回目とし、それか らは2時間ごとの測定に戻した。
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図 4-1 24時間測定場所 (Google)
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4-2 結果
結果を表 4-1に示す。測定項目中の長さ(cm)は水面からのセンサーまでの深さ (cm)である。
水質基準と比較すると、透視度以外の測定項目は基準値を満たしていた。
表 4-1 24 時間測定結果
測定時間 水面
~基 準 cm
アメ ダス 風速 (m/s)
アメダ ス累積 日照時 間(hr)
アメ ダス 気温
DO(2 0cm)
DO(
100 cm)
水 温℃
(20c m)
水 温℃
(100 cm)
pH(2 0cm)
pH(1 00cm )
透視 度 cm(20 cm)
透視 度 cm(10 0cm) 2009/12/28 13:00 47.0 3.7 0.6 8.4 11.8 13.4 9.9 9.4 7.58 6.24 15.0 14.8 2009/12/28 15:00 48.1 2.4 2.2 7.6 15.5 16.8 9.2 9.2 8.10 8.04 15.6 14.0 2009/12/28 17:00 45.4 2.5 2.3 6.0 13.3 14.5 10.2 9.6 7.95 7.46 17.2 14.0 2009/12/28 19:00 46.5 2.2 2.3 5.3 12.8 13.8 10.1 9.9 8.01 7.95 17.8 13.3 2009/12/28 21:00 43.8 1.5 2.3 5.3 13.7 12.4 9.6 10.0 8.06 7.63 17.3 16.7 2009/12/28 23:00 42.9 0.5 2.3 5.5 11.2 11.0 9.5 9.7 7.97 7.93 18.3 14.5 2009/12/29 1:00 42.6 1.5 2.3 5.3 11.8 11.9 10.0 10.2 7.84 7.64 17.6 13.7 2009/12/29 3:00 40.5 1.7 2.3 3.8 11.8 12.3 9.6 9.9 8.06 7.94 17.5 14.5 2009/12/29 5:00 39.6 1.8 2.3 3.0 10.4 9.9 10.1 10.6 7.93 7.83 17.8 14.4 2009/12/29 6:00 1.0 2.3 2.0 11.1 10.3 9.7 10.1
2009/12/29 7:00 0.4 2.3 2.1 11.4 14.0 9.4 9.5 7.66 7.72 16.9 11.9 2009/12/29 9:00 47.7 0.8 3.3 4.1 8.9 13.5 9.9 8.8 7.81 7.45 19.6 12.6 2009/12/29 11:00 46.9 2.8 5.3 9.2 8.2 12.3 11.4 10.0 8.16 8.41 12.1 10.9 平均 44.6 1.8 2.5 5.2 11.7 12.8 9.9 9.8 7.93 7.69 16.9 13.8 標準偏差 2.8 0.96 1.02 2.2 1.93 1.9 0.54 0.47 0.18 0.53 1.91 1.49 変動係数 0.06 0.55 0.41 0.4 0.17 0.1 0.05 0.05 0.02 0.07 0.113 0.108
20
Fig.4-1 測定項目の時間変化 50.0
久、。
子、 i字 y
‑0ーアメダス風速 十 争 対 ス累 積 師、 40.0 l v.... '" I I
+努事妥結
→・‑DC(20cm) お.0│
│十 Dα1∞cm)
→ト水j:.C(20cm)
│十 水温.C(1∞cm)
‑‑‑‑pl‑(20cm) 25.0 ‑‑‑p1‑(1∞cm)
‑ ‑透視度crr(20cm) ー←透視度crr(1∞cm)
20.0
15.0
10β
5.0
0.0
12:00 1仕∞ 0:00 6∞ 12:00
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第5章 実験
5-1 概要
5-2 測定準備 5-3 測定
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5-1 概要
底泥からの溶出が木曽岬幹線排水路に影響を与える量を把握するために、覆 砂による溶出試験を実施した。底泥をサンプリングした地点の水環境調査の後、
