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Microsoft Word - アセスの理解と活用方法

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Academic year: 2021

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1 新潟県立教育センター はじめに 問題を抱えて苦戦している児童生徒に対して、今までは教師の経験と勘をもとにした見立てを 行い、支援方法を考えていました。アセスという児童生徒の理解と支援のためのアンケートを使 うことによって、経験と勘だけに頼らずに、客観的な情報収集をして見立てることで、効果的な支 援の方法を考えることができると思います。児童生徒の理解と支援のためのツールとして、アセ スを Q&A で紹介させていただきます。 Q&A の内容と流れは以下の図のとおりです。

アセスの理解と活用方法

アセスの概要 Q1~Q5 個人特性票 Q6 学級内分布票 Q7~Q10 学級平均票 Q11 研修会の進め方 Q12 複数回実施の活用法 Q13 留意点 Q14 実践力向上研修 Q15

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2 Q1.「アセス」 って何ですか?

A1.学校環境適応感尺度「アセス」(ASSESS:Adaptation Scale for School Environments on Six Spheres)は、学校適応感理論をもとに、大きく「生活満足感」、「学習的適応」、「対人的適 応(教師サポート、友人サポート、向社会的スキル、非侵害的関係)」の3つの観点から学校適 応感をとらえることができるアンケートを活用したアセスメントツールです。 学校適応感だけではなく生活満足感も測定するため、学校外での生活に関する満足感も間接 的に知ることができます。 Q2.どうすれば使うことができますか? A2.「アセス」は、『アセスの使い方・活かし方』(ほんの森出版)に付属の CD-ROM の中にアン ケート用紙と集計用紙が入っています。児童生徒にアンケートを実施し、教員が集計用紙 (EXCEL シート)にデータを打ち込むことで、自動的にデータを処理して、分析結果を表示しま す。そのため、ほとんど費用がかからずに調査をすることができます。 Q3. 「アセス」の特徴について教えてください。 A3. 次のような特徴があります。 (1) 本人の主観的な適応感、とりわけSOSのサインを出している児童生徒のピックアップに有 効です。 (2) 児童生徒の適応感の全体を、包括的かつ多面的に判断できる尺度になっています。 (3) 家庭のことを聞かずに、学校以外の場での適応状態を推測できる尺度になっています。 (4) 担任もしくは学校の先生との関係を直接的に聞くことにより、教師側のかかわりを児童生徒 がどう受け止めているか、教師側の思いが空回りしていないかを確認することができます。 (5) 高校生版はわずかに文言が異なっていますが基本的に、小学生、中学生、高校生を同じ尺 度で測定することができます。 したがって、小中連携、中高連携を行う場合にデータを共有で きるという利点があります。 Q4. 「アセス」 を使うことでどのようなデータが得られますか? A4. 児童生徒が34 項目のアンケートに答え、その結果をパソコンに入力することで、「個人特性 票」「学級内分布票」「学級平均票」の3種類のシートが出力されます。複数の学級を入力すれ ば「学級間分布表」を加えた4種類のシートを出力することもできます。 「アセス」は次の6つの側面から「学校適応感」をとらえています。その 6 つの側面は以下のも のです。 (1) 生活満足感:生活全体に対して満足や楽しさを感じている程度を表すもので、総合的な適 応感を示したもの。 (2) 教師サポート:担任(教師)の支援があるとか、認められているなど、担任(教師)との関係 が良好であると感じている程度を示したもの。 (3) 友人サポート:友だちからの支援があるとか、認められているなど、友人関係が良好だと感 じている程度を示したもの。 (4) 向社会的スキル:友だちへの援助や友だちとの関係をつくるスキルを持っていると感じてい

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3 る程度を示したもの。 (5) 非侵害的関係:無視やいじわるなど、拒否的・否定的な友だち関係がないと感じている程度 を示したもの。 (6) 学習的適応:学習の方法もわかり、意欲も高いなど、学習が良好だと感じている程度を示し たもの。 これらの因子は、適応していると感じているほど得点が高くなります。なお、(2)~(5)が「対人的 適応」を構成するものです。 Q5.6つの側面の関連はどのようになっていますか? A5.以下の図1のような相関関係があることが明らかになっています。この相関関係を活用する ことで間接的な支援を行うことができます。例えば、友人サポートを高めたいと考えていると き、直接的な支援が難しい場合、友人サポートと相関関係がある教師サポートや向社会的ス キルに働きかけることで友人サポートを高めることができるといったことが考えられます。 図1 相関関係から見たアセスの構造 Q6.個人特性票について詳しく教えてください。 A6.個人特性票では、図 2 のような票が出力されます。 図2の左下に示された六角形のレーダーチャートは、個人特性票の得点をグラフにしたも ので、6つの側面のバランスを読み取ることができます。これは、バランスよく外側に広がって いるほど適応していることを示します。特に中心付近の領域にあるものが、その児童生徒に とって課題があるもので、何らかの支援の手立てを考えていく必要があります。 7 双方向矢印は、互い に高い相関があること を示す。 「生活満足感」以外の どの因子得点が高く なっても、「生活満足 感」は改善する。

