• 検索結果がありません。

Effects of Timed Writing Activity on High School Students’ Writing Abilityand Motivation

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "Effects of Timed Writing Activity on High School Students’ Writing Abilityand Motivation"

Copied!
10
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

Timed Writing 活動がライティング力と意識に与える効果

笹島大地*・小林翔*

(2019 年 8 月 30 日受理)

Effects of Timed Writing Activity on High School Students’ Writing Ability and Motivation

Daichi SASAJIMA* and Sho KOBAYASHI**

(Accepted August 30, 2019)

はじめに

平成29年度に実施された英語力調査結果(文部科学省,2018)では,中学3年生と高校3年生 それぞれ6万人を対象に英語4技能の能力調査と英語学習に対する意識調査が実施された。国際基 準(CEFR)をもとに「読むこと」,「聞くこと」,「書くこと」,「話すこと」の技能別に能力測定が 行われた。その結果,中学3年生の46.8%が「書くこと」に関してCEFR A1上位以上の能力があ る一方で,無得点者が11.0%であった。これは,平成28年度に行われた調査結果に比べ,CEFR A1上位以上の割合が4.0ポイント減である。また,高校3年生の結果はCEFR A2以上の割合が 19.7%であり,無得点者は15.1%であった。平成27年度の調査と比較すると,ほとんど変化がな い結果である。

さらに同調査で行われた意識調査の中で,「英語の学習は好きですか」という問いに対する回答 と,「書くこと」の能力と「話すこと」の能力のそれぞれクロス集計の結果が示されている。「書く こと」の能力が低い生徒ほど「どちらかといえば,そう思わない」,「そう思わない」と回答する傾 向が見られた。この傾向は,中学3年生と高校3年生のどちらにも見られ,それらは「話すこと」

とのクロス集計よりも顕著である。これらの調査結果から,「書くこと」の能力と英語学習の好み には関係があることが示唆される。

これまでの研究では,Timed Writingの指導法実践が行われてきた。このTimed Writingはフリー ライティング,フリー・クイック・ライティング,クイック・ライティングとも呼ばれている(Tanner, 2016)。研究者によって研究手法がわずかに異なるものの,決められた時間内に英作文を書くとい う点で共通している。そこで,本研究では,Timed Writing2分間の準備時間を設け,分からな        

*茨 城 大 学 大 学 院 教 育 学 研 究 科( 〒310-8512 水 戸 市 文 京2-1-1; Graduate School of Education, Ibaraki University, Mito 310-8512 Japan).

**茨城大学教育学部英語教育教室(〒310-8512 水戸市文京2-1-1;Department of English, College of Education, Ibaraki University, Mito 310-8512 Japan).

(2)

い単語があった場合は日本語で置き換えても良いので,3分間で手を止めずにひたすら英文を書く ことと定義する。

吉田(2012)は,完璧な英文を産出することが目的ではなく,すでに学習した知識を表現する ことを目的としてTimed Writingを行っている。加えて,学習者はこのライティング指導法を受け て英作文を書くことがライティング力の向上に役立っていると感じることを報告している。指導 の効果として,英作文を書く練習をすることで,作文を書くことに対する抵抗感を減らし(村上,

2017;小林,2018),自信を持てるようになる(Hwang, 2010;村上,2017)ことが挙げられている。

さらに,Timed Writing活動を通して,学習者の流暢性の向上が報告されている(Hwang, 2010)。

これらの先行研究の多くは,大学生を対象にTimed Writing活動を1ヶ月に一度(村上,2017),

1週間に一度(吉田,2012)実践し,効果を検証している。しかし,高校生を対象とした先行研究 が少ないため,本研究では高校生を対象にTimed Writing活動の実践を行い検証する。

本研究では,より短い期間で集中的に行うことで,英作文を書くことに対する自信と英語学習の モチベーションを上げることができるかどうかを調査する。また,対象である学習者が,英語を学 習している初級・中級の段階である高校生であってもTimed Writing活動において流暢性を向上さ せる効果は得られるのかどうかを検証する。

研究方法

1 .目的

一週間に5回という短期集中型のTimed Writing活動を通して,高校生の英作文活動に対するモ チベーションの変化を検証する。また,英作文を書く際の流暢性についても効果を検証する。

