剛 Ll大学大学院社会文化科学研究科紀要第31号 (20113)
内縁の死亡解消 における財産の清算 ( 1 )
Lap r o t e c t l O nd uc o n c u b i ns u r v I V a nt
古 川 理 子
FURUKAWA. Yo k o
I は じめ に
Ⅱ 内緒 と準 婚理纂
1 婚 姻予約理論 と単 !胎理論 2 内縁 の成立 と法的効果
Ⅶ 婚姻 と内縁 の解消 における財産の清算 1 夫婦 FUJの財 産関係
2 離 別脈梢 と財 産関係の括fT̲
3 死 別脈 桐 と財 産関係の酒井 4 小結
Ⅳ 相続 法上 の内緒 配偶者 の地位 に関す る沿革
1 沿範
2 小托 (以上 、本号)
V 内緒 の死 別解消 に よる財産の油割:の判例 裁判例
Ⅵ 内緒 の死別解 消 における財産の活井 についての学説
Ⅶ おわ りに
Ⅰ は じめに
内籍 とは、「社 会 的事 実 と しての 夫婦 共 同生 活体 であ るに も拘 わ らず 、婚姻 の届 出 を欠 くため に、
法律上 の夫婦 (婚 姻 配 偶者) と認 め られ ない男女 関係 」1であ り、いわゆ る妾 関係 や婚約2とは区別 されて い る3。現行民法 は、明治民法 (明民775粂)を踏恭 し届 出婚主生 を採 用 してい る (民739粂 1項)。
この規 先 に よ り、婚姻 の届 出の存否 に よって婚姻 と婚姻外 男女 関係 は厳格 に区別 され1、届 出が なけ
我襲栄 r親族剖 194貢 (有翼臥 オンデマンド版、2001年)。
婚約の成立は、将来美掛 二なろうという合意で成立 し、夫婦共同体を成立 させるように努める残務を負うが.
この推掛 二速反すると相手方は損害賠供を硝末 し得る。しかし婚姻成立の雁行は請求することはできない(耗要 前掲注 (1)189 190頁)。
太田武男 r内椋の研究j72頁 (有斐閣、1965年)。
明治民法番fJtの法典調査会で、権謀次郎起草委月は、r七百八十八紘二於テ届出 卜云ウモノガ婚姻ノ或立ノ葵祭
163
内緑の死亡解消における朗産の稚井(I) 古川理子
れ ば婚 姻 は 法律 上不 存 在 とな るO 明 治民 法 下 にお いて .挙 式 を挙 げ る な ど社 会 的 に夫婦 と して認 め ら れ て い るが 、婚 姻 届 を出 して い ない た め 法律 上 の婚 姻 と して取 扱 わ れ ない 内縁 が生 じた50 しか しな が ら、届 出婚 主 義 を とれ ば内縁 問題 が生 じるで あ ろ うこ とは、明治民 法立 案 の際 の法典調査会 の審 議 の と きに予 想 さjlで い た こ とで あ ったGo 内縁 が最 初 に間差引二な ったの はそ の不 当破 棄 の事 件 であ る。
大判 大 正4年 1月26E]民録21輯49頁 は、傍 論 で婚 姻 予 約 理 論7に よ り、摂 判 昭和33年4月11日氏姓12 巻5号789頁 は 、内縁 を婚 姻 に準 ず る関係 と捉 え る準婚 理 論8に よ り内緒 の不 当破 棄 に法的 な保護 を与 えたO そ れ 以 降 、準 婚 理論 に よ り内縁 につ いて婚 姻 に準 ず る権 利 義務 を認 め る よ うに なっが 。 内縁 は 昭和22年 の民 法 改正 で家 制 度 の廃止 に よ り減少 傾 向 にあ る とされて い るが 、近 年 、内縁 数 は減少 して い ない とす る見 解 もあ り10、重 婚 的 内縁 11、近 親 婚 的 内縁 12、事 実 婚 13、 また 、相 続 の 問題 か ら子 が 婚
二ナ ック以上ハ其質素 ヲ放イテ屠ルモノハ頼早私通デア ノテ婚姻デハナイ」 と、述べている (法務大臣官房司 法法制調査部監修 r法典調査会議牢速記録六」212頁 (商卒法務研究会、1984年))0
太田武男 r現代の内縁問識」8‑10貢 (有斐閣、1996年)、二言周平 r事実婚の現代的課磁J3‑5頁 (日本評論社、
1990年)0
太田 前掲控(3)61頁、二宮 前掲注 (5)1頁O法典調査会で土方寧氏は、届出婚三並 より旧民法人事箱47粂 の依式婚王我の方が慣習に適 しているのではないか、とくに届出婚主我 をとると.儀式 をあげて届出をしない うちに当事者の一方が他方を嫌い婚姻継続の意思 を失ったような場合はどうするのか と質問 しているが.梅謙 次郎起草委月は 「儀式 ヲ挙ゲテ置イテ後 トカラ届出ヲス)L,ヤウナコ トガア ノタラ夫 レハ ド.JJモ仕方ナイ」 と答 弁 している (法典調査会議事速記多読大 前指圧(4)185‑186頁)。
婚姻予約理論の 「婚姻予約」ない
し
「婚姻の予約」 という言葉は、婚姻外の男女関係に法的救済を与えるか ど うかが問題になった事案の処理に探 して判例上発達 してきた言J*である (t. 大EEl 前掲は (3) 4頁)a中川尊之助 r新訂親族法」340341頁 (背林世院新社、1967年)o Lか し,婚姻意 思を欠 く内緒に法律婚の婚姻 効果 を強制することは、私的自由の領域 を侵すことであるとし.内緑 に準婚理論 による婚姻法の効采を認めな いとする見解がある (水野紀子 「事実婚の法的保護」石川稔ほか棺 r家族法改正への課捌 70頁以下 (日本加 除出版、1993年)、同 「内緒準婚理論 と串実軸の保護」林信夫 =佐藤岩夫霜広中俊雄先生傘寿記念論
J j
;r法の生 成と民法の体系1625貢以下 (創文社,
2006年))a判例は不当破棄について婚姻予約理論 と嘩始理論の二元王灘に立っているとする (二宮 前掲旺 (5)11頁)o 内縁牢は、1918年 までの人口静態統計、19201925年賃勢調査の推計内緒牢 (有配偶者総数に占める内緒配偶者 の割合)か ら、男性約17%、女性的16%前後であったが、(二言周平 「El本民法の展開(3)判例の法形成 一内緒」
広中俊雄=星野英一婿 r民法典の百年11343頁 (有斐閣、1998年))現在の内緒牢は、「内縁の全婚姻に占める 割合は、今 日ではおよそ2%」 と推測されているとする (泉久雄 r親族刻 172頁 (有笠間、1997年))。 しかし, 他方で、「全体数が少ないなが らも. 婚外子出生の割合は1986年以降漸増 を続け、また20代後半か ら30代の 未婚者における r同棲]経験者は 1割に達 している といった状況か ら、内緑の数は減少 していないとみる ことがで きる」 とする見解がある (森山浩江 「現代社会 と婚姻法理」有地宇先生追悼論文娘 r変貌する家族 と 現代家族法」50頁 (法律文化社、2009年))。
婚姻関係が事実上破綻状掛 こある場合には婚姻関係の形骸化 を認め、夫の死亡による過族年金を生存内縁配偶 者に認めた (澱判平碇17年4月2】El判夕1180号171頁)。
叔父 と姪の内緒関係で厚生年金の受給権が間近 となった串案で 「社会的、時代的背祭に形成された三親等の傍 系血族閥の内緒関係については、それが形成に至った程綿、周囲や地域社会の受け止め方 反倫理性、反公 益性が婚姻法秩序等の蔑見古か ら閃電 とする必要がない程度に著 しく低いと認め られる場合には,上記の近親者 間における婚姻 を禁止すべ き公益的質講よりも逝族の生活の安定」 を優先させる特別な串情があるとして姪に 厚生年金の受給権 を認めた (叔判平成19年3月8E]民塊61巻2号518頁)a
笹根京子 r近代家族を超える‑非法律婚カ ノブJL,の声‑J42貫以下 (背木恕店、1997年)O串実始にかかわる照 判平成16年11月ユ8日判夕1169号144頁は、16年間にわたるバー トナ‑シ y7'関係を内緒 として認めていないC
rlY.JLIJ大学大学院iJ会文化科学EJJF究科紀要第31号(20113)
姫 に賛成 しないため 、や む をえず内縁 に とどまってい る高齢者 の内縁H等 ,今 日で も深刻 な内線 問題 が生 じてい る。
内縁継続 中の財 産 関係 は、準 婚理論 に よ り同居 ・協 力 ・扶助義務瀧 定 (民752粂)15が類推適用 され る こ とか ら、婚 姻 費用 分担 義務 (民760粂 )】G、 日常家事 債務 連帯 資任 (民761粂)17、帰属不 明の財産 の共有推定 (民762粂 2項)18の規 定が類推適用 されて いるO また、裁判例l') 学説20は内縁 の離 別角削肖 の財産の清算 に財産分与規定 を類推適用す る ことを認 めて いるO しか しなが ら、内縁 の死 別解消 にお ける財産 の清算 に配偶者相続規定 (民890条) を類推適用す る こ とについて裁判例2】.学説ZZともに認 めていない。離 別解 消の場合 には認め られ る財産の措辞が死亡解 消の場合 には認 め られ ないのは両者 のバ ラ ンス を欠 くうえ2㌧ 生存 内縁配偶者 に とって生活基盤が害 され る重大 な問題 となる.
