論 説
公 共 政 策 決 定 過 程 に お け る ア メ リ カ 大 統 領
及 び 議 会 の 機 能 位 相 因
竹 尾 隆
目次
一︑行政部政党の優越性
0最高の立法者としての大統領
⇔政党指導者としての大統領
(以上第二十二巻第一号)
二︑原理と利益の妥協
O沿革
ω大統領ー原理
(以上第二十三巻第一号)
②議会1利益
(一部第二十三巻第二・三号︑第二十五巻第三号)
ω実業代理機関としての議員
㈹﹁走り使い﹂としての議員
X61 409
⇔方法と限界
ω現代公共問題の特質
②公共問題の解決様式㈲問題解決様式の限界
②議会‑利益(続稿)
第三に︑現職議員の職務の内面で発光する挑戦候補者に対する彼らの選挙上の優位性は︑時問の次元に表出する︒
こうした時間の面に表出する現職議員の挑戦候補者に対する選挙上の優位性の結像は︑現職議員に対する微視と巨視
の二つの角度からの二面照射の光線の交錯のなかに︑立体的に浮上する︒ここでいう微視的角度からの照射とは︑現
職議員に認められる選挙運動の組織化の習熟である︒他方︑巨視的な角度からの照射とは︑現職議員︽生活︾と︽選
挙運動︾との等価的結合を可能にする議会の制度的改革である︒
(1)まず︑微視的角度からの照射について︑論述を進めたい︒
現職議員の側における選挙運動の組織化の習熟は︑選挙運動組織の編成と︑組織スタッフの配置︑とりわけ︑選挙
運動管理者(§舜α︒8の任命の︑双方の円滑化を指すと考えてよい︒
現職議員は︑下院議員に象徴されるように︑少なくとも選挙期日の二年以前から︑再選のための精密な設計図を引
き︑それに基づき行動することができる︒この際︑現職議員の果たすべき最初の課業は︑選挙運動の組織体の構築と
その運営を統轄する選挙運動管理者(88蜜㎡口日きmα・8の任命である︒しかしながら︑今日︑優秀な統轄能力に恵
まれた選挙運動管理者は払底状況にある︒現職議員の場合も︑この例にもれない︒﹁選挙運動管理者の払底は︑今日
における最も由々しい問題である︒この職務を一度ないし二度経験した人は︑誰しも︑余りにも使い古されたり︑あ
162
(41の
公 共 政 策 決 定 過 程 に お け るア メ リカ大 統 領 及 び議 会 の機 能 位相
るいはざ労霰しいためレ全たびの職務の遂行が・不可態な露と・評される所以である・そればかりではな
い︒選挙運動管理者は︑現職議員の法律事務所もしくはスタッフ内における地位を︑数ヶ月にわたり︑占守しなけれ
ばならない︒加えて︑選挙運動管理者は︑その他の職に就くことを禁止される︒こうして︑選挙運動管理者は︑酷使
と拘禁との間に宙吊りにされるといってよい︒これ故︑選挙運動管理者は︑伝統的に︑候補者自身の個性︑人格︑改
築.イデオロギー体系︑生活様式︑価値観などと協和音を奏で得る共感と共鳴の弦を所持する︑候補者の親友のなか
から︑あるいは︑現職議員の場合にはそのスタヅフのなかから︑調達されることになる︒
しかし︑最近︑このような伝統の地層の下から︑対価を得ていかなる候補者のためにも時間.技術.役務を提供す
る職業的な選挙運動管理者の一団が︑成立するに至っている︒例えば︑ニュージャージー州選出の民主党上院議員
F︒R.ローテソパーグ(津雪犀".冨薦︒口げ①お)の一九八八年選挙における選挙運動管理者であったJ.カーヴィル
(冒日霧O碧く議¢)は︑一九八七年のケソタッキー州知事選挙においてW・ウイルキソソン(芝餌一一薗︒φ≦一豪昌︒︒︒コ)を勝
利に導いた功績により︑その地位を獲得した︒なお︑カーヴィルは︑一九八六年に︑R.ケーシー(男oげ︒昌O器2)
をペソシルヴェニア州知事に当選させた後に︑ケンタヅキー州に赴いたのである︒カーヴィルの敵手に当るニュージャ
ージー州上院議員挑戦候補者P・ドーキソズ(℃①8U悌箋器暴)の選挙運動管理者D・グヅドイヤー(b︒信oqO︒︒を︒ゆ.)
も︑一九八六年のコロラド州における上院議員選挙で敗退した共和党挑戦候補者の選挙運動管理者という︑カーヴィ
ルと同一の役割を担い︑また︑コロラド州共和党の執行委員長(①隅OO己再一く①{一一目①OけO同)の要職を歴任している︒
資金・技術・人員などの少なからぬ諸資源の享有を跳躍台として︑現職議員は︑経験のある職業的な選挙運動管理
者の確保へと︑比較的に容易に飛躍することができる︒議員選挙の研究者であるミシガソ州立大学(¢切圃...︒︒ξ︒{竃一,
︒露僑碧)のE.N・ゴールデソバーグ(団り伍陣①窯・(甲O一α⑦昌げ①同頓)等は︑現職議員の選挙運動について︑次のように説明す
(411}
163
(3)る︒
﹁現職議員の選挙運動は︑選挙運動管理の経験を積み︑この種の職務の遂行を通して生活資料を稼ぐ人々によって︑
運営される傾向にある︒全体として眺めた場合︑現職議員の選挙運動スタッフは︑相対的に規模の大きい異質構成の
ティームである︒このティームは︑日を追って複雑の度を深めその範域を拡げてゆき次第に技術に依存するに至って
いるところの選挙運動環境に︑首尾よく対応してゆくために不可欠であるきわめて多様な技能を保有している﹂︒
既に言及したように︑選挙運動組織は︑管理者の統轄能力を核として︑選挙民と直接に接触し投票誘引活動を繰り拡
げる野戦組織(津冠o茜碧冨仲δ昌)︑選挙運動組織成員への給与の支給・連邦選挙委員会(閃①伽..陣一包.︒件同80︒ヨa︒・︒︒一8)
への報告書類の提出等に当る選挙運動の統営(︒鋤ヨ窓置ロ巴巨巳の舞瓜︒旨)︑資金調達︑報道関係︑係争問題及び対立候
補に関する調査研究︑そして︑候補者の日程表の作成︑以上に責任を有するスタッフの諸活動を︑放射線状に展開す
る︒とりわけ︑報道関係への対応︑調査研究︑そして日程表作成の三⁝機能は︑候補者の訴求活動におけるすべての非
宣伝・非広告的局面を総合的に調整するコミュニケイショソ管理者(OO旨日5P信ロ一〇餌峠⁝O口山一同①O件ON)の指揮下にある︒選挙
運動を日常的に遂行するこうした公式のスタッフの外周に︑選挙コンサルタソトが存在する︒彼らは︑世論調査︑媒
体による宣伝・広告︑資金調達︑そして︑選挙民との接触︑などを担当する︒最後に︑多数の選挙運動組織は︑︽私
的顧問団︾(押ぎ冨コ$び冒8を擁している︒︽私設顧問団︾は︑候補者の非公式の諮問委員会であり︑旧友︑支持者︑
重要な政党指導者︑それに︑自発的な資金提供者︑などから構成される︒なお︑一九七八年の選挙運動組織における
(4)選挙資金の使途を図で示せぽ︑図1のようになる︒
ところで︑候補者は︑選挙運動組織のなかで︑どのような位置を占めているのであろうか︒候補者自身は︑選挙運
動組織において最も重要であると同時に最も重要ならざる構成員である︒候補者は︑いわば︑一身に二つの中心を抱
(412)
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え込んでいるとみてよい︒X・ケイデソ(×g︒滋旨国飴琶窪)女史(ハ!ヴァード大学)(麟鴛く鶴㌫α診く①邑蔓)が指摘ナる
(5)ように︑﹁彼もしくは彼女(候補者)は︑選挙運動スタッフの選定に大きな役割を果たすほか︑スタッフ間における紛
争の最終裁断者である︒しかし︑候補者は︑組織⁝の主体(碑
■
公 共 政策 決 定 過 程 にお け る ア メ リカ大 統領 及 び議 会 の機 能 位 相 ㈹ 図1選 挙 運 動 組 識 に お け る 選 挙 資 金 の 使 途,1978年
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Source:EdieN.GoldenbergandMichaelW.Traugott,Compaig‑n ゴ刀9/bアCo刀grc∬(Washington,D.C.:CQpress,1984),88.