以下の 2 通りの溶出実験を行った(図 5-1 参照)。なお現地測定の結果を使い、
現地と近い条件で実験を行った。
実験 A:注水の際、壁を伝わせることによって巻き上げを小さくした。
パイプ数は 3 本でそれぞれ砂なし、覆砂 20cm、覆砂 30cm とした。採水時 にろ過を行った。
実験 B:注水の際、一気に水を注ぐことであえて大きな巻き上げ状態にした。
パイプ数は 2 本でそれぞれ砂なし、覆砂 20cm とした。採水時にろ過は 行っていない。
図 5-1 実験モデル(左:実験 A 右:実験 B)
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5-2 測定準備
この項では底質溶出試験の準備について述べる。使用した底泥は、著者が現 地で採取したものを用いた。
使用器具
吸引ろ過器×1 GFP ろ紙×10 Air ポンプ×1
デジタル DO 温度計×1 メジャー×1
底泥採取器具×1(写真 5-1 参照)
実験 A(写真 5-2 参照)
アクリルパイプ×3 ゴム栓×6
シリコンチューブ×9(内サンプリング管×3)
実験 B(写真 5-3 参照)
アクリルパイプ×2 ゴム栓×4
シリコンチューブ×6(内サンプリング管×2) 吸収瓶×2
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写真 5-1 底泥採取器具(著者撮影 2010/08/06)
写真 5-2 実験 A の様子(著者撮影 2010/08/06)
25
写真 5-3 実験 B の様子(著者撮影 2009/12/25)
②
底泥
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測定準備手順
A) 底泥が均質になるようによく混合した。
B) 仕込水を冷暗所に置き、上澄み液を GFP ろ紙でろ過した。
C) 全てのアクリルパイプに下部ゴム栓を強くはめこみ、ビニールテープを巻い た。
D) 各パイプの深さ 80cm 以降に底泥を入れた。アクリルパイプ内面に泥が付着 した場合は、雑巾で拭き取らなければならない。
E) ろ液を入れる位置に印を付けておいた。それぞれの深さはパイプ①場合 40
~80cm、パイプ②の場合 20~60cm、パイプ③の場合 10~50cm である。
F) パイプ②の深さ 60~80cm、パイプ③の深さ 50~80cm に砂を敷いた。
G) ゆっくりろ液を注入した。特に初めは底泥の巻き上がりを防ぐため、流量を 抑えた。
H) 砂、もしくは底泥の上 40cm の高さまでろ液を注入した。
I) 上部ゴム栓をセットし、吸収瓶は落下しないように針金で固定し、シリコン チューブも深く挿入した。
J) 水温、DO を測定した。実験 A だけ pH、EC も測定した。
K) ふた栓を閉め、嫌気状態にした。
L) DO の測定結果が以下の表 2-2 の範囲を外れた場合、ふた栓およびサンプリ ング管のコックを閉めたままで Air バブリングし、飽和状態に近づけ再度 DO を測定した。
M) 作業後、暗所とした。
表 5-1 DO 表
試験温度 好気試験 DO 備考
10℃ 8.7~13.1mg/l 飽和状態 10.9mg/l±
20%
25℃ 6.5~9.7mg/l 飽和状態 8.1mg/l±
20%
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5-3 測定
実験 A は 2010 年 8 月 6 日にパイプをセットして測定を開始した。採水を行っ たのは準備日、1、5、10、20、30 日後、すなわち 8 月 6 日、7 日、11 日、16 日、
26 日、9 月 5 日である。
実験 B は 2009 年 12 月 25 日にパイプをセットして測定を開始した。採水を行 ったのは準備日、1、3、5、10、20 日後、すなわち 12 月 25 日、26 日、28 日、
30 日、1 月 4 日、14 日である。本来は準備の段階で吸収瓶に 0.1N 硫酸 (4.9gH2SO4/L)を 30ml 入れなければならないが、濃硫酸が手元になく発注したた めアンモニアトラップが完成したのは実験開始 13 日目以降である。
使用器具
Air ポンプ×1
デジタル DO 温度計×1 pH 計×1
透視度計×1 EC 計×1 メジャー×1 注射器×1
実験 B 吸収瓶×2 濃硫酸 1mol
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測定手順
A) 試験状況を写真に収めた。
