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促進暴露試験によるポリプロピレンの光劣化に関す る研究

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Academic year: 2022

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九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

促進暴露試験によるポリプロピレンの光劣化に関す る研究

飯塚, 智則

http://hdl.handle.net/2324/1807123

出版情報:Kyushu University, 2016, 博士(工学), 課程博士 バージョン:

権利関係:Fulltext available.

(2)

(様式6-2)

氏 名 飯塚 智則

論 文 名 促進暴露試験によるポリプロピレンの光劣化に関する研究 論文調査委員 主 査 九州大学 教授 田中 敬二

副 査 九州大学 教授 岡田 重人 副 査 九州大学 准教授 春藤 淳臣

論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨

自動車部品は過酷な屋外環境下に曝され続けるため、高い耐久性が要求される。高分子材料にお ける劣化の主因子は光であり、熱や水などの因子が絡みあい劣化が進行していく。本論文では、自 動車部品に最も用いられているポリプロピレン(PP)を選択し、光に熱や水を加えた際の PP の光 劣化挙動を分子構造および物性の両面から検討している。日本工業標準規格に規定された促進暴露 試験の標準条件は放射照度60 W・m-2、ブラックパネル温度 63℃であるが、本論文では過酷な条件 を3水準設定し、PPの劣化解析を行っている。得られた成果は以下の通りである。

1)放射照度60 W・m-2はそのままでブラックパネル温度を 83℃にした条件aでは、暴露表面に おける酸化劣化の進行度は標準条件と比較して3倍程度に高まり、多数のき裂が認められ、脆化も 進行することを明らかにしている。暴露面近傍では酸化劣化の急激な進行により、結晶の崩壊や分 子切断が生じていることも見出している。また、き裂部位では応力集中が生じやすく、衝撃強度や 伸びの物性の低下率は、標準条件と比較して 1.8倍程度と顕著であることを明らかにしている。

2)標準条件に水噴霧を追加した条件bでは、劣化生成物のカルボニル基やヒドロキシ基が親水 性であるため、より多くの水を収着することを見出している。PP の分子内に水分が収着されること で分子間力が弱まり、酸化劣化が助長される機構を提案している。暴露面近傍では、結晶の崩壊や 分子切断が起こること、さらには、微少なき裂が発生することも明らかにしている。

3)条件a に水噴霧を加えた条件cでは、条件aおよび条件bと比較して、酸化劣化の進行度は 約 2.5 倍と著しく高まることを明らかにしている。また、水分の収着量は約 1.8 倍、物性の低下率 は約2倍であることを確認している。

以上、要するに本研究は、過酷な屋外環境の再現試験を短時間で検証する際の基礎情報を得る手 法を確立し、熱や水分が光劣化に及ぼす促進性を定量化することに成功していることから、高分子 材料学上、価値ある業績である。よって本論文は、博士(工学)の学位論文に値すると認める。

最終試験の 結果の 要旨

本論 文に 関し て調 査委 員か ら、 (1 )カ ルボ ニル 指標 の考 え方 、( 2) ベー タ開 裂が 起こ る確 率、 (3 )熱 分析 から 結晶 構造を 考察 する 根拠 など につ いて 質問 がな され たが 、い ずれ も著 者か ら適 切な 回答 が得 られ た。ま た、 公聴 会に おい ては 多数 の出 席者 があ り、 種々 の質 問がなされ たが、 いずれも 著者の 説明によ り質問 者の理解 が得られ た。

以上の結果より,著者は最終試験に合格したものと認める。

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