鷲㊦巳冨瞬)というよりも︑むしろ︑組織の客体(︒げ蒼件)であ
る﹂︒
自らを治療する医師に関する古い格言は︑候補者にも同じ
く妥当する︒﹁自己自身の選挙運動の指揮に当る候補者は︑
(6)選挙運動管理者の代りに愚者を雇うことになる﹂︒
経験豊かなある選挙運動管理老は︑この点について︑次の
(7)ように指摘している︒
﹁究極的にいうならば︑すべての選挙運動は︑候補者の人
柄を反映する︒また︑選挙運動は︑候補者の人柄を源流とす
る︒けれども︑候補者自らが運営しようとする選挙運動には︑
一人として︑選挙運動管理者はつかない︒候補者自身による
選挙運動の運営の場合︑管理者の権限は︑まさしく候補者自
身のものではない意思決定に容豫する候補者によって︑絶え
ず掘り崩されることになる︒候補者は︑彼自身の選挙運動の
管理者にはなり得ない︒なぜなら︑候補者は諸種の選挙戦運
(413)
165
営上の要求を予定通り消化しなければならないからであり︑また︑選挙における勝利の確保は︑投票者に向って時の
係争問題を徹底的に論ずる候補者に︑大きく依存するからである︒選挙運動における主要な三資源は︑まず︑資金1
これには余りにも多くの世人の関心が集中するー︑次に︑候補者の時間︑そして︑最後に︑スタッフの時間である︒
これらのすぺての使い方の予定が︑立てられねぽならない︒もし干渉主義の候補者が存在するとしたら︑自己の時間
という貴重な資源が︑濫費されることになるであろう﹂︒
ほぼすべての現職議員は︑右のごとき状況を︑既に︑認識しており︑従って︑選挙運動の細部の運営を︑運動体の
スタヅフに︑気軽に一任する︒現職議員の選挙運動管理者は︑これまで︑当該議員の選挙運動の管理者である場合も
多く︑また︑管理者とは異なる別の立場において︑当該議員の選挙運動に従事したり︑あるいは︑当該議員と十分な
面識があるという場合も︑少なくない︒現職議員の選挙運動管理者は︑自己の当該議員に対する忠誠感と当該議員の
自己に対する信頼度とを既に実証済としており︑当該議員の信任を確保している︒ここに︑現職議員の選挙運動管理
者の面貌の一端を明確に示す外形上の標識を︑認めることができよう︒双方は︑互いに他を写しだす鏡のように機能
することができる︒選挙運動の運営とワシソトン事務所の長としての職務の遂行とを交互に担当しているある下院議
(8)員のスタッフは︑当該議員の選挙運動の状況を︑次のように記述している︒
﹁私が思うに︑彼︹当該下院議員︺は︑十分に演出されていたといってよい︒彼は︑恰も︑映画のセヅトにおける
俳優のようであった︒彼には︑彼を知り尽している監督二名が︑つきそっていた︒それは︑我々が︑何をなすべきか
を︑ロボットに命じているような情景ではなかった︒我々が︑彼に命じたことは︑どのように行動してもよいという
ことであった︒彼は︑我々に︑多大の信頼を置いていた︒多くの場合︑私は︑彼を︑空港まで行って車で拾い︑それ
から︑我々が何処へ行こうとしているかを︑彼に告げるだけであった﹂︒
166
(4ヱ4)公 共 政 策 決 定 過 程 に お け るア メ リカ大 統領 及び 議 会 の機 能 位 相
自己の配下にあるスタッフの重要成員を︑︽表だった選挙運動の開始期の相当以前︾(ざおげ︒{︒器野⇔げ罐三昌σq︒{}Φ
雲8導亀$ヨ冨一σq顕)に︑当該運動体に■配置することは︑現職議員の再選に︑きわめて有効に作動する︒このことは︑
一九八六年に︑カリフォルニア州選出の民主党上院議員A・クランストソ(﹀一⇔b﹁()H⇔昌q摩貯Oコ)に対する挑戦候補者を光
源として鮮明に逆照射することができる︒すなわち︑カリフォルニア州における共和党は︑三選の民主党上院議員を︑
究極的に打倒し得るとする少なからぬ期待を抱いていた︒当時︑七二歳の老齢であったクラソストン上院議員は︑シ
リコソ・ヴァレー(ω讐8ロく鋤=醸)を選出基盤とする若年の︑魅力的な︑穏健派の︑E・シャウ(臣N︒︒畠碧)共和党
下院議員と対決した︒シャウ下院議員は︑クランストソ上院議員の前回における保守派の対立候補者が侮蔑してやま
なかった政策・イデオロギー体系上の中立的立場にたっていた︒この老練な上院議員は︑一九八四年に︑短期間では
ひんしゆくあったが︑自らの大統領選挙運動に乗りだした︒このことは︑カリフォルニア州における多くの穏健派の墾萱を買う
結果を招いた︒﹁この大統領選挙運動は︑最もひた向きの女権拡張論者(跨︒ヨ︒︒・一︒・冒︒⇔甲筥冒山巴{①ヨ三︒・邑と核凍結の
(9)熱狂者(コ一 6一①m増{HOΦNΦ㊦コのゲ己[q自一髄o励陣oゆ)に︑集中的に訴えたようにおもわれる﹂︒そして︑この選挙運動の期間中に︑思慮
ある選挙民を︑痛憤させ︑また︑慨嘆させたことは︑﹁彼が︑自分の毛髪を︑滑稽なオレンジの色合いで染めあげて
(10)いた﹂という事実である︒
しかしながら︑クラソストソ上院議員が︑大統領選挙の戦線から撤退する寸前に実施されたカリフォルニア州民主
党員を対象とした大統領選挙に関する世論調査によれば︑クランストン上院議員に対する支持率は︑W・モソデール
(dく薗一齢⑦鴎竃O口傷帥周O)に対するそれよりも︑三ニポイソトも下廻っていた︒加えて︑一九八六年における上院議員選挙の
ための資金調達は︑一九八四年の大統領選挙運動の負債三〇万ドルによって︑錯雑な様相を呈するに至った︒
こうした苦境に陥いったにもかかわらず︑クランストン上院議員は︑大統領選挙戦から撤収すると同時に︑こうし
167 415
た過去との連続性を性急かつ潔癖に断ち切って︑上院議員選挙のための運動体を編成し得る有利な地歩を︑既に築い
ていた︒彼の対立候補者が︑彼よりも後に選挙運動を開始し︑経費の嵩む痛烈な激戦の予備選挙運動の展開に初夏ま
で忙殺されていた間に︑クラソストン上院議員の運動体には︑再選確保のための戦略構想を組み得る時間的余裕が︑
存在した︒予備選挙の翌日︑疲労困懲の極に達したシャウ候補は︑自らが︑驚くべき攻撃の的となっていることを︑
悟った︒共和党の選挙戦略を崩壊させる大量の︽負︾(器σq帥けぞ6)の宣伝活動の的であるというのが︑すなわち︑これ
に当る︒
(11)カリフォルニア州における指導的な一政治ジャーナリストが指摘するように︑この現職議員(クランストン上院議員)
には︑﹁攻撃を準備するための潤沢な時間が︑存在していた︒彼には︑また︑豊富な資金も様々な資源も備わってお