確 か に,内縁 が婚姻 と同 じ共 同生活 の実態があ る と して も婚 姻届が出 されていない限 り法律婚主立 の もとで は法律 上 の婚姻 と全 く同様 に取 り扱 うこ とはで きない。ゆえに、立 法論 的 には内縁 の解 消に おけ る財産 の播壬‡の ための何 らかの方策 を探 るべ きで ある と考 える21。 しか し、現行 法 にお いて男女 カ ップルの死 別解 消 に よる財産の措辞 は民 法890条 の配偶者相続規定 のみであるが 、相続 人の明確化 ・ 婚姻の統 制等 の要 請 を改 めて、婚 姻届 の ない内縁配偶者 に配偶者相続規定 を類推適用 するこ とは困難 であ ろ うo Lたが って 、相続権 は認 め られ ない と しで も生存 内縁配偶者 の道産 にあず かる権利 ない し 地位 を認 め るための理論構成 の必要性 や可 能性 が指摘 されてい る2''O
‑方 、夫婦 財 産の 別産別 を規 定す る民 法762条 は純粋 な別産別 ではな く、婚姻 中に夫婦 で協 力 して 得 た財産が一方の配偶 者 の単独名義 であ る場合 で も、それ らの財産は実 質的 には共有 と解釈 され、他 方配偶者 の潜在 的持分が含 まれてい る とす る。 その他方 配偶 者 の潜在 的持分 は婚姻脈 消のr:,4,3日こ顕在化 させ 措辞 す る こ とにな り、その 括非 は財産分与規定 お よび配偶者相 続規 定で な され る とす る2‑】。 この
利谷倍燕 r家族の法11L19貫 (有斐臥 第3版、2010年)0 棟浜地利昭和47年 8月7日判夕286号271貢0
倍判昭和33年4月11Ef民炎12巻5号789頁O
青森地八戸支判昭和36年9月15日下民炎12巻9号2323頁C 福岡地利昭和30年9月29El下民典6巻9号2058号O 東京家蕃昭和31年7月25El家月9着10号38貢O 我襲 前 掲 注(1)207頁。
仙台家審昭和30年5月18日豪月7巷7号41貫O
我架 前掲娃(1)205頁、浅井晒信 「内緒 と相続権
」r
家族法大系n
333貫以下 (有斐臥 1959年)、中川醤之 助=泉久雄 丁相続法」129貫 (有斐r割、第4版,
2002年)、仁平政夫 「内緒の夫用の一方が死亡 した場合の財産 分 与 請 求権」家月37巻9号ユ51頁 (1985年)a窪EEl充見 「婚姻外の婚姻みたいな(?)関係 一婚姻法外伝」法教338号17頁
(
2008年)0 鈴木禄弥 r相続法講艶17頁 (創文社、改訂版、1996年)a太田武男 r家族法の理論と展剛 220頁 (一粒社、1988年)C
有他事 「夫婦財産制に関する一考葬」法政32番2≡6号703頁以下 (1966年).大村致志 r家族法」61頁 (有斐臥 第3版、2010年)、桶陽子 「配偶者相続柾」林良平=甲斐道太郎霜r谷口知平先生追悼論文Jjtl家族法」377貢 (信
実務体系3」19頁 (新 日本法規出版.2008年)、澱大判昭和36年9月6El民娘15巷8号2047貫0
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内接の死亡解消における財産の梢井(1) 古川博子
ように夫婦財産の清算 は夫婦の財産関係 と密接 に関係 してお り、それぞれを切 り離 して考 えることは で きない とされるO内線 の場合 も、内縁の財産関係 において婚姻の財産関係が類推適用 されているた め27、内縁 の財産関係 について も婚姻の場合 と同様 に考 え得 る。つ ま り、内縁者双方が協力 して取得 した財産が一方の内縁配偶者の名義である場合 で も、それ らの財産は実質的には共有 と解 され、その 共有財産の潜在 的持分 は、内縁の解消のl:,崇に清算 されることになる2㌔ そのため、内縁の離 別解消の 財産の清井 については財産分与規定の類推適用が許 されている。 しか し、内縁の死亡解消による清算 については配偶者相続規定の類推適用が許 されない とす る と、生存配偶者の持分である財産が相続財 産 として死亡内縁 配偶者の相続人に独 占されることにな り、生存内縁配偶者 にとって共有財産の自己 の持分が末猪井である とい う不 当な結果 を招 くことになる。
この間題 を考 えるにあたって、婚姻の死別解消の場合 に配偶者相続規定で夫婦の共有財産が清算 さ れるならば、内縁 において もその共有財産の措許が為 されなければな らないと考 える.ゆえに、内務 の死別解消の財産の措辞が婚姻 と全 く同 じではない として も、内縁 の死亡解消時に内縁カ ノプルの「共 通財産a)を椿許 し、実質的に内縁 の安の所有に属す る ものはその所有 とす」3)るべ きであ り、その理論 構成は必要である と考 える. したがって、内縁の死別解消 における財産の措井の理論構成 を検討する ためには、内線 の財産の清算日ま内縁の財産剛 系と密接 に関連 してお り、その内緑の財産関係は準婚理 論 によ り婚姻の財産関係 を類推適用 しているため、婚姻の財産関係か ら検討す る必要があるO
以上の ような問題意識 に基づいて、夫婦財産制お よび財産分与 、配偶者相続 について婚姻 と内緑の 場合 をそれぞれ把握 検討 し (Ⅲ)、相続法上の内線配偶者の地位 に関する沿革 を分析 し (Ⅳ)、次に 内縁 の死別解 消に よる財産のiJG'井 についての判例 学説 を分析 検討 した うえで (V Ⅵ)、内縁の 死亡 による解消による財産の措辞 をどの ようにす るべ きかについて考察す る。
なお、紙幅の都合上 、重婚的内接 の死別解消における財産の酒井の場合の法律婚 と内縁の財産関係 の鏡合 とい う問題は除外するo
Ⅱ 内緑 と準婚理論
内縁 の死別解消 による財産の清算 を考察す るにあたって、内縁が生 じた理由 と内縁 を婚姻 に準ずる 関係 と認めることで内縁 関係 に婚姻の規定が類推適用 されるに至 った ことを位初 に検討する。
27 前掲旺 (18)福 岡地利昭和30年9月29日。
28 我穿 前掲 任(1)203頁Q
‑ 〜
「共通財産」と 「共有財産」とは内容を異にするが、我姿教授の言われる 「共通財産」は.「共有財産」のこと であろう (伊藤昌司 「法制審身分法′ト蚕の1975年 (昭和50)中間報告と夫婦財産 r共有制」」中川浮先生古希祝 iin論典
r新世紀へ向かう家族法j139頁以下 (日本加除出版、1998年))。30 我索 前掲任(】)205貫0
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剛1r大学大王IL'f院社会文化科学研究科紀要第31号(20113)
1 婚姻予約理論 と準婚理論
明治民 法 は婚 姻の届 出主 義 (明民775粂) を採 用 したが 】、婚姻届 の浸透 に時 間がかか った こ と32、 かつ、以下 の理 由で婚姻類似 の共 同生活があ るが婚姻届が ない ことに よる内縁 が発生 す ることにな っ た。 その理 由は33、婚 姻の届 出が家制度 におけ る戸籍 へ の入籍 とい う家 の一月 に なる地位 の取得 とか かわ るため跡継 ぎを懐胎 す るまで嫁 と して認 め ない、あ るいは家風 に合 う嫁であ るのか分か る まで姑 姫の届 出 を しない とい う伝続 的婚姫慣 行に よるこ と、 また、婚姻に父母の同意が必要である こと (明 民772粂)ユー、戸 主の同意が必 要であ ること (明民793粂)35、あるいは法定推定家督相#L人36の主家禁止 (明 民744粂)37等 の婚姻 阻害事 由に よるこ とが挙 げ られ る。 さらに、婚姻届 をす るこ とに関心 が薄い社会 層があ った こ とに加 え、当時 の届 出制度が利用 しに くい もの であ った ことも婚姻届 を出す こ とが少 な か った理 由 と して挙 げ られ る38。 この ように、当時、内縁 は不可避的 に生 じる こ とにな り.主 に社会 的弱者 であ る女性 に対 して他方内縁 配偶者 に よる不 当破 棄 とい う深刻 な問題が現 れた。
しか し、旧民 法の依式姶主糞 が39明 治民法で届 出姶 主務 に改 め られ る ときに、内縁 間笛 が生 じる可 能性 があ ることは明治民 法の立 案参画者 に も予想 されていた ことであ った。 そのため 、内縁保護 の出 発点 とな った前 掲大判大正4年1月26日は、傍論 で貼姻予約理論 に よ り正 当 な理 由 な く予約 を破棄 し た者 にはイri務不履行 の貸任が成立す る と した。 しか し、当時 の学説 は、婚姻予約理論が婚姻の予約 が 有効 か を間道 に していたにす ぎな く、事 実上 の婚 姻夫婦 に法律 上の効果 を与 えるには無力である と し て、内緑 を准 始 と して婚 姻 に準 じた法律 関係 を認め る嘩 舶fB!E諭 を捉 唱 していた40.前掲木を判 lla和33年