B) 直上水の量を把握するため、水位を測定した。
C) Air ポンプで 2~3 分バブリングし、系内の水を循環、混合させた。バブリ ングの強さは底泥を巻き上げない程度に調整し、系内が循環、混合されたと ころでバブリングを止めた。
D) ふた栓を外した。これを忘れて採水を行うと、吸収管の硫酸が逆流するため。
E) サンプリング管に注射器をつなぎ、一度サンプリング管内に溜まっている水 を押し出した。
F) 注射器を用いて試験水を引き抜き、あとはサイホン式に 300ml~500ml 容器 で受けた。
G) 採水後はサンプリング管内の水を、注射器を用いて系内に慎重にゆっくり戻 し、コックを閉める。
H) 実験 A では吸収瓶の 0.1N 硫酸を回収し、新しい 0.1N 硫酸を 30ml 入れる。
I) ふた栓の穴から DO、水温、pH、透視度を測定する。
J) ふた栓を閉める。
K) DO の測定結果が表 2-1 の範囲を外れた場合、ふた栓およびサンプリング管 のコックを閉めたままで Air バブリングし、飽和状態に近づけ再度 DO を測 定した。
L) 作業後、暗所とした。
M) 分析は T-N、T-P、COD を外部委託した。
写真写真4 3 写真2 写真1
吸収瓶
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第6章
結果と考察
6-1 測定結果
6-2 生データ全体 6-3 解析
30
6-1 測定結果 6-1-1 実験A
実験Aの測定結果を表6-1~3に示す。表中、月日は2010年である。水温は シリンダー内の水温(℃)、DO:溶存酸素量(mg/L)、透視度(cm)、EC:電気伝導 度(μS/cm)、水深:パイプの底面から水面までの高さ (cm)、DO の(前)(後)は エアレーションを行った前後のことである。
それらの表から以下の 1)~6)が言える。なお、解析 a では EC のデータに欠落 があるが、同様の傾向を予想して、T-Nも含めて解析を行うことにした。
1)エアレーションの後でもDOはさほど大きくなっていない。パイプの中の水
質濃度を一定にする効果はあったと思う。
2)pHは少しアルカリ側であった。大きな変動はなかった。
3)透視度は、砂なしの場合の初日のみ10cm以下であったが、最終的(初日か
らほぼ1カ月後)にはいずれも40~50cm程度であった。
4)ECは最初の数日間には、砂なしで6~7μS/cmであり、一カ月後にはほぼ2 μS/cmに収束した。覆砂をおこなった場合には3μS/cmであり、一カ月後には
ほぼ1μS/cmに収束した。
5)上述の4)によれば、巻き上げの影響は、覆砂をしなかった場合に大きく、
覆砂をした場合に小さいことがうかがえる。すなわち、溶出沈降モデルはこの 実験Aについては、シリンダー①での有効性を予想できるが、シリンダー②と
③については、不利であろうと予想できる。
6)水深はいずれもほぼ一カ月で数cm低下している。サンプリングした結果で
ある。
31
表6-1 実験A(シリンダー①砂なし)
砂なし 水温 DO(前) DO(後) pH 透視度 EC 水深 COD T-N T-P
(℃) (mg/L) (mg/L) (cm) (μ S/cm) (cm) (mg/L) (mg/L) (mg/L)
8/6 27.9 5.6 5.3 7.9 7.2 3.1 66.8
8/7 26.5 5.3 6.2 7.8 37.8 4.2 66.7 8.2 3.0 0.060
8/8 22.9 5.2 6.7 7.6 46.5 5.3 65.1 8/9 24.3 5.2 6.4 6.7 58.8 6.2 65.3 8/10 22.7 6.5 6.1 7.6 52.3 6.6 65.2
8/11 23.5 5.6 5.2 7.4 44.9 7.1 65.3 8.8 7.6 0.061
8/12 24.6 5.5 5.6 7.4 51.8 6.5 63.9 8/13 24.0 6.5 6.0 7.4 45.4 1.5 63.8 8/14 24.9 6.6 7.6 7.4 44.4 1.6 63.8 8/15 23.3 5.9 5.7 7.3 38.7 1.7 63.8
8/16 24.7 4.1 5.5 7.4 40.3 1.7 64.1 13.0 9.6 0.240 8/17 24.8 3.0 4.6 7.4 40.6 1.8 62.7
