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壱岐における台地地形

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(1)

壱岐における台地地形

石 井 泰 義

緒 言

 壱岐には何度か訪ねる機会を得ていたが,学術調査を行ったのは,1965年1月,日本自 然保護協会の委嘱を受けて,長崎大学教育学部,鎌田泰彦教授と共に壱岐・対馬の地形・

地質調査を行ったのが最初である。それは壱岐・対馬国定公園の指定に関連した資料作成 のためのものであった。その後,1978年10,月と1979年3月に,それぞれIO日興の地形調査 を行う機会を得たので,その結果を地形誌的に発表することとした。

 なお,その成果の確認のために,同年10年23日目.m. ll.00長崎空港発途中,平戸島,

度島,的山大島,鷹島,福島,馬渡島を見学し,壱岐島で約50分間の空からの地形観察を 行いp.m.1。30に帰着した。壱岐における空中調査コースは:Fig.21,に示す通りで

ある。

§1.地 形 概 要

 壱岐は,南北17肋,東西約15肋の本島にいくつかの属島を包含している。属島には,北 部の港外に大瀬戸・博多瀬戸をへだてて辰ノ島・若宮島・名鳥島があり,西方では,湯ノ 本湾ロに手長島・阿瀬ノ島などの小島が分布し,本島の南西部に大島瀬戸をへだてて大島

    はるしま

・長島・原島の大島三島,その南に机島・平島がある。東方では,内海湾内に青島・赤

   いんどうじ

島・,印通寺港外に妻ケ島また6勧沖合には名島の島嗅群がある。 (Fig.1)

 壱岐本島のうち北端で小さな半島部をなす串山(標高72御)は,天ノ原のトンボロによる 陸繋島で,その北方の標高50粥の陸繋島と共に第三紀層よりなり,辰ノ島・若宮島・獣毛 島と共に,一群の同質同型の小起伏の丘陵地をなしている。若宮島では,山頂部に玄武岩 よりなるビュートがみられるものの。標高50鱗以下の第三紀層からなる丘陵部が島の主体 をなしている。これらの属島及び陸繋島を壱岐北端丘陵地として一括区分すれば,この地 形区を除く,壱岐本島及び属島群は,ほとんどすべて,溶岩台地乃至火山地の地形性状を 示しているのである。

 壱岐本島では、湯野本一筒城線及び黒崎一印通寺線(Fig.1)に沿って,中央部に低 地帯が発達し,この低地帯をはさんで,北部の溶岩台地と南部の火山地を伴う溶岩台地の 地区の三つに大きく地形区分される。切峰面図(Fig.2)によって,概観すれば,概高100

辮以上の地域は,男岳周辺及び谷江川と津ノ上山・鉾ノ木山・角上山との間に広がって いるが,津ノ上山・鉾ノ木山,角上山は半島状をなし,残丘的台地が多いので,ここでは 標高120御以上の高位台地を有する地域を北部台地に含め,湯野本一筒城線以南の津ノ 火山や鉾ノ木山・角上山の残丘の地域は中央低地に含めた。中央低地帯の中心部は,標高 80隅以下の低地が,壱岐の島を三つに分断する地溝帯をなして東西に連なっている。その 南部は,郷ノ浦一印通寺線以南で,標高100辮以上を示す火山が,台地上に噴出して岳ノ

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Fig.2 壱岐における切峰面図 Fig.3 壱岐における切谷面図

(3)

辻(212〃z)は壱岐の最高峰を示している。

 切谷面図(Fig.3)によって,最:低温底面の概観を行えば,北部の高位溶岩台地面と 南部の火山地に40〃z,60〃z以上が広がり,壱岐の水源はこの二地域に集約されていると言

ってよい。特に,鬼ノ岩屋・国分寺跡付近で80辮以上が示されている。

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Fig.

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 ◎ 鬼の岩屋  卍 国分寺

   1.大清水(溜池)

   2.梅ノ木ダム(有効貯水量・632,000m3)

   3. 山田ダム(有効貯水量・430,000m・)

4 Drainage pat宅ern in Ik{island.

(4)

 水系図(Fig.4)によれば,主分水界は西に偏在し,東流する大刀乱川・谷江川・梅 ノ木川・二二川とその流域が壱岐全島の大半を占あ,西流する河川は御手洗川,刈田品川 を除けば短小な渓流をなしている。刈田口証は例外的に島の中央部の高野原に源を発し,

比較的長流をなすが,本来は短小な河川で,上流部の川上川は,かつては幡鉾川の上流を なし,住吉東触で山信川と合流する幡三川水系をなしていた可能性がある。つまり,住吉 神社付近の鞍部は,河川争奪の行われたところで刈田二二がこの地点の東で,二二川を奪 って現在の長流をなすに至ったとみられる。北流する河川は,極めて短小な渓流で,二二 を下っている。南流する河川は,津の上火山の南斜面を刻む短小河川である。

§2.壱岐における台地地形の特性 1.北部溶岩台地の地形特性

 壱岐における標高120㎜以上の高位面は南部の若松触の高位台地以外では,湯ノ本一筒 本線以北に限られる。この地帯を北部溶岩台地と呼ぶ。南限の線は,地形的には湯ノ本湾 北岸の急崖から山信川北岸の急斜面を経て,鉾ノ木山北方の鞍部を通り湯岳本村から深江 平触・筒城西触へと溶岩台地の西端を通って筒城浜に至るほぼ直線をなす線である。

