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デ ジタル カ メ ラ画像 を用 いた吹雪視 程判読 ―視程計データ との比較 ―

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北 海 道 の 雪 氷 No 25(2006)

デ ジタル カ メ ラ画像 を用 いた吹雪視 程判読 ―視程計データ との比較 ―

。原 田

 

裕介

 

上 石

 

(株式会 社 アル ゴス)荒 川

 

逸 人

 

飯 沼

 

弘 一(野外科学株 式会社)

は じめ に

本研 究 は、道路吹雪防災 コンサ ルテ ィング業務で の視程連続観測 にお いて、で きるだ け簡 便 な解析方法でデ ジタル カ メラ画像の適用が可能か を検 討す る ものである。

「道路吹雪マニ ュアル」りによれ ば、予備調査 にお いて気象調査の他可能であれば視程観 測 の連続観測 を行 うよ う明記 されて いる。 また、「2005除雪 防雪 ハ ン ドブ ック」つによれ ば、

吹雪 によ る視程障害の実 態 を把握 するため に、 どのよ うな場所や気象条件の もとで障害が発 生 しやす いか を知 る ことが必 要で ある と明記 されて いる。以上か ら、道路吹雪防災 コンサル テ ィング業務にお いて 、現地調査で視程連続観測 を実施す るケー スが多 い。

「雪氷調査法」めによれ ば、視程観測 は 「視 程計」 と 「目視

Jに

よ る方法が記載 されて い る。 目視の連続観測 は困難 なため、視程計 を使用す るケースがほ とん どで ある。 しか し、視 程 計 は高価 であるため、複数点 設置 して広域 な視程分布 を測定するには経済的で はな い。

そ こで 、本報告で は、視程計 に比べ非常 に安価 であるイ ンターバル機能付 きのデ ジタルカ メ ラで定期的 に撮影 した画像か ら視認性 による視程判読 を実施 し、視程計 による観測 との比 較 、 お よび視程判 読時 の気象条件(風速 ・気温・積雪深)の抽 出結果 について示す。

条件整理

「気象条件か ら視程 を推定す る手法 の研究」'によれ ば 、冬期の道路 交通 の確保 を 目的 と す る場合、視程値 はメー トル単位 の精度 は必要な く、50m未満 、50〜 200m、 200〜 500m、 500

〜 1000m、

100om以

上 の5段階 程度 の吹雪 の強 弱がわかれ ば、実用的には十分で ある と明記 され て いる。 また、「2005除雪 防雪 ハ ン ドプ ックJうによれば、視程が 200〜300m程度 で は 車 の走 行速度は視 程が良 い とき と比べて

1割

ほ ど低 下す る ものの、ほぼ正常な運行 を保つよ うで あ る と明記 されて いる。

よ つて 、道路管理者 に とって有益な資料 とな りうる視程50m未満 と 50〜200mの発 生状 況 の把握 とその気象条件の抽 出 を考慮す るもの と した。 また、 コンサルテ ィング業務での作業 性 を考慮 し、で きるだ け簡便な観測および解析手法 を用 いる ことと した。

3. 

これ までの吹口画像研究 と計測機器比較整理

これ まで、石本"によ る

ccDカ

メ ラ、荻原 らめによるデ ジタルカ メラによる吹雪画像解析 報告 が あ る。手 法 につ いて は、本 ペー ジ下記 に示 した。また、表 1に視程 計、

CCDカ

メ ラな らび にデ ジタルカメ ラによる現地調査での計測機器比較整理結果 を示 した。

現 地目 査での計測機 器比較整 理結果

観 測 機 器 視 程 計 CCDカ メ ラ デ ジタフレカ メラ 測 定 方 式 光 の 透 過 率 コ ン トラス ト コン トラス ト 電 源 100V AC電源 100V AC電源 電 池

