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光部品関連技術における基盤技術

(微弱光検出技術を中心として) 中島一光技術士事務所 中島一光 光部品関連技術における基盤技術との題を与えられたが、光部品は広範囲の分野であり、その全てを網羅す る時間も無いし、それだけの力量も有していないので「レーザ屋としての小職が経験したもののうち一般の教 科書には詳述されていないこと」を中心にまとめてみた。 微弱光の検出、大きな出力の光の減衰、偏光、干渉に関するちょっとした工夫等につき述べる。 1.微弱光の検出 光を検出する光検出器は一般に光入力エネルギに比例した光電流が得られる。 弱い光の場合はそれに比例 して出力が弱くなるが、ある範囲まではその信号を増幅することにより必要な値が得られるので光の強弱によ る問題はない。 しかし、更に低い出力になると「増幅器のノイズが光検出器の出力を上回り正しい値が得ら れない」「光検出器自体のノイズにより光出力信号がマスクされる」等により光の強度に比例した信号をもと に光強度を求める方法(アナログ計測と言うこともある)での計測が困難となる。 増幅器や光検出器のノイズは処理する信号の帯域の平方根に比例して増大するので、高い周波数(狭いパル ス幅)ほどノイズの影響を受ける。 これを回避するために考え出されたのが、光子の一つづつを数えて計測するフォトンカウンティングという 方法である。 1.1 フォトンカウンティングとは フォトンカウンティングとは光が粒子であるという性質を利用した計測法である。光の粒子一粒(550nm の光ではエネルギ3.6×10−19J E=hν E;エネルギ h;プランク定数 6.6×10−34J・s ν;光の振動数→光速度/波長)が光電面に入射するとある確率(量子効率)で電子(光電子ということもあ る 電荷量は1.6×10−19クーロン)が放出されるが、これを1千万倍程度に増倍すると、 パルス幅10nsと考えた場合8mV(50Ω負荷で)程度のパルスとなり、通常の計測器でこれをカウント することが可能となる。 極めて弱い光入力の場合は、常に光が到来する訳ではなく時々(離散的に)光粒子が入射するのであり、 強い光ほど到来間隔が短く、弱くなるとその間隔が長くなる 強い光ほど到来間隔が短く、弱くなるとその間隔が長くなる 強い光ほど到来間隔が短く、弱くなるとその間隔が長くなる 強い光ほど到来間隔が短く、弱くなるとその間隔が長くなるので、一定時間ごとの「光に応じて発生する一定時間ごとの「光に応じて発生する一定時間ごとの「光に応じて発生する一定時間ごとの「光に応じて発生する パルスの数」を数えることにより光の強さを求める パルスの数」を数えることにより光の強さを求める パルスの数」を数えることにより光の強さを求める パルスの数」を数えることにより光の強さを求めるものである。 下図参照 1千万倍程度に光電子を増倍するのは「光電子増倍管」が一般的であり、最近話題となっている「スーパー カミオカンデ」の検出器として多数利用されているものもその一種である。 1.2 光電子増倍管による増幅

光電子増倍管(Photo Multiplier Tube PMTと略す)とは以下のような構造が一般的である。

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入射した光によりある確率(量子効率)で光電面から出た電子は最初のダイノード(補助的な電極)に当た り数個の2次電子を飛び出させる。 この2次電子それぞれが2番目のダイノードに当たり数個づつの2次電 子を飛び出させる。 順次ダイノードに当たり電子が増倍される。 10段以上のダイノードに当たることに より最終的に1000万倍程度に増倍される。 最近はダイノードでなく、マイクロチャンネルプレート(電子 増倍管 MCP と略す)を利用するものも多くなった。 以下にMCP、MCPを用いたPMTとゲートを付け 特定時間に来た光のみを増倍するPMTの例を示す。 ※PMT 関連の図は浜松ホトニクスの資料より 光電子が両端に高圧が印加されたMCPの細管(チャンネルという) に入ると管壁に当たり、2次電子を放出する。細い管を何回か衝突を 繰り返しつつ通過することにより増倍される。 MCP2段か3段使用することにより1000万倍程度に増幅される。 MCPでは増倍されるとそのチャンネルではしばらく増倍能力が回復 しないので、次にそのチャンネルに電子が入ってもそこでは増倍され ない。(次には別のチャンネルに入る必要がある 一般に 100 万チャン ネル程度ある)入射する光は絞るのではなく、なるべく広い範囲に当 たるようにする必要がある。 光電面とMCPの間にメッシュを置き、これに逆電圧を印加するこ とによりゲート動作が行える。PMT では、光子が入射し光電子が飛び 出ると増倍され下式のような出力が得られる。 1.6×10−19クーロン×10÷10−8sec ×50Ω=8×10−3 (電子素電荷) (増倍率)(電子走行時間等によるパルスの幅)(負荷抵抗) (出力電圧) ※パルス幅は更に短くなる場合が多く、出力電圧はもっと大きくなる。 5mV付近を閾値として、これ以上の信号パルスのみをカウントするとそれ以下のノイズ(熱雑音や機器の雑 音)が幾らあってもカウントされない。 1.3 固体フォトンカウンティングモジュールとは