  この線以北では,台地は東北部では南〜西北部では北へ谷江川に向って,ゆるやかに 傾斜する連続的な面を示し,台地上にはビュート状の微高地が分布し,中央低地帯の台地 がブロック状をなし,メーサやビュートは,台地末端部に多いことや,南部高地には火山 が大部分を占めるのと較べて大いに趣を異にしている。

 上述の如く,北部溶岩台地は,谷江川線(Fig.1)を軸として,対照的に上位から中 位・高位と高くなり,東北端では急送を示す海食崖で海中に入り,西南端では,上述の溶 岩台地縁辺の急斜面で中央低地部に接しているのである。

 このことは,谷江川線を沈降軸とする北部溶岩台地の傾動運動を想定させる。つまり,

南西部の湯野本一骨斑線に沿う断層運動と,東北部の赤瀬鼻から西北に発達する海食崖に 平行な断層運動(Fig.1d・赤瀬鼻〜辰ノ島線)を同時に伴ったものではなかろうか。

また松井和典(1958)・の地質図幅説明書によれば,玄武岩噴出としては最も新しい噴出 物である石英玄武岩の分布が,北部溶岩台地に限られること。及び,溶岩台地の低位・中 位・高位を問わず,この最も新しい噴出物におおわれているものが多いことなどから,想 定される傾動運動は,石英玄武岩噴出以前に行われ,かつ北部溶岩台地乃至その基盤を数 段に分断する数列の小規模な変位が谷江川に平行して行われたものと推定されるのであ

る。因みに,石英玄武岩の噴出は,第四紀更新世末とされ,顕著な断層運動は,新第三紀中 新世末とされている。従って,断層運動乃至傾動運動が北部溶岩台地の基盤をなす第三紀 層の丘陵地内にのみ発生したとしても,:Fig.5に示すように,傾動によるひずみに起因 した変位が,谷江川両岸の丘陵(第三紀層の準平原)上に,沈降軸に平行に惹き起され て,準平原面の分化が始まり,傾動運動が①から②へと進行するに従って分化された台地 面の段差は増大し,台地面の傾斜は幾分増大するものの,台地面の分化は極めて明確にな る。こうした地形の基盤上に流動性に富んだ玄武岩が流出して生ずる台地地形は,基盤の 地形に支配されて数段の台地面を形成する可能性を有するのである。小規模ながらでも,

傾動運動が溶岩流出後も継続したと仮定すれば,分化した台地面の形成に関する解釈は,

(5)

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  凡 例

〆… @は、傾動初期の地形断面 1一・②は、傾動後期の地形断面

皿1傾動による隆起量 固 傾動による沈降量

軸 Brock間の相対的変位

佃噛Cは、傾動初期の台地を必従する支流の平均河川勾配 隔一 Dは、傾動後期の台地を必卜する支流の平均河川勾配   A.谷 江 川

  B.湯野本一画城線に沿う急崖   C.赤瀬三一辰ノ島線に沿う急崖

Fig.5 壱岐島北部の傾動運動による台地分化の模式図

さらに容易なものとなろう。

 いずれにせよ,北部溶岩台地は,谷江川の両岸に対照的に低位台地から中位,高位台地 へと配列し,谷江川の支流は,傾動斜面上を必従谷をなして,左岸では南流,右岸では北 流し,本流とほぼ直角に近い角度をなして合流している。 (Fig.4)

 以下北部溶岩台地を谷江川左岸の台地を男岳溶岩台地,右岸を神岳溶岩台地とし,次の 地形区に区分し,各地形区について地形誌的叙述を試みることとする。 (Fig.19)

   IA・男岳溶岩台地

      IA−1 北箱崎台地       IA−2 南箱崎台地       IA−3 江角台地    IB・神岳溶岩台地

      IB−1 内海沿岸台地

       IB−1−a 諸学台地        IB−1−b 深江台地       IB−2 国分寺台地

      IB−3 上場台地       IB−4 本宮台地

 北箱崎台地(IA−1)(Fig.6)は,男岳溶岩台地の東北部を占め,北岸の赤瀬鼻付 近から勝本付近まで,高,中位の台地を切る海食崖が発達し,高さ50〜70御に達する。海 食崖を刻む渓流は,男呼北麓に源を発するワニ川で,遷移点以下では峡谷をなし,北岸台 地を高位の江角台地と中位の北箱崎台地とに区分している(ph.1)。中位台地上に噴 出した男岳・女岳は,火山砕屑物を交えるCinder coneであるが,中央部に二つの小盆 地を有し,地形的には,黒越溜池及び黒越部落付近を二二とする二つのホマーテ火山の結 合体と考えられる。(ph.2, ph.3,)聖岳,女岳の東は,後諸津川,前諸津川,岳ノ 浦川に浸食された中位〜低位の台地をなし,後玉津,前輪津では,低位台地はさらに細分

され,集落は,南面する20御内外の段丘上に立地している。 (ph.4)

 南箱崎台地(IA−2)(Fig.6)は,男岳,女岳の南に展開される低位を主とする溶 岩台地で,西部で中位が示され,谷江川沿いの縁辺斜面では標高30御の線に第三紀と玄武

(6)

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凡 例

三三第三紀丘陵

匡調上位溶岩台地(>100m)

[=コ中位溶岩台地(50m〜100m)

□下位溶岩台地(<50m)