8/18 25.3 5.4 6.0 7.3 39.6 1.8 62.6 8/19 25.2 8.2 12.4 7.3 38.2 1.8 62.8 8/20 24.6 9.8 7.0 7.5 37.1 1.8 62.8 8/21 25.2 3.0 4.0 7.6 37.1 1.9 63.0 8/22 25.4 2.8 7.5 7.5 32.5 1.9 62.9 8/23 24.8 3.4 7.6 7.2 32.8 2.0 62.8 8/24 24.5 8.5 7.6 7.3 35.1 2.0 62.8 8/25 25.1 6.8 9.9 7.2 34.5 2.1 63.1
8/26 24.9 5.2 7.9 7.7 34.7 2.0 62.9 15.0 10.0 0.120 8/27 21.4 4.0 8.2 7.2 33.4 2.1 61.4
8/28 21.6 3.0 7.6 7.3 32.7 2.1 61.4 8/29 22.5 9.2 9.1 7.5 36.2 2.1 61.5 8/30 23.8 5.6 6.2 7.1 34.5 2.1 61.4 8/31 23.1 5.0 5.6 7.1 35.3 2.1 61.4 9/1 22.2 5.8 7.4 7.5 36.8 2.2 61.4 9/2 22.3 6.3 6.0 7.2 38.3 2.2 61.4 9/3 22.6 6.9 8.3 7.6 38.6 2.1 60.9 9/4 23.3 6.4 8.7 7.6 37.3 2.3 60.6
9/5 23.4 6.3 12.1 7.5 39.7 2.3 60.3 14.0 13.0 0.170
平均 24.0 5.7 7.1 7.4 38.5 2.8 63.0 11.8 8.6 0.130
標準偏差 1.44 1.75 1.92 0.24 8.50 1.67 1.71 3.10 3.70 0.077 変動係数 0.31 0.31 0.27 0.03 0.22 0.60 0.03 0.26 0.43 0.588
32
表6-2 実験A(シリンダー②砂20cm)
20cm 水温 DO(前) DO(後) pH 透視度 EC 水深 COD T-N T-P
(℃) (mg/L) (mg/L) (cm) (μ S/cm) (cm) (mg/L) (mg/L)(mg/L)
8/6 28.5 6.0 6.4 7.6 49.8 2.9 81.8
8/7 26.9 6.5 6.7 7.8 92.8 3.0 81.6 6.1 1.0 0.031 8/8 23.3 6.2 6.1 7.5 79.3 2.8 81.0
8/9 24.6 6.4 6.6 7.0 93.8 3.2 80.4 8/10 23.3 7.2 7.5 7.7 88.2 3.3 80.4
8/11 23.3 5.1 6.5 7.5 72.3 3.3 80.4 6.0 1.1 0.028 8/12 24.8 5.6 5.3 7.4 71.0 3.4 79.1
8/13 24.1 6.2 5.5 7.2 70.9 0.7 79.2 8/14 25.0 7.0 7.8 7.5 70.1 0.8 79.1 8/15 23.5 5.9 5.4 7.3 64.6 0.8 79.1
8/16 25.0 5.6 6.8 7.4 66.3 0.8 79.4 6.8 1.2 0.041 8/17 25.3 5.0 4.4 7.2 70.5 0.8 78.6
8/18 25.4 6.6 5.9 7.4 69.5 0.8 78.1 8/19 25.3 5.8 7.4 7.3 65.5 0.9 78.2 8/20 24.7 6.0 8.1 7.7 67.6 0.8 78.0 8/21 25.3 5.2 5.8 7.6 62.3 0.9 78.4 8/22 25.3 6.7 7.5 7.3 57.6 0.9 78.2 8/23 24.8 6.7 8.1 7.4 58.1 0.9 78.2 8/24 24.5 6.3 8.8 6.9 58.0 0.8 78.3 8/25 26.0 7.2 10.2 7.7 56.3 0.9 78.4
8/26 23.5 7.5 7.9 7.6 54.0 0.9 78.2 6.3 1.1 0.015 8/27 21.8 5.1 8.7 7.5 50.8 0.9 76.4
8/28 21.9 4.1 7.7 7.6 50.8 0.9 76.4 8/29 22.1 9.6 9.8 7.4 50.7 0.9 76.3 8/30 24.0 6.0 7.1 7.7 50.9 1.0 76.4 8/31 23.4 5.7 6.6 7.3 50.5 0.9 76.4 9/1 22.7 5.4 9.3 7.4 52.7 1.0 76.4 9/2 22.7 8.3 6.7 7.4 51.2 1.0 76.5 9/3 22.8 8.7 8.4 7.7 49.9 0.9 76.4 9/4 23.8 6.2 7.7 7.6 45.6 1.0 76.6