固体光検出素子として増倍作用を有するものにAPD(Avalanche Photo Diode)があるが、通常の使用法で は「電圧を上げて増倍度を増すと共にノイズも増え、一般には数百倍がその限度」とされている。 特殊なも のでは数千倍も可とされているが、何れにせよ1千万倍に増倍することは不可能である。 APDを利用して、フォトンカウンティングを行う方法として「ガイガーモード」と呼ばれるものがある。 図1.1は固体フォトンカウンティングモジュールの動作を理解するための図である(厳密には少し異なる が理解を助けるため簡略化した)。 A P D に ブ レ イ ク ダ ウ ン 電 圧 以 上 を 印 加 す る 光 が 入 射 し 、 あ る 確 率 で 光 電 子 が 発 生 A P D は ブ レ イ ク ダ ウ ン し 、 大 電 流 が 流 れ る 直 列 抵 抗 に よ る 電 圧 低 下 で A P D の 電 圧 は 下 が る 電 流 が 止 ま り A P D の 電 圧 は 再 上 昇 す る ブ レ イ ク ダ ウ ン 電 圧 A P D 両 端 の 電 圧 こ の 間 に 光 が 入 射 し て も 動 作 に 関 係 な い 図 1 . 1 A P D に よ る フ ォ ト ン カ ウ ン テ ィ ン グ を 理 解 す る た め の 概 念 図

