アルク英語教育実態レポート
Vol.9
[2017 年4月]
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日本の高校生の英語スピーキング能力実態調査 Ⅱ
-調査2年目にスピーキング能力が向上した学校の特徴とその背景-
はじめに
株式会社アルクは1969 年の創業以来、月刊誌『ENGLISH JOURNAL』、通信講座「1000 時間ヒ アリングマラソン」、書籍「キクタン」シリーズなど、さまざまな英語学習教材を開発してきました。 近年は「英語スピーキング能力測定試験TSST(Telephone Standard Speaking Test)」、「英語学習ア ドバイザー資格認定制度ESAC(English Study Advisors’ Certificate)」を独自に開発し、学習成果の 検証や継続的学習支援のサービスも提供するようになりました。 私たちは、語学学習者に成果をもたらす有益な方法を常に追求したいと考えています。そのために アルク教育総合研究所を設立しました。「アルク教育総研」は、学習行動が成果に結びつきやすくなる ことを目指し、教材・学習法の研究、学習者個人・企業・教育機関のニーズ調査等を随時行い、その 結果を公表しています。 2020 年、高等学校の英語教育を取り巻く環境が大きく変化します。2020 年度から全面実施予定の 新学習指導要領では、英語は従来の「4技能」(「聞くこと」「話すこと」「読むこと」「書くこと」)か ら「話すこと」が細分化され、「聞くこと」「読むこと」「話すこと(やりとり:interaction)」「話すこ と(発表:production)」「書くこと」の「5つの領域」ごとに学習目標が設定されることとなる見込 みです。また、2020 年度から導入される「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」では、「聞く」「読 む」に加えて、「話す」「書く」能力も評価されます。こうした変化を受けて、ここ数年で、高校段階 においての「スピーキング能力」育成への関心と重要性がより一層高まっていくと見られます。しか し、その高校生の「スピーキング能力の実態」に関わるデータはまだ少ないのが実情です。 そこでアルク教育総研は、2015 年度から 2017 年度までの3年間、日本の高校生の英語スピーキン グ能力の実態およびその背景について、スピーキングテストTSST を使用した調査を実施し、高校生 のスピーキング能力がどのように変化していくのか、3年間の追跡調査により明らかにしたいと考え ています。ここに、調査2年目の結果をレポートします。英語教育関係各位の参考になれば幸いです。
◆本レポートの概要◆
■高校1年次からのスピーキング能力の変化 1. 調査協力校3校のうち、公立 B 高校で、高校1年次からのスピーキング能力の伸びが著しい 3年間追跡調査における2年目の結果(スピーキングテストTSST=Telephone Standard Speaking Test で測定)は、調査協力校3校のうち公立 B 高校で、2015 年度に実施した高校1年 次の調査からTSST レベルが1以上上がった生徒が 41.9%。他の2校(私立 A 高校:21.9%、公 立C 高校:18.8%)に比べて 20 ポイント以上高く、スピーキング力の伸びが著しい。 ■スピーキング能力の伸びが大きい公立B 高校の特徴 2. 授業と自宅学習で、スピーキング力向上に役立つ学習を幅広く行っている スピーキング力の向上には、「知識の習得や定着を目的とする活動」と、「英文を作って発信する ことを目的とする活動」の両方の実践が必要だが、公立B 高校では、授業や自宅などで、こうし た活動を幅広く実践しており、これがスピーキング力向上につながっていると見られる。 3. 授業中に英語を声に出す時間、自宅で英語を学習する時間が共に長い 公立B 高校では、授業の 50%以上で英語を声に出す生徒や、自宅などで1人で、週に3時間以上 学習する生徒が多く、これがスピーキング力向上に寄与していると見られる。 4. 授業中、教師の英語での発話割合が高い。また、複数の生徒が同時に英語を声に出す活動を多く 行っている B 高校では、授業中に、教師が英語で話す機会を多く設けることで生徒が英語を話しやすい環境 を作り、かつ、複数の生徒が同時に英語を声に出す活動を多く実践させることで、一人ひとりの 生徒が英語を声に出す時間を確保しやすくなっている。このことが、「生徒が授業中に英語を声に 出す時間が長い」ことにつながっていると見られる。 5. 自宅学習に関する教師の指示と、生徒の学習内容にギャップが少ない 教師が宿題として課している自宅学習の指示と、生徒が自宅などで1人で学習している内容を比 べると、B 高校ではそのギャップが少ない。B 高校では、複数の教師が自宅学習における一貫し た指示を行い、生徒がそれを実行していることが、自宅学習の内容を幅広いものにしていると見 られる。◆目次◆
はじめに p. 1 本レポートの概要 p. 2 1 調査概要 1.1 目的 p. 5 1.2 方法 p. 5 1.3 対象、実施時期 p. 5 1.4 アンケート調査項目 p. 6 2 TSST について 2.1 TSST の概要 p. 7 2.2 TSST の評価方法 p. 7 2.3 TSST のレベル p. 8 2.4 高校段階で目標とする英語スピーキング能力 p. 8 3 調査協力校の高校2年生の英語スピーキング能力 3.1 調査協力校の高校2年生の英語スピーキング能力の分布 p. 9 3.2 高校 1 年次からのレベル推移 p. 10 4 スピーキング能力が大きく向上した学校の特徴 4.1 特徴1:授業中、英語を声に出す時間が長い p.11 4.2 特徴2:授業中、幅広い活動で英語を声に出している p.11 4.3 特徴3:自宅などで、1人で学習する時間が長い p.13 4.4 特徴4:自宅などで、幅広く学習している p.13 5 公立B 高校の特徴の背景 5.1 授業中、英語を声に出す割合が高い理由① p.15 5.2 授業中、英語を声に出す割合が高い理由② p.16 5.3 自宅での学習内容が幅広い理由 p.17 6 スピーキング能力を向上させる学習改善のヒント p.20 まとめ p.21■付録■ アンケート設問・集計結果 (1)高校生アンケート 設問 p.22 (2)英語教師アンケート 設問 p.25 (3)高校生アンケート 学校別集計結果 p.28 (4)英語教師アンケート 学校別集計結果 p.34 ■参考■ TSST の評価基準と9つのレベル p.41 << 謝辞 >> 本調査は企画段階から金谷憲・東京学芸大学名誉教授の助言をいただきました。調査協力校の選定に 当たっては、根岸雅史・東京外国語大学大学院教授、長沼君主・東海大学准教授にお力添えいただき ました。調査結果の集計・分析では阿部真理子・中央大学教授、印南洋・中央大学准教授から貴重な ご意見をいただきました。ここに記して感謝いたします。
1 調査概要
1.1 目的
1. 日本の高校生の英語スピーキング能力について調査し、実態を明らかにする。 2. 日本の高校生の英語スピーキング能力の背景となる学校の内と外での英語学習実態を3年間追跡 調査・分析し、高校の教育現場が授業方法や評価方法を検討する際の参考情報を提供する。 3. 調査データは個々の協力者からの了承の下、個人情報を伏せた形で大学の研究者と共有し、今後 の研究に生かす。1.2 方法
1. 協力を依頼した高校3校の生徒の、2015 年度の高校1年生(2016 年度は高校2年生に進級)に、 TSST(Telephone Standard Speaking Test)を受験してもらい、その結果をまとめ、分析する。 2. TSST を受験した高校生には、英語学習や授業に関するアンケートにも回答してもらい、その回答結果をまとめ、分析する。
3. 協力を依頼した高校3校の英語教師にも、TSST(Telephone Standard Speaking Test)の受験お よび、英語の授業に関するアンケートへの回答を依頼し、その結果を上記1.2.と併せて分析する。 ※TSST 受験の呼びかけ、アンケートの実施はすべて各学校の英語教師の協力のもとに行う。 ※高校生、教師いずれも、アンケートは質問紙を各学校の担当英語教員を通じて配布、回収する。 4. TSST およびアンケートは年1回、3年間実施し、経年変化を調査する。 5. 調査結果は大学の研究者と共有し、専門的見地からの分析を加え、公開する。