夜 間 照 明 不 要 必 要 必 要

記 録 装 置

データロガー ビデオデッキ

内蔵(メモリカ ト等) 本体+記録装置費用 200万円程 度 20万円程 度 6万円程 度

CCDビ

デオカメラ :画 面内に設置 した専用 ターケ ッ トの輝度差か ら視程を計測する方法。

デ ジタルカメラ:コ ン トラス トとパ ワースペク トル値 による解析手法

‑65‑

(2)

北海道 の雪 氷 No.25(2006)

4.観

測方法

著者 らは、冬期 通行 止道路 にお いて 吹雪 発 生が予 想 されたH18.1.26‐2.4の 8日間、視 程 計、

デ ジ タル カ メ ラな らび に気 象観 測 計(気温 ・ 風 向風速・ 積雪 深)を設置 し、連続観測 を実施 し た(表 2、1、 写 真 1)。 本観 測 の デ ジタル カ メラ画像判 読で は、「雪 氷 調査 法」〕目視 によ る視程観測 をもとに、周辺 の建物な ど(こ こで は電柱、山および簡 易の旗)の目標物 を利用 し、

視 程判 読基準 を

13段

階 に分類 した(図 1、3)。 また、照明未設置 区間 のため夜間デ ジタル カ メラ画像 デー タは削除 した。 さ らに、視程 計お よびデ ジタル カメ ラ設置位置 は、

 

ドライバ

― の 目線 と積 雪 深 を考 慮 し1.8mとし、 併 せ て 甲俸半り読 の基準 高 さ 集 表

視程計およびデジタルカメラ仕様

視 程 計 バ イサ ラCVS―PWDll 検 出方法 前 方散乱 式 測 定 範 囲 V2,000m 測 定 インターA・ル 30秒

記 録 方 法 30秒瞬値 、1分平 均 値

1000m 以上

写真 1 視程測定(視程計、デ ジタル カメラ、気象観測計)

期 年 行 遷 止 道

\ 贖 一 ︵

│― 一∞ iTI電

3

1      :      l

デ ジタル カ メ ラ カ シオ

 QV‑2900UX

有効 画 素数 約 200万 画像 サ イズ 800× 600

FINE(約 200KB/枚)

ズ ーム な し

フ ォーカス ホワイトハ・ランス オ ー ト 露 出モー ド

プログラム

電 源 単3形電池 ×

4本

(リチ ウム電池)

ス トロボ 発 光 禁 止 測 定 インターハ・ル 10分 画 像 判 読 人 員 2名

表 3デジタル カメラの画像判読基準 分 類

No.

目標 物 が 確 認

で き る範 囲 視程判読

1 1

2 旗1〜旗2 35m

3 2

4 旗 2〜 旗3

5 3

63〜電柱1

7 電 柱1

8 電柱1〜電柱2

9 電柱2 150m

電 柱 2〜 電 柱3 175m 電柱3 200m 電柱3〜山 500m 1000m以上

※ :ァジ タル カ メ ラは 、

※:デジタルカ メラは、防雪処理 を施 した保管箱 に 格 納 した。 また、保管箱 カ メラ正 面部の着雪 を考慮

し撮影 方向 を設定 した。

‑66‑

視程 目標 図

(3)

北海道の雪氷 No 25(2006)