仮説:1Timed Writing活動は生徒の英作文活動に対するモチベーションを上げる。

仮説:2Timed Writing活動は英作文における生徒の流暢性を向上させる。

2 .参加者

本調査における参加者は,私立高等学校の1年生1クラス計41名である。この参加者は,対象 である高等学校において学年の中で最も習熟度が高いクラスとなっており,難関国公立大学や難関 私立大学,医学部医学科を目指す生徒が多く,学習意欲・学力ともに高い。事前のアンケートにお いて英語に関する資格の有無を質問したところ,研究実践を行った6月の時点で英検準2級を持つ 生徒が15名,3級が18名,4級が3名,TOEIC Bridge Testscore120-130の生徒が1名,英 語技能試験を受けたことがない生徒が4名であった。今回の調査を行うにあたっては,実践前に調 査の内容や目的について説明し,個人情報を特定できないよう配慮し,任意で質問紙調査に協力し てもらうことを参加者に承諾してもらった。

3 .手順

授業の最初の10分間を使い,Timed Writing活動を計5回行った。英語コミュニケーションI1 回目の授業ではTimed Writingについての説明を生徒に対して行い,プレTimed Writing活動を実施

した。Timed Writingはトピックを提示した後,2分間メモ用紙に自由にメモを取らせた。この時間

(3)

は分からない単語を調べたり,ブレインストーミングをしたり生徒一人一人自由に使わせた。流暢 性を正確に測定するためにメモとして文を書くことはしないよう指示した。その後3分間で作文を 書かせた。この間は,できるだけ手を止めることなく書き続け,文法や単語の誤りは一切気にせず に文を書くよう指示した。最後に生徒自身が書いた文の総語数を数えさせ,記入してもらい,回収 した。2回目から4回目にかけて,計3回異なるトピックでのTimed Writing活動を行い,5回目に はポストTimed Writing活動をプレTimed Writingと同じトピックで行った。なお,今回の研究にお いては,誰かにチェックされるという心配が,作文を書くことを妨げてしまう可能性がある(Hyland

1998)ことから,フィードバックや誤り訂正を一切行わずに英作文を書く活動を行わせた。最後に,

活動に対する感想を質問紙に書かせた。

4 .データ収集方法

1)プレTimed Writing活動・ポストTimed Writing活動

Timed Writing活動がライティングの流暢性を向上させるのかを調べるために,1回目と5回目

のトピックを同じMy future job (dream)に設定し,語数の変化を比較した。実施したトピックは,

以下の通りである。

2)質問紙

英作文を書くことに対するモチベーションの変化を見るために,5回目の活動時に質問紙による 4段階の選択式質問と自由記述式質問を実施した。

5.分析方法

15回目のTimed Writing後に行った質問紙をもとに,それぞれの質問項目ごとに英作文を書く活

動に対して,Timed Writing活動を通してモチベーションが上がったかを分析する。また,自由 記述欄の感想についても考察する。

21回目の作文と5回目の作文の総語数をもとに,平均の総語数の変化を見る。加えて,対応の あるt検定で統計的有意差を見る。

1 トピック一覧

トピック

1回目(プレTimed Writing) My future job (dream)

2回目 About myself (self-introduction)

3回目 My hobby

4回目 My favorite / hate subject

5回目(ポストTimed Writing) My future job (dream)

(4)

結果と考察

1 .アンケート結果の考察

高校生の英作文に対するモチベーションに変化はあったのか,アンケート結果の報告をする。質 問項目:3「この活動はライティング能力の向上に役立つと思う」質問項目:6「書くことに対す るモチベーションが上がった」を以下にそれぞれ図1,図2として示す。結果は,41人中41人(100%

の生徒がTimed Writing活動はライティング能力向上に役立つと感じている。この結果は,学生が

フリー・クイック・ライティングはライティングの訓練に役立つと感じているという結果を示した 吉田(2012)の研究に類似した結果となった。

次に,英作文を書くモチベーションが上がったと感じた生徒は41人中31人(75.6%)にとどまっ た。人数にして10人の生徒がTimed Writing活動を通して自身のライティング力が上がると考えて いながらも,モチベーションが上がらないと考えていた。考えられる理由として,次の2点が挙げ られる。1点目は総語数の減少によるモチベーション低下である。この10人のうち3人がポスト Timed Writingでの総語数がプレTimed Writingに比べ減っていたため,英作文を書くことに対して ネガティブな印象を持った可能性が考えられる。2点目は3分間で英作文を書くという非常に限ら れた時間での活動であったことである。この活動ではアイディアをすぐに出すことが求められ,第 二言語で思いついたことを書かなければいけないという2つの障壁があったためだと推測される。