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・APDに電圧を印加した場合、ある電圧以上にすると電流が流れ放しになるブレイクダウン現象を生じる。 これは単に電圧を印加するだけでなく、ブレイクダウンの種となるものが必要となる。 ・ APDにブレイクダウン電圧以上の電圧を印加したものに光を照射すると光電子が発生しこれが増倍され、電 流が急激に増えてブレイクダウンすることになる。 ・ 大容量の供給源が有れば電流が流れ放しとなるが、APDと直列に抵抗を挿入した場合この抵抗に電流が流れ ることで電圧が降下し、APDの両端にかかる電圧はブレイクダウン電圧以下になるためブレイクダウン状態 は終わり、電流は停止する。 ・ この大電流が流れそして停止する動作をもとにTTLレベル等のパルスを発生させ、これをカウントする。 ・ 電流が停止すると直列抵抗による電圧降下がなくなるので、APDの両端にかかる電圧は上昇しブレイクダウ ン電圧以上となり次に光が入射した際に再び大電流が流れるようになる状態となる。 ・ これ以後に光が入射し光電子が発生すれば、次のパルスが出ることになる。 ・ 一方、ブレイクダウン中或いは電圧が上昇中に光が入射しても次のパルスを発生させることができない。 ・ この回復までに時間がかかることが高速でカウントすることができない(強い光を検出できない)原因となっ ている。 ・ 抵抗等による電圧降下を利用したのでは回復に時間がかかるので、電子回路を利用して強制的に電流を遮断す るアクティブクェンチングという方法により高速化をはかっているが、現状では最大カウントレートは15M c/s(回復時間67ns)程度であり、100Mc/s以上が可能な光電子増倍管(PMT)によるフォトン カウンティングには及ばない。 1.3.1 固体フォトンカウンティングモジュールの利点 ・ 量子効率(光子検知確率)が高い(特に1μm前後の長波長で)のでより微弱の光の検知が可能 ・ 小型かつ電源も簡単である(高電圧を使用しない)、冷却も不要(モジュール内部に APD と共に印加電圧 発生回路・ペルチェ冷却器・制御回路等が実装されているので5V 程度の単一電源で動作する) ・ 比較的強い光入力に対しても破損し難い 1.3.2 固体フォトンカウンティングモジュールの問題点 ・ 受光面積(径)が小さい(最大でも実効径約450μm程度) PMTでは小さいものでも数mm□はあり更に大きなものが可能 ・ カウントレートを大きくし難い(15Mc/s程度) PMTフォトンカウンティングでは100Mc/s程度 ・ ノイズ(誤カウント)が大きい(1000c/s ほぼ受光面積に比例して増える) PMTでは10c/s程度 1.3.4 固体フォトンカウンティングモジュールの今後の用途 フォトンカウンティングは本来微弱光の検出が目的であるが、固体フォトンカウンティングモジュールによ り安易にフォトンカウンティングが行えるようになった結果、本来の微弱光検出以外にも活用出来ると考えら れる。 それはディジタル光検出器としての使用法である。 現在は単なる光検出器と比して極めて高価であ り、単にディジタル光検出器として使用するには難があるが「多数使用されることにより安価となる」ならば、 微弱光でも検出できるという特徴と取扱いの容易さを利用した使い方が出てくるであろう。 例えば光を利用したシステムの光出力を常時モニタするのに、敢えてモニタ用に出力光の一部を分岐せずと も「漏れ光等」を利用することも可能である。 一般の光検出器は信号処理をする際に出力をA/D変換して コンピュータに取込む必要があるが、このモジュールではすでにディジタル信号として出てきているのであり、 一定時間内のパルスを数えることで簡単にモニタが行える。 今後の光検出器の一形態として大きな役割を担 うものと思う。 2.大出力光の減衰 加工にも使用されているレーザ光の強さは、当然のことながら光検出器を飽和させ(あるいは破壊し)てし まう。 単にレーザのエネルギの測定のみなら光を熱に変えて「温度上昇」として計測することも可能である。 しかしながら、光の時間変化を計測したり、光のエネルギ分布のパターンを計測する場合には、光検出器や パターン計測用CCDで計測するため大出力光を飽和しないレベルまで減衰させることが不可欠となる。 光を減衰させる最も一般的な方法は、フィルタ等で大部分の光を吸収し一部を透過させることであるが、強 い光を吸収すると、そのエネルギによりフィルタ等の温度上昇して破壊されたり歪んだりする結果「透過光は 減衰させる前のエネルギ分布と同じ分布になるとは限らない」ことになる。 光路上には光を吸収する物質を 置かず、光路から離れた場所で吸収させるのが望ましい。 基本は低い反射率(ガラス等の表面反射より低い反射率となるようなコーティングをしたもの)のミラーで レーザ光の一部のみを反射させることにより減衰させる方法である。

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ミラーの形が楔形になっているのは「表面反射と裏面反射が干渉することを防止する」ためのものである。 ビームダンプとは透過したビームを吸収するものであり、光を熱に変える機能を有すると共に反射して元の 方向に戻ることの無いような工夫がなされている。 比較的低いレーザ出力の場合は、表面を黒くかつザラザ ラにしたもので光を吸収できるが、レーザ出力が大きいと光を吸収した表面が高温になり蒸発することすら考 えられる。 大出力光の場合は「表面でなく深さ方向で徐々に吸収させる体積吸収」をさせる必要がある。 中程度であれば、ガラス等の中に吸収物質を低い濃度で分散させることで実現できるが、トータルのエネル ギが大きくなると「液体の中に吸収物質を混ぜて光を吸収させ、温度上昇したものはフィン等で放熱する」な どの方策がとられている。 またカミソリの刃を束ねたものを用いることもある。 [閑話休題]JIS C 6802のMPEと体積吸収

