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である。教育の 目的が 「 子 どもの育ち」や 「 学 び

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(1)

は じめに

( 1 ) 子 どもの学びを連続的に捉える 一助小連携や小中連携の基本的な考え方‑

「 連携」 とは、「 同 じ目的を持つ者が互いに 連絡 をとり、協力 し合って物事を行 うこと

である。教育の 目的が 「 子 どもの育ち」や 「 学 び

を促進 し、子 ども達の成長 を支援す るこ とであるとした ら、幼児教育に関わる者、小 学校教育に関わる者、中学校教育に関わる者 が 「 連携

を取 り合 うことは理の当然である。

もちろん、子 どもをめぐる連携は、この 3 種 類のみに限定 されるはずはなく、「 高等学校や 大学 との連携」、 「 家庭 との連携」、「 地域 との 連携」も理論的には問われ るべき問題である。

しか し、′ ト論にあたえられた課題は、さし あたって 「 幼 ・小 ・中の連携

についてであ る。 「 生涯学習」の発想 も視野に入れつつ、こ こでは、 この 3 種類の教育に限定 して論 じて いきたい。私たちは、子 どもとい うものを 「 連 続的に

学び、育ち、成長する者であるとし て捉えることが重要である。「 自分の目の前に いる子 どもの今の姿」のみにとらわれて、「 こ れまで」 と 「 これか ら」を忘れがちになる教 育活動の 日常を、私たちは自覚的に見直さな 才ナればな らない。

( 2) 学びの l n・About・For

「 I n・About・For 」 は、もともと、「 環境教 育」の分野で用い られている言葉だそ うであ る。い くつかの小学校での研修 において、私 は、この言葉を生活科 と総合的な学習におけ る 「 子 どもの学びの連続性」を語 る言葉 とし て提案 した。すなわち、低学年 ・中学年 ・高 学年 「 それぞれの時期において相対的に最も 大切に しなければならない課題」を示 したっ も りである1 ) 。この提案は、 生活科 と総合的な 学習に串ける 「 単元構成の視点」あるいは 「 評 価の観点」とい う意味合いを込めて、次のペー ジの図 1 のように示す ことができる。考える 前提 として私は、「 生活科のキーワー ド‑没頭、

総合的な学習のキーワー ド‑追究」 と捉えて いる。

一方、この図で言わん とす ることは、幼児 教育か ら中学校まで広げて考えることも十分 可能である。すなわち、幼児期においては活 動や遊びに 「 没頭」す ることがもっと重視さ れればよい し、例 えば中学校の 「 総合」では、

「 学ぶ意味‑何のために自分はこれを学んでい るのか

がより強 く意識 されるような学習が 展開されればよいわけである。

[ 司

(2)

( 図 1 :学びの ln ・A bout・Fo r) F or (〜のために)①誰 のために ( 他者意識 )

一㌧ 一一一㌧ 一一一一㌧ 一 一準究の第二段階

②何 のために (自己の生 き方)

一 一 一 ㌧ Abo :, t = ・ 震 J 完 : : ' ・知 る 一一㌧ 一一

一 一 一

( 知的好奇心 ・学 び方 ) ln ( 〜の中へ) 一

没頭する ・浸る

(自己中心性 ・直接経験 )

追究の第一段階

i

: コi : : Iー̲ ̲‑‑‑ー‑‑̲ ̲‑. . . . ̲‑. ̲ ̲‑

1

幼児教育と小学校の連携 日) 幼保一小連携の実態

一幼 ・保 ・小教員の意識のズ レー

平成 1 2 ( 2 0 0 0) 年夏、上越市内の幼稚園 ・ 保育所および小学校の全教 貞 ( 6 7 8 名)に対 し てアンケー ト調査が行われた

2)

。 幼小連携に関 する意識 と実態 を知 るためである。調査項 目 は、 9 つの分野に関する計 5 6 項 目である。そ の内容は、( ∋幼児教育の内容に関す るもの、