り︑彼の目標は︑シャウ候補を︑彼の背後に後退させ︑この状態をそのまま存続させることにあった﹂のである︒世
人は︑クランストン上院議員の紙一重の微差における勝利を︑早期における選挙戦略上の術策の展開に︑帰している︒
これは︑術策を計画すべき時間的余裕とそれを実行すべき資金とを保有する現職議員のみが︑独りなし得るところで
ある︒
げんに︑現職議員の選挙運動組織は︑再選確保をめざす運動体の効率性を励起させる強力な磁性を︑構造上︑帯び
ている︒一般に︑議員候補者の個人的な選挙運動組織は︑暫時の存在であり︑無報酬で自己の時間とエネルギーを投
入し得る人々の積極的な活動に︑その運営を大きく依拠している︒このため︑運動体の内部空間における多様な人々
の言論と行動とが多方向に錯綜ともつれ合い多彩に乱舞する事態の成立を抑止し︑これらの言動を︑選挙における勝
利の確保という堅固な価値秩序によって有機的に統合してゆくために︑多大な努力が︑傾倒されねばならない︒けれ
ども︑選挙運動を︑幾重にも体験している現職議員は︑こうした努力を発揮し得る選挙経験の豊かな選挙運動管理者
(4ヱ の 168
公 共 政 策 決定 過 程 に お け る ア メ リカ大 統 領 及 び 議 会 の機 能 位 相
とその指揮の下に果敢に行動する活動家の一団とを温存し︑活用することが可能である︒彼らは︑今回に至るまでの
自らの過芸の選挙経験の層のなかへ視線を湖行させ︑そこから再選確保に繋がる選挙戦運営の教訓を抽きだし︑運動
体の内部空間における言動の混沌と不協和を打ち破り︑そこに連帯と協調の和音を奏でさせつつ︑選挙運動体として
の実質のある統一体の成立を促進してゆくという︑貴重な魔術的機能を果たすことが︑可能であるといってよい︒
そればかりではない︒このような現職議員の選挙運動組織におけるスタッフは︑屡々議員職務を補佐する議員補助
者(8ロ︒q器鼠8巴9︒践︒︒)に転成し︑あるいは二者の間を自在に往還することによって︑現職議員の全任期を通じて選
挙運動を繰り拡げ︑現職議員に対する選挙民の支持の糾合に努めることになる︒この点について︑R・F・フェノ(窪匿ζーρ冒)教授(・チエスタ夫学)(¢暑昌︒{夘︒.げ馨)は・簡潔に次のように指摘してい箆
﹁要するに︑現職議員のスタッフは︑現職議員が︑彼の個人的な政治組織(ぼ︒・冨誘露巴b︒一三︒巴︒お碧⁝鑓江8)の中
核体を引き付け留め置くということを︑可能にする︒⁝⁝現職議員は︑当選という以前に成功した︑そしておそらく︑
以前に何回となく成功した︑さらに︑彼らの日常の議員職務とほとんど差異のない︑そうした職務を遂行すべき経験
のあるヴェテランから構成される公費によって支えられたティームを︑自らの政治生命を維持するために︑守備につ
けている﹂︒
現職議員の立法業務を補佐すべき議員補助者は︑選挙運動組織におけるスタヅフと異質の視線を働らかせるため︑
その公務の執行中︑現職議員の再選活動から遠ざかるものとされている︒しかし︑現実には︑当該公務の執行と再選
活動の二つの軌道を明快に分断することは︑きわめて困難であり︑この二者の分界は︑不分明である︒議員補助者の
通常の公務の遂行は︑$︒︒oξo蒔にみられるように︑現職議員の選挙の結果と︑不可避的に結合する︒o器o≦o鱒に
象徴されるように︑現職議員と選挙民の間に想定される泡立つ積極的な交流と緊密な交感とを通じて︑選挙民に対す
(417)
169
(13)る現職議員の投票誘引の燃焼力は︑高められてゆくといってよかろう︒
それでは︑現職議員の選挙運動組織の帯びる強力な磁性は︑いずれに由来するのであろうか︒この磁性の開扉の鍵
(14)は︑現職議員が︑単に︽議員であること︾(じd︒冒σqζ︒ヨげφ話︒{08噴︒︒︒︒︒)の簡明な事実に求められる︒強力な磁性の磁
力点は︑この事実は潜在する︒さらに︑こうした磁力を導きだす契機は︑現職議員の議員職務の遂行と選挙運動との
(15)等価性と可逆性に︑いいかえれば︑双方の逆転的・相互的構造性にある︒現職議員の選挙運動組織におげるこのよう
な磁力点から︑選挙民に対する投票誘引力と対立候補者の挑戦に対する斥力とが︑同時に︑一斉に放射されることに
なる︒
このような誘引力と斥力の力学的な交錯の結節点に︑現職議員の選挙運動における挑戦候補者に対する二者の優越
(16)性が︑析出されてくる︒その一つが︑既に言及した現職議員の知名度の上昇である︒現職議員の議員職務の遂行状況
と言論とは︑電子媒体・印刷媒体による報道を極大化することに精通している議員スタッフの少なからぬ援護の下に︑
当該議員の選挙区における地方媒体によって︑細大漏らさず報道されてゆく︒多くの現職議員は︑時の係争問題に関
する見解を求める媒体の要請に︑欣然と応答する︒例えぽ︑カソザス州選出の民主党下院議員D・グリヅクマン(U薗づ
Ω一ざ犀日雪)は︑平均週に三度︑ウィチトー(類甘露邑の閑︾国国曲くに立ち現われる︒彼は︑また︑目芝O鵠,↓<の
夕刻五時のニュース番組のなかで︑屡々︑イソタヴューに応じている︒さらに︑グリヅクマソ下院議員は︑囚ω︾ω,
(17)↓<に︑︽ワシソトソへの窓︾(≦言山︒≦自芝器げ冒︒q8ロ)と題する月一回放映の彼自身のためのショウ番組をもつ︒この
ように︑現職議員は︑自己の選挙区における様々な地方集団や個人の前に︑現実政治の錯雑をきわめる文脈のなかで
堆積された議員としての体験に深い根を下ろした︑空疎な観念性に陥いることのない︑説得力にとむ︑時の係争問題
についての見解の開陳を︑強く要望されるといってよい︒それに︑現職議員に給付される年間︑最低六二〇〇ドルか
(418) 170
公共 政 策 決 定 過 程 にお け るア メ リカ 大統 領 及び 議 会 の機 能 位 相
ら最高六万七二〇〇ドルに及ぶ潤沢な旅費と︑周密な空路網の発達による旅行の至便化との︑相互照射の効果は﹄
きわ大きく︑脚﹂れをステップとして︑現職議員によるワシントソと自己の選挙区の間における自由な往来が・実現す
る︒こうして︑現職議員は︑︽公職を占有していること︾(ぎ一島詔︒融8)から起る知名度の上昇を回転軸として・自
己に有利な選挙運動を拡げることが可能となる︒
現職議員の挑戦候補芝対するもう一つの優馨は︑豊富な選挙資金の流入である︒これは︑本稿㈲において・既