図2−2にJIS C 6802で規定されている最大許容露光量(Maximum Permissible Exposure MPE と略す)の各波長に対する値を図にしたものを示す。 10nsの場合、可視光のMPEに対してアイセーフ波長と言われる1500nm∼1800nmでは 6桁以上も大きな値となる(実線で示したもの)が、1秒では3桁以下に縮小する(破線で示したもの)。 10nsの場合、6桁以上も高い安全性を示すのはアイセーフ波長では「水の吸収が数十%/mm程度」で あり、体積吸収するため眼球内の如何なる部分も大きな温度上昇が起きないためである。 それに対して可視 光は吸収が殆ど無いため水晶体により屈折を受けた光が途中で吸収されることなく網膜上で小さな点に集光 された結果ここの温度が上昇して網膜が損傷を受ける。 一方波長の長い光は吸収が大きく表面の薄い層で吸 収され、表面に損傷を受けるためアイセーフ波長に比してMPEが小さくなるのである。 1秒の場合、可視 光や波長の長い光ではレーザ光の当たっている部分の熱が他に逃げる結果MPEが大きくなるが、アイセーフ 波長では眼球全体で体積吸収するため急速に熱が逃げる場所が無くMPEが大きくならないためである。 ビームダンプの例 放熱フィン 入射窓 反射防止膜付 レーザ光 カミソリの刃を束ねたもの 吸 収 物 質 を 分 散 さ せ た 液体 レーザ発振器 低反射率ミラー ビームダンプ 低反射率ミラー ビームダンプ ビームダンプ 低反射率ミラー (集光レンズ) ビームパターン測定装置

図2−1 大出力レーザ減衰の一例

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1sと10ns単発のMPE比較 0.001 0.01 0.1 1 10 100 1000 10000 0 500 1000 1500 2000 2500 3000 波長(nm) MPE(J/ m 1sのМP E 図2−2 JIS C 6802のMPEの波長特性 3.偏光に関して 電磁波である光の電界の振動方向を偏光と言い、これが入射面に対して平行か垂直かによりp偏光かs偏光 とよばれている。 一般の光ではあらゆる方向に偏光した光が混じっており特に偏光には言及せずに扱う場合 が多い。 光が屈折率の異なる物質に入射する場合屈折が起きるが、その他一部の光は反射し、これがp偏光 とs偏光では大きく異なる。 入射角と反射率の関係は図3-1の通りである。 屈折率 1.5 ブルスター角 56.31 s偏光反射率 0.1479 45°方向の 反射率(1面) p偏光 0.0085 s偏光 0.0920 垂直の反射率 0.0400 図3-1 偏光と反射の関係

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※ これは以下の式をグラフ化したものである。

)

tan(

)

tan(

2 1 2 1

i

i

i

i

E

R

p p

+

=

)

sin(

)

sin(

2 1 2 1

i

i

i

i

E

R

s s

+

=

光は振幅でなくエネルギで観測され(論じられ)るので、 上記Rp/Ep Rs/Es を自乗したものが図3-1である。 ※垂直入射の場合は、p偏光s偏光共 1面の反射は(n2−n1)2/(n2+n1)2 n2=1.5で0.04 i1+i2=π/2のときtan(i1+i2)は無限大、従ってRp/Epは0 反射がなくなる。 このような入射角をブルスター(Brewster)角と言う。 tan(ib)=n ib;ブルスター角 反射鏡を放電管の外に置くレーザでは、放電管から外部に光が出る窓はこのブルスター角となっている。 この窓によるp偏光の反射は0であるが、s偏光の反射損失は大きいのでp偏光のみ発振する。 以下に偏光を選ぶことにより計測に大きく影響する問題について例を述べる。 3.1 エネルギモニタを行う時の偏光方向 レーザ出力の一部をビームスプリッタ等により取り出し、エネルギのモニタに使用することがあるが、 取り出す偏光方向により差異が生ずるので注意を要する。 例えば下の左図の場合、ビームスプリッタとして単なるガラス板を用いると、p偏光に対しては、 ブリュスター角が存在しかつそれに近い角度となるので、反射が極めて小さくなる(取出しによるロスが少な い)という利点が有る反面、これと垂直なs偏光成分が僅かに交じったレーザ出力の場合には、この成分の反 射は大きくなる(屈折率1.5の場合、45度での反射はp偏光の反射の10倍以上となる)、 仮に約1割のs偏光成分が混入するだけで、モニタ出力(反射したレーザ光)は約2倍になってしまう。 逆にs偏光とした場合はその中にp偏光が1割混ざっても見かけ上の誤差は1割以下である。 レーザロッドの熱歪み等により異なる偏光成分の発生は十分考えられることであり(1割も出ることはない であろうが)、実際のレーザ出力は増えていない(むしろ減る場合が考えられる)のにモニタした出力は大幅 に増大したようになることがある。 従って正確にエネルギをモニタする必要が有る場合は 右図のように入射面と垂直な偏光(s偏光)となるような取り出し方をすべきである。