1.3 対象、実施時期
2016 年度調査は 2015 年度からの追跡調査のため、2015 年度と同じ高校3校(本レポートでは「私 立A 高校」、「公立 B 高校」、「公立 C 高校」と記載)の協力を得た。2016 年度は、原則として、2015 年度に調査協力した高校1年生全員と各校の英語教員を対象に追跡調査を実施した(実際には諸事情 により、各校数名ずつ、生徒の入れ替わりがあった。英語教員も、すべての学校で入れ替わりがあっ た)。個々の協力者からは、個人情報を伏せた形で調査結果を分析・公表の対象とすることの承諾書を 得ている。 さまざまな面で特色の異なる3校に協力を仰ぐことで、大きな偏りなく、日本の高校生の実態に近 い姿をあぶり出すことを目指した。協力校のプロフィールおよび2016 年度調査の対象者数、実施時期 等は次ページの通り。学校名 運営 実施 時期 対象 者数 TSST 受験者数 協力 同意者数 学校の特徴 A 高校 私立 9 月~10 月 103 人 ※1 98 人 80 人 ・入学時の偏差値は58 ※2 ・クラブ活動や学校行事が盛ん ・卒業生のおよそ90%が系列大学に進学 B 高校 公立 8 月~9 月 132 人 131 人 130 人 ・入学時の偏差値は60 ・英語教育や異文化理解に重点を置く専門学科あり ・卒業生のほとんどが国公立大学等4年制大学に進学 C 高校 公立 10~11 月 91 人 90 人 87 人 ・入学時の偏差値は49 ・工業系の専門学科あり(調査対象は普通科のみ) ・主に工業系の卒業生の30%が技術職等で就職 ※1 A 高校では、TSST 受験、アンケートの対象は希望者のみ。B 高校では原則として高校2年生全員が、C 高 校では高校2年生の普通科生徒全員が対象 ※2 各校の偏差値は調査開始時点の 2015 年度に、インターネットから得られる複数の情報から、当研究所が独 自に判断したもの
1.4 アンケート調査項目
高校生と英語教師、それぞれに関するアンケート項目は下記の通り。実際の設問、回答選択肢等の 詳細は、p.22 以降に掲載した。 <高校生> ■授業中の英語使用(英語を声に出す時間/内容) ■自宅などで、1 人で行う英語学習 (学習時間/内容) ■授業以外で英語を教わる機会(機会の有無/教わる時間) ■英語学習に関する意識(大切だと思う学習/その理由) ■英語に対する考え ■英語学習履歴(学習し始めた時期/中学生の時の英会話経験) ■その他(TSST 以外の英語テストの成績 /TSST で実力が発揮できたか/その理由) <英語教師> ■授業中の教師の英語使用(教師が英語を発話する割合/内容) ■教師が理想とする授業中の英語発話(理想とする発話割合/現実とのギャップの理由) ■授業中の生徒の英語使用(英語を声に出す時間/内容) ■生徒の自宅などでの学習の指示 ■教師の発話内容の誤りについての考え方 ■生徒の発話内容の誤りについての考え方 高 校 生 と 教 師 ア ン ケ ー ト で 対 応 す る 設 問2 TSST について
2.1 TSST の概要
本調査では、高校生の英語スピーキング能力を測定するツールとしてTSST(Telephone Standard Speaking Test)を使用した。TSST は電話を使った英語スピーキング能力測定試験である。1997 年か ら始まった対面インタビュー型テストSST(Standard Speaking Test)の実績と経験から、アルクが 独自に開発し、2004 年から運用を開始した。法人団体受験を中心に、毎年約1万人が受験している。 電話で手軽に受験できることと、準備なしに 「その時、その場」 で英語を話す力(英語運用力) を試せることが、TSST の特徴である。主に英語に関する知識を問うペーパーテストとは異なり、受験 者に「考え」「自分の言葉で発話する」ことを迫るような課題を出し、実際に英語で話してもらうこと で、国際社会において必要とされている英語の運用能力がどれだけあるかを評価する。 TSST の概要は以下の通り。詳細は TSST ウェブサイト( http://tsst.alc.co.jp/tsst/tsst.html )参照。 1. 固定電話、携帯電話を利用して受験する。 受験期間中は 24 時間受験が可能。 2. 質問項目はデータベースで難易度別にグルーピングされた中からコンピューターが抽出し、全 10 問が出題される。 3. 1問あたりの回答時間は 45 秒で、受験時間は約 15 分。 4. 質問音声は日本語・英語両方の言語で流れる(質問の英語が聞き取れないために回答できないこ とを防ぐため)。 5. 録音された回答音声を3人の評価官が聞いて評価し、独断的な判定になることを防ぐ。
2.2 TSST の評価方法
TSST は以下の4つの評価基準に基づいて「英語を使って何ができるか」を、発話全体を見渡して、 レベル1(初級)~レベル9(上級)までの9段階で、総合的に評価する。言語機能
理由を述べる、意⾒を述べる、問題解決し 提案する、手順を説明する、苦情を言うなど 英語でどのようなことを遂⾏できるか話題/場面
自分に直結している話題、時事問題、 予期しない困難な場面など どれくらい複雑な状況で、何について話せるかテキストタイプ
単語、フレーズ、短い簡単な⽂、⻑くて複雑な⽂、 順序⽴てた理論的な話し⽅など どのような複雑さの構文を使い、 どう話を構成しているか正確さ
⽂法、語彙、発⾳、流暢さなど 聞き⼿にどれくらい正確に理解されるか総合評価
2.3 TSST のレベル
TSST の評価は、レベル1~3が「初級」、4~8が「中級」、9が「上級」で、実践的な英語運用能 力を測りやすいよう、日本人の英語学習者が最も多い「中級」を特に細分化している。以下に、9レ ベルの分類を図式化し、今回の調査に関わりの大きいレベルについては、その特徴を高校生のスピー キング能力に即して理解しやすい表現で簡潔に表した(TSST 全レベルの特徴は、p.41 の表を参照)。2.4 高校段階で目標とする英語スピーキング能力
2015 年度の TSST に関する調査によると、社会人受験者 22,716 人のレベル分布では、「簡単な文を 作って学校生活について簡単に話すことや、相手への質問などができる 」レベル4が 39.2%と最多で あった(アルク教育総合研究所、2016 年6月※)。 しかしながら、上図に示した通り、留学や、海外赴任などを含めた英語を必要とする業務を、大き な支障なくこなすためには、TSST レベル6以上のスピーキング力が必要である。大学等でスピーキン グ力を向上させることを勘案しても、高校卒業までに、少なくともレベル4を目指したい。この目標 を実現するためには、高校段階でどのような学習を行うべきなのだろうか。 この疑問に答えるため、本調査では、調査対象校3校の高校生の英語スピーキング力の現状と、そ の背景となっている学習状況を把握することを目指す。次章以降では、まず、調査2年目となる高校 2年生のTSST 受験結果が、高校1年次と比べてどのような変化があったのか把握し、その後、生徒 の学習実態、教師の授業実態がその変化にどのように寄与したのかを分析する。その上で、今後、ど のような学習によって生徒のスピーキング力を向上させることができるのか、考察したい。 ※『アルク英語教育実態レポート Vol. 7 日本人の英語スピーキング能力 -リスニング・リーディング力との関 係性に見る英語運用能力の実態-』p.18、アルク教育総合研究所, 2016 年6月 http://www.alc.co.jp/company/report/pdf/alc_report_20160627.pdf レベル1 レベル2 レベル3 レベル4 レベル5 レベル6 レベル7 レベル8 レベル 9 初級 上級 レベル6 不自由はありながらも、海 外留学や海外赴任ができる レベル4 簡単な⽂を作って学校生活につ いて簡単に話すことや、相手へ の質問などができる レベル3 不完全ながらも、短い簡単 な⽂で、簡単な自己紹介や 食事の注⽂ができる レベル2 主に暗記した単語やフレーズを 使って決まり⽂句の挨拶などが できる レベル9 不自由なく海外留学や海外 赴任ができる レベル2~4:高校生に多いレベル 中級3 調査協力校の高校2年生の英語スピーキング能力
3.1 調査協力校の高校2年生の英語スピーキング能力の分布