②幼保一小連携についての意識に関するもの、

③連携の実態に関するもの、に分類できる。

非常に興味深い結果が現れている。 幼 ・保 ・ 小教員が期待す る 「 子 ども像

がそれぞれ微 妙に異なっているのである。例 えば、幼稚園 教員が最 も大切に したい と考えていたものは

「 子 どもの主体性」であった。具体的には 「 遊 びや活動で リーダーシップが とれ る」 といっ た内容である。保育所教員の場合、 「 主体性」

を前提 としなが らも 「 礼儀正 しさ」 といった

「 しつけ」面をよ り強 く意識 していた。ところ が、小学校教員は、新入児童に対 して 「 主体 性

や 「 上手な 自己主張

「 積極性」などは求 めず、 「 従順 さ

と 「 行き届いた しつけ」を期 待 していた。とにか く、「 人の話をちゃんと聞 いて欲 しい」とい うわけである。このように、

幼 ・保 ・小の教員間で 「 求める子 ども像

が 最初か ら違っていることが浮き彫 りにされた。

・ ⇒ 学年

これが、教員間の 「 意識のズ レ

である。 こ の結果か ら、幼児教育教員が卒園幼児に対 し て 「 肯定的」な評価を下 しているのに対 して、

小学校教員は新入児童に対 して 「 消極的 ( あ えて否定的とは言 うまい ) 」な評価にとどまっ ていることが分かる。 小学校教師は、「 教育は 小学校 1 年生か ら始まる」 と勘違い している ようである。新入児童を 「 単に幼稚な子 ども

に して しまっているのではないか。そこでは、

子 どもの 「 生育歴」や 「 学びの履歴」 とい う 発想が抜け落ちている。

また、個々の教員の意識に最 も強い影響 を 与えているものは 「 所属機関の教育 ・保育方 針

である、 とい う結果 も出た。園 ・施設 ・ 学校をあずかる管理職の 「 幼保‑′ ト連携

に 関する見識が問われている。

( 2 ) 幼保一小連携の必要性

1 5 年前に上越教育大学幼児教育講座が 「 幼

′ J 、 連携」に関す る調査を行っている。その と き、連携の必要を認めていない小学校教員は 約 2 9% に上っていた。それに対 して今回の結 果は、あま り必要を認めないを含めても 7%

強であった。一方、必要を認める小学校教員 が 1 5 年前は 6 3 % であったのに対 し、 今回は 8 3 %

であった。 しか しなが ら、実態 として十分な 連携が行われているか、 とい う問いに対 して は 2 0% 弱の者 しか 「 そ う思 う

と答えていな

匝]

(3)

い。「 必要」についてはようや く認知 されたも のの、実態はその意識に追いづいていないこ とが分かる。 さらに言 えば、本当に小学校教 員は 「 連携の必要

を理解 しているのであろ うか。 「 あれば望ましい」とい う程度、あるい は 「 これまでも、な しでやって来れたではな いか」 とい う意識のままなのではないか。

私は、次の 3 点において幼保‑小の連携は必 要である、 と考えている。

① 「 発達の連続性に基づ く子 ども理解」から の必要 :先程述べた 「 生育歴」や 「 学びの履 歴

を含んだ子 ども理解の必要がある。例 え ば、小学校では、子 どもたちは言葉による自 己表現の機会が増えるわけだが、それは国語 の学習が始まったか らできるのではない。幼 稚園 ・保育所での 「 先行経験」があってのこ とである。子 どもの先行経験を知ることで、

教師の子 ども理解はグレー ドアップす る。

② 「 子 どもの学び方 ( 学習様式)の発達への 理解」の必要 :幼児は、身近で具体的なもの について体全体を使って学び、課題はほとん ど自分の興味 ・関心から出てきたものである。

幼児期の学び方を基礎 にしなが ら、少 しずつ 抽象的な思考力や課題を受けとめる力が芽生 えてくるのが低学年である。抽象的な思考力 が発達 し、子 どもの外にある社会的な課題‑

の知的好奇心がわいて くるのが小学校中学年 である。 さらには、高学年になれば、論理的 な思考力や社会的な課題に対す る解決力が付 いて くる。 このような子 どもの学び方の発達 をわきまえた上で、教師は学習を組んでい く 必要がある。

③ 「 学校生活への適応」からの必要 :遊び中 心の幼児教育か ら教科学習中心の小学校教育

‑の移行は、子 どもにとっては期待 と不安の 入 り交 じった微妙なものであろ う。小学校教

員は、子 どもの 「 不安」部分を軽減する意味 で、先行経験 としての幼児の園生活の実態を 知る必要がある。 さらには、幼児教育の教員 と子 どもとの関わ り方 を理解す ることで、入 学当初の指導を考えることが肝要である。そ うす ることで、新入児童の学校‑のスムーズ な適応が実現できるのである。