に膏自及したところである︒あえて重複を顧りみず︑この点について︑列挙的に再言するならば・次のようにな繍四今日における議員選挙費用の巨額化は︑歴然たる妻である︒一九八八年における上院議員候讐三四名が投じた選養用総額は︑一億三〇〇〇万ドル以上である︒他方︑同年における四三五名の下院議員候薯が支出した選挙費
用は︑総計で一億八〇〇〇万ドルを越えている︒會︑議員選挙に費消される資金総額は︑一九七〇年代初期以来の
インフレイシ・ソ率を追い抜き︑当時の約二・五倍に膨張するに至ってい強)
加えて︑現職議員は︑挑戦候補芝比較し︑多額の選萎金を入手することができ勉衝をあげるならば・一九
八八年+月+九日の︑選挙当日の約三週豊前の時点において︑現職上院議員は︑既に︑総額八九〇〇万ドルを調達
していた︒これに対して︑挑戦候補者の総額は︑四〇〇〇万ドルにすぎない︒現職議員と挑戦候補者の間に禁る選
挙資金獲得量の断層は︑下院の髪只さらに拡大する︒同じ時点における現職下院議員の選挙資金の獲得量は・一億
五〇〇〇万ドルであるのに対し︑挑戦候補者は︑この二一%に当る三二〇〇万ドルを確保し得たにすぎない︒同じく・
一 九 会 年 ⊥ 九 八 六 年 の 馨 運 鼎 の 問 P A C に 現 職 議 員 に 八 九 五 ・ 万 ド ル 戦 嚢 候 薯 に 擁 か 一 九 二 ・
万ドルを︑それぞれ︑献金している︒PACの現職議員に対する強烈な選好性は︑こうした貨幣という数量によって
見究められる︒また︑︑﹂の選好性は︑アメリカ医師会pAc(︾墓誉窪ζ㊦島邑壽㎝g帥㊤二8ゴ℃︾O)の首脳の次9一呂
(419}
171
葉に・凝縮され娩ひ4﹁我々は︑親現職議員政策(餌{ユφ巳そぎ2日冨艮b︒一菖)を堅持している︒現職議員.挑戦候補者
双方の主義主張に異論がないとしても︑我々は︑常に︑厳として現職議員の側に立つ﹂︒
事実・現職議員は︑挑戦候補者を打倒すべき巨大な選挙運動資金を備蓄することができる︒例えば︑一九八八年の
上院議員選挙前における選書金の響状況ξいて・考察し三よ嬢蓬を希求する二老の轟上院議員は︑
選挙の前年に当る一九八七年の時点で︑既に平均一四三万二〇〇五ドルの資金を調達していた︒この年︑非現職上院
議員四名のみが・一〇〇万ドルを確保し得たにすぎない︒PACから三〇万ドル以上を収集し得た上院議員候補者ご
七名は︑すべて︑現職上院議員であった︒一例をあげるならば︑ニューヨーク州選出の民主党上院議員D.P.モイ
ニハソ(∪窪凶巴即ζ︒鴫三ゴき)の一九八八年における選挙資金は︑総額五二〇万ドルである︒これに対して︑モイニ
ハソ議員の対立候補者であったR・マクミラソ("OげO同幹リ蚤O竃一一一蝉旨)は︑ようやく五〇万ドルを獲得したにすぎなかっ
た︒他方︑一九九〇年の選挙を視野の一隅に収める下院議員全員は︑一九八九年一月までに︑六七〇〇万ドル以上を
準備していた︒この数値は︑二年前における現舞高より転ゴ一九%増であった.D.メイヒ︑素U⇔<一血寂簿田げ器
教授の次の言葉に︑選挙資金の備蓄面における現職議員と挑戦候補者との位相の落差を︑読むことができるであろう︒
﹁現職議員は・彼らが落選する可能性に乏しい故に︑選挙資金を取得することができる︒また︑彼らの資金量が豊
富である故に︑落選する可能性に乏しい﹂︒
PACからの選挙資金の提供の⁝機会に恵まれない挑戦候補者は︑こうして︑当選への飛翔の翼を喪失したものとい
うことができよう︒
このように︑議員としての︽生活︾がそのまま︽選挙運動︾と無媒介に結合する時間的余裕と豊富な選挙資金とが
遭遇し重畳することによって︑現職議員は︑自己の地位の安泰という最も堅固な鎧で覆われ.勾.﹂とになる︒げんに︑
(42の 172
公 共 政 策 決 定 過 程 にお け る ア メ リカ大 統 領 及び 議会 の機 能 位 相
一九八八年に再選を果たしたカリフォルニア州選出の共和党上院議員P・ウィルソン(勺①件Φdく臨ooO口)は︑六月の予
備選挙の数ヶ月以前に︑対立候補者である民主党選出の当該州副知事L・マッカーシー(い8竃︒9旨ξ)に対して・
︽負の宣伝弾幕砲火︾(p︒切︒σq餌ユく.鋤店く①.臨︒・凶コαqげ餌罎謝①)を浴びせた︒この時点までに︑他のいかなる現職議員よりも多
額の選挙資金を調達し得た顯に(﹃九八八年五月の時点で五・・万ドル×ウィルソンは︑こうし彙警肇蕩を
展開することが可能であった︒
次に︑現職議員の︽議員生活︾と︽選挙運動︾との問に回転扉を設置する議会の制度的改革について述べたい︒
会難 襲 鐸 的誰 離 甥難 .(藷 讐 縫 簸 豪 靴 麗 い趨 員器
回帰的円環運動の効果的反覆を支え︑保障し︑立法過程及び立法慣行に具現されるところの︑今日における議会の政
治的装置の設定にほかならない︒
そこで︑まず︑︽選挙区生活様式︾について論述したいとおもう︒
時代の推移の過程の根元に変質しない現職議員の主要目標は︑再選の確保︑政策形成過程に対する影響力の行使︑
そして︑蔑的な威信潅力の獲得以上の三者に求められ翰軸この三者のなかで・嚢の確保を除く二者の蔑は・
もとより︑再選の確保に懸っている︒いわば︑この二者の仮面の背後にある素面が︑ほかならぬ再選の確保である︒これ故︑再選確保の至上命令という最も強い主旋律が︑大多数の現職議員の意思決定の基層部を貫ぬき・尖鋭に鳴り
響いている︒
現職議員は︑その在任中︑様々な方法によって︑自己の選挙区における支持の培養に︑努力を集中しなければなら
ない︒この場合︑投票者の疎外に苦慮することなく︑高好感度のイメージを創出し︑自己の知名度を上昇させるた
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X73
めに・難員は・通常三筋の華区活動のヴーの合成を組織す夢2つは︑︽争占渦なき出旦伝活動︾拠
(露富聾舞琶昌㈹)の展開である︒これは︑選挙民の歓心と満足を得るための自己宣伝活動である︒例︑嶽︑テキ
サス州選出の民主党下院議員A・パスタマン(≧ぴ・島ゆの§帥器)が︑海軍兵学校出身で身長七フィーの非凡の才鋤
能に恵まれたパスケットボル選手である海軍少尉候璽D・⁝ソソ(Om<己閃oぽ器8)を︑全米バスケッーボα
ール協会(Zき琶︒・帥.・藝聾茸のの§登の壽・・8H塞・嵩h馨8に属する留ロ﹀巨仲︒口一︒ω℃βHωで競技し得るよう
に兵役霧年限の免除舞芒たという事例が︑これは当る︒こうした要請は︑確かに︑笑止であろう︒しかし︑ア
メリカ海軍首脳部には・必ずしも笑うべさ﹂とではない︒なぜなら︑パスタ;下院議員は︑下院畢委員会(韻︒..︒.