2015 年度の調査(アルク教育総合研究所、2016 年4月※)では、調査対象者の高校1年生全員 のスピーキング能力分布は、「初級」に分類される「不完全ながらも、簡単な文を作ろうとして、自己 紹介や食事の注文ができる」レベル3が 67.2%で最多で、学校別に見ても、どの学校でもレベル3が 最多であった。2016 年度、高校2年生になり、レベルの変化はあっただろうか。 下の図表は、2016 年度の高校2年生の TSST 受験結果を、調査協力校別に示したものである。私立 A 高校と公立 C 高校では、TSST レベル3が昨年に引き続き最多(A 高校は 72.5%、C 高校は 62.1%) である一方、 公立 B 高校では、その1つ上、「中級」に分類される「簡単な文を作って相手への質問 や道案内などができる」レベル4が最多の58.5%となった。 また、B 高校では、レベル5以上の受験者も合わせ、レベル4以上の生徒は 67.8%であり、レベル 4以上の生徒の割合は、他の2校より約50 ポイント以上高かった。平均も 3.82 と、他の 2 校(2.98) より0.84 高い。この結果から、B 高校の高校2年生は、他の2校に比べてスピーキング力が高い生徒 が多い、ということが分かる。 ※『アルク英語教育実態レポート Vol.6 日本の高校生の英語スピーキング能力実態調査Ⅰ-3年間追跡調査にお ける1年目調査レポート-』p.11~12, アルク教育総合研究所、2016 年4月 http://www.alc.co.jp/company/report/pdf/alc_report_20160422.pdf 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% TSS T 1 TSS T 2 TSS T 3 TSS T 4 TSS T 5 TSST 6 TSST 7 TSST 8 TSST 9 学校別 2016年度TSSTレベル分布 私立A高校(n=80) 公立B高校(n=130) 公立C高校(n=87) TSST 1 TSST 2 TSST 3 TSST 4 TSST 5 TSST 6 TSST 7 TSST 8 TSST 9 計 平均 人数 0 12 58 10 0 0 0 0 0 80 割合 0.0% 15.0% 72.5% 12.5% 0.0% 0.0% 0.0% 0.0% 0.0% 100.0% 人数 0 0 41 76 11 1 0 1 0 130 割合 0.0% 0.0% 31.5% 58.5% 8.5% 0.8% 0.0% 0.8% 0.0% 100.0% 人数 1 16 54 16 0 0 0 0 0 87 割合 1.1% 18.4% 62.1% 18.4% 0.0% 0.0% 0.0% 0.0% 0.0% 100.0% 人数 1 28 153 102 11 1 0 1 0 297 割合 0.3% 9.4% 51.5% 34.3% 3.7% 0.3% 0.0% 0.3% 0.0% 100.0% 2.98 3.82 2.98 3.34 私立A高校 学校別 2016年度TSSTレベル分布 公立B高校 公立C高校 計3.2 高校 1 年次からのレベル推移
次に、2016 年度の高校2年生が、2015 年度、高校1年次に受験した TSST の結果からのレベル推 移を見る。左下の図表は、2015 年度と 2016 年度共に TSST を受験した生徒に関して、そのレベル推 移を示している。公立 B 高校では、レベルアップした人の割合が調査対象の3校中最も高く、41.9% であった。私立 A 高校の「1レベルアップ」が 21.9%、公立 C 高校が 18.8%であったのに比べて、 20 ポイント以上高い。また、A 高校と C 高校では、「1レベルダウン」した人が、それぞれ 13.7%、 9.4%であったのに対し、B 高校では、レベルダウンした人は 3.1%であった。 なお、右下に示したように、レベルが推移した人の内訳を見てみると、A 高校と C 高校ではレベル 「3→3」で変動なしが最多だが(A 高校:53.4%、C 高校:50.6%)、B 高校では、レベル「3→4」 が33.3%と最多となっており、特にレベル3から4に上がった人が多いことが分かる。 調査協力校のうち、スピーキング能力が特に高く、また、昨年度から向上した人の割合も高い公立B 高校の生徒は、どのような学習をしているのだろうか。また、英語や英語学習に関する意識に特段の 違いは見られるのだろうか。次章以降で、TSST と同時期に実施した高校生のアンケート結果、および 各校の教師のアンケート結果から、その背景を読み解いていく。 なお、次章以降の本論では、アンケートの設問および集計結果について分析に関わる部分のみに言 及・記載し、アンケートの全設問と集計結果の詳細については、p.22 以降に付録として掲載した。 1レベル ダウン 変動な し 1レベル アップ 2レベル アップ 計 人数 10 47 16 0 73 割合 13.7% 64.4% 21.9% 0.0% 100.0% 人数 4 71 50 4 129 割合 3.1% 55.0% 38.8% 3.1% 100.0% 人数 8 61 16 0 85 割合 9.4% 71.8% 18.8% 0.0% 100.0% 人数 22 179 82 4 287 割合 7.7% 62.4% 28.6% 1.4% 100.0% 公立B高校 公立C高校 計 学校別 2年連続受験者におけ るTSSTレベル推移 私立A高校 ※レベル推移内訳の割合が20%以上は赤字 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 1 レ ベ ル ダ ウ ン 変 動 な し 1 レ ベ ル ア ッ プ 2 レ ベ ル ア ッ プ 学校別 2年連続受験者におけるTSSTレベル推移 私立A高校(n=73) 公立B高校(n=129) 公立C高校(n=85) 学校別 TSSTレベル推移内訳 私立A 高校 (n=73) 公立B 高校 (n=129 ) 公立C 高校 (n=85) 2→1 0.0% 0.0% 1.2% 3→2 8.2% 0.0% 5.9% 4→3 5.5% 3.1% 2.4% レベルダウン計 13.7% 3.1% 9.4% 2→2 8.2% 0.0% 11.8% 3→3 53.4% 27.9% 50.6% 4→4 2.7% 24.8% 9.4% 5→5 0.0% 1.6% 0.0% 8→8 0.0% 0.8% 0.0% 変動なし計 64.4% 55.0% 71.8% 2→3 11.0% 0.8% 9.4% 3→4 11.0% 33.3% 9.4% 3→5 0.0% 3.1% 0.0% 4→5 0.0% 3.9% 0.0% 5→6 0.0% 0.8% 0.0% レベルアップ計 21.9% 41.9% 18.8% 総計 100.0% 100.0% 100.0%4 スピーキング能力が大きく向上した学校の特徴
4.1 特徴1:授業中、英語を声に出す時間が長い
授業中の英語使用の【量】が、高校生のスピーキング能力とどのように関係するのかを調べるため、 高校生に対するアンケートでは、「高校2年生の英語の授業中に、あなたが英語を声に出す活動の時間 はどのくらいありますか。」(Q1)という設問を設け、「コミュニケーション英語(総合英語)」と「英 語表現」それぞれの教科における英語を声に出す時間を尋ねた。2教科の回答を合計してグラフにし たものが以下である。2教科の回答が合算されているため、母数(n)は、調査協力に同意した生徒 数の2倍となっている。 授業の半分以上で英語を声に出す生徒の割合(上のグラフでオレンジの線で囲んだ部分)は、私立A 高校が47.5%、公立 B 高校が 53.1%、公立 C 高校が 34.5%であり、B 高校では過半数の生徒が、授 業の半分以上で英語を声に出していた。このことが、B 高校でのスピーキング力向上に良い影響を及 ぼしていると考えられる。しかしながら、B 高校に比べるとスピーキング力が伸びた生徒の割合が低 いA 高校との差は 5.6 ポイントに留まることから、授業中に英語を声に出すことだけでは、スピーキ ング能力向上に十分ではないと言える。4.2 特徴2:授業中、幅広い活動で英語を声に出している
