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2.実験概要

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Academic year: 2022

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(1)土木学会第67回年次学術講演会(平成24年9月). Ⅰ‑081. 石材間摩擦に着目した石アーチの動的解析手法の開発 NEXCO 西日本 正員 ○古賀 圭一郎 熊本大学大学院 フェロー 山尾 敏孝 熊本大学大学院 正員 葛西 昭 九州産業大学工学部 正員 水田 洋司 熊本大学工学部 学生員 藤田 千尋. 1.はじめに. 3.解析概要. 石橋の損傷を有する石橋について適切に健全度を評価 することが望まれている.石橋の力学挙動を解明するために 離散型有限要素法を用いた手法によって静的・動的挙動の 解明が行われてきているが,特に動的挙動に関しては解の 精度や妥当性について十分な検討が行われていない 1),2). そこで本研究では,石材間の摩擦を考慮した石アーチ模型 解析手法を提案する.そして石アーチ模型を用いた振動台 加振実験と動的解析結果により解析手法の検討を行った.. 石アーチは石材間の摩擦によって安定している離散体構造 であるため,有限要素法解析において要素間に接触モデル と摩擦モデルを導入して実験値との比較を行った.アーチ部 分の要素は 2 次元連続体要素で基部の底面と側面には剛な はり要素と接触させ,はり要素を介して外力波を作用させた. 石材の要素分割数は検討の結果,個々の石材を 4×4 でメッ シュ分割を行い(図 2 参照),物性値は実験石材と同じとした. 本解析では,要素と要素の接触の扱いが重要な点であるこ. 2.実験概要. とから,図 3 に示す貫入(間隙)量と接触圧の関係が指数関. 4) 図 1 は実験に用いた石アーチ模型であり,実石橋で広く 数で定義する接触モデルを導入した .図は接触前に接触 用いられている溶結凝灰岩材で,材料特性はヤング係数 圧が発生する間隙量 c0 と間隙量が 0 の時の接触圧 p0 の関 E=17140 (N/mm2) , ポ ア ソ ン 比 ν=0.16 , 密 度 ρ=2.16 係を示したものである.接触圧 p0 はモデルに重力加速度が (g/cm3),動摩擦係数 μ=0.65 である.写真 1 に示すよう 作用したときに発生する最大接触圧の 1/5 倍とし,間隙量 c0 に,治具は振動台に固定され,その上に石アーチ模型 は任意に変化させて解析を行った. を設置している.L/4,L/2,3L/4 の各点にはひずみゲ また,図 4 に示すような摩擦現象を導入するために固着状 ージ式加速度計を設置し,感度方向はアーチ法線方向 態とすべり状態の二段階で表現するバイリニア型の摩擦モデ とし,同時に振動台上にも同じ感度方向に 1 点設置し ルを使用した.石材の大きさから,すべり変位 Us=0.36 mm た.実験では正弦波と地震波による加振実験を行った.の値を得た.なお,静摩擦係数と動摩擦係数は同じ値とした. 石アーチの周波数特性を把握する正弦波加振実験では, 振幅 20gal の正弦波を 10Hz~40Hz の振動数範囲で 0.2Hz ごとに振動数を不連続に変化させ,1 振動数で 20sec 間 加振した.この範囲に石アーチの固有振動数が存在す 図 2 石アーチの解析モデル れば共振が確認できる.地震波加振実験は,1995 年兵 庫県南部地震のポートアイランド内地盤上で観測され た EW 成分の波と,1994 年北海道東方沖地震の釧路川 堤防周辺地盤上の波の最大加速度を 50gal に換算したも の を使 用し た. 継 続 時間 を 兵 庫地 震 波は 10sec ごとに 10~50sec に変更 , 釧 路 地 震 波 は 10~60sec にした 合 図 3 指数関数則を用いた 図 4 バイリニア型摩擦モデル 計 11 波を用いた.. 接触モデル. 写真 1 石アーチ模型の振動実験. 4.結果と考察 :加速度計. 図 1 石アーチ模型と治具. 図 5 は,スパンライズ比 0.2 と 0.35 の石アーチ模型に正 弦波加振した時の実験値と解析値の結果を無次元化して 示した.図 5(a)では,実験値の L/2 点において振動数が大 きくなるにつれ徐々に応答も大きくなり,31.6 Hz でピークを 迎えた後急激に減少しており,振動数 31.6 Hz が共振点で あると推察される.また,3L/4 点では 18.2 Hz で 2 倍近い応 答が確認できるが L/4 点では逆に小さくなった.ここでの L/4,3L/4 点における加速度応答の変化がともに急激であり, アーチの左右で応答が異なるモードが低振動数で現れるこ とは考えにくく,この型特有の挙動と思われる.解析値は間. キーワード: 石アーチ模型,動的解析手法,接触摩擦モデル,加振実験,周波数特性 連絡先: 〒860-8555 熊本市中央区黒髪 2-39-1 TEL 096-342-3533. ‑161‑.