25人 16人

0人 0人

3.この活動はライティング能力の向上に役立つと思う

とてもそう思う そう思う あまり思わない まったく思わない

8人

23人 8人

2人

6.書くことに対するモチベーションが上がった

とてもそう思う そう思う あまり思わない まったく思わない

1 実践後の質問紙項目3に対する結果(N = 41)

2 実践後の質問紙項目6に対する結果(N = 41)

(5)

次に,質問項目1:「Timed Writing活動は楽しかった」の結果を図3に示す。結果として,41

33人(80.5%)の生徒から肯定的な回答が得られた。楽しかった理由として考えられるものと

して,活動の新鮮さが挙げられる。普段は間違わないように単語や文法を気にしながら英作文を書 くことが当たり前であった高校生にとっては,間違ってもいいからできるだけ早く意見を書くこと は新鮮であったのではないかと考える。自由記述の感想においても,「新鮮だった」,「間違っても いいからスラスラ書けた」,「テストのように完璧に書くわけじゃないから気持ちが楽であった」と いった回答が見られることからも読み取ることができる。また,トピックが高校生自身にとって身 近であることも楽しく感じた理由として考えられる。国際問題や社会問題など,自分が考えたこと のない物事について英語で書くことは言語の問題だけでなく知識の有無が関係する。誰もが考えた ことがある自分のことについてトピックを限定することで,書きやすく楽しさを感じたのではな いかと考えられる。村上(2017)は学ぶ喜びを知ることをフリーライティング指導の目的の1 としていた。本研究において,過半数以上の生徒が楽しみながら英作文を書くことができ,Timed

Writing活動を通して自分の意見を書くことのできる喜びを感じられたと考えられる。一方で,8

の生徒が楽しくなかったと回答した。楽しくなかった理由として,英作文に取り組むことの難し さを感じたことが考えられる。実際の質問結果は後述するが,多くの高校生が本活動に難しさを 感じていた。実際に楽しくなかったと回答した生徒のうち7人が,後の質問項目においてTimed

Writingは難しかったと回答していた。

次に,質問項目2Timed Writing活動は難しかった」の結果を図4に示す。41人中36人(87.8% の生徒が本活動を難しかったと回答した。ほとんどの生徒が難しいと考えている一方で,前に挙げ た質問において「楽しかった」と回答する生徒が33人いたことについて考察していく。まず,本 活動は難しかったかという質問に対して「そう思う」と答えた生徒18人にとっては,時間制限が 厳しく難しいと感じながらも取り組みがいのある活動であると感じたのではないかと考える。現在 生徒自身が持つレベルよりも少しレベルの高いタスクに取り組むことがより高い学習効果を生むと

いうi+1仮説(Krashen, 1985)に通ずるものがあると考えられる。また,「とてもそう思う」と回

答した18人の生徒にとっては,難しすぎる活動である可能性があるため,生徒のライティング活 動を支援する手立てが必要であると考える。

英作文に取り組む前にモデルとなる文章を見せ,考えを整理できるようなワークシートを準備す るなどの足場掛けが重要であることがこの結果から考えられる。

11人

22人 7人

1人

1.Timed Writingの活動は楽しかった

とてもそう思う そう思う あまり思わない まったく思わない

3 実践後の質問紙項目1に対する結果(N = 41)

(6)

次に,指導前後において英作文を書くことに対する自信に変化があったかを比較した。その結果 を以下の図5に示す。結果として,自信については大きな変化が見られなかった。しかし,Timed

Writing活動を行う前には全く自信がなかった生徒が5回の活動を経て10人から2人に減った。す

でに大きな自信を持っている生徒にはあまり違いは現れなかったが,ほとんど自信がない生徒に対 してはわずかながら影響する可能性があることは特筆すべき点である。

2 .自由記述から得られた感想の考察

自由記述式の感想においては,参加者41名のうち34名の回答を得られた。その中で,「間違う ことに対する不安感」,「よりよい英作文を書くためのストラテジー」,「英作文に対する印象」につ いての3つのカテゴリーに分けて,考察する。以下斜字で示したものは,生徒の感想を抜粋したも のである。まず,間違うことに対する不安感についての感想を取り上げる。