授業中の英語使用の【内容】はどうだろうか。それを問うたのが高校生に対するアンケートの Q2 である。「(高校2年生の授業中、英語を声に出す活動で)あなたが参加しているのは、どの活動です か。」という設問に対し、「その他」も含む9つの活動から、参加している活動をすべて選択する方式 で回答してもらった。選択肢の活動は、「その他」を除くと、以下の表のように、「主に知識の習得や 定着を目的とする活動」と「主に英文を作って発信することを目的とする活動」に大別できる。 19.4% 20.4% 9.2% 28.1% 32.7% 25.3% 33.8% 28.8% 47.1% 15.0% 15.0% 16.7% 3.8% 3.1% 1.7% 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 私立A高校 (n=160) 公立B高校 (n=260) 公立C高校 (n=174)学校別 コミュニケーション英語(総合英語)と英語
表現の授業中、英語を声に出す時間の合計
70%以上 50~70%未満 30~50%未満 0~30%未満 無回答 主に知識の習得や定着を目的とする活動 主に英文を作って発信することを目的とする活動 ・単語・フレーズ等の発音練習 ・教科書本文やキーセンテンスの暗記 ・教科書本文の音読 ・会話・ディスカッション ・先生の質問に答える ・スピーチ・プレゼンテーション ・スキットなどのロールプレイ ※回答選択肢に含まれる「スピーキングテスト」は、実施内容や方法により「自分で英文を作って話 す」活動と、音読やシャドーイングなど、「覚えた英文を声に出す」活動、両方を含む可能性があるの で、ここではいずれの項目にも分類していない。各校別の回答結果は以下のグラフに示した。B 高校では、「単語・フレーズ等の発音練習」「教科書 本文やキーセンテンスの暗記」「教科書本文の音読」といった「主に知識の習得や定着を目的とした活 動」3つ、「会話・ディスカッション」「先生の質問に答える」といった「主に英文を作って発信する ことを目的とした活動」2つで、60%を超える生徒が「参加している」と回答していた(以下のグラ フ上でオレンジ色の線で囲んだ部分)。A 高校、C 高校でも、「単語・フレーズ等の発音練習」「教科書 本文の音読」「先生の質問に答える」などはB 高校に近い割合で実施されているが、「会話・ディスカ ッション」「教科書本文やキーセンテンスの暗記」は、B 高校に比べて実施割合が 25 ポイント以上少 ない(詳細数値は下記グラフ参照)。B 高校では、授業中に生徒が、より幅広い活動で英語を声に出し ている様子が伺える。 幅広い活動で英語を声に出すことは、スピーキング能力とどう関係するのだろうか。TSST では、4 つの評価基準(p.7 参照)でスピーキング能力を評価している。このうち、「テキストタイプ」と「正 確さ(語彙と文法)」は、知識がどれだけあるか、さらに覚えた知識がどれだけ定着して正しく運用で きるか、に左右される側面が強い。一方で、「言語機能」「話題/場面」については、知識を活用して 実際に何ができるか、つまり実践力を問う側面が強い。このことから、授業中の活動は、「主に知識の 習得や定着を目的とする活動」が「テキストタイプ」と「正確さ(語彙と文法)」に、「主に英文を作 って発信することを目的とする活動」が「言語機能」と「話題/場面」に、より大きく影響を及ぼす と思われる。B 高校では、生徒が両方の活動をバランス良く行うことにより、4要素がまんべんなく 向上し、結果として総合評価であるTSST のレベルが上がったと考えられる。 なお、上記のグラフ中、「スピーキングテスト」は、B 高校に比べて、A 高校、C 高校での実施割合 が多かったが(A 高校:51.3%、B 高校 15.4%、C 高校 55.7%)、実施内容を各校に問うてみると、A 高校もC 高校も、「スピーチやプレゼンテーションなどの活動を教師が評価しているものを、『スピー キングテスト』と生徒が回答したのではないか」とのことであった。こうした活動や評価自体はB 高 校でも実施しているものであり、生徒の捉え方の違いが、割合の差につながったと思われる。 70.0% 46.9% 30.0% 56.3% 64.4% 55.6% 51.3% 10.0% 2.5% 79.6% 72.7% 69.2% 66.5% 63.8% 39.2% 15.4% 5.0% 1.5% 73.6% 25.9% 37.9% 68.4% 60.3% 9.8% 55.7% 2.9% 0.0% 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 単語・フレーズ等の発音練習 会話・ディスカッション 教科書本文やキーセンテンスの暗記 教科書本文の音読 先生の質問に答える スピーチ・プレゼンテ ーション スピーキングテスト スキットなどのロールプレイ その他
学校別 コミュニケーション英語(総合英語)と英語表現の授業中に
参加している、英語を声に出す活動の合計
私立A高校 (n=160) 公立B高校 (n=260) 公立C高校 (n=174)4.3 特徴3:自宅などで、1人で学習する時間が長い
高校生に対するアンケートでは、授業中の活動と同様に、自宅などで、1人で行う学習についても、 スピーキング能力に関係があるかどうかを調べることとし、その【量】と【内容】についての設問を 設けた。Q3では、「高校2年生になってから、授業以外に、自宅などで1人で、週にどのくらい英語 を勉強しますか。(学校の宿題も含む。塾・予備校などでの授業時間は除く。)」として、自宅等での学 習時間を尋ねた。結果を以下のグラフに示す。回答の選択肢は、「1. 週に 30 分未満」~「6. 週に5 時間以上」までの6段階から当てはまるものを1つ選ぶ方式であったが、ここでは、回答を「週に1 時間未満」「週に1~3時間未満」「週に3時間以上」の3段階に分けて分析した。 公立B 高校では、「週に3時間以上」と回答した生徒が 59.2%で、私立 A 高校の 8.8%、公立 C 高 校の8.0%を 50 ポイント以上上回った。B 高校の生徒は、他校に比べて自宅などでの学習時間が長く、 このことが、スピーキング能力向上に良い影響を及ぼしていると考えられる。 授業や自宅以外で英語を学ぶ機会の有無がスピーキング能力に影響していないかどうかを探るため、 別の設問では、「高校2年生になってから、学校の授業以外で英語を教わる機会はありますか。」(Q5)、 「(Q5で yes の場合)学校の授業以外で、週にどのくらい英語を教わっていますか。」(Q6)と、塾 や英会話での学習経験とその時間を尋ねた。B 高校の生徒は学校の授業以外で英語を教わる機会がい ずれも10%以下で、A 高校に比べて塾や英会話などで教わる経験は少なかった(グラフは p.30 参照)。4.4 特徴4:自宅などで、幅広く学習している
自宅などで、1人で行う学習の【内容】については、Q4で「高校2年生になってから、自宅などで 1人で、どのような英語の勉強をしていますか。(宿題の内容も含む。)」と尋ね、複数選択式で回答し てもらった。選択肢には授業中の活動と同じく、「主に知識の習得や定着を目的とする学習」と「主に 英文を作って発信することを目的とする学習」を含めている(ただし、Q4では、声に出して学習して いるか否かは問うていない)。それ以外にも、自宅で学習することが多いと思われる「主に内容理解等 を目的とする学習・その他の学習」も加えた3つのカテゴリーに、当総合研究所の判断で回答選択肢 を分類したのが次ページの表である。 61.3% 16.2% 49.4% 30.0% 24.6% 42.5% 8.8% 59.2% 8.0% 0.0% 0.0% 0.0% 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 私立A高校 (n=80) 公立B高校 (n=130) 公立C高校 (n=87)学校別 授業以外に、自宅などで1人で
英語を学習する時間