≧日㊦α留圏ユ6窪O︒ヨ巨器φ)の委員の要職にあったからである︒
その二は自己の選挙匿稗益する連邦政府政策及び社会福祉事業(o窃①≦o蒔)の実種対する選挙民の︽信用︾
(昆δの累積である・新たな高速道路やダムが建設されたとき︑現職議員は︑メディアにょる報道の機会を劇的に
実現させることによって・選養の注視と賛嘆という輝しい光背の支えを得る.﹂とができる︒.﹂のような個々の現職
議員が直面するそれぞれの選挙区の現世秩序の総体の基部には︑議会における霧な地方嚢の伝統の支配という不
可視の努が︑秘められている.この占描について︑議会研究で講な鋭ッキングス研究所(ロdお︒犀ぎαq︒︒冒︒︒ユ言8)の
J・L・サソドキスト(智臼①mピ.ω弾巳ρ巳︒・榊)は︑次のように述べている︒﹁地方もしくは地域の要求に︑どれほどの価値があ乏せよ︑それは︑轟議員の心量くのしかかる箱違ない︒
テキサス州選出の下院議員は・石油利益の視点から︑南ダコタ州選出の下院議員は︑牧畜利益の角度か・り︑そして︑
デト︒イト裏出の下院議員は︑自動車産業利益をセソサ差して︑国民的利益を︑それぞれ︑展望しなければなら
ない・馨区の利益の眼を通じて眺められる外交政策は︑特定問題について︑下院議員を︑ギリシャ︑イろフエル︑
公 共 政 策 決 定 過 程 にお け る ア メ リカ大 統 領 及 び 議 会 の 機 能 位 相
あるいは︑アイをフソドの轟の方向に︑傾斜させるといそもよい︑予算は︑颪の財政計画のみに尽きるのでばなく︑同時に︑選挙区の間に配分される︑︑翼ぎ9.︑として妾現われる︒軍部がいかなる兵器を入手すべきかは・州もしくは馨区に︑どのような工崇所在しているかによって︑判断されねばならない︒しかも・このことは・全政策領域について妥当する︒毒覆という政治的誘因は︑議員の︑とりわけ︑少なからず特殊化され蓮挙区を代
表する下院議員の︑物の見方を︑広澗から狭隆へと︑駆り立てる﹂︒
その三は︑公共政策上の係争点に関する︽明確な立場︾(霧一§)の宣示である︒選挙民は・時には・議論の的になる問題について見蟹開示することにより公共政策上の係争点に関する明確な立場を表明する現職議員に対して・投票という報酬を与えるという場ム︑がある︒けれども︑こうした旗幟を鯖にする政策的立場の表明は・馨区における支持の堅固な構築よりも︑むしろ︑特定諸集団の支持を放散さ芸傾向にある︒とくに・このことは・議会における罎議是よる︽系裂票︾(・・§α・・{ぎ琶についていえよ讐下院非米活動委員会(蕾=2..φ量ヨゆ§︾.︑一く一.剛︒・,︒︒量..舘)の立楚対する自らの霧における支持投票の撮を説明した際に二下院議員は・︽系裂票︾
を旋回軸として現職議員の蒙の危機が拡がるという脅威の状況を︑次のように述べてい強﹁禁思うに︑.﹂の;の係争問題が︑地に波瀾を起すという譲は︑まず︑ないであろう・いかなる係争問題であろうとも︑それが現肇員の政治生命を断つことはないとみてよい︒しかし︑現職議員の投票態度如何によって・;の係争問題が︑ある利益集団を精神錯乱に陥れることは︑あり得る︒また︑ちなみに少なからず畿ある別の利益集団は︑鉄砲統制賭に対する羅贅の投票態度ξては・弩心頭箋しよう・さらに・蕎組合は・強制働仲裁(8日や危︒︒︒蔓母げ⁝冨ぎ鐸)に︑憤怒を隠さない︒こうした事態塁るか至らないうちに・現職聲は・藁を蒙るであろう.いずれ様々蓮果あるにせよ︑現職贅が数個の利華団姦に回すには・この種の余りにも多くの投怖
票は・必要ではない・これらの利華団は︑現職資が投票を誤ったただ;の係争問題のみに︑頓着するにすぎな備
い・もとより・罎議員が二会期内に︑二︑三度︑このような投票を行う髪口は︑あり得る.しかし︑現駿自貝が︑
こうした投票を連続的に行った場合︑轟の霧寛守る必要がある﹂.働
ミシソガソ大学(¢昏φ昌・h葦響)のJ・w・キソ多ソ(冒ゲp≦・内一コ㈹山︒コ)教授も︑同じく︑次のように
指 摘 す 蝿
﹁窺を芒た;の投票行為が︑持続性のある政治的損害を創出するわけではないという箋は︑承認され乏
せよ・この妻の奈・轟議員が考慮に入れねぽならないすべてではない︒馨区における様々糞素に敵対す.Φ
⁝︽系裂票︾を実行することは︑可能である︒しかし︑その悉効果は︑きわめて葵といそよい.こうした
投票の三つは・確かに董覆肇上の問題状況を創出するわけではない.けれども︑その投票の総体は︑重大
な結果を︑惹き起すであろう﹂︒
右のごとき状況から・挑戦候薯との対決を予想する轟贅は︑肇区における自己宣伝活動の展開と自らが積
み上げた社会福祉妻の実績に対する声価の喚起とに︑自己の対馨区活動の騒すべき焦占{寛出す︒
フェノ整のいう︽肇区生活嚢︾は︑以走叙述した三者の対肇区活動の連環によって構成されている︒そ
れでは・いったい・︽肇区生活嚢︾とは︑具体的に︑どのような内実を有するのであろうか.いうところの︽選
挙区生活様式︾とは・現馨象邑の選挙区における支持を培芒てゆくという特殊の生活嚢である︒その目的
とするところは・﹁彼らを見守る人々から引きだされる推断が︑常に︑彼らの政治的立場に与するように︑一個の人
間として自己を雷すること﹂(ξ ・・;φ匿ー・・⇔霧・三・・⁝げ螢竃恥コゴ陣け齢ゲ︒一昌{⇔目①嵩︒︒・,山円麟毛コげ気↓げ︒㎝①
藁.謬三=げ..︒§.目け垂にある・︽選挙区生活嚢︾の概念は︑肇区と議員と霧占蔀に照明姦げ入れた場合︑
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そこにおける焦点を︽袋︾(善﹃⇔・・①量9から︽伺候︾(窟⁝§琶へと・移動させ穐﹁再選挙区において最
も重視されるのは︑現職議員の訴える係争問題の内容ではなく︑現職議員の選挙区生活嚢であ争
現職議員の︽選挙区生活様式︾は︑モザイク風に構成され︑以下の三者のモザイクの総体が︑現職議員の︽選挙区生
活様式︾の全体籐を形づくる︒︽自己表出︾(嘗①︒︒︒暮豊呂9︒︒・5︑︽ワシソトソにおける議員活動の説明︾(賃鳳巴巳茜
≦豊藁§象爵)︑そして︽資源の配分︾(舞書・{H§器.・)が・これであ躯
︽選挙区生活様式︾の総体を裏面から照射する視軸があるとすれば︑それは︑︽自己表出︾である︒さらに︑︽自己
表出︾は︑現職議員と選挙民との間における信頼関係の保持という柵のなかでのみ可能である︒あるいは︑︽自己表出︾
とは︑現職議員と選挙民との間における信頼関係という微少な一点を核として成立する世界であるといってもよい︒