4月11Elは、畔 船型論 に よ り内縁 の一方的 な不 当破棄 の不 法行剃 こ韮づ く損害賠償il任 を認めたC そ の後、法維舶 主苑の建前 を維持 しなが ら確 始f理絵 に よる内縁 の法的保護 を図 り、社会保 障の分野 で もE 内線 配偶者 の労務 災害 に よる遺族補償の問題等 を解 決 してい った4L0
旧民法は.婚姻は慣習上の俵式をあげることによって成立 し (旧民43粂)、届出は婚姫の成立を確認する (旧民 49粂)横式婚主菜を採用 している (青山道夫=有他事 r新版注釈民法 (21)親族 (1)J158貢 〔菅山道夫 有他 辛)(有斐臥 2004年
) )
a席鎌次郎起草委月は、「段々其儀式ヲ挙ゲル日二届出ヲス)L,ト云フコトニ為ラウ ト思ヒマス」と届出が没透して いくことを想定 していた (法務大臣官房司法法制調査部監修 前掲ぽ(4)186頁)。
1923(大正12)年、京都の西陣地区を調査 した老親、内緒関係は一方の内緒当事者が戸王や法定推定家督相続 人が29%、戸主の不同舌が128%、出産持ちが81%であ り.この3つで約半分が r家」制度の規定によるもので、
殆 りの半分が婚姻届のaE関・Llによる (中島玉音 「内拝の美好に就いて」法学論叢10巻 3号4貢)。
明治民法772粂 r子力婚姻ヲ為ス二ハ其家二在ル父母の同恵ヲ特JI,コ トヲ要ス但男力演三十年女力講二十五年二 速シタル後ハ此駅二在ラスム
明治民法750粂r家族力婚姻ハ又養子片親ヲ為スニハ戸主ノ同恵ヲ特ルコトヲ要ス」。
法定推定家骨相琵人とは将来その家の戸王を耗ぐとされる人をいう (谷口知
手
rEl本親族法1149貢 (信山社、校則版.1988年))。
明治民法744粂 「法定推定家督相請人ハ他家二人1)又ハ一家ヲ創設スルコトヲ
待
ス」。 二宮 前掲注(5)3‑5頁。太田 前掲注(3)49頁。
中川 前掲往(8)340頁。
社会保障においては.現実の夫婦共同生活を対象とする必要性が高いため,「配偶者」の枠を広げ内緒配偶者の
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内緒の柁亡阜宇消における財産の楕井(1) 古川理子
昭和22年民 法改正 で明 治民 法の届 出主義 を糟襲 し婚姻 の届 出 を成立要件 (民739粂) と したため12、 当初 は戦前 と同 じよ うな内縁 間額 が生 じた。 しか し、家制度が廃止 され婚姻 阻害事 由が な くなった こ とと婚姻 の届 出制度 の普及等 に よ り、近年 、内縁 は減少 して いる とされ るが、減少 してい ない とい う 見解 もあ り、重婚 的内縁 、近親婚 的 内縁 、あ るいは意識 的 に婚 姻届 を出 さない事 実婚心の問題 、 また、
高齢者 の再婚 につ き、相続 の問題 か ら子が婚姻 に賛成 しないためや む をえず内縁 に とどまっている と い う深刻 な問題が生 じている.
2 内縁 の成立 と法的効果
法律婚 の成立 は、実 質的成立 要件 と して婚姻意 思 (民742粂)11が あ るこ と、婚姻障害 (民731‑737粂) が ない こ と.形 式的要件 と して婚姻 の届 出 (民739粂)が あ る ことが必要であるo
準婚理論 に よる内縁 の成立要件 は、主観 的要件 と して当事 者 間に社 会 的観念上 の夫婦共 同生活 と認 め られ る よ うな関係 を成立 させ ようとす る 「婚姻意思」 が必 要で あ る とす る
4 5 0
しか し、婚 姻意思の 認定 については、挙式等 の慣 習上 の婚姻憐礼の有難 妊娠 の有無 性 的関係 の継続性 ・家族 の絹介等 か ら認 定 され婚姻 意 思 はか な り広 く捉 え られ てい る よ うで あ る̀u'O客観 的巽 件 は、「当事 者 間 に社 会 観念上夫婦 的共 同生 活 と認 め られ る ような共 同生活の事実 が存在」47してい ることであ るoつ ま り、内 緒 は婚姻 の届 出が ない事 実上 の カ ップルの問題 であ るため共 同生活の実体が存在 しているこ とが必要 であ り、一 般的 に関係 の安定性 と継続性 を示 す同居 が一定期 間継続 して いることに よって証 明 されて い る1日。 また,重婚 的関係 と近親婚 的関係 は、公序良俗 の観 点 か ら問題 があ る と して内縁 保護 の限界避族扶助料 家族手当等を支給 している。大正12年改正の工場法15条は、避族補旧の受給権者に.「本人ノ死亡 ノ当時其ノ収入二依 り生計ヲ維持ンタ者」を加え、内緒配偶者を保護 した (二宮 前掲注 (5)21‑24頁、太田 前掲任(5)25‑27貫)0
起草委員会第‑事案検討会で、婚姻の届出は、療法の当部署の合悪で成立するという規定 (態法24粂)に違反 するのではないかという疑問が一部にあったと述べている (我袈栄婿 r戦後における民法改正の権過」32頁 (日 本評論社、1956年))a
拙稲 「串美姫の法的保護と内縁保護法理についての一考察」岡山大学大学院社会文化科学研究科紀要27号41頁 以下 (2α)9年)a
婚姻意思について実質的蕃取説と形式的意思説の対立があり、実質的意思説は、「共に社会上夫婦であると認め られる関係を設定を欲する効果意思」と届出意思を婚姻意思とし、形式的意思説は、届出悪賢を婚姻怒恩とす る (深谷松男 r現代家族法」42頁 (背林野院、第4版
、
2(氾2年))o内縁の婚姻意思に届出意思まで含めることになれば、重女郎勺内緒以外は届出可能であるのに届出をしていない ので、婚姻意思がなく内緒ではないということになるo内縁は現実に起 きた共同生活関係に対する法的保護の 間近であるから届出書巴まで巽求するのは、内緒保護法理に反するとする (二宮周平 r串英婚」20頁 (一粒社、
20024))
=苫 前指圧(45)22頁 (一粒社
、
2002年)0 耗穿 前掲旺(1)198頁。ただし、挙式など慣行上の供礼があれば.‑か月に満たない同居でも内緒の成立が認定されている場合もある(千 乗地佐倉支判昭和49年7月15[]交通民輿 7巻4号1026貢)。
l判L11大学大学院祉会文化科学研兜科紀要第31号(20113)
とされて きたが、近年 、判例 は婚姻 関係が事実上祉楯状掛 こあ る場合 には重婚 的内縁 の成立 を認 め19、 近親婚的内縁 に対 して も内縁 の成立 を認 め られ50婚姻障害 につ いては緩和 されている。
また、準 婚理論 に よ り婚姻 法 の効果 であ る同居協 力扶 助 義務 (民752粂)51、貞操 義務51'、婚 姻 費用 分担義務 (民760粂)L3、日常家事債務連帯賛任 (民761粂)51、共有財産 (民762粂 2項)55、財産分与 (氏 768粂)5'Jの規 定 の類推 適用 が認 め られて いる. しか し、夫 婦 同氏 (民750粂)57や姻族 関係 の発 生 (氏 725粂)、成年擬 制 (民753粂 )、子 の嫡 出性 (民772粂)SB、配偶 者相 続 規定 (艮890粂)59の類推 適 用 は 認 め られていない。
内縁 の解 消におけ る財産の活弁 を検討す る うえで、 まず婚姻 夫婦 の財産関係 を検討 す る必要が ある。
その理 由は以下 の とお りであ るo婚姻 中に夫婦双方の協 力 で形成 された財産は、婚姻解 消の場合 に財 産分与 お よび配偶者相続 に よって括井 され る。 そのため、夫婦財産関係 、財産分与 お よび配偶者相続 の規定 は互 い に密接 な関連 があ る と考 える00O 内縁 の財 産 関係 も準婚理論 に よ り法定財 産制が類推適 用 されてい るため、内縁 解 消の財産の措辞 も内梓 の財産関係 と密壕 に関連 してい る と考 えるか らであ る。 そのため、次章 では、内縁 中の財 産関係 お よび離 別 死 別脈消 における内縁 カ ノプルの財 産の清 算 を婚 姻の場合 と比較 し、内縁 の死 別解 消における財産の描井 につ いての脈決の糸 口 を検討 してい く
こ とにす る。
Ⅲ 婚姻 と内緑 の解 消 にお ける財産 の清算 1 夫婦間の財産関係
川 婚姻夫婦 の財産 関係
婚姻夫婦 の財 産関係 は61,夫 婦財産契約 (民755粂) と法定財産制 (民760‑762粂)か らなるが 、婚
前掲任(ll)1Tx判平成17年4月21日C 前掲注(12)叔判平成19年3月8日o 前掲注(15)横浜地利昭和47年8月7日O
大判大正8年5月ユ2日民事最25輯762頁、東京地利昭和33年12月25El家月11巻4号107頁O 前掲注(16)頼判昭和33年4月1ユEIo
前掲注(17)青森地八戸支判昭和36年9月15E]o 前掲注(18)福岡地判昭和30年9月29El. 前掲任(19)東京家審昭和31年7月25日。