週に1時間未満 週に1~3時間未満 週に3時間以上 無回答以下は、回答を学校別にグラフにしたものである。公立B 高校で 60%以上の生徒が実施している学 習の内容を見ると(下のグラフでオレンジ色の線で囲んだ項目)、「文法ドリル(ワークシート/ワーク ブック)」「単語練習」「教科書本文の音読」「教科書本文やキーセンテンスの暗記」といった、「主に知 識の習得や定着を目的とする学習」が主であるが、「スピーチやプレゼンなどの原稿作成・練習」も行 っており、スピーキング能力の向上につながる学習を多く行っていることが分かる。 私立A 高校や公立 C 高校では、「文法ドリル(ワークシート/ワークブック)」「教科書本文の音読」 「教科書本文やキーセンテンスの暗記」などで、B 高校の実施率を 20 ポイント以上下回っている(詳 細数値は上記のグラフ参照)。A 高校では、「主に英文を作って発信することを目的とする学習」に分 類される「英語で日記を書く」がB 高校、C 高校より多く実施されているものの、実施率は 36.3%で あり、実施していない生徒の方が多い。このことから、B 高校の生徒は、自宅などでも、「主に知識の 習得や定着を目的とする学習」を中心に、スピーキング能力向上に役立つ学習を幅広く行っている、 と言える。 50.0% 87.5% 67.5% 40.0% 85.0% 38.8% 36.3% 27.5% 42.5% 32.5% 26.3% 36.3% 12.5% 36.3% 0.0% 86.2% 83.1% 76.9% 64.6% 62.3% 60.8% 60.8% 34.6% 30.0% 29.2% 15.4% 13.8% 13.1% 6.9% 0.0% 31.0% 54.0% 58.6% 41.4% 23.0% 23.0% 40.2% 43.7% 28.7% 14.9% 19.5% 1.1% 10.3% 20.7% 0.0% 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90%100% 文法ドリル(ワークシート/ワークブック) 単語練習 新出単語の意味調べ 教科書本文の音読 スピーチやプレゼンなどの原稿作成・練習 教科書本文やキーセンテンスの暗記 入試や検定試験の問題 教科書本文の内容についての調べ物 教科書本文の和訳 スキットなど次の授業での発表活動の練習 教科書の主要なフレーズの書き写し 英語で日記を書く テレビ/ラジオなどの英語講座の視聴 教科書本文の書き写し その他 学校別 授業以外に、自宅などで1人で英語を学習する内容 私立A高校 (n=80) 公立B高校 (n=130) 公立C高校 (n=87) 主に知識の習得や定着を 目的とする学習 主に英文を作って発信することを 目的とする学習 主に内容理解等を目的とする学習・ その他の学習 ・文法ドリル(ワークシート/ワークブック) ・単語練習 ・教科書本文の音読 ・教科書本文やキーセンテンスの暗記 ・教科書の主要なフレーズの書き写し ・スピーチやプレゼンなどの原稿作成・練習 ・スキットなど次の授業での発表活動の練習 ・英語で日記を書く ・新出単語の意味調べ ・教科書本文の内容についての調べ物 ・教科書本文の和訳 ・教科書本文の書き写し ・入試や検定試験の問題 ・テレビ/ラジオなどの英語講座の視聴 ・その他
5 公立 B 高校の特徴の背景
5.1 授業中、英語を声に出す割合が高い理由①
公立B 高校で、授業中に英語を声に出している時間が長い生徒が多いのはなぜなのだろうか。その 理由を探るため、英語教師を対象としたアンケート結果と、高校生を対象にしたアンケート結果を掛 け合わせて分析してみた。まず、授業中の教師の英語での発話割合と、その学校の生徒が英語を声に 出す割合との関係を見るため、英語教師アンケートの「授業中、ご自身(教師)の発話は、どの程度 英語で行っていますか。」(教師アンケートQ1)の回答割合を学校別に以下にまとめた。高校生に対 するアンケートのQ1と同様に、この設問は、「コミュニケーション英語(総合英語)」と「英語表現」 それぞれの教科について尋ね、2教科の回答を合計してグラフにしている。2教科分の回答が合算さ れているため、グラフの母数(n)は、調査協力に同意した教師数の2倍となっている。ここでは「無 回答」を除いて集計した(「無回答」も含めた集計結果はp.34 参照)。 授業中に半分以上、英語で発話する教師の割合は、私立A 高校が 50.0%、公立 C 高校が 28.5%であ るのに対し、公立B 高校は 66.7%(上のグラフでオレンジの線で囲んだ部分)で最も高く、B 高校の 教師がより多く英語で発話している様子が伺える。教師が英語で話していると生徒も英語で話しやす い雰囲気になる可能性がある。 しかしこの結果から、「A 高校と C 高校の教師は英語での発話に消極的」と結論付けることは早計で ある。別の設問では、「授業中、ご自身(教師)の発話は、どの程度英語で行いたいと考えていますか。」 (教師アンケート Q3)、「仮に、授業中のご自身(教師)の発話量と、理想とする発話量にギャップ がある場合、何が原因だと考えますか。」(教師アンケート Q4)と、教師が理想とする授業中の英語 発話量と、それが実現できない場合の理由について問うている。Q3では、「コミュニケーション英語 (総合英語)」と「英語表現」を合計すると、A 高校と C 高校の教師の 60%以上が、「教師の発話の 50%以上を英語で行いたい」と答えており、実態とのギャップがある。また、Q4では、理想とする 発話とのギャップの理由として、85%以上が、「教師が英語で話すと生徒が理解できないから。」を挙 げていた。A 高校と C 高校では、生徒の英語力がまだ十分高くないために、思うように英語で授業を 進められない事情があるのかもしれない(Q3、Q4の回答結果は p.35 を参照)。 41.7% 60.0% 7.1% 8.3% 6.7% 21.4% 41.7% 20.0% 50.0% 8.3% 13.3% 21.4% 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 私立A高校(n=12) 公立B高校(n=15) 公立C高校(n=14) 学校別 コミュニケーション英語と授業表現の授業中、 教師の英語での発話割合の合計(無回答を除く) 70%以上 50~70% 未満 30~50% 未満 0~30%未満5.2 授業中、英語を声に出す割合が高い理由②
公立B 高校で、授業中に英語を声に出している時間が長い生徒が多いのは、他にも理由がないだろ うか。ここでヒントになるのが授業中に英語を声に出している活動の内容である。「英語を声に出す活 動」の中には、「一度に1人の生徒が声に出すことが多い活動」と「一度に複数の生徒が声に出すこと が可能な活動」がある。Q2の「(高校2年生の授業中に)あなたが参加しているのは、どの活動です か。」の回答選択肢を、これまでに見学した高校の授業実践などを参考に分類したのが以下の表である。 ここで、p.12 に掲載した、授業中に英語を声に出している活動の内容を振り返ってみる(以下にグ ラフを再掲)。 B 高校で生徒が声を出している活動の上位4つ(上のグラフでオレンジ色の線で囲んだ項目)は、「単 語・フレーズ等の発音練習」(79.6%)、「会話・ディスカッション」(72.7%)、「教科書本文やキーセ ンテンスの暗記」(69.2%)、「教科書本文の音読」(66.5%)であるが、これらはすべて、「一度に複数 の生徒が声を出すことが可能な活動」である。 このうち B 高校では、「会話・ディスカッション」と 「教科書本文やキーセンテンスの暗記」の実施率が、他の 2 校より高い 25 ポイント以上高い(詳細 数値はグラフ参照)。B 高校では、一度に多くの生徒が英語を声に出しているため、「英語を声に出す 時間が長い」生徒の割合が、他校より高くなっているのではないかと考えられる。 70.0% 46.9% 30.0% 56.3% 64.4% 55.6% 51.3% 10.0% 2.5% 79.6% 72.7% 69.2% 66.5% 63.8% 39.2% 15.4% 5.0% 1.5% 73.6% 25.9% 37.9% 68.4% 60.3% 9.8% 55.7% 2.9% 0.0% 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 単語・フレーズ等の発音練習 会話・ディスカッション 教科書本文やキーセンテンスの暗記 教科書本文の音読 先生の質問に答える スピーチ・プレゼンテ ーション スピーキングテスト スキットなどのロールプレイ その他 学校別 コミュニケーション英語(総合英語)と英語表現の授業中に 参加している、英語を声に出す活動の合計 私立A高校 (n=160) 公立B高校 (n=260) 公立C高校 (n=174) 一度に1人の生徒が声に出すことが多い活動 一度に複数の生徒が声に出すことが可能な活動 ・先生の質問に答える ・スピーチ・プレゼンテーション ・スピーキングテスト ・単語・フレーズ等の発音練習 ・会話・ディスカッション ・教科書本文やキーセンテンスの暗記 ・教科書本文の音読 ・スキットなどのロールプレイ5.3 自宅での学習内容が幅広い理由
