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著者 神田 良, テンハッケン, ヴィッキー, 藤田 晶子, 

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(1)

長期存続企業経営の日米比較―アンケート調査から 発見された共通性と相違性―

著者 神田 良, テンハッケン, ヴィッキー, 藤田 晶子, 

山田 純平

雑誌名 明治学院大学産業経済研究所研究所年報 = The

Bulletin of Institute for Research in Business and Economics Meiji Gakuin University

巻 30

ページ 89‑98

発行年 2013‑12‑25

その他のタイトル Comparison of Management between Japanese and American Long‑Lived Companies: Commonalities and Differences Based on the Findings from the Questionnaire Surveys

URL http://hdl.handle.net/10723/1858

(2)

共同研究 6  無形資産投資の実態とその効果―財務報告の有用性をめぐって―

長期存続企業経営の日米比較

―アンケート調査から発見された共通性と相違性―

神田  良 ヴィッキー・テンハッケン 藤田 晶子 山田 純平

はじめに

長期存続企業,いわゆる老舗企業がどのような経営を展開しているのか,またどのようにして 持続的な競争力を構築しているかなどについては,これまでさまざまな視点から議論が展開され てきた。とは言え,その多くは老舗企業だけを調査対象として,その特質を明らかにするもので あった。もちろん,こうした方法論によって長期存続企業の経営特質は明らかになるが,それは 果たしてそうでない企業と異なる特質なのであろうか,またどこが異なる特質なのであろうかは,

必ずしも明確にはならなかった。神田・高井(2012)

1

は,創業 1 年から400年超までの企業を 対象とした質問票調査に基づいて,長期存続企業とそうでない企業との比較を通して,長期存続 企業の経営特質を明確にした。

しかし,彼らの調査は日本企業を対象としたもので,導き出された長期存続企業の経営特質は,

老舗企業が世界でも最も多い国である日本のものであり,それが必ずしも長期存続企業全般に妥 当する一般的な理論にはなっていないかもしれない。日本だけでなく他の国の長期存続企業との 比較を通して,発見された仮説の妥当性を検証しなければならない。

本稿は,こうした問題意識に基づいて,長期存続企業の経営に関する国際比較を進めるための 出発点をなすものである。国内の比較分析に用いた研究フレームワークと同じものを用いて,我 彼の相違と共通性を明らかにすることが研究目的である。

1 .調査のフレームワーク

1 )理論的フレームワーク

長期存続企業の経営における特徴は,その個性づくりにある。他の企業とは異なり,顧客が長 期にわたって支持し続けてきているのは,他社にはない,その企業らしさが存在するからであり,

注 1  神田良・高井透(2012),「非老舗と比較した老舗経営の特質」『情報科学研究』(日本大学商学部・情報

科学研究所)第21号,71−90ページ。

(3)

研 究 所 年 報 90

その個性に魅力を感じ,一体感を持つからである。この意味で,長期存続企業,つまり老舗は企 業個性の形成に長けているのである。

企業個性の形成・維持・強化については, 5 つのマネジメントが鍵となっている。その中核 をなすのが,「志のマネジメント」である。創業以来,守るべき経営理念などを持ち,企業とし ての立ち位置を明確にしようとしているし,し続けてきたことが企業個性の原点にある。明文化 するか否かにかかわらず経営理念を持っていて,そうした理念を中核として経営方針に活かして,

企業運営でのブレをなくし,一貫性を保っているのである。

図 1  長期存続企業のマネジメント 図1 長期存続企業のマネジメント

強みづくりの 活縁の

強みづくりの マネジメント

活縁の マネジメント

志の マネジメント

人づくりの マネジメント

関わりの マネジメント

競合が真似できない 企業個性(らしさ)の形成

こうした志に基づいて,長期的な持続可能性の高い競争優位性を構築するのが「強みづくりの マネジメント」である。競争力構築には,強みが何であるかを意識すること,そしてその強みを 維持・強化しようとする事業展開が求められる。しかも,時代の変化,競争状況の動きに合わせ て,それを改善,変革していかなくてはならない。

企業の存続は,当該企業単独では不可能である。いかなる企業も,すべてのビジネス ・ プロセ スを自社内で完結することはできないからである。多かれ少なかれ,他の企業に依存することが 避けては通れない。そのため,他社との関係づくりの巧拙が長期存続のもう一つの決め手となる。

「関わりのマネジメント」である。

ビジネスのバリューチェーンを考慮すると,関係づくりでは川上と川下との両方に目配りが必須 となる。川上については,原材料など提供してくれる仕入先との関係づくりである。彼らとの連携 を高め,堅固な協力関係を構築することで,競争力の強化にもつながることになる。川下については,