×

×

×

×

||||| |||| ・・・・ ・・・・ ビームスプリッタ ビームスプリッタ モニタ光 モニタ光 逆に折り返しミラーの反射率を99.5%程度にして、漏れ光をモニタとして利用する場合には、透過率が 大きくなるp偏光を利用し、仮にs偏光が一部混入しても計測誤差が小さくなるようにすべきである。

×

×

×

×

||||| |||| ・・・・ ・・・・ モニタ光 高反射率 モニタ光 高反射率 ミラー ミラー 3.2 窓を通してのレーザ光発射 レーザ測距・測角装置により目標物の位置を測定する場合、その前方(装置と目標物の間)に窓等の透明体 と言えども置かないのが大原則であるが、潮風の激しい地点で長期間観測する必要から「密閉した小屋のアク リル製の窓からレーザを発射」せねばならぬことがあった。 このようなことを想定せずに設計した装置(窓に対してs偏光となっている)を用いたため、窓への入射角 が大きくなるにつれて反射が増大し、この反射光が小屋の内部に当たり拡散反射した光の一部を装置が受光し てしまった結果「誤測距」となり、データの誤集計や抜けが生じた。 (垂直に当たった光の反射による誤測距は無いように調整したとしても、垂直入射0.04に対して50度の s偏光での反射は約0.12即ち3倍である。 測距の場合往復で効くので自乗した9倍も強いものが戻って くるため、検知レベルを調整しても誤測距となる) Ep;p偏光入射光の振幅 Rp;p偏光反射光の振幅 Es;s偏光入射光の振幅 Rs;s偏光反射光の振幅 i1;入射角 i2;屈折角

)

sin(

)

sin(

1 2 2 1

i

n

i

n

=

n1;入射側の物質の屈折率 一般に空気なので1となる。 n2;屈折側の物質の屈折率

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仮にp偏光としていれば70度付近までは垂直入射よりも反射は小さくなるので、誤測距の可能性は減る。 3.3 偏光解消度について 大気中にレーザを発射し、大気分子やエアロゾルからの散乱光を受光するレーザレーダにおいて、偏光解 消度を計測する手法がある。 これは「偏光した光が球状の物質に当たるともとの偏光を維持した状態の光 が戻ってくるが、複雑な形状のものに当たると直交する偏光成分が含まれたものが戻ってくる」という原理 を利用して、戻り光に含まれる発射した偏光と直交した偏光の割合から対象物の形状(球状からのズレ)を 調べるものである。 具体的には雲の中の氷(水の結晶)の割合を調べたり、大気中の塵(比較的球状に近 い)による散乱光の中に埋もれている花粉(複雑な形状で偏光解消度も大きい)からの散乱光のみを選り分 けて花粉の量を計測する試みに利用されている。 光が鏡等で反射される場合、入射面に対して平行か垂直の偏光であれば、その偏光を維持したままの反射 光となるが、斜めの偏光の場合は2つの偏光成分に分けて考える必要がありそれぞれの偏光の反射の際の位 相変化が異なる関係で、反射光は楕円偏光となってしまう。 偏光解消度を調べるレーザレーダ等で途中に 置かれた光路変更用の鏡等が発射した偏光に対し斜めとなるように置かれた場合は、この反射の時点で垂直 の偏光成分が発生し、対象物からの散乱による垂直の偏光成分の計測を妨害する。 従って偏光解消度計測 を目的とする(将来行うかも知れないものを含む)レーザレーダでは「鏡等は必ず、偏光に対して垂直か平「鏡等は必ず、偏光に対して垂直か平「鏡等は必ず、偏光に対して垂直か平「鏡等は必ず、偏光に対して垂直か平 行 行 行 行の入射面になるように置く」のが鉄則の入射面になるように置く」のが鉄則の入射面になるように置く」のが鉄則である。 鏡等については十分に配慮したとしても、受光に反射望の入射面になるように置く」のが鉄則 遠鏡を使用するとこの回転放物面の反射鏡は細かい部分に分けてみるとあらゆる方向に傾いた面の集合で あり、偏光に対して垂直か平行との条件を満足出来ない。 即ち若干「発射と直交する偏光成分が発生し。 計測に影響を与える」ことになる。 反射鏡の曲率が小さい(曲率半径が大きい 平面に近い)ものほど影 響は小さくなるので、この観点からは焦点距離の長い望遠鏡の方が望ましい。 望遠鏡の焦点距離としては 同じであっても、副鏡に凸面鏡を使用したカセグレン式の望遠鏡はその分主鏡の曲率が大きく(曲りがきつ く)なっておりかつ副鏡でも偏光解消がおこる可能性がある。 一方副鏡に平面鏡を使用するニュートン式 では、主鏡の曲率はカセグレン式に比して小さくかつ副鏡は平面であるので、副鏡の向きを偏光に影響を与 えないように合わせれば偏光解消度計測の点では有利である。 望遠鏡の選定に関しては、その他の点での トレードオフの必要もあるので、ニュートン式が有利であると即断する訳には行かないが、トレードオフの 際には「偏光解消度計測の際のメリット」も考慮すべき事項の一つとして入れることをお薦めする。 4.干渉について 光も電磁波であり、光同士の間で干渉がおこる。 2つの光の位相が一致した時は強め合い、逆の位相の場 合は打ち消し合うことになる。(詳細は光学の教科書等を参考にされたい) この原理を利用したものとして「干渉計」等もあるが、ここでは光学部品の反射防止膜と干渉フィルタにつ いて取り上げる。 レーザ測距・測角装置 反射光 目標物 アクリル窓 ここに当たった 光が反射して 装置に戻る。