p.14 で指摘した通り、公立 B 高校では、自宅などで、1人で行う学習において、「主に知識の習得 や定着を目的とする学習」を中心に、「主に英文を作って発信することを目的とする学習」も行い、ス ピーキング能力向上に寄与する学習を多く実践していた。この背景には何があるのだろうか。それを 読み解くため、生徒アンケートのQ4「高校2年生になってから、自宅などで1人で、どのような英 語の勉強をしていますか。」の回答を、英語教師アンケートのQ12「宿題として、生徒にどのような活 動を課していますか。」の回答と掛け合わせて分析してみる。以下のグラフでは、B 高校の教師が宿題 として課している学習は濃い青、同校の生徒が自宅などで行っている学習は水色で表している。 B 高校では、教師の 60%以上が宿題として生徒に課している学習(上のグラフでオレンジ色で囲ん だ項目)においては、「教科書本文の音読」で生徒の実施割合が教師の指示より35.4 ポイント低い(教 師:100.0%、生徒:64.6%)ことを除けば、教師の指示割合とほぼ同じかそれ以上の割合で生徒が学 習しており、B 高校では、生徒がほぼ教師の指示通りに学習していると言える。なお、「教科書本文の 音読」で割合の差が大きいことについてB 高校に問い合わせたところ、「教科書の音読は、宿題として 指示はしておらず、生徒との面談などの際に、『より英語力を上げるためのアドバイス』として位置づ けているものなので、必ずしも全員の生徒がやっていないのかもしれない」とのことであった。 62.5% 75.0% 75.0% 0.0% 0.0% 100.0% 0.0% 50.0% 50.0% 37.5% 62.5% 37.5% 62.5% 12.5% 0.0% 76.9% 83.1% 86.2% 6.9% 15.4% 64.6% 30.0% 60.8% 34.6% 29.2% 62.3% 13.8% 60.8% 13.1% 0.0% 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90%100% 新出単語の意味調べ 単語練習 文法ドリル(ワークシート/ワークブック) 教科書本文の書き写し 教科書の主要なフレーズの書き写し 教科書本文の音読 教科書本文の和訳 教科書本文やキーセンテンスの暗記 教科書本文の内容についての調べ物 スキットなど次の授業での発表活動の練習 スピーチやプレゼンなどの原稿作成・練習 英語で日記を書く 入試や検定試験の問題 テレビ/ラジオなどの英語講座の視聴 その他 公立B高校 教師が宿題として生徒に課している学習と、 生徒が自宅などで1人で行っている学習 公立B高校教師(n=8) 公立B高校生徒(n=130)18 比較のため、以下に、私立A 高校、公立 C 高校における、教師の指示と生徒の自宅などでの学習内 容を同様のグラフにしたものを掲載する。 75.0% 75.0% 100.0% 50.0% 25.0% 87.5% 0.0% 37.5% 62.5% 50.0% 100.0% 12.5% 12.5% 0.0% 0.0% 67.5% 87.5% 50.0% 36.3% 26.3% 40.0% 42.5% 38.8% 27.5% 32.5% 85.0% 36.3% 36.3% 12.5% 0.0% 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90%100% 新出単語の意味調べ 単語練習 文法ドリル(ワークシート/ワークブック) 教科書本文の書き写し 教科書の主要なフレーズの書き写し 教科書本文の音読 教科書本文の和訳 教科書本文やキーセンテンスの暗記 教科書本文の内容についての調べ物 スキットなど次の授業での発表活動の練習 スピーチやプレゼンなどの原稿作成・練習 英語で日記を書く 入試や検定試験の問題 テレビ/ラジオなどの英語講座の視聴 その他 私立A高校 教師が宿題として生徒に課している学習と、 生徒が自宅などで1人で行っている学習 私立A高校教師(n=8) 私立A高校生徒(n=80) 85.7% 57.1% 57.1% 0.0% 0.0% 71.4% 28.6% 42.9% 0.0% 28.6% 57.1% 14.3% 57.1% 0.0% 58.6% 54.0% 31.0% 20.7% 19.5% 41.4% 28.7% 23.0% 43.7% 14.9% 23.0% 1.1% 40.2% 10.3% 新出単語の意味調べ 単語練習 文法ドリル(ワークシート/ワークブック) 教科書本文の書き写し 教科書の主要なフレーズの書き写し 教科書本文の音読 教科書本文の和訳 教科書本文やキーセンテンスの暗記 教科書本文の内容についての調べ物 スキットなど次の授業での発表活動の練習 スピーチやプレゼンなどの原稿作成・練習 英語で日記を書く 入試や検定試験の問題 テレビ/ラジオなどの英語講座の視聴 公立C高校 教師が宿題として生徒に課している学習と、 生徒が自宅などで1人で行っている学習 公立C高校教師(n=7) 公立C高校生徒(n=87)
A 高校では、教師の 60%近く、またはそれ以上が宿題として課していると答えた学習のうち、「文法 ドリル(ワークシート/ワークブック)」「教科書本文の音読」「教科書本文の内容についての調べ物」(前 ページのグラフで緑色の線で囲んだ項目)で、C 高校では、「新出単語の意味調べ」「文法ドリル(ワ ークシート/ワークブック)」「教科書本文の音読」「スピーチやプレゼンなどの原稿作成・練習」(前ペ ージのグラフで赤色の線で囲んだ項目)で、自宅などで学習している生徒の割合が、教師が課してい る割合より25 ポイント以上少なかった。A 高校と C 高校では、B 高校に比べると、教師の指示と、生 徒の自宅などでの学習のギャップが大きいようである。このことから推察すると、B 高校では、複数 の教師で指示が一貫している、学習を動機づける評価体制があるなど、何らかの理由により、生徒が 教師の指示通りに学習しやすい環境があるのかもしれない。
6 スピーキング能力を向上させる学習改善のヒント
高校生のスピーキング能力を向上させるために、学校や教師は何ができるのだろうか。今回の分析 結果から見える学習改善のヒントを、以下にまとめてみた。 1.授業中、幅広い活動で、生徒が英語を声に出す機会を設ける。「音読」「暗記」などの「主に知識 の習得や定着を目的とする学習」と、「会話・ディスカッション」「スピーチ」などの「主に英文 を作って発信することを目的とする学習」の両方で、英語を声に出すようにする。 2.複数の生徒が一度に声に出すことができる活動を取り入れる。これにより、授業中、生徒が英語 を声に出す時間を確保しやすくなる。 3.教師が授業中の発話をできるだけ多く英語で行う。これにより、生徒が英語を声に出しやすい環 境を作ることができる。 4.生徒が自宅などで、1人で行う学習に関して、「主に知識の習得や定着を目的とする学習」と「主 に英文を作って発信することを目的とする学習」の両方を行うよう指導する。指導に当たっては、 担当教師が学年・学校で統一したメッセージを発信したり、学習した内容が適切に評価される仕 組みを作ったりするなどして、生徒が確実に課題を実行するようサポートすることが肝要である。 5.生徒が自宅などで1人で、週に3時間程度、英語を学習するよう促す。 しかし、学校や教師によっては、これらの条件をすべて揃えるのは難しい、と感じる場合もあるか もしれない。そうした際に参考になるのが、私立A 高校、公立 C 高校の実践である。これまで見てき たように、A 高校、C 高校は、B 高校に比べると、2015 年度からスピーキング能力が向上した生徒は 少ない。しかし一方で、A 高校では 21.9%、C 高校では 18.8%の生徒が、1レベルアップを達成して いるのである。両校の授業や自宅学習が、このレベルアップに寄与していると見ることもできる。 その観点から改めて調査データを見てみると、A 高校、C 高校は、授業中に英語を声に出す活動の うち、「単語・フレーズ等の発音練習」「教科書本文の音読」「先生の質問に答える」には、60%近くま たはそれ以上の生徒が参加しており、実施している活動の種類はB 高校より少ないものの、「主に知識 の習得や定着を目的とする学習」と「主に英文を作って発信することを目的とする学習」、両方とも行 っていることが分かる。また授業中の教師の発話に関しても、「30%以上」を英語で行っていると回答 した教師は、C 高校で 80%近く、A 高校では 90%以上である。こうした学習が、スピーキング能力に 良い影響をもたらしている可能性は否定できない。 A 高校、C 高校のような学校が、スピーキング能力向上を目指してさらなる授業改善を行う場合、 教師の英語発話を聞き、生徒が英語を声に出すという素地がすでにあるので、英語使用の割合や活動 の種類を増やすことは、そうした活動を全く実践していない学校に比べて比較的容易と思われる。「生 徒のスピーキング能力は向上させたいが、上記1~5の実践を一時に行うことは難しい」という場合 には、まず英語使用の割合や活動の種類を絞って、教師の英語発話を増やしたり、生徒が声に出す活 動を取り入れたりすることを検討してもよいのかもしれない。まとめ