國ビュート

匪i]メーサ

皿溶岩台地縁辺斜面 Eコ火山斜面 匹]火口跡 匠]干拓地

[]谷底低地・海岸低地

國砂丘

[zコ海食崖 巨]遷移点

巨コ溜池

Eコ地形区分線

A

B C D

瀬戸浦 谷江川 大左右盆地 黒越河谷

0        1km

E.魚釣崎 F.赤瀬鼻 G.赤 崎 H.江角川

Fig.6 男岳溶岩台地の東部(北箱崎台地,南箱崎台地及び江角台地)の地形分類

岩の境界が,小規模な地すべりが発生している。(ph.5,6)西高東低をなす台地の 中央部を浸食する大左右川は,盆地状低地をつくり,盆地周辺には20隅内外の湖岸段丘 を伴っている。河口の浦戸浦では峡谷状をなしている。後述する幡鉾川の下流の河内盆地

(7)

と全く同型で,地形発達も同様の過程を経たものと考えられる。東北部は,南流する石原 川,蟹田川に浸食され,低位台地は標高45御内外のいくつかの連続したビュートに変容し ている。東岸は,岳ノ浦・浪無・竜神崎には,高さ20〃z内外の海食崖が発達している。恵 比須集落・壱岐神社は,標高10〜20〃zの段丘面上にある。

 江角台地(IA−3)(Fig.6)は,東はワニ川・二反田川,角川,西は谷江川及びそ の支流・五反田川に囲まれた中・高位の台地帯で,北岸に高位台地があり,赤崎及び和合 ノ浜(和川とも書く)の海食崖で海に没している。ここでは,北箱崎台地の海食崖と異な り,地すべりが多発し,急崖下には地すべり突起を伴っている。突起は丘陵状をなし,耕 地(棚田)や家屋も散見され,放牧も行われている。地すべり地は,赤崎では1,2,3 の三つのブロックに分かれ(ph.7),二次的地すべりは数次にわたって行われている。

丘陵上に円孤状の数個の階段が見られ,2の丘陵末端には巨礫を含む土石流があり,最近 の地すべり発生を物語っている。台地面は,海食崖に沿う高位台地から中位へと低下し,

必従谷・江角川は,支流の五反田川と共に浅くこれを刻み,上流部の中・高位の境界線で は,東西方向に走る狭小な低地をつくり,遷移点を利用した貝畑・山渋溜池が指摘され

(ph,7),中位台地を刻む谷は浅い袋状をなして緩流し,岩瀬池の遷移点を経て,本流

・谷江川に合流している。

 勝本台地(Fig.7)は,男岳溶岩台地の西北端に位し,谷江川及御手洗川の最上流部

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凡例地形分類はFig.6に同じ    A.勝本浦  C.西上界  E.

   B.東触 D.城山

Fig.7 勝本台地の地形分類

0 1㎞

タンス浦

(8)

以北及び辰ノ島一天ケ原線以南の台地で,台地の南部は,浅く巾広い河谷が発達し,東・

中・西戸の集落が台地末端の標高60〜70吻の地点に分布する。北部の台地は海食崖によっ て切られ,基盤の第3紀層が標高50駕内外の線まで露われており,台地末端部は,地すべ

り崩壊によってU字形河谷の発達が著しく,集落は,海岸沿いの低地に位置する。勝本浦 の河谷もその一例で,背後は,メーサやビュートの残丘があり,その面上には,城山公園

や勝本小学校がある。勝本中学校は,標高40粥内外の段丘上にある(ph.8, ph.9)。

 神岳溶岩台地(IB)は,中央部の国分寺台地(IB−2)上場台地(IB−3)が,

高位面を広く有ち,その両翼に中,低位の半島をなす東の内海沿岸台地(IB−1),西 の本宮台地(IB−4)を伴っている。

 内海沿岸台地(IB−1)は,北岸の諸吉台地(IB−1−a)と南岸の深江台地(I B−1−b)とに区分される。

 諸吉台地(1B−1−a)は,高位の国分寺台地に隣…接する中,低位の溶岩台地で,

(ph. lo)半島の先端に向って低くなっている(Fig.8)。芦辺浦と田河小学校(二亦 触)を南北に結ぶ線以西では中位を示し,この線と本村触と南触間を南北に走る河谷線の 間の中部では20〜40初の低位台地をなしている。西部台地は,これを刻む原田川とその支 谷,山王川,明徳川及び椎ノ木川の支谷・伊良坂川によって刻まれ,国分寺台地との接触 部の標高IOO辮を扇頂とする開析扇状地の容相を呈し,末端部には,20辮内外の段丘を

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1墜ヨ上位溶岩台地 II[]中位溶岩台地

nla[コ下位溶岩台地(a)(30〜50m)

mb[コ下位溶岩台地(b) (<30m)

他の地形分類の凡例はFig.6に同じ

0       1㎞

      A.二亦触  D.清石浜       B.芦辺浦  E.左京鼻       C.八幡浦

      1.溜水溜池 3、高尾溜池       2.阿彦溜池 4.切方溜池

Fig.8半平台地の地形分類

(9)

伴っている(ph.12)。中部の台地でも,開析されて二亦触北方・55駕の独立標高点を扇 頂とする開析扇状地に類似する台地面がみられ,その末端部は,10駕内外の段丘に移行し ている。清石橋東方(ph.15)や田川中学校背後の段丘などがそれである。本村,南触以 東の東部台地は,北岸の馬ノ瀬・南岸の箱島間では標高20彿内外の台地面の保存が良好 で,周辺に10駕内外の段丘面を伴っている(ph.12)。半島先端部の八幡浦は,20駕内外 の段丘面から成り,北岸及び東北岸には,海食崖が発達し,景勝地をなしている。(ph.13,

14,15,16)八幡浦と本村・南触間には,標高5呪内外の溶岩台地があって,両者は辛 じて陸繋されているが,この風化した赤褐色の溶岩台地上には1〜2駕の砂丘が発達して いて,棚江原の砂丘地帯と呼ばれている。しかし八幡小学校付近の南岸一帯は,台地を 欠く砂浜である。南端の長者原崎では,高さ1〜2駕の第三紀層の海食棚上に砂礫をの せている。内海湾内の赤島・青島は,共に高さ15御内外の低平な台地の島である。(ph.