9/5 23.1 7.7 10.6 7.6 50.5 1.0 75.2 9.8 1.7 0.038
平均値 24.2 6.4 7.3 7.4 62.6 1.4 78.3 7.0 1.2 0.031
標準偏差 1.47 1.15 1.48 0.20 13.09 0.95 1.73 1.60 0.28 0.010 変動係数 0.06 0.18 0.20 0.03 0.21 0.69 0.02 0.23 0.23 0.332
33
表6-3 実験A(シリンダー③砂30cm)
30cm 水温 DO(前) DO(後) pH 透視度 EC 水深 COD T-N T-P
(℃) (mg/L) (mg/L) (cm) (μ S/cm) (cm) (mg/L) (mg/L) (mg/L)
8/6 28.6 6.0 6.1 7.7 20.8 3.3 86.4
8/7 27.2 5.3 7.3 7.7 61.0 3.2 86.3 5.6 1.1 0.030
8/8 23.6 6.3 6.4 7.3 72.5 3.1 85.0
8/9 24.9 6.2 6.7 6.9 96.2 3.1 85.7
8/10 23.4 6.9 7.1 7.7 84.4 3.1 85.1
8/11 23.4 6.0 6.2 7.4 84.4 3.1 84.9 4.9 1.0 0.220
8/12 24.9 6.0 6.5 7.4 74.5 3.1 83.9
8/13 24.3 6.1 6.0 7.4 71.9 0.6 83.7
8/14 25.2 6.6 7.8 7.4 71.1 0.6 83.6
8/15 23.9 6.2 5.7 7.2 69.2 0.6 84.9
8/16 25.3 5.8 7.0 7.3 70.3 0.6 84.0 5.1 1.1 0.034
8/17 25.6 4.6 5.0 7.5 69.0 0.6 82.3
8/18 25.6 6.8 6.5 7.4 71.4 0.6 82.1
8/19 25.6 5.7 7.8 7.3 67.3 0.7 82.0
8/20 25.0 6.4 8.0 7.5 68.3 0.7 81.9
8/21 25.4 5.0 7.4 7.5 67.6 0.7 82.5
8/22 25.5 5.8 7.1 7.6 66.3 0.7 82.3
8/23 25.2 6.2 8.9 7.8 59.6 0.7 82.3
8/24 24.8 7.3 8.1 7.1 60.0 0.7 82.4
8/25 26.3 7.0 12.7 7.5 58.7 0.8 82.4
8/26 24.1 7.4 8.3 7.5 57.6 0.7 82.4 5.4 0.7 0.009
8/27 22.3 5.2 8.5 7.7 53.1 0.8 80.6
8/28 22.2 5.0 8.3 7.9 56.2 0.8 80.7
8/29 22.4 8.9 8.2 7.6 55.7 0.8 80.8
8/30 24.2 5.5 7.3 7.5 52.8 0.8 80.9
8/31 23.8 6.2 7.4 7.6 52.1 0.8 80.9
9/1 23.0 7.0 8.6 7.4 49.2 0.8 80.8
9/2 23.1 8.3 7.8 7.8 52.0 0.8 80.9
9/3 23.1 8.7 8.3 7.5 47.3 0.8 80.7
9/4 24.1 7.0 8.1 7.4 45.7 0.8 80.9
9/5 23.3 9.0 13.1 7.4 52.4 0.9 79.0 5.5 0.9 0.017
平均値 24.5 6.5 7.7 7.5 62.5 1.3 82.7 5.3 1.0 0.062
標準偏差 1.43 1.12 1.68 0.21 14.02 1.02 1.91 0.29 0.18 0.0889 変動係数 0.06 0.17 0.22 0.03 0.22 0.81 0.02 0.06 0.19 1.4337
34
6-1-2 実験B
実験 B の測定結果を以下に示す。表中、月日は 2009 年である。水温はシリ ンダー内の水温(℃)、DO:溶存酸素量(mg/L)、透視度(cm)、EC:電気伝導度(μ
S/cm)、水深:パイプの底面から水面までの高さ (cm)、DO の(前)(後)はエアレ
ーションを行った前後のことである。
それらの表から以下の1)~5)が言える。また、5)を理由として、覆砂がある場 合には、解析aの適用は行わないことにした。
1)エアレーションの後でもDOはさほど大きくなっていない。パイプの中の水
質濃度を一定にする効果はあったと思う。