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4 図2 個人特性票(サンプル) 図2の右下の図表(XYプロット)は、「生活満足感」「学習的適応」「対人的適応」の3つの 側面が表されます。「学習的適応」の得点を横軸(X軸)に、「教師サポート」「友人サポート」 「向社会的スキル」「非侵害的関係」の平均得点を「対人的適応」として縦軸(Y軸)に示してあ ります。したがって、右端ほど「学習的適応」が高く、上端ほど「対人的適応」が高いことを示し ます。それぞれ支援が必要だというコメントが出る40未満の領域は、黄色で着色されていま す。 また、点のマーカーの色と形が、4段階で「生活満足感」を表すようになっています。 〔マーカーの種類〕 ▲:30未満 ◆:30以上40未満 ●:40以上50未満 ●:50以上 ▲:「生活満足感」に関する項目だけ回答していない場合 Q7.学級内分布票について詳しく教えてください。 A7.学級内分布票では、図3のような票が出力されます。 図3に示した「学級内分布票」は、「個人特性票」と同じように「生活満足感」「学習的適応」 「対人的適応」の3つの側面が表されます。「個人特性票」のXYプロットと同じく「学習的適応」 の得点を横軸に、「対人的適応」の得点を縦軸に示してあります。図3は10人のクラスを例とし て作成したものです。図に示したマーカーの下にある英字と数字は、児童生徒の性別と出席 番号を表します。 適 応 次 元 第 1回 目 第 2回 目 第 3回 目 最 終 回 の コ メン ト 適 応 次 元 の 特 徴 生 活 満 足 感 58 特 にな し 。 生 活全体 に対 して 満足 や楽 しさを感じて いる程 度で,総 合的 な 適応 感を示 します。 教 師 サ ポ ー ト 58 特 にな し 。 担 任の支 援があ る とか,認 められ て いる な ど,担 任との関 係が良好だと感じて いる 程度 を示 します。 友 人 サ ポ ー ト 34 友 だち か らの支 援感 がや や低 くな って います 。友 だち 関 係 を確 認 し まし ょう。 友 だち からの支援 があ る とか,認められ て い る な ど,友人 関係が良好 だと感じて いる 程 度 を示 します。 向 社 会 的 ス キ ル 47 特 にな し 。 友 だち へ の援助 や友 だち との関 係をつくる ス キ ル をもって いる と感じて いる 程 度を示 しま す 。 非 侵 害 的 関 係 63 特 にな し 。 無 視やいじわる な ど,拒否 的・否定 的な 友 だち 関 係がな いと感 じて いる 程 度を示します 。 学 習 的 適 応 55 特 にな し 。 学 習の方 法もわかり ,意欲 も高いな ど,学習が良 好だと感じて いる 程度 を示しま す。 対 人 的 適 応 51 対 人 的 適 応 注 ) 得点 は 標 準化 した 「適応 度」で,高いほど適 応的であ る ことを示します 。左のチ ャートは ,6次 元での適応 を示し,カ ラー線が外側 に広がる ほど,適 応して います。オレンジ の領域 は 要支 援領 域(<40)で    す 。右のプロットは ,学習 的適 応と対 人的適 応次 元での適応 を示し,右 上ほど 適応して います 。それ ぞ れ オレンジ の領域 は 要支 援領 域(<40)です。マー カ ー は ,生活 満足 感の適 応度 で,要支 援は 赤    の△(<30)とオレンジ の◇(<40)で,適応群 は 緑 の○と(≧ 40)青の○ (>50)で示 して あ りま す。グ ラフ の読み 取り 方 は ,解説 書2章,3章 を参照 して ください。 要 学 習 支 援 ← 領 域 → ・ v・ ホ ・ l・ x・ ・ ・ ゥ ・ フ ・ ・ ・ ィ 要 支 援 領 域 10 30 50 70 90 生 活満 足 感 教 師サ ポート 友 人サ ポート 向社 会 的ス キル 非 侵害 的関 係 学習 的適 応 第1 回 目 第 1 回 目 10 30 50 70 90 10 30 50 70 90 ・ ホ ・ l・ I・ K ・ ・ 学 習的 適応