現職議員は︑選挙民の間に︑自己に対する信頼と選挙の際の政治的支持とを醸成し得る自己のイメージを︑選挙民に・
絶えず濃厚に投げかけ︑彼らの意識の内面に︑それらを刻印しなければならない︒このため︑﹁現職議員は︑一人の
人間としての自己を表出し︑"彼は信頼に価する立派な議員である"︑"彼女は信頼に価する立派な女性議員である"という称賛を獲得するために・選挙区を訪れ華
もとより︑現職議員が選挙民の信頼を獲得するということは︑容易になし得るところではない︒それには︑多大の
時間を要する︒この点について・フェノ教授は・次のようにい徳
﹁選挙民の信頼の獲得は︑一夜にしてでぎるわけではない︒それは︑また︑一時しのぎのものでもない︒選挙民の
信頼の獲得は︑至難である︒選挙民の信頼は︑絶えず︑更新され︑再獲得されねばならない︒ある現職議員は︑次の
ようにいっている︒"信頼とは︑累積的なものであり︑総体的なものである︒議員は︑こちらで少々︑あちらで少々
というように︑それを︑積みあげてゆかねぽならない"︒これ故︑選挙民の信頼を構築し維持してゆくためには︑彪
(425)
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大な時間が︑不可欠である︒これが︑現職下院議員が考えている信頼の獲得である︒これ故に︑彼らは︑選挙区で︑
職務時間の余りにも多くの部分を︑費やさねばならないのである︒私が調査旅行において見聞した事柄の多くは︑新
人議員には・彼らを支持する選挙民の信頼を獲得するための︑また︑経歴を積んだ議員には︑それを維持するための︑
間断なく続く努力として︑説明され得る﹂︒
ここでいう選挙民の信頼は︑三象面から構成される複合像である︒その一つが︑︽適格性︾(ρロ彊ま︒帥樽一︒昌)である︒
現職議員は︑職務を首尾よく遂行しうるとする確信が︑これは当る︒その二は︑︽一体感︾(幕昌ま舅百)である︒こ
れは・現職議員が︑彼らの選挙民と言論と行動において相似の軌跡を描くという印象である︒現職議員は︑その選出
州もしくは選出地域の一部を形成するという印象といいかえてもよい︒その三は︑︽共感︾(︒ヨ勺碧ξ)である︒現職議
員は・選挙民の直面している公共諸問題を理解し︑少なからぬ配慮を示すというのが︑これである︒こうした複合像 れ について︑フェノ教授は︑次のように解説する︒
﹁適格性︑一体感︑そして︑共感は︑すべて︑選挙民の信頼を構築するために有用である︒少なからぬ程度︑この
ような選挙民が現職議員に抱く三つの印象は︑双方間の常規的な接触という明確な事実によって︑伝・兄られる︒現職
議員が︑屡々︑気軽に選挙区を訪れ︑選挙民を自らに引き合わせ︑自らも選挙民に進んで会い︑彼らと面談することに
よって︑〃私は︑諸君選挙民に︑私が議員として適格者であるということを︑立証する〃︑"私は︑諸君に︑私が諸君
の仲間の一人であるということを︑立証する"︑あるいは︑"私は︑諸君に︑私が諸君の立場をよく理解しているとい
うことを︑立証する"というのが︑すなわち︑これである︒もし︑これに反して︑現職議員が︑選挙民と進んで会い︑
選挙民の面会の要求にも応じ︑彼らと談論し︑談論の要求を受けいれるために︑選挙区を訪れるということを︑しな
かったとしたら︑選挙民の現職議員に対する信頼について︑憂慮すべき根拠があるということに︑なるであろう﹂︒
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公 共 政 策 決定 過 程 に お け る ア メ リカ大 統 領 及 び 議 会 の 機 能 位 相
現職議員は︑選挙区の頻繁な訪陽を通してv︽適格性︾レ︽一体感︾︑︽共感︾という偲人帥な性格の多面像をv美的な
結晶という形で︑選挙民の面前に︑提出しなければならない︒この三者は︑選挙区のあらゆる角度に向けて・自己に
対する政治的支持と信頼の牽引力を発進させることのできる基点となるからである︒このような個人的性格は・時事
通信(昌︒≦︒︒一面齢再①門︒︒)︑郵便(ヨ騨濠譜αq︒︒)︑選挙区における集会(房霧叶写oq︒・冒併密8屋葺器9蜜)︑選挙区訪問(需諾睾巴
.一・,搾.)などの︑現職議員と選挙民との間に介在するあらゆるコーユニケイショソ手段を通じて・選挙民に伝達され徳
現職議員と選挙民との接触が︑対面的に濃密となり︑選挙区の土壌に溶け込み︑選挙区内に深くかつ広く浸透すれば
するほど︑それだけ︑その伝達事項が︑選挙民の記憶の最下層に沈澱する可能性もまた︑増大してゆく︒
現職議員と選挙民との間における信頼関係は︑それぞれ︑独立的に多様性を主張する︒さらに︑このような信頼関
係を効果的に構築し得る︽選挙区生活様式︾という単一体は︑細片として散乱し︑無数といえる数に多元化される︒
例えば︑伝説的な下院議長︽ミスター・サム︾(︑.ζ鉾ω鶴日︑︑)レイバーン(閑曙げ霞昌)は︑一九一三年から一九六一年
に至るまでのほぼ五〇年間にわたり︑気さくな耕作農民として︑東テキサスの選挙区を代表してきた︒一たび︑彼の
本拠地であるボーナム(ζ口o鄭ぴ髄日)に帰省したとき︑彼の南部人特有の間延びした話しぶり(α鑓乱)は︑一層・聞きと
りにくくなり︑彼の特別仕立ての背広は︑カーキ色のズボン︑古いシャツ︑そして︑スラゥチハット(o噂一〇帽Oずぴ帥吋)に︑
とって代えられた︒彼の旅行には︑数多の窪み跡が点在する無蓋の小型トラックが︑用いられる︒それは︑彼が首都
で乗り回している下院議長公用のリムジンではない︒レイパ←前下院議長の伝記作者は・次のように述べてい華
﹁もしレイバーンが︑これまでに︑ワシントソで︑いつもかみタバコをかんでいるとしたら︑長年の補助者も︑そ
のことを︑想起し得ないであろう︒しかし︑ボーナムでは︑彼は︑常に︑かみタバコを頬張っていたようである︒選
挙民が彼を訪ねたとき︑彼は︑いつも決って︑自邸の暖炉にかみタバコを吐きだすのであった︒これ故︑これ以外に
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179
何も取柄がないとしたら︑選挙民は︑〃ミスター・サム〃が気さくな仲間だという考えを︑もたなくなるであろう﹂︒
レイバーン前下院議長の︽選挙区生活様式︾の特徴は︑選挙区に埋没し同化した日常の生活から︑自己に対する選
挙民の強烈な信頼を吸引するための光荘を発現させようとする点に︑求められる︒