2)pH は概ねアルカリ側であったが、途中大きな変動があった。これは採水時 に硫酸が逆流したためだと考えられる。
3)透視度は、砂なしの場合、はじめの5日間は10cm以下であったが、最終的
(初日からほぼ 1 カ月後)には 40cm 程度であった。砂 20cm の場合は、初日 のみ10cm以下であったが、最終的60cm程度になった。
4)水深はいずれもほぼ一カ月で数cm低下している。サンプリングした結果で
ある。
5)各水質項目のCOD、T-P、T-Nの覆砂した場合、砂なしと比較して、変動係
数がとても小さい。したがって、溶出の評価は困難であることが予想される。
35
表 6-4 実験B(シリンダー①砂なし)
砂なし 水温 DO(前) DO(後) pH 透視度 水深 COD T-P T-N'アンモニア性窒素
(℃) (mg/L) (mg/L) (cm) (cm) (mg/L) (mg/L) (mg/L) (mg/L)
12/25 13.3 4.8 4.3 6.6 2.6 8.6 0.1 3.6
12/26 17.9 3.2 3.6 7.4 4.7 68.2 23.0 3.1 10.0 12/27 17.8 3.5 3.8 7.2 6.3 66.8
12/28 18.8 2.5 2.5 7.3 7.5 66.8 22.0 2.0 8.6 12/29 20.3 0.9 2.1 7.8 8.8 65.7
12/30 19.3 0.6 1.5 4.5 9.3 65.6 17.0 1.4 8.8 12/31 18.7 0.3 1.7 4.3 16.5 62.9
1/1 18.0 0.9 2.6 3.9 18.9 63.8 1/2 17.1 1.9 2.3 5.1 25.0 63.9 1/3 17.4 2.4 2.7 5.1 27.7 63.9
1/4 17.6 2.8 2.6 7.5 28.1 64.1 15.0 0.9 10.0 1/5 18.0 0.7 2.7 4.8 23.3 62.7
1/6 19.1 2.2 2.8 7.5 24.9 62.9 1/7 18.8 3.6 3.7 7.3 24.7 62.9 1/8 19.0 3.6 3.7 7.5 23.1 63.2 1/9 20.0 3.0 3.2 7.6 22.1 63.2 1/10 19.7 2.1 2.4 7.3 22.1 62.6 1/11 18.8 1.5 1.6 7.5 22.0 63.2 1/12 19.8 0.5 1.0 7.4 20.9 63.2 1/13 19.8 0.9 0.7 7.4 43.4 63.2
1/14 19.5 0.4 0.3 7.8 41.6 63.2 11.0 0.2 9.7 0.3
平均値 18.5 2.0 2.5 6.6 20.2 64.1 16.1 1.3 8.5
標準偏差 1.5 1.3 1.1 1.3 10.9 1.6 5.8 1.1 2.5
変動係数 0.1 0.6 0.4 0.2 0.5 0.03 0.4 0.9 0.3
36
表 6-5 実験B(シリンダー②砂 20cm)
20cm 水温 DO(前) DO(後) pH 透視度 水深 COD T-P T-N 'アンモニア性窒素
(℃) (mg/L) (mg/L) (cm) (cm) (mg/L)(mg/L)(mg/L) (mg/L)
12/25 13.2 6.7 6.3 7.2 8.3 8.6 0.1 3.6
12/26 17.5 7.3 6.9 7.6 15.7 86.6 11.0 0.2 3.5 12/27 17.8 6.8 7.6 7.6 19.5 85.3
12/28 19.0 6.6 6.7 7.5 28.6 83.9 7.9 0.2 3.9 12/29 19.7 6.1 6.4 7.6 23.3 84.1
12/30 19.2 6.2 5.8 5.0 27.5 84.4 7.3 0.1 4.4 12/31 18.7 5.9 6.4 4.8 28.5 82.0
1/1 18.0 6.3 6.6 4.1 28.1 83.0 1/2 17.1 5.8 6.1 7.4 29.0 83.1 1/3 17.3 6.1 6.2 5.2 30.1 81.8
1/4 17.3 5.7 6.4 7.5 30.0 83.0 6.4 0.1 4.7
1/5 17.5 6.4 6.6 5.2 28.1 81.6 1/6 18.6 5.6 6.3 7.6 27.4 81.7 1/7 18.3 5.7 6.3 7.6 26.9 82.2 1/8 19.0 5.4 6.0 7.6 26.4 81.9 1/9 19.7 5.8 6.2 7.6 25.8 82.2 1/10 19.3 5.4 5.6 7.5 25.2 80.8 1/11 18.5 5.0 5.2 7.6 25.0 82.1 1/12 19.2 4.7 5.0 6.2 24.9 82.1 1/13 19.6 4.2 4.4 7.4 61.8 82.1