( 3) 今す ぐ行いたいこと‑い くつかの提案 今回のアンケー ト結果 をふまえ、今す ぐに でもすべての幼稚園 ・保育所 ・小学校で 「 連 携

のためにやってほ しいことを提案する。

( 丑校務 ( 職務)分掌‑ 「 連携担当

をはっき りと位置づける ( 特に幼児教育の側で) 。②小 学校においては全校研修の中‑ 「 保育参観

を取 り入れる。③特に低学年では、保育参観 と授業参観 を年複数回開催す る ( 年度末たっ た

1

回の情報交換会にとどめないでほしい) 。

④生活科 を 「 幼′ ト連携 を強 く意識 した教科」

として捉 え直す。⑤生活科の 「 人 とのかかわ り」に関す る単元の中に幼稚園 ・保育所との

「 交流」を取 り入れ る。ここで断っておくが、

私は、 入学前後の連携 さえ取れればいいと思っ てはいない。幼児教育の教師 と小学校の教師 がそれぞれの教育の独 自性を理解 し合い、認 め合 うことが真の意味の幼/ ト連携である。

複数回の相互参観や生活科での 「 交流教育 」

は既に実施 しているところも見 られる。そこ では、子 ども同士のみな らず、教師同士の相 互交流 ・相互理解がスター トしている。

( 4) 幼児教育から小学校低学年 を見通 した教 育課程

ここで、幼児教育最後の

3

年間 と小学校教 育最初の 2年間、計 5年間の見通 しをもった カ リキュラムの枠組みを提案 したい。このと き大切なことは、小学校の教科教育中心の論 理を低年齢化 させ るのではな く、幼児教育の

正司

(4)

「 総合的な学び

を小学校教育 にまで発展 さ せる、とい う発想 で ある。先 に述べ た よ うに、

卒園 ・入学前後 の滑 らかな移行 のみが 「 幼小 連携」 のす べ てではない。 しか しなが ら、実 際にカ リキュ ラム を作 る とな る と、子 どもの 発達 の実態 な どか ら、 と りあえず この 5 年 間 の見通 しをつ けるこ とか ら始 めるのが現実的 なよ うに思 う。

『 幼稚 園教育 要領 』の 「 領 域」をベー スに し た次の よ うなカ リキュラム ( 表 1 ) を構想 し たい。そ の際、長 野県伊那市立伊那小学校 の 低学年カ リキュラム

3)

や上越 教育大学附属小 学校の 「 総合単元活動

中心 の年 間計画 4) な

どが大い に参考 にな るだ ろ う。

( 表

1

カ リキュラムの枠組み案)

領 域 月 4

と ば

数 量

自 然

人 とのかかわ り

健 康

表 現

2 小学校 と中学校の連携 一事例か ら学ぶ 一

小 中連携 につ いては、私 も特別深い造詣 を 持ち合わせ てい るわ けではない。 しか しなが ら、′ ト中連携 で研究 開発 を進 めてい る学校 と 小中併設校 の資料 を入手す るこ とがで きた。

十分な考察 を加 えるまでにはいた らないが、

それ らの事例 を紹介す るこ とで小論での私 の 責任 を果 た したい。

旧 福岡教育大学附属小倉小 ・中学校 の場合 福 岡教育大学附属小倉′ ト 中学校 は、平成

11

年度か ら

13

年度 まで文部省研究 開発校 の指 定 を受 け、小学校 ・中学校

9

カ年 を見す えた、

一貫性 のある教育課程 の開発 に取 り組 んでい る。平成 1 1 年度の研究報 告 5) によれ ば、 「 従来 の教育課程 は思考の発達、 自我 の発達 な どに 基づ き、小学校低学年、 中学年、高学年、 中 学校 とい う区分で主に編成 していた」。しか し、

現在 の子 どもを取 り巻 く生活環境 の著 しい変 化 によ り、 「 子 どもの知 的な面、心理 的な面 で の発達 の早熟化 が進 んでい る反面、社会性 の 未発達 とい う傾 向」 が見 られ、従来 の枠 では 対応 しきれ な く・ なってい る。特 に中学校段 階 は青年期前期 と考 え られ ていたが、小学校 の 高学年段階か らその特徴が見 られ るよ うになっ ている。そ こで、 「 中学校段 階を小 6 か らとし、

小学校 中学年 ・高学年 の区分 を見直 し、社会 性 の未発達 に対応 で きるよ うに」 した。そ し て、中 1 と中 2・3 を新 たに区分 し、青年前 期 をきめ細か く対応 できるよ うに した。次ペー ジの<表