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5 図3 学級内分布票(サンプル) Q8.学級内分布票の XY プロットから読み取れる児童生徒の適応感について教えてください。 A8.学級内分布票の XY プロットから、5つの典型的な学校適応状態のタイプを見取ることができ ます。(図4を参照) ①~④の破線枠と⑤の←で示した5つになります。 ①の破線枠内:学校に適応している児童生徒 ②の破線枠内:学習面で支援が必要な児童生徒 ③の破線枠内:対人面で支援が必要な児童生徒 ④の破線枠内:学習面・対人面で支援が必要な児童生徒 ⑤の←で示した児童生徒:学校に適応しているが、生活満足感が低いため、学校外環境に 問題があると考えられる児童生徒 Q9.図4の学級内分布票の XY プロットにおいて、気を配った方がよい児童生徒はどの児童生 徒ですか。 A9.気を配った方がよい生徒は、マーカーが要学習支援領域、要対人支援領域に入っている児 童生徒とマーカーの色が、▲、◆の児童生徒(「生活満足感」が低い)です。 図4で、●M-3で示された児童生徒は、対人支援、学習支援ともに必要な児童生徒であり、 早急な支援が必要な児童生徒ということになります。●M-9 で示された児童生徒は学習支援 が必要な児童生徒、●F-5 で示された児童生徒は、対人支援が必要な児童生徒ということを表 します。特に▲F-10、◆M-2 の児童生徒は、学習・対人ともに支援領域に入っていませんが、 生活満足感が低いため、学校外の環境(例えば家庭)に何らかの問題があるのではないかと 考えられる児童生徒になります。

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6 図4 学級内分布票 XY プロット(サンプル) Q10.図5の学級内分布票の横棒グラフはどのように見れば良いですか。 A10.横棒グラフは6 つの尺度ごとに,各適応状態の割合(%)を示したものです。要支援は赤(< 30)とオレンジ(<40)で,適応群は緑(≧40)と青(>50)で示してあります。 図5に示した横棒グラフに関して、青と緑を加えた領域が全体の 60%を下回る状態では、 個別的な支援と並行して、学級全体への働きかけが必要です。非侵害的関係で 60%ちょうど くらいですので、学級全体への働きかけが必要になります。 青の領域が全体の 60%を超えているのに赤やオレンジの領域もある程度占めるような場 合には学級全体というより、個別的な支援が必要となります。 ただし、結果だけに頼らず実態とよく照らし合わせて支援の方法を考えていくことが重要 です。

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7 図5 学級内分布票横棒グラフ(サンプル) Q11.図6の学級平均票について教えてください。 A11.図6に示した「学級平均票」は、「個人特性票」と同じ構成です。表や図の意味も前述した 「個人特性票」と同じです。学級には、得点の高い児童生徒もいれば、低い児童生徒もいる のが一般的なので、学級の平均は、どの適応の側面も得点が50の近辺に寄ってくる傾向 にあります。 もし「学級平均票」のXYプロットで、黄色の要支援領域に含まれるところにマークされてい たり、▲や◆のマークがあったりした場合は、学級の全体的な適応状態がよくなかったり、 学級の児童生徒の多くが支援を必要としていたりすることになります。この場合は特に支援 の緊急度が高いと言えますので、学級の状態を「学級内分布票」でも確認する必要がありま す。 0% 20% 40% 60% 80% 100% 生活満足感 0% 20% 40% 60% 80% 100% 教師サポー 0% 20% 40% 60% 80% 100% 友人サポー 0% 20% 40% 60% 80% 100% 向社会的ス 0% 20% 40% 60% 80% 100% 非侵害的関 0% 20% 40% 60% 80% 100% 学習的適応 教師サポート 生活満足感 友人サポート 向社会的スキル 非侵害的関係 学習的適応