顧客との関係づくりである。顧客との長期に及ぶ関係を創り上げ,愛顧を勝ち取ることが求められる。

ところで,志,強みづくり,関わりのマネジメントにかかわらず,すべての企業活動は人に よって遂行され,実現される。そのため,「人づくりのマネジメント」はもう一つの重要な要素 となる。人づくりでは,従業員はもとより,後継者育成もまたポイントとなる。多くの長期存続 企業は,中堅 ・ 中小企業であり,かつ家族経営である。そのため,限られた後継候補者をいかに して効果的に育成できるかが,きわめて大きな課題となるからである。

最後が,「活縁のマネジメント」である。長期に存在し続けてきた老舗企業は,地域経済に

とっては大きな意味を持っている。必ずしも多くの雇用に結びつかないかもしれないし,大きな

(4)

経済効果を期待できないかもしれない。しかし,安定した経済的な成果や雇用維持は,それなり に大きな役割を果たしているし,長期存続から得られた地域や経済・経営に関する知識や人脈な どの資産は無視しがたいものがある。実際,商工会議所などの地域経済を担うべき経済団体に あっても,そうした企業が担う役割や貢献は大きい。

当該の老舗企業にとっても,地域とともに育ち,地域とともに経済活動を営んでいるという事 実は重みがある。そのため,多くの長期存続企業は,地域に対する貢献を通して地域価値を高め るとともに,地域での活動から学ぶことにも積極的である。業界団体などでの活動に対しても積 極的に関わり,単独ではできない事業展開や人材育成などにも価値を見出している。これが,さ まざまな縁を活かす「活縁のマネジメント」である。

2 )調査概要

日本の分析対象は,商工会議所中央支部の老舗企業塾が実施したアンケート調査の回答から,

創業100年以上の企業を抽出した,143社である

2

他方,米国の分析対象は,同じく100年以上の歴史を持つ530社に向けて実施したアンケート 調査に対して回答を寄せた,65社である。

2 .志のマネジメント

1 )経営理念

長期存続企業の経営では,家訓,社是などといったいわゆる経営理念が存在して,それは創業 以来の企業個性を生み出す源泉になっている。理念の存在に関しては日米で大きな相違は見られ ず,ともに理念を多くの企業が持っていた。

図 2  経営理念の定義

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注 2  この調査については,次に詳しい。http://www.tokyo-cci.or.jp/chuo/shinise/

(5)

研 究 所 年 報 92

理念が含む内容,つまり定義に関しては,相違が見られた。商品やサービスに関しての定義を 有している点では,両者には違いがなかったが,事業範囲,生産や販売などについての広い意味 での技術,そして仕入先や顧客との関係づくりについての定義設定では,日本よりも米国のほう がより高い割合で明示化している企業が多かった。

やはり,文書などに考え方を明記するといった形式化・定式化は,米国企業のほうが長けてい るのかもしれない。

図 3  経営理念の継承と活用

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経営理念の活用に関しては,経営理念に立脚した経営に心掛けているという理念立脚型経営と いう点では,相違点はなかった。また,そうした経営を次世代に伝承しようとする理念経営の伝 承でも差がなく,この点でも,理念立脚型の企業運営では,共通性が見られる。さらに,これと 軌を一にしているが,経営者が自ら経営理念を理解し,それを経営の言葉として社内で説明して 理念の共有化に努めている点でも,共通性が見られる。

これに対して,日本では経営理念が創業の頃からの考え方を反映していると認識している企業 が,米国よりも多い。日本企業のほうが歴史的な一貫性に拘っているのかもしれない。長期存続 企業が多く存在し,国としての歴史が長いという日本の文化的な文脈では,歴史的な長さとその 正統性がより重要視されると思われるからである。

他方,理念の定義でも相違が明らかになったように,理念の形式化により積極的な米国では,

文書化を通して経営理念を明確にするという経営姿勢がより顕著になっている。また,そうして 文章化された経営理念は,社外に対しても公表されることが多くなっていると思われる。

もちろん,経営理念は場合によっては,解釈の余地を多く残す曖昧な表現になっているもの もある。したがって,必ずしも文章で表したからといって,それが的確に伝わるわけではないと いったこともありうる。それ故に文章化といったことだけで,形式化 ・ 定式化の程度を語るに は無理があるかもしれないし,曖昧な表現のほうが時代変化に合わせて的確に経営に生かしてい くことが可能となることもありえる。経営理念がどのように機能しているのかを分析するために,