1/14 19.1 3.8 4.3 7.8 66.8 82.3 7.0 0.2 3.8 0.2
平均値 18.3 5.8 6.1 6.8 28.9 82.8 8.0 0.2 4.0
標準偏差 1.44 0.85 0.79 1.19 12.9 1.41 1.64 0.04 0.47 変動係数 0.08 0.15 0.13 0.17 0.45 0.02 0.20 0.26 0.12
37
6-2 生データ全体
以下に 2 実験の結果をグラフにしたものを示す。結果を比較しやすいよう上
に実験A、下に実験 Bを載せた。ただし、EC のみ実験Aのデータしかないの
で別個、記載した。図番に付した(A)、(B)はそれぞれ実験AとBのことである。
2 実験からとれた生データ全体について、いずれの水質、いずれの実験、いず れのシリンダーもひと月程度で定常状態に到達するように見えた(Fig.6-1~
6-11参照)。
ただし、砂ありシリンダー②③の定常状態では、上述の水質濃度よりも過小 の水質濃度があった(Fig.6-2(A)(B)参照)。そういう水質濃度では、巻上げがな く、溶出が抑えられたままの可能性がある。
比較的測定しやすくデータ数の多いのはECであった。ECは委託した3つの 水質項目と比較して、グラフの形状が滑らかであった。その中でも EC のグラ フ形状に近いのはシリンダー①~③の T-N であったので、水質測定のノイズが 比較的小さいのではないかと考えられた。
解析 a は溶出と沈降についてのモデルであるため、巻上げの影響がある場合 に、高精度になることが重要になる。透視度の極大値と同じ頃(実験 A で 3 日 後、実験 B で十数日後)に、水質濃度が極小になっていれば、透視度以外の水 質でも溶出沈降モデル(解析 a)の有効性を期待できる。COD に関する実験 A のシ リンダー③と実験 B のシリンダー②にその傾向が伺えた。
38
Fig.6-1(A)EC
39
Fig.6-2(A)T-N
Fig.6-2(B)T-N
40
Fig.6-3(A)T-P
Fig.6-3(B)T-P
41
Fig.6-4(A)COD
Fig.6-4(B)COD
42
Fig.6-5(A)水温
Fig.6-5(B)水温
43
Fig.6-6(A)透視度
Fig.6-6(B)透視度
44
Fig.6-7(A)DO前
Fig.6-7(B)DO前
45
Fig.6-8(A)DO後
Fig.6-8(B)DO後
46
Fig.6-9(A)pH
Fig.6-9(B)pH
47
Fig.6-10(A)水深
Fig.6-10(B)水深
48
Fig.6-11(A)1/透視度
Fig.6-11(B)1/透視度
49
6-3 解析
著者らの試行錯誤の現状から以下における実験の種類(A,B)、解析方法(a,b)
水質項目についての組み合わせは表6-6のようである。例えばA-aは実験Aと 解析aの組み合わせを示す。
表6-6 評価項目 A-a
A-b・B-aからT-N ECあり
B-a
COD・T-N・T-P ECなし
A-b
T-N・T-P ECあり
B-b
A-b・B-aからT-N ECなし
50
6-3-1 解析A-a
実験Aで解析aを試すため、各係数を3章と同様に係数決定した。結果を表 6-7 に 示 す 。 こ こ で D(mg/L)、 φ0(mg/L)、C(1/day)、 絶 対 誤 差(mg/L)、 w(mg/m2/day)、d(1/day)。
グラフを見ると実測値と計算値はおおむね一致しているように見えた
(Fig.6-12~14参照)。また表6-7より、シリンダー②③のように覆砂で巻き上 げを抑えた方が砂なしより誤差が小さかった。これは巻き上げが大きい方が、
よりモデルに適合しやすい前提に加えて、巻き上げが小さい場合でも適用でき ることが分かった。
表6-7 A-a結果 T-N
条件 D φ0 C 絶対誤差 w d シリンダー①
シリンダー② シリンダー③
11.523 <0.001 -0.208 1.001 959.430 0.208 18.386 0.961 -0.001 0.1353 8.368 0.001 18.401 0.952 <0.001 0.16376 <0.001 <0.001
Fig.6-12(A)砂なし
51
Fig.6-13(A)20cm
Fig.6-14(A)30cm