第7章
みんなで福祉を支える地域をつくろう
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自分にできることが発揮できる地域づくり
何もないところから制度を生み出し、仕組みをつくることはこの上もなくむずかしい ことです。そこには「きっかけづくり」が求められてきます。
「自分は、こんなことならできるけど」という内に秘めた個人の思いがある一方で、 他方では「いろんな人に参加してほしい」という地域側の思いがあります。その二つの 思いが出会う「きっかけ」が有ったか、無かったかで、地域への参加が左右される場面 は少なくありません。
また、社会福祉協議会が実施した地域住民へのアンケート調査でも、「地域のために 役立ちたい」という思いを持っている方が非常に多くいるにもかかわらず、その思いを 実現する場面へと結びついていないという現状があることも重く受け止める 必要があ ります。
今までは・・・
平成25年7月に行った地域福祉懇談会では、公園でラジオ体操を始めたら、それに 賛同した人達が、少しずつ参加するようになったという話もありました。一人の行動に 賛同して人々が徐々に集まり行動を共にするようになった例ですが、何かのきっかけが あればそこに参加してみたいという思いを持っている方は多いということがわかりま す。しかし、そのきっかけに出会わなかったり、その情報が届いていなかったりという 場合が多くあります。
地域生活のさまざまな場面で、少しずつ福祉の芽が生まれていることは確かなことで す。その事実を大切にしながら、自分にできることが発揮できる地域づくりを推進して いく必要があります。
これからは・・・
ある駅で、電車とホームの間のわずかな隙間に女性が落ちるという事故がありました。 この女性は腰のあたりまで挟まり身動きができなくなりましたが、すぐさま駆けつけた 駅員と周りにいた乗客が、両手で力いっぱい車両を押して隙間を広げて、転落した女性 を救出しました。女性が引き上げられた時は、周りから拍手が起こったとのことです。
このニュースは世界各国で取り上げられ、日本人の団結力や思いやりに対して称賛が 寄せられました。
困っている方がいれば、救いの手を差し伸べるという行動や思いは地域福祉を考える 場合にも大変大きな力になります。
自分にできることが発揮できる地域とは、老若男女を問わず、地域の住民が持ってい る力や地域に対する思いを集結し発揮することができる地域であり、ふだんからその仕
今までは…
これからは…
第7章 みんなで福祉を支える地域をつくろう
組みが整っている地域であると表現することができます。
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担い手やリーダーの発掘と育成
組織を先導する人材は、組織の中で新たな担い手として自然に発掘され、組織が成 長していく過程で自然に育成されてくことが望ましいのですが、現状をみるとそうはい かない場合が多くなっています。
地域の新たな担い手を確保するために、様々な関係づくりや支援を行う必要がある のが現実の姿と言えます。
新たな担い手の確保は、地域福祉の展開には不可欠な要素です。今後、各地区で行 われる活動や話し合いの場を通して、地域福祉を先導する人材が、地区住民の「気づき」 の中から生まれることが求められています。
今までは・・・
自治会や老人会など、既存の組織が地域の中で果たしてきた役割については、改め て言及する必要のないところです。それぞれの組織が目的に沿って、地域住民の安全・ 安心を願い活動していることにより、幸せな地域生活が保たれています。
しかし一方では、個人の価値観や生活観の相違、世帯の単身化などにより、組織に属 さない生活を選択する住民が増えている現状もあります。また、地域・地区の視点では なく、広域的な活動を展開するNPOなどの組織が増えていることも事実です。言い換 えれば、価値観や生活観の多様化により、地域構造が重層化する傾向にあります。
地域の組織に属さない人の中にも、地域の担い手や先導する人材となる人が多数含ま れています。地域、そして組織に属さない人材が、これからどのような接点を持ってい くのか。そのためにどのような仕組みをつくっていくのか。地域福祉を先導する人材の 発掘・育成は、この視点に留意した上で展開されていくことが重要です。
これからは・・・
さまざまな考え方や資格が生かせる地域