14)

 内海湾南岸の深江台地(IB−1−b)は(Fig.9),高尾山(142辮)の南方の高さ 50燗の鞍部で,高位台地(国分寺台地・IB−2)から切断され,切方川一門坂川がその,

境界をなし,この線に地形的断層線が設定される。

 深江本村・湯岳本村(深江南を含む)の深江台地は,標高100御内外の高位台地をなす が,深江栄では90粥内外のビュートをなし,深江東では80御内外の中位をなし,中央は,

円形の盆地をなし,盆地底は高さ。70粥の平坦地で,出口に仙川川の顕著な遷移点を有す る。隣接する深江鶴亀触では,標高60〜70粥の中位台地を示し,中央に標高50初内外の盆 地を有し,出ロに遷移点を有し,二者は全く同型の台地であるが,前者と後者の間には台 地・盆地底共に20駕内外の落差がある。両台地の西には低位段丘を伴う。幡黒川河口の峡 谷をへだてて,東には筒城台地があり,深江平出の台地が,標高70粥前後のメーサ状台地 をなす。筒城西触の低地をへだててその東には筒城山山高・仲触の台地が,高さ80駕内外 を示し,平造台地と同様にメーサ状を呈する。この台地の南画及び東麓には低位台地を伴

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(凡 例)分類は、Fig.6に同じ A.高尾山

B.深江本村触 C.深江鶴亀触

D.深江平削  G 権現山 E.筒海航触  H 筒城浜 F.山 崎

Flg 9深江台地の地形分類

一一一q.H

1.切方溜池 2.今坂溜池 3.松木溜池 4.早坂溜池

畔菅川 5.和田溜池 6.三反田池 7.二部池 8.山仲池

(10)

い,その東方は,ビュートを一なす権現山(53 のの周辺から筒城崎にかけて,10〜20彿の 極めて低位の台地に移行している。また,筒城山崎では,乙宮大明神から夕部堂にかけ て,中位台地から分離した標高10御内外の低位台地が南北に所在する。これらの低位台地 は海食をうけた海岸段丘に該当する。(ph.17〜18)

 国分寺台地(IB−2)(Fig. lo)(ph.19)は,上場台地と共に壱岐島の胴体部をな し,大半を高位で占め,肉縁が最も高く,高見原で148日目高尾山で142御を示し,谷江川 に向って低位し,河畔の一部に,中位・低位台地を伴っている。台地の中央部に国分寺跡 があり,台地はこの付近に源を発する梅ノ木川・初尾川によって刻まれるが,上流部で は,台地を浅く刻む緩流で,各地状低地を形成,遷移点付近で峡谷状をなして,下流に到 っている。梅ノ木川の支流・山水川は,本台地の東縁部の高尾山(高尾ノ辻)に源を発 し,縁辺部に火口状の窪地を形成,同じ支谷の城ノ辻川,石寺川も国分寺付近や流八幡 神社付近に袋状の低地を形成,いずれも遷移点と峡谷部を経て梅ノ木ダム(有効貯水量 632,000m2)に流入している。初尾川(谷江川の支流)は,支谷の笹本川・三反田川と共 に本台地の西縁部を刻み,上流部で,大清水溜池は見られるが,火口状窪地乃至袋状低地 を形成することはないのである。

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凡 例  地形分類はFig.6に同じ  A.鬼の岩屋  C.梅ノ木ダム   B.国分寺   D.清水池   a.梅ノ木川  c.石室川   b.山水川   d.城ノ辻川

E 高尾山 F 高見原 e 油分川 f 初尾川

Fig.10国分寺台地の地形分類

(11)

 国分寺台地面は以上の二つの必従河谷による異なった台地浸食の地形を指摘できるが,

さらに本台地を刻む特異な河谷として刈田院川の面谷,川瓦之が挙げられる。北流する梅 ノ木川,初尾川が台地面の傾斜に沿って流下するのに対して本河谷は,高見原に源を発 し,国分高位台地上を緩流,国分寺付近に盆地状低地をつくり,遷移点を経て,西流し,

鬼の岩屋付近で,さらに方向を南に転じて,オブセクエントの谷を形成し,川宮触では,

烏鳶川などの三つの小支点が,地すべり的浸食によって台地の縁辺部を円形に刻んでい

る。

凡 例  地形分類は、Fig.6に同じ   a.谷江川  b.初尾川   bl笹本川  c.梅ノ木川

  1.笹本谷 2.歯ぎれ谷3.辻山谷

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Fig.11国分当田触台地の地形分類

 上述の初尾川は,台地面を浅く刻んでいるが,下流の当田触付近においては,国分寺台 地の縁辺部に円形乃至乃至楕円形の現状河谷を形成しつつある。塩田触台地(Fig.11)

の西側縁辺部において,初尾川の溺谷,笹本川は地すべり的浸食によって「大神宮神社」

を中心とする半経約0.5肋の半円状窪地を形成,半円状の緩斜面は,地すべり堆積物に満 されている。さらに下流の大ぎれ地区では,同様の古い地すべり地形が指摘され,急崖下 に半円状の緩斜面が窪地地形を呈し,斜面上には「大ぎれ溜池」が構築されている。当田 台地の東側では,高位台地上に辻山谷とよばれる浅い円形の窪地があり,谷底面と台地と の比高は10燗内外で,大ぎれ谷の比高70粥に較べて極めて浅く,谷の出口は南側にあっ て,台地縁:辺の急斜面に移行し,顕著な遷移点を有する。なお,谷江川に面する台地め縁 辺部には,地すべりによる崩壊地がある。 (Fig. lo)