生徒A「文法があっているのかを確かめたいです。」

生徒B「…スペルや文法が間違っていないか気にしすぎてしまった。」

生徒C「どうしても間違いを気にしたり,日本語を入れることに抵抗があって活動の趣旨に合 うような自由な作文を書くのが難しかった。」

生徒D「間違いを気にすることがなくて書けるので気が楽だが,間違った文を書いているかも しれないので,少し怖いなと思うこともありました。」

18人

18人

5人 0人

2.Timed writingの活動は難しかった

とてもそう思う そう思う あまり思わない まったく思わない

2人

10人

19人

10人 2人

12人

25人

2人 とてもそう思う そう思う あまり思わない 全く思わない

英文を書くことに対する自信

活動前 活動後

4 実践後の質問項目2に対する結果(N = 41)

5 活動前と活動後における英作文を書くことに対する自信の変化(N = 41)

(7)

今回の研究では,手順で示した通り誤り訂正およびフィードバックをしなかったことに対して,

上に挙げた生徒は自身が書いた文が正しいのかどうかを気にしていた。今回の研究の参加者は,学 力があり,学習に取り組む意欲の高い高校生であったため,自分の書いた英文をチェックしてもら いたいと考えたり,より正確な文を書きたいという意欲があったりする生徒であったことも推測さ れる。このことから教育的示唆として,教師から生徒への誤り訂正やフィードバック,生徒間のピ アフィードバックによって不安を取り除く作用もあることが考えられる。次に,よりよい英作文を 書くためのストラテジーについての回答結果を取り上げる。

生徒E「頭の中できちんと構造を作れていれば,簡単にきれいな構造のものが作れた。きょく 力自分の分かる単語で置き換えられるようにした。」

生徒F「時間が決められていたので,長い単語を書くのではなく,同じ意味の短い単語で書い た方がよかったなと思う。」

生徒G「メモ用紙にあらかじめ,書くことを整理しておくことで,最初から英語を書くより簡 単に書けた。」

生徒H「文の構成や文どうしのつながりを考えてから書くとスムーズに書けた。」

生徒 I「単語を事前に調べるのではなく,何を書くかをメモ用紙に記入することで書きやすく なることが分かった。」

ストラテジーについては,パラフレーズと準備時間の使い方の2つについてさらに分類できる。

非常に限られた時間の中での作文活動であったため,難しい言い回しをせずに,自分の分かる易し い単語やフレーズ,文構造を使って自分の言いたいことを書き留めた生徒もいたことが分かった。

準備時間については,生徒にメモ用紙を渡しただけであり,どのように時間を使うかを指導しなかっ たため,辞書で分からない単語を調べたり,ブレインストーミングのように自分の言いたいことを おおまかにまとめたりする生徒がいた。Timed Writing活動を5回終えた後で,準備時間は単語を 調べるよりも,自分の考えを整理して文構成を考える時間に充てることの方が重要であると生徒は 感じたことが分かる。最初は辞書を使う生徒が多かったが,回数を重ねるにつれ,書く内容を考え る生徒が増えてきたことが観察から見て取れた。このことから,文を書く前に構成を練るといった 英作文指導を事前に伝える必要性が示唆される。最後に,英作文活動に対する印象についての回答 を取り上げる。

生徒 J「分からなかったら日本語でもいいというのが新鮮でした。まず,書くことを思い浮か べられないと,英語の能力がどうであろうと英作は難しいと感じました。」

生徒K「一回目に比べて総語数が上がった。普段から練習は無意味だと,Writingは諦めていた ので,この活動はとても参考になった。」

生徒 LWritingはさけていた部分があったけど,やってみようと思うようになった。」

生徒 M「もう少し,Timed-Writingをつづけていきたいです。そうすれば作文を書く力がもっと 上がると思います。」

 

(8)

これらの回答から,Timed Writing活動を通して英作文活動に対するイメージが変わった生徒が いたことが分かる。本研究は,英作文を書くことに対するモチベーションに影響があるかどうかを 調査することが目的の1つであったため,これらの自由記述回答は,Timed Writing活動の効果を 示すものであることが分かる。