札幌高決昭和41年10月18日家月19巻 4号72頁O 茄判昭和29年1月21El民脆 8巻 1号87頁。
前掲法(21)仙台家審昭和30年5月18日。
有地 前掲任 (26)703頁以下。
日本の澱初の夫婦財産剛は司法省明法寮の民法草案 (明治5年)のフランス民法の条文を模倣した所得共通制 であるOその後、民法草案獲得椙第2部第一草案 (明治21年10月頃)は,法定財産刑として所得共通制を採用 し (同1842粂)、所得について夫婦は共通財産の共有者 (同1845粂)とされ、要は所得の半分について権利を有 するとされていた (同1896粂)a Lかし,輩は共通財産の管理だけでなく特有財産の管理権もない (同1868粂)。 このように、民法草案雑得稀第2郡第‑草案に所得共通別を採用 した理由は、分離 しえない夫婦の労働による 所得に配分を受ける連を開き.計 りがたい婆の家事労働を評価する古を挙げる。1日民法では、法定財産制とし
169
内きまの死亡鮒 削こおける財産の稲井uJ 古川理子
姻前 に夫婦 財産契約 が な され ない限 り法定財産制が適用 され るO法定財産制 は、夫婦 の財産の帰 属 と 管理 に関 して は別産別 (民762粂 1項 ) を採用 し、帰属不 明の財産 について は夫婦 の共有 (民762粂 2 項) とす る。 また、婚姻 中に生 活す る費用 に関 して は婚姻 費用分担 義務 (民760粂)、 日常家事債務 に つ いて は 日常家事債務 の連帯資 任 (民761粂)の規定 を設けているQ
現行 法上 の 別産制 は62、明 治民 法が採用 して いた妻 の特有財 産 に対 す る管理権 や収益椎 が夫 に帰属 す る とい う管理共 同制 を廃止 し、財 産上 の夫婦 の形式的平等 のために採用 された。別産別 を定 め る民 法762条 1項 は、夫婦 の一 方 が婚 姻前 か らもって いる財 産 また は婚 姻 中に 自己の名義 で得 た財 産 は、
各 自の特有 財 産 とな り各 自に帰 属す る。 この別産別 の もとで は、「夫が稼 いだ もの は夫の もの 、秦 の 稼 いだ もの は奏 の もの」63となるo Lか し、共稼柏 で夫婦が 同等 に収入 を得 ている場合 は問題が ないが、
主婦姫 の場合 で専業 主婦 に出硝 す る資力が ない とき、夫 の収入やその収入 で購 入 した財産は夫の特有 財産 とな り夫 に帰属す ることに なるO 他方で、豪 の家事 労働 や育児 は夫婦財産の帰属 には反映 され な いため 、専 業 主婦 に とって別産別 は不利益 をもた らす結 果 となるGL。したが って、別産別 は、婚姻共 同生 活 を営 む夫婦 とい う関係 の失態 に対 す る配慮 に欠 ける結 果 、夫婦 の財 産上 の独 立 を実質的 に十分 保L箪す る こ とが で きて いないのであ る。
そのため 、通 説rLjは、奏の経 済的 自立 が なおEEZ維 な状 況 の下 で夫婦 の平等 を達 成す るため に、家事 労働 を評価 し別産別か ら生ず る不 合理 を是正 す る必要が ある とす る。具体 的には、別産制 を原則 と し つつ も民 法762粂 2項 を拡大解釈 す る こ とで婚姻 中に夫婦 の協 力 に よって得 た財産 は実質的 に共 有 と 推定 され る と して解決 を試 みてい る。す なわ ち、夫婦 の財産の帰属 を三種類 に分 け、第‑ は、婚姻前 か ら所 有 していた もの、婚姻 中に各 自が相続 あるいは第三者 の贈与 で収得 した もの を特有財産 とす る。
第二 は、名実 ともに共有 に屈 す る もので、共 同生活 に必要 な家財 ・家具類等 を共有財産 とす る。第三
て管理共同別をとり、姿に対 しての特有財産の所有を詑めるが.夫は架の特有財産を管理 収益 し、また変の 労働による所得をも取得する夫の全面管理に委ねるC (旧民財取箱435条,428粂)。明治民法807条は、旧民法の 435条に実質的に帽正を加えずに条文化された (青LLJ‑有地 前掲注 (31)459貢 〔有地享〕)a
別産別は.「歴史的には共通制に対抗する制度として登場 したdソビエ トにおいてロシア革命直後1918年法の別 産別は帝政時代の家父長制家族を打破 し、夫の家父B:権からの安の開放を目指 して形式的な男女同権の原理に 実現 を期 したものであったが、やがて、共通制への転換を余儀なくされ、別産別はそのままの形ではLP和しえ なかったという歴史的事実は、別産別は一つの財産刑度と言 うよりも.姿の血能力制度の廃止の夫婦の財産関 係‑の投影として見るへき」であるとする見解がある (有地 前掲圧(26)675頁)a
二宮周平 r家族刻 67頁 (新世社、第3版,2010年)C
常山=有地霜 前掲旺 (31)463‑464頁 〔有地
平
〕。しかし、別産別だけ問題ではないとして,「夫婦riElの抽象的 形式的平等は具体的 実質的に不平等を実現するという別産別に内包される矛盾は、実は別産別そのものの中 に存在するのではなく.姿をめ ぐる現実の社会的経済的吉名条件にあるoつまり、姿が家事労働に従卒するにも かかわらず、それが夫の生産労働と同一に評価されないという現実の社会的、経済的条件にある」とし、その ため、「姿の鮒 芥の家串労働を実質的に生産労働と同一に評価すべ き法的措置を沃 じ、家族内部にたいする男女 同権の原理の貫徹を実質的に保EB̲する以外」ないとして、夫婦間の実質的平等 を実現するためには.夫矧 ZIlの 財産の帰属に関しての変の地位の独立の二面性を識別 して解決する方向を採 らざるをえない」とする見朋があ る (有地 前掲任(26)688頁)。耗姿 前掲注(1)102 103頁、育LLJ=有地婿 前掲任(3ユ)463‑464頁 〔有地宇〕。
同日LJ大学大学院社会文化科学研究科紀要第31号 (20113)
は、婚姻 中に夫婦が協力 して取得 した財産であるが、一方の名義になっている不動産、動産、有価証 券等 は、実質的には共有財産に属するとする。 なお、実質的 な共有財産は、婚姻中は対外的に取引の 安全か らその名轟人の所有 に属す る もの として取 り扱 われる払O この実質的な共有財産の潜在的持分 は婚姻 中には顕在化せず、「離婚の際 には当然精算すべ きであ り、配偶者の死亡の場合に も道産か ら 控除 して、他の配偶者 に取得 させ るべ きであるQか ように して、は じめて、夫婦の平等 な立場におけ る協力扶助の理想 を裡清的な面 まで貫 くことになると考 える」67とする。
また、最大判昭和36年9月6日民塊 15巻8号2047頁は、夫婦財産の家事労働の法的評価の問題 に関 して、昭和32年の所得税の確定 申告 にあた り、夫が得 た所得 は妻の協力に よって得た所得 としてそれ ぞれ折半 して夫 と妻の所得 として申告 したが国税局が認めなかったため、夫が別産別 を裁定する民法 762粂1項 は、宕法24条 に遥反す ると王張 した事案がある。r蔭高裁 は、「配偶者の一方の財産取得 に対 しては他方が常 に協力寄与す る ものであるとしで も、民法には、別に財産分与請求権 、相続権 ない し 扶養請求椎等の権利が規定 されてお り、右夫婦相互の協力、寄与 に対 しては、これ らの権利 を行使す るこ とによ り、結局において夫婦間に実質上の不平等が生 じない よう立法上の配慮がな されている」 ため、民法762粂 1項 は怒法24条 に違反 しない と判示 した。つ ま り、民法762条は純粋 な別
産
別ではなく、婚姻 中は配偶者の財産は分別 されるが実質的に共有 と解 され、他方配偶者の潜在的持分は、婚姻 の解 消の際 に財産分与規定お よび配偶者相続規定に よって酒井が なさjIIることになる砧o Lたが って 財産分与 と配偶者相続の間には実質的な共有財産の措辞 とい う共通 した性質があ りそjlは夫婦財産制 との関係 に由来す る とす る69。 ゆえに,夫婦財 産関係お よび財産分与規定、配偶者相続親走 を全体的 に とらえる必要があるⅧ。
(2)内縁 か ノプルの財産関係
内縁 カ ップルの財産関係 は、当事者間の合意に よる規律 が可能であ る。 しか し、特別の合意がない 場合 には準婚理論 に よ り同居 協力 扶助義務規定 (民752粂)が認め られているため、内線 カ ノプ ルの共 同生活の焚用 は、婚姻の場合 と同様 に扱 うべ きとされている7Lo また、婚姻於用分担菟掛 二つ いて、「夫婦 は、その資産、収入その他一切 の事情 を考慮 して、婚姻か ら生ずるT2用 を分担する」 (氏 760粂) と規Iた されているため、内縁 の共 同生活 における焚用 も同様に考 えられ、婚姻費用分担義務Jl 規I7JEの類推適用が認め られてい1 る720 また、 日常家事イ111務の連帯安 住については 「夫婦共同生活体が
大阪高判昭和48年4月10E]判時710号61貢。