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4.1 反射防止膜 レンズその他光学部品に光が入射する場合、屈折率の差に応じて反射が生じる。 3項で示したように 垂直入射の場合は、p偏光s偏光共 1面の反射は (n2−n1)2/(n2+n1)2 n2=1.5 n1=1(空気) では0.04 となる。 一般のガラス材料では、屈折率nが約1.5でありこれに光が入射すると1面で4%、1枚のレンズでは 2面で8%となり、複数のレンズで構成された光学系では無視できない損失となる。 屈折率nの物質の表面に屈折率√nの物質の薄膜を蒸着した場合、空気とこの物質の間の反射は上記の式 でn2の代わりに√n,n1=1(空気)を入れると反射は(√n−1)2/(√n+1)2 またこの物質 と屈折率nの物質の間の反射も(n−√n)2/(n+√n)となる(各々を√nで約分すると上と同じ) この物質の光学的厚みが1/4波長(往復で1/2波長)であると、2つの反射光の位相が1/2波長ず れて重なることになる。位相がちょうど反転し、かつ強さの同じ光が干渉し合う結果「お互いに打ち消し合 い」結果として反射は0となる。これが反射防止膜の基本原理である。 実際には√1.5である1.225に 近い屈折率の物質は無く、また波長によって1/4波長となる厚みも異なる。 従って屈折率が異なる 2∼3種の物質を適当に組み合わせることにより広い波長範囲に亘り反射を少なくするようにしている。 4.2 干渉フィルタ 屈折率の大きな(高い)物質と小さな(低い)物質を交互に蒸着し、多層とした場合「ある波長に対して それぞれの境界面での反射が打消し合うように厚さをコントロール」するとその波長のみは反射が0となる (この波長の光は高い割合で透過する)反面、他の波長では多くの面で反射される結果透過光が大幅に減少 する。 即ち特定の波長のみ透過し、他の波長は透過しないことになる。 レーザ光等を外部に発射し、目 標物からの反射光や散乱光を検出する場合、検出器の前にレーザ光の波長のみ透過する干渉フィルタを置く と太陽光などのノイズ光をカットすることができる。 干渉フィルタの構造を図4-1に示す。 図4-1 干渉フィルタの構造 干渉フィルタは一般的に、垂直に光が入射することを前提に作られている。 斜めから光が入射した場合、 各々の面で反射された光の光路差が変わるので、透過する中心波長がズレる(必ず波長の短い方にシフトす る)。詳細は下式による。 λα ;角度 α で入射時の中心波長 λ0 ;垂直入射の時の中心波長 Ne ;入射側物質の屈折率(空気の場合 1) N* ;フイルタの等価屈折率(カタログに出ている 例えば 1.45or2.05) α ;入射角度   