3 .総語数から見た流暢性の考察

次に,流暢性についてはプレTimed WritingとポストTimed Writingの総語数の比較から向上させ る可能性があるといえる結果となった。表2で示した通り,プレTimed Writingにおいて生徒の書 いた英作文の総語数は,平均して50.6語であったが,ポストTimed Writingの総語数の平均は60.3 9.67語程度増加した。この結果が統計的に有意かを確かめるために,有意水準1%で片側検定の 対応のあるt検定を行ったところ,t (40) 5.87p < .01r = .68であり,ポストTimed Writingの平 均点とプレTimed Writingの平均点の間には有意差がみられた。効果量については大きい値となっ た。効果量の基準r = .10-.30.50---Cohen (1988)。この結果から,Timed Writing活動は英作 文の流暢性を向上させる可能性があるといえる。

次に,ポストTimed Writingにおいて,プレTimed Writingよりも語数が減った生徒,変わらなかっ た生徒,増えた生徒の人数を次の表3に示す。参加者41名のなかで32名(78.0%)の生徒の語数 が増えたことがわかった。一方で8名の生徒の語数が減少し,1名が語数変化なしとなった。語数 が減った原因について,これらの生徒の自由記述欄の感想を分析すると,「文法が不安である」,「書 いたものを振り返りたい(フィードバックが欲しい)」といった,正確に英作文が書けているかを 気にしている生徒が見られた。また,「作文を書く時に,上手に書かなければという気持ちがあった」

という回答があった。本研究において設定していた環境であるフィードバックや評価を与えず,間 違いは気にしなくて良い条件下であっても,それらを不安要素に感じる生徒もいることが考えられ る。これは,これまで受けてきた授業スタイルが正確性を重視したライティング活動を行ってきて いることがそのような意識に影響を与えているかもしれない。他には,「考えが全く思いつかない」

と回答した生徒もみられ,3分間という短く限られた時間で作文を書くことにプレッシャーを感じ たのではないかと推測できる。しかし,結果として,流暢性においては80%弱の生徒がおおむね 向上させることができた結果になったといえる。

2 プレTimed WritingとポストTimed Writingの総語数の比較(N = 41)

人数 最低 語数

最大 語数

平均 語数

標準

偏差 t 自由度 効果量r プレTimed Writing 41 27 80 50.60 13.10

ポストTimed Writing 41 35 96 60.27 14.45

5.87 40 .68

(9)

まとめ

本研究では,Timed Writing活動が高校生のライティングに与える影響について,モチベーショ ンの変化・流暢性をもとに検証をした。その結果,モチベーションの変化については1)楽しく英 作文活動に取り組めた2Timed Writing活動がライティングの能力向上に役立つと感じた3)モチ ベーションが上がった4)間違っても良いので不安なく意見を書くことができた5)英作文に全く 自信がなかったが少し自信を持つことができたなどの肯定的な変化があった。一方で,否定的な変

化としてTimed Writingを通して英作文に難しさを覚えたという意見や,英作文に対するモチベー

ションは高まったが自信はつかなかったなどの意見があった。

また,英作文の流暢性を見るために,1回目と5回目における英作文の総語数の分析をした。語 数の平均については,1回目が50.60語に対して5回目が60.27語と9.67語増えた。Timed Writing 活動は生徒の英語ライティングに対するモチベーションと流暢性の向上に役立つ可能性があるとい える。このTimed Writing活動は,生徒の英作文活動に対するモチベーションの維持や向上に大い に作用し,楽しみながら英作文を書くことができる点で効果的だと考える。

本研究の限界点は,時間とサンプル数とトピックが与える影響である。本研究は,第一執筆者 が教育実習期間に行った調査であったため,先行研究のように時間を確保出来なかった。つまり,

正課の授業を進行するために,3分間でのTimed Writing活動になってしまったことである。当初は,

2分間準備し,3分間書かせ5分間で完結する活動は現場実践では妥当であると考えていた。しか し,多くの生徒から時間が短すぎるという感想を受けたことや,誰かに見てもらいたいという意見 から,自分の意見をまとめるためには最低でも10分程度の時間が必要であったのではないかと考 える。サンプル数についても,1クラスのみでの実践であったため,サンプル数を増やし,分析す る必要もある。なお,本研究は1つの学校の限られた人数の生徒を調査対象としており,実践の成 果を過度に一般化することはできない。また,期間についても1週間のみの調査であった。モチベー ションと流暢性の変容を深く調査するためには,より長期的な研究を行う必要がある。長期的な研 究の必要性は,プレTimed WritingとポストTimed Writingのトピックが全く同じであったため,総 語数の伸びが繰り返し効果の影響を受けている可能性が否定できないことからもいえる。