5. 観測結果

デジタルカメラ画像は、H18126‐24の夜間 を除 く 8日 間で計

642サ

ンプルを取得 し、表4 に示 した

2名

の被験者によ り判読 した。本報告では、以下の3項目について結果を述べる。

1)被 験 者 に よ る判 読 差 異 の確 認 2)視程 計 とカ メ ラ画 像 判 読 の 比 較 3)毎正時気象デー タ との比較

51 

被験 者 によ る判 読 差異の確認 こ こでは、2で示 した 吹雪障害 とな り うる視程50m未満 お よび 50〜200mにつ いて表

5に

整理 した。 そ の結果、被験者

①② どちらが200mと判定 した 183サ ン プルのうち、78%の 142サ ンプルで共に

200m以

下 と判読 した。 また、前頁表 3

で示 した 13段 階の画像判読基準で、共に

200m以下 と判 読 した 142サンプル の うち 、200m以下 で 判 読 分 類Noが一致 した の は約82%

で あ っ た。 さ らに 、 判 読 後 の ヒヤ リン グか ら、 視 程200m前後 の 判 読 で 約 20%の差 異 が 生 じ

た 要 因 の 一 つ と して 、高 さ1〜2m程度 の 地 吹 雪 視 程 判 読 で被 験 者 に よ り差 異 が 生 じて いた こ と を確 認 した 。

52 

視 程計 とカメラ画像判続の比較 前項 で 、被験 者 同士が共 に 200m以下 と画像判読 した142サンプル の視程計計 測デ ー タを、表

6に

整理 した。そ の結果 、 視程 判読結果 と視 程 計 計測 デー タに差 異 が 見 られた。特 に、

looom以

上 と計測 さ れた デー タは69%であ つた。これ らの 要

因 と して 、視程 計 は 、限 られた空間のち りな どによる光 の減衰・散 乱の度 合 いか ら求めるた め 、測定領域 に雪粒 子が供給 されなか った可能性 が示唆 される。

。。 連続 した高い地吹雪

53 

毎 正時気象デ ータ との比較 Q15           ●く200m

表 5デジタル カメラ画像判読結果 全 サ ンプル 642 サンフル数   どち らかが 、200m

以 下 と判読 共 に200m以 下 と

判 読 142/183=78%

50m未 満 ,50‑200m

で 判 読 結 果 が 一 致 116/142=82%

表 6視樫計 とカメ ラロ像劇饒の比較結果 視 程 計 デ ータ数 備 考

200m未満 0

200‑500m

7 7/142=4%

500‑1000m

37/142=26%

1000m以

上 98/142=69%

道路吹雪観測業務経験のある被験者①の画像

I

製 フ 王 万 Zi剰 響 1盲 llli∬ 像 冒 勝 冒 員颯

ン ドプ ック」つに記載 されて いる、降雪時の 7m

高 さ風速 と気温 と吹雪 の状態 を示 した もの に、本 観測 で の降雪時 観測 結 果 を加筆 した もので あ る。

本解析では、4m高さで 計測 された風速 デー タを 対 数則 によ って 7m高 さに換算 した。 その結果、

200m以下 の視 程 と画 像 判読 した時 の気 象条件 は 、

。 ′ ̲G)□

50♀m

断続 的な 高 い地 吹鶯 H

低 い地 吹雪

‑5        ‑10 」 気‑15(℃)

国 2 視程判観値 と気象 デ ータ整理結果 本路線の観測期間では‐5℃以下の低温かつ風速

5m以

上の強風時 に多い傾向であることを確 認 した。また、断続的に ドライバーの目線よ り高 い地吹雪が発生する気象条件下であ りなが ら、視程を大 きく判読 した要因として、風速デー タは前 10分間の平均値であるのに対 し、

デジタルカメラ画像は正時の瞬間値であつた ことや、降雪強度の差異が考慮される。

̀「 撃

‑67‑

(4)

北海道 の雪氷 No.25(2006)

6. ま とめ

本 報告 では、イ ンターバ ル機 能付 きのデ ジ タル カ メラで定 期的 に撮影 した 画像 か ら視 認性 による視程判読 を実施 し、被験者 による判読差異 の確 認 、視程計 による観測 との比較 、お よ び視程判読時 の気 象条件 につ いて示 し、以下の結 果 を得 た。

・ 道路吹雪 観 測業 務経験 の異 な る被験 者 を2名選 定 し、画像 の視 程判読 を実 施 した と こ ろ、約80%の精 度 で視 程200m以下 の画像 を抽 出す る ことがで きた。残 りの約20%に