我姿 前掲珪(1)103頁O 前掲旺(26)参昭。
青山‑有地箱 前掲控 (31)395頁 〔有地芋〕.中川 前掲撞(27)19頁o 大村 前掲注(26)60頁。
我輩 前掲圧(1)201頁。
前掲圧 (16)叔判昭和33年4月11日。
内緒の死亡脈梢における財産の精井(1) 古川項子
社会の取引関係 において も一体 として取 り扱 われる事情 に即応するものであるが、内線 について も同 様に取 り壊 う十分 な理 由があるのみ ならず、これ と取引す る第三者 に とって も、その期待 に副 うこと になる」73として、日常家事債務の連帯安任規定 (民761粂) も類推適用 されている7㌔ さらに、内縁 カッ プルの各 自の特有財産 (民762粂1項)が認め られることは勿論であるが、共有推定規定 (民762粂 2 項) も認 め られている75。 しか し、一方で、内縁 当事者が呉服店 を経営 し相互の協力で不動産を購入 した事 案で、民法762条の類推適用 をせず に、事実関係 か らその不動産 を共有財財産 と認定 し、二分 の‑ について内線 配偶者 に権利 を認めている ものがある760他方、内縁 「夫婦のいずれに尻するか明 らかでない財産につ いての共有推定 (民762粂 2項) も同様 に解すべ きである。 けだ し、内縁に入 っ てか らの取得 した財 産については、形式的名義だけで特有財産 とすべ きでな」77く、「内縁の夫婦 にお いて も,その経済的基礎 は協力 して築 きあげてゆ くものであ り、そ こで取得 した ものはすべて実質的 な共有 とみ るべ きだか ら」7
8
であ ると見解がある79. したが って、婚姻の場合 と同様 に、内縁 中に内縁 当事者が互 いに協力 して取得 した財産は民法762粂 を類推適用 されるため、実質的な共有財産 とな り、内縁 の解消の際 にその潜在的持分が酒壬‡されると考 え得 る0
2 離別解消 と財産関係の清算 (1) 離婚 と財産分与
婚姻 の離 別解 消に よる離婚給付制度は、協談離婚 を した夫婦 間で財産分与 を行 うことを定めてお り (民法768粂 1項)、同条 は裁判上の離婚 の場合 に も準用 される (民771条)O また、当事者間で協講が 調わない とき、又 は協議がで きない ときは家庭裁判所 に対 して協議 に代 わる処分 を請求することがで きるが 、離婚 の ときか ら2年 の除斥期 間が定め られている (同条2項)。 さらに、家庭裁判所が財産 分与 について決定する際の考慮要素 として 「当事者双方がその協力 によって得 た財産の餅その他一切 の事情」 (同条3項) を挙 げているが、この点につ き、財産分与の法的性質お よび内容が条文上明確 でない とす る指摘がある細Oそのため、財産分与 の法的性質 をめ くって談論があるO通説81は、財産 分与 の内容 は、婚姻 中に夫婦が協力 して形成 した共有財産の措辞である括許的要素 を中核 とLu、そ
我変 前掲任(1)203頁。
前掲旺(17)青森地八戸支判昭和36年9月15El。 前掲旺(18)福岡地判昭和30年9月29El。 大阪高判昭和57年11月30日豪月36巻1号ユ39頁。
水辺芳郎 「内緒における財産関係」高梨還暦記念 r婚姻法の研究 (下)」41頁 (有斐臥 1976年)o 我安 前掲仕(1)203頁.
東京地判平成4年1月31日判夕793号223頁O
立法の際、起草者の間で財産分与の性質をあまり論 じなかったとされる (耗褒栄ほか 「親族法の改正」法時31 巻10号30頁 (1959年))0
我斐 前掲旺(1)154頁o
Lかし、水野教授は、財産分与の中核は扶養であるとする (水野紀子 「雑婚給付の系譜的考案(2完)」法協 100巷12号2210頁 (1983年))。
f珂LLJ大学大学院社会文化科学研宛科紀要第31号(20113)
れ以外 に、龍婚 後の生 活保障である扶 養的要素 と慰謝料 的要素がある とす る830
清算 的要素 には、別産別 に よる妻 の財 産の帰属 に婚姻 を生 活維持す るための秦の無償労働が直接結 びつ け られ ない不都合 を、離婚の際 に是正 して清算す るこ とが認 め られている。 したが って、共同生 活 を維 持 す る収 入 を夫 だ けが得 て いた場 合 で も、夫婦 が協 力 して取得 した財 産が いずれかの名義 に なっていた場合 で も、それ らは実 質的な共有財 産 とな り他方配偶者の潜在的持分 を清算す ることにな る。扶 費的要素 とは、離婚後経 済的 に困窮す る他方配偶者 の生計 を維持す るための扶養料的 な もので あ る81。 しか し、財産分与 は 「系 譜的 ・沿革 的 には、雑婚配偶 者 に対 す る扶養 に関す る規定 と して発 展 して きた ものであ」85り、本来 の根拠 は扶登 とみ られ る とす る見解 があ る鮎o慰謝料 的要素 は、離婚 自体 を原 因 とす る精神 的苦痛 に よる慰謝料 であ る87。
財産分与 の対象 になる財産は、各 当事 者の特有財産 を除外 した実質的 な共有 財産が該当す るが、具 体的 には、不 動 産 .動 産 有価証券 、年金恥等が挙 げ られ るO しか しなが ら、現行 法上 、離婚時の夫 婦財産の椿井 につ いて具体的 な安定基準 の定めが ない. その ため、平成8年 、法制審訊会民法部会 は、
「民 法 を改正 す る法律案 要綱案 」の 「第六 の二
3
」 で,離婚 の夫婦財 産 につ いて 「家庭裁判所 は、離 婚後の当串 者 間の財政上 の衡平 を図 るため、当事 者双方が その協力 に よって取得 し、 または維持 した 財産の額 及 びその取得 又 は維持 につ いての各 当部 署 の寄与 の程度 、婚姻 の期 間、婚 姻 中の生 活水準 、 婚姻 中の協 力 及 び扶助 の状況 、各 当事 者 の年齢 、心 身の状 況 、職業及 び収入 その他一切 の事情 を考慮し、分与 させ るべ きか どうか並 びに分与 の額及 び方法 を定め る もの とす る。 この場合 において、当事 者双方が その協 力 に よ り財産 を取得 し、又 は維持す るにつ いての各 当事者 の寄与 が明 らかでない とき は、相等 しい もの とす る」め (民768粂関係) と し、いわゆる 「二分の一 ルール」Lカの改正 を捷言 している。
財産分与の内容は,夫婦財産の酒井 扶薮 慰謝料であるとする包括説が支配的であるが、財産分与は夫婦財 産の括算 扶変であるとし、慰謝料は別のものであるとする限定説もある (大村 前掲任(26)156頁)。 高橋朋子 「財産分与吉打求権」民法の争古325頁 (2007年)。扶輩料について、新たな緋 古から接輩幾枚を基礎づ ける学説があ り、杜始がもたらす生活粂件の不均衡を解消するのが扶輩科であるとする見解 (水野 前掲注(81) 22目貫)と、扶碇料は、一方配偶者が婚姻によって失った機会の損失補填だとする見解 (鈴木範次 r離婚給付 の決定基準」244頁 (弘文堂、1992年))がある.これらの考え方は、搬婚給付が少ないがゆえに、婚姻が破綻 しているにも拘わらず架が離婚に踏み切れないでいるという問砥恵言放が背恩にあるとする (内EEl廿 r民法Ⅳ親 族 相続」127頁 (東京大学出版、補訂版.2004年))。
太EB 前掲任(3)206頁C 水野 前掲注(82)2151頁以下。
慰謝料については、離婚の原因となった有安行為に因る精神的苦揃に対する不法行為に因る慰謝料もある。
名古屋高利平成12年12月20E]判夕1095号oなお,2004年厚生年金保険法が改正され
、
2007年4月1El以降に雑 婚成立 した場合、夫婦の合意等により、婚姻期間中に生 じた厚生年金受給権を按分割合 (上限二分の一)で分 割請求できることになった (fg̲年78条の2以下)。ただし、事実婚については、「婚姻の届出をしていないが事 実上婚姻関係 と同株の事情にあった者について、当該邸憎が解消 した場合を除 く」とされている (将卒78粂1項)。 法別審議会民法部会 「民法を一部改正する法律案要綱案」ジュリ1084号127貫 く1996年)o財産分与の二分の一ルーJL,は、昭和55年の配偶者相続分の改正以絞.二分の一とする裁判例が増えており、少 なくとも平成以後は、数判所では、特段の事情がない限 り専業王婦の場合でも原則として二分の一ルールの分 与を認めることが支配的になり、かなり走宕 しているとする (沼田幸雄 「財産分与の対象と基準」野EEl愛子宿 r新
】73
内緑の死亡脈消における財産の柏井目) 古日f輝子
この ような改正 案 は主婦楯 の場合 の家事労働 な ども念頭 に置 き、夫婦が協 力 し形 成 された夫婦財産の 夫婦平等 とい う概 念 か ら二分 の一 とい う基準 を打 ち出 した と説明 される tJl.
