1 事例の概要
本校では、2年次より「機械設計」の学習を行っており3年では「機械設計」の基本的な考え方 は習得しているため、新しい単元分野であっても生徒は学習をスムーズに受け入れている。また、
授業では実習などを交えながら体験的な活動を行っているため、実物の歯車に触れることが多く、
科目内容をイメージしやすい。
本事例では、歯車の基本的事項を確認できるように、実物を用意して教科内容に対して興味関心 を高めるような工夫を行う。また、基本的な練習問題を解きながら数式の扱い方などを理解させる。
さらに、実際の自動車の事例を取り上げ各ギヤの減速比を紹介し、最終減速比を計算させる。そして、
その計算から分かることを自由に発言させたりまとめさせたりすることで、減速比に関する問題意識 と学習意欲を養う実践を行った。
2 実践内容 (1) 単元の目標
歯車に関する諸問題の適切な解決を目指して、広い視野から自ら考え基礎的な知識や技術を 活用し、思考・判断し具体的な事象に対して深く考えるとともに適切に判断し創意工夫する能力 が身に付くようにする。
歯車に関する諸現象に関心をもち、意欲的に取り組むとともに、社会の発展を図る創造的で 実践的な態度を身に付くようにする。
(2) 指導上の工夫点
①から④の点について工夫する。
① 何について学ぶ
身のまわりで歯車を組み合わせた製品にどんなものがあるか、なぜ歯車伝導が使われている かについて考え、ワークシートに記入させ歯車について興味を持たせるようにする。多くの 生徒が発言し授業に前向きに取り組めるように工夫する。
② 実物を見て考えよう
歯車伝導装置については、教科書だけを見ていてもイメージがわか ず授業に意欲的に取り組めない生徒がいる。そのため、実際にどのよ うになっているのか実物を見せたり、触ったりして興味を持たせるよ うにして取り組む。
③ 基本から考えよう
歯車の基本的事項を確認しながら、歯車伝導装置について歯車の回転方向、伝達速度、減速比 をどのように考えるか指導し、数式の意味を理解させワークシートにまとめさせる。
④ 実例について考えよう
自動車の実例を応用して減速比についての理解を深めて設計させ、分かることを自由に発言 させたりまとめさせたりすることで、減速比に関する問題意識と学習意欲を養う実践的な学習 を行う。
事例53 単元「歯車」
歯車の伝導について知る
工業 機械設計 電子機械科・第3学年 石川県立大聖寺実業高等学校・教諭
B―1 ワークシート B―2 まとめプリント
3 指導の実際
学習内容 学習活動(生徒) 教師の指導・支援 評価規準
【観点】(評価方法) 1.歯車伝動
装置
2.歯車速度 伝達比
3.歯車列の 減速比
・歯車を組み合わせた製 品を探す。利点につい て考える。
・ワークシートにまとめ る。
・ワークシートにまとめ る。
・歯車列の仕組みを理解 し回転方向を考える。
・練習問題を解く。
・ワークシートにまとめ る。
・生徒の学習状況を調べる
・1段組の歯車の速度伝達比と 歯数の関係は?
・数式の扱い方について基本的な 練習問題を解きながら理解さ せる。
学習した知識を思い 出し、歯車列の利点を 理解している。
【知識・理解】
(ワークシート閲覧)
減速比の理解と減速 比の算出方法を正確 に理解している。
【知識・理解】
(ワークシート閲覧)
学習のまとめ 機械設計の中で減速比 をどう使っていくか理 解する。
減速比の実例(自動車の減速比)
を取り上げ説明し減速比への興 味、関心を持たせる。
4 課題と成果 (1) 成果
・ 何について学ぶ
授業の初めにワークシートを使い歯車伝導についての考えをまとめることにより授業で何に ついて学ぶかが明確になり、興味を持って取り組む姿勢が見られるようになった。
・ 実物を見て考えよう
教科書だけでは歯車伝導のイメージがわかず授業に取り組めない生徒がいたが、実際にどの ようになっているのか、実物を見たり触ったりすることにより“わかる”、“わかった”の反応 がでてきて興味・関心をもって授業に取り組んだ。
・ 実例について考えよう
実際の自動車の各ギヤの減速比を示し、最終減速比を計算させ、そのことから分かることを 自由に発言させたりまとめさせたりすることで、減速比に関する問題意識と学習意欲を高める ことができた。
(2) 課題
ワークシートを使った学習を行うことにより、順序立てて学ぶことができ基本的な問題等は 解けるようになり効果的であった。しかし、式自体の理解が低く応用できない生徒がいること もわかり、理解できない生徒への対応も今後考えていく必要がある。また、確かな学力につな げるためには、理解した原理や法則をすぐに具体的な問題で試しさらに応用していくことが大切 だと考えられる。
・減速比の数式を用いて、練習問題を解くことができない 生徒がいると予想される。
・解答出来ない生徒のために実物の教材を用いてイメージ を持たせる。
・なぜ、歯車伝動?
・歯車の組み合わせは、どこに使 われている?
・利点は?
C―1 指導案 C―2 自己評価表