本報告書は、3つの高校の協力を得て進める、高校生の英語スピーキング能力に関する3年間追跡 調査の2年目の結果である。今年度は、2015 年度からスピーキング能力が向上した学校の授業や自宅 学習に着目し、どのような特徴があるのか、またその背景を分析した。 社会人のTSST レベル分布は、「簡単な文を作って身近な話題(社会人の場合は自分の業務、高校生 の場合は学校生活など)について話すことや、相手への質問などができる」レベル4が約4割と最多 である。一方で、調査協力校のうち、公立B 高校の高校2年生はレベル4が分布の中心であり、高校 生でも、学習の仕方によっては、現在の社会人と同等のレベルのスピーキング能力を身につけられる ことが判明した。英語を使って大きな支障なく海外赴任や留学が行えるレベルをTSST では6として いるが、高校の段階でレベル4を達成し、その後の学習次第で、社会に出るまでにレベル6を達成で きる見込みが出てきたのは、今回の調査の大きな収穫である。本調査結果を参考に、他校でも生徒の スピーキング能力向上を目指していただけたら幸いである。 2017 年度は、本調査の最終年度となる。B 高校の生徒は、スピーキング能力をさらに1段階上げる ことができるのか。また、2016 年度はスピーキング能力の向上が限定的であった A 高校、C 高校でも、 これまでの学習成果を反映した全体的なレベルの向上は起こるのか。もしくは、高校3年次、大学受 験を目前に控えて、他の技能の学習が優先された結果スピーキング能力が下がってしまう、といった ことが起こり得るのか。3年間を通じた傾向やスピーキング能力向上への課題は何なのか。集大成の 調査結果にご期待いただきたい。(1)高校生アンケート 設問
【高校2年生の英語授業について】
1)高校2年生の英語の授業中に、あなたが英語を声に出す活動の時間はどのくらいありますか。(ひとつ選択) 2)また、あなたが参加しているのは、どの活動ですか。(当てはまるものにいくつでも☑) 科目名 1)活動の時間 (ひとつ選択) 2)参加している活動の内容 (当てはまるものにいくつでも☑) コミュニケーション英語 (総合英語) □1. 70%以上 □2. 50~70%未満 □3. 30~50%未満 □4. 0~30%未満 □1. 単語・フレーズ等の発音練習 □2. 教科書本文の音読 □3. 教科書本文やキーセンテンスの暗記 □4. 先生の質問に答える □5. スキットなどのロールプレイ □6. 会話・ディスカッション □7. スピーチ・プレゼンテーション □8. スピーキングテスト □9. その他(具体的に: ) 英語表現 □1. 70%以上 □2. 50~70%未満 □3. 30~50%未満 □4. 0~30%未満 □1. 単語・フレーズ等の発音練習 □2. 教科書本文の音読 □3. 教科書本文やキーセンテンスの暗記 □4. 先生の質問に答える □5. スキットなどのロールプレイ □6. 会話・ディスカッション □7. スピーチ・プレゼンテーション □8. スピーキングテスト □9. その他(具体的に: )【高校2年生になってからの授業以外での英語学習について】
3)高校2年生になってから、授業以外に、自宅などで1人で、週にどのくらい英語を勉強しますか。 (学校の宿題も含む。塾・予備校などでの授業時間は除く。ひとつ選択) □1. 週に 30 分未満 □2. 週に 30 分~1時間未満 □3. 週に1~2時間未満 □4. 週に2~3時間未満 □5. 週に3~5時間未満 □6. 週に5時間以上 4)高校2年生になってから、自宅などで1人で、どのような英語の勉強をしていますか。 (宿題の内容も含む。yes / no のいずれかに○) 1. 新出単語の意味調べ 1.yes/2.no 2. 単語練習 1.yes/2.no 3. 文法ドリル(ワークシート/ワークブック) 1.yes/2.no 4. 教科書本文の書き写し 1.yes/2.no 5. 教科書の主要なフレーズの書き写し 1.yes/2.no 6. 教科書本文の音読 1.yes/2.no 7. 教科書本文の和訳 1.yes/2.no 8. 教科書本文やキーセンテンスの暗記 1.yes/2.no 9. 教科書本文の内容についての調べ物 1.yes/2.no 10.スキットなど次の授業での発表活動の練習 1.yes/2.no 11.スピーチやプレゼンなどの原稿作成・練習 1.yes/2.no 12.英語で日記を書く 1.yes/2.no 13.入試や検定試験の問題 1.yes/2.no 14.テレビ/ラジオなどの英語講座の視聴 1.yes/2.no 15.その他(具体的に: )付録:アンケート設問・集計結果
5)高校2年生になってから、学校の授業以外で英語を教わる機会はありますか。(yes / no のいずれかに○) 1. 塾・予備校 1.yes/2.no 2. ネイティブ・スピーカー講師による英会話 1.yes/2.no 3. 日本人講師による英会話 1.yes/2.no 4. 学校の課外活動(英会話部など) 1.yes/2.no 5.その他(具体的に: ) 6)5)でいずれかにyes とお答えになった方にお聞きします。 学校の授業以外で、週にどのくらい英語を教わっていますか。(ひとつ選択) □1. 週に 30 分未満 □2. 週に 30 分~1時間未満 □3. 週に1~2時間未満 □4. 週に2~3時間未満 □5. 週に3~5時間未満 □6. 週に5時間以上
【英語や英語学習に対する考え】
7)英語に関しどのような学習が大切だと思いますか。(yes / no のいずれかに○) 1. 単語をたくさん覚える 1.yes/2.no 2. 文法の知識を増やす 1.yes/2.no 3. 英語をたくさん聞く 1.yes/2.no 4. 発音をきれいにする 1.yes/2.no 5. 英語をたくさん読む 1.yes/2.no 6. 自分の考え・意見を英語でたくさん書く 1.yes/2.no 7. 英語でたくさん会話をする 1.yes/2.no 8. 英語を1文 1 文日本語に訳す 1.yes/2.no 9. 問題をたくさん解く 1.yes/2.no 10. 英語テストでいい点数を取る 1.yes/2.no 11. その他(具体的に: ) 8)英語に関し最も大切だと思うのは、どのような学習ですか。(ひとつ選択) □1. 単語をたくさん覚える □2. 文法の知識を増やす □3. 英語をたくさん聞く □4. 発音をきれいにする □5. 英語をたくさん読む □6. 自分の考え・意見を英語でたくさん書く □7. 英語でたくさん会話をする □8. 英語を1文 1 文日本語に訳す □9. 問題をたくさん解く □10. 英語テストでいい点数を取る □11. その他(具体的に: ) □12. わからない 9)8)で選んだ学習が最も大切だと思う理由は何ですか。(自由記入) 10)英語に対するあなたの考えをお聞かせください。以下のそれぞれの質問に6段階でお答えください。 1. 全くそう思わない 2. そう思わない 3. あまりそう思わない 4. 少しそう思う 5. そう思う 6. 非常にそう思う 1. 外国人と英語で話してみたい。 1 2 3 4 5 6 2. 外国人の友達がいたらいいと思う。 1 2 3 4 5 6 3. 海外のドラマや映画を見たり、洋楽を聞いたりすることが好きだ。 1 2 3 4 5 6 4. 海外旅行や短期留学で、短期間、海外に行ってみたい。 1 2 3 4 5 6 5. 海外での仕事や留学で、長期間、海外に行ってみたい。 1 2 3 4 5 6 反対 同意6. 英語の勉強は好きだ。 1 2 3 4 5 6 7. 英語の授業は楽しい。 1 2 3 4 5 6 8. 英語で話したり書いたりして、相手に通じると嬉しい。 1 2 3 4 5 6 9. 英語は、自分の将来の仕事に必要になると思う。 1 2 3 4 5 6 10. 将来、英語を使って仕事をしたい。 1 2 3 4 5 6 11. 英語を勉強している主な理由は、大学受験だ。 1 2 3 4 5 6 12. 高校卒業後も、英語の勉強を続けたい。 1 2 3 4 5 6 13. 本当のところ、英語を習得したいという欲望はない。 1 2 3 4 5 6 14. 日本にいる限り、英語ができなくて困ることはない。 1 2 3 4 5 6 15. 大学入試にスピーキングテストも含むべきだと思う。 1 2 3 4 5 6