つ いては、判読後の ヒヤ リングか ら、高 さ1〜

2m程

度 の地吹雪 視程判 読 で被 験 者 によ り差異が生 じて いた ことを確認 した。

 200m以

下 と画 像 判読 したサ ンプル と同時 刻 の視 程 計デー タを比較 した と ころ、差 異が 見 られ た。特 に、looom以上 と計測 されたデー タは69%であ つた。 これ らの 要 因 と し て、視程計 は、限 られ た空間のち りな どによる光 の減衰・散乱の度合 いか ら求 め るた め 、測定領域 に雪粒子が供給 されなか った 可能性 が示唆 され る。

・ 道路吹雪観測業務経験 のある被験者 の画像判読デ ー タ と、気象観測計で計測 され た毎 正時気象デー タ を比較 した。その結果 、画像判読 で 200m以下 の視 程悪化 時 は 、本路 線 の観測期 間 で は‐5℃以 下 の低温 か つ風速

5m以

上 の強風時 に多 い傾向で ある ことを 確 認 した。また 、風 速 デ ー タは前10分間 の平均 値 で あ るの に対 し、デ ジタ ルカ メラ画 像 は正時 の瞬 間値 で あ る ことを留意 すべ きで あ る。

7.今

後 の課題

道路 吹雪 防災 コ ンサ ルテ ィング業務で の視程 連続観 測 にお いて、デ ジタル カ メラ画像適用 に向けた今後の課題 を以下 に示す。

 

視 程計で の視 程 と、画 像判 読 によ る視 認性 につ いて の詳細検 討(目視 によ る検 討追 加)。

 

撮影 イ ンターバ ル の設定(10分間隔で は、断続 的 な吹雪 による影 響が考 慮 され る)。

 

気 象観測 イ ンターバ ル の設定(毎正時観測 よ り詳細 な計測が望 ま しい)。

 

夜間観測 の扱 い方(夜間照 明 の適用 方法 、照明未設置箇所 の対処方法等)。

 

道路 条件 によ る観測 手法 の設定(目標物 が な い場 合は、視程板 を使 用す る。 また 、道路 標識や ス ノー ポール 支柱 に交通 に影 響 しな いよ うな 目印 を設置す る等)。

以 上 をふ まえて 、平 成18年度調査 計画(案 )を

7に

示す 。

今後 、表7に示 した 計画(案 )から得 たデー タをもとに、デ ジタルカ メラ画 像 で の吹雪視 程観 測 を、現 場 の吹雪 条 件 を把握 す るた め の一手法 と して構築 で きれ ば と考 えて いる。

平成 18年 度調査計画(案)

平成17年 平成 18年度

視 程 計 設 置 ○ ○

計 測 間 隔 10分平 均 10分平 均 テ・シ・タルが ラ設 置 ○ ○

撮 影 間 隔 iO分

5分

目視 観 測 うち1日程度

気象観 測 毎 正 時 10分平 均 参 考 文 献

1)国土 交通省北海道 開発局,北海 道 開発土 木研 究 所 :道路 吹雪対策マニ ュアル,2003.7.

2)(社)日本建設機 械化 協会,(社)雪セ ンター

:2005除

雪 防雪ハ ン ドプ ック(防雪 編),2004.12.

3)(社)日本雪 氷学会北海道支部 :雪氷調査 法,1991.7.

4)松沢勝,竹内政夫:気象条 件か ら視程 を推 定す る手法 の研究,雪,64,77‐85,2002.1.

5)石本敬志 :北 海道 の国道 にお ける吹雪対策 とビデ オカ メラによる視程計測 装置の開発,雪,

52,195‑202,1990.9.

6)荻原 亨,藤田諭,木坂 聖:デジタル静止画像 を用 いた吹雪時 の道路視環境評価 に関す る研 究,

寒地技術 シンポ ジ ウム,17,145‐152,2001.11.

‑68‑

参照

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