(2) 土木学会第67回年次学術講演会(平成24年9月). 1/4L実験値 1/2L実験値 3/4L実験値 1/4L解析値 1/2L解析値. 2. 1. 30. 3 2 1 0 10. 40. 20. 振動数 (Hz). 解析値 実験値. 20. 応答加速度. 応答加速度 ( gal). 40. 0. 2. 4. 6. 継続時間. 実験値 解析値. 20 0. 8. 0. 10. (a) L/4 点の応答加速度. 10. フーリエスペクトル. 6 4 2 10. 20. 4. 6. 8. 10. ( sec). (b) L/2 の点応答加速度. 10. 実験値 解析値. 8. 0 0. 2. 継続時間. ( sec) (gal・sec). (gal・sec). 40. -20. -20. フーリエスペクトル. 40. (Hz). (b) f/L=0.35. 0. 30. 40. 8 6 4 2 0 0. 10. 振 動 数 (Hz). 20. 30. 40. 50. 振 動 数 (Hz). (c) L/4 点のフーリエ・スペクトル (d) L/2 点のフーリエ・スペクトル. 図 6 スパンライズ比 0.2 モデル 実験値 解析値. 神戸地震波 10sec 実験値 解析値. (gal). 40 20. 応答加速度. 20. 応答加速度. (gal). 40. 0. -20. 0. -20. -40. -40. 0. 10. 20. 30. 0. 10. フーリエスペクトル. (a) L/4 点の応答加速度. 20. 20. 30. 時 間 (sec) (gal・sec). (gal・sec). 時 間 (sec). 20. 実験値 解析値. 10. (b) L/2 の点応答加速度 実 験値 解 析値. 10. 0 0. 10. 20. 30. 40. 50. 0 0. 10. 振 動 数 (Hz). (c) L/4 点のフーリエ・スペクトル. 20. 30. 40. 50. 振 動数 (Hz). (d) L/2 点のフーリエ・スペクトル. 図 7 スパンライズ比 0.2 モデル 釧路地震波 30sec 60 (gal). 隙量 c0=0.01mm,接触圧 p0=1.132N/mm2 とした結果 である.両者に他所の差があるが,これは,実験での サンプリング周波数は 0.01 秒で実施したため,高振 動数領域では現象を捉えきれなかったと推測される. 図 5(b)のスパンライズ比 0.35 モデルの実験値では, L/2 点の明確なピークが 27.4Hz で確認できる.このピ ークの特徴は緩やかに上昇して緩やかに減少してい る点である.ピークが減少すると同時に L/4,3L/4 点が 上昇しちょうど 30Hz で入れ替わっている点では,スパ ンライズ比 0.2 モデルの共振曲線結果と同様である. 次に実験で使用した神戸地震波と釧路地震波を入 力した場合の実験値と解析値を,各点での応答加速 度とそのフーリエ・スペクトルを用いて比較した.継続 時間は図に示す.解析条件は,スパンライズ比 f/L=0.2 モデルで,c0 =0.01 mm,p0=1.132 N/mm2 , Us=0.36 mm,スパンライズ比 f/L=0.35 モデルで,c0 =0.02 mm,p0=1.606 N/mm2,Us=0.36 mm である. まず,図 6 と図 7 は,スパンライズ比 0.2 のモデルに 神戸地震波を 10 sec と釧路地震波 30 sec を入力した 場合の L/4 点,L/2 点での加速度応答とフーリエ・スペ クトルを示した.図より,L/4 点と L/2 点での応答加速 度および周波数成分のフーリエ・スペクトルの解析値 は実験値と傾向もよく対応していることがわかる.特に, 短周期の波を多く含む地震波 10sec のケースでは,各 計測点で周波数全域にわたってよく対応していること がわかる.なお,図 5(a)の共振曲線の結果においては, 18.2Hz で L/4 点と 3L/4 点に解析には現れなかったピ ークを確認できた.また,図に示していないが,神戸地 震 波 30sec , 50sec の フ ー リ エ ・ ス ペ ク ト ル で 18Hz~19Hz に解析値にはない山が確認できた.これ により,地震波に含まれる 18~19Hz の波が実験模型 に伝わっていることが確認できた.なお,フーリエ・スペ クトルの図においてどの点でも 40Hz で卓越している が,このピークは加振している振動台の振動数である. 図 8 はスパンライズ比 0.35 のモデルに神戸地震波 10 sec 入力した場合の L/2 点での加速度応答とフーリ エ・スペクトルの実験値と解析値を比較して示したもの である.応答加速度の波形は,スパンライズ比 0.2 の モデルと同様に,どの地震波の場合でも,また,各点 において両者がよく対応していることがわかった.. ( gal). 図 5 共振曲線の実験値と解析値の比較. 応答加速度. (a) f/L=0.2. 30 振動数. フーリエスペクトル. 20. L/4 L/2 3L/4 L/4解析 L/2解析. 4. (gal・sec). 0 10. 5. 10. 40. 実験 値 解析 値. 20 0 -20 -40 0. 2. 4. 6. 8. 時間 (sec). (a) L/2 点 応答加速度. 10. フーリエスペクトル. 3. 加速度応答倍率 (Acc/Acc 0). 加速度応答倍率(Acc/Acc0). Ⅰ‑081. 8. 実験値 解析値. 6 4 2 0 0. 10. 20. 30. 40. 振動数 (Hz). (b) L/2 点 フーリエ・スペクトル. 図 8 スパンライズ比 0.35 モデル 神戸地震波 10sec 参考文献 1)浅井光輝:離散型有限要素モデルによる石造アーチ橋の静的・動的強度評価,構造工学論文集,Vol.55A,2009. 2)工藤輝彦:石橋の3次元静的・動的挙動解析手法の開発に関する研究,平成 20 年度 熊本大学修士論文,2009. 3) Dassault Systèmes Simulia Corp, Abuqus analysis User's Manual, Version6.11 4)日本道路協会:道路橋示方書・同解説(V 耐震設計編), 2002.. ‑162‑. 50.

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