【英語学習経験/TSST の感想】
11)あなたが英語を学習し始めたのはいつ、どこでですか。(ひとつ選択) □1. 小学校入学前に、幼稚園や保育園で □2. 小学校入学前に、塾や習い事で □3. 小学校低学年(1~3年)の時、小学校の授業で □4. 小学校低学年(1~3年)の時、塾や習い事で □5. 小学校高学年(4~6年)の時、小学校の授業で □6. 小学校高学年(4~6年)の時、塾や習い事で □7. 中学校入学後 □8. その他(具体的に: ) 12)中学生の時、学校や塾等で「英会話」の授業を受けたことはありましたか。(ひとつ選択) □1. 週1回以上、英会話の授業を受けていた □2. 月1~3回程度、英会話の授業を受けていた □3. 年に数回程度、英会話の授業を受けていた □4. 英会話の授業を受けたことはなかった 13)これまでに、あなたが受けた英語テストの「最新」の結果と受験時期を教えてください。 ・GTEC for Students ( 点、西暦 年 月ごろ)・英語検定試験 ( 級、西暦 年 月ごろ) ・大学受験模擬試験 (試験[主催団体]名: 、偏差値 、西暦 年 月ごろ) 14)今回受験した TSST で、今の実力を発揮できたと思いますか。(ひとつ選択) □1. 非常にそう思う □2. そう思う □3. わからない □4. そう思わない □5. 全くそう思わない →その理由を教えてください。 (自由記述: )
(2)英語教師アンケート 設問
【教師の英語使用について】
1)授業中、ご自身(教師)の発話は、どの程度英語で行っていますか。(ひとつ選択) 2)英語で発話しているのは、どのような活動においてですか(当てはまるものにいくつでも☑) 3)授業中、ご自身(教師)の発話は、どの程度英語で行いたいと考えていますか。(ひとつ選択) 科目名 1)教師の英語発話 の割合(ひとつ選 択) 2)英語で発話している活動の内容 (当てはまるものにいくつでも☑) 3)教師の理想の英 語発話の割合 (ひとつ選択) コミュニケーション 英語 (総合英語) □1. 70%以上 □2. 50~70% 未満 □3. 30~50% 未満 □4. 0~30%未満 □1. 生徒に活動についての指示を出す □2. 教科書本文の内容説明(オーラルイントロダクション等) □3. 教科書本文の内容について、生徒に質問をする □4. 文法事項について説明する □5. 音読、シャドーイング、ロールプレイなどでモデルを示す □6. 授業中にネイティブスピーカー講師に指示を出す □7. 授業中にネイティブスピーカー講師と会話のモデルを示す □8. 生徒の発音の誤りを訂正する □9. 生徒の発話内容の誤り(文法など)を訂正する □10. 生徒同士のディスカッションや会話にコメントする □11. 生徒のスピーチやプレゼンにコメントする □12. 生徒に 1 対 1 のインタビューテストを実施する □13. その他(具体的に: ) □1. 70%以上 □2. 50~70% 未満 □3. 30~50% 未満 □4. 0~30%未満 英語表現 □1. 70%以上 □2. 50~70% 未満 □3. 30~50% 未満 □4. 0~30%未満 □1. 生徒に活動についての指示を出す □2. 教科書本文の内容説明(オーラルイントロダクション等) □3. 教科書本文の内容について、生徒に質問をする □4. 文法事項について説明する □5. 音読、シャドーイング、ロールプレイなどでモデルを示す □6. 授業中にネイティブスピーカー講師に指示を出す □7. 授業中にネイティブスピーカー講師と会話のモデルを示す □8. 生徒の発音の誤りを訂正する □9. 生徒の発話内容の誤り(文法など)を訂正する □10. 生徒同士のディスカッションや会話にコメントする □11. 生徒のスピーチやプレゼンにコメントする □12. 生徒に 1 対 1 のインタビューテストを実施する □13. その他(具体的に: ) □1. 70%以上 □2. 50~70% 未満 □3. 30~50% 未満 □4. 0~30%未満 4)仮に、授業中のご自身(教師)の発話量と、理想とする発話量にギャップがある場合、何が原因だと考えま すか。(yes / no のいずれかに○) 1. 教師が英語で話すと生徒が理解できないから。 1.yes/2.no 2. 教師が英語の発話に不安があるから。 1.yes/2.no 3. 教師が英語で話すと授業の進度が遅れるから。 1.yes/2.no 4. 教師の準備が大変だから。 1.yes/2.no5. 文法などは日本語で指導すべきだから。 1.yes/2.no 6. 他の先生との兼ね合いがあるから。 1.yes/2.no 7. その他(具体的に: ) 5)授業における日本人英語教師の発話内容(文法等)の「誤り」についてどう考えていますか。(ひとつ選択) □1. 日本人教師は、発話内容に意思疎通の妨げになるような誤りがあったとしても、できるだけ英語で話すべきだ。 □2. 日本人教師は、発話内容に意思疎通の妨げになるような誤りがなければ、小さな誤りがあってもできるだけ 英語で話すべきだ。 □3. 日本人教師は、正しく話せる範囲でのみ、英語で話すべきだ。 □4. その他コメントがあればお書きください( ) 6)以下の活動について、あなたが英語を使ってできること、できないことは何ですか。(該当するものに○) 1. 生徒に活動についての指示を出す 1.できる / 2.できない / 3.わからない 2. クラス全体とペアやグループに指示する際、必要に応じて表現を使い分ける 1.できる / 2.できない / 3.わからない 3. 教科書本文の内容について説明する(オーラルイントロダクション等) 1.できる / 2.できない / 3.わからない 4. 教科書本文の内容について、生徒に質問をする 1.できる / 2.できない / 3.わからない 5. 文法事項について説明する 1.できる / 2.できない / 3.わからない 6. 音読、シャドーイング、ロールプレイなどでモデルを示す 1.できる / 2.できない / 3.わからない 7. ティーム・ティーチングでネイティブスピーカー講師に指示を出す 1.できる / 2.できない / 3.わからない 8. ティーム・ティーチングでネイティブスピーカー講師と会話のモデルを示す 1.できる / 2.できない / 3.わからない 9. 生徒の発音の誤りを訂正する 1.できる / 2.できない / 3.わからない 10. 生徒の発話内容の誤り(文法など)を訂正する 1.できる / 2.できない / 3.わからない 11. 生徒同士のディスカッションや会話にコメントする 1.できる / 2.できない / 3.わからない 12. 生徒のスピーチやプレゼンにコメントする 1.できる / 2.できない / 3.わからない 13. 生徒に 1 対 1 のインタビューテストを実施する 1.できる / 2.できない / 3.わからない 14. ネイティブスピーカーと授業の打ち合わせをする 1.できる / 2.できない / 3.わからない 7)授業以外でご自身が英語に触れる機会はありますか。(yes / no のいずれかに○) また、それぞれ1週間当たりどれくらいの時間ですか。 1. 語学教材(本、CD など)で学習する 1.yes/2.no 週に( )時間 2. インターネット、テレビなどで英語音声を視聴する 1.yes/2.no 週に( )時間 3. 洋書を読む 1.yes/2.no 週に( )時間 3. 語学学校に通う 1.yes/2.no 週に( )時間 4. オンライン英会話を受講する 1.yes/2.no 週に( )時間 5. 通信講座で学習する 1.yes/2.no 週に( )時間 6. 授業に使える英文素材を探す 1.yes/2.no 週に( )時間 7. 授業準備で例文を作ったり英文スクリプトを書いたりする 1.yes/2.no 週に( )時間 8. 授業準備で音読や暗唱をする 1.yes/2.no 週に( )時間 9. 授業準備でネイティブスピーカー講師と打ち合わせをする 1.yes/2.no 週に( )時間 10. その他(具体的に: ) 1.yes/2.no 週に( )時間