今日における現職議員は︑︽選挙区生活様式︾の構成と演出に︑少なからざる創意と工夫をこらす︒例︑兄ば︑A下
院議員は︑彼の予備選挙に票を投じた人々との対面接触を基幹とし︑その多層化を再選に至るための階梯とする︑直
接的な対話方式を採用する︒A下院議員の選挙区における大部分の人々は︑時の係争問題に対する彼の政策的立場と
同じ主調音を鳴らし︑彼の立場を核とする彼らの合意の磁場が形成されているため︑彼が︑こうした係争問題に言及
するという事例は︑皆無とみてよい︒B下院議員は︑人気のある地方の運動選手である︒B下院議員は︑軍備の充実
を支持する自己の選挙区との一体感を昂揚し象徴させるために︑国防という一つの問題系列を常に追求し︑軍備の増
強という自己の政策的立場を︑最も鋭角的に顕在させる︒下院議員Cは︑自らのうちに︑係争問題志向型のベクトル
を導入した活動的な政治家である︒彼は︑一般の政治家の生活様式と位相を異にし︑選挙区にとどまることがない︒
このように︑︽選挙区生活様式︾は︑無限に分節化される︒
選挙民は︑現職議員の係争問題に対する具体的解決策の宣明や議会における投票を︑忘却の波で洗い去ることはで
きる︒けれども︑時の流れによって︑彼らの記憶のなかの現職議員の︽選挙区生活様式︾像は︑容易に漂白されるこ
とがない︒ある下院議員が述べたように︑﹁大部分の投票者は︑係争問題に関するよりも︑むしろ︑生活様式につい
て・投票す華多くの現讐員は・この仮説にA・意し︑これに萎き行動する︒現職議員の︽肇区生活様式︾と
いう光源の放射力は︑選挙民の投票行為の帰趨の全体を照射し得るほどの威力を発揮するといえよう︒
次に︑︽ワシントソにおける議員活動の説明︾について述べるならば︑選挙民は︑通常︑係争問題に対する現職議
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公 共 政 策 決 定 過 程 に お け るア メ リカ大 統 領 及 び 議 会 の機 能 位 相
員の政策的立場の提示から︑選挙民に対する投票誘引を示す認号という本来の機能をはずし.これを︑現職議員の
︽選挙区生活⁝様式︾に代替させようとする︒けれども︑現職議員は︑選挙区を離れている期間︑ワシントンで︑どの
ような賛活動に従事していたかを説明すべきことを︑馨︑肇民に︑公然と要求され穣議議員は・彼ら蓬
挙民に自らの意思決定を︽説明︾しなければならないということを︑完全に意識したうえで︑意思決定を下す︒︽説
明︾は︑意思決定を構成する不可欠の部分である︒現職議員は︑自己の選挙区のフォーラムにおいて︑自己の行動を
叙述し︑解釈し︑正当化するという事態の到来を︑常に予期している︒︽説明︾は︑現職議員が︑それを通して︑立
法行動を︑とりわけ︑彼らの二つの主要な関心事である権力(やO≦段)の追求と政策(℃︒一一2)への影響の行使を︑そ
して︑投票行動を︑叙述し︑解釈し︑正当化するための機構といってよい︒
もとより︑このような︽説明︾が︑現職議員の立法行動や投票行動に︑必らずしも変革をもたらすわけではない︒
現職議員は︑自らが重要と看倣す事由に基づき︑投票の意思決定を行なう︒その後に︑現職議員は︑そうした投票行
動の正当化の根拠を︑自ら組み立てねばならない︒従って︑︽説明︾とは︑選挙区における政治的支持の培養をめざ
(46)す現職議員の意識的な造型の所産である︒
(47)ある下院議員が指摘したように︑﹁説明とは︑私の選挙民が私の当初の意思決定に影響を及ぼすというよりも︑む
しろ︑事後に︑私が何を行なうべきかを意思決定したかを︑説明する方法を案出する問題である﹂︒もう一人の下院
議員は︑選挙区にある彼の事務所に電話を入れ︑A・C・パウエル(︾紆舅Ωミa昌ぎ蓄=)元民主党下院議員に議席
を得させることに賛成票を投じた彼の行動を︑選挙民がどのように評しているかを探知させた︒なぜなら︑当該下院
議員によれば︑﹁私の選挙区には︑強力な反パゥエル派と︑強硬な反公民権主義者が︑数多く見うけられるからであ
る︒これ韓私は︑私自身の議席を守備するための準備をしたいとおもう﹂からであ馨さらに・別の下院議員は・
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自らの対外援助への賛成投票について︑郡部地域に所在する自己の選挙民に向かって︑対外援助資金の大部分は合衆
(49)国の国境内で使用される旨を指摘することによって︑了解を求めた︒このように︑︽説明︾は︑現職議員が自己の立
法行動や投票行動に表装を施し合理化するための装置にほかならない︒それは︑選挙区に害毒を流すかもしれない現
職議員の立法行為や投票行動の過去を消毒し︑無害のものとして現代に整然と呼び戻す呪術的な機能を果たすといっ
(50)てよかろう︒
しかし︑現職議員の︽説明︾について︑︽正当化︾のみに焦点を置いた単眼的な見方が︑常に成立するというわけ
ではな憾現職議員は・時には・馨民隻容可能の︽説明︾を表出し得ない状況に追い込まれる︒こうした状況に
立ち至ったとき︑とくに︑現職議員が︑その︽説明︾を迫られる問題を尖鋭に意識していないならぽ︑彼は︑屡々︑
窮境を回避するように投票する︒この場合︑自己の投票行為を︽説明︾すべき必要性が︑現職議員の行動に影響力の
波紋を拡げてゆく︒
このような事例は︑枚挙に邊がない︒ある進歩主義の立場に立つ下院議員は︑国内安全保障委員会(同昌冨円ロ聾一ω︒︒亘,
(52)纂鴫Oo目慧§φ)の廃止のために決して投票しない理由を︑次のように説く︒
﹁我が選挙区における右派勢力は︑事実︑きわめて活動的である︒私は︑彼らに︑これ以上の何ものも与えたいと
はおもわない︒私は︑HUAC(国窪器d号跨ヨ①二〇岱口>oユく団ユφ︒・Oo日ヨ圃韓㊦㊦)(非米活動委員会)に反対票を投ずる︒そし
て︑右派勢力は︑これについて︑大変な騒ぎ(ず①一一=<節ゴOO夙㊤♂<)を惹き起す︒彼らは︑新聞編集者に︑幾つもの書状を
送り︑そして︑私が選挙区を訪れるたびに︑いつも︑私は︑私の政策的立場を︑選挙民に説明しなければならない︒
だが︑私の反対投票は︑大騒ぎに価しない︒私が推測するに︑下院議員の凡そ五〇%は︑現実に︑委員会の活動を信
℃ている︒我々のような残余者には︑この争いについての勝算はな炉︒しかも︑もし勝算がないとしたら︑何ゆ・κ︑