これからは、地域の中にある既存の組織、住民の価値観や生活観の多様化、この二つ の調和をどのように図るかが大きな課題となってきます。求められるものは双方の柔軟 性であり、さまざまな価値観や生活観の存在は、地域福祉が飛躍する可能性を秘めてい ると考えることもできます。既存の組織への加入がすべての選択肢ではなく、地域はそ れらの価値観や生活観の多様化を容認しつつ、その人たちとの接点は必ず確保しておか なければなりません。
一方、高齢者福祉など公的なサービスが整備されてきたことによって、福祉関係者や 新たに福祉業界をめざす人など、福祉関係の資格を取得する人が多くなっています。し かし、資格を所持していても仕事についていない地域住民も数多く地域に存在している と思われます。就業を希望する資格取得者に地域における求人ニーズなどを提供すると ともに、就業を希望しない人でも知識などを地域で有効に活用していける仕組みを構築 することも地域福祉の推進には欠かせません。
今までは…
これからは…
新しい担い手の発掘・育成
新たな担い手の発掘・育成は、つくられるものではなく、自然に生み出されるもので あることが望ましいといえます。しかしながら、入間市地域福祉計画が始まった平成2 1年度から今日に至る経過をみても、現実的にはなかなかそうはいかない状態であると 言えます。新しい担い手が生まれてくる「仕組み」を地域の中につくるため、様々な面 で活動を支援していきます。
ボランティア活動の様子 サロン活動の様子
(チャリティーバザーの準備)
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ボランティア育成に向けた多面的な取り組み
ボランティアは、(自由意志の、自分から進んで、自発的な)などを意味する言葉を 語源としています。自分から進んで、他人を思いやり、お互いを支え助け合う活動がボ ランティア活動であり、社会連帯の考えに立った支援活動です。
今までは・・・
社会福祉協議会の中にあるボランティアセンターには、現在、17団体(平成25年 10月現在)がボランティア登録しています。9つの福祉圏域にそれぞれあるボランテ ィア団体では、高齢者への配食・会食サービスを中心とした活動が展開されており、こ の他にも点字、手話、朗読など、さまざまな分野でボランティア活動が行われています。 ボランティアセンターでは、ボランティアコーディネーターを配置し、ボランティアに 関する需給調整や活動に関する相談などを受け付けています。
また、健康福祉センターでも、20 団体(平成25年10月現在、一部ボランティ アセンター登録団体と重複します)登録されています。
ボランティアセンターの
機能(役割)
育成・組織化
・ボランティアの発掘・育 成
・グループ作り
学習・訓練
・地域ボランティア スクールへの協力
連絡調整
・グループ間の連絡 ・関係者との話し合いなど
条件整備
・活動機材の整備 ・活動費の助成
・センター会議室の提供
情報提供
・パンフレットの発行
相談・助言
・活動を始めたい人から ・グループから
需給調整
・ボランティアを求める人と ボランティアをしたい人との 調整
今までは…
これからは・・・
一歩踏み出せる「きっかけ」づくり
「担い手としてのボランティアの存在なくして、地域福祉を支えていくことはありえ ない」といっても過言ではありません。
現状では、ボランティア活動への参加を希望している人、薄々ながらも心に描いてい る人などさまざまであり、一歩を踏み出す「きっかけ」が求められています。一人ひと りの思いやパワーが、地域や福祉の現場で発揮できるようにしていかなければなりませ ん。
これからは、社会福祉協議会のボランティアセンターの充実を図ることを最優先する とともに、地域における「きっかけ」や「誘い合い」の活性化を進めていきます。
間口の広い対応を
だれでも、ボランティア活動に参加することができます。その思いを具体化し、実現 させていくためには、行政や地域などの間口の広い対応が求められてきます。前述した 健康福祉センターでのボランティアは、センターの事業展開の趣旨に関連するボランテ ィア活動であり、その分野の活動に意欲のある人たちが登録しています。
これからは、行政内部においてもボランティアの存在と必要性を再認識し、さまざま な事業にボランティアを組み入れていきます。
ボランティア間の連携