今後は,充分な時間を与えた上で書かせた場合において,モチベーションの変化と総語数の伸び はどのような結果になるのか調査したい。また,今回はライティング力の中でも流暢性のみを調査 したが,今後の研究では文の正確性や複雑性,作文内容についても調査を行い,より質的な分析が 必要であると考える。

3 プレTimed Writingと比較してポストTimed Writingの総語数が変化した生徒数(N = 41)

減った 変化なし 増えた

総語数 8 1 32

(19.5%) (2.44%) (78.0%)

(10)

引用文献

Cohen, J. 1988. Statistical power analysis for the behavioral sciences (2nd ed). Hillsdale, NJ: Lawrence Erlbaum.

Hwang, J. 2010. A case study of the influence of freewriting on writing fluency and confidence of EFL college-level students. Second language Studies, 28(2), 97-134.

Hyland, F. 1998. The impact of teacher written feedback on individual writers. Journal of Second Language Writing, 4,

51-70.

小林翔.2018.『高校英語のアクティブ・ラーニング 生徒のやる気を引き出すモチベーション・マネジメン 50』(明治図書).

Krashen, S.D. 1985. The Input Hypothesis: Issues and Implications. New York: Longman 文部科学省.2018.『平成29年度 英語力調査結果(中学3年生)の概要』

http://www.mext.go.jp/a_menu/kokusai/gaikokugo/__icsFiles/afieldfile/2018/04/06/1403470_02_1.pdf (2019 816日閲覧).

文部科学省.2018.『平成29年度 英語力調査結果(高校3年生)の概要』

http://www.mext.go.jp/a_menu/kokusai/gaikokugo/__icsFiles/afieldfile/2018/04/00/1403470_03_1.pdf(2019 816日閲覧).

村上佳寿子.2017.「習熟度別クラスにおける英文「フリーライティング」指導の試み」北海道武蔵女子短期 大学『北海道武蔵女子短期大学紀要』49, 1-28

Tanner, P. 2016. "Freewriting: Don't Think Twice, It's All Write". The Language Teacher, 40(3), 9-12. http://jalt- publications.org/sites/default/files/pdf/the_language_teacher/40.3_tlt.pdf(2019816日閲覧).

吉田三紀.2012.「リメディアル教育におけるライティング実践法(“Free Quick Writing”の有効性の検証)」『リ メディアル教育研究』7(2),254-264.

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jade/7/2/7_KJ00008583630/_pdf/-char/en(2019816日閲覧).

表 2 プレTimed WritingとポストTimed Writingの総語数の比較(N = 41)
表 3 プレTimed Writingと比較してポストTimed Writingの総語数が変化した生徒数(N = 41)

参照

関連したドキュメント

従って、こ こでは「嬉 しい」と「 楽しい」の 間にも差が あると考え られる。こ のような差 は語を区別 するために 決しておざ

この 文書 はコンピューターによって 英語 から 自動的 に 翻訳 されているため、 言語 が 不明瞭 になる 可能性 があります。.. このドキュメントは、 元 のドキュメントに 比 べて

前章 / 節からの流れで、計算可能な関数のもつ性質を抽象的に捉えることから始めよう。話を 単純にするために、以下では次のような型のプログラム を考える。 は部分関数 (

この数字は 2021 年末と比較すると約 40%の減少となっています。しかしひと月当たりの攻撃 件数を見てみると、 2022 年 1 月は 149 件であったのが 2022 年 3

これはつまり十進法ではなく、一進法を用いて自然数を表記するということである。とは いえ数が大きくなると見にくくなるので、.. 0, 1,

つの表が報告されているが︑その表題を示すと次のとおりである︒ 森秀雄 ︵北海道大学 ・当時︶によって発表されている ︒そこでは ︑五

共通点が多い 2 。そのようなことを考えあわせ ると、リードの因果論は結局、・ヒュームの因果

結果は表 2