こうした点も考慮して,さらに調査分析することが必要なのかもしれない。

(6)

2 )経営方針

図 4  経営方針

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3 46

4.11 3.52

4.09 4.13 3.46

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3.45 3.58

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3.77 4.25

4.58

3.80 3.61

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4.02 3.77

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経営方針を見ると,主力事業を中心とした中核事業志向,他社にはない商品やサービスを通し た差別化志向においては差が見られない。さらには,売上よりも利益を重視したり,大きな借金 を抱えてまでの事業展開を回避したりと,財務的な保守主義,健全主義は共通性を持っている。

これに対して,ブランド価値経営では,米国企業のほうがより積極的な姿勢を見せている。

培ってきたブランドに価値を置き,商品や店づくりなどでもブランドを意識して,ブランド一貫 性を実現しようとする思考は,米国企業のほうが高いように思われる。

また,対外的な関係づくりに関しても,米国企業のほうが積極的である。仕入先との長期的な 関係づくりや,業界活動の活用は,米国企業のほうが高い数値を示している。

3 .強みづくりのマネジメント

1)強みづくり

価格以外での商品・サービスの魅力訴求や細部に至るまでの商品 ・ サービスでの自社らしさの

追求といった,差別化戦略では共通性を示している。また,素材や原材料に関する豊富な知識を

蓄積し,そうした知識を活かした差別的な商品を提供するという原材料知識活用型の差別化戦略

でも共通性を見出せる。さらには,生産だけでなく販売などの領域も含めた広い意味での技術に

基づく競争力構築といった競争戦略思考でも,共通性を示している。

(7)

研 究 所 年 報 94

図 5  強みづくり

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4.05 3.05

3.92 3.47

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3.33 3.70

3.73

3.89 3.46

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しかし,自社製品の模倣困難性に対する自信では,日本企業のほうが高い数値を示している し,商品 ・ サービスでの知識共有でも同様に日本企業のほうが高い得点を示している。日本企業 のほうが,社内での知識共有をより積極的に推し進めていることで,組織力として個々の組織メ ンバーの小さな知識を積み上げることで,模倣困難性を強化しているものと推察できよう。

他方,米国は販売時に会社の歴史や商品の由来などを一緒に伝えることで,物語性を活かした 強みづくりに自信を持っている。経営方針でもブランド価値をより意識した事業運営を志向して いることから,こうしたマーケティング能力では,米国企業のほうが長けているのかもしれない。

2 )業務改善 ・ 企業変革

図 6  業務改善 ・ 企業変革

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3.47 4.00

3 61 3.97

4.01

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2.45

3.74

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1 2 3 4 5

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長期的に存続しているからこそ,時代の変化に合わせた変革を心掛けるし,自社の差別化の源

泉である商品 ・ サービスの質に拘り,品質を保つという基本的な姿勢には相違がなく,共通性が

見られる。しかも,変革にあたっては急激な変化を導入するのではなく,漸進的な,時間をかけ

ての変化導入を試みるという変革のマネジメントでの共通性も見出せる。

(8)

相違点については,日本企業は素材や原材料について変えてはいけないものを持っている し,生産や販売方法でも変えてはいけないものを持っている傾向が高い。つまり比較的川上のバ リューチェーンでの強みを活かして,守るべきものを明らかにしようとする傾向が強い。これに 対して米国企業は業績が良い時にも業務改革を進め,合理化に邁進する傾向があるが,顧客との 接点での質を守ろうとする傾向が強い。合理化への取組とマーケティング志向性は米国企業のほ うが高いと思われる。変えてはいけないものを相対的に多く持つようにみえる日本企業は,変え てはいけないものに対する拘りが相対的に低く,合理化志向が高い米国企業とは変革のマネジメ ントで微妙な相違を示しているものと考えうる。

この点と連動していると思われるが,変革に関しては,日本企業が経営者の世代交代の時期 に大きな変革を導入する傾向を高く示している。世代交代という大きな経営的なイベントを捉え,

改善ではなく変革を導入するという経営行動を取るのかもしれない。

4 .関わりのマネジメント

1 )顧客との関係づくり

図 7  顧客との関係づくり

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3 63

4.52 4.48 4.05

4.32 4.20

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3.35

4.09 4.13

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4.62 4.09

4.28 4.04 3.62

4.06

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3.47 4.35

1 2 3 4 5

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顧客との関係づくりでは,すべての項目で有意な相違が見出された。日本企業は接客以外の場 面でも顧客ニーズや市場情報を収集することに,相対的に積極的な姿勢を示している。同線性が 高い凝集性の強い文化的な文脈の中では,微妙な違いに注意を集中することが求められると考え られよう。これに対してその他の項目では米国企業のほうが積極的である。この点でも,マーケ ティング志向性が高い米国企業の特徴が出ているものと思われる。