 上場台地(Ib−3)(Fg.12.ph.20〜21)は,湯ノ本湾に臨む上場触付近を最高とし 谷江川に向って低位する台地で,台地上には,明神山(139御),神岳(113甥)などのビ ュートが分布し,台地は,初尾川,後川川(谷江川支流)によって浅く刻まれてはいるが 盆:地白低地は発達していない。湯ノ本流に臨む台地縁:虫部は急斜面をなし,斜面の頭部 は,カール状をなし,カール状の末端には,湧水点を意味する溜池(法可池・高田池・西 川池など)があり,中腹には小突起乃至平坦地が配列している。こうした地形から古く地 すべりが多発したことが推定される。鯨面々・中学校・家畜管理所などは,地すべり末端 の段丘面上に立地している。

(12)

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凡 例  地形分類は、Fig.6に同じ

  A.湯ノ本湾 D.神岳

  B.上場触    E.岳ノ山   C.大清水    F.火箭ノ辻

G 本宮山 H 御手洗川

Fig.12上場台地と本宮台地の地形分類

 本宮台地(皿b−4)(Fig.12, ph.22)は,中位を主とし低位を交える台地で,台 地面上には,本宮山(80御)神通山(126駕)岳LLI(llO御)などの小ビュートが分布して いる。また台地面は,主として御手洗川水系川によって浅く浸食されているが,台地上に 盆地状低地を形成してはいない。大久保で標高30粥の低地があり,出口に狭隆部をつくっ ている程度である。水系の合流する河口で峡谷部を形成していることは,大左右川・幡鉾 川の河ロと軌を一にした壱岐の浸食地形の特色である。台地縁辺の海岸部は,河谷は未発 達で,本宮西触に小低地がみられるにすぎない。本台地の海岸は御手洗湾を除けば,連続 的に海食崖が発達している。手長島・黒ケ島も10㎜内外の台地の島である。

∬ 中央低地帯における台地の地形的特性

 湯野本一筒城線に沿う地形的変換線以南には,黒崎一印通寺線が走り,溶岩台地を切断 し,その南に郷ノ浦一葦通寺線があって南部火山地との地形的境界線をなしている。ここ でいう中央低地帯は,湯野本一筒城線(a)と郷ノ浦一印通寺線(c)(:Fig.1)との間の地帯

(13)

をさす。この地帯は,東部では低地に富み,西部では浸食によって,多くの台地に分断さ れ,いくつかの構造線(a,b, c,など)と,その後の浸食によって多くの台地に分断 され,津ノ上山・鹿ノ辻などの火山地を伴っている。高度は,北部溶岩台地(1)や南部 火山地(皿)に較べて一段低く,この低地帯に含まれる台地は,多くの小さな台地に分断

されており,それらの台地は浸食されてビュート状をなしている。それらの間には,狭小 な低地をはさみ,Fig.3の切二面図では20鯛以下の地帯をなしている。従って,北部溶 岩台地のように広い台地上に多くのビュートが分布する地形とは全く趣を異にしている。

 さらに,中央低地帯の平面形は,弓状をなし,東部では狭く,西部では,その巾を広げ 西端には,湯野本湾・半城湾・郷ノ浦湾に沈降軸があって,沼津半島と渡良半島とに分岐

している。

 北部溶岩台地(1)と同様に分水界は西側に偏在し,幡鉾川は長流して河内盆地の低地 を形成,西流する刈田院川・永田川はいずれも短小で,低地に乏しい。(Fig.1)中央 低地帯(mを地形的特性に従って次のように区分する。(:Fig.19)

  ∬A 東部低地

    ∬A−1  河内盆地     皿A−2  印通寺台地   豆B 中央台地(火山地を含む)

    丑B−1  住吉・湯島台地     亘B−2  津ノ上火山

    IB−3  志原台地

  豆C 西岸台地

IC−1

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沼津半島台地

EC−1−a

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渡良半島台地

豆C−2−a

I[C−2−b

IC−2−c

∬C−2−d

立石台地 長峰台地 半城本村台地 小牧台地 黒崎台地

北郷ノ浦台地 鹿ノ辻火山 渡良台地 三島台地

 東部低地の河内盆地(豆A−1)は,長径約2肋,短径約1.5肋の盆地状をなし,深江 田原ともよばれている。盆地周辺の石田西・池田・二二及び深江栄触には,高さユO〜20粥 の段丘を伴い盆地の出口には,深江台地(IB−3−b)筒城台地(IB−3−c)を切 る比高60㎜内外の峡谷がある。(ph.23)この特異な盆地形成については定説はない。こ こで,その形成についての推論の概要を述べることとする。即ち溶岩流出直後は峡谷は形 成されておらず,盆地は湖水であった可能性があり,湖水の溢流水は,湯野本一二城線に 沿って筒城低地に出ていたものと思われる。現在,山城台地(IB−3−c)と印通寺台 地(IA−2)との間には,両者を東西に切る河谷があり,小川と筒城低地の間の鞍部は

(14)