なお、財産分与 の 申立 て裁判 が保属 した後 に他方 配偶者 が死亡 した場合 、財産分与請求権 は雑婚 と い う事 実が存在 す る ことで当然 に生 じるため、相続 開始時 に財 産分与請求権 の存 否 ・額が確定 してい な くて も財 産分与 義務 は相続 人 に承継 され る こ とになる9㌔
(2)内縁 の祉 別解消 と財産分与
内縁 の触 別解 消に よる内縁 カ ノブJL,の財産 の措辞 につ いて は、準婚理論 に よ り民法768条 の財産分 与規 定 を類 推適 用 す る こ とが裁判例93 学 説91で認 め られて いる。 財産分与 の趣 旨が財 産の清算 、離 婚 後の扶亜 お よび慰謝料 であ る ことを考慮す る と、婚姻 と内縁 で区別す る理 由が ないか らであるo L か し、扶 輩 において は内縁 当事 者が内縁解 消後 に収 入 を得 ている ことは財産分与額の算定 において減 額事 由になる とされ る95。財産分与 の対象 になる財 産は、婚姻 と同様 に考 え られて いるEX'。 ただ し、「離 婚 の時か ら二 年 」 とす る除斥期 間 (民768粂2項 ) は、内緯 解 消の時点があ い まい となるため,除斥 期 間の起臥 卓が不 明確 とな り除斥期 間の起算点の立証 において難 しくなる とす る97。
また、一方 の内縁 配偶 者の財産分与 申立 て鷺 監表示後 に分与 殺務者 であ る他方 の内縁配偶者が死亡 した場合 、「内縁 解 消か ら生 じた財産分与義務が相続 され るこ とに問題 が ない。扶養 的部分 については 義務 の一 身専 属性 の観 点で異論 もあ りうるが 、少 な くとも夫婦財 産の措辞 に関す る部分 につ いては, 相続性 は肯 定 で きる」蝕とす る。
3 死別解 消 と財産関係 の清算
(1)婚姻 の死 別解 消 に よる配偶者相続
婚 姻 の場合 、配偶 者 は配偶 者相続規 定 (民890粂 ) に よ り相続 人 とな り、婚 姻 の死 別脈 消に よる財 産 の清算 は相続 分規 定 (民900粂) に よ りな され る こ とにな るO配偶 者相続権 が生 存配偶者 に認 め ら れ る根拠 は二 つ あ り、第‑ は、婚姻 中の夫婦倒 産 の潜在 的 な持分 の猪井 であ る99。 つ ま り、ある財産
家族法実務大系1」498頁 (新El本法規出版、2008年))、横浜地判平成9年1月22日判時1618号109頁、東京高 判平成10年3月18El判時1690号66頁o
沼田 前掲圧(90)L196貫
仙台高利昭和32年10月14El下民8巻10号1915頁。
前掲は(19)東京家審昭和31年7月25El。 我姿 前掲圧(1)207頁.
慰謝料的要素について、包括説を採用している裁判例が多い (広島高決昭和38年6月19日高民16巻4号265頁)。 退職金の財産分与も認められている (頼判昭和60年1月31E]家月37番8号39頁)o
石村軽助 「内緒解消と財産分与」
r
家族法大系 n婚姻」326貢 (有斐臥 1959年)。 二宮周平 r事実婚の判例総合僻
説1154貫 (信山社、20C6年).中川=泉 前掲任(22)125頁。
r剛山大学大寺院社会文化科学研究科紀要第31号(20113)
の名義が死亡配偶 者 の名義であ った として も、その財 産の形 成 に互 いの協 力が ある場合 には、実質的 な共有 とな り内縁 当事 者 はその財産の潜在 的持分 を有 しているため 、その清算が生存配偶者 に認 め ら れる とす るO 第二 には、被相続 人 の死亡後におけ る生存配偶者 の扶養 ない し生活保 障である】∞。
他方 、「生存 配偶 者 の財産的地位 の保護 は、夫婦財 産制 の展 開の うちに、その扶 養 生 活保 原 とい う要請か ら相続権 へ と発展 をみた もの とい って よいo そ もそ も相続 の伝統 的なあ り方 は、血族承継的 であ って,性 に起 因す る配偶者相続 とは異質であ るO この ことは、配偶者相続権が沿革的に夫婦財産 制の延長上 に展 開 をみた ところか ら理脈 で き、そ こに本 質が ある ことが うかが え よう。 この意味で配 偶者相続制度 には r死 因の夫婦財産
制
」 とい うべ き側面がみ られ る」tO■と し、「生存配偶者の財産 的地 位 を確立す るに は、相 続 にのみ を依拠 す るの は最 善の策 とはい えない よ うにお もう。 そ こで相続 をい わず 、(イ)配偶 者相 続権 の実 質的基礎 になってい る道 産へ の寄与 を潜在的持分 と して顕在化す るこ と (ロ)生存 配偶者 の実 態 に即 した事 後の生活維持 に備 えて一 定額 を避 産額 か ら留保 先取 りす る とい う生 活確保 的方 策 を とる こ とが考 え られ る」L02とす る見解が あ る. また、大村教授 は、配偶 者相続規 定 に よる財 産の 括算 は、実際 には、「現行 法下 で も、理 論上 は、夫婦 の財 産関係 の桁井 (特有財 産の 引渡 しや共 有財 産 の分割) は相続 に先行 す るはず」103であ る と し、婚姻 解消時の夫婦 財産の括罪 は夫 婦財産制の問題 で あ る とす る1㌔ そのため、同教授 は、法定財 産制 に後得財産分配制 の導入 を検討 し ているL05。一方 、民 法890条 に規定 される 「配偶者」 とは、民法739灸 の婚 姻届 出 を した者 であ る とす る1Cr'o配
10)中川=泉 ・前掲注(22)125頁。
10J 石川利夫 「生存配偶者の法的地位」高梨公之教授還暦祝賀 r婚姻法の研究(下)1328貫 (有矧網、1976年)0 102 石川 前掲は(ユOl)330頁。
1CG 大村 前掲任(26)164頁。
lOl 大村 前掲旺(26)165頁。
1〔5 家族法の改正について、政朴 ま平成6年に法務省民事局参事官室 「婚姻剛度等に関する民法改正要綱試案」を 公表 し、平成8年に法制審決会民法部会 「 民法の一部を改正する法律案要綱」を公表 した。平成13年に研究 者により自王的に箱成 した民法改正委員会は平成15年に民法改正委員会家族法作薬部会を設け共同研究 した内 容について平成18年に発表 した。その中で大村政志教授は夫婦財産関係について,「当初の案では,財産分与 の剛度の中で、清算的な側面と生活保隙的な側面を区別 して規定を懲 く、という構成を試みておりましたが、
ある時期からは、桁井についてはおもいきって財産分与の外に出してしまって、夫婦財産制で処理する。そして、
新たな財産分与を、繍雪f以外の生活保障に純化させるという方会十に転 じて」いると述べているoまた、同氏は、
夫婦財産制における潜在的共有制は共有制と呼ぶには過不足のある結果をもたらすという意味で立法論的には 間AEEを含むとして.別な民法762条の変更を提案 している。その後、平成ユ9年、民法改正委月余第2次家族法 作業部会」が発足 され.平成21年、民法改正委月会第2次家族法作業部会は家族法改正について検討 しその内 容を発表 したCその中で同氏は別産別が間超となっている法定財産制に検討されるへきものとして役得財産分 配制を操案 している。後得財産分配別とは婚姻継続中は別産別となるが,婚姻解消時には婚姻中に碓得 した財 産は夫婦の協力によって獲得されたと考え名掛 こr胡けつらず夫婦が婚姻中にその協力により増加させた財産 (紘 得財産)を合許 し分割することでその清y̲を図るものであるとする。これは.現在の ドイツの法定財産制であり、