λ

α

=

λ

×

− 

α





×

0 2 2

1

N

N

e *

sin

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干渉フィルタの製作に際して製作誤差を指定するが、通常の誤差指定のように±○○nmとするのでなく、 +△△ −0nm とすべきである。 多少「+ぎみ」に出来上った場合は傾けて使用することも可能だが 「−ぎみ」の場合は使えなくなるからである。 傾いた光が入ると透過波長が変化することから、原則的には下のように平行にしたところに干渉フィルタ を入れる。 集光レンズの代りに大型の反射望遠鏡等を使用した例では、焦点距離が長く最大の傾き角αが小さくなり、 前式で求めた透過中心波長のズレが干渉フィルタの透過帯域に比して少ない場合もありその時には、コリメ ートレンズや2つめの集光レンズを省略したシステムを使用することも可能である。(あまり推奨しないが システム構成上このようにせざるを得ない場合の例である) この場合干渉フィルタの透過中心波長は、レーザ等の波長に合わせるのでなく、αのほぼ半分の角度だけ 傾けた時にレーザ波長となるようにするとよい。 (正確には下図のようにする。この時は製作誤差は±で指定してもよい) ※ 干渉フィルタの置き方の鉄則 干渉フィルタには主なる構成品である多層膜の蒸着された部分の他に、少しは減衰されるもののこれを 通り抜けてしまう整数倍の周波数(波長で言えば整数分の1)の光を遮断するための色ガラスフィルタ が用いられている。 蒸着された部分と色ガラスフィルタ部分のどちらを光源側とするかは特に関係の ないように見えるが以下の理由により大きな影響がある。 必 必 必 必ず蒸着された部分を光源側に向けるず蒸着された部分を光源側に向けるず蒸着された部分を光源側に向けるず蒸着された部分を光源側に向けること 向きが逆だと不要な光を吸収して歪みや破損の原因となるだけでなく、紫外線用に用いられる色ガラ スフィルタの中で湿度に弱いものでは表面が荒れた際に光が斜め方向へも行くようになる。 蒸着された部分に光が斜めに入ることは「設定波長の透過率が下がる」他に「目的以外の波長に対し ての透過率が増し、不要な光が透過する」ことになる。 透過帯域を狭くしたものでは、特に後者の問 題は干渉フィルタの性能を大きく損ねることになる。 α 傾きαに相当 傾き0に相当 この外側と内側の面積 (遮蔽部を除く)が等しく なる傾きの時レーザ波長 となるようにする 遮蔽部 視野絞り 干渉フィルタ 光検出器 α 大型の反射望遠鏡 集光レンズ 集光レンズ 視野絞り コリメートレンズ 干渉フィルタ 光検出器 α

(10)