標高20隅になっている。この河谷の線が幡押下の旧流路である。その後,恐らくは,更新 世末になって,幡鉾川河口の峡谷が形成されて,湖水の排水が行われたものである。この 峡谷の形成の要因は,陸水によるものと考える.より,更新世の海進・海退の繰り返しの過 程において,下部の軟弱な第三紀層の部分が断層起源の弱線に沿って,次第に海食されて 峡谷形成の起源をなしたものと考える方が妥当である。前述の盆地周辺の段丘は,湖岸段 丘に属するのである。また,縄文海進期には再び全面湖水化(塩水)し,弥生期には盆地 の半ば近くが塩水にひたされた可能性がある。湖岸段丘上の原ノ辻には,弥生遺跡がある のである。近世でも,盆地の東端部は,潮間帯に当り,坊主橋付近は,安国寺住職の干拓 によるものとされている。また,盆地内では,幡鉾川の蛇行が著しく,また,洪水常習地 帯をなしたため,昭和32年,流路をshort cutした河川改修が行われたものである。

 なお,箱崎南台地(IA−4)に含まれる大左右の盆地状低地の成因も,川内盆地と軌 を一にしたものと考えられ,地形も同型である。

 印通寺台地(豆A−2) (Fig.13)は,低位溶岩台地が大部分を占め,この台地上に 中位台地のメーサ状をなす残丘をのせている。木村触の河谷低地以東では,この中位台地 の残丘は,標高70隅前後のメーサ状地形を呈し東浜の宇部川河谷のまわりに集中的に,分 布している。地質図(松井和典・1969)によれば,この付近に凝灰角礫岩の多いことか

ら,この一帯の斑晶質玄武岩の噴出の中心を,この地点に想定しているのである。

 周辺は,50燗以下の低位台地となり,小森江低地周辺では,20甥以下となり,海岸部の

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  凡 例  地形分類の凡例は、Fig.8に同じ    A.壱岐空港    E.宇部川河谷     B.石田西触盆地  F.錦 浜     C.本村触河谷   G.小川低地     D.万葉公園    H.筒城低地       1.小森江低地

Fig.13導通寺台地の地形分類

(15)

12〜13御の段丘上に壱岐空港が立地している。宇部川以西の海岸部では,南触で30〜50伍 の低位台地をなし,これを刻む河谷は海食によって切断され,志素魚浜〜銭亀崎では20粥 以下に低位している。(ph.24〜25)

 木村触河谷以西では,石田西触の盆地の北に,70辮前後のメーサが万葉公園とされ,50 例前後のメーサの山腹には,天満宮が奉られている。石田中学校の背後は,40燗台地で,

君ケ浦にも同じ高さの台地が,メーサ状をなし,台地上には大神宮があり,印通寺港外の 妻ケ島は15隅内外の低位台地である。町役場の所在する石田町触の盆地は,遷移点を経 て,印通寺港に通ずる。盆地底は,標高15〃z内外で,小川低地と共に川内盆地の湖岸段丘 面に対比される(ph.26)。中央台地に属する住吉・湯岳台地(IB−2)は,湯之本一 丁城線と黒崎一頻通寺線の間の台地帯で北部の高位台地から切断された台地群をなし,い

くつかのメーサやビュート地形として分布する。ここでは,幡鋒川本流と湯之本・筒界線 の間を湯番台地とし,山信川,刈田院川間を住吉台地,幡鉾川と柳田河谷との問を物部台 地として区分する。

 湯岳台地の鉾ノ木山G32鰯)・角上山(114祝)は,ビュートをなし,東側は幡鉾川の 支谷・椿田川,山田川,芦原川,よって刻まれ,湯岳今坂触では,壱年台地特有の円形の

盆地状河谷が形成され,出ロに遷移点を有し,山麓には15常内外の段丘を伴っている。西 側は幡鉾川及びその支谷,山信川によって浸食され,鉾ノ木山北方では標高80御の神坂の 鞍部となり,湯之本一考城線に沿って山斗河谷が形成され,角上山から西方は,これに平 行な標高80ηz内外の台地が丘陵化している。山勢河谷は,基盤の壱岐層(第三紀層)を洗

い,鉾ノ本山・角上山を刻む上流部で谷巾を広げた巾着状の盆地地形をなし,両岸には,

地すべりによる小丘陵・段丘を伴っている。角上山は二つのpeakを発ち,北に無線中 継所があり,南に角上神社が奉られている。また,南側には標高50御内外の二つのメーサ を伴い,鬼川のメーサでは採石が行われている。(ph.27〜28)

 住吉台地(Fig.14)は,標高80隅前後の中位溶岩台地で,その地形的特性は,北部 に,山信川・刈田院川の四谷が東西に走り,この台地を切り,その分水界,は標高60燗前 後をなし,付近に住吉神社が位置している。この線以北の住吉台地は標高80〜90御で,平 取川の浸食盆地に接する。住吉神社より南の台地では,浸食地形に特色があり,標高70御 の竜養寺を頂点とする急斜面が,円形の西向き浸食盆地を形成している。従って,この台 地の分水界は東側に偏在しているのである。

 物部台地(Fig.14)は,北は木田低地,南は柳田低地に接し,西は津ノ上火山地に接 しその境界を国道382号線が南北に走っている。標高50〜70賜の中位溶岩台地で,縁辺に 比高40鯛の急撃が発達している。

 中央台地(∬B)の西部にある津ノ上山火山地(豆B−2)(Fig.14)は,標高133.7 鰐で,溶岩と共に多くの火山砕屑物を伴って噴出し,岳ノ辻火山と共に新鮮な火山形を呈 し,火口も明瞭に指摘される。火口の西北部は,浸食によって崩壊し,刈田唱導の平谷・