フランスの契約財産机の一類型であるとする((中田裕艇ほか特典 r家族法改正一婚姻 親子法を中心にjジュ 1)138Ll号4頁以下 (2009年))0
106 浅井 前掲任(22)333頁。
175
内緒の死亡鮒 削こおける財産の相井(日 古JrI理子
偶者相続権 の要件 と して、生存 配偶者が被相続人 の遺 産 を相続 す るため に、被相続 人の死亡 時にその 配偶 者 で なけれ ば な らない とす る
L
O70 内縁 は婚姻 の届 出 を して いないが ゆえに 「配偶 者」 で はな く、民法890条 に 「内縁 の夫婦 は包含 され ない」1【旭とす るo ここに、内縁 の死 別解 消におけ る財産 の清算 に 配偶者相続規定の類推適 用が認 め られ ない理由の一つが あ る。
(2) 内縁 の死 別解 消 に よる財産の清算
内縁 を準楯 と掘 え る準婚理論 に よる と、内縁 の離 別解 消 だけでな く内縁 の死 別解 消について も婚姫 に準 じて扱 うこ とにな るはず であ るが 、内縁 の死別解消 の場合 に生存 内縁配偶者 に配偶者相 続規定 を 類推適用 す る こ とは裁判 例109 学説"Oともに消極 的であ る。離 別解 消の場合 に は内緑 配偶者 に財産分 与 の規定 が類推適用 され る ことにつ いて は,裁判 例 1日 学説 112ともに異 論 はない と してい るが 、内線 の死亡解 消 の場合 に配偶 者相続規 定の類推適用が認 め られ ない とす るの は、「財産分与請 求権 も配偶 者相続 請求権 も、婚 姻継 続 中に別産別 (別帰属 別管理) に基づ いて形成 された夫婦 の財産関係 を婚 姻 の解 消の際 に措辞 す る ことに中心的意義があ る とす れ ば、 .死亡 に よる解消の場合 だけは酒井 を行 わな くて もよい と言 ってい るの に等 しい ことにな」113り不合理 であ るOその上 、「死亡 内縁 配偶者の相 続人が相続 した財産 はいわば未 橘許の財産の承継 」HJlとな るO
ただ し、相続 人不存在 の場合 は,特 別縁 故者‖5と しての財産分与が認 め られ る特 別縁 故者 財産分与 剛度 (民958条 の3)が あ る日G。 しか し、 この規定 は相 続 人不 存在 の場合 に限 られ るため 、相続 人が 存在 してい る場合 の生存 内縁 配偶者の財 産の酒井 の問題 の解 決 にはな ってはいない.
また、社 会保 障 に関す る生存 内緒 配偶者 の保護 につ いて 、内線 の実体 は婚姻 の届 出 を欠いてはいる が婚姻 の共 同生 活 と異 な らないため、外部 に対 す る公示手続 きが必要で ない夫婦 間の対内的法律 関係 につ いて は、婚姻 と内縁 の差異 を設 ける合理的理 由はない と し、例 えば、逝族給付 について、内縁 配 偶者 を法律 上の配偶者 と差異 を設 けて いない 1■70厚生 年 金法3粂2項 は、「この法律 において、r配偶者」、
107 中川音之助=泉久雄 r新版任釈民法(26
)
相寿お目1277頁 〔中川良延〕(有斐臥 1992年)0 LC6 浅井 ・前掲任(22)333頁oICO 前掲旺 (21)仙台家審昭和30年5月18日o LIO 前掲注(22)参帽o
lll 前掲旺 (19)東京家審昭和31年7月25EZ。 H2 我弊 前掲任(1)207貢。
■13 鍛冶良堅 「内緒配偶者の死亡と財産分与請求」
r
綻民法論躯J141頁 (啓文社、1997年)。 Lll 鍛冶 前掲旺(113)144頁。■15 特別縁故者とは,被相続人と生計を同じくした者、被相続人の癖蕃看護を努めた者、特別の指故があった者を いう。
LIG 相続人不存在の場合、生存内緒者は貸借人である死亡内縁者の権利益源を薪能する (借地借家法36粂)0 117 ただし、昭和38年9月28E]内慨法制局 「匡】家公務貞共晴組合法にいう配偶者の窓掛 二ついて」の 「法制意見」、
および昭和55年5月16日の社会保険庁の通達 「事実婚関係の認定について」によると.民法731粂 733粂 737粂違反の内紛 ま反倫理的ではないので内縁者に受給権はあるが、民法734粂 735粂 736粂追反は反倫理的 なものなので、共済給付を受けることができないとする (菅山=有地 前掲旺 (31)261頁 〔二言草笛〕)0
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l岡山大学大学院社会文化科学研究科紀要第3ユ号(20113)
r
夫」及び r妻」 には、婚姻の届出を していないが、事 実上婚姻関係 と同様の事情 にある者 を含 む も の とする」 とし、遺族年金 を生存内縁配偶者 に受給 している 1180 これ らの社会保障に関する法削度は、内縁配偶者に対する相続 的保護の必要性 を示唆 していると考 え られる 119。
4 小指
夫婦財産関係 について、婚姻中に夫婦が互 いに協力 寄与 して取得 した財産は実質的な共有 と脈す ることに より、一方の名義の財産であって も実質的には共有 となる。実質的な共有財産である他方内 縁配偶者の潜在的持分 は、財産分与規定 と配偶者相続規定 によって措許 されることになる120。内績 カッ プルの財産 も法定財産制が類推適用 されるため、内縁者双方の協力で形成 された財産は、実質的な共 有財産 とな りその潜在的持分 は、内縁 の解消の際に清算 されることになると考え得 る。 12】そのため、
生存 中の内禄 の離別解 消に よる財産の油井 には財産分与規定の類推適用が認め られている。 しか し、
内縁 の死亡解消の場合 は配偶者相続規定の類推適用が認め られていない 】2㌔ 判例 学説 は、婚姻の届 出が ない内線者 を民法890条 に規定 される 「配偶者」 と して認めることはで きない とす る。準婚理論 による と、内縁 の離別解消の財産の括誰だけでな く内縁の死 別解消の財産の柄井について も婚姻に準 じて扱 うことになるはずである123。 しか しなが ら、配偶者相続規定 を類推適用 されない とす ると、生 存内線者の実質的 な共有財産の 自己の持分が括壬‡されないことにな り、離別解消の場合 に財産分与が 認め られるのに対比 して一貫性 に欠 くと考 えるO ゆえに、内線 の死別解消における財産の措辞の方法 を検討す る必要があるo
次に、内縁解消の財産の酒井の方法を検討するため、相続の立法過程 についての沿革 を分析 し、相 続法における内縁配偶者の地位 について どの ように考 え られて きたのか を検討するO
Ⅳ 相続法上の内縁配偶者の地位 に関する沿革 1 沿革
(1) 明治民法
明治民法の相続 は戸王の地位 を承継する家督相続 と戸主以外の場合の避産相続の2本立ての制度で あった.被相続人の財産 は家督相続人に帰屈 し (旧970粂).その順位 は、第‑順位か ら第五順位 まで
"8 その他、労働者災書補慣保険法16条の2、1項、労働基準法79条、労働基準規則法42粂1項,船月法93条.国 家公務員共済法2粂1項2号等が遺族給付を認めている。
… 中川=泉鰐 前掲 注 (107)〔中117良延〕280頁o
ln 前 掲叔判昭和35年9月6El、石地 前掲任(26)703頁以下0 121 枚変 前掲 圧(1)203頁。
122 前掲 注 (21)仙台家審昭和30年5月18El.