福祉におけるボランティアは、自分自身が住んでいる地域に活動範囲を限定したボラ ンティアと、特定分野の活動ではあるものの地域・地区を限定しないボランティアに大 別することができます。後者は市域全域を活動範囲とするものもあれば、市域を越えた 活動を展開しているものもあります。NPOのボランティア活動は、まさに後者を代表 する広域的な活動であり、NPOの活動が各地域の福祉活動とどのような接点を持ち、 地域はそれをどのように受け入れていくのか、さまざまな課題を含んでいます。
これからも、ボランティア間の連携確保に向け、継続的かつ発展的な話し合いの場を 確保していくとともに、ボランティアが孤立しないシステムづくりを推進していきます。
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担い手としての民間資源との連携
本章では、地域福祉の担い手はすべての住民であり、自分にできることが発揮できる
「きっかけづくり」を地域の仕組みの一部として捉えることについて述べました。そし
て、地域にあるさまざまな組織の連携を図るとともに、リーダーや新しい担い手を発
掘・育成し、ボランティアの育成に向けた取り組みをしていくことの重要性について触
れました。
以上を踏まえ、ここでは、様々な事業者や資格を持った人の支援、いわゆる専門的な
立場にある人の担い手としての重要性と連携について取り上げます。
今までは、そしてこれからは・・・
「地域における担い手」(P56)では、福祉の様々な分野で専門的な立場の人がかか
わっていることが分かります。地域の中にある課題を解決するためには、いかに多くの
人や組織がかかわってくるかが伝わってきます。
このことは、「今までも、そしてこれからも」変わることのない基本的な部分であり、
地域との連携の重要性についても変わることはありません。
高齢者の総合相談窓口としての地域包括支援センターは、介護に関する相談だけでな
く、健康、福祉や医療、また生活全般に関する相談など、内容に応じて適切なサービス
の提供や支援を行っています。
しかし、複合的な問題に対する地域と担い手間の連携については、一部の地域での連
携に留まっているのが現状です。公助においても、老人福祉施設・児童施設・障害者福
祉施設などの施設は、その根拠となる法律が異なるため運営がまちまちです。また、情
報も施設間で共有されることもなく、困難に直面する市民を横目にどんな種類の福祉の
網からも漏れてしまう現状もあります。このことは地域も同様で、複合的な問題につい
ては、民生委員・児童委員などを通して、行政に相談するケースが数多くあります。
●・・・・・担い手間の保健・医療・福祉の連携
問題が複合化したときに問われるのが、担い手の連携であり、地域を含めた保健・医
療・福祉の連携であるといえます。保健・医療・福祉の連携の必要性は、行政内の課題
だけではありません。現場では、高齢者福祉や障害者福祉などの個別対応ではなく、総
合的な社会福祉の対応が問われることになります。
現場は、現状の福祉が課題とすることを、正直に鏡に映してしまいます。
これからは、地域における担い手間の保健・医療・福祉の連携を強化するため、拠点
施設の整備を推進し、コミュニティーソーシャルワーク体制を構築していきます。 今までは、そしてこれからは…
市内の外国人市民
(平成25年10月1日現在)
中国
492人
アメリカ
43人
タイ
67人
ブラジル
127人
フィリピン
236人
ペルー
106人
韓国・朝鮮
170人
平成25年10月現在、入間市には51か国、1,478 人の外国人市民が登録してい ます。この数字は、人口の約1%になります。5年前と比べ、ブラジルやペルーなど南 米出身の人が減少し、中国出身の人が増加しています。
市役所の外国人相談の窓口には、次のような内容の相談が多く持ち込まれます。
● 健康保険や税金、確定申告などに関する相談
● ビザ・在留資格・入管法などに関する相談
● 戸籍や転居、保育所や学校への入園・入学等の相談
● 官公庁等に提出する書類作成の依頼
多くの外国人市民は、日本の文化に溶け込もうと努力しています。日本人と外国人市 民がお互いの立場を理解し合うことが大切です。また、それぞれの個性と能力を十分に 発揮し、共に地域を支えていきます。
外国人相談窓口案内パンフレットから抜粋
入間市役所の外国人相談窓口は、10年以上の実績があります。こ れまでにあった相談は、市役所内の各種申請や届け出に限らず、税金、 結婚、離婚、住居、労働問題まで様々です。異なる文化の中で暮らす 外国人市民の立場に立って、問題解決のお手伝いをします。