寅ノ坂河谷が刻まれている。さらに火山斜面では西方を浅く刻み,南流して半城湾に至る 河谷があり,河床の標高50御地点に顕著な遷移点を有する。南斜面は,標高50燗内外の地 点に,亀の水・井道・植木原などの湧水点があり,これらの湧水を水源とする幡宮川の支 流・柳田地区の水系によって浸食されている。(ph.30〜3D

 志原台地(IB−3)(:Fig.14)は,黒崎一印通寺線と永田川に沿う郷ノ浦一印通寺線

(16)

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地形分類は、Fig.6に同じ 鉾ノ木山

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志野西触 東 君 津ノ上火山 住吉神社

Fig.14中央台地の地形分類

の間の台地で,西は半寿本村の河谷を境として,沼津半島の基部に接する。東部は池田・

大原の低位台地で,申央部の志原・田中では,50〜80粥の中位台地をなし,平坦な台地上 には,比高5祝内外の微高地が散在する。柳田低地に面する末端部では,開析されて標高 50魏内外のメーサやビュートとなり,東西方向に走り,西端のメーサ上には天手長男神社 が奉られている(ph.32)。西部は幡鉾川水系と半城湾水系との境をなす台標高50〜70辮 の中位台地で,台地上には,大谷公園や古城団地があり,郷ノ浦市街地の近郊地帯をなし ている。

 西部半島(HC)は,中央低地帯に属し,沼津半島(豆C−1)と渡良半島(五C−

2)に分岐している。

(17)

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凡 例  地形分類の凡例は、Fig.6に同じ

  A.湯ノ本浦      D.長峰本村触  G.沼津中学校   B.立石仲町      E.半城本村触  H.小牧西触   C.片苗湾       F.有安触    1.黒 崎    Fig.15沼津半島における台地の地形分類

 沼津半島台地(皿C−1)は,半島の基部をなす立石台地(IIC−1−a)・長峰台地

(IC−1−b)・半国台地(IC−1−cン半島部は,小牧台地とさらに先端の黒崎台 地に区分される。(Fig.15)

 半島基部の北側の立石台地(]IC−1−a)は,東は住吉台地,南は長峰台地に接し,

刈田院川がその境界をなし,北は湯野本湾に面する。標高50〜100駕の中位溶岩台地で,

刈田院川に接する東部には,円孤状の河谷を伴うが,西部は平坦面に富み,湯本浦・西触 では,20 7内外の低位段台を伴い,湯山公園・観世音寺はその面上にある。(ph.33)

 長峰台地(IC−1−b)は,立石台地の南に位し,東は津ノ上火山に隣…接,西は刈田 院川の支谷と半城湾に流入する御津の小支谷によって小牧台地と接する半島基部の台地 で,標高70粥内外の中位台地で,北流する牟田の支谷で東触台地と本村触台地とに分か れ,本村触台地が最も台地面の保存が良好で,天満神社がある。

 長峰台地(ph.34)の御津ノ辻以南の末端部は,河谷浸食によって台地はビュート化 し,半島状をなして半城湾に迫っている。半城湾奥の台地は総じて,メーサ,又はビュー

(18)

ト化しているため,この地区を半城台地(IIC−1−C)として一括した。台地面の保存 は断片的で,標高40御内外の低位を示し,末端部の湾岸では20御内外の段丘に移行してい る。東南部では,メーサ化した台地上に河原神社が奉られている。

 半島部をなす小牧溶岩台地(皿C−1−d)は,森ケ浜の河谷によって,有安台地と小 牧台地に区分され,有安台地は,1ユ0御内外の高位溶岩台地をなしているが,地質図(前 掲)によれば火山砕屑物を交える台地で,田ノ頭の円形河谷は,これらの噴出物の中心を なした可能性をも有する。西部は,中位〜低位へと移行し,末端の打釣瀬から鷹巣付近に かけては,20粥内外の海食崖が連続している。西南端の海曲では,小規模ながら砂階がみ

られる。(ph.35)

 小牧台地は,有安台地に較べて標高が低く,東部で70御内外の中位を示し,西部では 40〃3以下の低位となり,末端部の小牧崎から里にかけては10粥内外の段丘に移行してい

る。母ケ浦は円形の火口状の小盆地に海水の浸入したものである。台地東部の有安台地と の境界付近に学校や役場が立地している。

 黒崎台地(11C−1−e)は,沼津半島の最:先端部をなし,標高40御内外の低位を示す が,台地上には,標高80御のビュートが存在している。阿瀬ノ島・牛島も低位台地をな す。黒崎台地の末端部には,全域的に海食崖が発達し,阿母ケ港付近では30粥に達する。

 中央低地帯の西南部を占める渡良半島区は,半島の基部をなす郷ノ浦台地(皿C−2−

a)と半島部の満良台地(IIC−2−b)ならびにその西南に分布する三島台地(HC一

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凡 例  地形分類の凡例は、Fig.6に同じ A.郷ノ浦本村触

B.宇土湾 C.鹿の辻

D.牧 崎 E.渡良浦 F.大島瀬戸 Fig.16渡良半島における台地の地形分類

(19)

2−c)に区分される。(:Fig.16)

 北郷ノ浦台地は,標高40駕内外の低位平坦面を示すが,中央部の本村は,円形の小盆地 をなし,出ロに遷移点を有する。この台地東南の末端部は,郷ノ浦の湾入部に臨み,市街 地は湾岸を中心に台地縁辺急斜面及び台地上に及んでいる。台地の西部の海岸に臨む絵踏 付近では,標高50〜70隅の中位を示し,末端には,海食崖が連続している。渡良台地との 境界には,塵芥焼却場から東北方向に,明瞭な地形的断層が指摘される。この線を渡良線