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8 図6 学級平均票(サンプル) Q12.「アセス」を用いた校内研修会の方法について教えてください。 A12.一つの例として以下のような研修会の持ち方が考えられます。 (1) 担任と副担任で事前に用紙1の設問1,2と用紙2の設問1,2を実施しておきます。 (2) (1)で作成した用紙1、用紙2、個人特性票、学級内分布表を参加者全員に配ります。 (3) 個人特性票を用いた検討 ①40 未満の要支援領域の因子をもつ児童生徒を確認します。 ・・・数値が 40 未満の生徒がSOSを出している児童生徒です。 ②全体的適応感を示す「生活満足感」を確認します ・・・生活満足感が全体的適応を示しており特に重要です。 ③因子間の相関を踏まえて「生活満足感」の数値を解釈します。 ④因子間の相関を踏まえて「対人的適応」を考えます。 ⑤学習に関連する適応を総合的に考えます。 ⑥相関関係を考えて支援方策を構築します。 ⑦用紙2の表をもとに、予測と違った児童生徒について、なぜ予測と違ったのかその理由を考 えることで、その児童生徒の理解を深めるための協議を行います。 適応次元 第1回目 第2回目 第3回目 最終回のコメント 適応次元の特徴 生 活 満 足 感 52 特になし。 生活全体に対して満足や楽しさを感じている程度で,総合的な適応感を示します。 教 師 サ ポ ー ト 59 特になし。 担任の支援があるとか,認められているな ど,担任との関係が良好だと感じている程度 を示します。 友 人 サ ポ ー ト 52 特になし。 友だちからの支援があるとか,認められてい るなど,友人関係が良好だと感じている程度 を示します。 向 社 会 的ス キル 53 特になし。 友だちへの援助や友だちとの関係をつくるスキルをもっていると感じている程度を示しま す。 非 侵 害 的 関 係 54 特になし。 無視やいじわるなど,拒否的・否定的な友だち関係がないと感じている程度を示します。 学 習 的 適 応 51 特になし。 学習の方法もわかり,意欲も高いなど,学習が良好だと感じている程度を示します。 対人的適応 54 対 人 的 適 応 注) 得点は標準化した「適応度」で,高いほど適応的であることを示します。左のチャートは,6次元での適応を示し,カラー線が外側に広がるほど,適応しています。オレンジの領域は要支援領域(<40)で    す。右のプロットは,学習的適応と対人的適応次元での適応を示し,右上ほど適応しています。それぞれオレンジの領域は要支援領域(<40)です。マーカーは,生活満足感の適応度で,要支援は赤    の△(<30)とオレンジの◇(<40)で,適応群は緑の○と(≧40)青の○(>50)で示してあります。グラフの読み取り方は,解説書2章,3章を参照してください。 要学習支援 ← 領域 → ・ v・ ホ ・ l・ x・ ・ ・ ゥ ・ フ ・ ・ ・ ィ 要支援 領域 30 40 50 60 70 生活満足感 教師サポート 友人サポート 向社会的スキル 非侵害的関係 学習的適応 第1回目 第1回目 30 40 50 60 70 30 40 50 60 70 ・ ホ ・ l・ I・ K ・ ・ 学習的適応

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9 (4) 学級内分布表を用いた検討 ①XYプロットで要学習支援領域と要対人支援領域に属している児童生徒を確認します。 ②XYプロットで「生活満足感」が要支援領域に属している児童生徒を確認します。 ・・・「生活満足感」が低い児童生徒は学校外での適応が課題の可能性が高い。 ③XYプロットで「学習的適応」と「対人的適応」の分布の状態を確認します。 ④横棒グラフで青と緑の割合を確認します。 ・・・個別支援が中心となるのか、学級全体に対する支援が中心となるのか判断します。 ⑤相関関係を考えて支援方策を構築します。 (5) 用紙2の設問3,4を実施し、情報交換をします。 (6) 協議「今後の指導の方向性」(用紙2の設問5の実施) ・・・個に対する支援と学級に対する介入について、学級経営の観点を加味して考える (7) まとめ 理解・方針・方法の共有の重要性を確認します。 用 紙 1 ア セ ス ( 学 校 適 応 感 尺 度 ) の 結 果 の 検 討 (     年     組 ) 子 ども は 、 生 活 を楽 しい と 感 じて お ら ず 、自 分 に も 満 足 で き ず、 明 る く の び の び した 気 持 ち に な れ て い な い の で は な い か 子 ども は 、 担 任 (教 師 )は 自 分 を気 に か け て く れ な い し、 認 めて く れ な い ,理 解 して く れ な い と思 っ て い る の で は な い か 子 ども は 、 話 をした り、 自 分 を理 解 して く れ る 友 だ ち や 、 自 分 を気 に か け て く れ る 友 だ ち は い な い と思 っ て い る の で は な い か 子 ども は 、自 分 を、 相 手 の 気 持 ち に 立 つ こ とが 苦 手 だ し、 挨 拶 や 思 い や りを示 す こ とが で き な い と思 っ て い る の で は な い か 子 ども は 、 友 だ ち は 自 分 を 仲 間 と思 っ て い な い し、 か ら か わ れ た り バ カ に され た り して い る と 思 っ て い る の で は な い か 子 ども は 、 学 習 が 難 しい ・ ダ メ だ と感 じ て い て 、 不 安 に な っ た り 意 欲 を失 っ て い る の で は な い か 番   号 名   前 生 活 満 足 感 教 師 サ ポ ー ト 友 人 サ ポ ー ト 向 社 会 的 ス キ ル 非 侵 害 的 関 係 学 習 的 適 応 (例 ) 1     A 男 ○ ○ 1  ク ラス の 中 で 「 特 別 に 心 配 な 子 ども 」 をあ げて 、 表 の 左 列 「 番 号 ・ 名 前 」 の 欄 に 書 き 込 ん で く だ さい 。人 数 は 少 な く て も 多 く て も か ま い ま せ ん 。 2  表 に あ げた 子 ども の 「 どの 側 面 」 を先 生 は 心 配 して い ま す か 。 そ の 子 ども の 「 特 に   心 配 な 側 面 」 に つ い て 、 該 当 す る 欄 に ○ をつ け て く だ さい 。 (い く つ で も 可 )