lV 里木三郎 「婚姻の成立と内緒」菅山道夫教授還暦記念 †家族の法社会学」214頁 (法律文化社,1965年)。
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内緒の死亡解消における財産の稚井 目) 古川理子
あり】21、生存 配偶者 は第三順位 の選 定相続 人に属 し、直系卑属が いる限 り家督相続 の権利 が認 め られ てい なか ったO また、夫が戸 主以外 であ った ときには道産相続 が開始す るが .相続順位 は、直系卑 属、
配偶者 、直系 尊属 、戸 主 の順 と定 め られていた (旧994‑996粂)O そのため、生存配偶者 は被相続 人 の直系卑 属が いる場合 、遺 産 に対 して何等 の権利 も有 しなか った12‑30 この よ うに、明治民法で は家制 度 を維持 す るため に家 産主義的 な思想 が中心 とな り、配偶者 の相続 法上の地位 は極 めて低 か った。昭 和2年 の臨時法制審議会 で生存 配偶者 の劣悪 な地位 を敗 績す るため、生存 配偶者 に家督相続 にお ける 遺産分 配請求権 (民法改正要綱 中改正 ノ要綱第一 ノー) お よび道産相続 における直系卑属 と同等 の相 続順位 (同第六 の一) を認め る こ とを決課 した。 その後 、昭和16年 の人事 法案で、配偶者の家督相続 にお ける道産分配請求権 と遺 産相 続 にお ける相続権 の項 目を設 けたが 日の 目を見 なか った
L 3 3 .
(2)昭和22年家族 法大改正
昭和22年 の家族 法の大改正 にお いて、憲法24条の男女平等 原則 に基づ き家制度 を否定 し家督相続が 廃止 され相 続形態 は道 産相続 に一本化 された127。 そ して、「被相 続 人の配偶 者 は、常 に相続 人 となる」
(民890粂) と規定 され、配偶者相 続規定が新設 さjtた。 この こ とに よ り、配偶者 は血族相続 人 とは別 系列 の相続 人であ る と し、血 族相続 人があ る場合 、生存 配偶者 は血族相続 人 と共 同相続 (民887粂) し、
血族相続 人が いない場合 は単独相 続 す る。単独相続 の場合 は当然道産の単独所 有者 とな り、共 同相続 人がい る場合 は共 同相続 人の種 別 に よ り道産に対 し一定 の割合 であ る相続分 を取得す る】280
また 、民 法768条 に離婚給付 の規 定 も新設 されたo民 法草 案 の 第一 次案 (昭和21年8月11El付 )の 第812条の3は、「協 識上 ノ維婚 ヲ為 シ タル者 ノー方ハ相 手方 二対 シ相 当 ノ生計 ヲ維持 スル二足 ルヘ キ 財 産 ノ分与 ヲ請求 ス ル コ トヲ得 」 と され たが 、第七 次案 (昭和22年6月24日付 ) では、約768粂 「協
121第一順位は第‑‑枚法定家督相続人(旧970粂)(被相続人である直系卑属)、荊二順位は指定相続人(lE]979条目 戸 王の生前の届出により又は過言により家督相続人を指r7Eした相老L1 完人)、第三順位は第‑枚選定相続人 (旧982粂)
(被相続人の家にある父あるいは母または親族会による選定権者により、(》家女たる配偶者③兄弟(参姉妹(む家 女でない配偶者(勤兄弟姉妹の直系卑屈の順序に従い選定される相続人)、第四順位は第二裡法定家督相茂人 (い わゆる逆相続という形で、家にある直系尊属中親等の侭 も近い男子)、第五順位が第二種選定相続人(旧985粂) (被相続人の親族、家族、分家の戸王または分家の家族の中から選定する親族会が選定)(轍碩韮遼 「寡鳩の相 続権 (≡)」法協36巷4号25頁 (1918年)、大田 前掲珪(25)199‑202貫).
】2T' 中川=泉霜 前掲注(107)275頁 〔中川且延〕O配偶者が相続人になることに対 してさえも血統尊重論や寡婦相 続能力否定論からの反対があ り、配偶者削除論 まで王張 されていた。これに対 し、原案起草者である柁謙次郎 委月は、婿寒子や入夫婚姻の場合は配偶者が家の血統であること、配偶者に家の管理能力がないならば、第二 順位の 「姉妹」はどうなるのかと反論 し (法務大臣官房司法法制調査部監修 r法典調査会議事速記録七1401
‑402貢 (商卒法務研究会、1984年))、概稗重遼氏は 「遺産相宗完は個人別度的財産相琵であって、被相景売人死 後の其冶族の生活維持を王眼とし.且被相続人の避志の推測を重要なる根拠とするものであるから、被相続人 の直系卑属と生存内緑配偶者との間に相続順位を異に世 Lもべき充分の理由がない」(槽梢 前掲任(124)35頁) と述べている。
1が 伊藤昌司 「相続の根拠」星野英一宿 「民法講座7j353貫 (有翼臥 1984年)o l177 枚要栄 「相続法案の解説」法時19巻10号3頁 (1947年)a
Eが 配偶者の相続分は死亡配偶者と
の
F印に子があるとき三分の一となる (昭和55年改正までの旧900粂)。178
岡山大学大学 院社 会文化科学研究科紀要第31号(20113)
謙上の離婚 を した者の一方は、相手方 に対 して財産の分与 を請求す ることがで きる」 となっている。
財産分与の給付 内容 について、第一次案の 「相当ノ生計 ヲ維持スル二足 ルヘキ財産」か ら第七次案の
「財産」 と変化 している。その原因は、夫婦財産の清算に関す ることか ら生 じた とされる1‑㌔ つ ま り、
夫婦財産制は、明治民法が採用 していた管理権や収益権が夫に帰属す ることになる管理共同制 を廃止 し、財産上の夫婦の形式的平等 を重点 にお くため別産別 を採用することになった. しか し、司法法制 蕃訣会等 で女性委月 か ら、民法762粂1項の別産別の規定は、婚姻 中夫が給与 を得 て奏が家事 を して いる とき給与 をすべて夫の もの とするのは不都合である とい う意見があった。妻の内助の功 に報 いる ために、「婚姻 中にで きた財産 を共有財産」】淵に しては どうか とい う主張が女性委月か らあった ことが
「相 当 ノ生計 ヲ維持ス ル二足 ルヘ キ財産」 か ら 「財産」へ と変化 した原 因の一 つ となった とする 13】。
そのため、財産分与の性質は扶養か ら夫婦財産の清算に と移行 してい き、「婚姻中の財産 を共有す る ことは不便であ りその必要 もないが、離婚 の際の財産分与請求 には、その点を考
藤
」132さnる として、財産分与の内容 に婚姻 中の夫婦 で協力 ・寄与 して形成 された財産の酒井が含 まれることになった。 こ の ときか ら、「わが民 法の夫婦財産制では、婚姻 中の所得 の共有の問題 は法定財産制の条文 において ではな く、財 産分与 の粂文 の 中で、婚姻解消後の問題 と して解 決 され る運命 を旭 わ され」133た とす
る L3‑10
(3)昭和37年特別縁故者財産分与制度の新設
昭和22年の民法大改正 は、憲法改正 に伴 って当然改めなければな らない最小限度のことをすみやか に改正 しようとしたため、審訊 はおのずか らその範囲に とどま り135、「本法は、可及的速やか に、将 来において更に改正す る必要がある」 との付帯決談がなされていた136。昭和29年 に法務大臣か ら法制 審読会に民法の改正すべ き点についての再検討の諮問 を受け、法制審訊会は民法部会 を設LE L、昭和 30年、民法部会 は 「法制審議会民法部会小委員会における仮 決定及び留保事項 (その‑ )」137を報告し た。その中に
、
「r
婚約」 及び r内縁」 につ き規定 を設ける必要があるか、ある とすれば如何 なる規定 をお くへ きか」 (第七の 「留保」二) とい う留保事項が挙 げ られたD また、「法制審議会民法部会′ト委129 水野 前掲圧(82)2187‑2190頁.
133 我輩霜 前掲旺(42)62頁 255頁 259‑260頁0
13■ 民法768粂の給付の内容が変わったもう一つの原因は、GHQ側がこの規定に、夫婦財産制の消‡)の規定である とする認識をもって、民法草案の折衝にのぞんだからであるとする (水野 前掲任(82)2191頁)0
132 我襲椙 前掲旺(42)142‑143頁.
1ニn 有地 前掲注(26)702頁。
131 我棄栄ほか座談会 「親族法の改正 r法制審謙会民法部会′ト委員会における仮決定 留保串項 (その
二
)」に関 連して」 法時31巻10号30頁 (1958年)。135 我襲栄ほか座談会 前掲珪(134)19貢。
135 平nEr健太 「民法改正一法削審謙会における審決荏過‑」ジュリ97号37頁 (1956年)0 137 法務省民事局 「民法親族霜の改正について」ジュリ185号49頁 (1959年)。
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