と名付ける。

 渡良台地(皿C−2−b)は,東部に 鹿ノ辻火山(101燗)があり,宇土湾奥 の円形河谷が,その噴火ロとして推定さ れている(ph.36)。西部では,低位溶 岩台地に移行し,小崎浦・三吟浦・神田 の先端部では,30燗内外の段丘となり,

鳥帽子崎・嬬蛾崎では,さらに低く10燗 内外の海岸段丘に移行している。この2

〜3段の段丘面は東平・西触においても 指摘され,末端は海食崖で切られてい

る。(ph.37)

 三島台地は(∬C−2−c)(Fig.17)

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は,大島・長島・原島の三つの台地の島 からなる。

 大島は,20辮内外の低位溶岩台地上 に,火山砕屑物を含む標高54吻の火山性 丘陵がある。火山形態上はホマーテ火山 に属し,中央に噴火口が推定されるが,

火口壁の西北部は侵食によって壊され,

西北方向の谷がみられる。(ph.38.39.

40)

 長島台地は,20辮内外の低位溶岩台地 上に大島と同様に,ホマーテ火山の噴出 があり,標高50御の火山性丘陵となり,

火口跡は,西向きの円孤状を呈し,火山 体の西半分は失われている(ph.41.42)。

 原島(はるしま)は,20粥内外の低平

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凡 例  地形分類は、Fig.6に同じ   A.大島瀬戸  D.原 島

  B.大島  E.机島   C.長島  F.平島

Fig.17 三島台地の地形分類

な溶岩台地の島で,机島・平島も同型の無人島である。(ph.43)

皿南部溶岩台地における地形的特性

 永田川に沿う郷ノ浦一印通寺線以南の溶岩台地を南部溶岩台地とする。台地上には,ア スピーテ状のきわめて緩傾斜の岳ノ辻火山・久美ノ尾(ぐみのお)火山・釘山火山がみら れ,この地域の地形区を次のように設定する。(Fig.19)

(20)

  皿A 岳ノ辻台地

    皿A−1  南郷ノ浦溶岩台地     皿A−2  岳ノ辻火山   皿B 若松溶岩台地

  皿C 久美ノ尾台地

    皿C−1  久美ノ尾火山     皿C−2  初瀬(はぜ)丘陵   皿D 釘山台地

 岳ノ辻火山の基盤をなすとみられる溶岩台地は,その周辺にみられるが,そのうち郷ノ 浦湾に臨む西部の台地を南郷ノ浦台地(皿A一ユ)とする。南郷ノ浦台地は,北郷ノ浦台 地(皿C−2−a)と一対の台地をなすが,郷ノ浦湾と永田川によって,区分されてい

る。岳ノ辻火山の西麓にあって,中位から低位へと移行し,その変換線は,かなり明瞭 で,河谷には遷移点を有し,この線に沿って175号線を通ずる。中位台地上では,河谷 は,浅い広がりをみせているのが特徴的であるが,梅津湾に臨む梅津は,中位台地にみら れる楕円状の窪地をなし,北郷ノ浦台地の本村盆地に対比され,また坪触では中位・下位 の境界付近を頭部とする古い地すべり地形が指摘される。下位台地は,平坦面の保存が良 好で,片原触では,2〜3段の段丘に細分することができるが,国立療養所以南の海岸で は,20駕以下の段丘は消失し,海食崖に終っている。(Fig.18)

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凡 例  地形分類は、Fig.6に同じ  A.岳ノ辻火山   D.片 原  B.久美ノ尾火山 E.坪  C.若松台地    F.海豚鼻

G.当田ダム H.久喜触

1.辻 山

Fig.18南部溶岩台地の地形分類

(21)

9

8

IB−4

IA−4

IA−3

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IB−3

IA−1

IA−2

IB−2 nc−1−a

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IIC−2−b

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IIC−1−b

IIC

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IIB−2 HB−1

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IIC−2−a

IIB−3

     IB−1−b

∬A−1

IHA−1

mA−2  mD

mc−1

mB

・皿IC−2

■A−2

1 北部溶岩台地  IA 男岳溶岩台地  IB 神岳溶岩台地

皿 中央低地帯

 皿A東部低地  EB 中央台地  HC 西岸台地

∬ C−2

IA−1北箱崎台地 IA−2南箱崎台地 IA−3江角台地 IB−1内海沿岸台地 IB−1−a諸吉台地

IB−1−6深江台地 IB−2回分吉台地 IB−3上場台地 IB−4本宮台地

     ■A−1河内盆地 IA−2印通寺台地

     IB一エ住吉・湯岳台地 1B−2津ノ上火山 IB−3志原台地      亘C−1沼津半島台地 皿C−1−a立石台地

     皿C−1−b長崎台地 皿C−1−c半城本村台地      皿C一ユーd小牧台地 皿C−1−e黒崎台地

渡良半島台地  ∬C−2〜a北郷ノ浦台地 皿C−2−b鹿ノ辻火山        皿C−2−c渡良台地 皿C−2−d三島台地

皿 南部溶岩台地

 皿A岳ノ辻台地  皿A−1南郷ノ浦台地彊A−2岳ノ辻火山

 皿B若松台地 皿C久美ノ尾台地皿C−1久美ノ尾火山皿C−2初瀬丘陵  皿D 釘山台地

 IV  北部第三紀丘陵

        Fig.19壱岐の地形区分

参照

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