2

学びの変容 とめざす姿 >は、教 育課程 での学習 内容 の検討、 内容 の構成 ・配 列 の基準 として、小 ・中

9

カ年 の学び の発達 段 階 とそれ に応 じた、各期 のめ ざす姿 (目標) である。

( 2 ) 小 中併設校 の場合

ち 上 う かい

ここに、 山形県 山辺町立鳥海小学校 の資料 がある

6)

。この学校 は、小 中併設 の小規模校 で ある。次ペー ジの ( 表 3 ′ J 、 中連携 に よる学 習 ・生徒指導 の充実) には、小 中連携 におい て行われなければな らない事柄を考 える次ペー ジでの ヒン トがた くさん書かれ てあ る。

おわ りに

幼/ ト連携お よび小 中連携 について、績 々述 べ てきた。小論 を読んでいただ けば分か るよ うに、幼小連携 の動 きはかな り具体 的 にな っ

旺l

(5)

( 表

2

学びの変容 とめざす姿 ( 附属小倉小 ・中))

期 現行学年 学びの変蓉 め ざ す 姿

期 ′ ′ ト1 ト2 学びの 模倣期 して学んだ り、先生 と 本的な概念 を形成 し、学び方 を習得す るとともに、 自分のよ 先生や友だちを真似 自分 と 「 身の回 りのもの .こと」 とのかかわ りの中で、基 一緒に学んだ りす る。 さに気づ く○

期 ′ ′ ト3

ト4

学びの 自立期 ことに意欲 を示す. 自分たちの力で学ぶ 的な原理∴原則を理解するとともに、 自分 らしさや協同学び 既有の知識 .経験や学び方 を使い、問題解決 を図 り、基本

小 5 のよさを自覚する○

期 ′ 中 1

ト6

学びの 発展期 なる. 学びが広が り豊かに な した りして、主体的に問題 を解決 し、学習内容の理解 を深 既有の知識 .経験 をもとに した り、学 び方 を適切に使いこ めるとともに、 自分 らしさを伸ばす.

中 2 学びの 学びが深 まる. は何か、意義を考え、 自分に とって学び と 自ら課題を設定 し、 自分 らしい学び方 を生か し、主体的に

なか

( 表 3 小中連携による学習 ・生徒指導の充実 ( 鳥海小 ・中中)) 1 ′ J 、 中合同の会議 ①職員会議 ( 毎月) ・情報交換

・行事等についての打合わせや検討

・′ ト・中部会の反省 を出 し合 う

②子 どもを語る会 ( 学期毎)

・担任が一人ひ とりの児童生徒の様子について報告

2

学習指導での協力 ①教科部会

・中学教科担任 と′ ト学校担任 ・教務で教科指導の検

②′ ト中岡‑テーマによる校内研究 と合同の授業研究会

③交換授業の実施

④′ ト中合同の教科別年間指導計画の作成

3

児童 ・生徒の交流の場の設定

①学校行事 ( 入学式、卒業式、運動会、壮行式等)

②勤労生産活動 ・奉仕活動 ( 米作 り、 クリー ン作戦)

児童生徒の共通 理解

学校行事や生徒 指導の連携 小中を見通 した 学習指導 学習内容や方法 の学び合い 小中教師の専用 技術の活用

・異年齢間の人間関係の育成

・リーダー体験

て きたが、小 中連携 は全国的にもまだ緒 につ いたばか りと言 って よい。いずれ に して も、

子 どもの学び を連続 的に捉 え、育 ちをよ り滑 らかにす るための努力 はまだ まだ不足 してい る と言わ ざるを得 ない。

1)詳細 は、新潟大学教育人間科学部附属新 潟小学校研究機関誌 『 授業 の研究 (F ・

NET)

148

』(200

1

.2)p.34

参照。

2)

斉藤 賢一 『 幼保 一小連携 に関す る研究』

( 平成

12

年度上越教育大学修士論文)に詳 細 な結果 とその分析 が記 されてい る。

3)伊那市立伊那小学校 『 研究紀要 内か ら そだっ

』(200

1

.2)p.23

,p.

36

[ 団

4) 上越教育大学学校教育学部 附属小学校

『2000

年間カ リキュラム表

』(2000.4)

5) 福 岡教育大学附属 ′ ト倉小学校 『 豊かな学

び をひ らく教育課程 の創造‑ 「 学び方」

を 中核 にす えて‑

』(2000.2.18)p.

10‑23

6)山形県 山辺 町立鳥海小学校 池野 仁『 ′ 小 規模校 の特色 を生 か した教育課程 の編成

と実践

』(1996.10)

参照

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