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公 共 政 策 決 定 過程 に お け るア メ リカ大 統 領 及び 議 会 の機 能 位 相
物議をかもすのであろうか︒それは︑悶着に価しない﹂︒
こうして︑もし現職議員が︑︽説明︾を求められる問題を︑強烈に意識するならば︑彼は︑骨を惜しまずこの問題
に対する彼の政策的立場を︑積極的に︽説明︾するであろう︒けれども︑これとは逆に︑現職議員が︑当該問題を︑
それほど強烈に意識していないとしたら︑彼は︑自己の政策的立場や願望と選挙民のそれと重ね合わせつつ︑そのな
かに自己の信頼に価する政治家としての幻像を灼きつけ︑議会内で彼らの共振を喚起する投票を行なうことによって︑
(53)自らが︽説明︾をよぎなくされる状況を回避することになるであろう︒
現職議員は︑選挙民の要求に応じて︑係争問題に対する自己の態度や解決策︑それに︑投票行為の根拠などを︽説
明︾しなければならない︒けれども︑現職議員は︑自己の選挙民に不評の二︑三度の投票によって︑自らの政治生命
を断つ危機的状況に陥いるとは︑考えていない︒選挙民は︑一会期数百回以上の投票における現職議員による数度の
自己に不利な投票という局所的な現象を︑いわば︑顕微鏡でいやがうえにも密着して微視的に捉えようという︑両者の
関係を︑あえて︑相互拮抗︑相互敵対の二項として明示するわけではない︒なぜなら︑大部分の選挙民は︑一つに︑彼ら
(54)の選出した現職議員の明確な投票行動を知っていないからである︒このことは︑次の下院議員二名の言葉に︑覗われる︒
﹁自らに影響する一事項に関する投票を除外するならば︑私の投票記録を熟知している者は︑私の選挙民二万人の
なかに︑唯一人として存在していない﹂︒
﹁彼ら︹選挙民︺は︑議場における私の投票について︑多くを知らない︒彼らが知っている大部分は︑私が彼らに
話したことである︒彼らは︑私がどのような人間であるかのほうを︑よく知っている︒それは︑"諸君は︑小生に関
心をもたれよ"という私の度重なる書状を通して︑伝えられたものである﹂︒
選挙民は︑自ら選んだ現職議員の投票行動という多様な現象を︑概括的に︑現職議員の人格︑個性︑資質︑能力な
(431)
183
どの望遠鏡によって︑巨視的に把握するといってよかろうぴ
選挙民との間に緊張と背馳を生む二︑三度の投票が︑現職議員の身の破滅を導かない理由のその二は︑大多数の選
挙民が︑現職議員は︑彼らを代表し︑選挙民と同一の感情の波型を描き︑選挙民の利益や政策要求と共通の旋律を奏
で︑選挙民を具現する投票を行なうものと︑解していることによる︒ここに︑選挙民の存在の地平と現職議員の存在
の地平とを隔離させつつ︑なお︑連続させる秘められた選挙民の意識層の複雑性を︑かいまみることができる︒この
ため︑現職議員による投票の︽説明︾は︑ほとんど︑問題を惹き起すことがない︒
しかしながら︑現職議員は︑対立候補者の背後に流動している利益集団の動向に︑怠りない視線を注がなければな
らな憾大部分の肇民は・自ら蓬出した現職議員の特定の係争問題に関する投票態度を知らないし・また・鷺
もしていない︒けれども︑組織化された利益集団は︑従って︑利益団体は︑自己利益の社会的実現という自己に固有
の方眼図の論理の鋭利な視力にしたがい︑現職議員の投票記録を︑あらゆる角度から点検し︑精緻な分析を試み︑恰
も顕微鏡で拡大した細胞の地形図を追うように︑現職議員の思考と行動の軌跡を追求し︑現職議員に対立する挑戦候
補者の選出のために︑団体成員の支持を動員するという敵対的な行態を打ちだすことが︑可能である︒利益団体のこ
のような行態は︑現職議員の再選への不気味に深い警鐘をはらんだものとなる︒一会期中の数百に及ぶ現職議員の投
票のうちの幾つかは︑明らかに議論の的となる投票であろう︒しかし︑いずれの投票が︑挑戦候補者の利用するとこ
(56)うとなるかを特定するということは︑至難である︒この点について︑次のような指摘がある︒
﹁選挙民に関する私のイメージは︑現職議員の存在に常に気づかない催眠状態の巨人(・︒︒ヨ8ぽ三σ自冨三)というイ
メイジである︒しかし︑この巨人は︑この眠れる巨人を揺り起しその憤怒を怠慢な現職議員にぶちまけさせるような
刺激的な対立候補者から保護されねばならないところの︑弱点を有している︒この偶発性を未然に防ぐために︑現職
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公 共 政策 決 定 過 程 に お け るア メ リカ大 統 領 及 び 議 会 の機 能 位 相
議員は︑さもなくば幕である選挙区を講味し︑弱点を突きとめ︑厄介な対立候薯に対する必要誇馨を講じなければならない﹂︒
罎議員は︑すべて︑昌の投票記墾体に対する選糞の幻滅が︑選挙民の意思に逆行する邪藝印として・自己の嚢の行方を︑決定的な影で蔽うという妻を︑承認している.ここでいう轟議員の投票記録全楚対する選挙民の幻滅とは︑羅欝の選糞の立.心向に逆流する誤れる(≦§α・)︽系列投票︾の累加である・羅と連続という馨民意識の謎の深層部の脈絡を辿るならば︑誤った︽系裂票︾は︑馨民に︑罎議員の髪る放恣な自己発散と受けとめられ︑羅議員の蓮に肇りかねな董大な問題を提起する︒しかし︑大部分の現繋員は・批判的で敵意のある選挙民の反応を生みだすような政策的ム鶉や投票行為を識別し得るだけの・良識と分別とを発達させるこ
とによって︑こうした事態の成立を防遍することができる︒
だが︑現繋員が︑馨民からいかなる係争問題に関する投票行為ξいて糾明され︽説明︾を要求されるかという︽説明︾対象の漿化については︑鋭い先見を含む洞察をもってしても︑常に︑予断を許さぬ不確実要素が残り・
予め準備した︽説明︾が︑はぐらかされたり︑現実の︽説明︾が︑準備不足で︑脱臼現象を起し・徒らに虚空に空転するという状況もあ鴫る..﹂れ故︑羅議員は︑肇民が必要とする限度を整て︑︽説明︾のための撮書料を備蓄する傾向にある︒
羅萱による選挙区の意向への全面的な承服と︽系列投票︾の堆積という︑困難回転扉からの突破︒があるとす塾︑それは︑現職議員における皇独立の肇の貫徹である︒これが︑現職議員の盤の自己防鍵にほかならない︒︑︑の皇独立の態度は︑︽説明︾の多層化を通じて獲得される︒︽説明︾の積み上げが・拘束から畠への・明確彫り込まれた軌道を用享るといえよう︒双方は︑二つの極を形成しているよう覧えながら・峯には潜かに