自社の顧客層の把握,接客での対話,アフターサービスを通した長期的関係構築,消費の演

出,物語性の訴求,知識が豊富な顧客からの学習,迅速なクレーム対応,そして将来顧客の開拓

といった項目で,日本企業よりも高い得点を示している。

(9)

研 究 所 年 報 96

2 )仕入先との関係づくり

図 8  仕入先との関係づくり

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3.48 4.08

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3.52 3.89

1 2 3 4 5

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仕入先の経営理念や事業戦略といった仕入先理解に関しては,日米には大きな相違はなかった が,そのほかの項目に関しては有意な相違が現れている。

米国企業は仕入先が必要とするビジネス情報を提供するという情報提供では高い得点を示し ているが,その他の項目では日本企業が高い得点を示している。仕入先との生産・販売情報の共 有化,商品・サービス情報の共有化,さらには顧客や市場動向など市場情報をも共有化する程度 は,日本企業のほうが高いように思われる。日本企業のほうが,仕入先企業との協力関係づくり により積極的であるようにみえる。

5 .人づくりのマネジメント

図 9  従業員教育

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3 83

1 )従業員教育

従業員教育では,多くの点で共通性が見られる。継承技術の明確化,技術・ノウハウに基づく

配置・育成,歴史の伝承,個性や希望に配慮した育成,教育機会の提供といった点では相違は見

(10)

られなかった。

それに対して,OJT 志向,目標の提示,定着化努力については,米国企業のほうが高い得点 を示している。スキル獲得は本人が現場で自ら獲得すべきものであるという労働慣行が影響して いたり,労働者の定着率が低い国柄であったりすることが反映されているのかもしれない。いず れにしろ,現場従業員の教育に関しては,国ごとに異なる労働慣行や雇用事情をさらに分析する ことも不可欠であると思われる。

2 )後継者育成

図10 後継者育成

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3.94 3.68

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後継者に関しては,後継者が当該企業以外で経験を積むことを奨励したり,社外人脈の構築を 進めたり,守るべき伝統や経営方針を伝えるという点に関しては,日米に差は見られなかった。

米国企業は,後継者の選抜に関する原則を明確したり,全社的に後継者を育成する体制を整備 したりすることにより積極的である。組織的な支援体制づくりや原則の明確化は米国企業のほう が長けているのかもしれない。また,後継者が選抜された後には,現経営者は口を出さないとい う権限と責任の厳格化も米国企業の姿勢を表しているように思われる。

これに対して,日本企業は社内でのキャリア教育体制をより体系的に整備しているように思わ

れる。入社後は現場から仕事を覚えさせ,さらには計画的に多くの部署での仕事を経験させるこ

とは,日本企業のキャリア形成スタイルと合致しているように思われる。

(11)

研 究 所 年 報 98

6 .活縁のマネジメント

図11 業界・地域との関係

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3.17 3.48

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4.06

1 2 3 4 5

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活縁のマネジメントでは,大きな相違が見て取れる。社外のアドバイスを得るといったことに 関しては共通しているが,その他の点では,米国企業のほうが高い得点を示している。すなわち,

業界活動などの社外活動への積極的参加,異業種・異世代との人脈形成というビジネス上の関係 構築では米国企業のほうが積極的である。また,地域社会への貢献や地域価値を向上させる活働 への参加といったコミュニティ関連のイベントへの積極的参加も米国企業のほうが高い得点を示 している。米国社会のほうが,対外活動への積極的な参加が期待される程度が高いのかもしれな いし,そうした活動を積極的に担っているということが経営者により求められているという社会 的な背景もあるのかもしれない。

この点についても,さらに経営者の具体的な行動にまで踏み込んで調査研究する必要性がある のかもしれない。

結びに代えて

日本の老舗企業の理論的フレームワークに基づいて,米国の老舗企業を対象とした質問票調査

を実施した。そこから日米の相違点,共通点が明らかになってきたが,相違点に関しては,なぜ

そのような相違が生じているのか,両国での社会的・文化的な背景だけでなく,ビジネス慣行や

労働慣行の相違までも考慮した理論的な説明が求められる。そのためには,事例研究なども踏ま

えた,より詳細な研究が不可欠となると思われる。そうした研究は,今後の課題としたい。

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