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10 Q13.「アセス」を複数回実施した時の読み取りの方法を教えてください。 A13.以下のポイントを踏まえて、支援の方法を考えていきます。 •個人特性票で適応群から要支援領域に変化した生徒をピックアップし、その理由を考え、支 援の方策を探ります。 •個人特性票で要支援領域から適応群に変化した生徒をピックアップし、その理由を考えま す。 •学級平均票で、適応群から要支援領域、要支援領域から適応群に変化した因子をピックアッ プし、その理由を考えます。 Q14.「アセス」を活用する際の留意点を教えてください。 A14.以下の 2 点について留意してください。 ・「アセス」は児童生徒理解のためのアセスメントツールです。「アセス」を実施するのが目的で 用紙2

適応感の低い子ども (  年  組)

6側面 得点の低かった子ども 生活 満足感 教師 サポート 友人 サポート 向社会的 スキル 非侵害的 関係 学習的 適応 1 用紙1を見ながら「適応の6側面」の欄に○のついた児童生徒の名前を、対応  する列に記入してください。 2 配布された「個人特性票」の結果を見て、実際に得点が低かった子どもの名  前を赤○で囲ってください。また、名前は書かなかったけれども「個人特性票」  で数値が40未満の要支援児童生徒がいれば、名前を赤で記入してください。 3 予想していなかった得点が低かった子どもたちについて、何か、気づかれ  ましたか。 4 赤○で囲まれた子どもと、赤字で記入された「適応感の低い子ども」の結  果を見て、どんな背景や可能性があると思われましたか。 5 これからの支援の方向性と具体的な方策について考えてください。

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11 はなく、結果を踏まえてどのように子供たちを支援していくかを考えることが重要です。ぜひ分 析結果をもとに先生方で話し合われてください。 ・「アセス」は児童生徒理解のための客観的な指標の一つとなりますが、その他に、①先生方 による日常の行動観察、②児童生徒への面談、を行うことでさら児童生徒理解が深まります。 3つの視点で総合的に児童生徒を理解し支援の方策を探ることが必要です(図7参照)。 図7 総合的な見立て Q15.「アセス」をさらに理解するための校内研修を行う際の講師をお願いできますか。 A15.新潟県立教育センターの実践力向上研修を利用することで、センターの指導主事を講師 として研修を行うことができます。講師の旅費はセンターで負担しますので、学校の旅費を使う 必要がありません。 おわりに 児童生徒理解のための客観的な指標の一つとしてアセスを紹介させていただきました。先生 方が児童生徒をよりよく、より深く理解するために、また児童生徒の支援の一助になればと思い ます。 引用・参考文献 •栗原慎二、井上弥 編著 (2012) 『アセスの使い方・活かし方』 ほんの森出版 •石井眞治、井上弥、沖林洋平、栗原慎二、神山貴弥 編著 (2009) 『児童・生徒のための学 校環境適応ガイドブック-学校適応の理論と実践-』 協同出版 •長崎県教育センターWeb 情報 第345号 (平成24年8月24日) アセスの結果 教師の観察 子供への面談 児童理解を深める 支援の方策を探る 見立ての方法

参照

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