5.その他 光学分野は電子関係の分野に勝るとも劣らないほど広く、オプトロニクスに限っても膨大なものである。 ここで語り尽くせなかったことで、光を利用した装置やシステムを開発する上で役立つと思われる 「光のスペクトルや目の感度」に関して付記する。 設計に際してデータを探しても載っているものが解らず困ったことがあったので、それらを使い易く纏めた 時のものを別添した。 目の比視感度とその感度限界、撮像素子等で用いられているルーメン感度とワット(W)との換算値と JIS C 6802に用いられている波長に関する補正係数の逆数を一纏めとした。 太陽光のスペクトルに関して、大気圏外の値と地上での値(実測値をもとにしたもの)とその比を纏め 5900K の黒体放射に近似していることを示すグラフを作成した。 太陽光のスペクトルは、太陽電池のように積極的に太陽光を利用する分野でも活用できるが、それ以上に重 要なのは「各種計測の際に受光信号光をマスクする太陽光ノイズ」の問題である。 光検出器の感度特性や干 渉フィルタの遮断特性、CCD 等の画像蓄積時間、ゲート付き PMT のゲートの遮断特性等と併せて検討する ことにより「太陽光ノイズの影響を試算」することが出来、これと光検出器の固有ノイズから所要受光レベル を算出し、「システムの所要出力や受信光学系の大きさを求める」こともできる。 光の時間的変化を検出する光検出器では、波長に対する感度が明記され、一般にA/Wというような形で示 されているが、カメラ等全波長(少なくとも可視光全体を含む)を対象としたものでは最低何々ルックスまで 使用できるというような形で性能が示されることが多い。 筆者はこの方面の検討をしたことが殆ど無いが、 ルーメン感度に関係していると推測している。 PMT や専門的な CCD カメラでは飽和露光量(μJ/cm2 とダイナミックレンジで表されその際の光のスペクトル分布として2870K等とその温度の黒体輻射スペ クトルで示すものもある。 この指定が無いものは「暗に太陽光スペクトルを想定?」しているのかも知れな い。 詳しい検討ではメーカに確認することをお薦めする。 黒体輻射は下の式によるが、輻射する物体の内部の値なのかそこから放射されるものを受ける場合なのかに よりπで割る必要が生じたりするので、スペクトルの相対値(温度が変わると各波長毎の強さの割合がどのよ うに変わるか)を知る意味で使用されたい。(単位・次元に注意 W/m2/μmが解りやすいが計算は波長もm に直して行う) ちなみに太陽光のスペクトルと比較した添付のグラフではこれをπで割っている Wλ;黒体の単位面積単位波長当り放射される電力(W/m2/m[波長]) 106で割って W/m2/μmとして考えると解りやすい λ;波長(mに直す) T;絶対温度(K) h;プランク定数 6.626×10-34W・s2(J・s) c;光速 2.998×108m/s k;ボルツマン定数 1.380×10-23W・s/K 色ガラスフィルタ 蒸着された部分 実際は薄い 基板 光源

×

×

×

×

不要な光は反射 不要な光を吸収 (歪みや破損) 表面が荒れると斜め 方向へ行く光が出来る

1

1

2

/ 5 2

=

hc kT

e

hc

W

λ

λ

λ

π

(11)

G黒体放射を併記 グラフ 1

1

-Solar Spectral Irradiance-standard Curve

0 500 1000 1500 2000 2500 0 0.5 1 1.5 2 2.5 波長(μm) Solar irradiance W / m 2 / μ m 大気圏外 大気透過後 実測値より 5900K黒体放射スペクトル

(12)

波長(nm) 明所比視感度 Vλ 暗所比視感度 V'λ 補正係数C 360 4.00E-06 感度限界1 380 3.90E-05 感度限界2 390 0.0001 0.00221 400 0.0004 0.00929 410 0.0012 0.03484 420 0.004 0.0966 430 0.0116 0.1998 440 0.023 0.3281 450 0.038 0.455 460 0.06 0.567 470 0.091 0.676 480 0.139 0.793 490 0.208 0.904 500 0.323 0.982 510 0.503 0.997 520 0.71 0.935 530 0.862 0.811 540 0.954 0.65 550 0.995 0.481 1 1 555 1 0.402 1.188502227 0.841395 560 0.995 0.3288 1.412537545 0.707946 570 0.952 0.2076 1.995262315 0.501187 580 0.87 0.1212 2.818382931 0.354813 590 0.757 0.0655 3.981071706 0.251189 600 0.631 0.03315 5.623413252 0.177828 610 0.503 0.01593 7.943282347 0.125893 620 0.381 0.00737 11.22018454 0.089125 630 0.265 0.003335 15.84893192 0.063096 640 0.175 0.001497 22.38721139 0.044668 650 0.107 0.000677 31.6227766 0.031623 660 0.061 0.0003129 44.66835922 0.022387 670 0.032 0.000148 63.09573445 0.015849 680 0.017 0.0000715 89.12509381 0.01122 690 0.0082 0.00003533 125.8925412 0.007943 700 0.0041 0.0000178 177.827941 0.005623 760 6.00E-05 感度限界2 825 1.00E-06 感度限界1

=683 l

m・W

−1 (明所視の場合 λ=555nm)

=1746 l

m・W

−1 (暗所視の場合 λ=507nm)

参照

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