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電子情報工学科(木内研究室)

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Academic year: 2021

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A-12

学生番号 13232065 氏 名 早瀬利伸 論文題目 同軸型に代わるテープ積層型超伝導電力ケーブルの開発

1. はじめに

近年,超伝導送電ケーブルや航空機用超伝導モ ータなどの超伝導機器が注目されている.航空機 の場合,モータに利用するケーブルは輸送電力の 高いケーブルが好ましい.それに加え,航空機内 の限られた空間では,現在の同軸型ケーブルの代 わりとなる,小型化されたケーブルが必要になる.

高温酸化物超伝導体(HTS)はテープ状に加工さ れたものがある.テープ状の HTS は,臨界電流 密度が磁界に依存し,特に𝑐 軸方向に磁界がかか ると臨界電流密度が大幅に減少する.従来の同軸 型ケーブルでは𝑐 軸方向の磁界を小さくできるが,

断面積が大きくなる.テープを積層すれば小型化 できるが𝑐 軸方向の磁界成分が残る.そこで,テ ープ端部での𝑐 軸方向の磁界を減少させるため,

HTS テープの周りに磁気シールドを加え,HTS テープ表面の𝑐 軸方向の磁界を小さくする.

本研究では、磁気シールドを加えたテープ積層 型超伝導電力ケーブルが従来の同軸型に比べ,ケ ーブルの断面積あたりの臨界電流密度である工 学的臨界電流密度がどれほど向上したのか計算 を行う.

2. 解析方法

有限要素法には,JSOL 社製 JMAG を使用し た.本研究では,磁気シールドに覆われた長い銅 テープに輸送電流 3000 A を一様に流したモデル でシミュレーションを行う.磁気シールドには M50 という鉄を主原料とした強靭な合金を使用 し,テープには幅 12 mm,厚さ 1.0 mm の長い銅 テープを使用した.本解析で超伝導平板ではなく 銅テープを用いた理由は,ゼロ磁界下で HTS テ ープと銅テープに直流電流を流す場合,どちらも 一様に電流が流れるため銅で同じ状況を作るこ とができるからである.磁気シールドの置き方を Fig. 1 に示す. 𝑎, 𝑏 の 2 つのパラメータを変化さ せ,𝑐 軸方向の磁界を計算する.その中で最も特 性の良かったテープ積層型ケーブルと同軸型の 工学的臨界電流密度を比較する.

Fig. 1: テープ積層型ケーブルのモデル

3. 結果及び考察

JMAG によるシミュレーション結果を Fig. 2,

Fig. 3 に示す.グラフより磁気シールドを加えた

場合,テープ端部での𝑐 軸方向にかかる磁界が明 らかに小さいことがわかる.また𝑎 = 9.0 mm,

𝑏 = 1.5 mm のとき磁気シールドの効果が最大

に得られることがわかる.その時の工学的臨界電

流密度は 3.9 A/mm 2 となった.また同軸型ケー

ブルの工学的臨界電流密度は 2.3 A/mm 2 であり 約 1.7 倍にまで工学的臨界電流密度を上昇させ ることができた.したがって,同軸型で同じ電流 量を流す場合,テープ積層型であればケーブルの サイズを 1/1.7 にできることがわかる.

Fig. 2: 𝑎 を変化させたときの𝑐 軸方向の磁界の変化

Fig. 3: 𝑏 を変化させたときの𝑐 軸方向の磁界の変化

参考文献

[1] T. Matsushita, World Scientific Series in Applications of Superconductivity and Related Phenomena. Edited by Kenichi Sato. Volume 1.

Chapter1.4.pp.39-48.Electro-Magnetic Properties of Bi-2223 Wires.

電子情報工学科(木内研究室)

𝐵 z [T ]

0.004

−0.001

テープ左端部からの距離 [mm]

テープ左端部からの距離 [mm]

𝐵 z [T ]

磁気シールドなし

𝑎 = 10

𝑎 = 8.0 𝑎 = 9.0

磁気シールドなし

𝑏 = 2.0

𝑏 = 1.0 𝑏 = 1.5

𝑎

𝑏

2.1 mm 3000 A

3000 A

3.0 mm 0.5 mm

超伝導テープ

磁気シールド(M50)

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